特許第6356905号(P6356905)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6356905
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】データセンタインフラの柔軟な分配
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20180702BHJP
   G06F 1/26 20060101ALI20180702BHJP
   G06F 1/20 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
   G06F1/16 312B
   G06F1/26 A
   G06F1/20 C
【請求項の数】15
【全頁数】49
(21)【出願番号】特願2017-510451(P2017-510451)
(86)(22)【出願日】2015年5月1日
(65)【公表番号】特表2017-525057(P2017-525057A)
(43)【公表日】2017年8月31日
(86)【国際出願番号】US2015028809
(87)【国際公開番号】WO2015168565
(87)【国際公開日】20151105
【審査請求日】2016年11月1日
(31)【優先権主張番号】61/987,453
(32)【優先日】2014年5月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/475,189
(32)【優先日】2014年9月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507303550
【氏名又は名称】アマゾン・テクノロジーズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】モラレス,オズヴァルド・ピイ
(72)【発明者】
【氏名】ガードナー,ブロック・ロバート
【審査官】 征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−527491(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/068618(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0190899(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/16;1/20;1/26
H05K7/20
H04L12/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のインフラ監視モジュールと、能力トリガモジュールと、能力分配モジュールとを備えたシステムにおいて、
前記複数のインフラ監視モジュールの各々によって、
エンクロージャにおける複数のタイプのインフラサポートの対応するタイプのインフラサポートの現在の過剰設置サポート能力を決定し、
前記能力トリガモジュールによって、
1つまたは複数のそれぞれのタイプのインフラサポートについて、対応するそれぞれのタイプのインフラサポートの対応するそれぞれの現在の過剰設置サポート能力が、前記それぞれのタイプのインフラサポートと関連付けられた対応するスレッショルド値未満であるか否かを決定し、
前記能力分配モジュールによって、
1つまたは複数のそれぞれのタイプのインフラサポートの設置サポート能力を増分的に調整することを、前記複数のタイプのインフラサポートの内の残りの部分の設置サポート能力とは独立して行うこと
を含む方法であって、前記増分的に調整することが、
前記1つまたは複数のそれぞれのタイプのインフラサポートの内の特定のタイプのインフラサポートごとに、エンクロージャで前記特定のタイプのインフラサポートの過剰設置サポート能力が前記対応するスレッショルド未満である旨の決定に少なくとも部分的に基づいて、前記エンクロージャにインフラモジュールの1つまたは複数のセットを増分的に設置すること
を含み、
インフラモジュールの1つまたは複数の各セットが増分的な大きさの前記特定のタイプのインフラサポートを提供するように構成された選択された数量のインフラモジュールを備え、
前記選択された数量のインフラモジュールは、
1つまたは複数の共通の下部構造に取り付けられた、ユーティリティトランス、予備発電装置、切替え装置、無停電電源装置、電力分配装置の1つまたは複数を備え、単一のユニットとして設置されるように構成されたスキッドを構成している、電力モジュールと、
1つまたは複数の他の電力母線路セグメントと結合するように構成されている、電力母線路セグメントと、
空気処理アレイのポートに設置されるように構成され、前記エンクロージャで増分的な大きさの冷却サポートを提供するために、前記エンクロージャの中への増分的な大きさの冷却空気流量を提供するようにさらに構成されている、空気処理モジュールと、
を1つまたは複数備える
方法。
【請求項2】
前記選択された数量のインフラモジュールが、
記エンクロージャで増分的な大きさのネットワーク通信サポートを提供するために、1つまたは複数の通信ネットワークに前記エンクロージャに設置される増分的な数量のラックコンピュータシステムを通信で結合するように構成された1つまたは複数のネットワーク通信モジュール、または
ケーブルインフラの1つまたは複数のイスタンスの増分的な構造サポートを提供するために前記エンクロージャの1つまたは複数の領域に設置され、前記エンクロージャの1つまたは複数の領域で1つまたは複数の空気プレナムを確立するように構成された1つまたは複数の構造サポートモジュールと、
の1つまたは複数をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
インフラモジュールの前記1つまたは複数の各セットが、前記エンクロージャに設置された電気負荷の1つまたは複数のセットによる動作をサポートするために、増分的な大きさの前記特定のタイプのインフラサポートを提供するように構成された選択された数量のインフラモジュールを備え、
前記能力トリガモジュールによる、1つまたは複数のそれぞれのタイプのインフラサポートについて、前記対応するそれぞれのタイプのインフラサポートの対応するそれぞれの過剰設置サポート能力が、前記それぞれのタイプのインフラサポートと関連付けられた対応するスレッショルド値未満であるか否かの決定が、
前記能力トリガモジュールによる、少なくとも1つの追加の電気負荷が前記エンクロージャでの設置のために現在到着する旨の決定と、
前記能力トリガモジュールによる、前記少なくとも1つの追加の電気負荷による動作をサポートするために必要とされる、前記特定のタイプのインフラサポートの特定の大きさのインフラサポートの決定と、
前記能力トリガモジュールによる、少なくとも前記特定のタイプのインフラサポートについて、前記エンクロージャの前記特定のタイプのインフラサポートの過剰設置サポート能力が、前記少なくとも1つの追加の電気負荷による動作をサポートするために必要とされる前記特定の大きさのインフラサポートを超える旨の決定と、
を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記システムは、負荷追跡モジュールと負荷割当てモジュールとをさらに備え、
前記負荷追跡モジュールによって、
前記少なくとも1つの追加の電気負荷設置を受け入れるように構成された、前記エンクロージャ内の複数の利用可能な位置を識別することと、
前記負荷割当てモジュールによって、
選択されたラック位置の前記少なくとも1つの追加の電気負荷による動作をサポートするために必要とされる追加のインフラモジュールの決定された数量が、前記複数の利用可能な位置の少なくとも1つの他のラック位置で動作をサポートするために必要とされる追加のインフラモジュールの数量未満である旨の決定に少なくとも部分的に基づいて前記複数の利用可能な位置の前記選択されたラック位置に前記少なくとも1つの追加の電気負荷設置を命令することと、
さらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記エンクロージャでの設置のために現在到着する前記少なくとも1つの追加の電気負荷が少なくとも1つの現在設置されている電気負荷を置き換えるために到着し、
前記能力トリガモジュールによる、前記少なくとも1つの追加の電気負荷による動作をサポートするために必要とされる、前記特定のタイプのインフラサポートの特定の大きさのインフラサポートの決定が、
前記能力トリガモジュールによる、前記少なくとも1つの追加の電気負荷による動作をサポートするために必要とされるインフラサポートの前記特定の大きさと、前記現在設置されている電気負荷による動作をサポートするために必要とされるインフラサポートの別の特定の大きさとの間の相違決定すること
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
記エンクロージャにインフラモジュールの1つまたは複数のセットを増分的に設置することが、
前記対応するスレッショルドを少なくとも満たすために前記特定のタイプのインフラサポートの過剰数量を増加する増分的な大きさのインフラサポートと関連付けられた最小の増分的な数量のインフラモジュールを設置すること
を含む、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記エンクロージャでインフラモジュールの1つまたは複数のセットを増分的に設置することがオペレータに対する設置命令を生成することを含み、前記設置命令がインフラモジュールの前記1つまたは複数のセットを識別し、インフラモジュールの前記識別された特定のセットのそれぞれを設置する前記エンクロージャでの1つまたは複数の特定の位置を識別する、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記能力トリガモジュールによる、対応するそれぞれのタイプのインフラサポートの現在の過剰設置サポート能力が、前記それぞれのタイプのインフラサポートと関連付けられた対応するスレッショルド値未満であるか否かの決定が、
特定の設置期間が、前記特定のタイプのインフラサポートを提供するように構成されたインフラモジュールの前記セットの設置と関連付けられる旨決定することと、
前記特定のタイプのインフラサポートの前記過剰設置サポート能力が、前記特定の設置期間に対応する期間内に前記一定のスレッショルド数量を下回る旨決定することと、
を含む、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記エンクロージャに、インフラモジュールの1つまたは複数のセットを増分的に設置することが、データセンタに設置された複数のタイプのインフラサポートの内の特定のタイプのインフラサポートを増分的に設置すること、
2週の経過時間の期間内に前記データセンタに1つまたは複数のタイプのインフラサポートの少なくとも完全なサポート能力を設置すること、
を含む請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
ンクロージャで複数のタイプのインフラサポートのそれぞれのタイプのインフラサポートの現在の過剰サポート能力を決定するように構成され、前記それぞれのタイプのインフラサポートは、それぞれのタイプのインフラサポートを提供するように構成されるリモートインフラモジュールによって提供される、複数のインフラ監視モジュールと、
それぞれのタイプのインフラサポートについて、前記現在の過剰サポート能力が前記それぞれのタイプのインフラサポートと関連付けられた能力スレッショルド値未満であることを単独で決定するように構成された能力トリガモジュールと、
1つまたは複数のタイプのインフラサポートの前記現在の過剰サポート能力を増して前記能力スレッショルド値を少なくとも満たすために、それぞれ増分的な大きさの前記1つまたは複数のタイプのインフラサポートを提供するように構成される1つまたは複数の選択されたセットのインフラモジュールの、前記エンクロージャでの増分的な設置を命令するように構成された能力分配モジュールとを備え、
前記1つまたは複数の選択されたセットの各インフラモジュールは、
1つまたは複数の共通の下部構造に取り付けられた、ユーティリティトランス、予備発電装置、切替え装置、無停電電源装置、電力分配装置の1つまたは複数を備え、単一のユニットとして設置されるように構成されたスキッドを構成している、電力モジュールと、
1つまたは複数の他の電力母線路セグメントと結合するように構成されている、電力母線路セグメントと、
空気処理アレイのポートに設置されるように構成され、前記エンクロージャで増分的な大きさの冷却サポートを提供するために、前記エンクロージャの中への増分的な大きさの冷却空気流量を提供するようにさらに構成されている、空気処理モジュールと、
を1つまたは複数備える、システム。
【請求項11】
前記1つまたは複数の選択されたセットの各インフラモジュールが
記エンクロージャに増分的な大きさのネットワーク通信サポートを提供するために、
1つまたは複数の通信ネットワークに前記エンクロージャに設置された増分的な数量のラックコンピュータシステムを通信で結合するように構成された1つまたは複数のネットワーク通信モジュールと、
ケーブルインフラの1つまたは複数のインフラの増分的な構造サポートを提供するために前記エンクロージャの1つまたは複数の領域に設置され、前記エンクロージャの1つまたは複数の領域に1つまたは複数の空気プレナムを確立するように構成された1つまたは複数の構造サポートモジュールと、
の1つまたは複数をさらに備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記1つまたは複数の選択されたセットのインフラモジュールの各インフラモジュールが、前記エンクロージャに設置された電気負荷の1つまたは複数のセットによる動作をサポートするために、増分的な大きさのそれぞれのタイプのインフラサポートを提供するように構成される1つまたは複数の特定のインフラモジュールを備え、
前記能力トリガモジュールが、
それぞれのタイプのインフラサポートについて、前記現在の過剰サポート能力が前記それぞれのタイプのインフラサポートと関連付けられた能力スレッショルド値未満であると単独で決定するために
前記少なくとも1つの追加の電気負荷が前記エンクロージャでの設置のために現在到着すると決定
少なくとも1つの追加の電気負荷による動作をサポートするために必要とされる前記それぞれのタイプのインフラサポートの特定の大きさを決定、及び
少なくとも前記それぞれのタイプのインフラサポートについて、前記それぞれのタイプのインフラサポートの前記特定の大きさが前記現在の過剰サポート能力を超えると決定する、ように構成される
請求項10または11に記載のシステム。
【請求項13】
前記エンクロージャに1つまたは複数の電気負荷を設置するように構成された、前記エンクロージャで複数の利用可能な位置を識別するように構成された積荷追跡モジュールと、
選択されたラック位置での前記特定の追加の電気負荷による動作をサポートするために必要とされる追加のインフラモジュールの決定された数量が、前記複数の利用可能な位置の少なくとも1つの他の位置で動作をサポートするために必要とされる追加のインフラモジュールの数量未満である旨の決定に少なくとも部分的に基づいて、前記複数の利用可能な位置の選択されたラック位置での前記少なくとも1つの追加の電気負荷の設置を命令するように構成された負荷割当てモジュールと、
を備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記エンクロージャでの設置のために現在到着する前記少なくとも1つの追加の電気負荷が現在設置されている電気負荷を置き換えるために到着し、
それぞれのタイプのインフラサポートの現在の過剰サポート能力が、前記それぞれのタイプのインフラサポートに関連付けられた能力スレッショルド値未満であると単独で決定するために、前記能力トリガモジュールが、
前記少なくとも1つの追加の電気負荷による動作をサポートするために必要とされるインフラサポートの特定の数量と、前記現在設置されている電気負荷による動作をサポートするために必要とされるインフラサポートの別の数量との間の相違を決定し、
前記相違が前記能力スレッショルド値未満であると決定する
ように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記エンクロージャで、それぞれが増分的な大きさの前記それぞれのタイプのインフラサポートを提供するように構成されるインフラモジュールの1つまたは複数の選択されたセットの増分的な設置を命令して、前記それぞれのタイプのインフラサポートの前記現在の過剰サポート能力を増して、前記能力スレッショルド値を少なくとも満たすために、前記能力分配モジュールは、
前記それぞれのタイプのインフラサポートの過剰数量を増加して前記能力スレッショルド値を少なくとも満たすために、増分的な大きさのインフラサポートと関連付けられた最小の増分的な数量のインフラモジュールの設置を命令する、
ように構成される、請求項10から14のいずれかに記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
オンライン小売業者、インターネットサービスプロバイダ、検索プロバイダ、金融機関、大学、及び他の計算集約型組織等の組織は、多くの場合、大規模な計算施設からコンピュータ操作を実施する。係る計算施設は、必要に応じてデータを処理、記憶、及び交換して組織の事業を実行するために、大量のサーバ、ネットワーク、及びコンピュータの設備を収納し、収容する。通常、計算施設のコンピュータ室は多くのサーバラックを含む。各サーバラックは、同様に、多くのサーバ及び関連するコンピュータ設備を含む。
【背景技術】
【0002】
計算施設は多数のサーバを含んで良いため、施設を運営するためには大量の電力が必要とされる場合がある。さらに、電力はコンピュータ室全体に広がる多数の場所(例えば、互いから間隔を置いて配置された多くのラック、及び各ラック内の多くのサーバ)に分散される。通常、施設は相対的に高圧でパワーフィードを受け取る。このパワーフィードはより低い電圧(例えば、110V)に逓減される。ケーブル、バスバー、電源コネクタ、及び電力分配装置のネットワークは施設内の多数の特定の構成要素により低い電圧で電力を送達するために使用される。
【0003】
計算施設は多数のサーバを含む場合があるため、大量のインフラスがデータセンタの計算能力をサポートするために必要とされる場合がある。特に、大量のケーブルインフラ設備、配電インフラ設備、ネットワーク通信インフラ設備、空冷インフラ設備等は、いかなるときでもデータセンタでサーバによる計算動作をサポートするために必要とされる場合がある。インフラのいくつかの例は、通常、データセンタ内に設置されると見込まれるサーバラック(本明細書では「ラックコンピュータシステム」とも呼ばれる)のサポート要件に関する設計仮定に少なくとも部分的に基づいて、データセンタの初期の建設時に設置される。
【0004】
データセンタに当初設置されるいくつかのまたはすべてのインフラが、データセンタに設置されると見込まれるサーバラックの期待されるサポート要件に基づくいくつかの場合、実際にデータセンタに設置されるサーバラックは、データセンタ用のインフラが最初に設計されるサーバラックとはサポート要件で異なる場合がある。さらに、設置されたサーバラックのサポート要件はラックごとに変化して良い。設置されたサーバラックの予想されるサポート要件に基づいて設計されるインフラは、実際に設置されるサーバラックをサポートする際に少なくとも部分的に制限されることがある。
【0005】
いずれの所与のデータセンタに必要とされる計算能力の量も、事業の必要性が要求するにつれ急速に変化する場合がある。ほとんどの場合、ある場所での計算能力の増加の必要性がある。当初データセンタで計算能力を提供すること、又は(例えば、追加サーバの形で)データセンタの既存の能力を拡大することは資源集約的であり、実装には多くの月数を要する場合がある。データセンタを設計し、建築し(又はその拡張)、ケーブルインフラを設置し、ラック、構造サポートインフラ、配電インフラ、及び冷却インフラ等を設置して計算能力の変更をサポートするには、通常、多大な時間及び資源が必要とされる。検査を実施し、電気系統及びHVACシステムの場合のような認定及び承認を得るためには、通常、追加の時間及び資源が必要とされる。計算能力の変更は、変更された計算能力をサポートするために必要とされるインフラサポートの変更も生じさせる場合がある。インフラ設備を設置すること、インフラ設備を修正すること等は、多大な時間を必要とし、たとえ実現可能であったとしても高価である場合がある。例えば、データセンタの一部分の設置されたサーバラックが別のサーバラックで置き換えられ、新しいサーバラックが大幅により大きいインフラサポート要件を有する場合、以前に設置されたサーバラックをサポートしていたインフラを修正することは、特に修正されるインフラが新規に設置されるサーバラックに必要とされるサポートを提供するために十分な過剰な能力を欠いている場合、困難となる場合がある。
【0006】
本明細書に説明される多様な実施形態は多様な変更形態及び代替形式の影響を受けやすい。特定の実施形態は一例として図面に示され、本明細書に詳細に説明される。しかしながら、図面及び図面に対する詳細な説明は開示されている特定の形式に本開示を制限することを目的とするのではなく、逆に、意図は添付の特許請求の範囲の精神及び範囲に含まれるすべての変更形態、同等物、及び代替策をカバーすることであることが理解されるべきである。本明細書に使用される見出しは編成目的のためだけであり、明細書または特許請求の範囲の範囲を制限するために使用されることを意図されていない。本願を通じて使用されるように、単語「may」は必須の意味(つまり、しなければならないを意味する)よりむしろ許容の意味(つまり、する可能性を有するを意味する)で使用される。同様に、単語「include」、「including」、及び「includes」は、を含むがこれに限定されるものではないことを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】データセンタの設置されたラックコンピュータシステムに多様なタイプのインフラサポートを提供するために、多様なインフラモジュールが選択され、データセンタに設置される、データセンタを示す概略図である。
図2図2A図2Dは、ラックコンピュータシステム及び多様なインフラモジュールが、いくつかの実施形態に従って増分的に設置されるデータセンタを示す概略図である。
図3】いくつかの実施形態に係るインフラ能力分散システムを示す概略図である。
図4】いくつかの実施形態に従ってデータセンタの多様なタイプのインフラサポートを増分的に調整するためにインフラモジュールの多様なセットを増分的に調整することを示す図である。
図5】いくつかの実施形態で使用されて良い例のコンピュータシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
データセンタにインフラを設置するためのシステム及び方法の多様な実施形態が開示される。
【0009】
一実施形態に従って、いかなるときでもデータセンタに設置された複数のラックコンピュータシステムによって提供される計算能力をサポートするために設置されたインフラの過剰な能力を最小限に抑えるための方法は、データセンタの特定のタイプのインフラのサポート能力不足に少なくとも対応するために1つまたは複数の特定のタイプのインフラサポートを提供するように構成されたインフラモジュールの1つまたは複数のセットを増分的に設置することを含み、不足は、データセンタの現在設置されているラックコンピュータシステムの計算動作をサポートするための現在の総サポート要件を超えた特定のタイプのインフラの追加のサポートを提供するためにデータセンタの現在設置されているインフラモジュールの過剰サポート能力が到着するラックコンピュータシステムのサポート要件を少なくとも満たすことができない旨の決定に少なくとも部分的に基づいて決定される。不足を克服する特定のタイプのインフラの増分サポートを提供するインフラモジュールのセットは、ラックコンピュータシステムの設置と同時に選択され、設置され、これにより現在設置されているインフラモジュールは、特定のタイプのインフラのための設置されたラックコンピュータシステムの総サポート要件を少なくとも満たす過剰サポート能力を有する。
【0010】
一実施形態によると、方法は、互いとは無関係に複数の特定のタイプのインフラサポートのそれぞれの設置されたサポート能力を増分的に調整することを含む。係る増分的な調整は、特定のタイプのインフラサポートごとに、エンクロージャの特定のタイプのインフラサポートの過剰設置サポート能力が一定のスレッショルド数量未満である旨の決定に少なくとも部分的に基づいてエンクロージャにインフラモジュールの1つまたは複数のセットを増分的に設置することを含む。インフラモジュールの各セットは、増分的な大きさの特定のタイプのインフラサポートを提供するように構成された、選択された数量のインフラモジュールを含む。
【0011】
一実施形態によると、システムは複数のインフラ監視モジュール、1つの能力トリガモジュール、及び1つの能力分配モジュールを含む。各別々のインフラ監視モジュールは、別々のタイプのインフラサポートを提供するように構成されるリモートインフラモジュールの別々のセットによって提供された、エンクロージャの複数のタイプのインフラサポートの内の別々のタイプのインフラサポートの現在の過剰サポート能力を決定する。能力トリガモジュールは単独で、別々のタイプのインフラサポートごとに、現在の過剰サポート能力が別々のタイプのインフラサポートと関連付けられた能力スレッショルド値未満であると決定する。能力分配モジュールは、エンクロージャで、別々のタイプのインフラサポートの現在の過剰サポート能力を増して能力スレッショルド値を少なくとも満たすために、別々のタイプのインフラサポートを提供するように構成されるインフラモジュールの1つまたは複数の選択されたセットの増分的な設置を命令する。
【0012】
本明細書に使用されるように、「アイル」は1つまたは複数のラックの隣の空間を意味する。
【0013】
本明細書に使用されるように、「計算」は、コンピュータの使用、データ記憶、データ検索、または通信のようなコンピュータによって実行できるあらゆる動作を含む。
【0014】
本明細書に使用されるように、「コンピュータ室」は、ラックマウント式サーバラックマウント式サーバのようなコンピュータシステムが操作される建物の部屋を意味する。
【0015】
本明細書に使用されるように、「コンピュータシステム」は、多様なコンピュータシステムまたはその構成要素のいずれかを含む。コンピュータシステムの一例はラックマウント式サーバである。本明細書に使用されるように、用語コンピュータは技術でコンピュータと呼ばれる単にそれらの集積回路に制限されるのではなく、プロセッサ、サーバ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブル論理制御装置(PLC)、特定用途向け集積回路、及び他のプログラマブル回路を幅広く指し、これらの用語は本明細書で交互に用いられる。多様な実施形態では、メモリはランダムアクセスメモリ(RAM)のようなコンピュータ可読媒体を含んで良いが、これに限定されるものではない。代わりに、コンパクトディスク‐読出し専用メモリ(CD−ROM)、光磁気ディスク(MOD)、及び/またはデジタル多用途ディスク(DVD)も使用されて良い。また、追加の入力チャネルは、マウス及びキーボードのようなオペレータインタフェースと関連付けられたコンピュータ周辺機器を含んで良い。代わりに、例えばスキャナを含んで良い他のコンピュータ周辺機器が使用されても良い。さらに、いくつかの実施形態では、追加の出力チャネルは、オペレータインタフェースモニタ及び/またはプリンタを含んで良い。
【0016】
本明細書に使用されるように、「データセンタ」は、コンピュータ操作が実施される任意の施設または施設の任意の部分を含む。データセンタはサーバ及び他のシステム、並びに特定の機能(例えば、電子商取引、データベース管理)に専用の、または複数の機能を果たす構成要素を含んで良い。コンピュータ操作の例は、情報処理、通信、シミュレーション、及び操作制御を含む。
【0017】
本明細書に使用されるように、「部屋」、「ホール」等は、建造物の部屋、空間、エンクロージャ等を意味する。「コンピュータ室」は、ラックマウント式サーバのようなコンピュータシステムが操作される部屋を意味する。
【0018】
本明細書に使用されるように、「空間」、「エンクロージャ」等は、空間、区域、または容積を意味する。
【0019】
本明細書に使用されるように、「モジュール」は、構成要素または物理的に互いに結合された構成要素の組合せである。モジュールは、フレーム、ハウジング、構造、容器のような構造要素だけではなく、コンピュータシステム、ラック、ブロワ、ダクト、電力分配装置、消火システム、及び制御システムのような機能要素及び機能システムも含んで良い。いくつかの実施形態では、モジュールはデータセンタからサイト外の場所で前もって作られる。
【0020】
いくつかの実施形態では、データセンタはデータセンタに計算能力を与えるためにラックコンピュータシステムを設置するように構成される。ラックコンピュータシステムは、ラックコンピュータシステムが特定の位置で取り付けられ、データセンタでの計算能力及びインフラのジャストインタイム(JIT)設置を可能にするJITインフラを介して電源及び通信ネットワークの1つまたは複数に結合される。
【0021】
本明細書に使用されるように、「ジャストインタイム」(JIT)は、要素が要求の現れと同時にその要求を満たすために提供されるシステムを指す。係るシステムの下では、要素は、過剰にまたは要求の係る現れの前に提供されない。係るシステムは在庫の削減、能力の過剰の削減等につながることがある。本明細書に使用されるように、JIT設置は、要求を満たすために要素が設置される必要があるという決定と同時に要素を設置することを指すことがある。計算能力に対する係る要求は現在発生している要求を含むことがある。いくつかの実施形態では、係る要求は、要素の将来の設置と同時に現在発生することが予想される要求を含むことがある。例えば、要素の設置が完了するために約5連続日の経過時間を必要とする場合、要素のJIT設置は、約5日間の時間内に発生する要求が、その要求を満たすために要素が設置されることを必要とする旨の決定に応えて大量の要素を設置することを含むことがある。いくつかの実施形態では、JITで設置された要素は係る決定の前に設置されない。要素のJIT設置は、設置のためにサイトに配達される要素を注文することを含むことがある。本明細書に使用されるように、要素に対する要求または要素の必要性に対応する量での係る要素の設置は、係る要素の「増分的」な設置と呼ばれて良い。
【0022】
要素のJIT設置の例として、データセンタでの計算能力のJIT設置は、データセンタでのラックコンピュータシステムの設置とほぼ同時に発生するデータセンタでの計算能力に対する要求を満たすために一定量の計算能力が必要とされる旨の決定と同時に、データセンタで一定量の計算能力を提供するだろう一定数のラックコンピュータシステムを設置することを指すことがある。言い換えると、ラックコンピュータシステムのJIT設置は、それらのラックコンピュータシステムの設置と同時の発生する係る計算能力に対する要求を満たすために係る計算能力の必要性がある旨の決定に応えてラックコンピュータシステムを設置することを含むことがある。ラックコンピュータシステムのJIT設置は、上記要求が現在発生している旨の決定に応えてラックコンピュータシステムを設置することを含むことがある。例えば、データセンタが20列のサーバラックを収容するために構築され、係るラックの設置が2日間の時間を要すると決定され、約2日間の時間内にデータセンタのための計算能力要求を満たすためには5個のラックに相当する計算能力が必要とされると決定される場合、係る決定に応えて5個のラックをデータセンタに設置できる。必要とされる計算能力が経時的に変化するにつれて追加のラックを設置する、交換する、除去する等が可能である。
【0023】
いくつかの実施形態では、JIT設置は他の要素のJIT設置と同時に、別の要素をサポートするように構成される要素を設置することを指す。例えば、インフラのJIT設置は、増分的に、及び計算能力のJIT設置を含むことがある、データセンタでの計算能力の設置と同時に設置されているデータセンタのインフラを含むことがある。したがって、JITインフラは、増分的な計算能力が必要とされる旨の決定に応えて計算能力の増分的な設置をサポートするために設置できる。いくつかの実施形態では、JITインフラは上記決定の後で、及びデータセンタで計算能力を提供するラックコンピュータシステムの受取り及び設置と同時に設置される。
【0024】
設置された計算能力が増分的であり、計算能力について決定された必要性を満たす計算能力の量を提供できる計算能力のJIT設置と同様に、JITインフラは増分的に、及び設置されている増分的な計算能力に相当し、JITインフラによってサポートされなければならない規模で設置できる。必要とされる計算能力を提供するために最小に十分な量のラックコンピュータシステムの設置である計算能力JIT設置と同様に、設置されたJITインフラは設置されている増分的な計算能力をサポートするためには最小で十分なインフラであることがある。いくつかの実施形態では、JITインフラはデータセンタの計算能力の増分的な変更をサポートするために必要とされるインフラと同時に設置され、計算能力の増分的な変更が必要とされると決定される前には設置されない。結果として、データセンタのためのインフラはデータセンタの初期完成時に設置される必要はなく、これにより過剰なインフラはデータセンタの完成時にただちに存在し、必要とされる計算能力が過剰インフラを活用するために増すまでデータセンタで使用されないままとなる。
【0025】
JITインフラは、いくつかの実施形態では、データセンタでの計算動作をサポートするそれぞれの別個のタイプのインフラサポートと関連付けられた「インフラモジュール」の別々の「セット」を含む。本明細書で参照される多様なタイプのインフラサポートは、電力サポート、冷却サポート、ネットワーク通信サポート、構造サポート等の1つまたは複数を含むことがある。別々のタイプのインフラごとに、該タイプのサポートは、それぞれ増分的な大きさ(本明細書では増分的な「量」、「数量」等とも呼ばれる)の関連付けられたタイプのインフラサポートを提供するインフラモジュールの1つまたは複数の「セット」によって提供でき、各モジュールは、データセンタの1つまたは複数の電気負荷に一定量の電力サポートを提供するために一定量の電力を提供するように構成される。例えば、電力サポートは、電力分配モジュールの1つまたは複数のセットによって、増分的な数量の電力で提供できる。別の例では、冷却サポートは、空気処理モジュールの1つまたは複数のセットによって増分的な量で提供することができ、各モジュールは、一定量の冷却サポートを提供してデータセンタでの多様な電気負荷から熱を取り除くために、一定量の冷却空気流量を提供するように構成される。インフラモジュールの多様な数量のそれぞれの特定のセットを設置することは、データセンタで多様な量の別々のタイプのインフラサポートを提供することにつながることがある。
【0026】
本明細書に使用されるように、インフラ「サポート」を提供することは、1つまたは複数の電気負荷、ラックコンピュータシステム等を含んだ、1つまたは複数の下流システム及び下流構成要素による動作をサポートするために利用可能となるために1つまたは複数のタイプのインフラサポートを提供することを指す。多様なインフラモジュールによって提供されるサポートのタイプ及び数量は、該モジュールによって提供されているインフラサポートのタイプに少なくとも部分的に基づいて変化する。例えば、データセンタで電気負荷に電力サポートを提供するように構成される電力モジュールは、1つまたは複数の下流システム及び構成要素に電力フィードを分配するように構成できる。電力モジュールは、1本または複数の送電線を介して電気負荷に直接的に、配電インフラ、母線路、タップボックス、パッチケーブル、自動切替えスイッチ(ATS)アセンブリを含んだ中間構成要素等の1つまたは複数のインスタンスを介して間接的に電力を分配して良い。別の例では、データセンタで冷却サポートを提供するように構成される空気処理モジュールの1つまたは複数のセットは、それぞれ一定量の空気流を誘導するように構成され、データセンタの中に冷却空気の一定量の集合的な空気流を提供して、データセンタに設置された電気負荷から熱を取り除くためにアレイで取り付けられる別々の換気装置を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、インフラ「サポート」を提供することは、大量の1つまたは複数のある種のインフラを、1つまたは複数の電気負荷による使用に利用可能にすることを含む。ただし、係る利用可能なインフラは現在ではつねに活用されない場合がある。例えば、電力モジュールが、1つまたは複数の母線路、送電線等を介して1つまたは複数のシステム及び構成要素に電力フィードを提供することによって電力サポートを提供する場合、係る提供されたパワーフィードは、システム及び構成要素によって受け取られることから排除されて良いが、システム及び構成要素の上流の1つまたは複数の構成要素の位置決めに少なくとも部分的に基づいて受取りのために利用可能にされて良い。例えば、予備の電力分配モジュールは、予備電力システムの下流であり、負荷の上流である(ATSに含まれることがある)切替えスイッチによって負荷に選択的に送ることができる予備パワーフィードを提供することによって電気負荷に予備電力サポートを提供して良く、切替えスイッチは、一次パワーフィードと関連付けられた1つまたは複数の条件に少なくとも部分的に基づいて負荷に予備パワーフィードまたは一次パワーフィードを選択的に送って良い。
【0028】
通信ケーブル、ネットワーキングデバイス、ルータデバイス等の1つまたは複数のインスタンスを指し得るネットワーク通信インフラは、増分的な変更を必要とし、経時的にデータセンタにおいて所望される計算能力の係る増分的な変更であって、係る変更を必要とする変更と並行して、データセンタの計算能力の増分的な変更をサポートするためにデータセンタにおいて増分的に設置することができる。ネットワーキングデバイスは、ネットワークスイッチ装置、コンソールスイッチ装置、コンソールスイッチ装置、ルータデバイス、主端子盤等を含むことがある。いくつかの実施形態では、所望される計算能力の変更と同時にインフラを設置することは、1つまたは複数のラックコンピュータシステムがデータセンタに計算能力の増分的な変更を提供するために設置される必要があり、注文される若しくはデータセンタに配達される途中であり、配達され、データセンタでの設置のために準備中であり、データセンタの特定の位置に取り付けられる等の決定に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のラックコンピュータシステムを通信でサポートするために1つまたは複数のインフラモジュールを設置することを含む。
【0029】
データセンタでのいくつかのラックコンピュータシステムの設置と同時にデータセンタに設置されるネットワーク通信インフラモジュールの増分は、そのいくつかのラックコンピュータシステムによる計算動作を通信でサポートするために最小で十分である1つまたは複数のネットワーキングデバイス、ケーブルのインスタンス等を含むことがある。通信サポートは、サポートされる要素と1つまたは複数の多様な外部要素との間の通信をサポートすることを含むことがある。例えば、主端子盤を介して通信ネットワークとラックコンピュータシステムを通信で結合するケーブルインフラは、ラックコンピュータシステムを通信でサポートする。ケーブルは、ラックコンピュータシステムを通信でサポートするためにデータセンタでのラックコンピュータシステムの設置と同時に「ジャストインタイム」で設置されるケーブルの多様な例を含むことがある。例えば、「直接パッチケーブル接続」を確立するためにラックコンピュータシステムのインタフェースと別の構成要素のインタフェースとの間に伸長し、データセンタでのラックコンピュータシステムの設置と同時にデータセンタに設置されるパッチケーブル接続は、ラックコンピュータシステムと構成要素との間のジャストインタイム(JIT)直接パッチケーブル接続と呼ばれて良い。係る構成要素は、ラックコンピュータシステムが要求を満たすために設置されなければならない旨の決定と同時に、ネットワーク通信インフラの部分として、設置できるネットワークスイッチ装置を含むことがある。別の例では、「光ファイバケーブル接続」を確立するためにネットワークスイッチ装置のインタフェース及び主端子盤のインタフェースを含んだそれぞれの構成要素のそれぞれのインタフェース間で伸長し、データセンタでの構成要素の1つまたは複数の設置と同時にデータセンタに設置される光ファイバケーブル接続は、2つの構成要素間のジャストインタイム(JIT)光ファイバケーブル接続と呼ばれて良い。係る光ファイバケーブル接続は直接的であって良く、これにより光ファイバケーブル接続は2つの構成要素のそれぞれのインタフェース間の光ファイバケーブルのケーブル布線の単一のインスタンスを介する。係る光ファイバケーブル接続は間接的であって良く、これにより光ファイバケーブル接続は、2つの構成要素間の1つまたは複数の中間構成要素で1つまたは複数のインタフェースを介して通信で結合されて良い光ファイバケーブルの複数のインスタンスを介する。
【0030】
いくつかの実施形態では、ネットワーク通信インフラの設置は、データセンタで計算動作をサポートするためのネットワーク通信インフラの係る増分の必要性の決定と同時に、増分的に設置される1つまたは複数のネットワーク通信インフラモジュールを含む。ネットワーク通信インフラサポートは、1つまたは複数のネットワークスイッチ装置によって提供されるネットワーク切替えサポートを含むことがあり、ネットワークスイッチ装置及び関連付けられた設備はネットワーク通信インフラモジュールと呼ばれて良い。結果として、ラックコンピュータシステム設置と同時のインフラ設置は、ラックコンピュータシステムが設置されるのと同時にデータセンタに1つまたは複数のネットワーク通信インフラモジュールを設置することを含むことがあり、ラックコンピュータシステムは、データセンタのネットワークゾーンを介して通信ネットワークとラックコンピュータシステムを通信で結合するために、設置されたネットワークネットワークスイッチ装置に結合される。本明細書に使用されるように、ネットワークゾーンは、メインネットワーキングトランクが位置するデータセンタの領域を指し、1つまたは複数の主端子盤、境界設定ラック等を含むことがある。
【0031】
いくつかの実施形態では、ネットワーク通信インフラの設置は、ラックコンピュータシステムがデータセンタに設置されるのと同時に、ラックコンピュータシステムに通信サポートを提供するためにデータセンタにケーブルを設置することを含む。ケーブルの係る設置することは、設置されたラックコンピュータシステムをサポートするためにまさに十分なケーブルを設置することを含むことがあり、これによりデータセンタに設置された各ラックコンピュータシステムと同時に追加のケーブルが設置される。係るJITケーブル布線は、ケーブルインフラによって提供されるサポートが現在の計算能力をサポートするために必要とされる旨の決定の前に確立され、少なくとも部分的に設置されるケーブルインフラ設計を除外できる。
【0032】
ケーブルインフラは、増分的に設置することができ、データセンタ計算能力の増分的な変更をサポートするために必要とされて良いよりも過剰なサポートを提供するように設計されて良い、いくつかのまたはあらゆる構造化ケーブル、銅トランクアセンブリを含んだ前もって作られたケーブルアセンブリを除外できるケーブルの1つまたは複数のインスタンスを含むことがある。係るインスタンスはケーブルインフラモジュールと呼ばれることがある。例えば、ケーブルインフラモジュールは、短距離から中距離にわたってラックコンピュータシステムに直接的にサポート設備をリンクできるパッチケーブル、イーサネット(登録商標)ケーブル等の1つまたは複数のインスタンスを含むことがある。一方、光ファイバケーブルは直接的にまたはサポート設備の1つまたは複数のセットを介してネットワークゾーンにラックコンピュータシステムをリンクできる。係るケーブルは、いくつかの実施形態では、データセンタでの所望される計算能力での同時変化に対応する増分で設置できる。例えば、パッチケーブルは、ラックコンピュータシステムがデータセンタの定位置に取り付けられるのと同時にネットワークスイッチにコンピュータシステムをリンクすることができ、係る取付けが発生するまでパッチケーブルは設置される必要はない。さらに、光ファイバケーブルは、ネットワークゾーンとネットワークスイッチ装置、コンソールスイッチ装置等を、係るスイッチ装置のデータセンタの1つまたは複数の位置での設置と同時に、リンクするためにデータセンタに設置できる。
【0033】
いくつかの実施形態では、位置の列のラック位置にネットワークスイッチ装置を設置することは、前もって作られたケーブル布線アセンブリ、銅トランクアセンブリ等とは関係なく、1つまたは複数の通信ネットワークとの該列のラックコンピュータシステムの通信による結合を可能にする。例えば、単一モード接続、多重モード接続等を含んだ、光ファイバケーブル接続は、列のラックコンピュータシステムとネットワークとの間の通信を可能にするのに十分であることがあり、光ファイバケーブルは、アセンブリの能力がデータセンタで完全に必要とされる前にアセンブリとして設置されるよりむしろ、必要に応じて(ジャストインタイムで)設置し、それにより無駄を軽減できる。さらに、ラックコンピュータシステムの列のネットワークスイッチ装置とネットワークゾーンとの間の光ファイバケーブル接続は、ネットワークゾーンから1つまたは複数の別々の列のラックコンピュータシステムまたは開放ラック位置に伸長する銅トランクアセンブリのコスト未満であることがある。
【0034】
いくつかの実施形態では、ネットワークスイッチ装置は、1列のラック位置の多様な位置に設置できる。特定の位置は、他よりもネットワークスイッチ装置にとってより望ましい場合がある。例えば、列の最後の端部位置からほぼ等しい距離がある1つまたは複数の位置を含むことがある中心ラック位置にネットワークスイッチ装置を設置することは、実質的には列の全長未満である長さを有するパッチケーブルを介してネットワークスイッチ装置のどちらかの側面に隣接して取り付けられたラックコンピュータシステムに、ネットワークスイッチ装置を結合できるようにする。端部位置に取り付けられたラックコンピュータシステムと中心位置に設置されたネットワークスイッチ装置を結合するパッチケーブルは、列の任意の位置のラックコンピュータシステムを設置されたネットワークスイッチ装置に結合するために必要とされる最大パッチケーブル長であって良い、列の長さのほぼ半分である長さを有して良い。結果として、より短いパッチケーブルが列に取り付けられたラックコンピュータシステムと中心位置に設置されたネットワークスイッチ装置を結合するために使用できる。さらに、共通長さのパッチケーブルが、中心に設置されたネットワークスイッチ装置のどちらかの側面に結合されたラックコンピュータシステムを結合できるので、必要とされるパッチケーブル長さの変動はより少ないことがある。
【0035】
電力インフラは、いくつかの実施形態で、一定量の電力サポートを提供するために、それぞれ別々の電力フィードを提供する電力モジュールの1つまたは複数のセットを含む。別々の電力モジュールからの電力フィードは、データセンタで総パワーフィードを提供するために結合できる。例えば、いくつかの設置された電力モジュールのそれぞれから分配された電力フィードは、少なくとも部分的にデータセンタを通って伸長する共通電力母線路アセンブリに結合でき、設置された電力モジュールの結合された電力出力は、データセンタの多様な電気負荷に、電力母線路アセンブリへの多様な電気接続を介して分配できる。各電力モジュールは、1つまたは複数のユーティリティトランス、予備発電装置、切替え装置、無停電電源装置(UPS)、電力分配装置(PDU)等を含んだ電力分配構成要素の1つまたは複数のセットを含むことがある。各電力モジュールは、モジュールの単一ユニットとしてのパレットに載せられたまたは「スキッド」配達及び設置を可能にするために、共通の下部構造に取り付けられた複数の構成要素を含むことがある。各電力モジュールはフォームファクタを有することがあり、サイト外の施設で組み立てる、試験する、及び作動することができる。電力モジュールは、それぞれ別々のユニットとしてデータセンタの割り当てられた位置に取り付けることができ、パワーフィード入口接続及びパワーフィード出口接続は、データセンタでそれぞれのモジュールを設置するために確立できる。各電力モジュールは、共通ユーティリティパワーフィード、複数の別々のパワーフィードの1つ等を含んだ1つまたは複数の多様なパワーフィードに、入口端部で接続できる。各電力モジュールは、1つまたは複数の電力母線路等を含んだ1つまたは複数の多様な電源供給ラインインフラモジュールに出口端部で接続できる。
【0036】
電源供給ラインインフラは、いくつかの実施形態で、データセンタのラックコンピュータシステムの設置を介して計算能力がデータセンタに追加されるのと同時に、計算能力をサポートするために増分的に設置され、増分的に追加される計算能力をサポートするように増分的に構成される電力ケーブル布線、電力母線路アセンブリ等を含む。例えば、いくつかのラックコンピュータシステムがデータセンタに設置されなければならない場合、ラックコンピュータシステムに電力サポートを提供するために1つまたは複数の電力モジュールからいくつかのラックコンピュータシステムに電力を分配できる電源供給ラインインフラは、そのいくつかのラックコンピュータシステムをサポートするために必要とされるサポートを提供できる増分で設置できる。設置された電源ラインインフラの増分は、1つまたは複数の電力母線路アセンブリを形成するまたは拡張するために互いに結合されるときに、そのいくつかのラックコンピュータシステムに電力サポートを提供するために1つまたは複数の電力フィードを分配するために最小で十分である1つまたは複数の電力母線路セグメントを含むことがある。係るセグメントは、電力ケーブル布線の1つまたは複数のインスタンスを介してラックコンピュータシステムに電力を分配する、ATSアセンブリを含んだ1つまたは複数の上流の構成要素に1つまたは複数のタップボックスアセンブリを介して結合されるために最小で十分な長さを有して良い。電源供給ラインインフラの1つまたは複数のセットは、いくつかのラックコンピュータシステムが設置されるのと同時にデータセンタに設置できる。電力サポートは、1つまたは複数の電力分配モジュールとサポートされる要素との間で電力分配をサポートすることを指すことがある。JIT電源供給ラインインフラは、ラックコンピュータシステムを通信でサポートするためのデータセンタでのラックコンピュータシステムの設置と同時に、「ジャストインタイム」で設置される、「モジュール」を含んだインフラ構成要素の多様なセットを含むことがある。電源供給ラインインフラモジュールは、特定の長さの電力ケーブル布線の1つまたは複数のインスタンス、1つまたは複数の電力母線路アセンブリ等を形成するまたは拡張するために互いに結合できる1つまたは複数の電力母線路セグメントを含むことがある。
【0037】
冷却インフラは、いくつかの実施形態で、データセンタに冷却空気の累積流量を提供するためにアレイに取り付けられた1つまたは複数の空気処理モジュールを含む。例えば、冷却インフラは、各ポートが別々の空気処理モジュールを収容するように構成されたポートのアレイを含む空気処理アレイを含むことがある。ポートのアレイは垂直に配向されたアレイであることがあり、このようにしてポートが空気処理モジュールを収容するときに「ファンウォール」を形成する。各空気処理モジュールは、一定の流量の冷却空気を提供するようにそれぞれ構成される、1台または複数の換気装置、空気冷却システム等を含むことがある。例えば、各空気処理モジュールは、空気の一定の体積流量、質量流量、流速等を誘導できる、ファン、ブロワ等を含んだ1台または複数の換気装置を含むことがある。ファンウォールアレイに1つまたは複数の空気処理モジュールを取り付けると、アレイは、別々の取り付けられた空気処理モジュールのそれぞれによって提供される冷却空気流量の合計であることがある一定の冷却空気流量を提供するように構成されることがある。冷却インフラによって提供される冷却サポートの調整は、1つまたは複数の設置された空気処理ユニットによって誘導される空気流量を調整すること、ファンウォールアレイの多様な空のポートに追加の空気処理モジュールを設置すること等の1つまたは複数を含むことがある。アレイでポートが利用できない場合、追加のアレイを設置することができ、空気処理モジュールは追加のアレイに取り付けることができる。いくつかの実施形態では、各アレイが、ラックコンピュータシステムの特定のセットに対する制限なく、ラックコンピュータシステムの複数のセットが設置されるデータセンタの中に空気を排出する。結果として、各空気処理モジュールはデータセンタの電気負荷のそれぞれに冷却サポートの一部分を提供できる。
【0038】
構造インフラ、コールドアイル及びホットアイルの格納容器、インフラルーティング構造等を含んだ追加のJITインフラは、ラックコンピュータ設置時に設置されたラックコンピュータシステムをサポートするために必要とされる追加のサポートの量を提供するために、ラックコンピュータシステムの設置と同時に設置できる。本明細書に使用されるように、ラックコンピュータシステムの設置と「同時に」JITインフラを設置することは、ラックコンピュータシステムが設置されなければならない旨の決定に応えてインフラを設置することを指すことがある。係る設置は、ラッチコンピュータシステムがデータセンタに到着するのに応えて、ラックコンピュータシステムが定位置に取り付けられるのに応えて等、決定の後且つラックコンピュータシステムのデータセンタの定位置への取付けの前に発生することがある。
【0039】
いくつかの実施形態では、アイル空間は、アイル空間のラック位置の1つまたは複数の列に沿ってそれぞれが存在するケーブルトレイの1つまたは複数のセットを含むことがある。ケーブルトレイのセットは、ラック位置に設置された多様な構成要素と、ラック位置に取り付けられた他の構成要素、ラック位置にとって外部の構成要素、アイル空間にとって外部の構成要素等との間でケーブルを支持し、経路を定めることができる。構造インフラモジュールと呼ばれて良い、ラック位置の所与の列に沿って伸長する1つまたは複数のケーブルトレイのセットは、該列の上方の高い位置で伸長して良く、これによりケーブルトレイのセットは、ラック位置に設置されたラックコンピュータシステム、ネットワークスイッチ装置等の上方に伸長する。アイル空間がアイルの向かい合った側端部に沿って伸長する2列のラック位置を含むいくつかの実施形態では、ケーブルトレイの別々のセットがラック位置の各別々の列の上方に伸長する。
【0040】
いくつかの実施形態では、特定のタイプのインフラサポートを提供するように構成されたインフラモジュールの1つまたは複数のセットは、特定のタイプのインフラサポートを提供するためにデータセンタの設置されたインフラのサポート能力の変更に少なくとも部分的に基づいて、選択され、データセンタに設置される。本明細書に参照されるように、特定のタイプのインフラサポートを提供するために設置されたインフラモジュールのサポート「能力」は特定のタイプのインフラサポートの設置サポート能力と呼ばれることがあり、ある種のインフラサポートを提供するためのインフラモジュールの1つまたは複数のセットの総能力を含むことがある。サポート能力は、設置されたインフラモジュールによって提供できる、データセンタに現在設置されている多様なサポート要件を超えた「過剰」サポートの量を指すことがある。各タイプのインフラサポート(例えば、電力、電源供給ライン分配、冷却、ネットワーキング、構造等)のためのサポート能力は継続的に監視できる。特定のタイプのインフラサポートのサポート能力があるスレッショルド値を下回る場合、その特定のタイプのインフラサポートを提供するように構成される大量のインフラモジュールを、同じスレッショルド値、異なるスレッショルド値等であって良いスレッショルド値を超えてサポート能力を増やすために設置できる。
【0041】
インフラサポート能力はインフラのタイプごとに別であるため、各別々のタイプのインフラサポートのサポート能力は、インフラモジュールの別々のセットの独立した設置に少なくとも部分的に基づいて、他のタイプのインフラサポートとは関係なく変更できる。インフラモジュールの各別々のセットは、別々のタイプのインフラサポートごとのサポート能力「トリガ」スレッショルドの別々のセットに少なくとも部分的に基づいて設置できる。例えば、設置された電力モジュールによる電力サポート能力がスレッショルド値を下回るが、冷却サポート能力、ネットワーキングサポート能力、構造サポート能力、電源供給ラインサポート能力等が下回らない場合、スレッショルド値を超えて電力サポート能力を増すために十分な量の電力モジュールが、他のタイプの追加のインフラを設置することなく設置され、電源供給ラインインフラに接続される。また、各タイプのインフラが、ラックコンピュータシステムの特定のセットに制限されるよりむしろ、インフラモジュールの多様なセットによって全体としてデータセンタに提供される場合、設置されたラックコンピュータシステムを、異なるサポート要件の新しいラックコンピュータシステムで置き換えることを含むラックコンピュータシステムのセットのサポート要件の増加、変更等はデータセンタのどこか他の場所に追加のインフラモジュールを設置することによって対応できる。
【0042】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のタイプのインフラサポートのための設置サポート能力は、設置されたラックコンピュータシステムのサポート要件、並びにデータセンタへの配達及びデータセンタでの設置のために到着するラックコンピュータシステムのサポート要件と関連付けられる。ラックコンピュータシステムがデータセンタに到着する場合、1つまたは複数の多様なタイプのインフラサポートのために設置サポート能力を調整するかどうか、及びデータセンタに設置して係る調整を実装するためにどのインフラモジュールを選択するのかを決定するために使用できるラックコンピュータシステムと関連付けられた情報を入手できる。係る情報は、到着するラックコンピュータシステムによる計算動作をサポートするために必要とされる、多様なタイプのインフラサポートの特定のサポート要件を示すことがある。各タイプのインフラサポートのサポート要件は、多様なタイプのインフラサポートの現在のサポート能力と比較することができ、到着するラックコンピュータシステムの設置がスレッショルド以下に1つまたは複数のある種のインフラのサポート能力を削減するために決定される場合、1つまたは複数のある種のインフラを提供するように構成された追加のインフラモジュールを設置できる。例えば、到着するラックコンピュータシステムの電力要件が設置された電力モジュールの過剰電力サポート能力を超え、これにより到着するラックコンピュータシステムが電力不足を生じさせる場合、1つまたは複数の電力モジュールは、該不足と少なくとも一致する電力サポートの量を提供するために設置できる。いくつかの実施形態では、インフラモジュールの数量はサポート能力を最小限に抑えるために選択され、これにより過剰インフラはいかなるときでも最小限に抑えられる。
【0043】
図1は、多様なインフラモジュールが、データセンタの設置されたラックコンピュータシステムに多様なタイプのインフラサポートを提供するために選択され、データセンタに設置されるデータセンタを示す概略図である。
【0044】
システム100は、計算動作を実行することによって計算能力112を提供するラックコンピュータシステム110を含むデータセンタ102を含む。データセンタ102は、データセンタ102に設置されたラックコンピュータシステム110による計算動作をサポートするためにそれぞれが多様なタイプのインフラサポートを提供するインフラ120〜150の多様なセットを含む。
【0045】
本明細書では電力インフラとしても交互に呼ばれる動力インフラ120は、電源供給ラインインフラ122の1つまたは複数のインスタンス、及びラックコンピュータシステム110に電力サポート126を提供する電力モジュール124を含む。電源供給ラインインフラ122のインスタンスは、多様なソースから受け取られた電力フィードを、データセンタ全体で多様な場所、電気負荷等に分配するために互いに結合できる、電源供給ラインケーブルの1つまたは複数のインスタンス、1つまたは複数の動力母線路、動力母線路セグメント等を含むことがある1つまたは複数の電源供給ラインインフラモジュールを含むことがある。電力モジュールは、ユーティリティ電源からユーティリティパワーフィードを含んだ入口パワーフィードをそれぞれ受け取ることができ、出口接続を介して電力フィードを分配できる。各別々の電力モジュール124は一定量の電力を分配することができ、データセンタ102に設置された多様な電力モジュールは、多様な電力モジュールからデータセンタ102の多様な電気負荷に電力を分配するために電源供給ラインインフラ122の1つまたは複数のインスタンスに結合できる。例えば、電源供給ラインインフラ122が、データセンタ全体で伸長し、多様なラックコンピュータシステム110に電気的に結合される動力母線路アセンブリを含む場合、複数の電力モジュール124は、それぞれ母線路アセンブリに別々の電力フィードを提供するために、出口端部で、動力母線路アセンブリと母線路に沿った多様な場所で結合できる。母線路アセンブリは、多様な点で、結合された電力モジュールから集合的に受け取られる電力を、データセンタ102の多様な場所の多様なラックコンピュータシステム110に分配できる。結果として、多様な設置された電力モジュール124は別々の場所に設置されて良いが、多様なモジュール124は電源供給ラインインフラ122の1つまたは複数のインスタンスを介してデータセンタ102に設置されたラックコンピュータシステム110のいずれかに電力サポート126を提供できる。例えば、データセンタ102での設置のために到着するラックコンピュータシステムの電力サポート要件が、設置時にインフラ120の過剰電力サポート126能力を超える旨の決定に応えて、追加の電力サポート126がラックコンピュータシステム110による計算動作をサポートするために必要とされる場合、必要とされる追加のサポート126を提供して到着するラックコンピュータシステム172が設置されるときにラックコンピュータシステム110をサポートするために十分な追加の電力サポート126を提供するために、1つまたは複数の追加のモジュール124を設置し、インフラ122の1つまたは複数のインスタンスに結合できる。
【0046】
冷却インフラ130は、それぞれがラックコンピュータシステム110に増分的な冷却サポート136を提供するように構成される1つまたは複数の空気処理モジュール134、及び1つまたは複数のポートに多様な空気処理モジュール134を収容するように構成された1つまたは複数の空気処理アレイ132を含む。空気処理モジュール134は、データセンタの中にそれぞれ一定量の冷却空気流を誘導できる。例えば、空気処理モジュール134は、空気処理アレイ132の多様なポートにそれぞれ取り付けることができる、一定の空気流量を誘導するように構成された1台または複数の換気装置を含むことがあり、取り付けられた換気装置は個別に増分的な空気流量を提供し、集合的にアレイを通り、データセンタの中への総冷却空気流を提供する。複数のアレイ132はデータセンタ102に設置することができ、複数の空気処理モジュール134はデータセンタに増分的な冷却を提供するために各アレイ132に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、データセンタに設置されたアレイ132の1つまたは複数は、ラックコンピュータシステム110の複数列が設置されるデータセンタに冷却サポートを提供し、これにより各アレイの各空気処理モジュールは設置された各ラックコンピュータシステム110に提供される冷却サポートの少なくとも一部分を提供する。ラックコンピュータシステムの多様な列を設置できるデータセンタに冷却サポートを提供する空気処理モジュールのアレイ132に少なくとも部分的に基づいて、アレイ132のすべてがデータセンタの全体に集合的に冷却サポートを提供するので、データセンタのある部分の空気処理モジュールはデータセンタの別の部分のラックコンピュータシステムの列に冷却サポートの一部分を提供できる。結果として、データセンタ102のラックコンピュータシステム110に提供される冷却サポートは、データセンタでの多様なアレイの設置、多様なアレイでの多様な空気処理モジュールの設置等によって調整できる。係る冷却サポートを提供する例として、アレイ132はデータセンタ102に設置することができ、それぞれ一定量の空気流を誘導するように構成された換気装置を含む一定数量の空気処理モジュール134が、冷却インフラをデータセンタ102の中に一定の集合的な空気流を提供するように構成するためにアレイ132に設置される。空気流は1つまたは複数の冷却システムによって冷却できる。冷却インフラが自由な冷却インフラを含む実施形態を含んだいくつかの実施形態では、換気装置とは別個の空気冷却システムは存在しない。冷却インフラの冷却能力に相当することがある集合的な冷却空気流量は、データセンタ102に設置されたラックコンピュータシステム110の総冷却要件を少なくとも満たすことができる。例えば、過剰冷却能力を超える追加の冷却サポートを要求する追加のラックコンピュータシステム172が設置される、または設置のために到着する、総冷却要件が冷却インフラ130の冷却能力を超えるために変化する場合、変更された総サポート要件を超えて冷却能力を増分的に増すために、追加の空気処理モジュールを利用可能なアレイポートに設置できる。追加のモジュールを収容するために利用可能なアレイポートの数が不十分である場合、追加のアレイはデータセンタ102に設置することができ、追加のモジュールは追加のアレイの利用可能なポートに設置できる。空気処理モジュール134はデータセンタ102に集合的に冷却サポートを提供するので、ラックに提供される冷却サポートは、データセンタ102内のラックコンピュータシステム110及び空気処理モジュール134の相対的な場所に関して少なくとも部分的に断定的ではない。
【0047】
いくつかの実施形態では、換気装置の1つまたは複数は、調整可能な冷却空気流量を個別に提供するために、1つまたは複数の可変周波数駆動モータを介して個別に調整可能である。いくつかの実施形態では、空気処理モジュールの1つまたは複数は空気流に増分的な量の空気を提供するように構成された別個の空気冷却システムを含む。例えば、空気処理モジュールは個々の蒸発冷却ユニット、空気処理モジュールとの伝熱連通で流れる、空気処理モジュールアレイを通る空気流の特定の一部分を冷却するように構成される機械冷却ユニットを含むことがある。
【0048】
構造サポートインフラ140は、インフラの多様なインスタンスに構造サポート142を提供し、1つまたは複数の空気プレナム、そのなんらかの組合せ等の少なくとも部分的な封入を実現する、本明細書では構造サポートインフラモジュールとも呼ばれるサポート構造の1つまたは複数のインスタンスを含む。例えば、構造サポートインフラは、多様なラックコンピュータシステムと他のインフラとの間で多様なケーブル布線の経路を定め、ラックコンピュータシステムの列に沿って伸長する母線路をサポートする等のために1つまたは複数の列のラックコンピュータシステムに沿って伸長するために設置できる1つまたは複数のケーブルトレイを含むことがある。別の例では、構造サポートインフラは、1つまたは複数のラックコンピュータシステムに冷却空気を導き、1つまたは複数のラックコンピュータシステムから排気を逸らし、排気から冷却空気を分割する等の1つまたは複数の空気プレナムを封入し、分割する多様な構造を含むことがある。1つまたは複数の不連続の列またはその不連続の部分に構造サポートを提供する1つまたは複数の構造サポートモジュールを含むことがある構造サポートインフラの1つまたは複数のインスタンスは、データセンタのそれぞれの区域で特定のラックコンピュータシステム110に構造サポート142の増分的な拡大を提供するためにデータセンタ102の1つまたは複数の場所に設置できる。追加の構造モジュールは、データセンタ102での係る追加のラックコンピュータシステム172の設置と同時に、追加のラックコンピュータシステム172がデータセンタ102での設置のために到着する旨の決定と同時に等、追加のラックコンピュータシステム172に構造サポート142を提供するためにデータセンタの追加の区域に設置できる。
【0049】
ネットワーク通信インフラ150は、データセンタ102に設置されたラックコンピュータシステム110に増分的なネットワーク通信サポート158を提供する1つまたは複数のネットワーク通信インフラモジュールを含む。ネットワークインフラモジュールは、ネットワークケーブルインフラ152、1つまたは複数のネットワークスイッチ装置、1つまたは複数のマスタルータを含んだ1つまたは複数のルータデバイス156等の1つまたは複数のインスタンスを含むことがある。ネットワークケーブルインフラ152、ネットワーク切替え装置154、ルータデバイス156等のインスタンスは、多様なラックコンピュータシステム110にネットワーク通信サポート158を増分的に拡大するためにデータセンタ102に増分的に設置できる。ネットワーク通信サポートは、通信ネットワークに1つまたは複数のラックコンピュータシステム110を通信で結合すること、係る通信結合に帯域幅を提供すること、多様なラックコンピュータシステム110へのリモートシステムコンソールアクセスを可能にすること等を含むことがある。
【0050】
計算能力配備システム180は、1つまたは複数のコンピュータシステムによって実装でき、設置のために1つまたは複数のサプライヤ170からデータセンタ102に1つまたは複数のラックコンピュータシステム172の配達を命令するように構成される。システム180は、設置されたラックコンピュータシステム110によって提供された計算能力112を監視すること、及び追加の計算能力112が必要とされる旨の決定に少なくとも部分的に基づいて係る配達を命令できる。計算能力の必要とされる追加の量を少なくとも満たすことができる、少なくとも一定量の追加の計算能力を提供するように構成される一定数量のラックコンピュータシステムがサプライヤ170によって選択され、配達されるように命令できる。サプライヤは、ラックコンピュータシステムの1つまたは複数のベンダ、1つまたは複数の在庫保管施設等を含むことがある。
【0051】
インフラ能力分配システム190は1つまたは複数のコンピュータシステムによって実装でき、1つまたは複数の特定のタイプのインフラの少なくとも一定量のインフラサポートを提供するために、モジュール在庫160の1つまたは複数のインスタンスから、1つまたは複数の選択されたインフラモジュール162の設置を命令するように構成される。在庫サイトとも呼ばれることのあるモジュール在庫160のインスタンスは、データセンタ102にとってローカルな在庫サイト、データセンタ102から遠いサイト等を含む。いくつかの在庫サイトは、システム190を管理しないサードパーティエンティティ、データセンタ102、サプライヤ170、在庫サイト160に保管される1つまたは複数のインフラモジュールのベンダ等によって管理できる。インフラモジュール162は、多様な動力インフラモジュール122〜124、冷却インフラモジュール130、構造サポートモジュール140、ネットワーク通信インフラモジュール152〜156等の1つまたは複数を含むことがある。システム190は、データセンタ102の多様なタイプのインフラ120〜150のそれぞれのインフラサポート能力を監視することができ、計算能力112をサポートするためには1つまたは複数の特定のタイプのインフラサポートのサポート能力の増分的な変更が必要とされる旨の決定に少なくとも部分的に基づいてホール102での設置のために1つまたは複数の特定のインフラモジュール162を選択できる。係る決定は、ホール102での設置のために配達される1つまたは複数の追加のラックコンピュータシステム172の、システム180による選択に少なくとも部分的に基づくことがある。
【0052】
例えば、システム190は、示されているタイプのインフラのそれぞれについてサポート能力を監視し、各タイプのインフラが一定のスレッショルド値を超えるサポート能力を有すると決定して良く、スレッショルドはその特定のタイプのインフラ、係るサポート要件を超える一定のマージン等について設置されたラックコンピュータシステム110によるサポート要件に対応する。システム180は、追加の計算能力112が必要とされる旨の決定に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のサプライヤ170に少なくとも一定数量の追加の能力112を提供するために設置される1つまたは複数の特定のラックコンピュータシステム172をホール102に配達するように命令して良い。係る命令は、システム180が1つまたは複数のラックコンピュータシステム172の1つまたは複数の注文を行うことを含むことがある。係る命令は、多様なタイプのインフラの1つまたは複数に対する追加のラックコンピュータシステム172の多様なサポート要件の、システム180での決定を含むことがある。1つまたは複数の共通コンピュータシステムで実装できるシステム180及び190は、システム190が、一定数のラックコンピュータシステム172がデータセンタ102に到着する旨の通知を受け取るように通信して良い。通知は、ラックコンピュータシステム172のそれぞれに対する1つまたは複数のタイプのインフラのサポート要件を含むことがある。少なくとも部分的に通知に基づいて、システム190は、到着するラックコンピュータシステム172の設置のためにデータセンタ102の1つまたは複数の利用可能な位置を割り当てることができる。さらに、少なくとも部分的に通知に基づいて、システム180は、インフラのタイプごとに、到着するラックコンピュータシステム172による計算動作をサポートするために必要とされる増分的なサポートが、その設置されているタイプのインフラの現在のサポート能力に関してスレッショルドを超えているかどうかを決定できる。例えば、システム190は、設置された動力インフラ120の過剰電力サポート能力126が到着するラックコンピュータシステム172の総電力サポート要件を満たすのに不十分であるかどうかを決定して良い。結果として、システム190は、のそのタイプのインフラサポートの量を提供するインフラモジュール162の量を選択する。インフラモジュールの該量は、インフラモジュールの設置時に、一定のスレッショルド値を超えてそれぞれのタイプのインフラのサポート能力を増すインフラサポートの最小量を提供するように構成されて良い。例えば、システム190は、設置されたコンピュータシステム110及び到着するラックコンピュータシステム172の両方の集合的な電力サポート要件を満たすために動力サポート能力の不足を打開するように構成される最小数の電力インフラモジュール122、124を選択して良い。システム190は、係る選択されたモジュール162の設置を命令できる。係る命令することは、1つまたは複数の在庫施設、インフラモジュールベンダ等を含むことがある1つまたは複数の在庫ソース160に注文を生成することを含むことがある。係る命令することは、データセンタ102の1つまたは複数の特定の位置に選択されたインフラモジュール162を設置するためのコマンドを1人または複数のオペレータに対して生成することを含むことがあり、特定の位置、選択されたインフラモジュールの数量等は、到着するラックコンピュータシステム172が設置されるために割り当てられる位置に少なくとも部分的に基づくことがある。
【0053】
多様なタイプのインフラサポートの増分的な変更を提供するための設置用のインフラモジュールの選択は、各別々のタイプのインフラに関して無関係であることがある。上述されたように、サポート能力は多様なタイプのインフラ120〜150のそれぞれについて単独で監視することができ、インフラモジュール162の選択及び設置は別々のタイプのインフラの別々のサポート能力に少なくとも部分的に基づいて各別々のタイプのインフラに関して無関係に実装できる。例えば、システム190は、到着するラックコンピュータシステム172が、現在設置されている電力サポート能力に比して1つまたは複数のスレッショルドを超える一定量の電力サポート126を必要とする旨の決定に少なくとも部分的に基づいて電力サポート126の増分的な増加を実現するために電力モジュールの追加の数量を選択して良いが、システム190は、現在設置されている冷却サポート能力、構造サポート能力、及びネットワーキングサポート能力が1つまたは複数のそれぞれのスレッショルド値の中で到着するラックコンピュータシステム172をサポートするのに十分であると決定して良く、したがって設置のためにいずれの冷却インフラモジュール、構造サポートインフラモジュール、及びネットワーキングインフラモジュール150を選択するのも控えて良い。
【0054】
図2A図2Dは、いくつかの実施形態に従って、ラックコンピュータシステム及び多様なインフラモジュールが増分的に設置されるデータセンタを示す概略図である。
【0055】
データセンタ200は、ラックコンピュータシステムを含んだデータセンタ構成要素を設置できる、データセンタホールと呼ばれることがある内部エンクロージャ202、及びいくつかの実施形態では、エンクロージャ202に設置される設備を外部ソースから受け入れることができる積込みドックを含む受入れ区域203を含む。エンクロージャ202は、多様な特定のデータセンタ構成要素と関連付けられた「領域」または「ゾーン」とも呼ばれる部分210、220を含む。特に、エンクロージャ202は、本明細書では「コンピュータゾーン」とも呼ばれるネットワークゾーン220及び複数のサーバゾーン210を含む。ネットワークゾーン220は、1つまたは複数の通信ネットワークとデータセンタ内に設置された多様なラックコンピュータシステムを通信で結合できる多様な構成要素を含むことがある。係る構成要素は1つまたは複数の主端子盤、境界設定ポイントラック、マスタOOBデバイス、マスタコンソールルータ等を含むことがある。コンピュータゾーン210は、それぞれ、データセンタ200に計算能力を提供する1列または複数列の多様なラックコンピュータシステムを含むことがある。データセンタ200は、いくつかの実施形態では、図1に示されるシステム100に含むことができる。
【0056】
図2Aは、ラックコンピュータシステムがデータセンタ200にいまだ設置されていない初期構築の状態のデータセンタ200を示す。データセンタ200の示されている状態では、サーバゾーン210はそれぞれ、アイル空間214の向かい合った側端部に沿って伸長する2列212のラック位置213によって確立されるアイル空間214を含む。いくつかの実施形態では、データセンタエンクロージャ202内の少なくともいくつかのラック位置及びアイル空間の場所は、ラックコンピュータシステムがそれらのラック位置及びアイル空間に設置されていない場合、未定義である。
【0057】
ネットワークゾーン220は、ネットワークゾーン構成要素を設置できる1列のラック位置222を含む。ラック位置213及び222は、サイズ、寸法等で、EIA‐310規格に従った標準的な19インチラック、23インチラック等を含んだ多様なタイプの既知のコンピュータラック設計に対応できる。
【0058】
示されている実施形態に図示されるように、初期構築の状態にあるデータセンタ200は、少なくともラックコンピュータシステムをサポートするために構造サポートインフラ、ネットワーク通信インフラ、動力インフラ、冷却インフラ等を含んだラックコンピュータシステム及びインフラを欠いている。データセンタエンクロージャ202の多様な位置は、特定のタイプのインフラの設置のために境界を定められて良い。ただし、係るインフラは初期構築時には設置されない場合がある。例えば、複数の電力モジュール位置230はエンクロージャ202で境界を定められ、1つまたは複数の電力モジュールは位置230のいずれかに設置できる。ただし、データセンタ200の初期構築の状態時、電力モジュールは現在設置されていない。同様に複数の空気処理アレイ位置241はエンクロージャ202で境界を定められ、1つまたは複数の処理アレイは位置241のいずれかに設置できる。
【0059】
図2Bは、1つまたは複数のラックコンピュータシステムがデータセンタ200に設置されるために到着する旨の決定が下される状態のデータセンタ200を示す。特に、図2Bは、受入れ区域203で、現在データセンタ200に配達されている過程にあるラックコンピュータシステム216A〜Bを示す。係るラックコンピュータシステムは、配達トラックを含んだ多様な配達方法を介して配達できる。示されている実施形態では、ラックコンピュータシステム216は、受入れ区域203に到着する配達トラック219を介して輸送中である。
【0060】
一定量の計算能力がデータセンタ200に追加されなければならない旨の決定が下されるいくつかの実施形態では、少なくとも所望される計算塗力を提供する1つまたは複数のラックコンピュータシステム216は、データセンタ200への配達のために注文できる。データセンタ200は当初係るラックコンピュータシステムのためのサポートインフラを欠いているので、特定のタイプのインフラサポートに関して到着するラックコンピュータシステムのサポート要件を満たすために最小量のサポートを含むことがある、少なくとも一定量の特定のタイプのインフラサポートを提供するように構成された1つまたは複数のインフラモジュールは、該決定と同時に等、該決定に応えてデータセンタ200に設置される。
【0061】
例えば、ラックコンピュータシステム216A〜216Bがトラック219を介してデータセンタ200への配達のために到着する、示されている実施形態では、それぞれ到着するラックコンピュータシステム216による計算動作をサポートするために少なくとも最小量の特定のそれぞれのタイプのインフラサポートを提供する、1つまたは複数の電気インフラモジュール、冷却インフラモジュール、構造サポートモジュール、及びネットワーキングモジュールがデータセンタ200に設置される。係るインフラモジュールは、いくつかの実施形態では、ラックコンピュータシステム216が配達のために注文される、輸送中である、データセンタ200に配達される、またはそのなんらかの組合せ等まで、データセンタ200に設置されない。
【0062】
ラックコンピュータシステム216が到着する図2Bの示されている実施形態では、1つまたは複数のラックネットワーク通信インフラモジュールは、到着するラックコンピュータシステムによる計算動作をサポートするために少なくとも十分な量のネットワーク通信サポートを提供するために設置される。図示されるように、単一のネットワークゾーン構成要素、つまり主端子盤(MDF)224は、ネットワークゾーン220のネットワークゾーン位置222に設置される。MDF224は、有線ネットワーク接続、無線ネットワーク接続、そのなんらかの組合せ等を含むことがある通信経路229を介して少なくとも1つの通信ネットワークと通信で結合される。
【0063】
ネットワークスイッチ装置226は、ゾーン210に設置された1つまたは複数のラックコンピュータシステムにネットワーク通信サポートを提供するために210Aに設置される。いくつかの実施形態では、ネットワークスイッチ装置は、ラックコンピュータシステム216がデータセンタエンクロージャ202に設置されなければならない旨の決定、及び少なくとも1つのネットワークスイッチ装置がネットワークゾーンにラックコンピュータシステム216を通信で結合するためにデータセンタエンクロージャ202に設置される必要がある旨の決定に少なくとも部分的に基づいてデータセンタ200に設置される。ネットワークスイッチ装置は当初エンクロージャ202に設置されていないので、エンクロージャ202の設置されたラックコンピュータシステムをサポートするためにネットワークスイッチ装置が必要とされる場合がある。ネットワークスイッチ装置226は、ラックコンピュータシステム216がサーバゾーン210Aに設置されるとき、ラックコンピュータシステムにネットワーク通信サポートを提供するためにサーバゾーン210Aの1つまたは複数のラック位置213に設置される。図示されるように、ネットワークスイッチ装置226は、示されている2つの隣接するラック位置213を含んだ複数のラック位置213に設置できる。ネットワークスイッチ装置226は、ラックコンピュータシステム216が設置されなければならない列212の中心部分に近接することを含んだ、サーバゾーン210Aの特定の部分に設置されて良い。
【0064】
図示されるように、いくつかの実施形態では、ネットワークスイッチ装置226は、ラックコンピュータシステム216A〜216Bがゾーン210Aの1つまたは複数のラック位置213に設置されるのと同時に、サーバゾーン210Aに設置される。例えば、ネットワークスイッチ装置226は、ラックコンピュータシステム216が配達及びゾーン210Aでの設置のために注文されるのに応えて、ゾーン210Aのラック位置213に設置されて良い。別の例では、ネットワークスイッチ装置226は、ラックコンピュータシステム216がデータセンタ200で受け取られるのに応えて設置されて良い。
【0065】
いくつかの実施形態では、少なくともなんらかのケーブルインフラが、ネットワークスイッチ装置226がデータセンタ200に設置されるのに応えてデータセンタ200に設置される。係る設置は、1つまたは複数のラック位置213にネットワークスイッチ装置226を取り付けること、1つまたは複数の電源にネットワークスイッチ装置を電気的に結合すること、MDF224にネットワークスイッチ装置226を通信で結合すること、そのなんらかの組合せ等を含むことがある。いくつかの実施形態では、MDF224にネットワークスイッチ装置226を通信で結合するケーブルインフラは、ネットワークスイッチ装置226がサーバゾーン210Aに取り付けられた後に、且つラックコンピュータシステム216がゾーン210Aのラック位置213に取り付けられるのと同時に設置される。
【0066】
いくつかの実施形態では、データセンタ200のラックコンピュータシステム216の設置と同時にMDF224にネットワークスイッチ装置226を通信で結合することは、ネットワークスイッチ装置のインタフェースからMDFのインタフェースに光ファイバケーブル接続225を拡張することを含む。光ファイバケーブル接続225は、データセンタエンクロージャ202でのネットワークスイッチ装置226の設置に応えて伸長されて良く、これにより係る接続はジャストインタイムであり、データセンタ200で過剰な通信サポートを提供しない。光ファイバケーブル接続は、ネットワークスイッチ装置226とMDF224との間で直接的であることがある。
【0067】
いくつかの実施形態では、ラックコンピュータシステムがデータセンタで設置されるために到着する旨の決定に少なくとも部分的に基づいて設置される少なくともいくつかのインフラモジュールは、それぞれ、ラックコンピュータシステムをサポートするために最小に十分な量のある種のインフラサポートを提供し、ラックコンピュータシステムの設置と同時に設置されるインフラモジュールの別々のセットを含む。係るインフラは、インフラが必要に応じてデータセンタに設置され、設置されたラックコンピュータシステムをサポートするために「ジャストインタイム」であり、設置されたラックコンピュータシステムをサポートするために「ちょうど」十分であるので、JITインフラと呼ばれて良い。到着するラックコンピュータシステムが設置されなければならないラック位置は、注文されたラックコンピュータシステムの設置の前に決定され、割り当てられて良く、JITインフラを含んだ少なくともなんらかのサポートインフラは、ラックコンピュータシステムがデータセンタに設置されなければならない旨の決定の後に、決定されたラック位置、ラック位置を含んだ1列または列の選ばれたもの等のために設置される。
【0068】
ラックコンピュータシステム216が到着する図2Bの示されている実施形態では、1つまたは複数のラック電気電力モジュール232A、エンクロージャ動力母線路アセンブリ235、アイル動力母線路アセンブリ236、及び自動切替えスイッチ(ATS)アセンブリ237は、ゾーン210Aでの設置のために到着するラックコンピュータシステムに電力サポートを提供するためにエンクロージャに設置される。モジュール232Aは、ユーティリティトランスからのパワーフィードを含んだユーティリティソースからパワーフィード233を受け取り、出力パワーフィード234を分配するように構成できる。出力パワーフィードは、モジュール232AのUPSからの出力パワーフィード、モジュール232Aのトランスによって逓減されたパワーフィード等を含むことがあり、モジュール232Aの出力は動力母線路セグメント235Aを含む動力母線路アセンブリに結合され、これによりパワー出力フィード234は母線路セグメント235Aを介してエンクロージャ202の多様なゾーンに分配できる。セグメント235Aを含むアセンブリは、エンクロージャ202を通して複数のゾーン210に近接する位置にアセンブリを拡張して、多様なゾーン210に電力を分配するために、セグメント235Aに追加のセグメントを直列で結合することによって拡張できる。示されている実施形態では、ラックは現在、ゾーン210Aだけの設置のために到着するので、残りのゾーン210は、パワーフィード234を分配できる電気負荷を欠いているため、セグメント235Aを含む母線路アセンブリは拡張される必要がない。
【0069】
アイル母線路アセンブリ236は、示されている実施形態では、到着するラックコンピュータシステム216が設置されるために割り当てられるゾーン210のアイルの一部分を通して伸長する単一母線路セグメント236を含む。他のラック位置は到着ラック位置によって占有されるべきではないため、アセンブリ236は他の位置に伸長する必要はない。結果として、アセンブリ236は、到着するラックが設置されるために割り当てられるラック位置、及びゾーン210に設置された多様な他のインフラモジュールに電力サポートを提供するために必要とされる最小数量の母線路セグメントを含む。1つまたは複数のATSのアセンブリを含むことがあるATSアセンブリ237は利用可能なラック位置213に設置され、タップボックス及び電力ケーブル接続を介して母線路アセンブリ236に、1つまたは複数の電源インレット接続を介して電気的に結合される。分岐回路221は、ATSアセンブリから多様な負荷に動力を分配するためにATSアセンブリ237の1つまたは複数の電源出力及び1つまたは複数の電気負荷に結合される。ネットワークスイッチ226はゾーン210Aに設置されるので、分岐回路221はATSアセンブリ237からネットワークスイッチ226に動力を分配するために設置される。ATSアセンブリ237は、近接するラック位置213の電気負荷に電力を分配するように構成されるので、母線路アセンブリ236は、ATSアセンブリ237と結合するために伸長し、モジュール232A及びアセンブリ235からATSアセンブリ237に電力を分配するために伸長する十分な数のセグメントで設置される。アセンブリ236は、図2Bに示されるようにアセンブリ235に近接するアセンブリ236の端部でのフィードボックスを介してアセンブリ235に結合できる。
【0070】
いくつかの実施形態では、複数の母線路アセンブリは、データセンタホール202の多様な領域でデータセンタホール202を通して伸長するために増分的に設置することができ、複数の母線路アセンブリ236は所与のアイルを通して伸長するために増分的に設置できる。複数の母線路アセンブリ236が所与のアイル214を通して伸長する場合、2つ以上のアセンブリ236はアイル214の向かい合った端部から伸長することがある。例えば、別の母線路アセンブリは、アセンブリ235に対してゾーン210のアイル214の向かい合った端部に沿って伸長することがある。別々の母線路アセンブリがゾーン210の向かい合った端部に沿って伸長するいくつかの実施形態では、各別々の母線路アセンブリは電力モジュール232の別々のセットから動力を運ぶことができる。例えば、ゾーン210の一端に沿って伸長する母線路アセンブリ235は、動力モジュール232の第1のセット(例えば「A」動力)から動力を運ぶことができる。一方、アセンブリ235に対してゾーン210の向かい合った端部に沿って伸長する別の母線路アセンブリは動力モジュール232のもう1つの別々のセット(例えば「B」動力)から動力を運ぶことができる。さらに、一方の母線路アセンブリ236は母線路アセンブリ235に結合し、アセンブリ235が沿って伸長するアイル214の端部からゾーン210のアイル214を少なくとも部分的に通って伸長する。一方、別の母線路アセンブリ236はアイル214の向かい合った端部に沿って伸長する母線路アセンブリに結合することができ、アイル214の少なくとも一部分を通って向かい合った端部から伸長できる。結果として、少なくとも2つの母線路アセンブリ236がアイルの向かい合った端部からアイル214を少なくとも部分的に通って伸長する場合、別々の母線路アセンブリは、例えばアイルの中心部分で等、アイルの共通部分を通って伸長できる。結果として、アイル214の係る共通部分に近接するラック位置に取り付けられた設備は、向き合った端部からアイルを通って伸長する別々の母線路アセンブリを介して動力モジュールの一方又は両方から動力を受け取るように構成できる。いくつかの実施形態では、特定のインフラモジュールが係る共通部分に位置するラック位置に割り当てられ、これにより係るモジュールはアイル214の共通部分を通って伸長する別々の母線路アセンブリ236の1つまたは複数から電力サポートを受け取ることができる。係るインフラモジュールは、ネットワークスイッチ装置、ATSアセンブリ等を含むことがある。
【0071】
ラックコンピュータシステム216が到着する図2Bの示されている実施形態では、エンクロージャ202での設置のために到着するラックコンピュータシステムによる計算動作をサポートするために十分な冷却サポートを提供するために、1つまたは複数の空気処理アレイ240Aは1つまたは複数の利用可能な位置241に設置され、1つまたは複数の空気処理モジュール246はその中の利用可能なポート244に設置される。アレイ240Aは周囲環境、冷却システム等と流量連通することができ、エンクロージャ202に集合的な量の冷却サポートを提供するために増分的な量の冷却サポートを個別に提供する複数の空気処理モジュール246を収容するように構成できる空気取入れ口242Aを含むことがある。設置される空気処理モジュール246の数量は総空気処理モジュール246の総冷却サポート容量に相当することがあり、少なくとも到着するラックコンピュータシステム216、多様な他の設置されたインフラモジュール226、232、234、237等をサポートするために必要とされる総冷却サポートを少なくとも満たすことができる。いくつかの実施形態では、多様なモジュール246は1つまたは複数のエンクロージャ母線路アセンブリ235への1つまたは複数の接続を介することを含んだ、1つまたは複数の電力モジュール232Aに電気的に結合される。
【0072】
1つまたは複数の構造サポートインフラモジュールは、到着するラックコンピュータシステムに構造サポートを提供するために設置される。図示されるように、ケーブルトレイ217Aを含むインフラモジュールはラックコンピュータシステム216及び1つまたは複数のサポートインフラモジュール237、226が設置されるラック位置の特定の列に設置されたケーブルの1つまたは複数のインスタンスに構造サポートを提供するためにゾーン210Aに設置される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の構造サポートインフラモジュールは、サーバゾーン210Aの中から1つまたは複数の列のラック位置に設置された、設置ラックコンピュータシステムから排気を受け入れ、排気を導くように構成された内部排気エンクロージャを含むことがあり、ラック位置213の1つまたは複数のそれぞれの列に近接して設置され、これにより設置されたラックコンピュータシステムは近接する排気構造の中に排気を放出できる。
【0073】
図2Cは、注文されたラックコンピュータシステム216Bがデータセンタ200で受け取られ、ゾーン210Aの1つまたは複数のラック位置213に設置される状態のデータセンタ200を示す。ラックコンピュータシステム216A〜216Bは、ケーブルインフラモジュール、ネットワーク通信インフラモジュール、冷却インフラモジュール、動力インフラモジュール、構造サポートインフラモジュール等を含んだ多様なJITインフラモジュールの増分的な設置と同時に設置できる。
【0074】
図示されるように、ラックコンピュータシステム216A〜216Bは、ゾーン210Aのラック位置213に設置される。いくつかの実施形態では、ラックコンピュータシステムは、設置されたネットワークスイッチ装置226に最も近い近接性を有する利用可能なラック位置213に設置される。
【0075】
示されている実施形態を含んだいくつかの実施形態では、ケーブルインフラの少なくともいくつかのインスタンスは、1つまたは複数の通信ネットワークにラックコンピュータシステムを通信で接続するために、データセンタ200でのラックコンピュータシステム216A〜216Bの設置と同時にデータセンタ200に設置される。ラックコンピュータシステム216A〜216Bは、ラックコンピュータシステム216とネットワークスイッチ装置226との間の直接的なパッチケーブル接続を含むことがある直接的な通信経路227を介してネットワークスイッチ装置226と通信で結合される。ネットワークスイッチ装置226は光ファイバケーブル接続225を介してMDF224と通信で結合されるので、ラック位置213に取り付けられたラックコンピュータシステム216を1つまたは複数の直接パッチケーブル接続227を介してネットワークスイッチ装置226につなぐことは、少なくともMDF224にラックコンピュータシステム216を通信で結合し、それによって通信ネットワークにラックコンピュータシステム216を通信で結合し、ラックコンピュータシステム216とのネットワーク対話を可能にする。
【0076】
いくつかの実施形態では、データセンタ200でのラックコンピュータシステム216の設置と同時に設置されたケーブルインフラに銅ケーブル接続は使われていない。例えば、通信経路227はパッチケーブル接続であることがあり、通信経路225は光ファイバケーブル接続であることがある。
【0077】
図2Cに示されるように、1つまたは複数のラックコンピュータシステムがデータセンタ200での設置のために到着する旨の決定に少なくとも部分的に基づいて、インフラモジュールの多様なセットは、到着するラックコンピュータシステムによる計算動作をサポートするために少なくとも十分な量の多様なそれぞれのタイプのインフラサポートを提供するためにエンクロージャ202に設置される。各タイプのインフラモジュールの数量は、それぞれのタイプのインフラサポートに関して到着するラックコンピュータシステムのサポート要件に少なくとも部分的に基づくことがある。図示されるように、設置されたインフラモジュールの各セットの数量は、到着するラックコンピュータシステムをサポートするために最小に十分な量の多様なタイプのインフラサポートを提供するために最小に十分な量であることがある。
【0078】
図2Dは、追加のラックコンピュータシステム216がデータセンタ200で受け取られ、ゾーン210Aのラック位置213の残りに設置され、追加のラックコンピュータシステム216がエンクロージャの別のゾーン210Bに設置される状態のデータセンタ200を示す。少なくとも部分的にエンクロージャの追加のラックコンピュータシステム216の設置に基づいて、追加のインフラモジュールはラックコンピュータシステムにより大量の多様なタイプのインフラサポートを増分的に提供するために設置される。
【0079】
図示されるように、追加のラックコンピュータシステム216はゾーン210Aに設置される。ラックコンピュータシステムのサポート要件に少なくとも部分的に基づいて、追加のネットワークスイッチ装置226、パッチケーブル227、ATSアセンブリ237、及び分岐回路221はゾーン210Aのラックコンピュータシステム216にそれぞれ配電サポート及びネットワーク通信サポートを提供するために、ゾーン210Aに設置される。さらに、追加の母線路セグメントは、ゾーン210Aの全体を通ってアセンブリ236を伸長するために、及びゾーン210Aに設置された多様なATSアセンブリ237と電気的に結合するために母線路アセンブリ236に結合される。
【0080】
ゾーン210Aの追加のラックコンピュータシステム216の設置は、電力モジュール232Aだけのサポート能力を超えてデータセンタ200の動力サポート要件を高めることがあるため、追加の電力モジュール2332Bを設置し、母線路アセンブリ235に結合することができ、これにより電力サポート能力は母線路アセンブリ235を介してモジュール232A〜232Bの結合されたパワーフィード234A〜234Bによって提供される。さらに図示されるように、ラックコンピュータシステム216、ネットワークスイッチ226、及びATSアセンブリ237を含んで電気負荷はゾーン210Bに設置されるため、追加の母線路セグメント235Bはゾーン210Bにアセンブリ235を拡張するために母線路セグメント235Aに結合され、これにより新しいアイル母線路アセンブリ239は、ゾーン210Aの電気負荷への分配に加えて、モジュール232A〜232Bからゾーン210Bの電気負荷への電力の分配を可能にするために、ゾーン210Bに設置し、母線路セグメント235Bに結合できる。
【0081】
ゾーン210A及び210Bでの追加のラックコンピュータシステム216の設置はデータセンタ200の冷却サポート要件を高めることがあるため、追加の空気処理モジュール246は空気処理アレイ240Aのポート244に設置される。追加のラックコンピュータシステムの設置は、すべてのポートが空気処理モジュール246によって占有されるアレイ240Aのサポート能力を超えて冷却サポート要件を高めることがあるため、エンクロージャ202に追加の冷却サポートを提供するために、追加の空気処理アレイ240Bはデータセンタエンクロージャ202に設置することができ、1つまたは複数の空気処理モジュール246は、追加のアレイ240Bの1つまたは鉄筋ポート244に設置できる。図示されるように、各別々のアレイ240A〜240Bは別々の空気取入れ口242A〜242Bを含むことがある。いくつかの実施形態では、多様なアレイ240A〜240Bは共通の取入れ口から空気を受け取る。
【0082】
ゾーン210A及び210Bでの追加のラックコンピュータシステム216の設置は、データセンタ200のネットワーク通信サポート要件を高めることがあるため、1つまたは複数のルータデバイス、スイッチ装置等を含むことがある追加のネットワークゾーン構成要素228はネットワークゾーン220の1つまたは複数の位置222に設置され、ケーブルインフラの1つまたは複数のインスタンスを介してラックコンピュータシステム216に通信で結合される。さらに、図示されるように、追加のネットワークスイッチ装置、通信ケーブル等は、設置されたラックコンピュータシステムによる計算動作をサポートするために十分なネットワークサポート能力を提供するために設置できる。さらに、図示されるように、ケーブルトレイ217Bを含んだ追加の構造サポートインフラモジュールが、エンクロージャ202の追加の列及びゾーンに設置された追加のラックコンピュータシステムと関連付けられた構造サポートを提供するために設置できる。
【0083】
いくつかの実施形態では、データセンタで該タイプのインフラサポートを提供するように構成された多様なインフラモジュールの増分的な設置に少なくとも部分的に基づいた、データセンタでの多様なタイプのインフラサポートの増分的な設置は、データセンタでのインフラ能力の急速な配備を生じさせることがあり、いくつかの実施形態では、データセンタサイトでの計算能力の急速な配備を生じさせることがある。例えば、1つまたは複数の特定のタイプのインフラサポートモジュールの増分的な設置は経過時間の相対的に短期間の中でデータセンタでのその特定のタイプのインフラの完全なサポート能力の急速な設置を可能にすることができ、これによりデータセンタでの完全な計算能力は経過時間の相対的に短い期間の中で同様に到達できる。係る経過時間の相対的に短い期間は、係るタイプのインフラサポートを欠くデータセンタサイトでの1つまたは複数のタイプのインフラサポートの増分的な設置を開始することから、該1つまたは複数のタイプのインフラサポートのために、データセンタサイトで完全なサポート能力を達成することまでの12週間の期間を含むことがある。
【0084】
本明細書に使用されるように、1つまたは複数のタイプのインフラサポートに関する「完全なサポート能力」は、データセンタホールのラック位置全体が、ラックコンピュータシステム、ネットワークスイッチ装置、ATS装置等の1つまたは複数を含んだ設備の1つまたは複数のインスタンスによって占有されるときに、データセンタサイトに設置されるラックコンピュータシステムの全体による計算動作をサポートするために十分である、1つまたは複数のタイプのインフラのサポート能力を指すことがある。例えば、エンクロージャ202のあらゆるラック位置213がラックコンピュータシステム216を含んだ設備の1つまたは複数のインスタンスによって占有される場合、それぞれの特定のタイプのインフラサポートのサポート能力は、エンクロージャ内でのその特定のタイプのインフラサポートの完全なサポート能力と呼ばれることがある。
【0085】
図3は、いくつかの実施形態に係るインフラ能力分配システムを示す概略図である。
【0086】
いくつかの実施形態では、本明細書では単に「分配システム」とも呼ばれるインフラ能力分配システム300は、1つまたは複数のデータセンタでインフラ能力を管理する1つまたは複数の要素を実装するように構成された1つまたは複数のセットのモジュールを含む。分配システムの多様なモジュールは、いくつかの実施形態では1つまたは複数のコンピュータシステムによって実装される。係るインフラ能力分配システムは、いくつかの実施形態では、能力分配システム190、能力配備システム180等の1つまたは複数に含まれる。
【0087】
分配システム300は、1つまたは複数のインフラ監視モジュール310を含む。各別々のインフラ監視モジュール310は、1つまたは複数のデータセンタのインフラモジュールの1つまたは複数の特定の対応するセットにより提供される特定のタイプのインフラサポートを監視するように構成される。係るインフラモジュール、データセンタ等は、いくつかの実施形態では、図1図2の1つまたは複数に示されるモジュール、データセンタ等の1つまたは複数を含む。例えば、1つのインフラ監視モジュール310は、1つまたは複数の電力モジュール232及び電源供給ラインインフラモジュール235によって1つまたは複数のデータセンタ200の1つまたは複数の電気負荷に提供される動力サポートを監視するように構成される。図示されるように、各インフラ監視モジュール310はインフラモジュール追跡モジュール312及びインフラ能力追跡モジュールを含むことがある。
【0088】
インフラモジュール追跡モジュール312は、それぞれのモジュール310に対応する特定のタイプのインフラサポートを提供するインフラモジュールの1つまたは複数のセットを監視できる。インフラモジュールの1つまたは複数のセットを監視することは、1つまたは複数のセットの追加のインフラモジュールを設置できるデータセンタでの利用可能な位置を識別することを含んだ、アイデンティティ及びインフラモジュールの多様なセットによって占有されるデータセンタ内の位置を監視することを含むことがある。例えば、追跡モジュール312は特定のタイプのインフラサポートを提供するように構成されたインフラモジュールのデータベースを維持することができ、データベースはデータセンタ内の多様なインフラモジュールのアイデンティティ及び設置された場所を示す。
【0089】
インフラ能力追跡モジュール312は、特定のタイプのインフラサポートを提供するように構成されたインフラモジュールの多様なセットによって提供できるインフラサポートの量を監視できる。係るサポートの量は、特定のタイプのインフラサポートに対するインフラモジュールのセットのサポート「能力」と呼ぶことができる。いくつかの実施形態では、追跡モジュール314は、いかなるときでも、設置されている、設置のために到着する、その1つの何かの組合せ等である電気負荷のサポート要件または使用量を超えるデータセンタでの特定のタイプのインフラサポートの過剰サポート能力を決定するために、データセンタに設置された電気負荷による提供されたタイプのインフラサポートの使用量を追跡する。いくつかの実施形態では、追跡モジュール314は、特定のタイプのインフラサポートのために、ラックコンピュータシステム、他のインフラモジュール等を含んだ設置された電気負荷のサポート要件を追跡する。係るサポート要件は1回または複数回特定のタイプのインフラサポートの実際の使用量とは異なることがある。
【0090】
図示されるように、分配システム300は、それぞれが1つまたは複数のモジュール312、314を含んだ複数のインフラ監視モジュール310を含むことがあり、各別々の監視モジュール310は別々の特定のタイプのインフラサポートを監視するように構成される。例えば、1つのモジュール310は、インフラモジュール、及び電力サポートに対応するサポート能力を監視するように構成することができ、別のモジュール310は冷却サポート等に対応するインフラモジュール及びサポート能力を監視するように構成できる。
【0091】
いくつかの実施形態では、分配システム300は、1つまたは複数の電気負荷がデータセンタでの設置のために到着するかどうかを決定するように構成された積荷追跡モジュール320を含む。係る決定は、計算能力配備システムを含むことがある外部ソースからシステム300で受け取られる通知に少なくとも部分的に基づくことがある。係る通知は、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の特定のラックコンピュータシステムがデータセンタでの設置のために到着する旨の表示を含むことがある。上述されたように、「到着する」ラックコンピュータシステムは、配達のために注文された、1つまたは複数の輸送方式を介して現在配達中である、データセンタで受け取られる等のラックコンピュータシステムを含むことがある。積荷追跡モジュール320は、動力要件、冷却要件、ネットワーク通信サポート要件等を含んだ別々の到着するラックコンピュータシステムのそれぞれの1つまたは複数のサポート要件を決定できる。係る決定は、各別々の到着するラックコンピュータシステムと関連付けられた仕様情報に少なくとも部分的に基づくことがあり、仕様情報は表示に含まれることがある。いくつかの実施形態では、複数の多様なタイプのラックコンピュータシステムと関連付けられた仕様情報はデータベースに記憶され、モジュールは、1つまたは複数の多様な特定のタイプの1つまたは複数のラックコンピュータシステムが、多様な特定のタイプのインフラサポートのそれぞれについて到着するラックコンピュータシステムのサポート要件を決定するためにデータベースにアクセスすることによってデータセンタでの設置のために到着する旨の通知に応える。それぞれの特定のタイプのインフラサポートのためのそれぞれの個別の到着するラックコンピュータシステムのサポート要件に少なくとも部分的に基づいて、モジュール320は総到着するラックコンピュータシステムのための特定のタイプのインフラサポートのそれぞれの総サポート要件を決定できる。
【0092】
分配システム300は、設置のために1つまたは複数の到着するラックコンピュータシステムを割り当てるためのデータセンタ内の1つまたは複数の特定の位置を決定するように構成される負荷割当てモジュール330を含むことがある。モジュール330は、利用可能なラック位置でラックコンピュータシステムをサポートするために必要とされるだろう追加のインフラモジュールの数量に少なくとも部分的に基づいて特定の利用可能なラック位置を選択して良い。モジュール330は、特定の利用可能なラック位置に到着するラックコンピュータシステムを割り当てることが、最小数量の追加の設置されたインフラモジュールを生じさせる旨の決定に少なくとも部分的に基づいて、特定の利用可能なラック位置に、到着するラックコンピュータシステムを割り当てることができる。
【0093】
分配システム300は、特定のタイプのインフラサポートに対応するサポート能力スレッショルドが少なくとも満たされるのか、それとも消されるのかを決定する能力トリガモジュール340を含むことがある。満たされているまたは消されている特定のタイプのインフラサポートと関連付けられた特定のスレッショルドに少なくとも部分的に基づいて、モジュール340は、それぞれのタイプのインフラサポートを提供するように構成された1つまたは複数のインフラモジュールが、少なくとも一定量、そのタイプのインフラサポートのサポート能力を増すために選択され、データセンタに設置されるべきであると決定できる。図示されるように、能力トリガモジュール340は、それぞれが別々のタイプのインフラサポートに対応する複数のサポート能力スレッショルド342を含む。各スレッショルドは、サポート能力を増すために追加のインフラモジュールを設置することなく、データセンタで許されている特定のタイプのインフラサポートの利用可能なサポート能力の最低量を示す。いくつかの実施形態では、サポート能力スレッショルドは、設置された電気負荷、到着する電気負荷、そのなんらかの組合せ等の使用量またはサポート要件の1つまたは複数を超えて、データセンタで許可されるあるタイプのインフラサポートの許可されている最小過剰サポート能力を示す。特定のタイプのインフラサポートごとに、モジュール340は、現在のサポート能力がスレッショルドを少なくとも満たすのか、それとも消すのかを決定するために該タイプのインフラサポートと関連付けられた対応するサポート能力と、そのタイプのインフラサポートの現在のサポート能力を比較することがある。現在のサポート能力は、特定のタイプのインフラサポートを提供するように構成された現在設置されているインフラモジュールの総サポート能力と、現在設置されている電気負荷、到着する電気負荷、そのなんらかの組合せ等のサポート要件との相違を含むことがある。いくつかの実施形態では、現在のサポート能力は、現在設置されている電気負荷、到着する積荷、そのなんらかの組合せ等のサポート要件、サポート使用量等を超えた設置されているインフラモジュールの過剰サポート能力である。
【0094】
分配システム300は、データセンタでの1つまたは複数の特定のタイプのインフラサポートのサポート能力を変更するために、1つまたは複数の特定のインフラモジュールを選択し、選択したインフラモジュールの設置を命令するように構成された能力分配モジュール350を含む。モジュール350は、特定のタイプのインフラサポートと関連付けられた1つまたは複数の対応するサポート能力スレッショルドが少なくとも満たされる、または消される旨の決定に少なくとも部分的に基づいて1つまたは複数の特定のタイプのインフラサポートを提供するように構成されたインフラモジュールを選択できる。
【0095】
能力分配モジュール350は、インフラモード選択モジュール352を含む。モジュール352は、特定のタイプのインフラサポートを提供するように構成されたインフラモジュールの特定のセットの特定の数量を選択するように構成される。選択された特定の数量は、個々のインフラモジュール及び集合的な選択されたインフラモジュールが提供するように構成される特定のタイプのインフラサポートの特定量のサポート、現在設置されているインフラモジュールサポート能力と現在設置されている電気負荷のサポート要件との間の相違、到着する電気負荷、そのなんらかの組合せ等に少なくとも部分的に基づくことがある。例えば、現在設置されているラックコンピュータシステム及び1つまたは複数の到着するラックコンピュータシステムの両方の冷却サポート要件を超えた、設置されている空気処理モジュールによって提供される過剰サポートが一定のスレッショルド値未満である旨の決定に少なくとも部分的に基づいて、例えばデータセンタでの現在設置されている空気処理モジュールの冷却サポート能力が冷却サポートスレッショルドを満たすと決定される場合、モジュール352は、現在設置されている空気処理モジュールサポート能力と組み合わせて一定のスレッショルド値を超えてデータセンタの冷却サポート能力を増す冷却サポートの量を集合的に提供する一定数量の空気処理モジュールの選択で対応できる。特定のタイプのインフラに選択されたインフラモジュールの数量は、一定のスレッショルド値を超えてサポート能力を高めるために必要とされる最小数量であることがある。
【0096】
能力分配モジュール350は、モジュール352によって選択されたインフラモジュールを設置するためのデータセンタの位置を選択するモジュール配置モジュール354を含む。モジュール354は、選択されたインフラモジュールが所与の位置から電気負荷をサポートできるようにするために必要とされるインフラの多様なインスタンスに少なくとも部分的に基づいて1つまたは複数の選択されたインフラモジュールを設置するための位置を選択して良い。例えば、データセンタの電気負荷に電力を分配するように構成された電力モジュールは、電力を分配するために電源供給ラインインフラへのアクセスを必要とする場合がある。結果として、追加の電力モジュールを配置するためのデータセンタでの位置は、所与の位置から、データセンタの電気負荷に電力モジュールを電気的に結合するために必要とされる追加量の電源供給ラインインフラモジュールに少なくとも部分的に基づくことがある。
【0097】
いくつかの実施形態では、モジュール354は、選択されたインフラモジュールが設置されるべきである多様な選択された位置での多様な選択されたインフラモジュールの設置を命令するために1つまたは複数の出力信号を生成する。例えば、モジュール354は、設置のためにデータセンタに選択された数量の選択されたインフラモジュールを配達するために、ベンダ、在庫管理システム等を含んだ1つまたは複数のインフラモジュールサプライヤへのメッセージを生成できる。係るメッセージは、サイトに保管されている1つまたは複数のインフラモジュールを配達するための、サードパーティ在庫保管サイトを含んだ在庫サイトへのメッセージを含むことがある。1つまたは複数の保管されているインフラモジュールを配達するための、リモート在庫サイト、ローカル在庫サイト等の1つまたは複数を含んだ在庫サイトへのメッセージは、該インフラモジュールの保管されている在庫を補充するための、該在庫サイトへのコマンドを含むことがあり、これにより在庫サイトはモジュール354からの将来のメッセージに応えて追加のインフラモジュールを提供する準備が完了したままである。いくつかの実施形態では、モジュール354は、選択されたインフラモジュール、選択されたモジュールを設置するための選択された位置を識別し、オペレータにデータセンタの識別された場所に識別されたモジュールを設置するように命令するメッセージをデータセンタと関連付けられたオペレータに対して生成できる。
【0098】
図4は、いくつかの実施形態に従ってデータセンタで多様なタイプのインフラサポートを増分的に調整するためにインフラモジュールの多様なセットを増分的に調整することを示す。係る増分的な調整400は、図1図3等に示される制御システムのいくつかまたはすべて、図5に示される1つまたは複数のコンピュータシステムのいくつかまたはすべて、そのなんらかの組合せ等を含んだ1つまたは複数の多様な開示されたシステムによって実装できる。
【0099】
いくつかの実施形態では、示されている増分的な調整400の複数のインスタンスは同時に且つ互いとは無関係に実装される。増分的な調整の各インスタンスは特定のタイプのインフラサポート、インフラモジュールの特定のセット等に対応することがある。例えば、データセンタで電力サポートを増分的に調整するための電力モジュールのセットの増分的な調整400の1つのインスタンスは同時に、並びにデータセンタでネットワーク通信サポートを増分的に調整するために、データセンタで冷却サポートを増分的に調整するための空気処理モジュールのセットの増分的な調整400の別のインスタンス、及びデータセンタでのネットワーク通信サポートを増分的に調整するためのネットワーク通信モジュールのセットの増分的な調整400の別のインスタンスと無関係に実装できる。増分的な調整400の多様なインスタンスが、図4に示されるブロックの多様な組合せ及び部分を含むことがあることが理解される。例えば、いくつかの実施形態では、増分的な調整400の1つまたは複数のインスタンスは、ブロック402、408〜417を含み、少なくともブロック404〜406を含まず、これによりインスタンスは、1つまたは複数の特定のタイプのインフラサポートに対してサポート能力、サポート要件等を監視すること、及び所与のタイプのインフラサポートに対する現在のサポート要件との現在のサポート能力の比較に少なくとも部分的に基づいて、追加の能力が必要とされるかどうかを決定し、追加のサポートモジュールを注文することを含む。増分的な調整400の各インスタンスは、所与のタイプのインフラサポートのための追加のサポート能力が必要とされると決定することと関連付けられる別々のタイプのインフラサポート、インフラモジュールのタイプ等と関連付けられた能力「トリガ」の別々のセットを含むことがある。さらに、増分的な調整の別々のインスタンスは異なるときに、及び異なるイベントトリガに応えて動作できる。例えば、いくつかのインスタンス400は連続的に実装でき、ある種のインフラサポートの現在のサポート能力は、それらのある種のインフラサポートに対する現在設置されている電気負荷及び到着する電気負荷の現在のサポート要件と連続して比較することができ、いくつかのインスタンス400は、電気負荷の1つまたは複数のインスタンスが到着する旨の決定等に応えて1つまたは複数のタイプのインフラサポートに対する設置されている電気負荷及び到着する電気負荷のサポート要件に1つまたは複数のタイプのインフラサポートのサポート能力を比較するために実装できる。
【0100】
402で、データセンタでのインフラサポート能力の1つまたは複数のインスタンスが監視される。サポートインフラ能力の各インスタンスは、データセンタに設置された、特定のタイプのインフラサポートを提供するように構成されるインフラモジュールの1つまたは複数のセットの能力を含むことがある。例えば、データセンタの多様な設置されている構成要素に対して、設置されている電力モジュールによって分配できる電力の量を指すことがある、データセンタの電力モジュールのセットと関連付けられた電力サポート能力を監視できる。係る監視は、制御システムでのインフラモジュール情報の受取りを可能にするために、制御システムとインフラモジュールの1つまたは複数との間の対話通信を含むことがあり、情報は多様なインフラモジュール、モジュールのセットの各別々のモジュールと関連付けられた個々のサポート容量、それぞれの個別のインフラモジュールが設置されるデータセンタの場所等を識別する。いくつかの実施形態では、係る情報のいくらかまたはすべては手動オペレータ入力によって制御システムで受け取ることができる。
【0101】
いくつかの実施形態では、インフラサポート能力の複数の別々のインスタンスは同時に且つ単独で監視することができ、別々のタイプのインフラサポートを提供するためにインフラモジュールの別々のセットの能力と関連付けられた各インスタンス。例えば、データセンタの電力モジュールのセットと関連付けられた電力サポート能力、データセンタの空気処理モジュールのセットと関連付けられた冷却サポート能力、及びデータセンタのネットワークサポートモジュールのセットと関連付けられたネットワーキング能力は、1つまたは複数の制御システムによってそれぞれ同時に且つ単独で監視できる。
【0102】
いくつかの実施形態では、監視されているサポート能力の各インスタンスは、特定のタイプのインフラサポートと関連付けられた現在のサポート要件、データセンタに設置される多様な構成要素のその現在の消費等に関して監視される。いくつかの実施形態では、サポート能力の監視されるインスタンスは、その特定のタイプのインフラサポートに対する、設置されている電気負荷の現在のサポート要件を超える過剰サポート能力を含む。例えば、制御システムによって監視されている電力サポート能力は、データセンタの設置されているラックコンピュータシステム、インフラモジュール等の現在の電力要件を超える現在設置されている電力モジュールによって提供できる過剰電力サポートを含むことがある。
【0103】
サポート能力のインスタンスを監視することは、インフラモジュールの設置されているセットのサポート能力、設置されている電気負荷及び到着する電気負荷の現在のサポート要件の両方を監視すること、並びに該2つの相違が所定のスレッショルド量未満であるかどうかを決定することを含むことがある。例えば、電力サポート能力を監視することは、現在のサポート能力が、現在設置されている電気負荷及び現在データセンタでの設置のために到着する電気負荷のサポート要件の両方の総サポート要件を超えるかどうかを決定することを含む。
【0104】
404で、1つまたは複数のラックコンピュータシステムが現在設置のために到着するかどうかに関する決定が下される。係る決定は、1つまたは複数のラックコンピュータシステムが現在設置のために到着する旨の通知を受け取ることに少なくとも部分的に基づいて下されることがある。係る通知は、製造メーカ、タイプ等を含んだ到着するラックコンピュータシステムと関連付けられた多様な情報を含むことがある。情報は、個々の到着するラックコンピュータシステムの、到着するラックコンピュータシステムのセット等の多様な仕様を含むことがある。係る仕様は、1つまたは複数のタイプのインフラサポートのそれぞれに対する、1つまたは複数の特定の到着するラックコンピュータシステムに対するサポート要件を含むことがある。例えば、3つのラックコンピュータシステムが設置のために到着する旨の通知は、複数の別々のタイプのインフラサポートのそれぞれに対する3つの到着するラックコンピュータシステムの総サポート要件だけではなく、3つのラックコンピュータシステムのそれぞれに対するサポート要件も含むことがある。「現在到着する」ラックコンピュータシステムは、データセンタへの配達のために注文されたラックコンピュータシステム、1つまたは複数の多様な輸送方式を介して現在到着するラックコンピュータシステム等を含むことがある。1つまたは複数の多様な輸送方式を介した配達は、1台または複数の配達用のトラック、航空機、船舶等を介した配達を含むことがある。
【0105】
いくつかの実施形態では、通知は、1つまたは複数の到着するラックコンピュータシステムが、データセンタの1つまたは複数の位置の1つまたは複数の現在設置されているラックコンピュータシステムを置き換えるために到着することを示す。係る通知は到着するラックコンピュータシステムによって置き換えられるべきである1つまたは複数の現在設置されているラックコンピュータシステムの識別を含むことがある。
【0106】
406で、データセンタの1つまたは複数の特定の利用可能なラック位置は、1つまたは複数の到着するラックコンピュータシステムに割り当てられる。利用可能なラック位置は、所与のラック位置のラックコンピュータシステムをサポートするために必要とされるサポートインフラの量に少なくとも部分的に基づいて選択されて良い。例えば、データセンタの複数の利用可能なラック位置の1つまたは複数でラックコンピュータシステムにサポートを提供するためにデータセンタに設置される必要がある、ケーブルインフラ、動力インフラモジュール等を含んだ追加のサポートインフラの量は決定されて良く、ラック位置は、ラック位置で特定のラックコンピュータシステムによる計算動作をサポートするために設置される必要があるインフラモジュールの1つまたは複数の特定のセットの追加の数量が、データセンタの残りのラック位置のいくつかまたはすべてでの特定のラックコンピュータシステムによる計算動作をサポートするために設置される必要のあるインフラモジュールの1つまたは複数の特定のセットの追加の数量未満である旨の決定に少なくとも部分的に基づいて割り当てられて良い。隣接するラック位置のラックコンピュータシステムをサポートするためにデータセンタに設置される必要がある追加の動力母線路の数量は、占有されているラック位置から列の末端のラック位置に設置されたラックコンピュータシステムをサポートするために設置される必要がある動力母線路の数量未満であって良いので、例えば、データセンタは1列のラック位置を含み、ラック位置のいくつかは、設置されているラックコンピュータシステム、ネットワークスイッチ装置等によってすでに占有されており、動力母線路が、設置されているラックコンピュータシステムを含む列の部分に沿って伸長するためにすでに設置され、到着するラックコンピュータシステムが占有されているラック位置に隣接する利用可能なラック位置に割り当てられて良い。いくつかの実施形態では、到着するラックコンピュータシステムをサポートするために必要とされるインフラモジュールの1つまたは複数の特定のセットの追加のインフラモジュールの数量は、係るラックコンピュータシステムが設置されるラック位置に関係なく同じである。例えば、空気処理モジュールは全体としてデータセンタに冷却サポートを提供するので、データセンタの所与の利用可能なラック位置でラックコンピュータシステムをサポートするために必要とされる追加の空気処理モジュールの数量は同じであって良い。
【0107】
407で、データセンタで多様なタイプのインフラサポートを提供するための多様なタイプのインフラモジュールの設置は、データセンタの現在設置されている電気負荷、現在到着する電気負荷、そのなんらかの組合せ等の現在のサポート要件、サポート活用等との、所与のタイプのインフラサポートと関連付けられた現在のサポート能力の比較に少なくとも部分的に基づいて管理される。係る管理は、個々のタイプのインフラサポートごとに、その特定のタイプのインフラサポートのための係る比較に少なくとも部分的に基づいて、追加のサポート能力の増分的な量の増分的な設置を単独で管理することを含むことがある。係る管理は、選択された増分的な量の特定のタイプのインフラサポートを提供するために、特定の数量のインフラモジュールの特定のセットの選択及び設置をトリガする上述されたサポート能力監視に少なくとも部分的に基づいて能力「トリガ」の使用を含むことがある。
【0108】
図4の、インフラサポート管理407の以下の説明は、それぞれが異なるタイプのインフラサポートを提供するように構成されるインフラモジュールの多様な別々のセットの同時且つ単独の管理による多様なタイプのインフラサポートの同時且つ単独の管理を説明する。係る管理は、異なるときに、同時に、別々のタイプのインフラサポートに関する1つまたは複数の多様な決定に応えて、多様なタイプのインフラサポートと関連付けられた1つまたは複数の多様な「トリガ」に応えて、到着する電気負荷に関する1つまたは複数の決定に応えて、そのなんらかの組合せ等で、異なるタイプのインフラサポートのために実装できる。
【0109】
408で、到着するラックコンピュータシステムの計算能力サポート要件が決定される。係る決定は、ラックコンピュータシステムが現在到着する旨の通知に含まれる情報に少なくとも部分的に基づくことがある。通知が各到着するラックコンピュータシステムの特定の製造メーカ及び型を指定する場合、決定は、到着するラックコンピュータシステムの識別された製造メーカ及び型と関連付けられたサポート要件のローカルデータベースのエントリから、到着するラックコンピュータシステムのそれぞれについて、1つまたは複数の多様なタイプのインフラサポートに対するサポート要件を識別することを含むことがある。いくつかの実施形態では、通知は、到着するラックコンピュータシステムの1つまたは複数について、1つまたは特定のタイプのインフラサポートに対するサポート要件を指定する。
【0110】
いくつかの実施形態では、到着するラックコンピュータシステムの計算能力サポート要件の決定は、現在設置されているラックコンピュータシステム及び到着するラックコンピュータシステムの両方の複数のタイプのインフラサポートのそれぞれに対する総計算能力サポート要件を決定することを含む。いくつかの実施形態では、決定は、到着するラックコンピュータシステムの複数のタイプのインフラサポートのそれぞれに対する追加の能力サポート要件を決定することを含む。
【0111】
1つまたは複数の到着するラックコンピュータシステムが、1つまたは複数の現在設置されているラックコンピュータシステムを置き換えると示されるいくつかの実施形態では、1つまたは複数の特定のタイプのインフラサポートに対する到着するラックコンピュータシステムの計算能力サポート要件の決定は、所与のタイプのインフラサポートについて、到着するラックコンピュータシステムのサポート要件と、置き換えられる現在設置されているラックコンピュータシステムのサポート要件の相違を決定することを含む。係る相違は、到着するラックコンピュータシステムで現在設置されているラックコンピュータシステムを置き換えることは、所与のタイプのインフラサポートに対する現在の過剰サポート能力の増加につながることを示す負の値であることがある。
【0112】
410で、複数の多様なタイプのインフラサポートのそれぞれについて、決定されたサポート能力要件は、その特定のタイプのインフラサポートを提供するためにインフラモジュールの1つまたは複数のセットの現在設置されているサポート能力と比較される。係る比較は、1つまたは複数のタイプのインフラサポートについて、到着するラックコンピュータシステムのその特定のタイプのインフラサポートに対する総サポート要件と、設置されているインフラモジュールの1つまたは複数のセットの特定のタイプのインフラサポートに対する現在の過剰サポート能力を比較することを含むことがある。いくつかの実施形態では、特定のタイプのインフラサポートを提供するためのインフラモジュールの設置されているセットの総サポート能力は、設置されているラックコンピュータシステム及び到着するラックコンピュータシステムの両方の総サポート要件と比較される。
【0113】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のインフラサポートについて、現在のサポート能力とのサポート要件の比較は、スレッショルド値と該2つの相違を比較することを含む。いくつかの実施形態では、スレッショルド値は、現在設置されているサポート能力と、現在設置されている電気負荷及び現在到着する電気負荷の総サポート要件との間の等価である。例えば、所与のタイプのインフラサポートのスレッショルド値は、現在到着するラックコンピュータシステムの、その特定のタイプのインフラサポートに対するサポート要件が、その特定のタイプのインフラサポートを提供するように構成された現在設置されているインフラモジュールの過剰サポート能力を超える場合に超えられると決定できる。いくつかの実施形態では、スレッショルド値は、係る等価を超えた一定のマージン値、割合等である。例えば、所与のタイプのインフラサポートのためのスレッショルド値は、特定のタイプのインフラを提供するように構成された現在設置されているインフラモジュールの総サポート能力が、その特定のタイプのインフラサポートについて、現在設置されているラックコンピュータシステム及び現在到着するラックコンピュータシステムの両方のサポート総サポート要件のわずか110%である場合、超えられると決定されることがある。
【0114】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の到着するラックコンピュータシステムが1つまたは複数の現在設置されているラックコンピュータシステムを置き換えることが示される場合、比較は、現在の過剰サポート能力に、到着するラックコンピュータシステム及び現在設置されているラックコンピュータシステムのサポート要件の相違を比較することを含むことがある。
【0115】
いくつかの実施形態では、本明細書では電力サポート要件と呼ばれる、1つまたは複数の電気負荷に対する電力サポートと関連付けられた計算能力サポート要件は、1つまたは複数の電気負荷による動作をサポートするために必要とされる電力、皮相電力、電流、電圧の1つまたは複数の量を含むことがある。例えば、ラックコンピュータシステムに対する電力サポート要件は、20キロボルト‐アンペアの皮相電力要件、15キロボルト‐アンペアの皮相電力要件、10キロボルト‐アンペアの皮相電力要件、800アンペア電流要件等の1つまたは複数を含むことがある。複数の到着するラックコンピュータシステムのセットの別々の個々のラックコンピュータシステムを含んだ別々の個々の電気負荷は、異なる個々の電力サポート要件を有することがある。例えば、3つの到着するラックコンピュータシステムのセットは、20kVA要件のラックコンピュータシステム、15kVA要件のラックコンピュータシステム、及び10kVA要件のラックコンピュータシステムを含むことがある。係る例では、到着するラックコンピュータシステムの総電力サポート要件は45kVA要件を含むことがある。
【0116】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の電気負荷に対する、本明細書で電力サポート要件と呼ばれる電力サポートと関連付けられた計算能力サポート要件は、所与の電気負荷が設置されるべきである所与の位置に1つまたは複数の電力モジュールから電力を分配するために必要とされる電源供給ラインインフラモジュールの数量、及び電源供給ラインインフラモジュールを介して分配される必要がある電力の1つまたは複数のパラメータを含むことがある。例えば、到着するラックコンピュータシステムがデータセンタの特定の利用可能なラック位置に割り当てられる場合、所与のラックコンピュータシステムに対する電力サポート要件は、特定の利用可能なラック位置に電力を分配するために必要とされる電源供給ラインインフラモジュールの数量、及び利用可能なラック位置でラックコンピュータシステムに分配される必要がある電力の電流を含むことがある。データセンタのアイルの端部から距離で約20フィートに位置する所与のラック位置でのラックコンピュータシステムに対する電力サポート要件は、800Aの電力を運ぶように構成された電源供給ラインインフラモジュールの少なくとも20フィートを含むことがある。各電源供給ラインインフラモジュールが5フィート長の動力母線路セグメントを含む場合、サポート要件は、直列で結合され、アイルの端部から伸長する少なくとも4つの動力母線路セグメントのアセンブリを含むことがある。データセンタの端部からの距離で約20フィートに位置する所与のアイルのラック位置でのラックコンピュータシステムに対する電力サポート要件は、1つまたは複数の電力モジュールから所与のアイルの少なくとも1つの端部に電力を運ぶように構成された少なくとも20フィートの電源供給ラインインフラモジュールを含むことがある。
【0117】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の電気負荷に対する、本明細書で冷却サポート要件と呼ばれる、冷却サポートと関連付けられた計算能力サポート要件は、データセンタの1つまたは複数の電気負荷による動作をサポートするために必要とされる冷却空気流量の1つまたは複数の量を含むことがある。例えば、ラックコンピュータシステムに対する冷却サポート要件は、1つまたは複数の温度での空気の立方フィート/分(CFM)単位の一定の流量を含むことがある。複数の到着するラックコンピュータシステムの別々の個々のラックコンピュータシステムを含んだ別々の個々の電気負荷は、冷却空気の別々の個々の流量を含むことがある異なる個々の冷却サポート要件を有することがある。一方、到着するラックコンピュータシステムのセットの総冷却サポート要件は個々のラックコンピュータシステムと関連付けられた個々の流量の総計であることがある。
【0118】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の電気負荷に対する、本明細書で構造サポート要件と呼ばれる、構造サポートと関連付けられた計算能力サポート要件は、1つまたは複数の電気負荷による動作をサポートするために必要とされる構造サポートインフラモジュールの数量を含むことがある。例えば、ラックコンピュータシステムに対する構造サポート要件は、排気プレナム、冷却空気プレナム、少なくとも単一のラックコンピュータシステムに経路を定められたケーブルインフラをサポートするように構成されたケーブルトレイモジュール等の増分的な部分を包含するように構成される単一構造インフラモジュールを含むことがある。
【0119】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の電気負荷に対する、本明細書でネットワーク通信サポート要件と呼ばれるネットワーク通信サポートと関連付けられた計算能力サポート要件は、1つまたは複数の通信ネットワークと、設置されている電力を通信で結合し、1つまたは複数の電気負荷に対するリモートアクセスを可能にするために必要とされるポートの数量、帯域幅等を含むことがある。さらに、ネットワーク通信サポート要件は、電気負荷に対するリモートアクセスを可能にするために1つまたは複数のネットワーク通信インフラモジュールと電気負荷を通信で結合するネットワークケーブルインフラ(本明細書では、ネットワークケーブルインフラモジュール)のインスタンスの数量を含むことがある。例えば、到着するラックコンピュータシステムは、2つのネットワーク通信ポートのネットワーク通信サポート要件を有することがある。ネットワーク通信モジュールは、一定数のポートとともにネットワークスイッチ装置、ルータ等を含むことがあり、サポート要件及びサポート能力の比較は、設置されているネットワークスイッチ装置、ルータ等上で利用可能なポートの数と、到着するラックコンピュータシステムと関連付けられたポートの数を比較することを含むことがある。
【0120】
412で、多様なタイプのインフラサポートのそれぞれについて関係なく、その特定のタイプのインフラサポートに対して追加のサポート能力が必要とされるかどうか、決定が下される。係る決定は、決定、つまりそのタイプのインフラサポートのための現在設置されているサポート能力の、現在設置されている電気負荷、到着する電気負荷等の1つまたは複数のサポート要件との比較に関連付けられた1つまたは複数のスレッショルドに少なくとも部分的に基づくことがある。
【0121】
例えば、特定のタイプのインフラサポートに対して追加のサポート能力が必要とされる旨の決定は、その特定のタイプのインフラサポートを提供するように構成されたインフラモジュールの現在設置されているセットの過剰サポート能力(つまり、現在設置されている電気負荷をサポートするために必要とされるサポート能力を超えるサポート能力)が、1つまたは複数の現在到着するラックコンピュータシステムの追加のサポート要件未満である旨の決定を含むことがある。別の例では、特定のタイプのインフラサポートに対して追加のサポート能力が必要とされる旨の決定は、その特定のタイプのインフラサポートを提供するように構成されたインフラモジュールの現在設置されているセットの総サポート能力が、現在設置されているラックコンピュータシステム及び到着するラックコンピュータシステムの両方の総サポート要件を超える一定の割合(例えば、10%)未満である旨の決定を含むことがある。係る決定は、その特定のタイプのインフラサポートのサポート能力「不足」の決定と呼ばれることがある。
【0122】
いくつかの実施形態では、412に示される決定は、多様なタイプのインフラサポートに対して同時に、異なるときに等、実行できる。決定は多様なタイプのインフラサポートのそれぞれについて単独で実行できる。例えば、追加の電力サポート能力及び追加の冷却サポート能力がデータセンタで必要とされるかどうかのそれぞれの決定は、同時に、異なるときに、及び異なるトリガに応えて等、実行できる。
【0123】
414で、1つまたは複数の特定のタイプのインフラサポートに対して追加のサポート能力が必要とされる旨の決定に少なくとも部分的に基づいて、必要とされる追加の能力を提供するための1つまたは複数の特定のインフラモジュールの特定の数量が決定される。インフラモジュールの係る決定は、本明細書で特定のタイプのインフラサポートを提供するように構成されたインフラモジュールの1つまたは複数の特定のセットの特定の数量の「選択」として交互に呼ばれることがある。係る決定は、多様なタイプのインフラサポートのそれぞれについて単独で実行でき、これにより各セットが異なるタイプのインフラサポートを提供するように構成されたインフラモジュールの多様なセットの特定の数量は、互いと無関係に選択できる。
【0124】
各別々のタイプのインフラサポートについて、追加のインフラモジュールの決定は、必要とされるその特定のタイプのインフラサポートのサポート能力の追加量の決定を含むことがある。追加量は、いくつかの実施形態では、その特定のタイプのインフラサポートの決定されたサポート能力「不足」の数量と関連付けられることがある。いくつかの実施形態では、必要とされるサポート能力の追加量は、決定された不足の数量以上である。いくつかの実施形態では、追加量は決定された不足の一定の割合(例えば、決定された不足の110%、設置時に、設置されているサポート能力が設置されているサポート要件及び到着するサポート要件の110%以上となるようにする追加量)を含む。
【0125】
いくつかの実施形態では、追加のインフラモジュールの決定は、特定のタイプのインフラサポートの必要とされる追加のサポート能力を提供するインフラモジュールの1つまたは複数のセットを識別すること、及びさらに、セットの各インフラモジュールによって提供される増分的なサポート能力を識別することを含むことがある。各インフラモジュールの増分的なサポート能力及び必要とされる追加のサポート能力の比較に少なくとも部分的に基づいて、必要とされる追加のサポート能力を少なくとも満たすサポート能力の総数量を提供する識別されたインフラモジュールの数量を決定できる。
【0126】
いくつかの実施形態では、必要とされる追加のサポート能力を少なくとも満たす総増分サポート能力を提供する係るインフラモジュールの最小数量である特定の数量に少なくとも部分的に基づいて、識別されたインフラモジュールの特定の数量を選択できる。例えば、電力サポート能力不足がデータセンタについて決定される場合、電力サポートを提供するように構成される電力モジュールの1つまたは複数のセットが識別でき、決定された不足の数量に少なくとも対応する総増分的なサポート能力を集合的に提供する電力モジュールの特定の数量が識別できる。
【0127】
少なくとも不足に対応するように構成されるインフラモジュールの識別された特定の数量が、データセンタでの設置のために選択できる。係る選択は、データセンタのローカル在庫からデータセンタでの設置のために1つまたは複数のインフラモジュールを選択すること、リモート在庫サイトからデータセンタへの配達のために1つまたは複数のインフラモジュールを選択すること、1つまたは複数のインフラモジュールサプライヤからデータセンタへの配達のために1つまたは複数のインフラモジュールを選択すること、そのなんらかの組合せ等を含むことがある。例えば、電力モジュールは、リモート在庫サイトに保管されて良く、電力モジュールの数量の選択はリモート在庫サイトに保管される電気インフラモジュールの特定のセットの選択を含むことがある。別の例では、空気処理モジュールはデータセンタでのローカル在庫サイトに保管されて良く、空気処理モジュールの数量の選択はローカル在庫に保管される空気処理モジュールの特定のセットの選択を含むことがある。インフラモジュールがリモート在庫サイトに保管され、該リモート在庫サイトからの配達のために選択されるいくつかの実施形態では、リモート在庫サイトは、データセンタ、インフラ能力分配システムを管理し、ラックコンピュータシステムの1つまたは複数のサプライヤを管理し、インフラモジュールの1つまたは複数のベンダ等を管理する1つまたは複数のエンティティとは別個である、1つまたは複数のサードパーティエンティティによって管理できる。
【0128】
416で、選択されたインフラモジュールがデータセンタで設置されるべきである1つまたは複数の設置位置が選択される。係る設置位置は、所与の設置位置からデータセンタの電気負荷に選択されたインフラモジュールをリンクするために必要とされる追加のインフラ(例えば、ケーブル、母線路等)の決定された数量に少なくとも部分的に基づいて選択されて良い。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の設置位置は、1つまたは複数の設置位置に選択されたインフラモジュールの1つまたは複数を設置することが、データセンタの電気負荷にインフラモジュールをリンクするために必要とされる追加のインフラを最小限に抑える旨の決定に少なくとも部分的に基づいて選択される。
【0129】
417で、1つまたは複数のインフラモジュールが設置されるために注文される。係る注文は、特定のインフラモジュールと関連付けられた特定の識別コードを指定することによって特定のインフラモジュールを指定できる。別の例では、注文は特定のタイプのインフラモジュールを指定でき、係るインフラモジュールの特定の数量をさらに指定できる。別々のタイプのインフラサポートを提供して別々のサポート能力不足に対応するためにインフラモジュールの別々のセットが選択される場合、注文は複数の別々のセットのインフラモジュール及びそのそれぞれの数量を指定して良い。係る注文は、いくつかの実施形態では、選択されたインフラモジュールのそれぞれがデータセンタに設置されるべきである特定の設置位置を識別することがある。多様な注文は多様な異なる受取人のために生成できる。例えば、電力モジュールのサプライヤのための特定の注文は、特定のタイプの電力モジュール及びその数量を指定し、特定のデータセンタへの識別された数量の電力モジュールの配達を命令できる。別の例では、ローカル在庫で保管されるインフラモジュールと関連付けられた注文を含んだ、データセンタに関連付けられたオペレータへの伝送のために生成された注文は、それぞれの保管されているインフラモジュールと関連付けられた識別コードに基づいて特定の保管されているインフラモジュールを含むことがあり、各特定のインフラモジュールが設置されるべきであるデータセンタの特定の設置位置を指定できる。注文メッセージがオフサイトサプライヤ、リモート在庫等のために生成される場合、追加のメッセージはデータセンタでの設置のために到着する特定のインフラモジュールを指定し、到着するインフラモジュールが設置されるべきであるデータセンタの特定の設置位置をさらに指定するオンサイトオペレータに対して生成できる。
【0130】
本開示の実施形態は、以下の条項を考慮して説明できる。
1.いかなるときでもデータセンタに設置された複数のラックコンピュータシステムによって提供される計算能力をサポートするために過剰な設置されたインフラ能力を最小限に抑える方法であって、
前記データセンタで現在設置されているラックコンピュータシステムの計算動作をサポートする現在の総サポート要件を超えて、複数の別々のタイプのインフラの内の特定のタイプのインフラの追加のサポートを提供するために前記データセンタの現在設置されているインフラモジュールの過剰サポート能力を決定することと、
追加のラックコンピュータシステムが前記データセンタで追加の計算能力を提供するために前記データセンタへの配達のために現在到着する旨の表示を受け取ることに少なくとも部分的に応えて、少なくとも1つの前記の追加のラックコンピュータシステムの計算動作をサポートするために前記特定のタイプのインフラのサポート要件を決定することと、
前記現在設置されているインフラモジュールの前記過剰サポート能力及び前記少なくとも1つの追加のラックコンピュータシステムの前記サポート要件に少なくとも部分的に基づいて、前記特定のタイプのインフラについて、前記現在設置されているインフラモジュールのサポート能力不足を決定することであって、前記サポート能力不足が、前記少なくとも1つの追加のラックコンピュータシステムの前記サポート要件が前記現在設置されているインフラモジュールの前記過剰サポート能力を超えるインフラサポートの大きさを含む、記現在設置されているインフラモジュールのサポート能力不足を決定することと、
前記特定のタイプのインフラの前記サポート能力不足に少なくとも等しい、前記特定のタイプのインフラの増分的なサポートを提供するインフラモジュールの特定のセットの最小数量を選択することであって、インフラモジュールの前記特定のセットの各インフラモジュールが前記特定のタイプのインフラの増分的な大きさのサポートを提供するように構成される、インフラモジュールの特定のセットの最小数量を選択することと、
前記少なくとも1つの追加のラックコンピュータシステムの設置の後で、前記データセンタの現在設置されているインフラモジュールの前記過剰サポート能力が前記データセンタの前記設置されているラックコンピュータシステムの前記総サポート要件を少なくとも満たすように、前記データセンタでの前記少なくとも1つの追加のラックコンピュータシステムの設置と同時に、前記データセンタでの前記選択された最小数量の前記特定のセットの設置を命令することと、
を含む前記方法。
【0131】
2.前記特定のタイプの増分的な大きさのインフラのサポートを提供するように構成されるインフラモジュールの前記特定のセットの各インフラモジュールが、
前記データセンタで増分的な大きさの電力サポートを提供するために、電源から増分的な大きさの電力を分配するように構成された電力モジュールと、
前記データセンタの1つまたは複数の領域に設置された1つまたは複数のラックコンピュータシステムに1つまたは複数の電力モジュールから受け取られる電力を分散するように構成された電源供給ラインインフラモジュールと、
1つまたは複数の空気処理アレイの複数のポートの1つまたは複数に設置されるように構成され、前記データセンタで増分的な大きさの冷却サポートを提供するために前記データセンタの中に増分的な大きさの冷却空気流を提供するようにさらに構成された1つまたは複数の空気処理モジュールと、
前記データセンタで増分的な大きさのネットワーク通信サポートを提供するために、1つまたは複数の通信ネットワークに前記データセンタに設置された増分的な数量のラックコンピュータシステムを通信で結合するように構成された1つまたは複数のネットワーク通信モジュール、または
ケーブルインフラの1つまたは複数のインスタンスの増分的な構造サポートを提供するために前記データセンタの1つまたは複数の領域に設置され、前記データセンタの1つまたは複数の領域で1つまたは複数の空気プレナムを確立するように構成された1つまたは複数の構造サポートモジュールと、
を備える、条項1に記載の前記方法。
【0132】
3.追加の計算能力を提供するために前記データセンタに現在到着する前記少なくとも1つの追加のラックコンピュータシステムが、少なくとも1つの現在設置されているラックコンピュータシステムを置き換えるために到着し、
前記少なくとも1つの追加のラックコンピュータシステムが前記データセンタに現在到着する旨の表示を受け取ることに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの追加のラックコンピュータシステムの計算動作をサポートするために前記特定のタイプのインフラの前記サポート要件を決定することが、
前記特定のタイプのインフラについて、前記少なくとも1つの追加のラックコンピュータシステムの前記サポート要件と、前記少なくとも1つの現在設置されているラックコンピュータシステムのサポート要件との間の相違を決定すること、
を含む、いずれかの先行条項に記載の前記方法。
【0133】
4.1つまたは複数の設置されているラックコンピュータシステムを収容するように構成された、前記データセンタで複数の利用可能なラック位置を識別することと、
前記複数の利用可能なラック位置の残りのそれぞれの前記少なくとも1つの追加のラックコンピュータシステムをサポートするために必要とされる追加のインフラモジュールの大きさに対して、選択された少なくとも1つのラック位置の前記少なくとも1つの追加のラックコンピュータシステムをサポートするために必要とされる追加のインフラモジュールの決定された大きさが最小限に抑えられる旨の決定に少なくとも部分的に基づいて、前記複数の利用可能なラック位置の前記選択された少なくとも1つのラック位置での前記少なくとも1つの追加のラックコンピュータシステムの設置を命令することと、
を含む、任意の先行条項に記載の前記方法。
【0134】
5.エンクロージャで提供される複数のタイプのインフラサポートの内の特定のタイプのインフラサポートごとに、前記特定のタイプのインフラサポートの設置サポート能力を、前記複数のタイプのインフラサポートの残りの設置サポート能力に関係なく増分的に調整すること
を含む方法であって、前記増分的に調整することが、
エンクロージャで前記特定のタイプのインフラサポートの過剰設置サポート能力が一定のスレッショルド数量未満である旨の決定に少なくとも部分的に基づいて、前記エンクロージャにインフラモジュールの1つまたは複数のセットを増分的に設置すること
を含み、
インフラモジュールの各セットが増分的な大きさの前記特定のタイプのインフラサポートを提供するように構成された選択された数量のインフラモジュールを備える、
前記方法。
【0135】
6.増分的な大きさの前記特定のタイプのインフラサポートを提供するように構成されたインフラモジュールの前記特定のセットの各インフラモジュールが、
前記エンクロージャで増分的な大きさの電力サポートを提供するために、電源から増分的な大きさの電力を分配するように構成された電力モジュールと、
エンクロージャの1つまたは複数の領域に1つまたは複数の電力モジュールから受け取られる電力を分配するように構成された電源供給ラインインフラモジュールと、
1つまたは複数の空気処理アレイの複数のポートの1つまたは複数に設置されるように構成され、前記エンクロージャで増分的な大きさの冷却サポートを提供するために前記エンクロージャの中への増分的な大きさの冷却空気流量を提供するようにさらに構成された1つまたは複数の空気処理モジュールと、
前記エンクロージャで増分的な大きさのネットワーク通信サポートを提供するために、1つまたは複数の通信ネットワークに前記エンクロージャに設置される増分的な数量のラックコンピュータシステムを通信で結合するように構成された1つまたは複数のネットワーク通信モジュール、または
ケーブルインフラの1つまたは複数のイスタンスの増分的な構造サポートを提供するために前記エンクロージャの1つまたは複数の領域に設置され、前記エンクロージャの1つまたは複数の領域で1つまたは複数の空気プレナムを確立するように構成された1つまたは複数の構造サポートモジュールと、
の1つまたは複数を備える、条項5に記載の前記方法。
【0136】
7.インフラモジュールの各セットが、前記エンクロージャに設置された電気負荷の1つまたは複数のセットによる動作をサポートするために、増分的な大きさの前記特定のタイプのインフラサポートを提供するように構成された選択された数量のインフラモジュールを備え、
前記エンクロージャでの前記特定のタイプのインフラサポートの過剰設置サポート能力が一定のスレッショルド数量未満である旨の決定が、
少なくとも1つの追加の電気負荷が前記エンクロージャでの設置のために現在到着する旨の決定と、
前記少なくとも1つの追加の電気負荷による動作をサポートするために必要とされる、前記特定のタイプのインフラサポートの特定の大きさのインフラサポートの決定と、
少なくとも前記特定のタイプのインフラサポートについて、前記エンクロージャの前記特定のタイプのインフラサポートの過剰設置サポート能力が、スレッショルド大きさ未満分、前記エンクロージャの前記特定のタイプのインフラサポートの前記少なくとも1つの追加の電気負荷過剰設置サポート能力による動作をサポートするために必要とされる前記特定の大きさのインフラサポートを超える旨の決定と、
を含む、条項5または6に記載の前記方法。
【0137】
8.前記エンクロージャに1つまたは複数の電気負荷を設置するように構成された、前記エンクロージャ内の複数の利用可能な位置を識別することと、
選択されたラック位置の前記少なくとも1つの追加の電気負荷による動作をサポートするために必要とされる追加のインフラモジュールの決定された数量が、前記複数の利用可能な位置の少なくとも1つの他のラック位置で動作をサポートするために必要とされる追加のインフラモジュールの数量未満である旨の決定に少なくとも部分的に基づいて前記複数の利用可能な位置の前記選択された位置に前記少なくとも1つの追加の電気負荷を設置することと、
を含む、条項7に記載の前記方法。
【0138】
9.前記エンクロージャでの設置のために現在到着する前記少なくとも1つの追加の電気負荷が少なくとも1つの現在設置されている電気負荷を置き換えるために到着し、
前記少なくとも1つの追加の電気負荷による動作をサポートするために必要とされる、前記特定のタイプのインフラサポートの、インフラサポートの前記特定の大きさの決定が、
前記少なくとも1つの特定の追加の電気負荷による動作をサポートするために必要とされるインフラサポートの前記特定の大きさと、前記現在設置されている電気負荷による動作をサポートするために必要とされるインフラサポートの別の特定の大きさとの間の相違の決定
を含む、条項7に記載の前記方法。
【0139】
10.エンクロージャの前記特定のタイプのインフラサポートの過剰設置サポート能力が一定のスレッショルド数量未満である旨の決定に少なくとも部分的に基づいて、前記エンクロージャにインフラモジュールの1つまたは複数のセットを増分的に設置することが、
前記一定のスレッショルド数量を少なくとも満たすために前記特定のタイプのインフラサポートの前記過剰数量を増加する増分的な大きさのインフラサポートと関連付けられた最小の増分的な数量のインフラモジュールを設置すること
を含む、条項5から9のいずれかに記載の前記方法。
【0140】
11.エンクロージャでインフラモジュールの1つまたは複数のセットを増分的に設置することがオペレータに対する設置命令を生成することを含み、前記設置命令がインフラモジュールの前記1つまたは複数のセットを識別し、インフラモジュールの前記識別された特定のセットのそれぞれを設置する前記エンクロージャでの1つまたは複数の特定の位置を識別する、条項5から10のいずれかに記載の前記方法。
【0141】
12.前記エンクロージャの前記特定のタイプのインフラサポートの過剰設置サポート能力が一定のスレッショルド数量未満である旨の決定が、
特定の設置期間が、前記特定のタイプのインフラサポートを提供するように構成されたインフラモジュールの前記セットの設置と関連付けられる旨の決定と、
前記特定のタイプのインフラサポートの前記過剰設置サポート能力が、前記特定の設置期間に対応する期間内に前記一定のスレッショルド数量を下回る旨の決定と、
を含む、条項5から11のいずれかに記載の前記方法。
【0142】
13.エンクロージャに設置された、複数のタイプのインフラサポートの内の特定のタイプのインフラサポートの設置サポート能力を増分的に調整することが、データセンタに設置された複数のタイプのインフラサポートの内の特定のタイプのインフラサポートを増分的に設置することを含み、
前記増分的に設置することが、12週の経過時間の期間内に前記データセンタに1つまたは複数のタイプのインフラサポートの少なくとも完全なサポート能力を設置することを可能にする、
条項5から12のいずれかに記載の前記方法。
【0143】
14.各別々のインフラ監視モジュールが、別々のタイプのインフラサポートを提供するように構成されるリモートインフラモジュールの別々のセットによって提供される、エンクロージャで複数のタイプのインフラサポートの前記別々のタイプのインフラサポートの現在の過剰サポート能力を決定するように構成された、複数のインフラ監視モジュールと、
各別々のタイプのインフラサポートについて、前記現在の過剰サポート能力が前記別々のタイプのインフラサポートと関連付けられた能力スレッショルド値未満であることを単独で決定するように構成された能力トリガモジュールと、
前記別々のタイプのインフラサポートの前記現在の過剰サポート能力を増して前記能力スレッショルド値を少なくとも満たすために、それぞれ増分的な大きさの前記別々のタイプのインフラサポートを提供するように構成される1つまたは複数の選択されたセットのインフラモジュールの、前記エンクロージャでの増分的な設置を命令するように構成された能力分配モジュールと
を備える、システム。
【0144】
15.増分的な大きさの前記別々のタイプのインフラサポートを提供するように構成される、インフラモジュールの前記特定のセットの各インフラモジュールが、
前記エンクロージャで増分的な大きさの電力サポートを提供するために電源から増分的な大きさの電力を分配するように構成された電力モジュールと、
1つまたは複数の電力モジュールから受け取られる電力を前記エンクロージャの1つまたは複数の領域に分配するように構成された電源供給ラインインフラモジュールと、
1つまたは複数の空気処理アレイの複数のポートの1つまたは複数に設置されるように構成され、前記エンクロージャで増分的な大きさの冷却サポートを提供するために前記エンクロージャの中へ増分的な大きさの冷却空気流を提供するようにさらに構成された1つまたは複数の空気処理モジュールと、
前記エンクロージャに増分的な大きさのネットワーク通信サポートを提供するために、1つまたは複数の通信ネットワークに前記エンクロージャに設置された増分的な数量のラックコンピュータシステムを通信で結合するように構成された1つまたは複数のネットワーク通信モジュールと、
ケーブルインフラの1つまたは複数のインフラの増分的な構造サポートを提供するために前記エンクロージャの1つまたは複数の領域に設置され、前記エンクロージャの1つまたは複数の領域に1つまたは複数の空気プレナムを確立するように構成された1つまたは複数の構造サポートモジュールと、
の1つまたは複数を備える、条項14に記載の前記システム。
【0145】
16.前記特定のセットのインフラモジュールの各インフラモジュールが、前記エンクロージャに設置された電気負荷の1つまたは複数のセットによる動作をサポートするために、増分的な大きさの別々なタイプのインフラサポートを提供するように構成される1つまたは複数の特定のインフラモジュールを備え、
各別々のタイプのインフラサポートについて、前記現在の過剰サポート能力が前記別々のタイプのインフラサポートと関連付けられた能力スレッショルド値未満であると単独で決定するために、前記能力トリガモジュールが、
前記少なくとも1つの追加の電気負荷が前記エンクロージャでの設置のために現在到着すると決定する、
前記少なくとも1つの追加の電気負荷による動作をサポートするために必要とされる前記別々のタイプのインフラサポートの特定の大きさを決定する、及び
少なくとも前記別々のタイプのインフラサポートについて、前記別々のタイプのインフラサポートの前記特定の大きさが前記現在の過剰サポート能力を超えると決定する、
条項14または15に記載の前記システム。
【0146】
17.前記エンクロージャに1つまたは複数の電気負荷を設置するように構成された、前記エンクロージャで複数の利用可能な位置を識別するように構成された積荷追跡モジュールと、
前記選択されたラック位置での前記特定の追加の電気負荷による動作をサポートするために必要とされる追加のインフラモジュールの決定された数量が、前記複数の利用可能な位置の少なくとも1つの他の位置で動作をサポートするために必要とされる追加のインフラモジュールの数量未満である旨の決定に少なくとも部分的に基づいて、前記複数の利用可能な位置の選択された位置での前記少なくとも1つの追加の電気負荷の設置を命令するように構成された負荷割当てモジュールと、
を備える、条項16に記載の前記システム。
【0147】
18.前記エンクロージャでの設置のために現在到着する前記少なくとも1つの追加の電気負荷が現在設置されている電気負荷を置き換えるために到着し、
別々のタイプのインフラサポートの現在の過剰サポート能力が、前記別々のタイプのインフラサポートに関連付けられた能力スレッショルド値未満であると単独で決定するために、前記能力トリガモジュールが、
前記少なくとも1つの追加の電気負荷による動作をサポートするために必要とされるインフラサポートの前記特定の数量と、前記現在設置されている電気負荷による動作をサポートするために必要とされるインフラサポートの別の数量との間の相違を決定し、
前記相違が前記能力スレッショルド値未満であると決定する
ように構成される、条項16に記載の前記システム。
【0148】
19.前記エンクロージャで、それぞれが増分的な大きさの前記別々のタイプのインフラサポートを提供するように構成されるインフラモジュールの1つまたは複数の選択されたセットの増分的な設置を命令して、前記別々のタイプのインフラサポートの前記現在の過剰サポート能力を増して、前記能力スレッショルド値を少なくとも満たすために、前記能力分配モジュールは、
前記別々のタイプのインフラサポートの前記過剰数量を増加して前記能力スレッショルド値を少なくとも満たすために、増分的な大きさのインフラサポートと関連付けられた最小の増分的な数量のインフラモジュールの設置を命令する、
ように構成される、条項14から18のいずれかに記載の前記システム。
【0149】
20.前記エンクロージャで、それぞれが増分的な大きさの前記別々のタイプのインフラサポートを提供するように構成されるインフラモジュールの1つまたは複数の選択されたセットの増分的な設置を命令して、前記別々のタイプのインフラサポートの前記現在の過剰サポート能力を増して、前記能力スレッショルド値を少なくとも満たすために、前記能力分配モジュールは、
設置命令メッセージを生成するように構成され、前記設置命令メッセージはインフラモジュールの1つまたは複数の特定のセットを識別し、インフラモジュールの前記識別された特定のセットを設置する前記エンクロージャの1つまたは複数の特定の位置を識別し、前記識別された1つまたは複数の特定の位置でのインフラモジュールの前記識別された1つまたは複数の特定のセットの設置を命令するように構成される、
条項14から19のいずれかに記載の前記システム。
【0150】
21.前記現在の過剰サポート能力が前記別々のタイプのインフラサポートに関連付けられた能力スレッショルド値未満であると決定することが、
特定の設置期間が、前記別々のタイプのインフラサポートを提供するように構成されたインフラモジュールの特定のセットの設置と関連付けられると決定することと、
前記別々のタイプのインフラサポートの前記現在の過剰サポート能力が、前記特定の設置時間と対応する期間の中で前記一定のスレッショルド数量を下回ると決定することと、
を含む、条項14から20のいずれかに記載の前記システム。
【0151】
図5は、いくつかの実施形態で使用されて良い例のコンピュータシステムを示すブロック図である。
【0152】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される、インフラモジュール分配管理、インフラサポート能力監視、及び多様なインフラ管理の方法、システム、デバイス、及び装置の一部分またはすべてを含むが、これに限定されるものではない技術の1つまたは複数の一部分またはすべてを実装するシステムが、図5に示されるコンピュータシステム500等、1つまたは複数のコンピュータアクセス可能媒体を含む、または1つまたは複数のコンピュータアクセス可能媒体にアクセスするように構成される汎用コンピュータシステムを含んで良い。示されている実施形態では、コンピュータシステム500は、入出力(I/O)インタフェース530を介してシステムメモリ520に結合された1台または複数のプロセッサ510を含む。コンピュータシステム500は、I/Oインタフェース530に結合されたネットワークインタフェース540をさらに含む。
【0153】
多様な実施形態では、コンピュータシステム500は、1台のプロセッサ510を含んだユニプロセッサシステム、または数台のプロセッサ510(例えば、2、4、8、または別の適切な数)を含んだマルチプロセッサシステムであって良い。プロセッサ510は、命令を実行できる任意の適切なプロセッサであって良い。例えば、多様な実施形態では、プロセッサ510は、x86、PowerPC、SPARC、若しくはMIPS ISAまたは任意の他の適切なISA等、さまざまな命令セットアーキテクチャ(ISA)のいずれかを実装する汎用プロセッサまたは組み込みプロセッサであって良い。マルチプロセッサシステムでは、プロセッサ510のそれぞれは、一般にであるが、必ずしもではなく、同じISAを実装して良い。
【0154】
システムメモリ520は、プロセッサ(複数の場合がある)510によってアクセス可能な命令及びデータを記憶するように構成されて良い。多様な実施形態では、システムメモリ520は、スタティックRAM(SRAM)、同期性ダイナミックRAM(SDRAM)、不揮発性/フラッシュタイプメモリ、または任意の他のタイプのメモリ等、任意の適切なメモリ技術を使用し、実装されて良い。示されている実施形態では、本明細書に説明される、インフラモジュール分配管理、インフラサポート能力監視、及び多様なインフラ管理の方法、システム、デバイス、及び装置の一部またはすべて等、1つまたは複数の所望される機能を実装するプログラム命令及びデータは、コード525及びデータ526としてシステムメモリ520の中に記憶されて示されている。
【0155】
一実施形態では、I/Oインタフェース530は、ネットワークインタフェース540または他の周辺インタフェースを含んだ、プロセッサ510、システムメモリ520、及びデバイスのあらゆる周辺デバイス間のI/Oトラフィックを調整するように構成されて良い。いくつかの実施形態では、I/Oインタフェース530は、データ信号をある構成要素(例えば、システムメモリ520)から、別の構成要素(例えば、プロセッサ510)による使用に適したフォーマットに変換するためにあらゆる必要なプロトコル、タイミング、または他のデータの変換を実行して良い。いくつかの実施形態では、I/Oインタフェース530は、例えばペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI)バス規格またはユニバーサルシリアルバス(USB)規格の変形等、多様なタイプの周辺バスを通して取り付けられたデバイスのためのサポートを含んで良い。いくつかの実施形態では、I/Oインタフェース530の機能は、例えばノースブリッジ及びサースブリッジ等、2つ以上の別々の構成要素に分割されて良い。また、いくつかの実施形態では、システムメモリ520へのインタフェース等、I/Oインタフェース530の機能性のいくらかまたはすべては、プロセッサ510の中に直接的に組み込まれて良い。
【0156】
ネットワークインタフェース540は、例えば図1から図4に示される他のコンピュータシステムまたはデバイス等、コンピュータシステム500と1つまたは複数のネットワーク550に取り付けられた他のデバイス560との間でデータを交換できるようにするように構成されて良い。多様な実施形態では、ネットワークインタフェース540は、例えばイーサネットネットワークのタイプ等、任意の適切な有線または無線の一般的なデータネットワークを介する通信をサポートして良い。さらに、ネットワークインタフェース540は、アナログ音声ネットワークまたはデジタルファイバ通信ネットワーク等、電気通信/電話ネットワークを介して、ファイバチャネルSAN等のストレージエリアネットワークを介して、または任意の他の適切なタイプのネットワーク及び/またはプロトコルを介して通信をサポートして良い。
【0157】
いくつかの実施形態では、システムメモリ520は、図1から図4に関して、上述されたインフラサポート管理方法の実施形態を実装するためのプログラム命令及びデータを記憶するように構成されたコンピュータアクセス可能媒体の一実施形態であって良い。他の実施形態では、プログラム命令及び/またはデータは、異なるタイプのコンピュータアクセス可能媒体の上で受信、送信、または記憶されて良い。一般的に言えば、コンピュータアクセス可能媒体は、例えば、I/Oインタフェース530を介してコンピュータシステム500に結合されたディスクまたはDVD/CD等、磁気媒体または光媒体等、非一過性の記憶媒体またはメモリ媒体を含んで良い。非一過性のコンピュータアクセス可能記憶媒体は、システムメモリ520または別のタイプのメモリとしてコンピュータシステム500のいくつかの実施形態に含まれて良い、RAM(例えば、SDRAM、DDR SDRAM、RDRAM、SRAM等)、ROM等、任意の揮発性または不揮発性の媒体を含んでも良い。さらに、コンピュータアクセス可能媒体は伝送媒体、またはネットワークインタフェース540を介して実装されて良い等、ネットワーク及び/または無線リンク等、通信媒体を介して伝達される電気信号、電磁信号、若しくはデジタル信号等の伝送信号を含んで良い。
【0158】
多様な実装形態は、コンピュータアクセス可能媒体上で上述の説明に従って実装された命令及び/またはデータを受信すること、送信すること、または記憶することをさらに含んで良い。一般的に言えば、コンピュータアクセス可能媒体は、伝送媒体またはネットワーク及び/または無線リンク等通信媒体を介して伝達される電気信号、電磁信号、若しくはデジタル信号等の伝送信号だけではなく、例えばディスク若しくはDVD/CD−ROM等、磁気媒体若しくは光媒体、RAM(例えば、SDRAM、DDR、RDRAM、SRAM等)、ROM等の揮発性媒体若しくは不揮発性媒体等の記憶媒体またはメモリ媒体も含んで良い。
【0159】
本発明に説明される図に示される多様な方法は、方法の例の実施形態を表す。方法は、ソフトウェア、ハードウェア、またはその組合せで実装されて良い。方法の順序は変更されて良く、多様な要素は追加、記録、結合、省略、修正等されて良い。
【0160】
上記実施形態はかなり詳細に説明されてきたが、多数の変形形態及び変更形態は、いったん上記開示が完全に理解されると当業者に明らかになる。以下の特許請求の範囲は、すべての係る変形形態及び変更形態を包含すると解釈されることが意図される。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5