【実施例】
【0124】
実施例
I.出発材料の合成
【化24】
A.2を調製するためのシクロプロパン化
DCM(1.5L)およびn−ヘプタン(0.32L)の溶液に、周囲温度でジエチル亜鉛(800mL、n−ヘプタン中で1.0M)を添加した。反応混合物を0℃に冷却して、DCM(250mL)中の化合物1(45.0g)の溶液を10分かけて添加した。添加が完了したら、反応混合物を−5℃に冷却して、クロロヨードメタン(176g)を、シリンジポンプを介して3.5時間かけて入れた。反応混合物を−5℃でさらに16時間攪拌して、1N HCl水(1.4L)を徐々に添加することにより(1時間)クエンチした。20℃に加温した後、相を分離して、水層をDCM(0.5L)で抽出し戻した。合わせた有機層を10%NaCl水(1.2L)で洗浄して、相を分離して、有機層を真空で濃縮して、粗製油状物を得て、それをシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(50%酢酸エチル/n−ヘプタン)により精製した。所望の生成物は、化合物2および3の混合物として単離した(46.6g、化合物2 67.5重量%、補正収率62%)。
【0125】
代替的な実施形態では、シクロプロパン化はまた、各種溶媒中でジエチル亜鉛およびジヨードメタンを用いても達成することができる。例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トルエン、ヘキサンおよびそれらの組合せがこの目的に適している。さらに、シクロプロパン化は、約−20℃〜約20℃の温度で実施され得るが、典型的な温度は、−5℃〜0℃である。
B.加水分解/ヨードラクトン化
【化25】
4を調製するための加水分解/ヨードラクトン化
【0126】
化合物2および3の混合物(161.80g、化合物2 59重量%)をMeOH(1.2L)中に溶解させた。水を添加して、混合物を15℃に冷却して、固体LiOH・H
2O(32.8g)を入れた。反応混合物を25℃に加温して、13.5時間攪拌した。次に、反応混合物を真空で濃縮して、MeOHを除去して、DCM(1L)および水(200mL)を添加した。得られた混合物を10℃に冷却して、2N HCl水(375mL)を添加した。相の分離後、水層をDCM(2×500mL、次に250mL)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させて、濾過して、真空で1.2Lにまで濃縮した。この溶液に、水(305mL)、NaHCO
3(136g)およびI
2(90.7g)を添加した。反応混合物を25℃で40時間攪拌して、8%NaHCO
3水(750mL)、水(750mL)およびDCM(300mL)で希釈した。相分離後、合わせた有機層を水(1L)で抽出した。次に、合わせた水層を酢酸イソプロピル(300mL)で洗浄して、0℃に冷却して、2N HCl水(1.1L)の添加により酸性化した。水相をDCM(3×1L)で抽出して、合わせた有機層を10%NaHSO
3水(2L)および10%NaCl水(1.5L)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させて、濾過して、真空で濃縮した。得られた固体を二度溶解させて、酢酸イソプロピル(1L)から再濃縮した。さらなる酢酸イソプロピル(100mL)を固体に入れて、溶液を50℃に加熱して、n−ヘプタン(800mL)を添加した。4時間かけて20℃に冷却した後、スラリーを5℃に冷却して、2時間熟成させた。生成物を濾過により収集して、n−ヘプタン(2×150mL)で洗浄して、乾燥させて、淡黄色固体として化合物4を得た(66.5g、化合物2からの収率74%)。
1H NMR (400 MHz, d
6−DMSO, δ): 12.5 (s, 1H) 4.23 − 4.17 (m, 1H), 3.32 − 3.16 (m, 2H), 2.28 − 2.22 (m, 1H), 1.74 (dd, J = 12.7, 4.3 Hz, 0.6H 回転異性体1), 1.67 (dd, J = 12.7, 3.7 Hz, 0.4H 回転異性体2), 1.39 (s, 4H 回転異性体1), 1.35 (s,
5H 回転異性体2), 0.59 − 0.45 (m, 4H).
13C NMR (100 MHz, d
6−DMSO, δ): 173.9, 173.5, 153.4, 153.0, 78.7, 78.6, 59.1, 58.8, 53.7, 53.4, 38.2, 37.5, 28.1, 27.9, 20.5, 19.9, 12.2, 11.5, 8.8, 8.3.
【0127】
いくつかの実施形態では、加水分解は、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムなどの他の塩基を用いて達成される。さらに別の実施形態では、エタノール/水、イソプロピルアルコール/水およびTHF/水などの代替の溶媒の組合せがこの目的に適している。
【0128】
加水分解は、約0℃〜約80℃の温度で実施することができる。典型的な温度は、22℃などの周囲温度である。
【0129】
他の溶媒および溶媒の組合せが、ヨードラクトン化に適している。例えば、これらとして、ジクロロエタン、トルエン、エーテル、THFまたは2−メチルTHF、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルが挙げられる。
【0130】
許容可能なヨードラクトン化温度は、約0℃〜約50℃の範囲である。典型的かつ利便性のよい温度は約22℃である。
【0131】
ヨードラクトン化反応のいくつかの実施形態は、重炭酸カリウム(KHCO
3)、炭酸二カリウム(K
2CO
3)および炭酸二ナトリウム(Na
2CO
3)などの他の塩基を提供する。
C.ジオール6のヨウ素化
【化26】
1.7aを調製するための6のヨウ素化
【0132】
トリフェニルホスフィン(257.2g)およびイミダゾール(66.7g)を反応器に入れた。DCM(490mL)を入れて、攪拌を開始して、溶液を0℃に冷却した。内部温度を10℃より低く保ちながら、ヨウ素(249.2g)を1時間かけて固体として少しずつ添加した。添加が完了したら、内部温度を10℃より低く保ちながら、DCM(113mL)中の6(50g)の溶液を0.5時間かけて反応器に徐々に入れた。2.5時間攪拌した後、水(225mL)中のNaCl(25g)の水溶液を反応器に入れた。相分離後、底部有機層をn−ヘプタン(550mL)で希釈した。有機相を水(190mL)中の亜硫酸ナトリウム(21g)の水溶液で洗浄した。層分離後、有機相を真空蒸留により600mLにまで濃縮した。さらなるn−ヘプタン(550mL)を入れて、混合物を真空蒸留により600mLにまで再び濃縮した。生じたスラリーを、n−ヘプタンを用いてスラリーとして充填したシリカゲルプラグ(85g)で濾過した。シリカゲルプラグをさらなるn−ヘプタン(1L)ですすいで、次に濾液を真空蒸留により濃縮して、無色液体として所望の生成物7aを得た(114g、70%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 3.33 (s, 2H), 0.95 (s, 2H).
13C NMR (75 MHz, CDCl
3): 19.1, 22.7, 26.0.
【0133】
他の実施形態によれば、アセトニトリル中で塩化トリメチルシリルおよびヨウ化ナトリウムを用いてヨウ素化を行うことも可能である。この反応に適した温度は、約−10〜約30℃の範囲である。
2.代替的手順
【化27】
【0134】
1,1−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロパン(40.00g、388mmol)
をフラスコに添加した後、アセトン(400mL、15倍容量)を添加して、反応物を0℃に冷却した。トリエチルアミン(87.16g、861mmol、2.2当量)を反応物に添加して、次に内部温度が10℃を超えて上昇しないように、塩化メタンスルホニル(98.68g、861mmol、2.2当量)を徐々に添加した。塩化メタンスルホニルの添加中に、白色沈殿物が形成された。添加が完了した後に、反応を0℃で1時間攪拌して、次に20℃に加温して、2時間攪拌した。
【0135】
反応が完了していると判断されたら、800mL(30倍容量)の水を添加して、反応物を15分間攪拌した。次に、反応物を濾過して、水100mLで洗浄した。生成物は、白色固体としてフィルター上で単離した。真空下で20℃で乾燥させて、85.5gを得る(86%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.16 (s, 2H), 3.06 (s, 3H), 0.83 (s, 2H).
【化28】
【0136】
ビスメシレート化合物(26.5g、102.5mmol)およびヨウ化ナトリウム(46.1g、307.5mmol、3当量)を、オーバーヘッド攪拌および温度プローブを備えた丸底フラスコに添加した後、アセトン(400mL)を添加した。フラスコを、内部が35℃になるように加熱した。反応は黄色/橙色になり、経時的に沈殿物が形成した。典型的な反応時間は6〜7時間であった。反応が完了していると判断されたら、反応を濾過して、アセトン100mLで順方向に洗浄した。次に、液体をおよそ150mLにまで濃縮して、5%亜硫酸ナトリウム水溶液300mLを添加した。ヘキサン(200mL)を添加して、混合物を最低15分間攪拌した。層を分離して、上部有機層を硫酸ナトリウム(20g)で乾燥させた。次に、有機層を濾過して、硫酸ナトリウムを除去して、濃縮して油状物とした。収量31.0g、94%。
D.9を調製するための8のアルキル化
【化29】
【0137】
水素化ナトリウム(60.0g、3当量、鉱油中の60%分散液)およびジメチルアセトアミド(600mL)をフラスコに入れて、反応温度を0〜10℃に下げた。内部温度がおよそ5℃になったら、化合物7a(191.6g、1当量)をNaH溶液に入れた。内部温度を0〜11℃に維持して、DMAC(600mL)中の化合物8a(121.0g、1当量)の溶液を3.5時間かけて添加した。溶液を0〜10℃で攪拌して、1時間後に反応完了に関してサンプリングした。8aの残存量が3%未満であった場合に、反応が完了しているとみなした。完了したら、温度を4〜9℃に維持しながら、AcOH(50mL、1.5当量)を2〜3時間かけて徐々に添加した。溶液を0〜10℃で12時間攪拌した。MTBE(1000mL)および水(700mL)を、クエンチされる溶液に添加した。層を分離して、水層をMTBE(400mL)で抽出した。有機層を合わせて、15%NaCl溶液(1000mL)で一度、5%重炭酸ナトリウム溶液(900mL)で一度、ブライン溶液(600mL)で一度洗浄した。MTBE溶液を最小容量にまで濃縮した。油状物をACN(400mL)中に再度溶解させて、ヘキサン(200mL)
で洗浄した。相を分離して、ACN層を最小容量にまで濃縮して、ヘキサン層を廃棄した。生成物9aは、黄色油状物として単離した(98g、61%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.45 (dd, J = 8.5, 3.7 Hz, 0.5H 回転異性体1), 4.35 (dd, J = 8.4, 4.4 Hz, 0.5H 回転異性体2), 4.27 − 4.11 (m, 2H), 3.44 − 3.29 (m, 2H), 2.26 (ddd, J = 12.7,
8.4, 4.1 Hz, 1H), 1.80 (ddd, J = 23.5, 12.6, 4.0 Hz, 1H), 1.58, 1.48 − 1.40 (m,
9H), 1.32 − 1.21 (m, 3H), 0.68 − 0.44 (m, 4H).
【0138】
いくつかの実施形態では、他の適切な非求核塩基が使用される。これらとしては、リチウム、ナトリウムおよびカリウムのtert−ブトキシドなどのアルコキシドが挙げられる。
【0139】
DMAC以外の溶媒も許容可能である。例えば、これらとしては、N−メチルピロリジン、ジメチルホルムアミドおよび1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2−ピリミジノンが挙げられる。
【0140】
上記実施例では、Bocはアミン保護基である。しかしながら、いくつかの実施形態では、メチルオキシカルボニルおよびイソプロピルオキシカルボニルなどの、Boc以外の保護基が使用される。保護基はまた、Cbzであり得る。
【0141】
反応を実施するのに適した温度は、約−10℃〜約40℃の範囲である。
代替の連続アルキル化
【化30】
【0142】
N,N−ジメチルホルムアミド(50mL)中のN−Boc−グリシンt−ブチルエステル8b(10.66g、46mmol)およびジブロミド7b(10.1g、44.3mmol)の冷却(0℃)溶液に、カリウムt−ブトキシド(13.79g、122.8mmol)を添加した。次に、生じたスラリーを20℃に加温して、その温度で4時間攪拌した。次に、反応内容物を、MeTHF(100mL)および水(100mL)の攪拌溶液に注いだ。次に、生じた有機溶液を乾燥させて、真空下で濃縮して、琥珀色油状物を得た。次に、粗製材料をシリカゲルクロマトグラフィー(90:10 ヘキサン:酢酸エチル)により精製して、無色油状物として生成物t−ブチルエステル9bを得た(5.5g、収率42%)。R
f:0.18(SiO
2、9:1 ヘキサン:酢酸エチル)。
1H
NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 4.33 (回転異性体#1: dd, J = 8.4, 2.9 Hz, 0.35H); 4.24 (回転異性体#2: dd, J = 8.6, 3.3 Hz, 0.65H); 3.42 (回転異性体#2: d, J = 10.2 Hz, 0.65H); 3.36 (回転異性体#1: d, J = 10.2 Hz, 0.35H); 3.28 (回転異性体#2: d, J = 10.2 Hz, 0.65H); 3.22 (回転異性体#1: d, J = 10.2 Hz, 0.35H); 2.31 (回転異性体#2: dd, J = 12.7, 8.6 Hz, 0.65H); 2.26 (
回転異性体#1: dd, J = 12.7, 8.6 Hz, 0.35H); 1.70 (m, 1H); 1.46 (m, 18H); 0.54 (m, 4H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3, δ): 172.0, 153.9, 80.8, 79.6, 79.4, 60.3, 60.1, 54.1, 53.7, 39.2, 38.3, 28.4, 28.3, 27.9, 20.5, 19.8, 13.4, 13.3, 8.3.
【0143】
いくつかの実施形態では、他の反応温度が使用される。反応温度は、−50℃〜50℃であり得る。
E.エチルエステル9の加水分解
【化31】
17への加水分解
【0144】
水(910mL)、水酸化リチウム(284g、2.0当量)および2−MeTHF(2.0L)を、オーバーヘッド攪拌、内部温度計および窒素ラインを装備したフラスコに添加した。2−MeTHF(1.0L)中の化合物9a(911g)の溶液を、水酸化リチウムを含有するフラスコへ移した。HPLC分析により決定される場合に反応が完了しているとみなされるまで、反応を50℃に加熱した。反応を22℃に冷却して、水(3.6L)を反応に添加した。層を分離して、底部水層を保持する一方で、上部有機層を排除した。2−MeTHF(4L)および濃HCl(420mL)を水層に添加した。層を分離して、底部水層を除去した。上部有機層を濃縮して、白色固体として生成物17を単離した(596g、71%)。17に関する特性化データは、上述の化合物4に関するものと同じである。
【0145】
あるいは、LiOH以外の塩基を使用することができる。したがって、いくつかの実施形態では、塩基は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムまたはカリウムシラノレートである。
【0146】
他の実施形態では、溶媒は変わり得る。適切な溶媒としては、例えば、ジアルキルエーテルおよび環状エーテル、トルエンおよびジクロロメタンが挙げられる。
【0147】
典型的な反応温度は、約0℃〜約80℃の範囲である。上記実施例では、温度は50℃である。
F.古典的な分割
【化32】
4への古典的な分割
【0148】
ラセミカルボン酸17(596g)を2−MeTHF(6L)中に溶解させて、次に均質溶液を55℃に加熱した。(1S,2R)−アミノインダノール(221g、0.6当量)を10分間隔で反応物に、等しい分量で3回で添加した。第1の分量を添加した後、溶液に塩18a(0.6g)を種晶として加えた。アミンの最後の分量を添加した後、溶液を55℃で1時間熟成させた。次に、1時間につきおよそ15度の割合で、スラリーを22℃に冷却した。スラリーが室温に達したら、それを濾過して、ケークを2−MeTHF(1.2L)で一度洗浄した。固体を真空炉中で45℃で24時間乾燥させた。化合物18aは、白色固体として単離した(320g、33%)。
【0149】
固体18aをMeTHF(1.5L)中に溶解させて、1M HCl(1.0L)を添加して、固体が溶解するまで、二相性混合物を30分攪拌した。下部水層を除去して、有機層を1M HCl(1L)で、次にH
2O(500mL)で洗浄した。有機層をMgSO
4(それぞれ250g)で20分間乾燥させて、濾過して、ケークをMeTHFで洗浄した。この同じ乾燥手順を二度繰り返して、次に溶液を油状物にまで濃縮して、4を得た(197g、100%)。
【0150】
古典的な分割経路の他の実施形態では、分割剤は、2つの例として(S)−(−)−1−メチルベンジルアミンおよび(1S,2R)−(+)−ノルエフェドリンから選択される。代替的な溶媒としては、ジアルキルエーテルおよび環状エーテル、ジクロロメタン、ならびに酢酸エチルなどの酢酸アルキルが挙げられる。適切な貧溶媒(anti−solvents)としては、例えば、ヘキサンおよびヘプタンが挙げられる。いくつかの実施形態では、反応温度は、約0℃〜約75℃の範囲である。
古典的な分割の代替的な例
【化33】
【0151】
2−メチルテトラヒドロフラン中のラセミカルボン酸17の溶液(17 47重量%、52.3g、217mmol)に、2−メチルテトラヒドロフラン(520mL)を添加した。次に、この希釈溶液に、(R)−2−アミノ−1−ブタノール(13.5g、152mmol)を添加して、生じたスラリーを20℃で最低20時間攪拌した。次に、反応内容物を濾過して、固体をヘプタン(100mL)で洗浄して、真空下で40℃で乾燥させて、白色結晶固体として生成物カルボン酸アンモニウム18bを得た(22.6g、収率32%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3, δ): 4.90 (s, 広幅, 4H); 4.25 (回転異性体#1: dd, J = 8.4, 4.5 Hz, 0.5H); 4.21 (回転異性体#2: dd, J = 8.2, 5.7 Hz, 1H); 3.76 (dd, J = 11.7, 3.7 Hz, 1.5H); 3.55 (dd, J = 11.7, 6.6 Hz, 1.5H); 3.43 (回転異性体#2: d, J = 10.3 Hz, 1H); 3.34 (回転異性体#1: m, 1H); 3.26 (回転異性体#2: d, J = 10.2 Hz, 1H); 3.10 (dddd, J = 6.8, 6.8, 6.8, 3.7 Hz, 1.5H); 2.19 (回転異性体#1: dd, J = 12.5, 8.6 Hz, 0.5H); 2.14 (回転異
性体#2: dd, J = 12.3, 8.2 Hz, 1H); 1.91 (回転異性体#2: dd, J = 12.5, 5.7 Hz, 1H); 1.84 (回転異性体#1: dd, J = 12.5, 4.7 Hz, 0.5H);1.67 (m, 3H); 1.46 (m, 12H); 1.04 (t, J = 7.4 Hz, 4.5H); 0.58 (m, 6H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3, δ): 180.4, 156.5, 80.8, 80.5, 63.5, 63.0, 62.0, 55.9, 55.6, 55.0,
40.8, 40.2, 28.9, 28.8, 23.7, 21.8, 21.4, 12.5, 11.5, 10.9, 10.2, 9.9.
G.擬似移動床(SMB)クロマトグラフィーおよびエチルエステル19の加水分解
【化34】
SMBおよび4への加水分解
【0152】
化合物9aは、MTBEおよびヘプタンの混合物などの適切な移動相を用いてChiralpak(登録商標)ICまたはChiralpak(登録商標)IAのいずれかを使用してキラルクロマトグラフィーにより分離した。SMB分離の生産物を濃縮して、次工程で直接使用される溶液として化合物19を供給する。溶液のアッセイ収量は、存在する生成物量を決定するのに使用される。当該技術分野で公知の他のクロマトグラフィー技法もまた、化合物9aの分離に有用である。これらには、順相および逆相キラルHPLCなどの高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、および順相キラルカラムクロマトグラフィー、および超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)の各種実施が含まれる。
【0153】
水(910mL)、水酸化リチウム(284g、2.0当量)および2−MeTHF(2.0L)を、オーバーヘッド攪拌、内部温度計および窒素ラインを備えたフラスコに添加した。2−MeTHF(1.0L)中の19(911g)の溶液を、水酸化リチウムを含有するフラスコへ移した。HPLC分析により決定される場合に反応が完了しているとみなされるまで、反応を50℃に加熱した。反応を22℃に冷却して、水(3.6L)を反応に添加した。層を分割して、底部水層を保持する一方で、上部有機層を除去した。2−MeTHF(4L)および濃HCl(420mL)を水層に添加した。層を分割して、底部水層を除去した。上部有機層を濃縮して、生成物は、白色固体として単離した(596g、71%)。
【0154】
上記SMB工程に適したキラル相は、当該技術分野で周知である。2つの例は、Chiralpak(登録商標)ICおよびChiralpak(登録商標)IAである。
【0155】
いくつかの実施形態では、加水分解試薬は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよびカリウムシラノレートなどの代替物から選択される。溶媒系もまた、変更することができ、いくつかの例としてジアルキルエーテルおよび環状エーテル、トルエンならびにジクロロメタンから選択され得る。好適な反応温度は、約0℃〜約80℃の範囲である。
H.酵素分割
【化35】
4への酵素分割
【0156】
0.2M pH7リン酸緩衝液の溶液(104g)に、Novozym(登録商標)435(4g)を入れ、続いてMeCN(10mL)中の9a(10g、37.2mmol)の溶液を入れた。混合物を40℃に加熱して、必要に応じて1.0M NaOH水を使用してpHを調節して、6.9〜7.1の範囲内にpHを維持した。反応が完了したら、混合物をフィルターに通して、フィルターケークを5%NaHCO
3溶液(50g)ですすいだ。収集した濾液をMTBE(18.4mL)で洗浄した。次に、MTBE層を5%NaHCO
3溶液(8.8g)で抽出し戻した。有機物を廃棄した。合わせた水層にMTBE(8.4mL)および水相中で2以下のpHを達成するのに十分な濃HClを入れた。酸性水相の第2のMTBE(5.1mL)抽出後に、有機物を合わせて、MgSO
4でスラリーにした。スラリーを濾過して、MTBEで順方向にすすいだ。次に、濾液を蒸留により濃縮した。単離した粗製油状物の量は3.40gであった(収率75.9%、99%を上回るee)。
【0157】
他の酵素試薬は、分割を実施するのに許容可能である。例えば、Candida AntarcticaリパーゼBの任意の代替的なリパーゼ形態が、この変換に有効である。いくつかの実施形態が、溶媒の違いを提供し、溶媒としては、ジアルキルエーテル、環状エーテル、アセトンおよびジメチルスルホキシド(DMSO)が挙げられる。反応温度は、約22℃〜約50℃まで変化する。
【0158】
本開示は、別の実施形態では、化合物4を作製するための先述の手順に対する代替物を提供する。以下の合成スキームは、この実施形態を示す。
【化36】
I.シクロプロパン化
【化37】
12へのシクロプロパン化
【0159】
したがって、化合物1(40.0g、1.0当量)、BnN(Me)
3Cl(2.3g、0.07当量)、ブロモホルム(45mL、3.0当量)およびDCM(280mL)をフラスコに添加した。得られた溶液を33℃で攪拌して、50%水酸化ナトリウム溶液(120mL)を1.5〜2時間かけて添加した(内部温度は38℃を超えなかった)。HPLC分析により決定される場合に反応が完了しているとみなされるまで、溶液を33℃で熟成させた。フラスコの内容物を22℃に冷却して、水(100mL)を入れて、層を2時間静置させた。底部水層を除去して、上部有機層を4M HCl(120mL)で洗浄した。底部有機層を保持して、上部水層を除去した。次に、有機層を水(80mL)で洗浄した。下部有機層をシリカゲル(12g)で1時間スラリーにした。シリカゲルを濾別して、廃棄物ケークを、DCM(80mL)で一度洗浄した。DCM溶液の容量を減少させて、溶液の温度を35℃に調節した。ヘプタンを計量ポンプにより1.5時間かけて反応器に入れた。化合物12の種晶を反応器に入れて、スラリーを中程度の速度で少なくとも60分間攪拌した。スラリーを1時間かけて20℃(15〜25℃)に冷却して、この温度で12時間熟成させた。スラリーを適切なフィルターで20℃で濾過した。フィルターケークをヘプタン(64mL)およびDCM(16mL)溶液で洗浄した。生成物を40℃で乾燥させて、淡褐色固体として12を得た(47g、68%、ジアステレオマーの85:15の混合物として)。
【0160】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3, δ): 4.64−4.53 (m, 1H), 3.93−3.87 (m, 1H), 3.50 (d, J = 11.1 Hz, 0.4H), 3.29 (d, J = 11.1 Hz, 0.6H), 2.84 (d, J = 9.6 Hz, 0.25H), 2.66 (dd, J = 13.2, 8.8 Hz, 0.75H), 2.24 (d, J = 13.4 Hz, 1H), 2.07 − 1.69 (m, 2H), 1.47 (m, 9H).
【0161】
代替的な実施形態は、クロロホルムの使用を提供し、これは、化合物12のジクロロ類縁体を生産し、次に、これは、以下で記載されるように後に続く工程を遂行させ得る。
【0162】
NaOH以外の塩基もまた、適切である。これらとしては、2つの例として水酸化カリウムおよびカリウムtert−ブトキシドが挙げられる。
【0163】
溶媒もまた変更することができる。例えば、適切な溶媒として、トルエン、ベンゼン、ジアルキルエーテルおよび環状エーテルが挙げられる。
【0164】
典型的な反応温度は、約0℃〜約60℃の範囲である。
J.水素化
【化38】
4への還元
【0165】
化合物12(20.0g)をイソプロピルアルコール(160mL)中に溶解させ、次に均質混合物を40℃に加温した。KOHフレーク(17.0g、6当量)を溶液に添加して、固体が溶解するまで、それを攪拌した。溶液をN
2気体でパージして、次にPd/
C10%負荷Degussa E101 NE/W(4.0g)を添加した。系をH
2気体で再度パージして、1気圧のH
2下で40℃で攪拌した。反応の完了は、HPLC分析により決定した。完了したら、溶液を約22℃に冷却して、N
2気体でパージした。固体は、セライト床に通す濾過により除去した。固体をH
2O(100mL)ですすいだ。次に、透明な溶液をその元の容量の半分にまで濃縮した。MTBE(60mL)および4M
HCl(60mL)を、濃縮した溶液に添加した。混合物を攪拌して、次に層を分離した。水層をMTBE(40mL)で抽出し、次に有機層を合わせて、水(40mL)で洗浄した。溶液を下方へと濃縮して、白色固体として4を得た(9.9g、82%)。
【0166】
水素化を達成するための、種々の反応条件および試薬は、当業の化学者によって周知である。例えば、炭素上の水酸化パラジウムなどの他のPd/C供給源を使用することができる。炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、カリウムt−ブトキシド、リン酸ナトリウムおよびリン酸カリウムから選択される塩基など、塩基もまた変わり得る。
【0167】
溶媒に適した代替物としては、メタノール、エタノール、トルエン、ベンゼン、ならびにジアルキルエーテルおよび環状エーテルが挙げられる。
【0168】
水素化温度は、約20℃〜約80℃の範囲であり得る。
K.カリウム塩形成
【化39】
10へのカリウム塩形成
【0169】
カルボン酸4(219g)を2−MeTHF(880mL)中に溶解させて、次に溶液を約35℃に加熱した。内部温度が40℃を超えないように、THF(1.05L)中の1.0M tBuOK溶液を徐々に添加した。スラリーを約30分間攪拌して、次に約2時間かけて約20℃に徐々に冷却した。スラリーを20℃で1時間熟成させて、次に濾過した。ケークを2−MeTHF(715mL)で洗浄した。固体を真空炉中で40℃で24時間乾燥させた。最終生成物10は、白色固体として単離した(212g、86%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.07 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 3.44 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 3.35 (s, 1H), 3.10 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 2.03 (dd, J = 12.3, 6.9 Hz, 1H), 1.89 (dd, J = 12.3, 8.0 Hz, 1H), 1.38 (s, 9H), 0.71 − 0.27 (m, 4H).
1H NMR (400 MHz, d
6−DMSO, δ): 3.89 (dd, J = 8.6, 4.1 Hz, 0.4H 回転異性体1), 3.85 (dd, J = 8.6, 4.3 Hz, 0.6H 回転異性体2), 3.21 − 3.07 (m, 2H), 2.00 − 1.92 (m, 1H), 1.75 − 1.71 (m, 1H) 1.36
(s, 4H 回転異性体1), 1.32 (s, 5H 回転異性体2), 0.46 − 0.37 (m, 4H).
13C NMR (100 MHz, d
6−DMSO) δ 174.5, 174.4, 154.1, 153.4, 77.2, 76.9, 62.3, 62.0, 54.1, 53.8, 38.7, 28.4, 28.3, 20.6, 19.9, 11.8, 11.6, 10.5,
10.2.
【0170】
他の溶媒が、塩形成に適している。例えば、これらとして、ジアルキルエーテルおよび環状エーテルが挙げられる。
II.中間体22への経路
【化40】
A.中間体20の合成
【化41】
【0171】
三つ口フラスコに2−ブロモフルオレン(100g)および酢酸(2100g)を入れた。内容物を40〜45℃に加熱して、およそ30分間攪拌して、透明な溶液を得た。内部温度を20〜30℃に調節した後、20%(v/v)H
2SO
4水(200g、H
2SO
4 64.0gおよび水136gを用いて調製)を添加し、続いてI
2(53.0g、0.512モル当量)を添加し、続いてKIO
3(17.5g、0.200mol当量)を添加した。スラリーを58℃(56〜60℃)で約4時間加熱した。次に、スラリーを20〜25℃に冷却して、内部温度を20〜30℃に維持しながら、9%Na
2SO
3溶液(Na
2SO
3 47.0g、水500g)を反応混合物に入れた。スラリーを25℃で1時間攪拌して、濾過した。フィルターケークを85重量%HOAc(200g、HOAc 170gおよび水30gで調製)ですすぎ、続いて水(200g、2.0重量当量)ですすいだ。フィルターケークを廃棄して、スラリーを水(1500g)中で約1時間洗浄して、次に濾過して、すすぎのpHが6〜7になるまで水ですすぎ、ヘプタン(200g)でさらにすすいだ。固体を真空下で乾燥させて、白色固体として143gの生成物20を得た(収率95%、HPLCによるAN純度96%)。
【0172】
反応温度は、約20℃〜100℃の範囲であり得る。典型的な温度は、約20℃〜約60℃の範囲である。
B.中間体21の合成
【化42】
【0173】
出発材料(20、100g)およびN−フルオロベンゼンスルホンイミド(NFSI、251g、2.95モル当量)を固体としてフラスコに加えた。混合物にTHF(1000g)を添加して、固体を攪拌しながら溶解させた。徐々に真空にした後、窒素で真空を破ることによって、溶液を三度脱気した。溶液を−78℃浴中で内部温度−68℃に冷却した。冷却すると、白色〜オフホワイト色のスラリーが形成された。内部温度が−55℃より低く維持されるような速度で、塩基の溶液(THF中の1.0M LiHMDS、720g、3.00mol当量)を添加した。その大部分を添加している間は、内部温度は−60℃より低く、総添加時間は約1時間であった。反応完了は、HPLC分析によりモニタリングした。反応は、NH
3/MeOH(MeOH中の7N NH
3、8g)の添加によりクエンチして、冷浴を除去した。内部温度を−20℃に加温した後、HPLC分析は、過剰N−フルオロベンゼンスルホンイミドの完全な消費を示した。内部温度を0℃に調節した。ヘプタン(342g)を添加して、溶液を10分間攪拌した。必要であれば、温度を20〜25℃に調節した。スラリーを濾過して、固体をTHF/ヘプタンの混合物で二度すすいだ(各すすぎに関して、THF89.0g、ヘプタン205g)。濾液を5℃(2〜8℃)で約20時間保管した。次に、溶液を濾過してフラスコに入れ、真空下で最高内部温度35℃で、2.5〜3.0倍容量にまで濃縮した。CH
2Cl
2(1500g)を入れて、スラリーを還流下(約40℃)で30分間攪拌した。内部温度を20〜25℃に調節した後、スラリーをセライト床に通して濾過して、フィルターケークをDCM(400g、4.0重量当量)ですすいだ。濾液を真空下で約3.0倍容量にまで濃縮した。メタノール(600g)を添加して、混合物を約4.0倍容量にまで濃縮して、さらなるメタノール(300g)を添加して、混合物を約4.0倍容量にまで再び濃縮した(300倍容量)。スラリーを濾過して、メタノールで二度すすいだ(各すすぎに関して、100g)。生成物21を真空下で乾燥させて、オフホワイト色〜淡黄色固体として生成物90gを得た(収率82%、HPLCによるAN純度97〜98%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3, δ): 7.94 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 8.0 Hz, 1H).
19F NMR (376 MHz, CDCl
3) δ −111.0 (s, 2F).
【0174】
いくつかの実施形態では、本開示は、21の合成に関して他の塩基の使用を提供する。これらとして、例えば、ナトリウムヘキサメチルジシラザン(NaHMDS)、KHMDSおよびリチウムジイソプロピルアミド(LDA)が挙げられる。
C.中間体22の合成
【化43】
【0175】
三つ口フラスコに21(100g)およびTHF(800mL)を入れた。徐々に真空にした後、窒素で真空を破ることによって、溶液を三度脱気した。溶液を冷却し、内部温度を−10℃にした。内部温度を−10℃〜0℃に維持しながら、THF中の2N i−PrMgCl溶液の溶液(125g、1.04モル当量)を徐々に添加した。次に、反応が完了するまで、生じた混合物を−10℃で30分間攪拌した。2−クロロ−N−メトキシ−N−メチルアセトアミド(40.6g、1.20mol当量)をMTBE(122g
、1.22重量当量)中に溶解させて、1μmフィルターに通して濾過した。次に、内部温度を−10℃〜0℃に維持して、アセトアミドのMTBE溶液をフラスコに徐々に添加した。添加が完了したら、内部温度を0℃に調節して、2時間攪拌した。反応が完了した後、内部温度が20℃を超えないように、1N HCl(750g)を徐々に添加した。必要であれば、内部温度を20℃に調節した。層を分離して、水層をMTBE(410g)で抽出した。有機層を合わせて、MgSO
4で乾燥させた。MgSO
4を濾別して、THF(200g)ですすいだ。濾液およびすすぎを真空下で10倍容量(1000mL)に濃縮した。イソプロパノール(785g)を添加して、少量の結晶が形成し始めた。このスラリーを真空下で10倍容量(1000mL)にまで再び濃縮した。イソプロパノール(785g)をもう一度添加して、スラリーを真空下で10倍容量(1000mL)にまで濃縮した。内部温度を20〜25℃に調節して、約30分間攪拌した。スラリーを濾過して、イソプロパノール(100g)ですすいで、次に真空下で乾燥させて、オフホワイト色〜淡黄色固体として、62.28gの生成物22を得た(70.8%、HPLCにより純度98%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3, δ): 8.19 (s, 1H), 8.12 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.67 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.52 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 4.71 (s, 2H).
19F NMR (376 MHz, CDCl
3) δ −111.4 (s, 2F).
【0176】
いくつかの実施形態では、溶媒は2−MeTHFである。
III.中間体24の合成
【化44】
A.23の調製
【化45】
【0177】
化合物22(10.8g、1.05当量)および化合物10(8.0g、1.0当量)をアセトン(106mL)中に溶解させた。不均一混合物を55℃に加熱して、HPLC分析により決定される場合に反応が完了しているとみなされるまで熟成させた。水(22mL)を徐々に添加して、溶液を55℃で30分間維持した。溶液を50℃に冷却して、23の種晶を添加した。別の水(11mL)を徐々に添加した。溶液を50℃で1時間熟成させて、次に2時間かけて20℃(15〜25℃)に冷却した。スラリーを20℃(1
5〜25℃)で濾過して、フィルターケークを、アセトン(18mL)および水(6mL)の混合物で洗浄した。生成物を乾燥させて、黄色固体として23を得た(12.8g、95%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3, 回転異性体混合物, δ): 8.13 (s, 1H), 8.07 − 7.97 (m, 1H), 7.79 (s, 1H), 7.67 − 7.56 (m, 2H), 7.53 − 7.44 (m, 1H), 5.61 (d, J = 16.3 Hz, 0.5H), 5.47 (d, J = 16.2 Hz, 0.5H), 5.29 (d,
J = 16.2 Hz, 0.5H), 5.15 (d, J = 16.3 Hz, 0.5H), 4.62 (dd, J = 8.7, 3.5 Hz, 0.5H), 4.55 (dd, J = 8.7, 4.0 Hz, 0.5H), 3.48 − 3.28 (m, 2H), 2.43 − 2.35 (m, 1H), 2.17 − 2.07 (m, 1H), 1.48 (s, 9H) 0.77 −
0.55 (m, 4H);
13C NMR (100 MHz, CDCl
3)
δ 190.8, 190.3, 172.2, 172.0, 154.4, 153.7, 143.7 − 143.4 (m), 140.3 (t, J = 25.9 Hz), 138.2 (t, J = 25.4 Hz), 136.9 − 136.5 (m), 135.5, 135.4, 134.7, 134.6, 132.4, 127.7, 124.2, 124.1, 123.2, 123.2,
122.7, 121.6 (t, J = 244 Hz), 120.8, 120.8, 80.1, 80.0, 66.0, 65.9, 59.4, 59.0,
54.3, 53.7, 38.9, 38.0, 28.4, 28.3, 20.7, 20.0, 12.9, 12.3, 8.8, 8.3.
19F NMR (376 MHz, CDCl
3) δ −111.41 (s), −111.43 (s).
【0178】
いくつかの実施形態では、化合物4を、化合物10の代わりに使用する。これらの実施形態では、上述するような合成は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび第三級アミン塩基から選択される塩基などの塩基の存在下で実施される。
【0179】
上で示される反応の別の実施形態では、化合物4の(1S,2R)−アミノインダノール塩(化合物18a)または化合物4の2−アミノブタノール塩(化合物18b)を化合物22と直接反応させて、化合物23を得る。
【0180】
他の実施形態では、反応溶媒は、トルエンまたはベンゼンなどの芳香族炭化水素、ジアルキルエーテル(その例はジエチルエーテルである)などの脂肪族エーテル、テトラヒドロフランなどの環状エーテル、酢酸エチルなどの酢酸アルキル、N−メチルピロリドンおよび1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2−ピリミジノンなどの極性複素環式溶媒、ならびにジメチルホルムアミドおよびジメチルアセトアミドなどの極性非プロトン性有機溶媒である。
【0181】
適切な反応温度は、約20℃〜約75℃の範囲である。
B.イミダゾール24の形成
【化46】
【0182】
化合物23(7.0g)および酢酸アンモニウム(4.8g、5.0当量)にトルエン(62mL)および2−メトキシエタノール(3.5mL)を添加した。不均一/二相性混合物を90℃に加熱して、HPLC分析により決定される場合に反応が完了しているとみなされるまで熟成させた。溶液を55℃に冷却して、24のスラリーが形成されるまで攪拌した(必要であれば、種を添加することができる)。ヘプタン(104mL)を55℃で1時間かけて入れて、次にスラリーを3時間かけて22℃に冷却した。スラリーが室温に達したら、それを1時間熟成させた。スラリーを濾過して、ヘプタン(15mL)で洗浄した。次に、固体をDMAc(42mL)中に溶解させた。溶液を45℃に加熱して、水(7mL)を溶液に入れた。溶液の温度を50℃に上げて、24の種晶を入れた。スラリーを30分間熟成させて、次に、第2の水(9.1mL)を1時間かけて入れた。完了したら、スラリーを3時間かけて22℃に冷却して、室温で1時間熟成させた。固体を濾過して、DMAc(5mL)および水(2mL)溶液で洗浄した。最終的なヘプタン(23mL)洗浄を行い、DMAcおよび水と置き換えた。固体を真空炉中で45℃で乾燥させた。最終生成物24は、褐色固体として単離した(5.2g、77%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO, 回転異性体(rotomers)混合物, δ): 12.31 − 11.78 (m, 1H), 8.15 − 8.03 (m,
1H), 8.02 − 7.84 (m, 2H), 7.84 − 7.43 (m, 4H), 5.04 − 4.84 (m, 1H), 3.62 − 3.21
(m, 2H), 2.42 − 2.09 (m, 1H), 2.08 − 1.78 (m, 1H), 1.40 (s, 4H), 1.17 (s, 5H), 0.75 − 0.31 (m, 4H);
19F NMR (376 MHz, CDCl
3) δ −103.85 (s), −104.03 (s).MS−ESI
+:[M+H]
+ C
27H
27BrF
2N
3O
2に関する計算値542.1、544.1、実測値542.1、544.1。
【0183】
いくつかの実施形態では、イミダゾール形成は、より長鎖のカルボキシレートRCO
2−(式中、Rは、直鎖または分枝鎖C
1〜C
20アルキルである)のアンモニウム塩の使用により達成される。
【0184】
他の実施形態では、溶媒は、トルエン、ベンゼン、ジアルキルエーテルおよび環状エーテル、ならびに酢酸エチルなどの酢酸アルキルから選択される。溶媒添加物としては、酢酸およびアルコール(ROH)が挙げられる。
【0185】
適切な反応温度は、約50℃〜約120℃の範囲である。
IV.中間体28の合成
【化47】
A.25の合成
【化48】
B.26および27の合成
【化49】
【0186】
フラスコに25(20.00g、0.083mol)、4−ブロモ−1,2−ベンゼンジアミン(16.74g、0.089mol、1.08当量)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(13.96g、0.091mol、1.1当量)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドHCl(EDC.HCl)(17.48g、0.091mol、1.1当量)を入れた。フラスコを氷浴中で冷却して、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc、80mL)を入れた。反応を攪拌しながら約10℃に冷却した。内部温度を20℃より低く維持して、N−メチルモルホリン(NMM)
(27.34mL、0.249mol、3当量)を5分かけて添加した。反応を室温で20時間攪拌した。反応が完了したら、反応混合物を分液漏斗中のMTBE(200mL)および水(600mL)に添加して、穏やかに振とうした。層を分離させて、水層を除去した。水層をMTBE(50mL)で二度抽出して、有機抽出物を合わせた。次に、合わせた有機抽出物を水(500mL)で抽出して、十分に分離していない混合物を形成させた。混合物を適切な固体支持体上で濾過して、層を分離させた。有機相を真空下で濃縮して、得られた残渣をジイソプロピルエーテル(100mL)中に溶解させた。溶液を攪拌しながら約5℃に冷却した。内部温度を10℃より低く維持して、酢酸(5.22mL、0.091mol、1.1当量)を徐々に添加して、生じた懸濁液を5℃で2時間攪拌した。次に濃厚な懸濁液を濾過して、固体をジイソプロピルエーテル(100mL)ですすぎ、続いてヘプタン(100mL)ですすいだ。ケークを真空下で乾燥させて、位置異性体26および27の混合物として、淡ベージュ色固体として生成物を得た(28.19g、72%、99%を上回るAN)。
1H NMR (400 MHz, DMSO) 26 & 27の混合物(データは主な位置異性体の二種の回転異性体を表す): δ 9.25 (s, 0.5H), 9.13 (s, 0.5H), 7.08 (d, J = 8.3 Hz, 0.5H); 7.06 (d, J = 8.2 Hz, 0.5H), 6.92 (d, J = 2.2 Hz, 0.5H), 6.89 (d, J = 2.1 Hz, 0.5H), 6.71 (dd, J = 8.4, 2.2, 0.5H), 6.66 (dd, J = 8.4, 2.2, 0.5H), 5.10 (br s, 1H), 5.05 (br s, 1H), 4.15 (br s, 0.5H), 4.10 (br s, 0.5H), 3.76 (s, 1H), 2.64 (br s, 1H), 1.96−1.88 (m, 1H), 1.77−1.67 (m, 1H), 1.67−1.19 (m, 4H), 1.41 (s, 4.5H), 1.33 (s, 4.5H).MS−ESI
+:[M+H]
+ C
18H
25BrO
3N
3に関する計算値410.1、412.1、実測値410.0、412.0。
【0187】
本開示は、いくつかの実施形態では、他のカップリング試薬の使用を提供する。これらとしては、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、6−クロロ−2,4−ジメトキシ−s−トリアジン(CDMT)、O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)および2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0188】
また、アミン塩基を変更してもよく、また完全に省略してもよい。例えば、アミンは、第三級アミン(R
3N)、2,6−ルチジン、ピリジン、ジシクロヘキシルメチルアミンおよびN−メチルモルホリン(NMM)から選択される。
【0189】
適切な溶媒代替物は、DMF、NMP、ジアルキルおよび環状エーテルR
2O、THF、2−MeTHF、DCM、DCE、トルエン、EtOAc、IPAc、アセトン、MIBKおよびMEKから選択される。
【0190】
反応に適した温度は、約−20℃〜80℃の範囲である。
C.中間体28の合成
【0191】
反応器に26/27混合物(50.0g、0.106mol)を入れた。MTBE(200mL、4V)を入れて、懸濁液に氷酢酸(30.4mL、0.532mol、5当量)を添加した。混合物を55℃に加熱すると、褐色の均質溶液を生じ、この温度で18時間攪拌した。HPLCにより決定される場合に反応が完了したら、溶液を約10℃に冷却
して、次に内部温度を20℃より低く維持して、KOH水(H
2O200mL中35g)でクエンチした。二相性混合物を15分間、激しく攪拌した。攪拌を止めて、層を分離させた。水層を排出して、MTBE(50mL)で再び抽出し戻した。有機抽出物を合わせて、H
2O(300mL)を入れて、二相性混合物を15分間、激しく攪拌した。攪拌を止めて、層を分離させた。水層を排出して、黄褐色有機層をポリッシュフィルター濾過(polish filtered)した。溶媒を、約50mLの容量にまで蒸留した。内部温度が48℃を超えるように維持しながら、ジイソプロピルエーテル(IPE、150mL)を添加して、溶液を、約80mLの総容量にまで蒸留した。IPE(150mL)を再び添加して、溶液を約120mLにまで蒸留した。約69℃の蒸留中の内部温度により示されることで、または
1H NMRにより決定されることで、溶媒が主にジイソプロピルエーテルになるまで、このプロセスを続けた。次に、総容量を約120mLに調節して、溶液を徐々に(10℃/h)一晩、0℃に冷却して、スラリー形成を起こさせた。次に、スラリーを濾過して、冷IPE(100mL)ですすいだ。固体を収集して、真空炉中で乾燥させて、28を得た(39.23g、収率94%、99.5%を上回るAN)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3, δ): 10.70 (s, 1H), 7.86 (s, 0.5H), 7.58 (d, J = 8.6 Hz, 0.5H), 7.54 (s, 0.5H), 7.30 (d, 8.3Hz, 1H), 7.25 (d, J = 8.0 Hz, 0.5H), 4.52 (d,
J = 3.6 Hz, 1H), 4.15 (s, 1H), 3.43 (d,
J = 3.2 Hz, 1H), 2.03 − 1.94 (m, 1H), 1.93 − 1.81 (m, 1H), 1.80 − 1.55 (m, 4H),
1.52 (s, 9H).MS−ESI
+:[M+H]
+ C
18H
23BrO
2N
3に関する計算値392.1、394.1、実測値392.1、393.9。
【0192】
典型的な反応温度は、約20℃〜100℃の範囲である。
【0193】
1つの実施形態では、トルエンは、IPEおよび/またはMTBEの代わりに使用される。
V.式Iの化合物(化合物31)の合成
【化50】
A.化合物29の形成
1a.ビス(ピナコラト)ジボロンを用いたPdCl
2[P(t−Bu)
2Ph]
2の実施例
【化51】
【0194】
化合物28(24.98g)、ビス(ピナコラト)ジボロン(19.40g)、プロピオン酸カリウム(21.40g)およびPdCl
2[P(t−Bu)
2Ph]
2(2.04g)を反応器に入れて、反応器を不活性にした(inerted)。酢酸イソプロピル(250mL)を入れて、攪拌を開始して、反応器を再度不活性にした。反応混合物を75℃に加熱して、3.5時間攪拌した。25℃に冷却した後、化合物24(29.31g)を反応混合物に入れて、反応器を不活性にした。脱気した1M K
3PO
4水(223mL)を反応器に入れて、反応混合物を75℃に加熱した。反応混合物をこの温度で1時間維持して、次に35〜40℃に冷却した。N−アセチル−L−システイン(6.27g)を入れて、混合物を35〜40℃で15時間攪拌した。反応混合物を20℃に冷却して、攪拌を止めて、層を分割させた。相を分離して、N−アセチル−L−システイン(6.27g)を有機層に入れた。反応混合物を45〜50℃に加熱した。45〜50℃で2時間、混合物を攪拌した後、反応を20℃に冷却して、5%NaOH水(250mL)を添加した。相を分離して、有機層を5%NaCl水(125mL)で洗浄した。次に、有機相を5%NaCl水(125mL)で処理して、濾紙を通して濾過をしながら分液漏斗に移した。層を分離させた。有機相を反応器に移して、真空蒸留によりおよそ160mLにまで濃縮した。iPrAc(20mL)を入れて、最終容量をおよそ180mLにした。エタノール(100mL)を入れて、内容物をおよそ50℃に加熱した。次に、エタノー
ル(40mL)中のシュウ酸(9.3g)の溶液を混合物に入れた。溶液に29シュウ酸塩(200mg)を種晶として加え、50℃で72時間熟成させた。酢酸イソプロピル(240mL)を5時間かけて入れて、スラリーを4時間かけて15℃に冷却して、この温度で20時間攪拌した。生成物を濾過により収集して、酢酸イソプロピル中のエタノールの溶液(EtOH 48mL、IPAc 191mL)で洗浄して、真空下で45℃で乾燥させて、オフホワイト色固体として29シュウ酸塩を得た(41.46g、収率81%)。
1H NMR (400 MH, DMSO−d
6, δ) 11.80 (br s, 4H), 8.11 (d, J=1.2 Hz, 1H), 8.00 (d,
J=9.2 Hz, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.90 (s, 2H), 7.87, (d, J=9.2 Hz, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.80 (s, 1H), 7.60 (dd, J=8.4, 1.2 Hz, 1H), 7.56 (dd, J=7.6, 1.6 Hz, 1H), 5.03 (m, 0.5H), 4.99 (m, 0.5H), 4.52 (s, 0.5H), 4.50 (s, 0.5H), 4.28 (br s, 0.5H), 4.19 (br s, 0.5H), 3.48 (m, 1H), 3.34 (m, 1H), 2.66 (br d, J=12.7 Hz, 1H), 2.38 (m, 0.5H), 2.26 (m, 0.5H), 2.04 (m, 1H),
1.96 (m, 0.5H), 1.86 (d, J=11.6 Hz, 0.5H), 1.77 (m, 1H), 1.70 (m, 1H), 1.64 (2H, m), 1.43 (s, 6H) 1.41 (s, 3H), 1.35 (m, 1H), 1.19 (s, 5H), 1.14 (s, 4H), 0.65 (m, 2H) 0.54 (m, 1H), 0.42 (m, 1H).HRMS−ESI
+:[M+H]
+ C
45H
49O
4N
6F
2に関する計算値775.3778、実測値775.3773。
1b.ビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロンを用いたPdCl
2[P(t−Bu)
2Ph]
2の実施例
【0195】
化合物28(20.1g)、ビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロン(13.2g)、プロピオン酸カリウム(17.1g)およびPdCl
2[P(t−Bu)
2Ph]
2(1.6g)を反応器に入れて、反応器を不活性にした。酢酸イソプロピル(200mL)を入れて、攪拌を開始して、反応器を再度不活性にした。反応混合物を72℃に加熱して、2時間攪拌した。20℃に冷却した後、化合物24(24.9g)を反応混合物に入れて、反応器を不活性にした。脱気した1M K
3PO
4水(186mL)を反応器に入れて、反応混合物を72℃に加熱した。反応混合物をこの温度で1時間維持して、次に20℃に冷却した。攪拌を止めて、相を分離した。有機層を5%NaCl水(300mL)で洗浄した。N−アセチル−L−システイン(6g)を入れて、混合物を20℃で16時間攪拌した。Celite(登録商標)(5.6g)を入れ、次に5%NaOH水(100mL)を入れた。混合物を濾過して、相を分離した。N−アセチル−L−システイン(6g)を有機層に入れた。混合物を20℃で12時間攪拌した後、5%NaOH水(100mL)を添加した。相を分離して、有機層を5%NaCl水(100mL)で洗浄した。層を分離して、有機層を別の5%NaCl水(100mL)で洗浄した。有機相をきれいな反応器に移して、真空蒸留によりおよそ150mLにまで濃縮した。エタノール(101mL)を入れて、内容物をおよそ50℃に加熱した。次に、エタノール(34mL)中のシュウ酸(4.7g)の溶液を混合物に入れた。溶液に29シュウ酸塩(160mg)を種晶として加え、50℃で20時間熟成させた。酢酸イソプロピル(200mL)を2時間かけて入れて、スラリーを1時間維持して、次に4時間かけて15℃に冷却して、この温度で20時間攪拌した。生成物を濾過により収集して、酢酸イソプロピル中のエタノールの溶液(EtOH 40mL、IPAc 162mL)で洗浄して、真空下で45℃で乾燥させて、オフホワイト色固体として29シュウ酸塩を得た(33.0g、収率87%)。
2.Pd(OAc)
2/MePhosの実施例
【0196】
化合物28(69.96g)、ビス(ピナコラト)ジボロン(45.33g)、酢酸カリウム(69.96g)およびMePhos(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−メチルビフェニル、6.53g)をジャケット付き反応器に入れて、容器を不活性にした。脱気したてのt−アミルアルコール(700mL)を添加して、攪拌を開始した。酢酸パラジウム(1.99g)を固体として一度に入れて、反応混合物を周囲温度で0.5時間攪拌して、85℃に加熱して1時間維持した。25℃に冷却した後、化合物24(82.27g)および脱気したK
3PO
4水(625mL、H
2O中の1.0M)を添加した。反応容器を不活性にして、反応混合物を85℃に加熱した。85℃で1時間攪拌した後、反応混合物を20℃に冷却した。相分離後に、有機層を5%NaCl水(2×700mL)で洗浄して、真空で濃縮して、酢酸イソプロピル(1.62L)中に溶解させた油状物を得た。最小の攪拌可能な容量が達成されるまで(約300mL)、真空蒸留を続けた。さらなる酢酸イソプロピル(700mL)を入れて、生じたスラリーをセライト(28g)上で濾過した。ケークを酢酸イソプロピル(500mL)で洗浄した後、濾液をN−アセチル−L−システイン(17.5g)で処理して、混合物を周囲温度度で3.5時間攪拌した。混合物を15℃に冷却して、5%NaOH水(700mL)を入れた。25℃に加温した後、混合物を濾過して、相を分離した。有機層を、5%NaOH水(700mL)および5%NaCl水(2×700mL)で洗浄した。得られた有機相をさらなるN−アセチル−L−システイン(17.5g)で処理して、スラリーを周囲温度で14時間攪拌した。混合物を15℃に冷却して、5%NaOH水を添加した(700mL)。25℃に加温した後、相を分離して、有機層を濾過した。フィルターを酢酸イソプロピル(160mL)で洗浄して、濾液を5%NaOH水(700mL)および5%NaCl水(2×700mL)で洗浄した。有機相を濾過して、真空蒸留により500mLにまで濃縮した。さらなる酢酸イソプロピル(250mL)を入れて、最終容量500mLが達成されるまで、蒸留を続けた。エタノール(335mL)を入れて、溶液を50℃に加熱した。エタノール(110mL)中のシュウ酸(24.51g、136mmol)の溶液を15分かけて入れた。エタノールすすぎ液(25mL)を添加した。次に、溶液に29シュウ酸塩(527mg)を種晶として加えた。スラリーを50℃で20時間熟成させた。酢酸イソプロピル(620mL)を3時間かけて入れて、スラリーを3時間かけて15℃に冷却した。固体を濾過により収集して、生成物ケークを酢酸イソプロピル(2×300mL)で洗浄した。乾燥後、29シュウ酸塩は、淡黄色固体として単離した(117.53g、収率76.9%)。
【0197】
別の実施形態によれば、化合物29は、以下のスキームで示されるように反対の反応順序で合成される。
【化52】
B.化合物29のビス−Boc脱保護
【化53】
【0198】
65℃でMeCN(324mL)中の29(92.5g、119mmol)の溶液に、1.5N HCl水溶液(398mL、5.0mol当量)を入れた。反応混合物を65℃で約2時間攪拌して、HPLC分析により完了に関してモニタリングした。出発材料の消費を決定したら、反応混合物の温度を45℃に調節した。内部温度を40〜50℃に維持するために、アセトニトリル(648mL)を30分以上かけて入れた。この貧溶媒添加が完了したら、30塩酸塩の種晶を入れた(0.103g)。スラリーを45℃で1時間以上熟成させた。内部温度を40〜50℃に維持するために、さらなるMeCN(1480mL)を30分以上かけて入れた。スラリーを2時間以上かけて20℃に冷却して、次に濾過した。湿ったケークを乾燥させて、84.6gの30を得た(その四HCl塩として、またおよそ6%のH
2O含有量も含む、収率80.4%)。典型的な水含有量は、約4%〜約13%の範囲である。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6,
δ): 10.83 (br s, 2H), 10.44 (br s, 2H),
10.33 (br s, 1H), 9.33 (br s, 1H), 8.37
(s, 1H), 8.36 (s, 1H), 8.26 (d, J=8.0 Hz, 1H), 8.08 (d, J=0.8 Hz, 1H), 8.06 (d,
J=8.0 Hz, 1H), 8.03 (d, J=0.8 Hz, 1H), 8.01 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.98 (dd, J=8.0,
1.2 Hz, 1H), 7.79 (dd, J=8.4, 0.4 Hz, 1H), 7.75 (dd, J=8.4, 1.2 Hz, 1H), 5.29 (dd, J=8.0, 7.6 Hz, 1H), 4.82 (d, J=3.6 Hz, 1H), 4.19 (s, 1H), 3.65 (d, J=10.8 Hz, 1H), 3.14 (s, 1H), 3.12 (d, J=10.8 Hz,
1H), 2.85 (dd, J=13.2, 9.6 Hz, 1H), 2.23 (dd, J=12.8, 7.6 Hz, 1H), 2.11 (m, 1H), 1.99 (d, J=11.2 Hz, 1H), 1.83 (m, 1H),
1.76 (m, 1H), 1.71 (d, J=10.8 Hz, 1H), 1.67 (m, 1H), 0.84 (m, 2H), 0.70 (m, 2H).HRMS−ESI
+:[M+H]
+ C
35H
33N
6F
2に関する計算値575.2729、実測値575.2729。
【0199】
化合物30は、CH
3CNおよびHCl水の混合物から結晶固体として単離した。1つの実施形態では、化合物30は、X線粉末回折(XRPD)により特性化された結晶多形I型である。X線粉末ディフラクトグラムを
図1に示す。
【0200】
1つの実施形態では、I型は、1.54060ÅでCu−K
α放射線を使用して25℃で回折計で得られる、7.1、8.2、10.8°2θ±0.2°2θを含むXRPDピークにより特性化される。
【0201】
別の実施形態では、I型は、7.1、8.2、10.8、11.1、12.8、14.1、14.8、16.1、18.9、24.5、24.9および25.9°2θ±0.2°2θを含むXRPDピークにより特性化される。
【0202】
1つの実施形態では、化合物30は、X線粉末回折(XRPD)により特性化された結晶多形II型である。X線粉末ディフラクトグラムを
図2に示す。
【0203】
1つの実施形態では、II型は、1.54060ÅでCu−K
α放射線を使用して25℃で回折計で得られる、7.4、9.4、11.6°2θ±0.2°2θを含むXRPDピークにより特性化される。
【0204】
別の実施形態では、II型は、7.4、7.5、9.4、11.6、14.9、15.2、22.5、23.2および26.3°2θ±0.2°2θを含むXRPDピークにより特性化される。
【0205】
他の実施形態によれば、脱保護は、他の試薬を用いて進行させることができる。これらとしては、HCl、HBr、リン酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸、ベンゼンスルホン酸およびTFAが挙げられるが、これらに限定されない。
【0206】
適切な溶媒代替物としては、イソプロピルアルコール、エタノールおよびn−ブタノールなどのアルコール、N,N−ジメチルアセトアミドなどの極性非プロトン性有機溶媒、N−メチルピロリドンなどの極性複素環式溶媒、テトラヒドロフランおよび2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル、ジエチルエーテルおよびジイソプロピルエーテルなどの脂肪族エーテル、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルなどの酢酸アルキル、ならびにベンゼンおよびトルエンなどの芳香族炭化水素が挙げられる。
【0207】
典型的な反応温度は、約20℃〜約85℃の範囲である。
C.アミドカップリング
【化54】
【0208】
EDC−HCl(4.39g)、HOBt(2.06g)、Moc−バリン(4.02
g)およびDMF(50mL)をフラスコに入れた。反応混合物を23℃で20分間攪拌した。次に、溶液を0℃に冷却した。30−HCl塩(5.0g)およびN−メチルモルホリン(5.03mL)を反応混合物に入れた。内容物を室温に加温して、23℃で4時間攪拌した。水(2.5mL)を反応混合物に添加して、内容物を23℃で15時間攪拌した。EtOAc(70mL)および水(100mL)を添加して、層を分離した。有機層にEtOAc(50mL)および水(50mL)を添加し、層を混合して、次に分離した。有機層を5%NaHCO
3水(50mL)および水(2×25mL)で洗浄した。次に、有機層を2.5倍容量(12.5mL)にまで蒸留して、23℃に冷却した。アセトン(70mL)を有機層に添加した。反応内容物に化合物31(アセトン溶媒和物)を種晶として加え、15時間攪拌した。内容物を濾過して、湿ったケークをアセトン(5mL)で洗浄して、ケークを乾燥させて、アセトン溶媒和物として、4.78gの31を得た(73%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6, δ): 12.29 (s, 0.1H), 12.19 (d, J=4.0 Hz, 1H), 12.14 (s, 0.2H), 11.85 (s, 1H), 8.10 (s, 0.1H), 8.08 (s, 1H), 8.01 (s, 0.1H), 7.963 (m, 1H), 7.955 (s, 1H), 7.89 (d, J=6.4
Hz, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.83 (dd, J=8.4,
2.4 Hz, 1H), 7.79 (dd, J=7.2, 2.8 Hz, 1H), 7.78−7.90 (雑混合, 0.9H), 7.70 (s, 1H),
7.61 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.51 (dd, J=8.8, 1.6 Hz, 1H), 7.44 (m, 0.1H), 7.31 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.21 (d, J=8.4 Hz, 1H), 6.91 (d, J=8.0 Hz, 0.2H), 6.77 (m, 0.2H), 5.34 (d, J=7.6 Hz, 0.1H),
5.20 (dd, J=8.0, 5.2 Hz, 1H), 5.18 (m, 0.1H), 4.88 (s, 0.1H), 4.67 (d, J=6.4 Hz, 1H), 4.55 (s, 1H), 4.17 (dd, J=8.0, 8.0 Hz, 1H), 4.10 (m, 0.2H), 4.01 (dd, J=8.4, 8.0 Hz, 1H), 3.97 (m, 0.1H), 3.82 (d, J=9.6 Hz, 1H), 3.77 (s, 0.2H), 3.71 (d, J=9.6 Hz, 1H), 3.554 (s, 3H), 3.548 (s, 3H), 3.43 (s, 0.4H), 3.20 (d, J=7.6 Hz, 0.3H), 2.77 (s, 0.1H), 2.66 (s, 1H), 2.41 (d, J=8.8 Hz, 1H), 2.22 (dd, J=12.4,
8.0 Hz, 1H), 2.13 (m, 0.4H), 2.08 (s, 6H), 2.05 (dd, J=13.2, 5.2 Hz, 1H), 1.99 (m, 2H), 1.92 (m, 1H), 1.77 (m, 2H), 1.61 (m, 0.3H), 1.56 (m, 1H), 1.46 (d, J=9.2 Hz, 1H), 1.33 (d, J=10.0 Hz, 0.1H), 0.97 (dd, J=6.4, 2.0 Hz, 3H), 0.93 (d, J=6.8 Hz, 3H), 0.88 (d, J=6.4 Hz, 3H), 0.87
(d, J=6.4 Hz, 3H), 0.80−1.05 (雑混合, 2H),
0.70 (m, 1H), 0.59 (m, 2H), 0.54 (m, 1H), 0.33 (m, 0.1H).HRMS−ESI
+:[M+H]
+ C
49H
55O
6N
8F
2に関する計算値889.4207、実測値889.4205。
【0209】
いくつかの実施形態では、カップリング剤は、DCC、DIC、CDMT、HBTUおよびHATUから選択されるものである。
【0210】
他の実施形態によれば、適切な塩基として、第三級アミンR
3N、2,6−ルチジン、
ピリジン、ジシクロヘキシルメチルアミンおよびNMMが挙げられる。
【0211】
上述のカップリングに有用な代替の溶媒としては、DMAc、ACN、EtOAc、酢酸イソプロピル(IPAc)、MeTHF、IPAおよびt−BuOHが挙げられる。
【0212】
典型的なカップリング反応温度は、約−30℃〜約50℃の範囲である。
D.酒石酸塩の形成
【0213】
化合物31(アセトン溶媒和物として4.8g)をフラスコに添加した後、EtOAc(36mL)を添加して、50℃に加熱した。次に、EtOH(35mL)中のD−酒石酸(816mg)を添加した。溶液に31 D−酒石酸結晶を種晶として加え、50℃で16時間攪拌した。溶液を3時間かけて23℃に冷却して、次に濾過した。湿ったケークをEtOAc:EtOHの1:1溶液(9mL)ですすいで、固体を乾燥させて、D−酒石酸塩として31 4.33g(82%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6, δ): 12.2 (br s, 2H), 8.08 (s, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.95 (d, J = 8.4, 1H),
7.89 (d, J = 8.4, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.85 (d, J = 8.4, 1H), 7.82 (d, J = 8.0, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.58 (d, J = 8.4, 1H) , 7.53 (d, J = 8.4, 1H) , 7.30 (d, J = 8.8, 1H), 7.20 (d, J = 8.4, 1H), 5.21 (dd, J = 8.0, 5.2, 1H), 4.67 (s, 1H), 4.55 (s, 1H), 4.33 (s, 2H), 4.17 (dd, J = 8.0, 8.4, 1H), 4.01 (dd, J = 8.0, 8.4, 1H),
3.82 (d, J = 10.0, 1H), 3.72 (d, J = 9.6, 1H), 3.55 (s, 3H), 2.67 (s, 1H), 2.41
(d, J = 9.2, 1H), 2.21 (dd, J = 12.4, 8.0, 1H), 2.05 (dd, J = 12.4, 5.2, 1H), 1.98 (m, 2H), 1.92 (m, 1H), 1.77 (m, 2H),
1.56 (m, 1H), 1.46 (d, J = 9.2, 1H), 0.97 (d, J = 6.8, 3H), 0.93 (d, J = 6.4, 3H), 0.88 (d, J = 6.4, 3H), 0.86 (d, J = 6.4, 3H), 0.70 (m, 1H), 0.54 (m, 1H), 0.55−0.62 (m, 2H).HRMS−ESI
+:[M+H]
+ C
49H
55O
6N
8F
2に関する計算値889.4207、実測値889.4229。
【0214】
別の実施形態では、酒石酸塩は、その溶媒を含まない形態の化合物31から形成される。