【文献】
Johnson, Barry C.他,A comparison of the ability of rilpivirine (TMC278) and selected analogues to inhibit clinically relevant HIV-1 reverse transcriptase mutants,Retrovirology,2012年,9,99
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1種または複数種の追加の治療剤が、HIVプロテアーゼ阻害化合物、HIVの逆転写酵素の非ヌクレオシド阻害剤、HIVの逆転写酵素のヌクレオシド阻害剤、HIVの逆転写酵素のヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、gp41阻害剤、CXCR4阻害剤、gp120阻害剤、CCR5阻害剤、カプシド重合阻害剤、およびHIVを処置するための他の薬物、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される、請求項21に記載の医薬組成物。
被験体のHIVウイルス感染症の処置または防止のための医薬を製造するための、請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩の、使用。
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
以下の説明は、本開示が、特許請求される主題の説明とみなされるべきであり、添付の特許請求の範囲を、例示の具体的な実施形態に限定するものではないという理解の下になされる。本開示を通して使用される表題は、便宜的に提供され、特許請求の範囲を任意の方式で制限するものと解釈されるべきではない。任意の表題の下に例示されている実施形態は、任意の他の表題の下に例示されている実施形態と組み合わせることができる。
【0016】
別段定義されない限り、本明細書で使用されるあらゆる技術用語および科学用語は、当業者に一般に理解される意味と同じ意味を有する。化学基の前または後にあるダッシュ記号は、親部分との結合点を示すための便宜上のものであり、化学基は、それらの通常の意味を喪失することなく、1つもしくは複数のダッシュを用いて、またはそれらを用いないで図示され得る。化学的構造における線を通って引かれた波線または化学的構造における線を通って引かれた破線は、基の結合点を示す。化学的構造内の破線は、任意選択の結合を示す。「C
u〜v」または(C
u〜C
v)などの接頭辞は、それに続く基がu〜v個の炭素原子を有することを示す。例えば、「C
1〜6アルキル」は、アルキル基が1〜6個の炭素原子を有することを示す。
【0017】
商標は、本明細書で使用される場合、商標生成物および商標生成物の活性な薬学的成分を独立に含むことを意図する。
【0018】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」および「1つの(an)」および「その(the)」は、状況によって別段明示されない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「その化合物(the compound)」への言及は、複数のこのような化合物を含み、「そのアッセイ(the assay)」への言及は、1つまたは複数のこのようなアッセイへの言及などを含む。
【0019】
本明細書で使用される「アルキル」は、直鎖または分枝鎖状の一価の飽和炭化水素である。例えば、アルキル基は、1〜20個の炭素原子を有することができ(すなわち(C
1〜20)アルキル)、またはアルキル基は、1〜10個の炭素原子を有することができ(すなわち(C
1〜10)アルキル)、またはアルキル基は、1〜8個の炭素原子を有することができ(すなわち(C
1〜8)アルキル)、または1〜6個の炭素原子を有することができ(すなわち(C
1〜6アルキル)、または1〜4個の炭素原子を有することができる(すなわち(C
1〜4)アルキル)。アルキル基の例として、メチル(Me、−CH
3)、エチル(Et、−CH
2CH
3)、1−プロピル(n−Pr、n−プロピル、−CH
2CH
2CH
3)、2−プロピル(i−Pr、i−プロピル、−CH(CH
3)
2)、1−ブチル(n−Bu、n−ブチル、−CH
2CH
2CH
2CH
3)、2−メチル−1−プロピル(i−Bu、i−ブチル、−CH
2CH(CH
3)
2)、2−ブチル(s−Bu、s−ブチル、−CH(CH
3)CH
2CH
3)、2−メチル−2−プロピル(t−Bu、t−ブチル、−C(CH
3)
3)、1−ペンチル(n−ペンチル、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3)、2−ペンチル(−CH(CH
3)CH
2CH
2CH
3)、3−ペンチル(−CH(CH
2CH
3)
2)、2−メチル−2−ブチル(−C(CH
3)
2CH
2CH
3)、3−メチル−2−ブチル(−CH(CH
3)CH(CH
3)
2)、3−メチル−1−ブチル(−CH
2CH
2CH(CH
3)
2)、2−メチル−1−ブチル(−CH
2CH(CH
3)CH
2CH
3)、1−ヘキシル(−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3)、2−ヘキシル(−CH(CH
3)CH
2CH
2CH
2CH
3)、3−ヘキシル(−CH(CH
2CH
3)(CH
2CH
2CH
3))、2−メチル−2−ペンチル(−C(CH
3)
2CH
2CH
2CH
3)、3−メチル−2−ペンチル(−CH(CH
3)CH(CH
3)CH
2CH
3)、4−メチル−2−ペンチル(−CH(CH
3)CH
2CH(CH
3)
2)、3−メチル−3−ペンチル(−C(CH
3)(CH
2CH
3)
2)、2−メチル−3−ペンチル(−CH(CH
2CH
3)CH(CH
3)
2)、2,3−ジメチル−2−ブチル(−C(CH
3)
2CH(CH
3)
2)、3,3−ジメチル−2−ブチル(−CH(CH
3)C(CH
3)
3、およびオクチル(−(CH
2)
7CH
3)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0020】
本明細書で使用される用語「アリール」は、全て炭素の単一の芳香環、または環の少なくとも1つが芳香族である全て炭素の縮合多環系(multiple condensed all carbon ring system)を指す。例えば、ある特定の実施形態では、アリール基は、6〜20個の環状炭素原子、6〜14個の環状炭素原子、または6〜12個の環状炭素原子を有する。アリールには、フェニルラジカルが含まれる。アリールはまた、少なくとも1つの環が芳香族であり、その他の環が芳香族であっても芳香族でなくてもよい(すなわち炭素環)、約9〜20個の炭素原子を有する縮合多環系(例えば、2、3または4個の環を含む環系)を含む。このような縮合多環系は、縮合多環系の任意の炭素環部分上で、1つまたは複数(例えば、1、2または3個)のオキソ基で任意選択的に置換されている。縮合多環系の環は、価数の要件が許す場合、縮合(fused)、スピロおよび架橋結合を介して互いに接続されていてよい。ある特定の原子員数範囲のアリール(例えば、6〜12員のアリール)に言及する場合、その原子範囲は、アリールの総環(環状)原子に関するものであることも理解されたい。例えば、6員のアリールには、フェニルが含まれ、10員のアリールには、ナフチルおよび1,2,3,4−テトラヒドロナフチルが含まれる。アリール基の非限定的な例として、フェニル、インデニル、ナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、アントラセニルなどが挙げられるが、それらに限定されない。
【0021】
「アリールアルキル」は、炭素原子に結合した水素原子の1つが、本明細書に記載のアリールラジカルで置き換えられている、本明細書に定義のアルキルラジカル(すなわち、アリール−アルキル−部分)を指す。「アリールアルキル」のアルキル基には、1〜6個の炭素原子であるアルキル基(すなわちアリール(C
1〜C
6)アルキル)が含まれる。アリールアルキル基には、ベンジル、2−フェニルエタン−1−イル、1−フェニルプロパン−1−イル、ナフチルメチル、2−ナフチルエタン−1−イルなどが含まれるが、それらに限定されない。
【0022】
「ボロン酸」は、−B(OH)
2基を指す。
【0023】
「ボロン酸エステル」は、ボロン酸化合物のエステル誘導体を指す。適切なボロン酸エステル誘導体には、式−B(OR)
2のものが含まれ、ここで、各Rは、独立に、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロアリールである。さらに、−B(OR)
2の2つのR基は、一緒になって、例えば構造
【化2】
を有する環式エステルを形成することができ、ここで、各Rは、同じでも異なっていてもよい。ボロン酸エステルの例として、ボロン酸ピナコールエステルおよびボロン酸カテコールエステルが挙げられる。
【0024】
「シクロアルキル」は、3〜20個の環状炭素原子(すなわち、C
3〜C
20シクロアルキル)、例えば3〜12個の環状原子、例えば3〜10個の環状原子を有する単一の飽和の、または部分的に不飽和の全て炭素の環を指す。また用語「シクロアルキル」には、飽和および部分的に不飽和の全て炭素の縮合多環系(例えば、2、3または4個の炭素環式環を含む環系)が含まれる。したがって、シクロアルキルには、多環式炭素環、例えば二環式炭素環(例えば、約6〜12個の環状炭素原子を有する二環式炭素環、例えばビシクロ[3.1.0]ヘキサンおよびビシクロ[2.1.1]ヘキサン)、および多環式炭素環(例えば、約20個までの環状炭素原子を有する三環系および四環系炭素環)が含まれる。縮合多環系の環は、価数の要件が許す場合、縮合(fused)、スピロおよび架橋結合を介して互いに接続されていてよい。単環式シクロアルキルの非限定的な例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロペンタ−1−エニル、1−シクロペンタ−2−エニル、1−シクロペンタ−3−エニル、シクロヘキシル、1−シクロヘキサ−1−エニル、1−シクロヘキサ−2−エニルおよび1−シクロヘキサ−3−エニルが挙げられる。
【0025】
「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを指す。
【0026】
「ハロアルキル」は、1、2、3、4、もしくは5個の、または一部の実施形態では、1、2、もしくは3個のハロゲン基によるアルキル基の置換、例えば、−CH
2Cl、−CH
2F、−CH
2Br、−CFClBr、−CH
2CH
2Cl、−CH
2CH
2F、−CF
3、−CH
2CF
3、−CH
2CCl
3などを指し、全ての水素原子がフッ素原子によって置き換えられているパーフルオロアルキルなどのアルキル基をさらに含む。
【0027】
本明細書で使用される用語「ヘテロアルキル」は、アルキルの炭素原子の1つまたは複数が、O、S、またはNR
q(ここで、各R
qは、独立に、Hまたは(C
1〜C
6)アルキルである)によって置き換えられている(または置き換えられる炭素原子が、OH、SHまたはN(R
q)
2を有する末端炭素である場合)、本明細書に定義のアルキルを指す。例えば、(C
1〜C
8)ヘテロアルキルは、C
1〜C
8アルキルの1つまたは複数の炭素原子が、同じでも異なっていてもよいヘテロ原子(例えば、O、S、NR
q、OH、SHまたはN(R
q)
2)によって置き換えられているヘテロアルキルを意図する。ヘテロアルキルの例として、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシ、2−ヒドロキシエチルおよびN,N’−ジメチルプロピルアミンが挙げられるが、それらに限定されない。ヘテロアルキルのヘテロ原子は、任意選択で酸化またはアルキル化されていてよい。ヘテロ原子は、ヘテロアルキル基内部の任意の位置に、または基が分子の残りに結合している位置にあってよい。例として、−CH
2OCH
3、−CH
2CH
2NHCH
3、−CH
2CH
2N(CH
3)−CH
3、−CH
2SCH
2CH
3、−S(O)CH
3、−CH
2CH
2S(O)
2CH
3、−CH
2CH
2OCH
3、−CHCHN(CH
3)CH
3、−CH
2NHOCH
3および−CH
2OC(CH
3)
3が挙げられるが、それらに限定されない。
【0028】
本明細書で使用される用語「ヘテロアリール」は、環中に炭素以外の少なくとも1つの原子を有する単一の芳香環を指し、ここで、その原子は、酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される。またこの用語は、少なくとも1つのこのような芳香環を有する、以下にさらに説明される縮合多環系を含む。したがって、この用語は、環中に約1〜6個の環状炭素原子と、酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される約1〜4個の環状ヘテロ原子との単一芳香環を含む。硫黄原子および窒素原子は、環が芳香族であるならば、酸化形態で存在することもできる。このような環には、ピリジル、ピリミジニル、オキサゾリルまたはフリルが含まれるが、それらに限定されない。この用語はまた、縮合多環系(例えば、2、3または4個の環を含む環系)を含み、ここで、ヘテロアリール基は、先に定義したとおり、ヘテロアリール(例えばナフチリジニル、例えば1,8−ナフチリジニルを形成する)、ヘテロシクロアルキル(例えば1,2,3,4−テトラヒドロナフチリジニル、例えば1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジニルを形成する)、シクロアルキル(例えば5,6,7,8−テトラヒドロキノリルを形成する)およびアリール(例えばインダゾリルを形成する)から選択される1つまたは複数の環と縮合して、縮合多環系を形成することができる。したがって、ヘテロアリール(単一の芳香環または縮合多環系)は、約1〜20個の環状炭素原子および約1〜6個の環状ヘテロ原子を有する。このような縮合多環系は、縮合環の炭素環または複素環部分上で1つまたは複数(例えば、1、2、3または4)のオキソ基で任意選択的に置換されていてよい。縮合多環系の環は、価数の要件が許す場合、縮合(fused)、スピロおよび架橋結合を介して互いに接続されていてよい。縮合多環系の個々の環は、互いに対して任意の順序で接続され得ることを理解されたい。また、縮合多環系(ヘテロアリールについて先に定義されているとおり)の結合点は、縮合多環系のヘテロアリール、複素環、アリールまたは炭素環部分を含む縮合多環系の任意の位置、ならびに炭素原子およびヘテロ原子(例えば窒素)を含む縮合多環系の任意の適切な原子に存在し得ることを理解されたい。例示的なヘテロアリールとして、ピリジル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、チエニル、インドリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、フリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、インダゾリル、キノキサリル、キナゾリル、5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリルおよびチアナフテニルが挙げられるが、それらに限定されない。
【0029】
本明細書で使用される「ヘテロシクロアルキル」または「ヘテロシクリル」は、環中に少なくとも1つのヘテロ原子(酸素、窒素、および硫黄から選択される少なくとも1つの環状ヘテロ原子)を有する、単一の飽和または部分的に不飽和の非芳香環、または非芳香族の多環系を指す。別段の指定がない限り、ヘテロシクロアルキル基は、5〜約20個の環状原子、例えば5〜14個の環状原子、例えば5〜10個の環状原子を有する。したがって、この用語は、環中に約1〜6個の環状炭素原子と、酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される約1〜3個の環状ヘテロ原子とを有する、単一の飽和または部分的に不飽和の環(例えば3、4、5、6または7員環)を含む。またこの用語は、環中に約4〜9個の環状炭素原子と、酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される約1〜3個の環状ヘテロ原子とを有する、単一の飽和または部分的に不飽和の環(例えば、5、6、7、8、9、または10員環)を含む。縮合多環系の環は、価数の要件が許す場合、縮合(fused)、スピロおよび架橋結合を介して互いに接続されていてよい。ヘテロシクロアルキル基には、アゼチジン、アジリジン、イミダゾリジン、イミノ−オキソイミダゾリジン、モルホリン、オキシラン(エポキシド)、オキセタン、ピペラジン、ピペリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピロリジン、ピロリジノン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、キヌクリジン、N−ブロモピロリジン、N−クロロピペリジンなどが含まれるが、それらに限定されない。
【0030】
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、−OH基を指す。
【0031】
「オキソ」は、二重結合した酸素(=O)を指す。オキソ基がsp
2窒素原子に結合している化合物では、N−オキシドが示される。
【0032】
化学基の組合せを使用することができ、その組合せは、当業者によって認識されると理解される。例えば、「ヒドロキシアルキル」基は、アルキル基に結合しているヒドロキシル基を指すことができる。
【0033】
用語「任意選択の」または「任意選択的に」は、その後に記載される事象または環境が生じてもよいが、生じる必要はないことを意味し、その説明は、事象または環境が生じる場合と生じない場合とを含む。
【0034】
本明細書で使用される「互変異性体」は、プロトンの位置および/または電子分布が互いに異なっている化合物の異性体を指す。したがって、プロトン遊走互変異性体および原子価互変異性体の両方が意図され、説明され、所与の化合物に対して2種を超える互変異性体が存在し得ると理解される。互変異性体の例として、それらに限定されるものではないが、エノール−ケト互変異性体:
【化3】
イミン−エナミン互変異性体:
【化4】
ラクタム−ラクチム互変異性体:
【化5】
アミド−イミド酸互変異性体:
【化6】
アミノ−イミン互変異性体:
【化7】
ならびに環の−NH−部分と環の=N−部分の両方に結合している環原子、例えばピラゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾールおよびテトラゾール中に存在しているものなどを含有するヘテロアリール基の互変異性体形態が挙げられる(例えば、Smith、March’s Advanced Organic Chemistry(第5版)、1218頁〜1223頁、Wiley−Interscience、2001年;Katritzky A.およびElguero Jら、The Tautomerism of Heterocycles、Academic Press(1976年)参照)。
【0035】
「薬学的に許容される」は、動物またはヒトへの製薬上の使用に適した医薬組成物を調製するのに有用な、化合物、塩、組成物、剤形および他の材料を指す。
【0036】
「薬学的に許容される塩」は、親化合物の所望の薬理学的活性を有する(またはそれを有する形態に変換され得る)、薬学的に許容される化合物の塩を指す。このような塩には、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸を用いて形成されるか、または酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン(napththalenesulfonic)酸、オレイン酸、パルミチン酸、プロピオン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリメチル酢酸などの有機酸を用いて形成される酸付加塩、ならびに親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えばアルカリ金属イオン(例えばナトリウムまたはカリウム)、アルカリ土類イオン(例えばカルシウムまたはマグネシウム)、またはアルミニウムイオンのいずれかによって置き換えられているか、例えばジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルグルカミンなどの有機塩基が配位している場合に形成される塩が含まれる。またこの定義には、アンモニウム塩、および置換または四級化アンモニウム塩が含まれる。薬学的に許容される塩の代表的な非限定的な一覧は、その両方が、参照により本明細書に援用されるS.M. Bergeら、J. Pharma Sci.、66巻(1号)、1〜19頁(1977年)、およびRemington:The Science and Practice of Pharmacy、R. Hendrickson編、第21版、Lippincott、Williams & Wilkins、philadelphia, PA(2005年)、732頁、表38−5に見出すことができる。
【0037】
「(1つの)被験体」および「(複数の)被験体」は、ヒト、飼育動物(例えば、イヌおよびネコ)、家畜動物(例えば、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギおよびブタ)、実験動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ブタ、ウサギ、イヌ、およびサル)などを指す。
【0038】
本明細書で使用される「処置」または「処置する」は、有益なまたは所望の結果を得るための手法である。本開示の目的では、有益なまたは所望の結果には、症状の軽減および/または症状の程度の減少および/または疾患もしくは状態に伴う症状の悪化の防止が含まれるが、それらに限定されない。一実施形態では、「処置」または「処置する」は、以下の、a)疾患または状態の阻害(例えば、疾患もしくは状態から生じた1つもしくは複数の症状の低減、および/または疾患もしくは状態の程度の減少)、b)疾患または状態に伴う1つまたは複数の症状の発生の緩徐または停止(例えば、疾患または状態の安定化、疾患または状態の悪化または進行の遅延)、ならびにc)疾患または状態の軽減、例えば臨床症状の退行を引き起こし、病状を寛解させ、疾患の進行を遅延させ、生活の質を向上させ、かつ/または生存期間を延長することの1つまたは複数を含む。
【0039】
本明細書で使用される、疾患または状態の発生の「遅延」とは、疾患または状態の発生を延期し、妨害し、緩徐し、遅延させ、安定化させ、かつ/または先延ばしにすることを意味する。この遅延は、処置を受ける疾患および/または個体の病歴に応じて、様々な長さの期間となり得る。当業者には明らかであるとおり、十分なまたは著しい遅延は、実際、個体が疾患または状態を発症しないという点で防止を包含し得る。例えば、AIDSの発生を「遅延させる」方法は、その方法を使用しない場合と比較して、所与の時間枠内で疾患発生確率を低減し、かつ/または所与の時間枠内で疾患の程度を低減する方法である。このような比較は、臨床研究に基づき、統計的に有意な数の被験体を使用することができる。例えばAIDSの発生は、公知の方法を使用し、例えば個体のHIV
+状態を確認し、個体のT細胞計数またはAIDS発生の他の指標、例えば極度の疲労、体重減少、持続的な下痢、高熱、頸部リンパ節、腋窩もしくは鼠径部の腫れ、AIDSと関連することが公知の日和見状態(例えば、一般に免疫系が機能している個体には存在しないが、AIDS患者に生じる状態)の存在を評価して、検出することができる。また発生は、最初に検出不可能な場合がある疾患の進行を指し、発症、再発および開始を含む。
【0040】
本明細書で使用される「防止」または「防止する」は、疾患の臨床症状が発生しないように、疾患または障害の開始から保護するレジメンを指す。したがって、「防止」は、疾患の徴候が被験体において検出可能となる前に、被験体に治療を施す(例えば治療物質を投与する)ことに関する(例えば、検出可能な感染病原体(例えばウイルス)が存在しない被験体に、治療物質を投与する)。被験体は、疾患または障害を発症する危険がある個体、例えば疾患または障害の発生または開始と関連することが公知の1つまたは複数の危険因子を有する個体であり得る。したがって、「HIV感染症を防止する」という用語は、検出可能なHIV感染症を有していない被験体に、抗HIV治療物質を投与することを指す。防止的抗HIV治療のための被験体は、HIVウイルスに罹患する危険がある個体であり得ると理解される。
【0041】
本明細書で使用される「危険がある」個体とは、処置を受ける状態を発症する危険がある個体である。「危険がある」個体は、検出可能な疾患または状態を有していても有していなくてもよく、本明細書に記載の処置方法を受ける前に、検出可能な疾患を示していても示していなくてもよい。「危険がある」は、個体が、疾患または状態の発生と相関する当技術分野で公知の測定可能なパラメータである、1つまたは複数のいわゆる危険因子を有していることを示す。これらの危険因子の1つまたは複数を有する個体は、これらの危険因子のない個体よりも疾患または状態を発生する確率が高い。例えば、AIDSの危険がある個体は、HIVを有する個体である。
【0042】
本明細書で使用される用語「有効量」は、疾患を処置するために被験体に投与されると、その疾患の処置を十分に行う化合物の量を含む、所望の生物学的または医学的応答を誘発するのに有効な量を指す。有効量は、化合物、疾患およびその重症度、ならびに処置を受ける被験体の年齢、体重などに応じて変わる。有効量は、様々な量を含み得る。当技術分野で理解されているとおり、有効量は、1回または複数回用量であってよく、すなわち所望の処置エンドポイントを達成するために、単回用量または複数回用量が必要とされ得る。有効量は、1種または複数種の治療剤を投与する文脈で考慮することができ、単一の剤は、他の1種または複数種の剤と併せて、望ましいまたは有益な結果が達成され得るまたは達成される場合に、有効量で与えられるとみなすことができる。併用投与される任意の化合物の適切な用量は、化合物の組合せ作用(例えば、付加効果または相乗効果)に起因して、任意選択で低減することができる。
【0043】
別段明確に定義されている場合を除いて、本開示は、わずか1つの互変異性体が明確に提示されていても、本明細書で詳説されている化合物のあらゆる互変異性体を含む(例えば、一対の2つの互変異性体が存在し得る場合には、一方の互変異性体の形態を提示することによって、両方の互変異性体の形態が意図され、説明される)。例えば、ラクタムを含有する化合物に言及する場合(例えば構造または化学名によって)、対応するラクチム互変異性体は本開示に含まれ、ラクチムが単独でまたはラクタムと一緒に明確に引用されているかのように説明されていると理解される。2種を超える互変異性体が存在し得る場合、本開示は、単一の互変異性体の形態だけが化学名および/または構造によって図示されていても、このようなあらゆる互変異性体(tautuomers)を含む。
【0044】
本明細書に詳説されている組成物は、本開示の化合物を、立体異性体のラセミもしくは非ラセミ混合物で含んでよく、本開示の化合物を実質的に純粋な異性体として含んでよい。立体異性体には、鏡像異性体およびジアステレオマーが含まれる。化合物は、1つまたは複数の不斉中心または非対称置換を伴う二重結合を有する場合、立体異性形態で存在することができ、したがって、個々の立体異性体としてまたは混合物として生成され得る。別段指定されない限り、この説明は、個々の立体異性体ならびに混合物を含むことが意図される。立体化学を決定し、立体異性体を分離する方法は、当技術分野で周知である(例えば、Advanced Organic Chemistry、第4版の第4章、J. March、John Wiley and Sons、New York、1992年参照)。
【0045】
本開示はまた、任意または全ての原子において、それらに限定されるものではないが重水素(
2HまたはD)などの1種または複数種の同位体により天然に存在する同位体比を超えて富化され得る本明細書に開示の任意の化合物を含むことを、当業者は理解されたい。
【0046】
炭素原子に結合している1〜n個の水素原子(nは、分子中の水素原子の数である)が、重水素原子またはDによって置き換えられ得る化合物も開示される。当技術分野で公知のとおり、重水素原子は、水素原子の非放射性同位体である。このような化合物は、代謝抵抗性を増大させる場合があり、したがって哺乳動物に投与される場合、化合物の半減期を増大させるのに有用であり得る。例えば、Foster、「Deuterium Isotope Effects in Studies of Drug Metabolism」、Trends Pharmacol. Sci.、5巻(12号):524〜527頁(1984年)参照。このような化合物は、当技術分野で周知の手段によって、例えば1つまたは複数の水素原子が重水素によって置き換えられている出発材料を用いることによって合成される。
【0047】
本明細書に記載の所与の式の化合物は、別段の指定がない限り、開示の化合物、ならびにそのあらゆる薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物および重水素化形態を包含する。
【0048】
特定の置換基に応じて、式Iの化合物は、互変異性体の形態で存在し得る。所与の化合物構造について、2種または2種超の互変異性体の形態が存在し得ると理解される。例えば、式Iの化合物(式中、R
2は−OHである)は、少なくとも以下の互変異性体の形態で存在し得る。
【化8】
【0049】
当業者に理解されるとおり、他の様々な互変異性体の形態が存在する可能性があり、それらは、式Iの化合物に包含されることが意図される。本明細書の一部の説明は、明確に「その互変異性体」に言及しているが、このような用語がない状態でも、互変異性体が意図され、説明されていると理解される。さらに、式Iの化合物は、様々な互変異性体の形態間で変化してもよく、化合物の特定の環境に基づいて様々な比の各形態で存在してもよいと理解される。
【0050】
本明細書に開示の化合物は、キラル中心を含有することができ、(R)もしくは(S)配置のいずれかであり得るか、またはそれらの混合物を含み得る。したがって本開示は、適用できる場合には、個々のまたは任意の割合で混ぜ合わされた、本明細書に記載の化合物の立体異性体を含む。立体異性体には、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ混合物、ならびにそれらの組合せが含まれ得るが、それらに限定されない。このような立体異性体は、従来技術を使用し、鏡像異性の出発材料を反応させるか、または本開示の化合物の異性体を分離することによって調製し、分離することができる。
【0051】
本開示の化合物は、1つまたは複数のキラル中心を有する式(I)による化合物であってよく、(R)もしくは(S)配置のいずれかであり得るか、またはそれらの混合物を含み得る。
【0052】
本開示は、式Iの化合物のラセミ混合物、および式(I)の単離された異性体またはそれらの任意の変化物(variation)の両方を含む。本開示の化合物に1個超のキラル中心が存在する場合、キラル中心の一部もしくは全てが鏡像異性的に富化される場合があるか、またはそのいずれもが富化されない場合がある。したがって、式(I)の化合物の混合物は、1つもしくは複数のキラル中心に関してラセミであってよく、かつ/または1つもしくは複数のキラル中心に関して鏡像異性的に富化されていてよい。
【0053】
本開示は式(I)の化合物
【化9】
またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩に関する
[式中、
X
1、X
2、X
3、およびX
4は、それぞれ独立に、C(R
7)またはNであり、ここで、X
1、X
2、X
3、およびX
4のうち0〜2個がNであり、
R
1は、−H、−CN、−OR
a、C
1〜6ハロアルキル、またはハロゲンであり、
R
2は、−H、−NR
bR
c、−SR
a、−OR
a、またはC
1〜6アルキルであり、ここで、C
1〜6アルキルは、同じでも異なっていてもよい1、2、3、4、または5個のR
8基で任意選択的に置換されており、
R
3およびR
4は、それぞれ独立に、−H、−OR
a、ハロゲン、−NR
bR
c、−C(O)OR
a、−CN、−C(O)NR
bR
c、−NHC(O)NR
bR
c、−OC(O)NR
bR
c、CH
2C(O)NR
bR
c、C
1〜6アルキル、またはC
1〜6ヘテロアルキルであり、ここで、各C
1〜6アルキルまたはC
1〜6ヘテロアルキルは、同じでも異なっていてもよい1、2、3、4、または5個のR
8基で任意選択的に置換されており、
R
5およびR
6は、それぞれ独立に、ハロゲン、−OR
a、またはC
1〜6アルキルであり、ここで、各C
1〜6アルキルは、同じでも異なっていてもよい1、2、3、4、または5個のR
8基で任意選択的に置換されており、
各R
7は、独立に、−H、ハロゲン、−OR
a、またはC
1〜6アルキルであり、ここで、各C
1〜6アルキルは、同じでも異なっていてもよい1、2、3、4、または5個のR
8基で任意選択的に置換されており、
各R
8は、独立に、C
1〜6アルキル、C
1〜6ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、−OR
a、−C(O)R
a、−C(O)OR
a、−C(O)NR
bR
c、−OC(O)NR
bR
c、−NR
bC(O)OR
a、−SR
a、−S(O)
1〜2R
a、−S(O)
2F、−S(O)
2NR
bR
c、−NR
bS(O)
2R
a、−N
3、−CN、または−NO
2であり、ここで、各C
1〜6アルキル、C
1〜6ヘテロアルキル、アリール、またはヘテロアリールは、同じでも異なっていてもよい1、2、3、4、または5個の、ハロゲン基、−OR
a基、−C(O)R
a基、−C(O)OR
a基、−C(O)NR
bR
c基、−OC(O)NR
bR
c基、−NR
bC(O)OR
a基、−SR
a基、−S(O)
1〜2R
a基、−S(O)
2F基、−S(O)
2NR
bR
c基、−NR
bS(O)
2R
a基、−N
3基、−CN基、または−NO
2基で任意選択的に置換されており、
各R
aは、独立に、−H、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6ヘテロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、各アリールまたはヘテロアリールは、同じでも異なっていてもよい1、2、3、4、または5個のR
21基で任意選択的に置換されており、
R
bおよびR
cは、それぞれ独立に、−H、−NH
2、C
1〜6アルキル、C
1〜6ヘテロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、ここで、各C
1〜6アルキル、C
1〜6ヘテロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールは、1、2、3、4、もしくは5個のR
21基で任意選択的に置換されており、またはR
bおよびR
cは、それらが結合している原子と一緒になって、C
1〜10ヘテロシクロアルキルを形成し、
R
21は、C
1〜6アルキル、−CN、アリール、ヘテロアリール、またはハロゲンである]。
【0054】
式(I)におけるある特定の実施形態では、R
2は、−H、−NR
bR
c、または−OHである。
【0055】
式(I)におけるある特定の実施形態では、R
2は、−H、−NH
2、または−OHである。
【0056】
式(I)におけるある特定の実施形態では、R
2は、−NH
2である。ある特定の実施形態では、R
2は、−Hである。
【0057】
式(I)におけるある特定の実施形態では、R
3およびR
4は、それぞれ独立に、−H、−OR
a、ハロゲン、−NR
bR
c、−C(O)OR
a、または−C(O)NR
bR
cである。式(I)におけるある特定の実施形態では、R
3およびR
4は、それぞれ独立に、−H、C(O)OR
a、または−C(O)NR
bR
cである。
【0058】
式(I)におけるある特定の実施形態では、R
3およびR
4は−Hである。
【0059】
一変形形態では、本開示は、式(I)の化合物である式(Ia)の化合物
【化10】
またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩に関する。
【0060】
式(I)および(Ia)におけるある特定の実施形態では、
【化11】
は、
【化12】
から選択される。
【0061】
式(I)および(Ia)におけるある特定の実施形態では、
【化13】
は
【化14】
である。ある特定の実施形態では、
【化15】
は
【化16】
である。ある特定の実施形態では、
【化17】
は
【化18】
である。ある特定の実施形態では、
【化19】
は
【化20】
である。
【0062】
一変形形態では、本開示は、式(I)の化合物である式(Ib)の化合物
【化21】
またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩に関する。
【0063】
式(I)および(Ib)におけるある特定の実施形態では、
【化22】
は
【化23】
から選択される。
【0064】
式(I)および(Ib)におけるある特定の実施形態では、
【化24】
は
【化25】
である。ある特定の実施形態では、
【化26】
は
【化27】
である。
【0065】
式(I)、(Ia)、および(Ib)におけるある特定の実施形態では、R
5およびR
6は、それぞれ独立に、ハロゲン、−O−C
1〜6アルキル、またはC
1〜6アルキルであり、ここで、各C
1〜6アルキルは、同じでも異なっていてもよい1、2、3、4、または5個のR
8基で任意選択的に置換されている。
【0066】
式(I)、(Ia)、および(Ib)におけるある特定の実施形態では、R
5およびR
6は、それぞれ独立に、C
1〜3アルキルである。
【0067】
式(I)、(Ia)、および(Ib)におけるある特定の実施形態では、R
5およびR
6は、それぞれ独立に、−CH
3である。
【0068】
式(I)、(Ia)、および(Ib)におけるある特定の実施形態では、R
1は、−H、−CN、−O−C
1〜6アルキル、−CF
3、−O−C
1〜3ハロアルキル、またはハロゲンである。
【0069】
式(I)、(Ia)、および(Ib)におけるある特定の実施形態では、R
1は−CNである。
【0070】
式(I)、(Ia)、および(Ib)におけるある特定の実施形態では、各R
7は、独立に、−H、ハロゲン、−O−C
1〜6アルキル、またはC
1〜6アルキルであり、ここで、各C
1〜6アルキルは、同じでも異なっていてもよい1、2、3、4、または5個のR
8基で任意選択的に置換されている。
【0071】
式(I)、(Ia)、および(Ib)におけるある特定の実施形態では、各R
7は、独立に、−HまたはC
1〜3アルキルである。
【0072】
式(I)、(Ia)、および(Ib)におけるある特定の実施形態では、各R
7は−Hである。
【0073】
式(I)、(Ia)、および(Ib)の
【化28】
に関する任意の可変基は、それぞれおよび全ての組合せが具体的に個々に列挙されている場合と同じように、式(I)、(Ia)、および(Ib)におけるR
2の任意の可変基と組み合わせられ得ることが理解される。例えば、式(I)、(Ia)、および(Ib)の一変形形態では、
【化29】
は
【化30】
であり、R
2は、−NH
2である。別の変形形態では、
【化31】
は
【化32】
であり、R
2は、−NH
2である。別の変形形態では、
【化33】
は
【化34】
であり、R
2は、−NH
2である。別の変形形態では、
【化35】
は
【化36】
であり、R
2は、−Hである。別の変形形態では、
【化37】
は
【化38】
であり、R
2は、−NH
2である。別の変形形態では、
【化39】
は
【化40】
であり、R
2は、−Hである。
【0074】
式(I)、(Ia)、および(Ib)のR
5に関する任意の可変基は、それぞれおよび全ての組合せが具体的に個々に列挙されている場合と同じように、式(I)、(Ia)、および(Ib)におけるR
2の任意の可変基と組み合わせられ得ることが理解される。例えば、式(I)、(Ia)、および(Ib)の一変形形態では、R
5はメチルであり、R
2は−NH
2である。別の変形形態では、R
5は、メチルであり、R
2は、−Hである。
【0075】
式(I)、(Ia)、および(Ib)のR
6に関する任意の可変基は、それぞれおよび全ての組合せが具体的に個々に列挙されている場合と同じように、式(I)、(Ia)、および(Ib)におけるR
2の任意の可変基と組み合わせられ得ることが理解される。例えば、式(I)、(Ia)、および(Ib)の一変形形態では、R
6は、メチルであり、R
2は、−NH
2である。別の変形形態では、R
6は、メチルであり、R
2は、−Hである。
【0076】
式(I)、(Ia)、および(Ib)のR
3に関する任意の可変基は、それぞれおよび全ての組合せが具体的に個々に列挙されている場合と同じように、式(I)、(Ia)、および(Ib)におけるR
2の任意の可変基と組み合わせられ得ることが理解される。例えば、式(I)、(Ia)、および(Ib)の一変形形態では、R
3は、−Hであり、R
2は、−NH
2である。別の変形形態では、R
3は、−Hであり、R
2は、−Hである。
【0077】
式(I)、(Ia)、および(Ib)のR
4に関する任意の可変基は、それぞれおよび全ての組合せが具体的に個々に列挙されている場合と同じように、式(I)、(Ia)、および(Ib)におけるR
2の任意の可変基と組み合わせられ得ることが理解される。例えば、式(I)、(Ia)、および(Ib)の一変形形態では、R
4は、−Hであり、R
2は、−NH
2である。別の変形形態では、R
4は、−Hであり、R
2は、−Hである。
【0078】
式(I)、(Ia)、および(Ib)のR
1に関する任意の可変基は、それぞれおよび全ての組合せが具体的に個々に列挙されている場合と同じように、式(I)、(Ia)、および(Ib)におけるR
2の任意の可変基と組み合わせられ得ることが理解される。例えば、式(I)、(Ia)、および(Ib)の一変形形態では、R
1は、−CNであり、R
2は、−NH
2である。別の変形形態では、R
1は、CNであり、R
2は、−Hである。
【0079】
R
2が−NH
2である、式(I)、(Ia)、および(Ib)のある特定の実施形態では、化合物は、以下の構造上の特徴の任意の1つまたは複数を有していてもよい。
a)
【化41】
は
【化42】
から選択され、
b)R
3およびR
4は、それぞれ−Hであり、
c)R
5およびR
6は、それぞれ独立に、−CH
3であり、
d)R
1は、−CNである。
【0080】
一変形形態では、化合物は、特徴(a)〜(d)の少なくとも1つに従う。別の変形形態では、化合物は、特徴(a)〜(d)の2つまたはそれより多く(ある特定の変形形態では、全て)に従う。特定の変形形態では、化合物は、特徴(a)に従う。別の変形形態では、化合物は、特徴(a)および(b)に従う。別の変形形態では、化合物は、特徴(a)および(c)に従う。別の変形形態では、化合物は、特徴(a)および(d)に従う。
【0081】
R
2が−Hである、式(I)、(Ia)、および(Ib)のある特定の実施形態では、化合物は、以下の構造上の特徴の任意の1つまたは複数を有していてもよい。
a)
【化43】
は
【化44-1】
であり、
b)R
3およびR
4は、それぞれ−Hであり、
c)R
5およびR
6は、それぞれ独立に、−CH
3であり、
d)R
1は、−CNである。
【0082】
一変形形態では、化合物は、特徴(a)〜(d)の少なくとも1つに従う。別の変形形態では、化合物は、特徴(a)〜(d)の2つまたはそれより多く(ある特定の変形形態では、全て)に従う。特定の変形形態では、化合物は、特徴(a)に従う。別の変形形態では、化合物は、特徴(a)および(b)に従う。別の変形形態では、化合物は、特徴(a)および(c)に従う。別の変形形態では、化合物は、特徴(a)および(d)に従う。
【0083】
本開示は以下の化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
【化44-2】
【化44-3】
医薬組成物
【0084】
本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物は、通常実務に従って選択され得る従来の担体(例えば、不活性成分または添加剤材料)を用いて調製することができる。錠剤は、流動促進剤、充填剤、結合剤などを含む添加剤を含有し得る。水性組成物は、無菌形態で調製することができ、経口投与以外の送達が意図される場合、一般に等張であり得る。全ての組成物は、任意選択で、Roweら、Handbook of Pharmaceutical Excipients、第5版、American Pharmacists Association、1986年に記載のものなどの添加剤を任意選択で含有し得る。添加剤には、アスコルビン酸および他の抗酸化剤、キレート剤、例えばEDTA、炭水化物、例えばデキストリン、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ステアリン酸などが含まれ得る。ある特定の実施形態では、組成物は、固体経口剤形を含む固体剤形として開示されている。組成物のpHは、約3〜約11の範囲であり得るが、普通は約7〜10である。
【0085】
活性成分が単独で投与可能な場合、活性成分を医薬組成物として提示することが好ましい場合がある。組成物は、動物に使用するためのものおよびヒトに使用するためのものの両方とも、式(I)の少なくとも1つの化合物を、1種または複数種の許容される担体および任意選択で他の治療成分と一緒に含む。一実施形態では、医薬組成物は、式(I)の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩、薬学的に許容される担体および他の治療成分を含む。担体は、組成物のその他の成分と適合性があり、そのレシピエントに生理的に無害であるという意味で「許容される」ものである。
【0086】
組成物には、経口投与を含む様々な投与経路に適したものが含まれる。組成物は、好都合には単位剤形で提示され得、調剤分野で周知の方法のいずれかによって調製され得る。このような方法は、活性成分(例えば、式(I)の化合物またはその薬学的塩)を1種または複数種の不活性成分(例えば、担体、調剤用の添加剤など)と会合させるステップを含む。組成物は、活性成分を液体担体または微粉砕した固体担体またはその両方と、均一にかつ充分に会合させ、次に必要に応じて生成物を成形することによって調製することができる。技術および製剤は、一般に、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第21版、Lippincott Wiliams and Wilkins、ペンシルベニア州フィラデルフィア、2006年に見出される。
【0087】
経口投与に適した本明細書に記載の組成物は、それぞれ所定量の活性成分を含有する、カプセル剤、カシェ剤または錠剤を含むがそれらに限定されない別個の単位(単位剤形)として提示され得る。
【0088】
本明細書に開示の医薬組成物は、1つまたは複数の本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩を、1種または複数種の薬学的に許容される担体または添加剤および任意選択で他の治療剤と一緒に含む。活性成分を含有する医薬組成物は、所期の投与方法に適した任意の形態であってよい。経口使用のために使用される場合、例えば錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性もしくは油性懸濁剤、分散性散剤もしくは顆粒剤、乳濁液剤、硬質もしくは軟質カプセル剤、シロップ剤、またはエリキシル剤が調製され得る。経口使用が意図された組成物は、医薬組成物の製造分野で公知の任意の方法に従って調製することができ、このような組成物は、口当たりの良い調製物を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤および保存剤を含む1種または複数種の剤を含有し得る。錠剤の製造に適した非毒性の薬学的に許容される添加剤との混合物で活性成分を含有する錠剤は、許容される。これらの添加剤は、例えば不活性賦形剤、例えば炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウム、ラクトース、ラクトース一水和物、クロスカルメロースナトリウム、ポビドン、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;造粒剤および崩壊剤、例えばトウモロコシデンプンまたはアルギン酸;結合剤、例えばセルロース、微結晶性セルロース、デンプン、ゼラチンまたはアカシア;および滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであり得る。錠剤は、コーティングされていなくてもよく、胃腸管での崩壊および吸着を遅延させ、それによって持続作用を長期間もたらすためのマイクロカプセル化を含む公知の技術によってコーティングされていてもよい。例えば時間遅延材料、例えばモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルを単独で、またはワックスと共に用いることができる。
【0089】
剤形を生成するために不活性成分と組み合わされ得る活性成分の量は、所期の処置被験体および特定の投与方法に応じて変わり得る。例えば、一部の実施形態では、ヒトに経口投与するための剤形は、適切で好都合な量の担体材料(例えば、不活性成分または添加剤材料)を用いて製剤化される、およそ1〜1000mgの活性材料を含有することができる。ある特定の実施形態では、担体材料は、全組成物の約5〜約95%で変わる(重量:重量)。
【0090】
これらの実施形態の組成物は、特に先に列挙した成分に加えて、当該の組成物のタイプを考慮して当技術分野で慣例的な他の剤を含むことができ、例えば経口投与に適した組成物は、香味剤を含み得ることを理解されたい。
【0091】
ある特定の実施形態では、一変形形態の本明細書に開示の活性成分(式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩)を含む組成物は、活性成分が代謝される速度に影響を及ぼす剤を含有していない。したがって、式(I)の化合物を含む組成物は、ある特定の実施形態では、式(I)の化合物、または式(I)の化合物と別個に、連続してもしくは同時に投与される任意の他の活性成分の代謝に影響を及ぼすであろう(例えば緩徐し、妨害し、または遅延させる)剤を含まないと理解される。本明細書に詳説されている方法、キット、物品のいずれも、ある特定の実施形態では、式(I)の化合物、または式(I)のいずれか1つの化合物と別個に、連続してもしくは同時に投与される任意の他の活性成分の代謝に影響を及ぼすであろう(例えば緩徐し、妨害し、または遅延させる)剤を含まないと理解される。
使用方法
【0092】
本明細書では、それを必要とする個体におけるHIV逆転写酵素を阻害する方法であって、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を個体に投与するステップを含む方法が開示される。ある特定の実施形態では、それを必要とする個体は、HIVに感染したヒトである。ある特定の実施形態では、それを必要とする個体は、HIVに感染しているが、AIDSを発症していないヒトである。ある特定の実施形態では、それを必要とする個体は、AIDSを発症する危険性がある個体である。ある特定の実施形態では、それを必要とする個体は、HIVに感染しており、AIDSを発症しているヒトである。本明細書に開示の方法のある特定の実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩は、HIVを処置するための別の活性成分、例えばHIVプロテアーゼ阻害化合物、HIVの逆転写酵素の非ヌクレオシド阻害剤、HIVの逆転写酵素のヌクレオシド阻害剤、HIVの逆転写酵素のヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、gp41阻害剤、CXCR4阻害剤、gp120阻害剤、CCR5阻害剤、カプシド重合阻害剤、およびHIVを処置するための他の薬物、ならびにそれらの組合せと、個々に別個に、連続してまたは同時に投与される。
【0093】
ある特定の実施形態では、個体(例えばヒト)のHIVウイルス感染症を処置または防止する方法であって、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を個体に投与するステップを含む方法が開示される。
【0094】
ある特定の実施形態では、個体(例えばヒト)のHIVウイルスの複製を阻害し、AIDSを処置する、またはAIDSの開始を遅延させる方法であって、任意の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を個体に投与するステップを含む方法が開示される。
【0095】
ある特定の実施形態では、個体(例えばヒト)のHIV感染症を防止する方法であって、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を個体に投与するステップを含む方法が開示される。ある特定の実施形態では、個体は、HIVウイルスに罹患する危険があり、例えばHIVウイルスの罹患と関連することが公知の1つまたは複数の危険因子を有する個体である。
【0096】
ある特定の実施形態では、個体(例えばヒト)のHIV感染症を処置する方法であって、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を個体に投与するステップを含む方法が開示される。
【0097】
ある特定の実施形態では、個体(例えばヒト)のHIV感染症を処置する方法であって、それを必要とする個体に、治療有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を、HIVプロテアーゼ阻害化合物、HIVの逆転写酵素の非ヌクレオシド阻害剤、HIVの逆転写酵素のヌクレオシド阻害剤、HIVの逆転写酵素のヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、gp41阻害剤、CXCR4阻害剤、gp120阻害剤、CCR5阻害剤、カプシド重合阻害剤、およびHIVを処置するための他の薬物、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される、治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む方法が開示される。
【0098】
ある特定の実施形態では、HIVウイルス感染症の医学的治療(例えばHIV−1もしくはHIVウイルス(例えばHIV−1)もしくはAIDSの複製、または個体(例えばヒト)におけるAIDSの開始の遅延)において使用するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩が開示される。
【0099】
ある特定の実施形態では、個体(例えばヒト)のHIVウイルス感染症、またはHIVウイルスもしくはAIDSの複製を処置する、またはAIDSの開始を遅延させるための医薬の製造に使用するための、式(I)のいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩が開示される。一実施形態は、HIV感染症もしくはAIDSの予防的もしくは治療的処置に使用するための、またはAIDSの開始の治療的処置もしくは遅延に使用するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0100】
ある特定の実施形態では、個体(例えばヒト)のHIVウイルス感染症のための医薬を製造するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用が開示される。ある特定の実施形態では、HIVウイルス感染症の予防的または治療的処置に使用するための、式(I)のいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩が開示される。
【0101】
使用方法におけるある特定の実施形態では、投与は、処置を必要とする個体(例えばヒト)に対する投与である。使用方法におけるある特定の実施形態では、投与は、AIDSを発症する危険性がある個体(例えばヒト)に対する投与である。
【0102】
本明細書では、治療に使用するための式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩が開示される。一実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩は、個体(例えばヒト)のHIVウイルス感染症、またはHIVウイルスもしくはAIDSの複製を処置する、またはAIDSの開始を遅延させる方法で使用するためのものである。
【0103】
また本明細書では、それを必要とする個体のHIVを処置または防止する方法で使用するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩が開示される。ある特定の実施形態では、それを必要とする個体は、HIVに感染したヒトである。ある特定の実施形態では、それを必要とする個体は、HIVに感染しているが、AIDSを発症していないヒトである。ある特定の実施形態では、それを必要とする個体は、AIDSを発症する危険性がある個体である。ある特定の実施形態では、それを必要とする個体は、HIVに感染しており、AIDSを発症しているヒトである。
【0104】
また本明細書では、AIDSの治療的処置またはその開始の遅延に使用するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩が開示される。
【0105】
また本明細書では、HIV感染症の予防的または治療的な処置に使用するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩が開示される。
【0106】
ある特定の実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩は、研究手段として(例えば、被験体またはin vitroにおいてHIV逆転写酵素の阻害を研究するために)使用することができる。
投与経路
【0107】
本明細書に開示の式(I)の1つまたは複数の化合物(また本明細書では活性成分と呼ばれる)は、処置を受ける状態に適した任意の経路によって投与することができる。適切な経路には、経口、直腸、経鼻、局所(口腔内頬側および舌下を含む)、経皮、膣内および非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内、髄腔内および硬膜外を含む)などが含まれる。好ましい経路は、例えばレシピエントの状態と共に変わり得ることを理解される。ある特定の実施形態では、開示の化合物は、経口で生体利用可能であり、経口投与することができる。
投与レジメン
【0108】
式(I)の化合物などの化合物は、有効な投与レジメンに従って、所望の時間または期間、例えば少なくとも約1カ月、少なくとも約2カ月、少なくとも約3カ月、少なくとも約6カ月、または少なくとも約12カ月またはそれより長い期間にわたって、個体に投与することができる。一変形形態では、化合物は、個体の生涯にわたって毎日または間欠的スケジュールで投与される。
【0109】
式(I)の化合物の投与量または投与頻度は、投与する医師の判断に基づいて処置過程にわたって調整することができる。
【0110】
化合物は、個体(例えばヒト)に有効量で投与することができる。ある特定の実施形態では、化合物は、1日1回投与される。
【0111】
本明細書に開示の化合物(例えば、式(I)の任意の化合物)は、式Iの化合物の有効な投与量で投与され得る。例えば、投与量は、10mg〜1000mgの化合物であり得る。
組合せ
【0112】
ある特定の実施形態では、HIV感染症を有するまたは有する危険があるヒトのHIV感染症を処置または防止する方法であって、ヒトに、治療有効量の本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩を、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む方法が開示される。一実施形態では、HIV感染症を有するまたは有する危険があるヒトのHIV感染症を処置する方法であって、ヒトに、治療有効量の本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩を、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む方法が開示される。
【0113】
ある特定の実施形態では、本開示は、HIV感染症を処置する方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩を、HIV感染症を処置するのに適した治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む方法に関する。
【0114】
また本明細書では、HIVを処置または防止する方法において使用するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、およびHIVを処置するための別の活性成分が開示される。一実施形態では、HIVを処置するための別の活性成分は、HIVプロテアーゼ阻害化合物、HIVの逆転写酵素の非ヌクレオシド阻害剤、HIVの逆転写酵素のヌクレオシド阻害剤、HIVの逆転写酵素のヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、gp41阻害剤、CXCR4阻害剤、gp120阻害剤、CCR5阻害剤、カプシド重合阻害剤、およびHIVを処置するための他の薬物、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される。
【0115】
また本明細書では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩が、HIVを処置するための別の活性成分と同時に、別個にまたは連続して投与される、HIVを処置または防止する方法において使用するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩が開示される。一実施形態では、HIVを処置するための別の活性成分は、HIVプロテアーゼ阻害化合物、HIVの逆転写酵素の非ヌクレオシド阻害剤、HIVの逆転写酵素のヌクレオシド阻害剤、HIVの逆転写酵素のヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、gp41阻害剤、CXCR4阻害剤、gp120阻害剤、CCR5阻害剤、カプシド重合阻害剤、およびHIVを処置するための他の薬物、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される。
【0116】
本明細書に開示の化合物(例えば、任意の式(I)の化合物)は、式Iの化合物の任意の投与量(例えば、10mg〜1000mgの化合物)で、1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせることができる。
【0117】
一実施形態では、本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩を、1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤、および薬学的に許容される担体、賦形剤または添加剤と組み合わせて含む医薬組成物が開示される。
【0118】
一実施形態では、本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩を、1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて含むキットが開示される。
【0119】
先の実施形態では、追加の治療剤は、抗HIV剤であり得る。例えば、一部の実施形態では、追加の治療剤は、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIVの逆転写酵素の非ヌクレオシド阻害剤もしくは非ヌクレオチド阻害剤、HIVの逆転写酵素のヌクレオシド阻害剤またはヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非触媒部位(またはアロステリック)インテグラーゼ阻害剤、HIV侵入阻害剤(例えば、CCR5阻害剤、gp41阻害剤(すなわち、融合阻害剤)およびCD4付着阻害剤)、CXCR4阻害剤、gp120阻害剤、G6PDおよびNADH−酸化酵素阻害剤、HIVワクチン、HIV成熟阻害剤、潜伏活性化剤(latency reversing agent)(例えば、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤、プロテアソーム阻害剤、タンパク質キナーゼC(PKC)活性化因子、およびBRD4阻害剤)、HIVカプシドを標的化する化合物(「カプシド阻害剤」;例えば、カプシド重合阻害剤またはカプシド撹乱化合物、HIVヌクレオカプシドp7(NCp7)阻害剤、HIVp24カプシドタンパク質阻害剤)、薬物動態増強剤、免疫ベース治療(例えば、Pd−1モジュレーター、Pd−L1モジュレーター、トール様受容体モジュレーター、IL−15アゴニスト)、HIVgp120もしくはgp41を標的化するものを含むHIV抗体、二重特異性抗体および「抗体様」治療タンパク質(例えば、DARTs(登録商標)、Duobodies(登録商標)、Bites(登録商標)、XmAbs(登録商標)、TandAbs(登録商標)、Fab誘導体)、HIVのための組合せ薬物、HIVp17マトリックスタンパク質阻害剤、IL−13アンタゴニスト、ペプチジル−プロリルシス−トランス異性化酵素Aモジュレーター、タンパク質ジスルフィド異性化酵素阻害剤、補体C5a受容体アンタゴニスト、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、HIVvif遺伝子モジュレーター、HIV−1ウイルス感染因子阻害剤、TATタンパク質阻害剤、HIV−1Nefモジュレーター、Hckチロシンキナーゼモジュレーター、混合系統キナーゼ−3(MLK−3)阻害剤、Revタンパク質阻害剤、インテグリンアンタゴニスト、核タンパク質阻害剤、スプライシング因子モジュレーター、COMMドメイン含有タンパク質1モジュレーター、HIVリボヌクレアーゼH阻害剤、レトロサイクリンモジュレーター、CDK−9阻害剤、樹状ICAM−3結合ノンインテグリン1阻害剤、HIV GAGタンパク質阻害剤、HIV POLタンパク質阻害剤、補体因子Hモジュレーター、ユビキチンリガーゼ阻害剤、デオキシシチジンキナーゼ阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、プロタンパク質転換酵素PC9刺激物質、ATP依存性RNAヘリカーゼDDX3X阻害剤、逆転写酵素プライミング複合体阻害剤、PI3K阻害剤、WO2013/006738(Gilead Sciences)、US2013/0165489(University of Pennsylvania)、WO2013/091096A1(Boehringer Ingelheim)、WO2009/062285(Boehringer Ingelheim)、US20140221380(Japan Tobacco)、US20140221378(Japan Tobacco)、WO2010/130034(Boehringer Ingelheim)、WO2013/159064(Gilead Sciences)、WO2012/145728(Gilead Sciences)、WO2012/003497(Gilead Sciences)、WO2014/100323(Gilead Sciences)、WO2012/145728(Gilead Sciences)、WO2013/159064(Gilead Sciences)およびWO2012/003498(Gilead Sciences)およびWO2013/006792(Pharma Resources)に開示のものなどの化合物、およびHIVを処置するための他の薬物、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される。
【0120】
ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIVの逆転写酵素の非ヌクレオシド阻害剤または非ヌクレオチド阻害剤、HIVの逆転写酵素のヌクレオシド阻害剤またはヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非触媒部位(またはアロステリック)インテグラーゼ阻害剤、薬物動態増強剤、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される。
【0121】
ある特定の実施形態では、式(I)の化合物は、HIVを処置するのに有用な1つまたは複数の他の化合物を任意選択で含有し得る錠剤として製剤化される。ある特定の実施形態では、錠剤は、HIVを処置するための別の活性成分、例えばHIVプロテアーゼ阻害剤、HIVの逆転写酵素の非ヌクレオシド阻害剤または非ヌクレオチド阻害剤、HIVの逆転写酵素のヌクレオシド阻害剤またはヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非触媒部位(またはアロステリック)インテグラーゼ阻害剤、薬物動態増強剤、ならびにそれらの組合せを含有することができる。
【0122】
ある特定の実施形態では、このような錠剤は、1日1回投与するのに適している。ある特定の実施形態では、追加の治療剤は、以下の1つまたは複数から選択される。
(1)ATRIPLA(登録商標)(エファビレンツ+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン)、COMPLERA(登録商標)(EVIPLERA(登録商標)、リルピビリン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン)、STRIBILD(登録商標)(エルビテグラビル+コビシスタット+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン)、ドルテグラビル+アバカビル硫酸塩+ラミブジン、ドルテグラビル+アバカビル硫酸塩+ラミブジン、ラミブジン+ネビラピン+ジドブジン、ドルテグラビル+リルピビリン、アタザナビル硫酸塩+コビシスタット、ダルナビル+コビシスタット、エファビレンツ+ラミブジン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩+エムトリシタビン+コビシスタット+エルビテグラビル、Vacc−4x+ロミデプシン、ダルナビル+テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩+エムトリシタビン+コビシスタット、APH−0812、ラルテグラビル+ラミブジン、KALETRA(登録商標)(ALUVIA(登録商標)、ロピナビル+リトナビル)、アタザナビル硫酸塩+リトナビル、COMBIVIR(登録商標)(ジドブジン+ラミブジン、AZT+3TC)、EPZICOM(登録商標)(Livexa(登録商標)、アバカビル硫酸塩+ラミブジン、ABC+3TC)、TRIZIVIR(登録商標)(アバカビル硫酸塩+ジドブジン+ラミブジン、ABC+AZT+3TC)、TRUVADA(登録商標)(テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン、TDF+FTC)、テノホビル+ラミブジンおよびラミブジン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩からなる群から選択される組合せ薬物、
(2)アンプレナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル、ホスアンプレナビルカルシウム、インジナビル、インジナビル硫酸塩、ロピナビル、リトナビル、ネルフィナビル、ネルフィナビルメシル酸塩、サキナビル、サキナビルメシル酸塩、チプラナビル、ブレカナビル、ダルナビル、DG−17、TMB−657(PPL−100)およびTMC−310911からなる群から選択されるHIVプロテアーゼ阻害剤、
(3)デラビルジン、デラビルジンメシル酸塩、ネビラピン、エトラビリン、ダピビリン、ドラビリン、リルピビリン、エファビレンツ、KM−023、VM−1500、レンチナンおよびAIC−292からなる群から選択されるHIVの逆転写酵素の非ヌクレオシド阻害剤または非ヌクレオチド阻害剤、
(4)VIDEX(登録商標)およびVIDEX(登録商標)EC(ジダノシン、ddl)、ジドブジン、エムトリシタビン、ジダノシン、スタブジン、ザルシタビン、ラミブジン、センサブジン(censavudine)、アバカビル、アバカビル硫酸塩、アムドキソビル、エルブシタビン(elvucitabine)、アロブジン、ホスファジド(phosphazid)、ホジブジンチドキシル(fozivudine tidoxil)、アプリシタビン(apricitabine)、アムドキソビル、KP−1461、フォサルブジンチドキシル(fosalvudine tidoxil)、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルヘミフマル酸塩、テノホビルアラフェナミド、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩、アデホビル、アデホビルジピボキシル、およびフェスチナビル(festinavir)からなる群から選択されるHIVの逆転写酵素のヌクレオシド阻害剤またはヌクレオチド阻害剤、
(5)クルクミン、クルクミンの誘導体、チコリ酸、チコリ酸の誘導体、3,5−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸の誘導体、アウリントリカルボン酸、アウリントリカルボン酸の誘導体、コーヒー酸フェネチルエステル、コーヒー酸フェネチルエステルの誘導体、チロホスチン、チロホスチンの誘導体、ケルセチン、ケルセチンの誘導体、ラルテグラビル、エルビテグラビル、ドルテグラビルおよびカボテグラビル(cabotegravir)からなる群から選択されるHIVインテグラーゼ阻害剤、
(6)CX−05168、CX−05045およびCX−14442からなる群から選択されるHIV非触媒部位またはアロステリックインテグラーゼ阻害剤(NCINI)、
(7)エンフビルチド、シフビルチド(sifuvirtide)およびアルブビルチド(albuvirtide)からなる群から選択されるHIVgp41阻害剤、
(8)セニクリビロック(cenicriviroc)からなる群から選択されるHIV侵入阻害剤、
(9)Radha−108(Receptol)およびBMS−663068からなる群から選択されるHIVgp120阻害剤、
(10)アプラビロク、ビクリビロク、マラビロク、セニクリビロック、PRO−140、Adaptavir(RAP−101)、TBR−220(TAK−220)およびvMIP(Haimipu)からなる群から選択されるCCR5阻害剤、
(11)イバリズマブ(ibalizumab)からなる群から選択されるCD4付着阻害剤、
(12)プレリキサフォル、ALT−1188、vMIPおよびHaimipuからなる群から選択されるCXCR4阻害剤、
(13)コビシスタットおよびリトナビルからなる群から選択される薬物動態増強剤、
(14)dermaVir、インターロイキン−7、レクスジェンルーセル(lexgenleucel)−T(VRX−496)、プラケニル(ヒドロキシクロロキン)、プロロイキン(アルデスロイキン、IL−2)、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ−2b、インターフェロンアルファ−n3、ペグ化インターフェロンアルファ、インターフェロンガンマ、ヒドロキシ尿素、ミコフェノール酸モフェチル(MPA)およびそのエステル誘導体ミコフェノール酸モフェチル(MMF)、WF−10、リバビリン、IL−2、IL−2XL、IL−12、ポリマーポリエチレンイミン(PEI)、Gepon、VGV−1、MOR−22、BMS−936559、トール様受容体モジュレーター(tlr1、tlr2、tlr3、tlr4、tlr5、tlr6、tlr7、tlr8、tlr9、tlr10、tlr11、tlr12およびtlr13)、リンタトリモド(rintatolimod)およびIR−103からなる群から選択される免疫ベース治療、
(15)ペプチドワクチン、組換え型サブユニットタンパク質ワクチン、生ベクターワクチン、DNAワクチン、ウイルス様粒子ワクチン(偽ウイルスワクチン)、CD4由来のペプチドワクチン、ワクチンの組合せ、rgp120(AIDSVAX)、ALVAC HIV(vCP1521)/AIDSVAX B/E(gp120)(RV144)、Remune、ITV−1、Contre Vir、Ad5−ENVA−48、DCVax−001(CDX−2401)、PEP−6409、Vacc−4x、Vacc−C5、VAC−3S、多系統群のDNA組換え型アデノウイルス−5(rAd5)、Pennvax−G、VRC−HIV MAB060−00−AB、AVX−101、Tat Oyiワクチン、AVX−201、HIV−LAMP−vax、Ad35、Ad35−GRIN、NAcGM3/VSSP ISA−51、ポリ−ICLCアジュバント化ワクチン、TatImmune、GTU−multiHIV(FIT−06)、AGS−004、gp140[デルタ]V2.TV1+MF−59、rVSVIN HIV−1gagワクチン、SeV−Gagワクチン、AT−20、DNK−4、Ad35−GRIN/ENV、TBC−M4、HIVAX、HIVAX−2、NYVAC−HIV−PT1、NYVAC−HIV−PT4、DNA−HIV−PT123、Vichrepol、rAAV1−PG9DP、GOVX−B11、GOVX−B21、ThV−01、TUTI−16、VGX−3300、TVI−HIV−1、Ad−4(Ad4−env系統群C+Ad4−mGag)、EN41−UGR7C、EN41−FPA2、PreVaxTat、TL−01、SAV−001、AE−H、MYM−V101、CombiHIVvac、ADVAX、MYM−V201、MVA−CMDRおよびDNA−Ad5gag/pol/nef/nev(HVTN505)からなる群から選択されるHIVワクチン、
(16)バビツキシマブ、UB−421、C2F5、C2G12、C4E10、C2F5+C2G12+C4E10、3−BNC−117、KD−247、PGT145、PGT121、MDX010(イピリムマブ)、VRC01、A32、7B2、10E8およびVRC07からなる群から選択されるHIV gp120またはgp41を標的化するもの、BMS−936559、およびTMB−360を含むHIV抗体、二重特異性抗体および「抗体様」治療タンパク質(例えばDARTs(登録商標)、Duobodies(登録商標)、Bites(登録商標)、XmAbs(登録商標)、TandAbs(登録商標)、Fab誘導体)、
(17)ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤、例えばロミデプシン、ボリノスタット、パノビノスタット;プロテアソーム阻害剤、例えばVelcade;タンパク質キナーゼC(PKC)活性化因子、例えばIndolactam、Prostratin、Ingenol BおよびDAG−ラクトン、イオノマイシン、GSK−343、PMA、SAHA、BRD4阻害剤、IL−15、JQ1、ジスルフラム(disulfram)、ならびにアンホテリシンBからなる群から選択される潜伏活性化剤、
(18)アゾジカルボンアミドからなる群から選択されるHIVヌクレオカプシドp7(NCp7)阻害剤、
(19)BMS−955176およびGSK−2838232からなる群から選択されるHIV成熟阻害剤、
(20)イデラリシブ、AZD−8186、ブパルリシブ(buparlisib)、CLR−457、ピクチリシブ(pictilisib)、ネラチニブ、リゴセルチブ、リゴセルチブナトリウム、EN−3342、TGR−1202、アルペリシブ(alpelisib)、デュベリシブ(duvelisib)、UCB−5857、タセリシブ(taselisib)、XL−765、ゲダトリシブ(gedatolisib)、VS−5584、コパンリシブ(copanlisib)、CAIオロチン酸塩、ペリフォシン、RG−7666、GSK−2636771、DS−7423、パヌリシブ(panulisib)、GSK−2269557、GSK−2126458、CUDC−907、PQR−309、INCB−040093、ピララリシブ(pilaralisib)、BAY−1082439、プキチニブ(puquitinib)メシル酸塩、SAR−245409、AMG−319、RP−6530、ZSTK−474、MLN−1117、SF−1126、RV−1729、ソノリシブ(sonolisib)、LY−3023414、SAR−260301およびCLR−1401からなる群から選択されるPI3K阻害剤、
(21)WO2004/096286(Gilead Sciences)、WO2006/110157(Gilead Sciences)、WO2006/015261(Gilead Sciences)、WO2013/006738(Gilead Sciences)、US2013/0165489(University of Pennsylvania)、US20140221380(Japan Tobacco)、US20140221378(Japan Tobacco)、WO2013/006792(Pharma Resources)、WO2009/062285(Boehringer Ingelheim)、WO2010/130034(Boehringer Ingelheim)、WO2013/091096A1(Boehringer Ingelheim)、WO2013/159064(Gilead Sciences)、WO2012/145728(Gilead Sciences)、WO2012/003497(Gilead Sciences)、WO2014/100323(Gilead Sciences)、WO2012/145728(Gilead Sciences)、WO2013/159064(Gilead Sciences)およびWO2012/003498(Gilead Sciences)に開示の化合物、ならびに
(22)TR−452、MK−8591、REP9、CYT−107、アリスポリビル(alisporivir)、NOV−205、IND−02、メテンケファリン(metenkefalin)、PGN−007、アセマンナン、Gamimune、SCY−635、プロラスチン、1,5−ジカフェオイルキナ酸、BIT−225、RPI−MN、VSSP、Hlviral、IMO−3100、SB−728−T、RPI−MN、VIR−576、HGTV−43、MK−1376、rHIV7−shl−TAR−CCR5RZ、MazF遺伝子療法、BlockAideおよびPA−1050040(PA−040)からなる群から選択されるHIVを処置するための他の薬物。
【0123】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、1種、2種、3種、4種またはそれより多種の追加の治療剤と組み合わされる。ある特定の実施形態では、本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、2種の追加の治療剤と組み合わされる。他の実施形態では、本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、3種の追加の治療剤と組み合わされる。さらなる実施形態では、本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、4種の追加の治療剤と組み合わされる。1種、2種、3種、4種またはそれより多種の追加の治療剤は、同じクラスの治療剤から選択される異なる治療剤であってよく、かつ/または異なるクラスの治療剤から選択され得る。特定の一実施形態では、本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、HIVの逆転写酵素のヌクレオシド阻害剤またはヌクレオチド阻害剤、およびHIVの逆転写酵素の非ヌクレオシド阻害剤と組み合わされる。別の特定の実施形態では、本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、HIVの逆転写酵素のヌクレオシド阻害剤またはヌクレオチド阻害剤、およびHIVプロテアーゼ阻害化合物と組み合わされる。さらなる一実施形態では、本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、HIVの逆転写酵素のヌクレオシド阻害剤またはヌクレオチド阻害剤、HIVの逆転写酵素の非ヌクレオシド阻害剤、およびHIVプロテアーゼ阻害化合物と組み合わされる。さらなる一実施形態では、本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、HIVの逆転写酵素のヌクレオシド阻害剤またはヌクレオチド阻害剤、HIVの逆転写酵素の非ヌクレオシド阻害剤、および薬物動態増強剤と組み合わされる。ある特定の実施形態では、本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、少なくとも1つのHIVの逆転写酵素のヌクレオシド阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、および薬物動態賦活薬と組み合わされる。別の実施形態では、本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、HIVの逆転写酵素の2つのヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤と組み合わされる。
【0124】
特定の一実施形態では、本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、ラルテグラビル、Truvada(登録商標)(テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン、TDF+FTC)、マラビロク、エンフビルチド、Epzicom(登録商標)(Livexa(登録商標)、アバカビル硫酸塩+ラミブジン、ABC+3TC)、Trizivir(登録商標)(アバカビル硫酸塩+ジドブジン+ラミブジン、ABC+AZT+3TC)、アデホビル、アデホビルジピボキシル、Stribild(登録商標)(エルビテグラビル+コビシスタット+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン)、リルピビリン、リルピビリン塩酸塩、Complera(登録商標)(Eviplera(登録商標)、リルピビリン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン)、Cobicistat、Atripla(登録商標)(エファビレンツ+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩+エムトリシタビン)、アタザナビル、アタザナビル硫酸塩、ドルテグラビル、エルビテグラビル、Aluvia(登録商標)(Kaletra(登録商標)、ロピナビル+リトナビル)、リトナビル、エムトリシタビン、アタザナビル硫酸塩+リトナビル、ダルナビル、ラミブジン、プロラスチン、ホスアンプレナビル、ホスアンプレナビルカルシウム、エファビレンツ、Combivir(登録商標)(ジドブジン+ラミブジン、AZT+3TC)、エトラビリン、ネルフィナビル、ネルフィナビルメシル酸塩、インターフェロン、ジダノシン、スタブジン、インジナビル、インジナビル硫酸塩、テノホビル+ラミブジン、ジドブジン、ネビラピン、サキナビル、サキナビルメシル酸塩、アルデスロイキン、ザルシタビン、チプラナビル、アンプレナビル、デラビルジン、デラビルジンメシル酸塩、Radha−108(Receptol)、Hlviral、ラミブジン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、エファビレンツ+ラミブジン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、ホスファジド、ラミブジン+ネビラピン+ジドブジン、アバカビル、アバカビル硫酸塩、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドおよびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩から選択される1種、2種、3種、4種またはそれより多種の追加の治療剤と組み合わされる。
【0125】
特定の一実施形態では、本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、アバカビル硫酸塩、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルヘミフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドまたはテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩と組み合わされる。
【0126】
特定の一実施形態では、本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルアラフェナミド、またはテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩と組み合わされる。
【0127】
特定の一実施形態では、本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、アバカビル硫酸塩、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルアラフェナミド、およびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩からなる群から選択される第1の追加の治療剤、ならびにエムトリシタビンおよびラミブジンからなる群から選択される第2の追加の治療剤と組み合わされる。
【0128】
特定の一実施形態では、本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルアラフェナミド、およびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩からなる群から選択される第1の追加の治療剤、ならびにエムトリシタビンである第2の追加の治療剤と組み合わされる。
【0129】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、5〜30mgのテノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、またはテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。ある特定の実施形態では、本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、5〜10、5〜15、5〜20、5〜25、25〜30、20〜30、15〜30または10〜30mgのテノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩またはテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。ある特定の実施形態では、本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、10mgのテノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩またはテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。ある特定の実施形態では、本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、25mgのテノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩またはテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。本明細書に開示の化合物(例えば、式(I)の化合物)は、あたかも投与量の各組合せが具体的に個々に列挙されている場合と同じように、任意の投与量の化合物(例えば、10mg〜500mgの化合物)で、本明細書に開示の剤と組み合わせることができる。
【0130】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、200〜400mgのテノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルヘミフマル酸塩またはテノホビルジソプロキシル、および200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。ある特定の実施形態では、本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、200〜250、200〜300、200〜350、250〜350、250〜400、350〜400、300〜400または250〜400mgのテノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルヘミフマル酸塩またはテノホビルジソプロキシル、および200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。ある特定の実施形態では、本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、300mgのテノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルヘミフマル酸塩またはテノホビルジソプロキシル、および200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。本明細書に開示の化合物(例えば、式(I)の化合物)は、あたかも投与量の各組合せが具体的に個々に列挙されている場合と同じように、任意の投与量の化合物(例えば、10mg〜500mgの化合物)で、本明細書に開示の剤と組み合わせることができる。
【0131】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の化合物が、前述のとおり1種または複数種の追加の治療剤と組み合わされる場合、組成物の構成成分は、同時のまたは連続したレジメンとして投与される。組合せは、連続して投与される場合、2回またはそれを超える回数の投与で投与され得る。
【0132】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の化合物は、1種または複数種の追加の治療剤と、患者に同時に投与するための単位剤形で、例えば経口投与のための固体剤形として組み合わされる。
【0133】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の化合物は、1種または複数種の追加の治療剤と共に投与される。本明細書に開示の化合物と1種または複数種の追加の治療剤の併用投与は、一般に、治療有効量の本明細書に開示の化合物と1種または複数種の追加の治療剤が、患者体内に共に存在するように、本明細書に開示の化合物と1種または複数種の追加の治療剤を同時にまたは連続して投与することを指す。
【0134】
併用投与は、単位投与量の1種または複数種の追加の治療剤を投与する前または投与した後に、単位投与量の本明細書に開示の化合物を投与することを含み、例えば、1種または複数種の追加の治療剤を投与して数秒、数分または数時間以内に本明細書に開示の化合物を投与することを含む。例えば、一部の実施形態では、単位用量の本明細書に開示の化合物が、最初に投与され、その数秒または数分以内に単位用量の1種または複数種の追加の治療剤が投与される。あるいは、他の実施形態では、単位用量の1種または複数種の追加の治療剤が、最初に投与され、その数秒または数分以内に単位用量の本明細書に開示の化合物が投与される。一部の実施形態では、単位用量の本明細書に開示の化合物が、最初に投与され、次いで、ある期間の時間(例えば1〜12時間)の後、単位用量の1種または複数種の追加の治療剤が投与される。他の実施形態では、単位用量の1種または複数種の追加の治療剤が、最初に投与され、次いで、ある期間の時間(例えば1〜12時間)の後、単位用量の本明細書に開示の化合物が投与される。
【0135】
ある特定の実施形態では、HIV感染症を有するまたは有する危険があるヒトのHIV感染症を処置または防止する方法であって、ヒトに、治療有効量の本明細書に開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む方法が提供される。一実施形態では、HIV感染症を有するまたは有する危険があるヒトのHIV感染症を処置する方法であって、ヒトに、治療有効量の本明細書に開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、治療有効量の1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む方法が提供される。
【0136】
一実施形態では、本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩を、1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤、および薬学的に許容される担体、賦形剤、または添加剤と組み合わせて含む医薬組成物が提供される。
【0137】
ある特定の実施形態では、本開示は、HIV感染症を処置する方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の本明細書に開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、HIV感染症を処置するのに適した治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む方法を提供する。
【0138】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の化合物または薬学的に許容されるその塩は、1種、2種、3種、4種、またはそれより多種の追加の治療剤と組み合わされる。ある特定の実施形態では、本明細書に開示の化合物または薬学的に許容されるその塩は、2種の追加の治療剤と組み合わされる。他の実施形態では、本明細書に開示の化合物または薬学的に許容されるその塩は、3種の追加の治療剤と組み合わされる。さらなる実施形態では、本明細書に開示の化合物または薬学的に許容されるその塩は、4種の追加の治療剤と組み合わされる。1種、2種、3種、4種、またはそれより多種の追加の治療剤は、同じクラスの治療剤から選択される異なる治療剤であってよく、かつ/または異なるクラスの治療剤から選択され得る。
HIV併用治療の投与
【0139】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の化合物は、1種または複数種の追加の治療剤と共に投与される。本明細書に開示の化合物と1種または複数種の追加の治療剤の併用投与は、一般に、治療有効量の本明細書に開示の化合物と1種または複数種の追加の治療剤が、患者体内に共に存在するように、本明細書に開示の化合物と1種または複数種の追加の治療剤を同時または連続して投与することを指す。組合せは、連続して投与される場合、2回またはそれを超える回数の投与で投与され得る。
【0140】
併用投与は、単位投与量の1種または複数種の追加の治療剤を投与する前または投与した後に、単位投与量の本明細書に開示の化合物を投与することを含む。例えば、1種または複数種の追加の治療剤を投与して数秒、数分または数時間以内に本明細書に開示の化合物を投与することができる。一部の実施形態では、単位用量の本明細書に開示の化合物が、最初に投与され、その数秒、または数分以内に単位用量の1種または複数種の追加の治療剤が投与される。あるいは、単位用量の1種または複数種の追加の治療剤が、最初に投与され、その数秒または数分以内に単位用量の本明細書に開示の化合物が投与される。他の実施形態では、単位用量の本明細書に開示の化合物が、最初に投与され、次いで、ある期間の時間(例えば1〜12時間)の後、単位用量の1種または複数種の追加の治療剤が投与される。さらなる他の実施形態では、単位用量の1種または複数種の追加の治療剤が、最初に投与され、次いで、ある期間の時間(例えば1〜12時間)の後、単位用量の本明細書に開示の化合物が投与される。
【0141】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の化合物は、1種または複数種の追加の治療剤と、患者に同時に投与するための単位剤形で、例えば経口投与のための固体剤形として組み合わされる。
【0142】
ある特定の実施形態では、式(I)の化合物は、HIVを処置するのに有用な1つまたは複数の他の化合物を任意選択で含有し得る錠剤として製剤化される。ある特定の実施形態では、錠剤は、HIVを処置するための別の活性成分、例えばHIVプロテアーゼ阻害剤、HIVの逆転写酵素の非ヌクレオシド阻害剤または非ヌクレオチド阻害剤、HIVの逆転写酵素のヌクレオシド阻害剤またはヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非触媒部位(またはアロステリック)インテグラーゼ阻害剤、薬物動態増強剤、ならびにそれらの組合せを含有することができる。
【0143】
ある特定の実施形態では、このような錠剤は、1日1回投与するのに適している。
HIV併用治療
【0144】
先の実施形態では、追加の治療剤は、抗HIV剤であり得る。例えば、一部の実施形態では、追加の治療剤は、HIVのための組合せ薬物、HIVを処置するための他の薬物、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIVの逆転写酵素の非ヌクレオシド阻害剤または非ヌクレオチド阻害剤、HIVの逆転写酵素のヌクレオシド阻害剤またはヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非触媒部位(またはアロステリック)インテグラーゼ阻害剤、HIV侵入阻害剤、HIV成熟阻害剤、潜伏活性化剤、HIVカプシドを標的化する化合物、免疫ベース治療、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)阻害剤、HIV抗体、二重特異性抗体および「抗体様」治療タンパク質、HIVp17マトリックスタンパク質阻害剤、IL−13アンタゴニスト、ペプチジル−プロリルシス−トランス異性化酵素Aモジュレーター、タンパク質ジスルフィド異性化酵素阻害剤、補体C5a受容体アンタゴニスト、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、HIVvif遺伝子モジュレーター、Vif二量体化アンタゴニスト、HIV−1ウイルス感染因子阻害剤、TATタンパク質阻害剤、HIV−1Nefモジュレーター、Hckチロシンキナーゼモジュレーター、混合系統キナーゼ−3(MLK−3)阻害剤、HIV−1スプライシング阻害剤、Revタンパク質阻害剤、インテグリンアンタゴニスト、核タンパク質阻害剤、スプライシング因子モジュレーター、COMMドメイン含有タンパク質1モジュレーター、HIVリボヌクレアーゼH阻害剤、レトロサイクリンモジュレーター、CDK−9阻害剤、樹状ICAM−3結合非インテグリン1阻害剤、HIV GAGタンパク質阻害剤、HIV POLタンパク質阻害剤、補体因子Hモジュレーター、ユビキチンリガーゼ阻害剤、デオキシシチジンキナーゼ阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、プロタンパク質転換酵素PC9刺激物質、ATP依存性RNAヘリカーゼDDX3X阻害剤、逆転写酵素プライミング複合体阻害剤、G6PDおよびNADH−酸化酵素阻害剤、薬物動態増強剤、HIV遺伝子療法、HIVワクチン、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される。
HIV薬物の組合せ
【0145】
薬物の組合せの例として、ATRIPLA(登録商標)(エファビレンツ、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、およびエムトリシタビン);COMPLERA(登録商標)(EVIPLERA(登録商標);リルピビリン、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、およびエムトリシタビン);STRIBILD(登録商標)(エルビテグラビル、コビシスタット、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、およびエムトリシタビン);TRUVADA(登録商標)(テノホビルジソプロキシルフマル酸塩およびエムトリシタビン;TDF+FTC);ダルナビル、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、エムトリシタビン、およびコビシスタット;エファビレンツ、ラミブジン、およびテノホビルジソプロキシルフマル酸塩;ラミブジンおよびテノホビルジソプロキシルフマル酸塩;テノホビルおよびラミブジン;テノホビルアラフェナミドおよびエムトリシタビン;テノホビルアラフェナミド、エムトリシタビン、およびリルピビリン;テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩およびエムトリシタビン;テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、エムトリシタビン、およびリルピビリン;テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、エムトリシタビン、コビシスタット、およびエルビテグラビル;COMBIVIR(登録商標)(ジドブジンおよびラミブジン;AZT+3TC);EPZICOM(登録商標)(LIVEXA(登録商標);アバカビル硫酸塩およびラミブジン;ABC+3TC);KALETRA(登録商標)(ALUVIA(登録商標);ロピナビルおよびリトナビル);TRIUMEQ(登録商標)(ドルテグラビル、アバカビル、およびラミブジン);TRIZIVIR(登録商標)(アバカビル硫酸塩、ジドブジン、およびラミブジン;ABC+AZT+3TC);アタザナビルおよびコビシスタット;アタザナビル硫酸塩およびコビシスタット;アタザナビル硫酸塩およびリトナビル;ダルナビルおよびコビシスタット;ドルテグラビルおよびリルピビリン;ドルテグラビルおよびリルピビリン塩酸塩;ドルテグラビル、アバカビル硫酸塩、およびラミブジン;ラミブジン、ネビラピン、およびジドブジン;ラルテグラビルおよびラミブジン;ドラビリン、ラミブジン、およびテノホビルジソプロキシルフマル酸塩;ドラビリン、ラミブジン、およびテノホビルジソプロキシル;ロピナビル、リトナビル、ジドブジンおよびラミブジン;Vacc−4xおよびロミデプシン;ならびにAPH−0812が挙げられる。
他のHIV薬物
【0146】
HIVを処置するための他の薬物の例として、アセマンナン、アリスポリビル、BanLec、デフェリプロン(deferiprone)、Gamimune、メテンケファリン、ナルトレキソン、プロラスチン、REP9、RPI−MN、VSSP、H1viral、SB−728−T、1,5−ジカフェオイルキナ酸、rHIV7−shl−TAR−CCR5RZ、AAV−eCD4−Ig遺伝子療法、MazF遺伝子療法、BlockAide、ABX−464、AG−1105、BIT−225、CYT−107、HGTV−43、HS−10234、IMO−3100、IND−02、MK−1376、MK−8507、MK−8591、NOV−205、PA−1050040(PA−040)、PGC−007、SCY−635、TR−452、TEV−90110、TEV−90112、TEV−90111、TEV−90113、RN−18、Immuglo、およびVIR−576が挙げられる。
HIVプロテアーゼ阻害剤
【0147】
HIVプロテアーゼ阻害剤の例として、アンプレナビル、アタザナビル、ブレカナビル、ダルナビル、ホスアンプレナビル、ホスアンプレナビルカルシウム、インジナビル、インジナビル硫酸塩、ロピナビル、ネルフィナビル、ネルフィナビルメシル酸塩、リトナビル、サキナビル、サキナビルメシル酸塩、チプラナビル、DG−17、TMB−657(PPL−100)、T−169、およびTMC−310911が挙げられる。
HIV逆転写酵素阻害剤
【0148】
HIVの逆転写酵素の非ヌクレオシド阻害剤または非ヌクレオチド阻害剤の例として、ダピビリン、デラビルジン、デラビルジンメシル酸塩、ドラビリン、エファビレンツ、エトラビリン、レンチナン、ネビラピン、リルピビリン、AIC−292、KM−023、およびVM−1500が挙げられる。
【0149】
HIVの逆転写酵素のヌクレオシド阻害剤またはヌクレオチド阻害剤の例として、アデホビル、アデホビルジピボキシル、エムトリシタビン、テノホビル、テノホビルアラフェナミド、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、テノホビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルヘミフマル酸塩、VIDEX(登録商標)およびVIDEX EC(登録商標)(ジダノシン、ddl)、アバカビル、アバカビル硫酸塩、アロブジン、アプリシタビン、センサブジン、ジダノシン、エルブシタビン、フェスチナビル、フォサルブジンチドキシル、ホジブジンチドキシル、ラミブジン、ホスファジド、スタブジン、ザルシタビン、ジドブジン、ならびにKP−1461が挙げられる。
HIVインテグラーゼ阻害剤
【0150】
HIVインテグラーゼ阻害剤の例として、エルビテグラビル、クルクミン、クルクミンの誘導体、チコリ酸、チコリ酸の誘導体、3,5−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸の誘導体、アウリントリカルボン酸、アウリントリカルボン酸の誘導体、コーヒー酸フェネチルエステル、コーヒー酸フェネチルエステルの誘導体、チロホスチン、チロホスチンの誘導体、ケルセチン、ケルセチンの誘導体、ラルテグラビル、ドルテグラビル、JTK−351、およびカボテグラビルが挙げられる。
【0151】
HIV非触媒部位またはアロステリックインテグラーゼ阻害剤(NCINI)の例として、CX−05045、CX−05168、T−169、およびCX−14442が挙げられる。
HIV侵入阻害剤
【0152】
HIV侵入(融合)阻害剤の例として、セニクリビロック、CCR5阻害剤、gp41阻害剤、CD4付着阻害剤、gp120阻害剤、およびCXCR4阻害剤が挙げられる。
【0153】
CCR5阻害剤の例として、アプラビロク、ビクリビロク、マラビロク、セニクリビロック、PRO−140、アダプタビル(adaptavir)(RAP−101)、ニフェビロック(nifeviroc)(TD−0232)、TD−0680、およびvMIP(Haimipu)が挙げられる。
【0154】
gp41阻害剤の例として、アルブビルチド、エンフビルチド、およびシフビルチドが挙げられる。
【0155】
CD4付着阻害剤の例として、イバリズマブが挙げられる。
【0156】
gp120阻害剤の例として、Radha−108(receptol)およびBMS−663068が挙げられる。
【0157】
CXCR4阻害剤の例として、プレリキサフォル、およびvMIP(Haimipu)が挙げられる。
HIV成熟阻害剤
【0158】
HIV成熟阻害剤の例として、BMS−955176およびGSK−2838232が挙げられる。
潜伏活性化剤
【0159】
潜伏活性化剤の例として、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤、プロテアソーム阻害剤、例えばベルケイド、タンパク質キナーゼC(PKC)活性化因子、BET−ブロモドメイン4(BRD4)阻害剤、イオノマイシン、PMA、SAHA(スベラニロヒドロキサム酸(suberanilohydroxamic acid)、またはスベロイル、アニリド、およびヒドロキサム酸)、IL−15、JQ1、ジスルフラム、アンホテリシンB、およびGSK−343が挙げられる。
【0160】
HDAC阻害剤の例として、ロミデプシン、ボリノスタット、およびパノビノスタットが挙げられる。
【0161】
PKC活性化因子の例として、インドラクタム、プロストラチン、インゲノールB、およびDAG−ラクトンが挙げられる。
カプシド阻害剤
【0162】
カプシド阻害剤の例として、カプシド重合阻害剤またはカプシド撹乱化合物、HIVヌクレオカプシドp7(NCp7)阻害剤、例えばアゾジカルボンアミド、およびHIV p24カプシドタンパク質阻害剤が挙げられる。
免疫ベース治療
【0163】
免疫ベース治療の例として、トール様受容体モジュレーター、例えばtlr1、tlr2、tlr3、tlr4、tlr5、tlr6、tlr7、tlr8、tlr9、tlr10、tlr11、tlr12、およびtlr13;プログラム細胞死タンパク質1(Pd−1)モジュレーター;プログラム死−リガンド1(Pd−L1)モジュレーター;IL−15アゴニスト;DermaVir;インターロイキン−7;プラケニル(ヒドロキシクロロキン);プロロイキン(アルデスロイキン、IL−2);インターフェロンアルファ;インターフェロンアルファ−2b;インターフェロンアルファ−n3;ペグ化インターフェロンアルファ;インターフェロンガンマ;ヒドロキシ尿素;ミコフェノール酸モフェチル(MPA)およびそのエステル誘導体ミコフェノール酸モフェチル(MMF);リバビリン;ポリマーポリエチレンイミン(PEI);ゲポン(gepon);リンタトリモド(rintatolimod);IL−12;WF−10;VGV−1;MOR−22;BMS−936559;GS−9620;ならびにIR−103が挙げられる。
ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)阻害剤
【0164】
PI3K阻害剤の例として、イデラリシブ、アルペリシブ、ブパルリシブ、CAIオロチン酸塩、コパンリシブ、デュベリシブ、ゲダトリシブ、ネラチニブ、パヌリシブ、ペリフォシン、ピクチリシブ、ピララリシブ、プキチニブメシル酸塩、リゴセルチブ、リゴセルチブナトリウム、ソノリシブ、タセリシブ、AMG−319、AZD−8186、BAY−1082439、CLR−1401、CLR−457、CUDC−907、DS−7423、EN−3342、GSK−2126458、GSK−2269577、GSK−2636771、INCB−040093、LY−3023414、MLN−1117、PQR−309、RG−7666、RP−6530、RV−1729、SAR−245409、SAR−260301、SF−1126、TGR−1202、UCB−5857、VS−5584、XL−765、およびZSTK−474が挙げられる。
HIV抗体、二重特異性抗体、および「抗体様」治療タンパク質
【0165】
HIV抗体、二重特異性抗体、および「抗体様」治療タンパク質の例として、DARTs(登録商標)、DUOBODIES(登録商標)、BITES(登録商標)、XmAbs(登録商標)、TandAbs(登録商標)、Fab誘導体、BMS−936559、TMB−360、およびHIVgp120またはgp41を標的化するものが挙げられる。
【0166】
HIVgp120またはgp41を標的化するものの例として、バビツキシマブ、UB−421、C2F5、C2G12、C4E10、C2F5+C2G12+C4E10、3−BNC−117、PGT145、PGT121、MDX010(イピリムマブ)、VRC01、A32、7B2、10E8、VRC−07−523、MGD−014およびVRC07が挙げられる。
薬物動態増強剤
【0167】
薬物動態増強剤の例として、コビシスタットおよびリトナビルが挙げられる。
追加の治療剤
【0168】
追加の治療剤の例として、WO2004/096286(Gilead Sciences)、WO2006/015261(Gilead Sciences)、WO2006/110157(Gilead Sciences)、WO2012/003497(Gilead Sciences)、WO2012/003498(Gilead Sciences)、WO2012/145728(Gilead Sciences)、WO2013/006738(Gilead Sciences)、WO2013/159064(Gilead Sciences)、WO2014/100323(Gilead Sciences)、US2013/0165489(University of Pennsylvania)、US2014/0221378(Japan Tobacco)、US2014/0221380(Japan Tobacco)、WO2009/062285(Boehringer Ingelheim)、WO2010/130034(Boehringer Ingelheim)、WO2013/006792(Pharma Resources)、US20140221356(Gilead Sciences);WO2013/091096(Boehringer Ingelheim);およびU.S.20100143301(Gilead Sciences)に開示の化合物が挙げられる。
HIVワクチン
【0169】
HIVワクチンの例として、ペプチドワクチン、組換え型サブユニットタンパク質ワクチン、生ベクターワクチン、DNAワクチン、CD4由来のペプチドワクチン、ワクチンの組合せ、rgp120(AIDSVAX)、ALVAC HIV(vCP1521)/AIDSVAX B/E(gp120)(RV144)、単量体gp120 HIV−1サブタイプCワクチン、Remune、ITV−1、Contre Vir、Ad5−ENVA−48、DCVax−001(CDX−2401)、Vacc−4x、Vacc−C5、VAC−3S、多系統群のDNA組換え型アデノウイルス−5(rAd5)、Pennvax−G、Pennvax−GP、VRC−HIV MAB060−00−AB、HIV−TriMix−mRNAワクチン、HIV−LAMP−vax、Ad35、Ad35−GRIN、NAcGM3/VSSP ISA−51、ポリ−ICLCアジュバント化ワクチン、TatImmune、GTU−multiHIV(FIT−06)、gp140[デルタ]V2.TV1+MF−59、rVSVIN HIV−1gagワクチン、SeV−Gagワクチン、AT−20、DNK−4、ad35−Grin/ENV、TBC−M4、HIVAX、HIVAX−2、NYVAC−HIV−PT1、NYVAC−HIV−PT4、DNA−HIV−PT123、rAAV1−PG9DP、GOVX−B11、GOVX−B21、TVI−HIV−1、Ad−4(Ad4−env系統群C+Ad4−mGag)、EN41−UGR7C、EN41−FPA2、PreVaxTat、AE−H、MYM−V101、CombiHIVvac、ADVAX、MYM−V201、MVA−CMDR、DNA−Ad5gag/pol/nef/nev(HVTN505)、MVATG−17401、ETV−01、CDX−1401、rcAD26.MOS1.HIV−Env、Ad26.Mod.HIVワクチン、AGS−004、AVX−101、AVX−201、PEP−6409、SAV−001、ThV−01、TL−01、TUTI−16、VGX−3300、IHV−001、およびウイルス様粒子ワクチン、例えば偽ウイルスワクチンが挙げられる。
HIV併用療法
【0170】
特定の一実施形態では、本明細書に開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、ATRIPLA(登録商標)(エファビレンツ、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、およびエムトリシタビン);COMPLERA(登録商標)(EVIPLERA(登録商標);リルピビリン、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、およびエムトリシタビン);STRIBILD(登録商標)(エルビテグラビル、コビシスタット、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、およびエムトリシタビン);TRUVADA(登録商標)(テノホビルジソプロキシルフマル酸塩およびエムトリシタビン;TDF+FTC);アデホビル;アデホビルジピボキシル;コビシスタット;エムトリシタビン;テノホビル;テノホビルジソプロキシル;テノホビルジソプロキシルフマル酸塩;テノホビルアラフェナミド;テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩;TRIUMEQ(登録商標)(ドルテグラビル、アバカビル、およびラミブジン);ドルテグラビル、アバカビル硫酸塩、およびラミブジン;ラルテグラビル;ラルテグラビルおよびラミブジン;マラビロク;エンフビルチド;ALUVIA(登録商標)(KALETRA(登録商標);ロピナビルおよびリトナビル);COMBIVIR(登録商標)(ジドブジンおよびラミブジン;AZT+3TC);EPZICOM(登録商標)(LIVEXA(登録商標);アバカビル硫酸塩およびラミブジン;ABC+3TC);TRIZIVIR(登録商標)(アバカビル硫酸塩、ジドブジン、およびラミブジン;ABC+AZT+3TC);リルピビリン;リルピビリン塩酸塩;アタザナビル硫酸塩およびコビシスタット;アタザナビルおよびコビシスタット;ダルナビルおよびコビシスタット;アタザナビル;アタザナビル硫酸塩;ドルテグラビル;エルビテグラビル;リトナビル;アタザナビル硫酸塩およびリトナビル;ダルナビル;ラミブジン;プロラスチン;ホスアンプレナビル;ホスアンプレナビルカルシウムエファビレンツ;エトラビリン;ネルフィナビル;ネルフィナビルメシル酸塩;インターフェロン;ジダノシン;スタブジン;インジナビル;インジナビル硫酸塩;テノホビルおよびラミブジン;ジドブジン;ネビラピン;サキナビル;サキナビルメシル酸塩;アルデスロイキン;ザルシタビン;チプラナビル;アンプレナビル;デラビルジン;デラビルジンメシル酸塩;Radha−108(receptol);Hlviral;ラミブジンおよびテノホビルジソプロキシルフマル酸塩;エファビレンツ、ラミブジン、およびテノホビルジソプロキシルフマル酸塩;ホスファジド;ラミブジン、ネビラピン、およびジドブジン;アバカビル;ならびにアバカビル硫酸塩から選択される1種、2種、3種、4種またはそれより多種の追加の治療剤と組み合わされる。
【0171】
特定の一実施形態では、本明細書に開示の化合物または薬学的に許容されるその塩は、HIVの逆転写酵素のヌクレオシド阻害剤またはヌクレオチド阻害剤、およびHIVの逆転写酵素の非ヌクレオシド阻害剤と組み合わされる。別の特定の実施形態では、本明細書に開示の化合物または薬学的に許容されるその塩は、HIVの逆転写酵素のヌクレオシド阻害剤またはヌクレオチド阻害剤、およびHIVプロテアーゼ阻害化合物と組み合わされる。さらなる一実施形態では、本明細書に開示の化合物または薬学的に許容されるその塩は、HIVの逆転写酵素のヌクレオシド阻害剤またはヌクレオチド阻害剤、HIVの逆転写酵素の非ヌクレオシド阻害剤、および薬物動態増強剤と組み合わされる。ある特定の実施形態では、本明細書に開示の化合物または薬学的に許容されるその塩は、HIVの逆転写酵素の少なくとも1つのヌクレオシド阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、および薬物動態増強剤と組み合わされる。別の実施形態では、本明細書に開示の化合物または薬学的に許容されるその塩は、HIVの逆転写酵素の2つのヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤と組み合わされる。
【0172】
特定の一実施形態では、本明細書に開示の化合物または薬学的に許容されるその塩は、アバカビル硫酸塩、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルヘミフマル酸塩、テノホビルアラフェナミド、またはテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩と組み合わされる。
【0173】
特定の一実施形態では、本明細書に開示の化合物または薬学的に許容されるその塩は、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルアラフェナミド、またはテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩と組み合わされる。
【0174】
特定の一実施形態では、本明細書に開示の化合物または薬学的に許容されるその塩は、アバカビル硫酸塩、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルアラフェナミド、およびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩からなる群から選択される第1の追加の治療剤、ならびにエムトリシタビンおよびラミブジンからなる群から選択される第2の追加の治療剤と組み合わされる。
【0175】
特定の一実施形態では、本明細書に開示の化合物または薬学的に許容されるその塩は、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルアラフェナミド、およびテノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩からなる群から選択される第1の追加の治療剤、ならびにエムトリシタビンである第2の追加の治療剤と組み合わされる。
【0176】
本明細書に開示の化合物(例えば、式(I)の任意の化合物)は、任意の投与量の式(I)の化合物(例えば、50mg〜1000mgの化合物)で、1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせることができる。
【0177】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の化合物または薬学的に許容されるその塩は、5〜30mgのテノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩、またはテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。ある特定の実施形態では、本明細書に開示の化合物または薬学的に許容されるその塩は、5〜10、5〜15、5〜20、5〜25、25〜30、20〜30、15〜30または10〜30mgのテノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩またはテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。ある特定の実施形態では、本明細書に開示の化合物または薬学的に許容されるその塩は、10mgのテノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩またはテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。ある特定の実施形態では、本明細書に開示の化合物または薬学的に許容されるその塩は、25mgのテノホビルアラフェナミドフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩またはテノホビルアラフェナミド、および200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。本明細書に開示の化合物(例えば、式(I)の化合物)は、あたかも投与量の各組合せが具体的に個々に列挙されている場合と同じように、任意の投与量の化合物(例えば、50mg〜500mgの化合物)で、本明細書に提供の剤と組み合わせることができる。
【0178】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示の化合物または薬学的に許容されるその塩は、200〜400mgのテノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルヘミフマル酸塩またはテノホビルジソプロキシル、および200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。ある特定の実施形態では、本明細書に開示の化合物または薬学的に許容されるその塩は、200〜250、200〜300、200〜350、250〜350、250〜400、350〜400、300〜400または250〜400mgのテノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルヘミフマル酸塩またはテノホビルジソプロキシル、および200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。ある特定の実施形態では、本明細書に開示の化合物または薬学的に許容されるその塩は、300mgのテノホビルジソプロキシルフマル酸塩、テノホビルジソプロキシルヘミフマル酸塩またはテノホビルジソプロキシル、および200mgのエムトリシタビンと組み合わされる。本明細書に開示の化合物(例えば、式(I)の化合物)は、あたかも投与量の各組合せが具体的に個々に列挙されている場合と同じように、任意の投与量の化合物(例えば、50mg〜500mgの化合物)で、本明細書に提供の剤と組み合わせることができる。
【0179】
一実施形態では、本明細書に開示の化合物または薬学的に許容されるその塩を、1種または複数種(例えば、1種、2種、3種、1種もしくは2種、または1〜3種)の追加の治療剤と組み合わせて含むキットが提供される。
キットおよび物品
【0180】
本開示は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含むキットに関する。キットは、使用のため、例えばHIV逆転写酵素の阻害に使用するため、例えばHIV感染症もしくはAIDSの処置に使用するための指示、または研究手段としての指示をさらに含み得る。使用のための指示は、一般に文書による指示であるが、指示を含有する電子保存媒体(例えば磁気ディスケットまたは光学的ディスク)も許容される。
【0181】
本開示はまた、式(I)のいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む1つまたは複数の容器を含む医薬キットに関する。このような容器と、任意選択で医薬品の製造、使用または販売を規制する行政機関によって処方された形態の通知が関連付けられていてもよく、この通知は、ヒトに投与するための製造、使用または販売機関による承認を反映する。各構成成分(1種超の構成成分が存在する場合)は、別個の容器にパッケージすることができ、またはいくつかの構成成分は、交差反応および保存期間が許容する場合、1つの容器に合わせることができる。キットは、単位剤形、バルクパッケージ(例えば、複数回用量パッケージ)または副次的単位用量であり得る。またキットは、複数の単位用量の化合物および使用のための指示を含むことができ、薬局(例えば、院内薬局および配合薬局)で保存し、使用するのに十分な量でパッケージされ得る。
【0182】
また、本明細書に記載の方法で使用するのに適したパッケージング内に、単位投与量の式(I)のいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む製造品が開示される。適切なパッケージングは、当技術分野で公知であり、それには、例えばバイアル、容器、アンプル、ボトル、瓶、可撓性パッケージングなどが含まれる。製造品はさらに、滅菌および/または封止され得る。
【0183】
本開示はまた、対象化合物またはその薬学的に許容される塩を調製するのに有用なプロセスおよび中間体を対象とする。
【0184】
開示の化合物を合成するのに有用な、一般に公知の化学的合成スキームおよび条件を提示する多くの全般的な参考文献が、利用可能である(例えば、Smith、March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions, Mechanisms, and Structure、第7版、Wiley−Interscience、2013年参照)。
【0185】
本明細書に記載の化合物は、クロマトグラフィー手段、例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、分取薄層クロマトグラフィー、フラッシュカラムクロマトグラフィーおよびイオン交換クロマトグラフィーを含む当技術分野で公知の手段のいずれかによって精製され得る。順相および逆相ならびにイオン性樹脂を含む任意の適切な固定相を使用することができる。最も典型的には、開示の化合物は、シリカゲルおよび/またはアルミナクロマトグラフィーによって精製される。例えば、Introduction to Modern Liquid Chromatography、第2版、L. R. SnyderおよびJ. J. Kirkland編、John Wiley and Sons、1979年;およびThin Layer Chromatography、E. Stahl(編)、Springer−Verlag、New York、1969年参照。
【0186】
対象化合物の調製プロセスのいずれかの最中に、当該の分子のいずれかの上の感受性基または反応性基を保護することが必要であり、かつ/または望ましい場合がある。これは、T. W. GreeneおよびP. G. M. Wuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第4版、Wiley、New York 2006年などの標準作業に記載されている従来の保護基を用いることによって達成され得る。保護基は、その後の好都合な段階で、当技術分野で公知の方法を使用して除去され得る。
【0187】
ここで、実施形態の方法において有用な例示的な化学物質を、本明細書のそれらの全般的な調製のための例示的な合成スキームおよび以下の具体例を参照することによって記載する。本明細書の様々な化合物を得るために、最終的に望ましい置換基が、適宜保護を伴うまたは伴わない反応スキームを通して担持されて所望の生成物を与えるように、出発材料を適切に選択できることを当業者は認識する。あるいは、最終的に望ましい置換基の代わりに、反応スキームを通して担持され、所望の置換基で適宜置き換えることができる適切な基を用いることが必要である場合または望ましい場合がある。さらに当業者は、以下のスキームに示されている変換が、特定のペンダント基の官能性と適合性がある任意の順序で実施され得ることを認識する。全般的なスキームに図示されている反応のそれぞれは、好ましくは、約0℃から使用される有機溶媒の還流温度までの温度で実施される。別段の指定がない限り、可変基は、式(I)への言及において先に定義されているとおりである。
【0188】
本開示の化合物の代表的な合成を、以下のスキームとそれに続く特定の実施例に記載する。
【0189】
また実施形態は、対象化合物またはその薬学的に許容される塩を調製するのに有用なプロセスおよび中間体を対象とする。
【0190】
開示の化合物を合成するのに有用な、一般に公知の化学的合成スキームおよび条件を提示する多くの全般的な参考文献が、利用可能である(例えば、Smith、March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions, Mechanisms, and Structure、第7版、Wiley−Interscience、2013年参照)。その全体が参照により本明細書に援用されるAngew. Chem. Int. Ed. 2014年、53巻、2〜21頁は、合成スキームにおいても有用となり得るフッ化硫黄(VI)交換の評論を提供する。
【0191】
本明細書に記載の化合物は、クロマトグラフィー手段、例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、分取薄層クロマトグラフィー、フラッシュカラムクロマトグラフィーおよびイオン交換クロマトグラフィーを含む当技術分野で公知の手段のいずれかによって精製され得る。順相および逆相ならびにイオン性樹脂を含む任意の適切な固定相を使用することができる。最も典型的には、開示の化合物は、シリカゲルおよび/またはアルミナクロマトグラフィーによって精製される。例えば、Introduction to Modern Liquid Chromatography、第2版、L. R. Snyder and J. J. Kirkland編、John Wiley and Sons、1979年;およびThin Layer Chromatography、E. Stahl(編)、Springer−Verlag、New York、1969年参照。
【0192】
対象化合物の調製プロセスのいずれかの最中に、当該の分子のいずれかの上の感受性基または反応性基を保護することが必要であり、かつ/または望ましい場合がある。これは、T. W. Greene and P. G. M. Wuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第4版、Wiley、New York 2006年などの標準作業に記載されている従来の保護基を用いることによって達成され得る。保護基は、その後の好都合な段階で、当技術分野で公知の方法を使用して除去され得る。
【0193】
ここで、実施形態の方法において有用な例示的な化学物質を、本明細書のそれらの全般的な調製のための例示的な合成スキームおよび以下の具体例を参照することによって記載する。本明細書の様々な化合物を得るために、最終的に望ましい置換基が、適宜保護を伴うまたは伴わない反応スキームを通して担持されて所望の生成物を与えるように、出発材料を適切に選択できることを当業者は認識する。あるいは、最終的に望ましい置換基の代わりに、反応スキームを通して担持され、所望の置換基で適宜置き換えることができる適切な基を用いることが必要である場合または望ましい場合がある。さらに当業者は、以下のスキームに示されている変換が、特定のペンダント基の官能性と適合性がある任意の順序で実施され得ることを認識する。全般的なスキームに図示されている反応のそれぞれは、約0℃から使用される有機溶媒の還流温度までの温度で実施され得る。別段の指定がない限り、可変基は、式(I)への言及において先に定義されているとおりである。
【0194】
本開示の化合物の代表的な合成を、以下のスキームおよび以下の特定の実施例に記載する。
【0195】
スキーム1は、実施形態の化合物の代表的な合成を示す。この方法は、多種多様な官能基と適合性がある。
【化45】
【0196】
スキーム1において、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、X
1、X
2、X
3、およびX
4は、本明細書で定義された通りである。また、スキーム1において、以下で論じられているように、Y
1a、Z
1a、およびZ
2aは、式(I)の適切な結合および部分を形成するための、前駆部分である。出発材料は、商業的供給源からまたは十分に確立された合成手順によって得ることができる。式1−Bの合成は、以下のスキーム2で論じられている。
【0197】
スキーム1を参照すると、式1−Aと1−Bの間のカップリング反応により、式1−Cが生成する。ある特定の場合において、ハロゲン化アリールと有機ホウ素化合物との間のパラジウム触媒反応(例えば、鈴木カップリング反応)を使用してよい。鈴木カップリング反応の場合、式1−A中のZ
1aは、ヨードまたはブロモなどのハロゲン化物であってよく、式1−B中のZ
2aは、ボロン酸またはボロン酸エステルであってよい。ある特定の場合において、Z
2aは
【化46】
である。ある特定の場合において、カップリングステップには、1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリドまたは1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリドなどのパラジウム触媒が含まれる。
【0198】
スキーム1の参照を継続すると、式1−Aと1−Bの間のカップリング反応の代替方法として、有機スズ化合物とハロゲン化アリールの間のパラジウム触媒反応(例えば、スティルカップリング反応)を使用し、式(I)の化合物を生成してよい。スティル反応の場合、式1−A中のZ
1aは、有機スズ部分(−SnR
4、ここで、Rはアルキル基である)であってよく、式1−B中のZ
2aは、ヨードまたはブロモなどのハロゲン化物であってよい。ある特定の場合において、カップリングステップには、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)などのパラジウム触媒が含まれる。
【0199】
スキーム1の参照を継続すると、式1−Cと1−Dの間のカップリング反応により、式(I)の化合物が生成する。式1−Dのアミノ基を、式1−Cと反応させ、ハロゲン、トリフレート、メシレート、およびトシレートなどの脱離基であるY
1aを置き換える。ある特定の場合において、Y
1aは、ヨード、ブロモ、またはクロロなどのハロゲンである。ある特定の場合において、カップリングステップには、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)と組み合わせた、酢酸パラジウム(II)などのパラジウム触媒が含まれる。
【0200】
スキーム2は式1−Bの代表的な合成を示す。この方法は、多種多様な官能基と適合性がある。
【化47】
【0201】
スキーム2において、R
5およびR
6は、本明細書で定義された通りである。また、スキーム2において、以下で論じられているように、Q
1a、X
1a、およびX
2aは、式1−Bの適切な結合および部分を形成するための、前駆部分である。出発材料は、商業的供給源からまたは十分に確立された合成手順によって得ることができる。
【0202】
スキーム2において、式2−Aと2−Bの間のカップリング反応により、式2−Cが生成する。ある特定の場合において、ハロゲン化アリールとアルケン化合物の間のパラジウム触媒反応(例えば、ヘックカップリング反応)を使用してよい。ヘックカップリング反応の場合、式2−A中のX
1aは、ヨードまたはブロモなどのハロゲン化物であってよく、式2−B中のX
2aは、水素であってよい。ヘックカップリング反応は、トリ(o−トリル)ホスフィンと組み合わせた、酢酸パラジウム(II)などのパラジウム触媒の存在下で行ってよい。
【0203】
スキーム2の参照を継続すると、式2−Aおよび2−C中のQ
1aは式1−B中のボロン酸に対する前駆部分であり、ここで、Z
2aはボロン酸またはボロン酸エステルである。式2−Cのホウ素化反応により、式1−Bの化合物が生成する。ある特定の場合において、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)のハロゲン化アリールとのクロスカップリング反応(例えば、宮浦ホウ素化反応)を使用してよい。宮浦ホウ素化反応の場合、式2−C中のQ
1aは、ヨードまたはブロモなどのハロゲン化物であってよい。ある特定の場合において、式2−Cは4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)と反応させることにより、式1−Bを得ることができ、ここで、Z
2aは
【化48】
である。ある特定の場合において、ホウ素化ステップには、ジシクロヘキシル(2’,6’−ジメトキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィンと組み合わせた、酢酸パラジウム(II)などのパラジウム触媒が含まれる。他のホウ素化反応を使用してよい。
【0204】
したがって、本明細書においてより詳細に記述されているように、本開示は本開示の化合物を調製するプロセスであって、
式
【化49】
の化合物を式
【化50】
の化合物と反応させること、それによって式
【化51】
の化合物を生成することを含むプロセスに関し、ここで、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、X
1、X
2、X
3、X
4、およびY
1aは本明細書で定義された通りである。
【0205】
ある特定の場合、先のプロセスは、本開示の化合物の塩を形成するステップをさらに含む。実施形態は、本明細書に記載のその他の方法、および本明細書に記載の方法のいずれかによって調製された生成物を対象とする。
【0206】
別段記載されている場合を除いて、本開示の方法および技術は、一般に当技術分野で周知であり、かつ、本明細書を通して引用され、論じられている様々な全般的なより具体的な参考文献に記載されている従来の方法に従って実施される。例えば、Loudon、Organic Chemistry、第5版、New York:Oxford University Press、2009年;Smith、March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions、Mechanisms、and Structure、第7版、Wiley−Interscience、2013年参照。
略語および頭字語の一覧
略語 − 意味
Ac − アセチル
B
2pin
2 − 4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)
bs − 幅広の一重線
℃ − 摂氏度
d − 二重線
DCM − ジクロロメタン
dd − 二重線の二重線
DIPEA − N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMF − N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO − ジメチルスルホキシド
dppf − 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
dtbpf − 1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン
EC
50 − 半数効果濃度
Equiv/eq − 当量
Et − エチル
EtOH − エタノール
g − グラム
HPLC − 高速液体クロマトグラフィー
hrs/h − 時間
Hz − ヘルツ
J − カップリング定数
LCMS − 液体クロマトグラフィー−質量分析
M − モル濃度
m − 多重線
m/z − 質量電荷比
M+ − 質量ピーク
Me − メチル
mg − ミリグラム
MHz − メガヘルツ
min − 分
mL − ミリリットル
mM − ミリモル濃度
mm − ミリメートル
mmol − ミリモル
mol − モル
MS − 質量分析
MW − マイクロ波
nM − ナノモル濃度
NMP − N−メチル−2−ピロリドン
NMR − 核磁気共鳴
P(oTol)
3 − トリ(o−トリル)ホスフィン
q − 四重線
quant − 定量的
Rf − 保持因子
RT/rt/r.t. − 室温
s − 一重線
sat. − 飽和
SPhos − ジシクロヘキシル(2’,6’−ジメトキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン
t − 三重線
TFA − トリフルオロ酢酸
TMS − トリメチルシリル
Tr/tr − 保持時間
UV − 紫外線
wt. − 重量
Xantphos − (9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)
δ − 化学シフト
μL − マイクロリットル
μM − マイクロモル濃度
μmol − マイクロモル
【0207】
以下の実施例は単なる例示であり、本開示を限定することをいかようにも意図するものではない。特に指示がない限り、分取HPLCは、Gilson HPLCシステムで、21.2×250mm 10ミクロン C18Phenomenex Gemini半分取カラムおよび0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル/水移動相を使用し、流速20mL/分で実施した。
【0208】
ある特定の化合物に対する化学名は、ChemBioDraw 12.0ソフトウェアを使用して作製した。
【0209】
以下の方法を、以下の実施例に記載の特定の化合物を精製し、特徴付けるために使用した。
【0210】
LCMS法1−Gemini 5u C18 110Å、50×4.60mm 5ミクロンカラム;0.1%酢酸を含むアセトニトリル、0.1%酢酸を含む水;勾配:0分〜3.5分で5〜100%ACN;流速2mL/分。
【0211】
LCMS法2−Kinetex 2.6μ C18 100A、50×3.00mmカラム;0.1%ギ酸を含むアセトニトリル、0.1%ギ酸を含む水;勾配:0分〜1.5分で2〜100%ACN、1.5分〜2.8分で100%ACN、2.8分〜2.85分で100%〜2%ACN、2.85分〜3分で2% ACN;流速1.8mL/分。
【0212】
LCMS法3−Kinetex 2.6μ C18 100A、50×3.00mmカラム;0.1%ギ酸を含むアセトニトリル、0.1%ギ酸を含む水;勾配:0分〜1.4分で2〜100%ACN、1.4分〜1.8分で100%ACN、1.8分〜1.85分で100%〜2%ACN、1.85分〜2分で2%ACN;流速1.8mL/分。
【実施例】
【0213】
(実施例1)
(E)−2−((1−アミノ−5−(4−(2−シアノビニル)−2,6−ジメチルフェニル)イソキノリン−3−イル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル−化合物1
【化52】
ステップ1:4−ブロモ−2−(ヒドロキシイミノ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(化合物1a)の合成
【化53】
4−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(10g、47.4mmol、Ark Pharm,Inc.−AK−31085)を、ジエチルエーテル(120mL)、エタノール(50mL)、およびジクロロメタン(20mL)の混合物中に溶解した。反応混合物を0℃に冷却し、ジエチルエーテル中の1M HCl(24mL、24mmol)を添加し、続いて、エタノール中の15%亜硝酸エチル溶液(60mL、104mmol)を反応混合物へ、0℃で1時間かけてゆっくりと添加した。反応混合物を、室温で3時間激しく撹拌し、次に減圧下で濃縮した。ジエチルエーテル(50mL)を添加し、混合物を0℃に冷却した。固体生成物を濾過除去し、ジエチルエーテル(2×20mL)で2回洗浄して、化合物1aを得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6) δ 12.83 (s, 1H), 7.98 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.77 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.62 − 7.22 (m, 1H), 3.67 (s, 2H).LCMS(m/z)238.0[M−H]、Tr=2.10分(LCMS法1)。
ステップ2:5−ブロモ−1,3−ジクロロイソキノリン(化合物1b)の合成
【化54】
【0214】
化合物1a(4.8g、20mmol)を塩化ホスホリル(60mL)に溶解した。N,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)を添加し、反応混合物を、密閉容器中にて、120℃で、30分間加熱した。反応混合物を冷却し、砕氷に注ぎ入れ、10分間激しく撹拌した。この混合物を、音波槽中で5分間処理した。固体化合物を濾過除去し、水(1L)で、次に水/アセトン/メタノール(1/1/1)の混合物で5回(5×50mL)洗浄して、表題化合物1bを得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.30 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.06 − 7.99 (m, 2H), 7.56 − 7.48 (m, 1H).LCMS(m/z)MSシグナル未検出、Tr=2.95分(LCMS法1)。
ステップ3:5−ブロモ−3−クロロイソキノリン−1−アミン(化合物1c)の合成
【化55】
【0215】
化合物1b(554mg、2.0mmol)を、密閉されたマイクロ波用容器中の、イソプロパノール中の2Mアンモニア溶液(4mL、8mmol)へ入れた。反応物をマイクロ波によって2時間170℃に加熱した。反応混合物を冷却し、水およびジクロロメタンで希釈した。有機層を分離し、ブラインで2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、2cmの層のシリカゲル(これはジクロロメタン中の5%メタノールで洗浄した)を通して濾過した。合わせた有機物を減圧下で濃縮し、粗製残留物を、音波槽中で、2分間、ヘキサンで処理した。固体生成物を濾過除去して、表題化合物1cを得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6) δ 8.24 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.00 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.60 (bs, 2H), 7.43 − 7.34 (m, 1H), 7.00 (s, 1H).LCMS(m/z)257.2[M+H]、Tr=2.48分(LCMS法1)。
ステップ4:(E)−3−(4−ブロモ−3,5−ジメチルフェニル)アクリロニトリル(化合物1d)の合成
【化56】
【0216】
無水アセトニトリル(25mL)中の2,5−ジブロモ−1,3−ジメチルベンゼン(2640mg、10mmol、Oakwood Products,Inc.−018507)の溶液へ、酢酸パラジウム(II)(112mg、0.5mmol)、アクリロニトリル(531mg、10mmol)、トリ(o−トリル)ホスフィン(131mg、0.5mmol)、およびトリエチルアミン(4mL、30mmol)を添加し、次に混合物をアルゴンでパージし、110℃で2時間加熱した。反応混合物をセライトを介して濾過し、フィルターパッドをテトラヒドロフラン(10mL)で洗浄した。ろ液を蒸発させ、次に酢酸エチル(50mL)で再び溶解した。溶液を水(50mL)で洗浄した。水層を酢酸エチル(50mL)で逆抽出した。合わせた有機物をブライン(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製残留物を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィー(イソヘキサン中の0〜20%酢酸エチルの勾配)にかけて、粗製生成物を得、これを、音波槽中で、10分間、ヘキサン(10mL)で処理した。生成物を溶液から析出させ、濾過によって収集した。固体物を冷却ヘキサンで洗浄して、化合物1dを得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.25 (d, J = 16.6 Hz, 1H), 7.12 (s, 2H), 5.84 (d, J = 16.6 Hz, 1H), 2.42 (s, 6H).LCMS(m/z)MSシグナル未検出、Tr=2.78分(LCMS法1)。
ステップ5:(E)−3−(3,5−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)アクリロニトリル(化合物1e)の合成
【化57】
【0217】
乾燥DMF(20mL)中の、化合物1d(391mg、1.66mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ−(1,3,2−ジオキサボロラン)(630mg、2.48mmol)、炭酸カリウム(687mg、5mmol)、酢酸パラジウム(II)(19mg、0.08mmol)、およびジシクロヘキシル(2’,6’−ジメトキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン(SPhos、85mg、0.21mmol)の混合物を、アルゴンでパージし、100℃で1時間加熱した。反応混合物をセライトを介して濾過し、フィルターパッドをテトラヒドロフラン(10mL)で洗浄した。ろ液を蒸発させ、次に酢酸エチル(50mL)で再び溶解した。溶液を水(50mL)で洗浄した。水層を酢酸エチル(50mL)で逆抽出した。合わせた有機物をブライン(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製残留物を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(イソヘキサン中の0〜20%酢酸エチルの勾配)によって精製して、化合物1gを得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.28 (d, J = 16.6 Hz, 1H), 7.00 (s, 2H), 5.84 (d, J = 16.6 Hz, 1H), 2.39 (s, 6H), 1.37 (s, 12H).LCMS(m/z)284.3[M+H]、Tr=2.85分(LCMS法1)。
ステップ6:(E)−3−(4−(1−アミノ−3−クロロイソキノリン−5−イル)−3,5−ジメチルフェニル)アクリロニトリル(化合物1f)の合成
【化58】
【0218】
化合物1c(200mg、0.78mmol)、化合物1e(286mg、1.01mmol)、三塩基性リン酸カリウム(247mg、1.17mmol)、および1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(51mg、0.08mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド:水混合物(85:15、40mL)中に、アルゴン下で溶解した。反応物を30分間80℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水および酢酸エチルで希釈した。有機層を分離し、ブラインで2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、0.5体積当量のヘキサンを添加し、この混合物を、さらに酢酸エチルで洗浄した、2cmの層のシリカゲルを通して濾過した。合わせた有機物を減圧下で濃縮し、残留物を、音波槽中で、ジエチルエーテルで処理した。固体生成物を濾過除去し、ジエチルエーテルで2回、ヘキサンで1回洗浄して、表題化合物1fを得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6) δ 8.26 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.65 (d, J = 16.7 Hz, 1H), 7.59 − 7.53 (m, 1H), 7.51 (s, 2H), 7.48 (bs, 2H), 7.41 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 6.50 (d, J = 16.7 Hz, 1H), 6.01 (s, 1H), 1.85 (s, 6H).LCMS(m/z)334.2[M+H]、Tr=2.64分(LCMS法1)。
ステップ7:(E)−2−((1−アミノ−5−(4−(2−シアノビニル)−2,6−ジメチルフェニル)イソキノリン−3−イル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル(化合物1)の合成
【化59】
【0219】
化合物1f(200mg、0.60mmol)、2−アミノピリミジン−5−カルボニトリル(720mg、6.0mmol、Ark Pharm Inc、AK−17302)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(835μL、4.78mmol)、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)(35mg、0.06mmol)、および酢酸パラジウム(II)(13mg、0.06mmol)を、アルゴン下で、N−メチル−2−ピロリドン(1mL)中で合わせた。反応物を、密閉容器中にて、4時間、120℃で加熱した。反応混合物を室温に冷却し、逆相クロマトグラフィー(0.1%トリフルオロ酢酸を含む水中の20〜60%アセトニトリル)によって精製して、化合物1のTFA塩を得た。
1H NMR (400 MHz, メタノール−d
4) δ 8.87 (s, 2H), 8.40 (dt, J = 8.1, 1.2 Hz, 1H), 7.76 − 7.49 (m, 3H), 7.48 (s, 2H), 6.29 (d, J = 16.6 Hz, 1H), 6.27 (s, 1H), 1.97 (s, 6H).LCMS(m/z)418.3[M+H]、Tr=1.40分(LCMS法2)。
(実施例2)
(E)−5−((1−アミノ−5−(4−(2−シアノビニル)−2,6−ジメチルフェニル)イソキノリン−3−イル)アミノ)ピラジン−2−カルボニトリル−化合物2
【化60】
(E)−5−((1−アミノ−5−(4−(2−シアノビニル)−2,6−ジメチルフェニル)イソキノリン−3−イル)アミノ)ピラジン−2−カルボニトリル(化合物2)の合成
【化61】
【0220】
化合物1f(200mg、0.60mmol)、5−アミノピラジン−2−カルボニトリル(163mg、1.36mmol、Ark Pharm Inc、AK−21935)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(835μL、4.78mmol)、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)(35mg、0.06mmol)、および酢酸パラジウム(II)(13mg、0.06mmol)を、アルゴン下で、N−メチル−2−ピロリドン(1mL)中で合わせた。反応物を、密閉容器中にて、4時間、120℃で加熱した。反応混合物を室温に冷却し、逆相クロマトグラフィー(0.1%トリフルオロ酢酸を含む水中の20〜60%アセトニトリル)によって精製して、化合物2のTFA塩を得た。
1H NMR (400 MHz, メタノール−d
4) δ 8.55 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 8.36 (dd, J = 8.1, 1.4 Hz, 1H), 8.31 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.73 − 7.54 (m, 3H), 7.48 (s, 2H), 6.30 (d, J = 16.7 Hz, 1H), 6.16 (s, 1H), 1.97 (s, 6H).LCMS(m/z)418.3[M+H]、Tr=1.57分(LCMS法3)。
(実施例3)
(E)−6−((1−アミノ−5−(4−(2−シアノビニル)−2,6−ジメチルフェニル)イソキノリン−3−イル)アミノ)ピリダジン−3−カルボニトリル−化合物3
【化62】
(E)−6−((1−アミノ−5−(4−(2−シアノビニル)−2,6−ジメチルフェニル)イソキノリン−3−イル)アミノ)ピリダジン−3−カルボニトリル(化合物3)の合成
【化63】
【0221】
化合物1f(200mg、0.60mmol)、6−アミノピリダジン−3−カルボニトリル(163mg、1.36mmol、Matrix Scientific、112287)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(835μL、4.78mmol)、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)(35mg、0.06mmol)、および酢酸パラジウム(II)(13mg、0.06mmol)を、アルゴン下で、N−メチル−2−ピロリドン(1mL)中で合わせた。反応物を、密閉容器中にて、4時間、120℃で加熱した。反応混合物を室温に冷却し、逆相クロマトグラフィー(0.1%トリフルオロ酢酸を含む水中の20〜60%アセトニトリル)によって精製して、化合物3のTFA塩を得た。
1H NMR (400 MHz, メタノール−d
4) δ 8.45 − 8.31 (m, 1H), 7.94 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 7.81 − 7.43 (m, 5H), 7.24 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 6.30 (d, J = 16.7 Hz, 1H), 6.10 (s, 1H), 1.97 (s, 6H).LCMS(m/z)418.3[M+H]、Tr=1.41分(LCMS法2)。
(実施例4)
(E)−6−((1−アミノ−5−(4−(2−シアノビニル)−2,6−ジメチルフェニル)イソキノリン−3−イル)アミノ)ニコチノニトリル−化合物4
【化64】
(E)−6−((1−アミノ−5−(4−(2−シアノビニル)−2,6−ジメチルフェニル)イソキノリン−3−イル)アミノ)ニコチノニトリル(化合物4)の合成
【化65】
【0222】
化合物1f(200mg、0.60mmol)、6−アミノニコチノニトリル(214mg、1.80mmol、Ark Pharm Inc、AK−32349)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(835μL、4.78mmol)、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)(35mg、0.06mmol)、および酢酸パラジウム(II)(13mg、0.06mmol)を、アルゴン下で、N−メチル−2−ピロリドン(10mL)中で合わせた。反応物を、密閉容器中にて、3日間、130℃で加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水および酢酸エチルで希釈した。有機層を分離し、ブラインで2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、0.05体積当量のヘキサンを添加し、この混合物を、さらに酢酸エチルで洗浄した2cmの層のシリカゲルを通して濾過した。合わせた有機物を減圧下で濃縮した。粗製残留物を逆相クロマトグラフィー(0.1%トリフルオロ酢酸を含む水中の10〜80%アセトニトリル)によって精製して、化合物4のTFA塩を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6) δ 8.53 (s, 1H), 8.39 − 8.29 (m, 1H), 8.11 − 7.97 (m, 1H), 7.68 (d, J = 16.7 Hz, 1H), 7.62 − 7.32 (m, 5H), 6.52 (d, J = 16.7 Hz, 1H), 6.09 (s, 1H), 1.90 (s, 6H).LCMS(m/z)417.3[M+H]、Tr=2.21分(LCMS法1)。
(実施例5)
(E)−6−((5−(4−(2−シアノビニル)−2,6−ジメチルフェニル)イソキノリン−3−イル)アミノ)ニコチノニトリル−化合物5
【化66】
ステップ1:(E)−3−(4−(3−クロロイソキノリン−5−イル)−3,5−ジメチルフェニル)アクリロニトリル(化合物5a)の合成
【化67】
【0223】
5−ブロモ−3−クロロイソキノリン(500mg、2.06mmol、SynQuest Laboratories、#3H32−D−Z7)、化合物1e(759mg、2.68mmol)、三塩基性リン酸カリウム(656mg、3.09mmol)、および1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(134mg、0.21mmol)を、ジメチルホルムアミド:水混合物(85:15、40mL)中に、アルゴン下で溶解した。反応物を30分間80℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水および酢酸エチルで希釈した。有機層を分離し、ブラインで2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、0.5体積当量のヘキサンを添加し、この混合物を、さらに酢酸エチルで洗浄した2cmの層のシリカゲルを通して濾過した。合わせた有機物を減圧下で濃縮し、残留物を、音波槽中で、ヘキサンで処理した。固体生成物を濾過除去し、ヘキサンで2回洗浄して、表題化合物5aを得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 9.34 (s, 1H), 8.31 − 8.17 (m, 1H), 7.84 (dd, J = 8.2, 7.1 Hz, 1H), 7.74 − 7.60 (m, 2H), 7.56 (s, 2H), 7.00 (s, 1H), 6.53 (d, J = 16.7 Hz, 1H), 1.84 (s, 6H).LCMS(m/z)319.2[M+H]、Tr=2.83分(LCMS法1)。
ステップ2:(E)−6−((5−(4−(2−シアノビニル)−2,6−ジメチルフェニル)イソキノリン−3−イル)アミノ)ニコチノニトリル(化合物5)の合成
【化68】
【0224】
化合物5a(400mg、1.26mmol)、6−アミノニコチノニトリル(448mg、3.76mmol、Ark Pharm Inc、AK−32349)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.73mL、10mmol)、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)(73mg、0.13mmol)、および酢酸パラジウム(II)(28mg、0.13mmol)を、アルゴン下で、N−メチル−2−ピロリドン(40mL)中で合わせた。反応物を、密閉容器中にて、12時間、120℃で加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水および酢酸エチルで希釈した。有機層を分離し、ブラインで2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、0.05体積当量のヘキサンを添加し、この混合物を、さらに酢酸エチルで洗浄した2cmの層のシリカゲルを通して濾過した。合わせた有機物を減圧下で濃縮した。粗製残留物を逆相クロマトグラフィー(0.1%トリフルオロ酢酸を含む水中の10〜80%アセトニトリル)によって精製して、化合物5のTFA塩を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6) δ 10.41 (bs, 1H), 9.24 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 8.35 (dd, J = 2.3, 0.8 Hz, 1H), 8.10 (dt, J = 8.3, 1.1 Hz, 1H), 7.98 (dd, J = 8.9, 2.3 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 16.7 Hz, 1H), 7.63 − 7.55 (m, 5H), 7.50 (dd, J = 7.0, 1.2 Hz, 1H), 6.54 (d, J = 16.7 Hz, 1H), 1.90 (s, 6H).LCMS(m/z)402.3[M+H]、Tr=2.86分(LCMS法1)。
(実施例6)
(E)−4−((5−(4−(2−シアノビニル)−2,6−ジメチルフェニル)イソキノリン−3−イル)アミノ)ベンゾニトリル−化合物6
【化69】
(E)−4−((5−(4−(2−シアノビニル)−2,6−ジメチルフェニル)イソキノリン−3−イル)アミノ)ベンゾニトリル(化合物6)の合成
【化70】
【0225】
化合物5a(20mg、0.063mmol)、4−アミノベンゾニトリル(10mg、0.082mmol、Sigma−Aldrich)、炭酸セシウム(31mg、0.094mmol)、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)(2mg、0.003mmol)、および酢酸パラジウム(II)(1mg、0.003mmol)を、アルゴン下で、N−メチル−2−ピロリドン(1mL)中で合わせた。反応物を、密閉容器中にて、5時間、120℃で加熱した。反応混合物を室温に冷却し、逆相クロマトグラフィー(0.1%トリフルオロ酢酸を含む水中の20〜100%アセトニトリル)によって精製して、化合物6のTFA塩を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6) δ 9.64 (s, 1H), 9.21 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.80 − 7.73 (m, 2H), 7.72 − 7.58 (m, 4H), 7.56 (s, 2H), 7.51 (dd, J = 8.3, 6.9 Hz, 1H), 7.41 (dd, J = 6.9, 1.2 Hz, 1H), 6.53 (d, J = 16.7 Hz, 1H), 1.89 (s, 6H).LCMS(m/z)401.3[M+H]、Tr=3.15分(LCMS法1)。
生物学的実施例
(実施例A)
抗HIV−1RT(逆転写酵素)のハイスループットスクリーニング
【0226】
化合物を、HIV−1 HBX2(野生型)、ならびにHIV−1逆転写酵素変異体K103NおよびY181Cに対する活性について、小型ハイスループット細胞変性作用アッセイでスクリーニングした。以下の表1および2では、「w.t.」は、野生型1を用いて実施した試験化合物の結果を指し、「w.t.アッセイ2」は、変異体を用いる化合物の試験と同じ日に、野生型を用いて実施した試験化合物の結果を指す。したがって、「w.t.アッセイ2」は、変異体を用いる化合物の試験と同じ条件下で実施されており、変異体を用いる試験結果との直接比較を提供する。
【0227】
半logステップサイズの化合物の10点連続希釈を、DMSOで作製した。AZT(5μM)を、正の対照として使用し、DMSOを負の対照として使用した。Echo音響ディスペンサーを使用して、連続希釈化合物200nLを、無菌384ウェル組織培養アッセイプレートに入れた。2百万個のMT−4細胞を、MOI0.0005の3種のウイルスのそれぞれと共に、別個の1mLの感染用管中、37℃で1時間インキュベートした。細胞を、50,000細胞/mLまで、細胞培養培地(RPMI+10%FBS)で希釈した。感染細胞を、連続希釈化合物を含有する384ウェルアッセイプレートに添加した。アッセイプレートを、37℃および5%CO
2に設定した加湿インキュベーター中、5日間インキュベートした。HIVの細胞変性作用を測定するために、Cell TiterGlo40μLを各ウェルに添加し、得られた発光シグナルを、Envisionプレートリーダー(Perkin Elmer)で読み取る。データを、各プレート内で正および負の対照に対して正規化し、CPE保護%として表した。EC
50値を、発光シグナルの50%低下を引き起こした化合物濃度と定義し、Pipeline Pilotソフトウェアを使用し、4つのパラメータフィット式(Accelrys、カリフォルニア州サンディエゴ)を適用することによって、非線形回帰によって算出した。結果を表1に開示する。
【表1】
【0228】
また、ハイスループットスクリーニングを、ネビラピン(「NPV」)、リルピビリン(「RPV」)、およびエファビレンツ(「EFV」)について実施した。ネビラピンは、Toronto Research Chemicals,Inc.(カナダ、トロント州;カタログ#N391275)から得た。リルピビリンは、Key Organics Ltd.(英国コーンウォール州キャメルフォード;カタログ#KE−0036)から得た。エファビレンツは、Toronto Research Chemicals,Inc.(カナダ、トロント州;カタログ#E425000)から得た。結果を、以下の表2に示す。さらなる詳細および背景は、Janssen et al, J. Med. Chem, 2005, 48, 1901−1909; Das et al., Proc. Nat. Acad. Sci., 2008, vol., 105, no. 5, 1466−1471; and Kuroda et al., Nature Chemistry, 2013, DOI: 10.1038/NCHEM.1559において見出され得る。
【表2】
* w.t.アッセイ2は、K103NおよびY181C変異体を用いるアッセイと同じ日に実施した。
ND:決定されず
【0229】
EC
50は、当技術分野で公知の技術によって評価され得ると理解される。一実施形態では、化合物は、先に論じた「抗HIV変異体K103NおよびY181Cのハイスループットスクリーニング」アッセイセクションで提供される方法によって測定して、野生型またはHIV RT変異体のいずれか(例えば、K103NおよびY181C)において約3000nM未満のEC
50を呈する。一実施形態では、化合物は、野生型またはHIV RT変異体(例えば、K103NおよびY181C)のいずれかにおいて約1000nM、500nM、400nM、300nM、250nM、200nM、100nM、50nM、25nM、10nM、5nM、または1nM未満のEC
50を呈する。
実施例B
hERGアッセイ
細胞:
【0230】
hERGチャネルを安定に発現するAVIVAのCHO細胞株を、研究で使用した。細胞を、10%FBS、1%ペニシリン/ストレプトマイシンおよび500μg/mlのG418を含有するDMEM/F12中で培養した。試験前に、Accumax(Innovative Cell Technologies)を使用して細胞を採取した。
溶液:
【0231】
電気生理学的な記録のために、以下の溶液を使用した。
外部溶液:2mMのCaCl
2;2mMのMgCl
2;4mMのKCl;150mMのNaCl;10mMのグルコース;10mMのHEPES;305〜315mOsm;pH7.4(5MのNaOHで調整した)。
内部溶液:140mMのKCl;10mMのMgCl
2;6mMのEGTA;5mMのHEPES−Na;5mMのATP−Mg;295〜305mOsm;pH7.25(1MのKOHで調整した)。
電気生理学:
【0232】
全細胞記録を、PX7000A(Axon Instruments)を使用し、AVIVAのSealChip
TM技術を用いて実施した。細胞を、−80mVの保持電圧で電圧固定した。次にhERG電流を、300ミリ秒間の−50mVまでの脱分極ステップによって活性化した。−50mVにおけるこの第1のステップを、テール電流のピーク振幅を測定するためのベースラインとして使用した。次に、+20mVまでの電圧ステップを5秒間適用して、チャネルを活性化した。最後に、5秒間で−50mVに戻るステップによって、活性化を除去し、テール電流の不活化を記録した。
被験物質の取扱いおよび希釈:
【0233】
全ての被験物質を、10mMのDMSO原液から調製した。溶液を、20分間の超音波処理によって混合した後、激しくボルテックスした。試験前に、化合物を、ガラスバイアル中、外部溶液を使用して試験濃度まで希釈した。使用前20分以内に希釈物を調製した。
電気生理学手順
【0234】
全細胞を配置した後、細胞を、90秒間モニタして安定性を評価し、次に外部溶液で66秒間洗浄した。次に、電圧プロトコルを、手順の始めから終わりまで12秒ごとに細胞に適用した。閾値を超える記録パラメータを有する安定な細胞だけを、薬物添加手順に移した。
【0235】
0.1%DMSOを含有する外部溶液(ビヒクル)を、細胞に適用して、ベースラインを確立した。電流を3〜10分間安定化させた後、被験物質を適用した。被験物質溶液を、別個に4回に分けて細胞に添加した。被験物質の効果が定常状態に達するまで、細胞を、試験溶液中で最長12分間保持した。次に、1μMシサプリド(正の対照)を添加した。最後に、回復電流が定常状態に達するまで、外部溶液によるウォッシュアウトを実施した。
データ分析
【0236】
データ分析を、DataXpress(Axon Instruments)、Clampfit(Axon Instruments)およびOrigin(OriginLab Corporation)ソフトウェアを使用して実施した。結果は、表3に開示されている。
【表3】
【0237】
hERGアッセイを、リルピビリン(「RPV」)についても実施した。結果は0.5μMであった。
【0238】
観測された特異的な薬理学的応答は、選択される特定の活性化合物、または薬学的担体が存在するかどうか、および用いられる製剤のタイプおよび投与方法に従って、ならびにそれらに応じて変わり得るが、結果における予想されるこのような変動または差異は、本開示の実施に従って意図される。
【0239】
本明細書に開示の実施例は、本明細書に開示の化合物、および化合物を調製するために使用される中間体の合成を記載している。本明細書に記載の個々のステップは、組み合わせることができると理解されたい。また、化合物の別個のバッチを組み合わせ、次に、その後の合成ステップに持ち越すことができると理解されたい。
【0240】
刊行物、特許文献および特許文書を含む全ての参考文献は、参照により個々に援用された場合と同様に参照により本明細書に援用される。本開示は、様々な実施形態および技術への言及を提供している。しかし、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、多くの変更および改変を加え得ることが理解されるものとする。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
式Iの化合物
【化71】
[式中、
X1、X2、X3、およびX4は、それぞれ独立に、C(R7)またはNであり、ここで、X1、X2、X3、およびX4のうち0〜2個がNであり、
R1は、−H、−CN、−ORa、C1〜6ハロアルキル、またはハロゲンであり、
R2は、−H、−NRbRc、−SRa、−ORa、またはC1〜6アルキルであり、ここで、C1〜6アルキルは、同じでも異なっていてもよい1、2、3、4、または5個のR8基で任意選択的に置換されており、
R3およびR4は、それぞれ独立に、−H、−ORa、ハロゲン、−NRbRc、−C(O)ORa、−CN、−C(O)NRbRc、−NHC(O)NRbRc、−OC(O)NRbRc、CH2C(O)NRbRc、C1〜6アルキル、またはC1〜6ヘテロアルキルであり、ここで、各C1〜6アルキルまたはC1〜6ヘテロアルキルは、同じでも異なっていてもよい1、2、3、4、または5個のR8基で任意選択的に置換されており、R5およびR6は、それぞれ独立に、ハロゲン、−ORa、またはC1〜6アルキルであり、ここで、各C1〜6アルキルは、同じでも異なっていてもよい1、2、3、4、または5個のR8基で任意選択的に置換されており、
各R7は、独立に、−H、ハロゲン、−ORa、またはC1〜6アルキルであり、ここで、各C1〜6アルキルは、同じでも異なっていてもよい1、2、3、4、または5個のR8基で任意選択的に置換されており、
各R8は、独立に、C1〜6アルキル、C1〜6ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、−ORa、−C(O)Ra、−C(O)ORa、−C(O)NRbRc、−OC(O)NRbRc、−NRbC(O)ORa、−SRa、−S(O)1〜2Ra、−S(O)2F、−S(O)2NRbRc、−NRbS(O)2Ra、−N3、−CN、または−NO2であり、ここで、各C1〜6アルキル、C1〜6ヘテロアルキル、アリール、またはヘテロアリールは、同じでも異なっていてもよい1、2、3、4、または5個の、ハロゲン基、−ORa基、−C(O)Ra基、−C(O)ORa基、−C(O)NRbRc基、−OC(O)NRbRc基、−NRbC(O)ORa基、−SRa基、−S(O)1〜2Ra基、−S(O)2F基、−S(O)2NRbRc基、−NRbS(O)2Ra基、−N3基、−CN基、または−NO2基で任意選択的に置換されており、
各Raは、独立に、−H、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ヘテロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、各アリールまたはヘテロアリールは、同じでも異なっていてもよい1、2、3、4、または5個のR21基で任意選択的に置換されており、
RbおよびRcは、それぞれ独立に、−H、−NH2、C1〜6アルキル、C1〜6ヘテロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、各C1〜6アルキル、C1〜6ヘテロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールは、1、2、3、4、もしくは5個のR21基で任意選択的に置換されており、またはRbおよびRcは、それらが結合している原子と一緒になって、C1〜10ヘテロシクロアルキルを形成し、
R21は、C1〜6アルキル、−CN、アリール、ヘテロアリール、またはハロゲンである]
またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩。
(項目2)
R2が、−H、−NRbRc、または−OHである、項目1に記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩。
(項目3)
R2が、−H、−NH2、または−OHである、項目1または2に記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩。
(項目4)
R3およびR4が、それぞれ独立に、−H、−ORa、ハロゲン、−NRbRc、−C(O)ORa、または−C(O)NRbRcである、項目1から3のいずれか一項に記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩。
(項目5)
R3およびR4が、それぞれ独立に、−H、C(O)ORa、または−C(O)NRbRcである、項目1から4のいずれか一項に記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩。
(項目6)
R3およびR4が、それぞれ−Hである、項目1から5のいずれか一項に記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩。
(項目7)
式Iの化合物が式Iaの化合物
【化72】
である、項目1から6のいずれか一項に記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩。
(項目8)
【化73】
が
【化74】
から選択される、項目1から7のいずれか一項に記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩。
(項目9)
式Iの化合物が式Ibの化合物
【化75】
である、項目1から6のいずれか一項に記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩。
(項目10)
【化76】
が
【化77】
である、項目9に記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩。
(項目11)
R5およびR6が、それぞれ独立に、ハロゲン、−O−C1〜6アルキル、またはC1〜6アルキルであり、ここで、各C1〜6アルキルが、同じでも異なっていてもよい1、2、3、4、または5個のR8基で任意選択的に置換されている、項目1から10のいずれか一項に記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩。
(項目12)
R5およびR6が、それぞれ独立に、C1〜3アルキルである、項目1から11のいずれか一項に記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩。
(項目13)
R5およびR6が、それぞれ独立に、−CH3である、項目1から11のいずれか一項に記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩。
(項目14)
R1が、−H、−CN、−O−C1〜6アルキル、−CF3、−O−C1〜3ハロアルキル、またはハロゲンである、項目1から13のいずれか一項に記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩。
(項目15)
R1が、−CNである、項目1から14のいずれか一項に記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩。
(項目16)
各R7が、独立に、−H、ハロゲン、−O−C1〜6アルキル、またはC1〜6アルキルであり、ここで、各C1〜6アルキルが、同じでも異なっていてもよい1、2、3、4、または5個のR8基で任意選択的に置換されている、項目1から15のいずれか一項に記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩。
(項目17)
各R7が、独立に、−HまたはC1〜3アルキルである、項目1から16のいずれか一項に記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩。
(項目18)
各R7が、−Hである、項目1から17のいずれか一項に記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩。
(項目19)
前記化合物が、
【化78】
から選択される、項目1から18のいずれか一項に記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩。
(項目20)
項目1から19のいずれか一項に記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
(項目21)
少なくとも1種または複数種の追加の治療剤を含む、項目20に記載の医薬組成物。
(項目22)
前記少なくとも1種または複数種の追加の治療剤が、HIVプロテアーゼ阻害化合物、HIVの逆転写酵素の非ヌクレオシド阻害剤、HIVの逆転写酵素のヌクレオシド阻害剤、HIVの逆転写酵素のヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、gp41阻害剤、CXCR4阻害剤、gp120阻害剤、CCR5阻害剤、カプシド重合阻害剤、およびHIVを処置するための他の薬物、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される、項目21に記載の医薬組成物。
(項目23)
項目1から19のいずれか一項に記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩を含む、キット。
(項目24)
単位投与量の項目1から19のいずれか一項に記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩を含む、物品。
(項目25)
逆転写酵素の阻害を必要とする被験体において逆転写酵素を阻害する方法であって、項目1から19のいずれか一項に記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩を前記被験体に投与するステップを含む、方法。
(項目26)
被験体のHIV感染症を処置または防止する方法であって、項目1から19のいずれか一項に記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩を前記被験体に投与するステップを含む、方法。
(項目27)
被験体のHIV感染症を処置または防止する方法であって、前記処置または防止を必要とする被験体に、項目1から19のいずれか一項に記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩を、HIVプロテアーゼ阻害化合物、HIVの逆転写酵素の非ヌクレオシド阻害剤、HIVの逆転写酵素のヌクレオシド阻害剤、HIVの逆転写酵素のヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、gp41阻害剤、CXCR4阻害剤、gp120阻害剤、CCR5阻害剤、カプシド重合阻害剤、およびHIVを処置するための他の薬物、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される治療有効量の1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与するステップを含む、方法。
(項目28)
医学的治療に使用するための、項目1から19のいずれか一項に記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩。
(項目29)
被験体のHIVウイルス感染症の処置または防止に使用するための、項目1から19のいずれかに記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩。
(項目30)
被験体のHIVウイルス感染症の処置または防止のための医薬を製造するための、項目1から19のいずれか一項に記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩の、使用。
(項目31)
被験体のHIVウイルス感染症の処置または防止のための、項目1から19のいずれかに記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩の、使用。
(項目32)
被験体におけるHIV逆転写酵素を阻害するための、項目1から19のいずれかに記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩の、使用。
(項目33)
HIV逆転写酵素をin vitroで阻害するための、項目1から19のいずれかに記載の化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩の、使用。