特許第6357046号(P6357046)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6357046
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】ワーク品目識別装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/02 20060101AFI20180702BHJP
   B07C 5/10 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
   G01B11/02 H
   B07C5/10
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-157643(P2014-157643)
(22)【出願日】2014年8月1日
(65)【公開番号】特開2016-35396(P2016-35396A)
(43)【公開日】2016年3月17日
【審査請求日】2017年7月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004385
【氏名又は名称】NOK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100071205
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100179970
【弁理士】
【氏名又は名称】桐山 大
(72)【発明者】
【氏名】中村 俊介
【審査官】 櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−050714(JP,A)
【文献】 特開昭62−261002(JP,A)
【文献】 特開2005−148010(JP,A)
【文献】 特開2005−326312(JP,A)
【文献】 特開2012−194108(JP,A)
【文献】 特開2002−286422(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00−11/30
B07C 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内外径寸法及び高さ寸法を備えるリング状ワークに対し投光装置から光を照射しながら前記ワークを撮像装置で撮像し、画像処理装置で画像処理を行うことにより、前記ワークの品目を複数種類の品目の中から識別するワーク品目識別装置であって、
前記投光装置は、ワークに対し高さ方向一方からLED光を照射するLED光源と、ワークに対し斜めの方向からレーザ光を照射するレーザ光源とを有し、
前記撮像装置は、ワークを高さ方向一方から撮像するカメラを有し、
前記画像処理装置は、LED光を照射しながら撮像した画像をその濃淡分布からワークである部分とワークでない部分とに区別可能なしきい値で二値化した画像信号に変換する画像情報変換手段と、
前記二値化した画像信号を元にワークの輪郭形状を特定しワークの内径寸法及び外径寸法を計測するワーク寸法計測手段と、
レーザ光を照射しながら撮像した画像をその濃淡分布からレーザ光を照射した部分とレーザ光を照射していない部分とに区別可能なしきい値で二値化した画像信号に変換する第2画像情報変換手段と、
前記レーザ光を照射した部分を示す画像信号の発信位置が前記レーザ光を照射した部分の高さ位置に従って変位するのにもとづいて変位距離を測定し、レーザ光が斜めの方向から照射されることにもとづく三角法による演算によりワークの高さ寸法を算出するワーク寸法算出手段と、
前記ワーク寸法計測手段及びワーク寸法算出手段で計測・算出したワークの内外径寸法及び高さ寸法と予め記憶された前記複数種類の品目における各内外径寸法及び高さ寸法とを比較することにより、ワークが属する品目を特定する比較手段とを有し、
前記比較手段からの出力によりワークの品目を複数種類の品目の中から識別することを特徴とするワーク品目識別装置。
【請求項2】
請求項1記載のワーク品目識別装置において、
前記比較手段は、前記ワーク寸法計測手段で計測したワーク内径寸法と予め記憶された前記複数種類の品目における各内径寸法とを比較することによりワーク内径寸法に近い内径寸法を備える品目を抽出し、前記ワーク寸法計測手段で計測したワーク外径寸法と予め記憶された前記複数種類の品目における各外径寸法とを比較することによりワーク外径寸法に近い外径寸法を備える品目を抽出し、前記ワーク寸法算出手段で算出したワーク高さ寸法と予め記憶された前記複数種類の品目における各高さ寸法とを比較することによりワーク高さ寸法に近い高さ寸法を備える品目を抽出し、各抽出によるヒット数が最も多い品目をワークが属する品目として特定することを特徴とするワーク品目識別装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のワーク品目識別装置において、
前記ワークは、パッキン、ガスケット又はオイルシール等の環状シール部品であることを特徴とするワーク品目識別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査対象であるワークの品目を予め登録(記憶)した複数種類の品目の中から識別(判別)するワーク品目識別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生産ライン合理化のため、ひとつの画像検査機で複数品目の検査を行うことがあり、その場合、ひとつの搬送装置から複数品目の製品がランダムに搬送されるため、品目の識別を行うことが必要となる。
【0003】
従来技術として、下記特許文献1に掲載されたように、カメラを用いて品目識別を行う技術があり、この技術は、検査対象であるワークをカメラで撮影し、撮影画像を元にワークの穴径などを計測し、識別している。
【0004】
しかしながらこの技術では、撮影画像(=2次元の濃淡情報)だけでワークの品目を識別しようとするため、穴径などが近似している複数種類の品目がある場合には、ワークがどの品目に属するか識別することができないことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭64−068892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上の点に鑑みて、ワークがどの品目に属するかの識別の精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1によるワーク品目識別装置は、内外径寸法及び高さ寸法を備えるリング状ワークに対し投光装置から光を照射しながら前記ワークを撮像装置で撮像し、画像処理装置で画像処理を行うことにより、前記ワークの品目を複数種類の品目の中から識別するワーク品目識別装置であって、前記投光装置は、ワークに対し高さ方向一方からLED光を照射するLED光源と、ワークに対し斜めの方向からレーザ光を照射するレーザ光源とを有し、前記撮像装置は、ワークを高さ方向一方から撮像するカメラを有し、前記画像処理装置は、LED光を照射しながら撮像した画像をその濃淡分布からワークである部分とワークでない部分とに区別可能なしきい値で二値化した画像信号に変換する画像情報変換手段と、前記二値化した画像信号を元にワークの輪郭形状を特定しワークの内径寸法及び外径寸法を計測するワーク寸法計測手段と、レーザ光を照射しながら撮像した画像をその濃淡分布からレーザ光を照射した部分とレーザ光を照射していない部分とに区別可能なしきい値で二値化した画像信号に変換する第2画像情報変換手段と、前記レーザ光を照射した部分を示す画像信号の発信位置が前記レーザ光を照射した部分の高さ位置に従って変位するのにもとづいて変位距離を測定し、レーザ光が斜めの方向から照射されることにもとづく三角法による演算によりワークの高さ寸法を算出するワーク寸法算出手段と、前記ワーク寸法計測手段及びワーク寸法算出手段で計測・算出したワークの内外径寸法及び高さ寸法と予め記憶された前記複数種類の品目における各内外径寸法及び高さ寸法とを比較することにより、ワークが属する品目を特定する比較手段とを有し、前記比較手段からの出力によりワークの品目を複数種類の品目の中から識別することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2によるワーク品目識別装置は、上記した請求項1記載のワーク品目識別装置において、前記比較手段は、前記ワーク寸法計測手段で計測したワーク内径寸法と予め記憶された前記複数種類の品目における各内径寸法とを比較することによりワーク内径寸法に近い内径寸法を備える品目を抽出し、前記ワーク寸法計測手段で計測したワーク外径寸法と予め記憶された前記複数種類の品目における各外径寸法とを比較することによりワーク外径寸法に近い外径寸法を備える品目を抽出し、前記ワーク寸法算出手段で算出したワーク高さ寸法と予め記憶された前記複数種類の品目における各高さ寸法とを比較することによりワーク高さ寸法に近い高さ寸法を備える品目を抽出し、各抽出によるヒット数が最も多い品目をワークが属する品目として特定することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3によるワーク品目識別装置は、上記した請求項1又は2記載のワーク品目識別装置において、前記ワークは、パッキン、ガスケット又はオイルシール等の環状シール部品であることを特徴とする。
【0010】
上記構成を備える本発明のワーク品目識別装置は、内外径寸法及び高さ寸法を備えるリング状ワークの品目を複数種類の品目の中から識別するに際し、ワークの内外径寸法のみならず高さ寸法を識別項目のひとつに加えている。したがって複数種類の品目の内外径寸法が近似していても高さ寸法が異なっていれば、ワークがいずれの品目に属するかを識別することが可能とされる。
【0011】
本発明のワーク品目識別装置は、内外径寸法及び高さ寸法を備えるリング状ワークに対し投光装置から光を照射しながらワークを撮像装置で撮像し、画像処理装置で画像処理を行うことにより、ワークの品目を複数種類の品目の中から識別する。投光装置はLED光源及びレーザ光源を有し、撮像装置はカメラを有している。
【0012】
画像処理装置は、LED光源からLED光を照射しながらカメラで撮像したワーク及びその周辺画像をその濃淡分布からワークである部分とワークでない部分とに区別可能なしきい値で二値化した画像信号に変換し出力する画像情報変換手段と、この二値化した画像信号を元にワークの輪郭形状を特定しワークの内径寸法及び外径寸法を計測し出力するワーク寸法計測手段とを有し、先ずはこれらによってワークの内外径寸法を特定する。
【0013】
また、画像処理装置は、レーザ光源からレーザ光を照射しながらカメラで撮像したワーク及びその周辺画像をその濃淡分布からレーザ光を照射した部分とレーザ光を照射していない部分とに区別可能なしきい値で二値化した画像信号に変換し出力する第2画像情報変換手段と、レーザ光を照射した部分を示す画像信号の変位距離を測定し、三角法による演算によりワークの高さ寸法を算出し出力するワーク寸法算出手段とを有し、これらによってワークの高さ寸法を特定する。
【0014】
また、画像処理装置は、上記計測・算出したワークの内外径寸法及び高さ寸法と予め記憶された複数種類の品目における各内外径寸法及び高さ寸法とを比較することによりワークが属する品目を特定し出力する比較手段を有し、これによってワークが複数種類の品目の中からいずれの品目に属するかを識別し出力する。
【0015】
比較手段は、ワーク寸法計測手段で計測したワーク内径寸法と予め記憶された複数種類の品目における各内径寸法とを比較することによりワーク内径寸法に近い内径寸法を備える品目を抽出する。また、ワーク寸法計測手段で計測したワーク外径寸法と予め記憶された複数種類の品目における各外径寸法とを比較することによりワーク外径寸法に近い外径寸法を備える品目を抽出する。また、ワーク寸法算出手段で算出したワーク高さ寸法と予め記憶された複数種類の品目における各高さ寸法とを比較することによりワーク高さ寸法に近い高さ寸法を備える品目を抽出する。そして、上記3回に亙る各抽出によるヒット数が最も多い品目をワークが属する品目として特定し、特定した品目コードを出力・表示する。
【0016】
本発明において、検査対象であるワークがどのような品目であるかは、特に限定されない。但し、ワークはその内外径寸法及び高さ寸法を元に品目を識別されるので、内外径寸法及び高さ寸法を備えている必要があり、典型例として、パッキン、ガスケット又はオイルシール等の環状シール部品を挙げることができる。内径穴としては、貫通穴のほか、先止まりの穴、すなわち凹みや、段差などであっても良い。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、複数種類の品目の内外径寸法が近似していても高さ寸法が異なっていれば、ワークがいずれの品目に属するかを識別することが可能とされる。したがってワークがいずれの品目に属するかの識別精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施例に係る品目識別装置に備えられる投光装置及び撮像装置の説明図(斜視図)
図2】(A)は同投光装置の説明図(平面図)、(B)は同投光装置の説明図(正面図)
図3】同品目識別装置に備えられる画像処理装置の説明図
図4】(A)は品目情報の説明図、(B)は比較手段による抽出の状況を示す説明図
図5】同品目識別装置のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0019】
つぎに本発明の実施例を説明する。
【0020】
図1及び図2に示すように、当該実施例に係るワーク品目識別装置1は、検査対象であるワーク(物品)wの品目を予め登録(記憶)した複数種類の品目の中から識別する装置である。ワークwは、所定の内径寸法d、外径寸法d及び高さ寸法tを備えるリング状のワークとされ、具体的にはゴム状弾性体よりなるパッキンなどとされ、このワークwが図4(A)の表図に示す4種類の品目「BR1111」「BR2222」「BR3333」及び「BR4444」のうちの何れに属するかを識別(判別)することになる。
【0021】
ワーク品目識別装置1は、投光装置11、撮像装置21及び画像処理装置31を備えている。
【0022】
投光装置11は、ワークwが搬送面上にその高さ方向を垂直な向きに向けて配置されることを前提として、ワークwに対しその高さ方向一方(上方)からLED光(図示せず)を照射するリング状のLED光源12と、ワークwに対しその斜めの方向(斜め上方)から線状のレーザ光Lを照射するレーザ光源13とを有し、更にこれらの支持部や作動制御部などを有している。
【0023】
撮像装置21は、ワークwをその高さ方向一方から撮像するカメラ(TVカメラ)22を有し、更にその支持部や作動制御部などを有している。カメラ22は、LED光源12からLED光を照射しながらワークwを撮像し、またレーザ光源13からレーザ光Lを照射しながらワークwを撮像し、これらの撮像情報(画像情報)を画像処理装置31へ出力する。
【0024】
図2に示すように、画像処理装置31は、画像情報変換手段32、ワーク寸法計測手段33、第2画像情報変換手段34、ワーク寸法算出手段35及び比較手段36を有している。
【0025】
画像情報変換手段32は、LED光源12からLED光を照射しながらカメラ22で撮像したワークw及びその周辺画像を、その画像上の濃淡(明暗)分布から、ワークwである部分とワークwでない部分とに区別可能なしきい値で二値化した画像信号に変換し、出力する。
【0026】
ワーク寸法計測手段33は、上記二値化した画像信号を受け、これを元にワークwの輪郭形状を特定し、ワークwの内径寸法d及び外径寸法dを計測し、出力する。
【0027】
第2画像情報変換手段34は、レーザ光源13からレーザ光Lを照射しながらカメラ22で撮像したワークw及びその周辺画像を、その画像上の濃淡(明暗)分布から、レーザ光を照射した部分とレーザ光を照射していない部分とに区別可能なしきい値で二値化した画像信号に変換し、出力する。
【0028】
ワーク寸法算出手段35は、上記二値化した画像信号を受け、レーザ光Lを照射した部分を示す画像信号の変位距離を測定し、三角法による演算によりワークwの高さ寸法tを算出し、出力する。すなわち図3(A)(B)に示すように、ワークwに対しレーザ光源13から斜めの方向に線状のレーザ光Lを照射すると、ワークwに対しレーザ光Lが照射された部位Lと、ワーク載置面に対しレーザ光Lが照射された部位Lとでは、レーザ光Lを照射した部分を示す画像信号の発信位置が平面上変位し、その変位の大きさは両部位L,Lの高さ位置の相違にしたがって比例的に変化するので、測定した変位距離Gにもとづいて三角法による演算処理によってワークwの高さ寸法tを算出する(t=G・sinθ(θ:レーザ光Lの入射角度))。
【0029】
比較手段36は、上記計測・算出したワークwの内外径寸法d,d及び高さ寸法tと予め装置31に記憶した複数種類の品目における各内外径寸法及び高さ寸法とを比較することによりワークwが属する品目を特定し、出力する。
【0030】
このため、装置31は別途、品目情報の記憶手段37を有し、ここに図4(A)の表図に示す4種類の品目「BR1111」「BR2222」「BR3333」及び「BR4444」に係る各内外径寸法及び高さ寸法情報を記憶し、上記計測・算出したワークwの内外径寸法d,d及び高さ寸法tとこれら記憶した内外径寸法及び高さ寸法とを比較し、最も近いものを選定し、ワークwが4種類の品目のうちの何れに属するかを判別する。
【0031】
尚、この判別に際して、比較手段36は、ワーク寸法計測手段33で計測したワークwの内径寸法dと予め記憶した複数種類の品目における各内径寸法とを比較することにより、ワークwの内径寸法dに近い内径寸法を備える品目を抽出する。また、ワーク寸法計測手段33で計測したワークwの外径寸法dと予め記憶した複数種類の品目における各外径寸法とを比較することによりワークwの外径寸法dに近い外径寸法を備える品目を抽出する。また、ワーク寸法算出手段35で算出したワークwの高さ寸法tと予め記憶した複数種類の品目における各高さ寸法とを比較することによりワークwの高さ寸法tに近い高さ寸法を備える品目を抽出する。
【0032】
寸法が近いと判断する基準・条件としては所定のしきい値を予め設定し、例えば寸法差が±5mm以内のときに寸法が近いと判断する(しきい値は変更可能とする)。
【0033】
そして、上記3回に亙る各抽出によるヒット数が最も多い品目をワークwが属する品目として特定し、特定した品目コードを出力し、表示する。
【0034】
一層具体的には、図4(A)に示すように、品目「BR1111」の内径寸法が50mm、外径寸法が124mm、高さ寸法が10mmとする。品目「BR2222」の内径寸法が103mm、外径寸法が200mm、高さ寸法が20mmとする。品目「BR3333」の内径寸法が100mm、外径寸法が125mm、高さ寸法が20mmとする。品目「BR4444」の内径寸法が105mm、外径寸法が123mm、高さ寸法が10mmとする。一方、上記計測・算出したワークwの内径寸法dが103mm、外径寸法dが123mm、高さ寸法tが10mmとする。
【0035】
この場合、比較手段36は図4(B)に示すように、ワークwの内径寸法d:103mmと、予め記憶した品目「BR1111」の内径寸法:50mm、品目「BR2222」の内径寸法:103mm、品目「BR3333」の内径寸法:100mm、品目「BR4444」の内径寸法:105mmとを比較し、ワークwの内径寸法dに近い内径寸法を備える品目として、品目「BR2222」、品目「BR3333」及び品目「BR4444」を抽出する。
【0036】
また、ワークwの外径寸法d:123mmと、予め記憶した品目「BR1111」の外径寸法:124mm、品目「BR2222」の外径寸法:200mm、品目「BR3333」の外径寸法:125mm、品目「BR4444」の外径寸法:123mmとを比較し、ワークwの外径寸法dに近い外径寸法を備える品目として、品目「BR1111」、品目「BR3333」及び品目「BR4444」を抽出する。
【0037】
また、ワークwの高さ寸法t:10mmと、予め記憶した品目「BR1111」の高さ寸法:10mm、品目「BR2222」の高さ寸法:20mm、品目「BR3333」の高さ寸法:20mm、品目「BR4444」の高さ寸法:10mmとを比較し、ワークwの高さ寸法tに近い外径寸法を備える品目として、品目「BR1111」及び品目「BR4444」を抽出する。
【0038】
そして、これらの抽出結果からして、品目「BR1111」及び「BR3333」はヒット数が各2回、品目「BR2222」はヒット数が1回であるのに対し、品目「BR4444」はヒット数が3回と最も多いので、この品目「BR4444」をワークwが属する品目として特定する。ちなみに、上記した従来技術では、「BR3333」と「BR4444」の区別がつかず、正常な判別をすることができない。
【0039】
また、品目識別の手順としては、図5に示すように、開始後、ワークwに対してLED光源12からLED光を照射し(STEP101)、この状態でカメラ22で1回目撮影を行い(STEP102)、照射を停止する(STEP103)。次いで、ワークwに対しレーザ光源13からレーザ光Lを照射し(STEP104)、この状態でカメラ22で2回目撮影を行い(STEP105)、照射を停止する(STEP106)。次いで、画像処理装置31の画像情報変換手段32及びワーク寸法計測手段33にて画像処理を行ってワークwの内外径寸法d,dを計測し(STEP107)、同じく第2画像情報変換手段34及びワーク寸法算出手段35にて画像処理を行ってワークwの高さ寸法tを算出する(STEP108)。次いで、比較手段36にて品目判別処理を行ってワークwが属する品目を特定し(STEP109)、その結果を出力する(STEP110)。STEP101〜103とSTEP104〜106の順序は反対であっても良く、STEP107とSTEP108の順序は反対であっても良い。
【符号の説明】
【0040】
1 ワーク品目識別装置
11 投光装置
12 LED光源
13 レーザ光源
21 撮像装置
22 カメラ
31 画像処理装置
32 画像情報変換手段
33 ワーク寸法計測手段
34 第2画像情報変換手段
35 ワーク寸法算出手段
36 比較手段
37 品目情報記憶手段
w ワーク
図1
図2
図3
図4
図5