(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
一実施形態に係る装置は、判定部が、2つのリールのどちらを巻き取り側のリールとしてもキャリアテープの連結が可能な場合に、電子部品の残数が多い方のリールを巻き取り側のリールとして提示するように構成することができる。キャリアテープを連結する際には、巻き取り側ではないリールからキャリアテープを全て引き出して、その後に巻き取り側のリールへ連結後のキャリアテープを全て巻き付ける作業が必要になる。電子部品の残数が多い方のリールを巻き取り側のリールとすることによって、キャリアテープの連結に要する作業の労力を軽減することができる。
【0008】
一実施形態に係る装置は、判定部が、まず2つのリールのうち電子部品の残数が多い方のリールを巻き取り側のリールとしてキャリアテープの連結の可否を判定し、キャリアテープの連結ができないと判定した場合に、電子部品の残数が少ない方のリールを巻き取り側のリールとしてキャリアテープの連結の可否を判定するように構成することができる。この装置によれば、電子部品の残数が多い方のリールを優先的に巻き取り側のリールとすることができる。キャリアテープの連結に要する作業の労力を軽減することができる。
【0009】
(実施例)
以下、実施形態について添付図面を参照して説明する。実施形態に係る連結判定装置2は、別個のリールに巻き付けられているキャリアテープの連結が可能か否かを判定する。それぞれのリールには、複数の電子部品が所定間隔で収容されたキャリアテープが巻き付けられている。それぞれのリールは、例えばテープフィーダに組み込まれて、表面実装機における電子部品の供給に使用される。電子部品を全て消費せずに倉庫に戻された2つのリールのキャリアテープを連結することで、電子部品の残数が多い1つのリールを新たに用意することが可能となる。
図1に示すように、連結判定装置2は、データ管理部4と、判定部6と、リール識別部8と、報知部10と、入力部12を備えている。
【0010】
それぞれのリールには、リールIDを識別可能なバーコード等の識別コードが付されている。連結判定装置2は、リール識別部8を介してリールの識別コードを読み取ることにより、そのリールのリールIDを取得することができる。
【0011】
データ管理部4は、リールIDと、リールに巻き付けられたキャリアテープが収容している電子部品の種類と、リールに巻き付けられたキャリアテープが収容している電子部品の残数と、リールへの電子部品の巻き取り可能数を関連付けて記憶している。
【0012】
判定部6は、
図2に示す処理(詳細は後述する)を実施して、2つのリールに巻き付けられたキャリアテープの連結の可否を判定する。
【0013】
報知部10は、判定部6による判定結果を作業者へ報知する。報知部10は、例えば文字や画像によって判定結果を作業者へ提示するディスプレイであってもよいし、音声によって判定結果を作業者へ提示するスピーカであってもよい。
【0014】
入力部12は、連結作業を実施したか否かについての作業者からの入力を受け入れる。入力部12は、例えばタッチパネルやキーボードなどであってもよいし、ボタンやスイッチなどであってもよい。
【0015】
以下では
図2を参照しながら判定部6が行なう処理について説明する。
【0016】
ステップS2では、判定部6は、リール識別部8から、一方のリール(以下ではリールAともいう)のリールIDを取得する。
【0017】
ステップS4では、判定部6は、リールAのリールIDに基づいて、データ管理部4から、リールAのキャリアテープに収容されている電子部品の種類と、リールAのキャリアテープに収容されている電子部品の残数と、リールAへの電子部品の巻き付け可能数を取得する。
【0018】
ステップS6では、判定部6は、リール識別部8から、他方のリール(以下ではリールBともいう)のリールIDを取得する。
【0019】
ステップS8では、判定部6は、リールBのリールIDに基づいて、データ管理部4から、リールBのキャリアテープに収容されている電子部品の種類と、リールBのキャリアテープに収容されている電子部品の残数と、リールBへの電子部品の巻き付け可能数を取得する。
【0020】
ステップS10では、判定部6は、リールAの電子部品の種類と、リールBの電子部品の種類が一致するか否かを判断する。リールAの電子部品の種類とリールBの電子部品の種類が一致しない場合(ステップS10でNOの場合)、処理はステップS12に進む。ステップS12では、判定部6は、リールAとリールBの電子部品の種類が一致しないためキャリアテープの連結ができないことを、報知部10を介して作業者に報知する。ステップS12の後、
図2の処理は終了する。
【0021】
ステップS10でリールAの電子部品の種類とリールBの電子部品の種類が一致する場合(YESの場合)、処理はステップS14へ進む。ステップS14では、判定部6は、リールAとリールBのうち、電子部品の残数が多い方のリールを巻き取り側リールに設定する。
【0022】
ステップS16では、判定部6は、リールAとリールBの電子部品の残数の合計が、巻き取り側リールの巻き付け可能数以下であるか否かを判断する。リールAとリールBの電子部品の残数の合計が巻き取り側リールの巻き付け可能数以下である場合(ステップS16でYESの場合)、処理はステップS24へ進む。リールAとリールBの電子部品の残数の合計が巻き取り側リールの巻き付け可能数を越えている場合(ステップS16でNOの場合)、判定部6は、電子部品の残数が多い方のリールを巻き取り側リールとするとキャリアテープの連結ができないと判断する。この場合、処理はステップS18へ進む。
【0023】
ステップS18では、判定部6は、リールAとリールBのうち、電子部品の残数が少ない方のリールを巻き取り側リールに設定する。
【0024】
ステップS20では、判定部6は、リールAとリールBの電子部品の残数の合計が、巻き取り側リールの巻き付け可能数以下であるか否かを判断する。リールAとリールBの電子部品の残数の合計が巻き取り側リールの巻き付け可能数を越えている場合(ステップS20でNOの場合)、判定部6は、電子部品の残数が少ない方のリールを巻き取り側リールとしてもキャリアテープの連結ができないと判断する。この場合、処理はステップS22へ進み、判定部6は、リールAとリールBの電子部品の残数の合計がリールAおよびリールBの巻き取り可能数を超えているためキャリアテープの連結ができないことを、報知部10を介して作業者に報知する。ステップS22の後、
図2の処理は終了する。
【0025】
ステップS20でリールAとリールBの電子部品の残数の合計が巻き取り側リールの巻き付け可能数以下である場合(YESの場合)、処理はステップS24へ進む。ステップS24では、判定部6は、巻き取り側リールとして設定したリールと、キャリアテープが連結可能であることを、報知部10を介して作業者に報知する。
【0026】
ステップS26では、判定部6は、入力部12を介して作業者からキャリアテープの連結作業が実施されたことの入力がされるまで待機する。
【0027】
ステップS28では、判定部6は、データ管理部4における、リールAとリールBの電子部品の残数をそれぞれ更新する。具体的には、判定部6は、リールAとリールBのうち巻き取り側リールとなった方のリールの電子部品の残数を連結前のリールAとリールBの電子部品の残数の合計に更新し、巻き取り側とならなかった方のリールの電子部品の残数をゼロに更新する。ステップS28の後、
図2の処理は終了する。
【0028】
本実施例の連結判定装置2では、2つのリールに巻き付けられているキャリアテープに収容されている電子部品の残数の合計と、巻き取り側のリールにおける電子部品の巻き付け可能数に基づいて、キャリアテープの連結の可否を判断する。このような構成とすることによって、作業者の勘や経験に頼ることなく、キャリアテープの連結の可否を判定することができる。
【0029】
本実施例の連結判定装置2では、判定部が、2つのリールのどちらを巻き取り側のリールとしてもキャリアテープの連結が可能な場合に、電子部品の残数が多い方のリールを巻き取り側のリールとして提示する。キャリアテープを連結する際には、巻き取り側ではないリールからキャリアテープを全て引き出して、その後に巻き取り側のリールへ連結後のキャリアテープを全て巻き付ける作業が必要になる。本実施例の連結判定装置2が提示するように、電子部品の残数が多い方のリールを巻き取り側のリールとすることによって、キャリアテープの連結に要する作業の労力を軽減することができる。
【0030】
なお、上記の実施例の
図2に示す処理において、例えばリールAとリールBがほぼ同一の形状を有する場合のように、リールAとリールBの巻き取り可能数がほぼ同一である場合には、ステップS18およびステップS20の処理を省略することができる。この場合、ステップS16でリールAとリールBの電子部品の残数の合計が巻き取り側リールの巻き付け可能数を越えている場合(NOの場合)、処理はステップS22へ進む。
【0031】
なお、上記の実施例の
図2に示す処理において、リールAとリールBの電子部品の残数の合計が所定数(例えば巻き取り側リールの巻き取り可能数の半分)より小さい場合に、判定部6が、キャリアテープの連結ができないと判定するように構成してもよい。このような構成とすることによって、キャリアテープの連結後の電子部品の残数が少な過ぎるようなリールAとリールBの組み合わせでのキャリアテープの連結を防止することができる。
【0032】
上記の実施例において、判定部6が、倉庫に存在するリールのうち2つのリールの組み合わせの全てについて
図2の判定処理を実施して、倉庫に存在するリールの中からキャリアテープの連結が可能な2つのリールの組み合わせを作業者に提示するように構成してもよい。あるいは、上記の実施例において、判定部6が、倉庫に存在するリールの組み合わせのうち、キャリアテープの連結後の電子部品の残数が巻き取り側リールの巻き取り可能数に近い(例えば巻き取り可能数の90%から100%の間となる)2つのリールの組み合わせを作業者に提示するように構成してもよい。あるいは、上記の実施例において、判定部6が、倉庫に存在するリールの組み合わせのうち、キャリアテープの連結後の電子部品の残数が予定されている生産に必要となる電子部品の個数に見合う(例えば必要となる電子部品の個数の100%から110%の間となる)2つのリールの組み合わせを作業者に提示するように構成してもよい。
【0033】
なお、上記の実施例では、データ管理部4がリールとは別個に設けられている場合について説明したが、データ管理部4の一部または全部はリールそれ自体に組み込まれていてもよい。例えば、リールがRFタグなどのメモリを備え、リール識別部8がリールのメモリへアクセス可能となるように構成して、リールのメモリに、そのリールのリールIDと、リールのキャリアテープに収容されている電子部品の種類と、リールのキャリアテープに収容されている電子部品の残数と、リールへの電子部品の巻き付け可能数を記憶していてもよい。
【0034】
本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して詳細に説明した。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、開示された追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された連結判定装置を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0035】
また、上記の詳細な説明で開示された特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、上記の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、特許請求の範囲に記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0036】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又は特許請求の範囲に記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0037】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。