【文献】
鈴木 貴大,他,異なる簡易VR学習環境下での学習効果の差異に関する研究,第73回(平成23年)全国大会講演論文集(4) インタフェース コンピュータと人間社会,2011年 3月 2日,第455、456頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【実施例1】
【0009】
図1は、本発明を実施するドライビングシミュレータの一実施例の機能ブロック図であり、101はハンドル、アクセル、ブレーキ等の模擬操作機器、102は模擬操作機器101の操作に応じて自動車の運動を計算する運動計算部、103は運動計算部102が計算した結果に従って、仮定した状況内で動き自動車窓外に見える事物の画像を生成する画像生成装置、104は画像生成装置103で生成した画像を表示する表示装置、105は層別判定手段、106は模擬画像段階設定手段、107は運転評価手段である。
画像生成装置103は第1の画像加工処理部103a、第2の画像加工処理部103b、第3の画像加工処理部103c、第4の画像加工処理部103d及び予め模擬車両の窓外からみえる情景の電子データを格納するデータベース1032を備える。
運動計算部102、画像生成装置103、層別判定手段105、模擬画像段階設定手段106及び運転評価手段107はコンピュータにより構成される。画像生成装置103は、第1のフレームメモリ103M1に元画像を生成し、第1〜第4の画像加工処理部103a〜103dで加工処理された画像を第2フレームメモリ103M2で得る。
【0010】
画像生成装置103が生成する画像の画素数は、表示装置104が表示する画素数より大きい。すなわち、表示装置104は、画像生成装置103で生成した画像の部分を表示することになる。
【0011】
第1〜第4の画像加工処理部103a〜103dは、飲酒者が体感する視覚異常を模擬するため画像生成装置103が生成する原画像を加工する。
第1の画像加工処理部103aは、画像生成装置103が第1のフレームメモリ103M1に生成した元画像について中央の所定位置を原点として、あらかじめ定めた範囲で前記画像を平行移動及び回転し、第2のフレームメモリ103M2に格納し、画像を表示装置の表示領域内で表示できる大きさの領域とした画像を再生成する。第1の画像加工処理部103aは、元画像を平行移動することにより注視点をずらさせ、回転させることにより地平線を傾け平衡感覚に異常を生じさせる。
第2の画像加工処理部103bは、画像生成装置103が生成した元画像の画素を所定の範囲毎に異なる方向に所定の距離だけ移動して、画像を表示装置の表示領域内で表示できる大きさの領域とした画像を再生成する。第2の画像加工処理部103bは、所定範囲毎に異なる方向に移動させることにより画面全体を歪ませて、焦点を合わせづらくしている。
第3の画像加工処理部103cは、画像生成装置103が生成した元画像について各画素の周辺に画素の混合率を与えてその画素の色を混合して新たな画素による画像を再生成し、再生成した画像を表示装置104の表示領域内で表示できる大きさの領域とする。第3の画像加工処理部103cは、周辺の
画素の混合率を中心に比較して小さくすることにより、周辺視野のぼかしを入れることができ情報収集を困難にすることができる。
第4の画像加工処理部103dは、画像生成装置103が生成した元画像について中央の所定位置を原点として、あらかじめ定めた範囲で前記画像を平行移動した画像を再生成し、元画像と再生成した画像とを所定の割合で混合して新たな画像を再生成し、再生成した画像を表示装置の表示領域内で表示できる大きさの領域とする。平行移動した画像と元の画像の所定の割合で混合することにより、複視を体験することができる。
【0012】
第1準備として、教育用シミュレータを運用する前に、適当な人数について画像加工処理をしない元画像によるドライビングシミュレータを実施する。このとき、飲酒をさせてドライビングシミュレータを操作し、そのときの飲酒による
血中(アルコール)濃度とドライビングシミュレータ操作の状況(ドライビング操作のミス)を記録し、
血中(アルコール)濃度と操作ミスの平均的な関係を得ておく。
また、第2準備として、飲酒させないで、画像生成装置103において第1〜第4の画像加工処理部103a〜103dにより処理した画像
すなわち幻覚模擬画像を用いて、ドライビングシミュレータを実施する。このとき、第1〜第4の画像加工処理部103a〜103dにより処理する
幻覚模擬画像の加工の程度を種々変化させ、その程度をパラメータとして、画像生成装置103に
幻覚模擬画像について加工の程度に関連して所定の段階を設定しておく。種々変化させたパラメータPにおけるドライビングシミュレータにおける操作の誤り
(操作ミス)を、適当な人についてデータを取り、パラメータPと操作誤り
(操作ミス)の平均的な関係を得ておく。
第1準備で得た、操作ミスの程度と、第2準備で得た操作ミスの程度におけるそのときのパラメータPとの相関を得る。したがって、パラメータPは
血中(アルコール)濃度を裏付けるものとなる。
このようにして、血中アルコール濃度と幻覚模擬画像の段階のパラメータとの相関をとり、このとられた相関に基づき、幻覚模擬画像の段階を設定している。すなわち、第2準備のパラメータによる幻覚模擬画像を第1準備で得た飲酒量による所定の段階に設定し、後記するように再現している。
【0013】
教育用シミュレータを開始し、
模擬画像段階設定手段106は、受講者に対し運転者の
日常の飲酒習慣、飲酒量、飲料種類等の質問を表示装置104の画面に表示
する。受講者は、回答をタッチ画面、マウス、キー等の入力手段により行い、
模擬画像段階設定手段106は、その飲酒習慣等のデータを第1準備で得た血中濃度に当てはめ、その受講者の模擬画像段階を設定する。その後、層別判定手段105は、そのデータを第1準備で得た血中アルコール濃度による操作ミスと第2準備で得たパラメータPとの相関に当てはめ、模擬画像段階設定手段106はその受講者の模擬画像段階をパラメータPとして設定する。
またその後、層別判定手段105は、受講者に対し運転者の日常の飲酒習慣、飲酒量、飲料種類等の質問を表示装置104の画面に表示し、受講者は、回答をタッチ画面、マウス、キー等の入力手段により行い、そのデータをあらかじめ受講者とは別の一般人について調査した結果に当てはめ、その受講者の飲酒行動の
層別判定を行い、スクリーニング(層別)を行う。その結果は受講者に、表示装置104の画面または教育シミュレータの教官から口頭または文書とともに報告される。
次いで、これから行う学習の趣旨や概要を表示装置104の画面と音声により説明する。例えば、飲酒運転の現状を説明し、飲酒運転の根絶には個々人の意識改革が必要であり、本教材でそのことを実感してもらうことを説明する。そして、普段の飲酒状態を模擬体験し、これらの症状を実感してもらうこと、普段の飲酒状態で実際に起こりうる危険な交通環境を模擬体験してもらうことを説明する。
【0014】
教育用シミュレータは、通常状態(飲酒をしていない状態)の反応時間を測定し、これに基づき飲酒時の反応時間を推測する。その後、シミュレータ画面上の飛び出し場面の模擬において、反応遅れが危険な状況となることを、画像生成装置103の第1〜第4の画像加工処理部103a〜103dにより処理した画像を用いて、体験してもらい、その結果をわかりやすく解説する。例えば、
1)反応時間測定 信号変化によるブレーキ反応測定で反応時間を測定します。
2)反応時間表示及び解説 測定した反応時間を表示し、あなたの普段の飲酒量で、どれほど遅くなることがあるかを説明します。
3)反応遅れの実体験 シミュレータ装置により実際の住宅街を走行する画像を表示し、子供の飛び出しを模擬体験します。シミュレータ装置の模擬操作機器101に、前記2)反応時間表示及び解説による遅れの時間になるように設定し、遅くなった反応時間を実感し、事故になり易いことを理解させます。
【0015】
次に、飲酒による視覚への悪影響をシミュレータ装置の画面上で模擬する。通常状態と比較して視力の低下による運転への影響を体験してもらい、その結果を解説する。
1)飲酒状態の視覚模擬 飲酒により視覚機能の低下が起こることを説明し、前記層別判定手段105による層別に合わせた受講者の飲酒量による視覚状況を再現した第1〜第4の画像加工処理部103a〜103dによる模擬すべき所定の段階(パラメータにより設定される)の幻覚模擬画像を模擬画像段階設定手段106により自動的にパラメータ設定した画像フィルターでの再現映像を表示する。
2)飲酒フィルター体験 画像フィルターをON/OFFし、道路に沿って走行体験する。ON/OFF毎の制御成績を定量的に比較し、運転が困難になることを理解させる。運転評価手段107はこのときの制御成績を所定の基準と
比較して評価し記録する。
模擬画像段階設定手段106で設定されたパラメータPに対応した画像フィルターで画像が再現されるから、運転評価手段107は、その時の制御成績、すなわち操作誤り(操作ミス)が前記第2準備で得たいずれのパラメータPに相関する飲酒状態における運転であるか評価され記録する。
【0016】
画像生成装置103及び第1〜第4の画像加工処理部103a〜103dの画像は、危険場面体験をさせることができ、その危険場面として、例えば、視覚への
悪影響下における、先行車の不意な動き、先行車の急停止、交差点右折、住宅街における自転車の危険などがある。これらの危険状態は、昼間・夜間・薄暮状態で模擬することができる。
先行車の不意な動きについては、飲酒状態で、昼・夜・薄暮時に先行車が不意に車線変更をしてくる場面を体験する。視覚への悪影響による危険要因の発見遅れ、反応遅れ、操作ミスによる危険が実際に体験可能です。
先行車の急停止については、飲酒状態で、昼・夜・薄暮時に先行車が急に停止する場面を体験する。反応遅れ、視覚への悪影響による危険要因の発見遅れにより追突してしまう危険を模擬により実際に体験可能です。
交差点右折については、飲酒状態で、昼・夜・薄暮時に交差点を右折する場面を体験する。視覚への悪影響による危険要因の発見遅れ、運動能力低下による操作ミスを模擬により実際に体験可能です。
住宅街における自転車の危険については、飲酒状態で、昼・夜・薄暮時の住宅街において、不意に自転車が横断してくる場面を体験する。視覚への悪影響による危険要因の発見、反応遅れによる危険が実際に体験可能です。
【0017】
画像生成装置103及び第1〜第4の画像加工処理部103a〜103dの画像生成について説明する。
模擬運転を開始すると、模擬自動車の速度及び方向に応じてデータベース1032から読み出したデータより画像生成装置103が、例えば
図2のような、窓外の景色を変化させた画像を表示装置104に表示する。
図2は飲酒の影響がない状態の画像である。このとき、画像生成装置103は、表示と同時又は一定の時間経過後に、パラメータP1に応じて第1の画像加工処理部103aを機能させる。第1〜第4の画像加工処理部103a〜103dが作用しないときは、表示装置104の画面の中央点(あるいはその近傍)の画素位置と画像生成装置103が生成する画像の面の中央点(あるいはその近傍)の画素位置とは、それぞれを座標の原点とし、原点を一致した状態で表示する。したがって、仮に表示装置104の画面を移動回転したときに、画像生成装置103が生成する画像面内で移動回転する限り、表示装置104は画像生成装置103の画像を表示することができる。
第1の画像加工処理部103aは、画像生成装置103が生成した元画像の全体を平行移動及び回転するように計算処理(位置変更加工処理すなわち位置変更フィルター)するのであるが、平行移動の距離及び回転の大きさをパラメータP1(平行移動させる方向により例えば左方向には−P1p、右方向には+P1pを与える、回転させる方向により反時計回りには−P1w、時計回りには+P1wを与える)により決める。パラメータP1が設定可能な平行移動及び回転の量は、これら平行移動及び回転の加工処理により再生した画像が表示装置104により表示可能な範囲の移動回転によるものである。
第1の画像加工処理部103aは、画像生成装置103が生成した元画像の各画素の位置(x,y)に対し、パラメータP1pにより決められる量の平行移動範囲内で、元画像の原点から所定方向に平行移動の計算をし、移動計算により得られた位置を表示装置104の座標に合わせて表示装置104において表示する。模擬自動車の移動により窓外の景色が変化し、パラメータP1pを+P1p〜−P1p間で周期的にわずかずつ変化して、パラメータ(+P1p〜−P1p)の範囲内で、窓外の景色の画像を周期的に平行移動させる。
回転表示する場合は、元の画像の画面中心を原点としてパラメータP1wにより決められる角度の範囲内で、回転計算をし、回転計算により得られた位置を表示装置104の座標に合わせて表示装置104において表示する。模擬自動車の移動により窓外の景色が変化し、パラメータP1wを+P1w〜−P1w間で周期的にわずかずつ変化して、パラメータ(+P1w〜−P1w)の範囲内で、窓外の景色の画像を周期的に平行移動させる。
上記説明では、平行移動の計算と回転の計算とをそれぞれ独立に行っているが、平行移動計算結果に回転計算を施し、又は回転計算結果に平行移動計算を施して、位置移動した新たな座標上に元の画像の画素色を表示させても良い。
図3に平行移動と回転の処理をした画像の例を示し、画像の平行移動又は回転移動により、飲酒時の注点の錯乱を体感させることができる。
【0018】
第2の画像加工処理部103bは、画像生成装置103が生成した元画像を与えられたパラメータP2に応じて乱屈折するように計算処理(乱屈折加工処理すなわち乱屈折フィルター)する。第2の画像加工処理部103bは、元画像の領域面を所定の範囲で分割し、その領域のおのおのにその領域に含まれる画像を移動する方向及び量を定めておく。移動方向及び量を第2の画像加工処理部103bが備える図示しない乱屈折フィルター格納部103bMに格納しておく。その格納状態の模式図を
図8に示す。乱屈折フィルターのレベルは移動する量の大きさすなわち強度の段階により数種あり、パラメータP2の切替によりその移動方向および強度を変えることができる。運用時のパラメータP2の設定は、教官が運転者の飲酒習慣等の属性によりあらかじめ決めておく。
第2の画像加工処理部103bは、画像生成装置102が画像を生成すると、その画像について乱屈折フィルター格納部103bMから読み出した乱屈折フィルターに応じて、画像の位置(x,y)移動の計算を行う。元の画像の各画素は計算された新たな位置(x,y)において表示され、表示装置104に元の画像が、画面が歪んだものとして表示される。この歪みは、画面全体について乱屈折フィルターを用いることにより、施すことができる。元の画像の移動可能範囲は表示装置104の画面内で元の画像を移動したときに元の画像が表示装置104の画面から外れない範囲である。
模擬自動車の移動により窓外の景色が変化し、パラメータP2に応じた歪曲した画像を体感させることができる。あるいは、パラメータP2を+P2m〜+P2n(m>n≧0,m,nは歪曲の強度の程度を表し、P20は歪曲がない状態を与えるパラメータ)間で周期的かつわずかな変化にして、パラメータ(+P2m〜〜+P2n)の範囲内で、窓外の景色の画像を周期的に歪曲の程度が大きいものから歪曲の小さいあるいはないものの間に変化させるようにしても良い。
図4に乱屈折の処理をした画像の例を示し、画像の歪みにより、飲酒時の平衡感覚の錯乱すなわち乱屈折を体感させることができる。
第2の画像加工処理部103bによる乱屈折の処理は、第1の画像加工処理部103aによる平行・回転移動の処理の後に行ってもよく又は独立に行っても良い。
【0019】
第3の画像加工処理部103cは、画像生成装置103が生成した元画像を与えられたパラメータP3に応じて視野狭窄するように計算処理(視野狭窄加工処理すなわち視野狭窄フィルター)する。視野狭窄の範囲をパラメータP3により決める。パラメータP3が設定可能な視野狭窄の範囲は、視野狭窄の加工処理により再生した画像が表示装置104により表示可能な範囲である。
第3の画像加工処理部103cは、第3の画像加工処理部103cが備える図示しない3×3空間フィルターを用いた混ぜ合わせ処理、すなわち、画像生成装置103が生成した元画像の各画素の位置(x,y)に対し、周囲8箇所の画素の色を与えられた画素の混合率に応じた色混合計算をして、元の画像の各画素の色をぼかすことができる。画素の混合率はパラメータP3により与えられ、3×3空間フィルターの例を
図9に示す。
図9の例では、中心の画素の混合の画素の混合率を“0.2”、その周囲8箇所の画素の混合の画素の混合率をそれぞれ“0.1”にしてある。ぼかしの程度は、画面の中心から離れるほどぼかしを大きくするために、画面中心から大きく離れた位置(x,y)に対するパラメータP3により与えられる周囲8箇所の画素の混合率を大きくし、中心から比較的近くの位置に対する画素の混合率を小さくする。視野の中心及びその近傍に対しては、画素の混合率を0にして、ぼかしをなくする。元画像の画素から画素の混合率に応じた色混合計算をし、色混合計算により得られた色による画像を新たな画像として表示装置104において表示する。表示装置104の画面の周辺の画素はその画面外の画素も色混合に用いるから、混合に用いる元の画像は表示装置で表示する領域より大きいものとする。模擬自動車の移動により窓外の景色が変化し、パラメータP3に応じた周辺が見えにくくなる画像を体感させることができる。あるいは、パラメータP3を+P3m〜+P3n(m>n≧0,m,nは視野狭窄の強度の程度を表し、P30は視野狭窄がない状態を与えるパラメータ)間で周期的にわずかずつ変化して、パラメータ(+P3m〜+P3n)の範囲内で、窓外の景色の画像を周期的に視野狭窄の程度がP3による強度の大きいものから視野狭窄の小さいあるいはないものの間に変化させるようにしても良い。
図5に視野狭窄処理をした画像の例を示し、画像の歪みにより、飲酒時の周辺視野の歪みすなわち視野狭窄を体感させることができる。
第3の画像加工処理部103cによる視野狭窄の処理は、第1の画像加工処理部103aによる平行・回転移動を施した画像について、または第2の画像加工処理部103bによる乱屈折加工を施した画像について、または第1の画像加工処理部103aによる平行・回転移動及び第2の画像加工処理部103bによる乱屈折加工を施した画像について行ってもよく、又は独立に行っても良い。
【0020】
第4の画像加工処理部103dは、画像生成装置103が生成した元画像を与えられたパラメータP4に応じて複視の画像にするように計算処理(複視加工処理すなわち複視フィルター)する。第4の画像加工処理部103dは、複視画像加工処理(複視フィルター)のパラメータP4により、元の画像全体を平行移動し元の画像と移動処理した画像とを混合計算することにより得る。複視フィルターのパラメータP4は元の画像を移動する最大量(距離)、方向を決める。第4の画像加工処理部103dは、パラメータP4の切替によりその移動方向および距離を変えることができる。運用時のパラメータP4の設定は、教官が運転者の飲酒習慣等の属性によりあらかじめ決めておく。第4の画像加工処理部103dは、画像生成装置102が画像を生成すると、その画像について複視フィルターのパラメータP4に応じて、第1の画像加工処理部103aと同様に、画像の位置(x,y)移動の計算を行う。画像生成装置103の元の画像を平行移動させるから、平行移動させた画像を表示装置104において表示する際に表示装置104の表示面内において移動させる必要がある。
第4の画像加工処理部103dは、画像生成装置103が生成した元画像の各画素の位置(x,y)に対し、パラメータP4により決められる量の平行移動範囲内で、元画像の原点から所定方向に平行移動の計算をし、元の画像に、移動計算により得られた位置の画像を混合して、表示装置104において表示する。このとき、元の画像の画素の色と移動により得られた画像の画素の色とは、例えば1/2ずつの割合で混合して、複視を表示する。模擬自動車の移動により窓外の景色が変化し、パラメータP4を+P4〜−P4間で周期的変化しかつわずかずつ変化して、パラメータ(+P4〜−P4)の範囲内で、窓外の景色の画像を周期的に平行移動させるようにしてもよい。
図6に複眼処理をした画像の例を示し、飲酒による複視狭窄を体感させることができる。
第4の画像加工処理部103dによる複視の処理は、第1の画像加工処理部103aによる平行・回転移動を施した画像について、または第2の画像加工処理部103bによる乱屈折加工を施した画像について、または第3の画像加工処理部103cによる視野狭窄加工を施した画像について、またはこれら平行・回転移動、乱屈折、視野狭窄の組み合わせ処理による画像について行ってもよく、又は独立に行っても良い。
【0021】
元の画像に対する第1の画像加工処理部103aの計算処理後に、その計算に基づいて第2の画像加工処理部103bによる計算処理をし、その計算に基づいて第3の画像加工処理部103cによる計算処理をし、さらに、その計算に基づいて第4の画像加工処理部103dによる計算処理を順次おこない、その計算結果による画像を表示装置104に表示する。第1〜第4の画像加工処理部103a〜dの各作用は各画像加工処理部103a〜dにおいて説明した通りであるが、第2〜第4の画像加工処理部103b〜dの計算対象は、元の画像ではなく、第2の画像加工処理部103bは第1の画像加工処理部103aの計算結果、第3の画像加工処理部103cは第2の画像加工処理部103bの計算結果、第4の画像加工処理部103dは第3の画像加工処理部103cの計算結果である。このようにして、
図7のように、平行移動回転、乱屈折、視野狭窄及び複眼の影響を受けた、飲酒による視覚症状の画像例を得ることができる。第1〜第4の画像加工処理部103a〜dの上記実施例の作用により、飲酒による視覚症状を体感させることができ、模擬自動車の移動により窓外の景色が変化するときにも上記実施例により飲酒による視覚症状を体感させることができる。
【0022】
シミュレータ画像による危険場面の体験が終わると、その結果及び最初に行った
スクリーニング(層別)テストの結果を提示し、その結果に即した個別の解説を行う。
1)運転体験結果 体験場面中の事故率を表示装置104または別のスクリーンに表示する。
2)
スクリーニング(層別)テストの結果 受講者別の
スクリーニング(層別)テストの結果を表示装置104または別のスクリーンに表示する。問題のある人には、依存症の可能性があるため専門機関に相談することを勧める。
【0023】
講習の最後に、復習の意味を含めビデオ解説を見せる。
飲酒運転の危険性を論理的に解説する時間の短いビデオ解説と、飲酒運転の恐怖を情緒に訴える時間の長いビデオ解説があり、どちらかを講習の用途によって選択することができる。
【0024】
受講者の飲酒量、飲酒行動の結果、飲酒状態体験の結果(反応時間の遅れ、制御成績の低下)、危険場面体験の結果(各場面の事故の有無、反応時間等)等を印刷した結果表を出力する。結果印刷は、解説を実施している間に並行して行うことができ、講習終了後、待たせることなく配布することができる。