特許第6356870号(P6356870)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6356870
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】基材組立体の製造装置
(51)【国際特許分類】
   H01G 9/20 20060101AFI20180702BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20180702BHJP
   H01L 51/48 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
   H01G9/20 303C
   G09F9/00 338
   H01L31/04 180
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-102227(P2017-102227)
(22)【出願日】2017年5月24日
(62)【分割の表示】特願2013-159823(P2013-159823)の分割
【原出願日】2013年7月31日
(65)【公開番号】特開2017-208549(P2017-208549A)
(43)【公開日】2017年11月24日
【審査請求日】2017年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100129296
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 博昭
(74)【代理人】
【識別番号】100143764
【弁理士】
【氏名又は名称】森村 靖男
(72)【発明者】
【氏名】中 圭介
【審査官】 瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−199081(JP,A)
【文献】 特開2011−222139(JP,A)
【文献】 特開2010−113830(JP,A)
【文献】 特開2006−202681(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 9/20
H01M 14/00
G09F 9/00
H01L 31/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基材と第2基材とを、前記第1基材及び前記第2基材の少なくとも一方に封止部を固定し、前記第1基材と前記第2基材との間に前記封止部を挟み込み且つ前記第1基材と前記第2基材と前記封止部との間に被封止物を配置した状態で重ね合せた後、前記封止部に対応するパターンを有する加圧面を有するプレス部の前記加圧面によって前記封止部を加圧して前記封止部を介して前記第1基材と前記第2基材とを貼り合せて基材組立体を製造する基材組立体の製造装置であって、
前記第1基材を支持する第1基材支持部と、
前記第1基材支持部に対向する位置に設けられ、前記第1基材側で前記第2基材を支持する第2基材支持部と、
前記第1基材支持部を前記プレス部に向かって相対的に移動させることが可能な移動機構と、
前記第1基材支持部に設けられ、前記第2基材支持部を貫通し、前記第2基材支持部を前記第1基材支持部側にガイドさせることが可能なガイド部と、
前記第1基材支持部と前記第2基材支持部との間に設けられ、前記第1基材支持部と前記第2基材支持部との間の距離を調整することが可能な距離調整部材と、
を備える基材組立体の製造装置。
【請求項2】
第1基材と第2基材とを、前記第1基材及び前記第2基材の少なくとも一方に封止部を固定し、前記第1基材と前記第2基材との間に前記封止部を挟み込み且つ前記第1基材と前記第2基材と前記封止部との間に被封止物を配置した状態で重ね合せた後、前記封止部に対応するパターンを有する加圧面を有するプレス部の前記加圧面によって前記封止部を加圧して前記封止部を介して前記第1基材と前記第2基材とを貼り合せて基材組立体を製造する基材組立体の製造装置であって、
前記第1基材を支持する第1基材支持部と、
前記第1基材支持部に対向する位置に設けられ、前記第1基材側で前記第2基材を支持する第2基材支持部と、
前記第1基材支持部を前記プレス部に向かって相対的に移動させることが可能な移動機構と、
前記第1基材支持部上の面以外の面に固定され、前記第2基材支持部を貫通し、前記第2基材支持部を前記第1基材支持部側にガイドさせることが可能なガイド部と、
前記第1基材支持部と前記第2基材支持部との間に設けられ、前記第1基材支持部と前記第2基材支持部との間の距離を調整することが可能な距離調整部材と、
を備える基材組立体の製造装置。
【請求項3】
前記プレス部が前記封止部を加熱する加熱部を兼ねる、請求項1又は2に記載の基材組立体の製造装置。
【請求項4】
前記距離調整部材がバネ部材で構成される、請求項1〜のいずれか一項に記載の基材組立体の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相対向する基材同士が環状の封止部を介して組み立てられ、相対向する基材と封止部との間に被封止物を配置した基材組立体の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
相対向する基材同士が環状の封止部を介して組み立てられ、相対向する基材と封止部との間に被封止物を配置した基材組立体として、例えば色素増感太陽電池や有機EL素子などが知られている。このような基材組立体を製造する装置としては、例えば下記特許文献1に記載のものが知られている。下記特許文献1には、上部シートを静電チャックで保持し、環状の封止部が形成され且つ封止部の内側に被封止物が配置された下部シート材と対向させ、下部シート材と上部シート材とを重ね合せた後、環状加熱部を有する加熱手段によって封止部を加熱しながら加圧して、上部シート材、下部シート材及び環状封止部により形成される閉空間内に被封止物を封入する加熱封止装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−199081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に記載の加熱封止装置は、以下に示す課題を有していた。
【0005】
すなわち、上記特許文献1に記載の加熱封止装置は、加熱手段の環状加熱部の内側に静電チャックを収容させているため、相対向する基材同士を高精度に位置合せできる。しかし、異なる形状や数の封止部を有する基材組立体を製造する場合には、環状加熱部のみならず、静電チャックまでもその封止部の形状や数に合わせて交換する必要がなり、異なる形状や数の封止部を有する基材組立体を簡便に製造することができなかった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、相対向する基材同士間の位置合わせを高精度に行うことができ、異なる形状や数の封止部を有する基材組立体を簡便に製造することができる基材組立体の製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、第1基材と第2基材とを、前記第1基材及び前記第2基材の少なくとも一方に封止部を固定し、前記第1基材と前記第2基材との間に前記封止部を挟み込み且つ前記第1基材と前記第2基材と前記封止部との間に被封止物を配置した状態で重ね合せた後、前記封止部に対応するパターンを有する加圧面を有するプレス部の前記加圧面によって前記封止部を加圧して前記封止部を介して前記第1基材と前記第2基材とを貼り合せて基材組立体を製造する基材組立体の製造装置であって、前記第1基材を支持する第1基材支持部と、前記第1基材支持部に対向する位置に設けられ、前記第1基材側で前記第2基材を支持する第2基材支持部と、前記第1基材支持部を前記プレス部に向かって相対的に移動させることが可能な移動機構と、前記第1基材支持部に設けられ、前記第2基材支持部を貫通し、前記第2基材支持部を前記第1基材支持部側にガイドさせることが可能なガイド部と、前記第1基材支持部と前記第2基材支持部との間に設けられ、前記第1基材支持部と前記第2基材支持部との間の距離を調整することが可能な距離調整部材と、を備える基材組立体の製造装置である。
【0008】
この基材組立体の製造装置によれば、第1基材支持部に第1基材が支持される。一方、第2基材支持部に第2基材が支持される。そして、この状態で第2基材支持部をガイド部に貫通させる。このとき、距離調整部材によって第1基材と第2基材とを離間した状態に保持させる。続いて、移動機構により、第1基材支持部をプレス部に向かって相対的に移動させる。このとき、距離調整部材によって第1基材と第2基材とが離間した状態に保持されたままとなっている。やがて、第2基材支持部がプレス部に当接される。このとき、第2基材支持部の移動は停止されるが、ガイド部が第2基材支持部を貫通しているため、第1基材支持部の移動はまだ可能である。このため、さらに移動機構により第1基材支持部をプレス部に向かって移動させると、距離調整部材によって第1基材支持部と第2基材支持部との距離が縮められ、第1基材支持部が第2基材支持部に近づけられる。そして、第1基材と第2基材とが、それらの間に封止部を挟み込み且つ第1基材と第2基材と封止部との間に被封止物を配置した状態で重ね合わされる。このとき、ガイド部が第2基材支持部を貫通しているため、第2基材支持部を第1基材支持部に対する所望の位置に確実にガイドすることが可能となる。このため、第1基材と第2基材との位置合わせを高精度に行うことができる。また第1基材と第2基材とが重ね合わされた後、さらに移動機構により、第1基材支持部がプレス部によって移動されると、プレス部の加圧面によって封止部が加圧される。こうして、封止部を介して第1基材と第2基材との貼合が行われ、基材組立体が得られる。また、この基材組立体の製造装置によれば、異なる形状や数の封止部を有する基材組立体を製造する場合でも、プレス部を、その加圧面の形状や数を封止部の形状や数に合わせて変更した新たなプレス部に交換するだけで済む。このため、本発明の基材組立体の製造装置は、異なる形状や数の封止部を有する基材組立体を簡便に製造することができる。
【0009】
また本発明は、第1基材と第2基材とを、前記第1基材及び前記第2基材の少なくとも一方に封止部を固定し、前記第1基材と前記第2基材との間に前記封止部を挟み込み且つ前記第1基材と前記第2基材と前記封止部との間に被封止物を配置した状態で重ね合せた後、前記封止部に対応するパターンを有する加圧面を有するプレス部の前記加圧面によって前記封止部を加圧して前記封止部を介して前記第1基材と前記第2基材とを貼り合せて基材組立体を製造する基材組立体の製造装置であって、前記第1基材を支持する第1基材支持部と、前記第1基材支持部に対向する位置に設けられ、前記第1基材側で前記第2基材を支持する第2基材支持部と、前記第1基材支持部を前記プレス部に向かって相対的に移動させることが可能な移動機構と、前記第1基材支持部上の面以外の面に固定され、前記第2基材支持部を貫通し、前記第2基材支持部を前記第1基材支持部側にガイドさせることが可能なガイド部と、前記第1基材支持部と前記第2基材支持部との間に設けられ、前記第1基材支持部と前記第2基材支持部との間の距離を調整することが可能な距離調整部材と、を備える基材組立体の製造装置である。
【0010】
この基材組立体の製造装置によれば、プレス部を固定した状態で移動機構により第1基材支持部をプレス部に向かって移動させる場合、以下の作用が得られる。すなわちまず第1基材支持部に第1基材が支持される。一方、第2基材支持部に第2基材が支持される。そして、この状態で第2基材支持部をガイド部に貫通させる。このとき、距離調整部材によって第1基材と第2基材とを離間した状態に保持させる。続いて、移動機構により、第1基材支持部をプレス部に向かって移動させる。このとき、ガイド部は第1基材支持部上の面以外の面に固定されているため、距離調整部材によって第1基材と第2基材とが離間した状態に保持されたままとなっている。やがて、第1基材と第2基材とがそれらの間に封止部を挟み込み且つ第1基材と第2基材と封止部との間に被封止物を配置した状態で重ね合わされる。このとき、第2基材支持部を第1基材支持部に対する所望の位置に確実にガイドすることが可能となる。このため、第1基材と第2基材との位置合わせを高精度に行うことができる。そして、さらに移動機構によって第1基材支持部をプレス部に向かって移動させる。やがて、第2基材支持部がプレス部に当接される。このとき、第1基材と第2基材とは重ね合わされた状態のままとなっている。またこのとき、第2基材支持部の移動は停止されるが、ガイド部が第2基材支持部を貫通しているため、第1基材支持部の移動はまだ可能である。このため、さらに移動機構により第1基材支持部がプレス部に向かって移動されると、プレス部の加圧面によって封止部が加圧される。こうして、封止部を介して第1基材と第2基材との貼合が行われ、基材組立体が得られる。また、この基材組立体の製造装置によれば、異なる形状や数の封止部を有する基材組立体を製造する場合でも、プレス部を、その加圧面の形状や数を封止部の形状や数に合わせて変更した新たなプレス部に交換するだけで済む。このため、本発明の基材組立体の製造装置は、異なる形状や数の封止部を有する基材組立体を簡便に製造することができる。
【0011】
またこの基材組立体の製造装置によれば、第1基材支持部を固定した状態で移動機構によりプレス部を第1基材支持部に向かって移動させる場合、以下の作用が得られる。すなわちまず第1基材支持部に第1基材が支持される。一方、第2基材支持部に第2基材が支持される。そして、この状態で第2基材支持部をガイド部に貫通させる。このとき、距離調整部材によって第1基材と第2基材とを離間した状態に保持させる。続いて、移動機構により、プレス部を第1基材支持部に向かって移動させる。このとき、ガイド部は第1基材支持部上の面以外の面に固定されているため、距離調整部材によって第1基材と第2基材とが離間した状態に保持されたままとなっている。やがて、プレス部が第2基材支持部に当接される。そして、さらに移動機構によってプレス部を第1基材支持部に向かって移動させる。やがて、第1基材と第2基材とがそれらの間に封止部を挟み込み且つ第1基材と第2基材と封止部との間に被封止物を配置した状態で重ね合わされる。このとき、ガイド部により、第2基材支持部を第1基材支持部に対する所望の位置に確実にガイドすることが可能となる。このため、第1基材と第2基材との位置合わせを高精度に行うことができる。このため、さらに移動機構によりプレス部が第1基材支持部に向かって移動されると、プレス部の加圧面によって封止部が加圧される。こうして、封止部を介して第1基材と第2基材との貼合せが行われ、基材組立体が得られる。また、この基材組立体の製造装置によれば、異なる形状や数の封止部を有する基材組立体を製造する場合でも、プレス部を、その加圧面の形状や数を封止部の形状や数に合わせて変更した新たなプレス部に交換するだけで済む。このため、本発明の基材組立体の製造装置は、異なる形状や数の封止部を有する基材組立体を簡便に製造することができる。
【0012】
上記基材組立体の製造装置においては、前記プレス部が前記封止部を加熱する加熱部を兼ねることが好ましい。
【0013】
この場合、プレス部の加圧面によって封止部を加圧する際、封止部を加熱することも可能となる。
【0016】
上記基材組立体の製造装置においては、前記距離調整部材が例えばバネ部材で構成される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、相対向する基材同士間の位置合わせを高精度に行うことができ、異なる形状や数の封止部を有する基材組立体を簡便に製造することができる基材組立体の製造装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の基材組立体の製造装置の一実施形態を示す部分切断面端面図である。
図2図1における第2基材支持部を示す切断面端面図である。
図3図1の基材組立体の製造装置を用いた基材組立体の製造方法の一工程を示す部分切断面端面図である。
図4図1の基材組立体の製造装置を用いた基材組立体の製造方法の一工程を示す部分切断面端面図である。
図5図1の基材組立体の製造装置を用いた基材組立体の製造方法の一工程を示す部分切断面端面図である。
図6図1の基材組立体の製造装置を用いた基材組立体の製造方法の一工程を示す部分切断面端面図である。
図7図1の基材組立体の製造装置を用いた基材組立体の製造方法の一工程を示す部分切断面端面図である。
図8】本発明の基材組立体の製造装置の他の実施形態を示す部分切断面端面図である。
図9図8の基材組立体の製造装置を用いた基材組立体の製造方法の一工程を示す部分切断面端面図である。
図10図8の基材組立体の製造装置を用いた基材組立体の製造方法の一工程を示す部分切断面端面図である。
図11図8の基材組立体の製造装置を用いた基材組立体の製造方法の一工程を示す部分切断面端面図である。
図12図8の基材組立体の製造装置を用いた基材組立体の製造方法の一工程を示す部分切断面端面図である。
図13図8の基材組立体の製造装置を用いた基材組立体の製造方法の一工程を示す部分切断面端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0020】
<第1実施形態>
まず本発明の基材組立体の製造装置の第1実施形態について図1及び図2を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の基材組立体の製造装置の第1実施形態を示す部分切断面端面図、図2は、図1における第2基材支持部を示す切断面端面図である。
【0021】
図1に示すように、基材組立体の製造装置100はチャンバ1を有し、チャンバ1は、開口を有する本体部1aと、本体部1aの開口を塞ぐように設けられる蓋部1bとを有している。チャンバ1には、ガスを流通させるガス流通口1cが形成され、ガス流通口1cには、ガス排出機構2が接続されている。ガス排出機構2は、例えばガス流通口1cに接続されるガス排出管2aと、ガス排出管2aに接続される真空ポンプ2bとで構成される。なお、チャンバ1を構成する材料としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、鋼、SUSなどが用いられる。
【0022】
チャンバ1の本体部1a内には、第1基材10を支持する第1基材支持部11が設けられており、第1基材支持部11に対向する位置には、第1基材10側で第2基材20を支持する第2基材支持部21が配置されるようになっている。またチャンバ1の蓋部1bには、2つの環状の加圧面3aを有するプレス部3が固定されている。本実施形態では、プレス部3は加熱部を兼ねている。なお、第1基材支持部11を構成する材料としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、鋼、SUSなどが用いられ、プレス部3を構成する材料としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、鋼、銅、SUSなどが用いられる。
【0023】
また基材組立体の製造装置100は、第1基材支持部11をプレス部3に向かって移動させる移動機構30を備えている。移動機構30は、第1基材支持部11の下面で第1基材支持部11を支持し、チャンバ1の本体部1aを貫通して図1の矢印A方向に沿って第1基材支持部11を昇降させる昇降シャフト31と、チャンバ1の外側に配置され、昇降シャフト31を昇降させる駆動部32とを有している。なお、基材組立体の製造装置100は、チャンバ1の本体部1aと駆動部32とを気密に接続する気密保持部材40によって接続されている。気密保持部材40としては、例えばベローズなどが用いられる。
【0024】
第1基材支持部11は、第1基材10を支持する第1基材支持面11aと、第1基材支持面11aの両側に形成されるガイド部設置面11bとを有している。ガイド部設置面11bからは4本の棒状のガイド部50が図1の矢印A方向に沿って延びている。
【0025】
図2に示すように、第2基材支持部21は、環状の第2基材支持フレーム21aと、第2基材支持フレーム21aの内側開口を覆うように設けられ、第2基材20を固定するための第2基材固定部21bとを有している。第2基材支持フレーム21aには、ガイド部50を挿入させるための貫通孔21cが形成されている。なお、第2基材支持フレーム21aを構成する材料としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、鋼、SUSなどが用いられ、第2基材固定部21bを構成する材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリイミド樹脂などが用いられる。
【0026】
図1に示すように、ガイド部50には、第1基材支持部11と第2基材支持部21との間に設けられ、第1基材支持部11と第2基材支持部21との間の距離を調整することが可能な距離調整部材60が設けられている。距離調整部材60として、本実施形態では、バネ部材が設けられている。
【0027】
次に、上述した基材組立体の製造装置100の作用について、図1図7を参照しながら、基材組立体として色素増感太陽電池モジュールを製造する場合を例にして説明する。図3図7は、図1の基材組立体の製造装置を用いた基材組立体の製造方法の一連の工程を示す部分切断面端面図である。
【0028】
まず第1基材10を用意する。第1基材10としては、例えば作用極を用いる。ここで、作用極としては、1枚の導電性基板10a上に2つの環状の封止部12が互いに離間して配置され、各封止部12の内側に多孔質酸化物半導体層10bが配置されたものを用いる。導電性基板10aとしては、例えば透明基板上に透明導電層を形成したものを用いる。
【0029】
そして、図3に示すように、チャンバ1の蓋部1bを取り外し、チャンバ1の本体部1a内において、第1基材支持部11の第1基材支持面11a上に第1基材10を配置して第1基材10を支持させる。その後、第1基材10の多孔質酸化物半導体層10b上に被封止物13としての電解質を配置する。
【0030】
一方、2つの第2基材20の各々に環状の封止部22を固定したものを用意する。また図2に示すように、第2基材支持部21を用意する。そして、2つの封止部22を設けた第2基材20を、第2基材支持部21の第2基材固定部21bに固定する。第2基材固定部21bとしては、例えば粘着シートなどを用いることができる。
【0031】
そして、図4に示すように、この状態で第2基材支持部21をチャンバ1の本体部1a内に入れ、ガイド部50に貫通させる。具体的には、第2基材支持部21の第2基材支持フレーム21aの貫通孔21cにガイド部50を貫通させる。このとき、ガイド部50には、距離調整部材60としてバネ部材が設けられているため、距離調整部材60が少し縮んだ後、第1基材支持部11と第2基材支持部21とが離間した状態に保持される。このとき、第1基材10と第2基材20とが離間した状態に保持される。
【0032】
次に、図5に示すように、チャンバ1の本体部1aに蓋部1bを取り付ける。このとき、蓋部1bには、プレス部3を固定する。ここで、プレス部3の加圧面3aの形状は、封止部12、封止部22と同様の環状パターンとする。また加圧面3aの個数は、第1基材10又は第2基材20の数に合わせる。そして、チャンバ1内のガス流通口1cからガス排出機構2によってガスを排出する。具体的には、真空ポンプ2bを作動させ、ガス排出管2aを通してチャンバ1内のガスを排出する。こうしてチャンバ1の内部を真空雰囲気とする。
【0033】
その後、移動機構30により、第1基材支持部11をプレス部3に向かって移動させる。具体的には、駆動部32を駆動することにより、昇降シャフト31を図5の矢印A方向に沿って移動させる。このとき、距離調整部材60によって第1基材10と第2基材20とが離間した状態に保持されたままとなっている。やがて、第2基材支持部21がプレス部3に当接される(図6参照)。このとき、第2基材支持部21の移動は停止されるが、ガイド部50が第2基材支持部21を貫通しているため、第1基材支持部11の移動はまだ可能である。このため、さらに移動機構30により第1基材支持部11をプレス部3に向かって移動させると、距離調整部材60によって第1基材支持部11と第2基材支持部21との距離が縮められ、第1基材支持部11が第2基材支持部21に近づけられる。やがて、第1基材10と第2基材20とが、それらの間に封止部12、22を挟み込み且つ第1基材10と第2基材20と封止部12、22との間に被封止物13を配置した状態で重ね合わされる(図7参照)。このとき、ガイド部50が第2基材支持部21を貫通しているため、第2基材支持部21を第1基材支持部11に対する所望の位置に確実にガイドすることが可能となる。このため、第1基材10と第2基材20との位置合わせを高精度に行うことができる。また第1基材10と第2基材20とが重ね合わされた後、さらに移動機構30により、第1基材支持部11がプレス部3に向かって移動されると、プレス部3の加圧面3aによって封止部12、22が加圧される。また本実施形態ではプレス部3は加熱部を兼ねているため、加圧面3aによって封止部12,22を加熱溶融させることも可能となる。こうして、封止部12を介して第1基材10と第2基材20との貼合せが行われ、基材組立体としての色素増感太陽電池モジュールが得られる。
【0034】
また、この基材組立体の製造装置100によれば、異なる形状や数の封止部12を有する基材組立体を製造する場合でも、プレス部3を、その加圧面3aの形状や数を封止部12の形状や数に合わせて変更した新たなプレス部に交換するだけで済む。このため、基材組立体の製造装置100は、異なる形状や数の封止部12を有する基材組立体を簡便に製造することができる。
【0035】
<第2実施形態>
次に、本発明の基材組立体の製造装置の第2実施形態について図8を参照しながら詳細に説明する。図8は、本発明の基材組立体の製造装置の第2実施形態を示す部分切断面端面図である。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一又は同等の構成要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0036】
図8に示すように、本実施形態の基材組立体の製造装置200は、ガイド部250がチャンバ1の本体部1aの底面211bに固定され、第1基材支持部11がガイド部設置面11bを有しない点で、ガイド部50が第1基材支持部11のガイド部設置面11bに固定されている第1実施形態の基材組立体の製造装置100と相違する。なお、ガイド部250としては、その先端が、チャンバ1の本体部1aの底面211bからプレス部3の加圧面3aの位置よりも高い位置に配置することが可能なものを用いる。
【0037】
以下、本実施形態の基材組立体の製造装置200の作用について図9図13を参照しながら、基材組立体として色素増感太陽電池モジュールを製造する場合を例にして説明する。図9図13は、図8の基材組立体の製造装置を用いた基材組立体の製造方法の一連の工程を示す部分切断面端面図である。
【0038】
まず第1基材10を用意する。
【0039】
そして、図9に示すように、チャンバ1の蓋部1bを取り外し、チャンバ1の本体部1a内において、第1基材支持部11の第1基材支持面11a上に第1基材10を配置して第1基材10を支持させる。その後、第1基材10の多孔質酸化物半導体層10b上に被封止物13としての電解質を配置する。
【0040】
一方、2つの第2基材20の各々に環状の封止部22を固定したものを用意する。また図2に示すように、第2基材支持部21を用意する。そして、2つの封止部22を設けた第2基材20を、第2基材支持部21の第2基材固定部21bに固定する。
【0041】
そして、図10に示すように、この状態で第2基材支持部21をチャンバ1の本体部1a内に入れ、ガイド部250に貫通させる。具体的には、第2基材支持部21の第2基材支持フレーム21aの貫通孔21cにガイド部250を貫通させる。このとき、ガイド部250には、距離調整部材60としてバネ部材が設けられているため、距離調整部材60が少し縮んだ後、第2基材支持部21とチャンバ1の本体部1aの底面211bとが離間した状態に保持される。このとき、第1基材10と第2基材20とが離間した状態に保持される。
【0042】
次に、図11に示すように、チャンバ1の本体部1aに蓋部1bを取り付ける。このとき、蓋部1bには、プレス部3を固定する。そして、チャンバ1内のガス流通口1cからガス排出機構2によってガスを排出する。こうしてチャンバ1の内部を真空雰囲気とする。
【0043】
その後、移動機構30により、第1基材支持部11をプレス部3に向かって移動させる。具体的には、駆動部32を駆動することにより、昇降シャフト31を図11の矢印A方向に沿って移動させる。このとき、第2基材支持部21は静止しているので、第1基材支持部11は、第2基材支持部12に近づいていく。第1基材10と第2基材20とが、それらの間に封止部12、22を挟み込み且つ第1基材10と第2基材20と封止部12、22との間に被封止物13を配置した状態で重ね合わされる(図12参照)。このとき、ガイド部250が第2基材支持部21を貫通しているため、第2基材支持部21を第1基材支持部11に対する所望の位置に確実にガイドすることが可能となる。このため、第1基材10と第2基材20との位置合わせを高精度に行うことができる。
【0044】
そして、さらに移動機構30によって第1基材支持部11をプレス部3に向かって移動させる。やがて、第2基材支持部21がプレス部3に当接される(図13参照)。このとき、第1基材10と第2基材20とは重ね合わされた状態のままとなっている。またこのとき、第2基材支持部21の移動は停止されるが、ガイド部250が第2基材支持部21を貫通しているため、第1基材支持部11の移動はまだ可能である。このため、さらに移動機構30により第1基材支持部11がプレス部3に向かって移動されると、プレス部3の加圧面3aによって封止部12,22が加圧される。また本実施形態ではプレス部3は加熱部を兼ねているため、加圧面3aによって封止部12,22を加熱溶融させることも可能となる。こうして、封止部12,22を介して第1基材10と第2基材20との貼合が行われ、基材組立体としての色素増感太陽電池モジュールが得られる。
【0045】
また、この基材組立体の製造装置200によれば、異なる形状や数の封止部12、22を有する基材組立体を製造する場合でも、プレス部3を、その加圧面3aの形状や数を封止部12、22の形状や数に合わせて変更した新たなプレス部に交換するだけで済む。このため、基材組立体の製造装置200は、異なる形状や数の封止部12、22を有する基材組立体を簡便に製造することができる。
【0046】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、ガス流通口1cにガス排出機構が接続されているが、ガス排出機構に代えて、窒素ガスなどの不活性ガスを供給するガス供給機構が接続されてもよい。
【0047】
また上記実施形態では、第1基材10及び第2基材20の各々に封止部12,22が固定された基材組立体を製造する場合を例にして基材組立体の製造装置の作用について説明したが、本発明の基材組立体の製造装置は、第1基材10及び第2基材20のいずれか一方に封止部が固定された基材組立体を製造する場合であれば適用可能である。
【0048】
さらに上記実施形態では、プレス部3が加熱部を兼ねているが、プレス部3は必ずしも加熱部を兼ねていなくてもよい。すなわち、封止部12,22として熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いる場合にプレス部3が加熱部を兼ねるようにすればよく、封止部12,22として、紫外線硬化性樹脂を用いる場合には封止部を加熱する必要がなくなるため、プレス部3が加熱部を兼ねる必要がない。この場合、チャンバ内に紫外線照射装置などが設けられていればよい。
【0049】
さらにまた上記第1実施形態では、プレス部3が蓋部1bに固定され、第1基材支持部11が移動機構30によりプレス部3に向かって移動されるようになっているが、第1基材支持部11がチャンバ1に対して固定され、プレス部3が第1基材支持部11に向かって移動機構により移動されるようになっていてもよい。この場合でも、相対的には、第1基材支持部11がプレス部3に向かって移動されることとなる。
【0050】
また上記第2実施形態でも、プレス部3が蓋部1bに固定され、第1基材支持部11が移動機構30によりプレス部3に向かって移動されるようになっているが、第1基材支持部11がチャンバ1に対して固定され、プレス部3が第1基材支持部11に向かって移動機構により移動されるようになっていてもよい。この場合でも、相対的には、第1基材支持部11がプレス部3に向かって移動されることとなる。
【符号の説明】
【0051】
1…チャンバ
1c…ガス流通口
3…プレス部
3a…加圧面
10…第1基材
11…第1基材支持部
12、22…封止部
13…被封止部
20…第2基材
21…第2基材支持部
30…移動機構
31…昇降シャフト(移動機構)
32…駆動部(移動機構)
50,250…ガイド部
60…距離調整部材
100,200…基材組立体の製造装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13