(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の導電性ローラを、その一実施態様を挙げて、説明する。本発明の導電性ローラの一実施態様である導電性ローラ1は、
図1に示されるように、軸体2と弾性層3とウレタンコート層4とを備えている。
【0014】
導電性ローラ1は、表面、すなわちウレタンコート層4の十点平均粗さRzが1〜15μmであるのが好ましい。十点平均粗さRzが上述の範囲内にあると、物理的に搬送できる現像剤の所望の搬送量を確保して所期の濃度を有する画像を形成できる。導電性ローラ1の表面状態、特に物理的要因である担持量を大きく変動させることなく保持して現像剤の物理的搬送量を長期間ほぼ一定にできる点で、十点平均粗さRzは2〜10μmであるのが好ましく、3〜7μmであるのが特に好ましい。十点平均粗さRzは、JIS B0601−1984に準じ、先端半径2μmの測定プローブを備えた表面粗さ計(商品名「590A」、東京精密社製)に、ウレタンコート層4を備えた導電性ローラ1をセットし、測定長2.4mm、カットオフ波長0.8mm、カットオフ種別ガウシアンにより、少なくとも3点における表面粗さ測定し、これらの平均値を十点平均粗さRzとする。十点平均粗さRzは、例えば、ウレタンコート層4に含有されるウレタン樹脂粒子の平均粒径及び含有量等によって、所定の範囲に設定できる。
【0015】
軸体2は、従来公知の導電性ローラにおける軸体と基本的に同様である。この軸体2は、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、真鍮等で構成された所謂「芯金」と称される軸体であり、良好な導電特性を有している。軸体2は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂等の絶縁性芯体にメッキを施して導電化した軸体であってもよい。
【0016】
弾性層3は、従来公知の導電性ローラにおける弾性層と基本的に同様である。この弾性層3は、軸体2の外周面に後述する導電性組成物を硬化してなり、20〜70のJIS A硬度を有しているのが好ましい。弾性層3が20〜70のJIS A硬度(JIS K6301)を有していると、導電性ローラ1と被当接体との接触面積を大きくすることができる。
【0017】
弾性層3は、被当接体との当接状態において被当接体と弾性層3との均一なニップ幅を確保することができる点で、その厚さは1mm以上であるのが好ましく、5mm以上であるのが特に好ましい。一方、弾性層3の厚さの上限は、特に制限されないが、一般に弾性層3の厚さを厚くしすぎると弾性層3の作製コストが上昇するから実用的な作製コストを考慮すると、弾性層3の厚さは30mm以下であるのが好ましく、20mm以下であるのがより好ましい。なお、弾性層3の厚さは、所望のニップ幅を達成するために、弾性層3の硬度等に応じて、適宜選択される。
【0018】
弾性層3を形成する導電性組成物は、ゴムと、導電性付与剤と、所望により各種添加剤とを含有する。
【0019】
ゴムは、例えば、シリコーン若しくはシリコーン変性ゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム(エチレンプロピレンジエンゴムを含む。)、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム等のゴムが挙げられるが、シリコーン若しくはシリコーン変性ゴム又はウレタンゴムであるのが好ましく、シリコーン若しくはシリコーン変性ゴムが、耐熱性及び帯電特性等に優れる点で、特に好ましい。これらのゴムは、液状型であってもミラブル型であってもよい。
導電性付与剤は、導電性を有していれば特に限定されず、例えば、導電性カーボン、ゴム用カーボン類、金属、導電性ポリマー等の導電性粉末が挙げられる。
各種添加剤としては、例えば、鎖延長剤及び架橋剤等の助剤、触媒、分散剤、発泡剤、老化防止剤、酸化防止剤、充填材、顔料、着色剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、乳化剤、耐熱性向上剤、難燃性向上剤、受酸剤、熱伝導性向上剤、離型剤、溶剤等が挙げられる。
【0020】
導電性組成物として、例えば、付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物、付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物等を好適に挙げることができる。
【0021】
付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物として、例えば、(A)平均組成式:RnSiO
(4−n)/2(Rは、同一又は異なっていてもよい、置換又は非置換の一価炭化水素基、好ましくは炭素原子数1〜12、より好ましくは炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、nは1.95〜2.05の正数である。)で示されるオルガノポリシロキサン、(B)充填材、及び、(C)上記(B)成分に属するもの以外の導電性材料を含有する付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物が挙げられる。この付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物は、特開2008−058622号公報に記載の「付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物」を用いることができ、これに記載された内容は本明細書に組み込まれる。
【0022】
付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物は、(D)一分子中にケイ素原子と結合するアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサンと、(E)一分子中にケイ素原子と結合する水素原子を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、(F)平均粒径が1〜30μmで、嵩密度が0.1〜0.5g/cm
3である無機質充填材と、(G)導電性付与剤と、(H)付加反応触媒とを含有する付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物が挙げられる。この付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物は、特開2008−058622号公報に記載の「付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物」を用いることができ、これに記載された内容は本明細書に組み込まれる。
【0023】
ウレタンコート層4は、弾性層3の外周面に後述するウレタン樹脂組成物を硬化して成り、特定のイオン液体とウレタン樹脂粒子とを含有している。特定のイオン液体及びウレタン樹脂粒子は、それぞれ、1種単独で、2種以上が含有されていてもよい。
【0024】
ウレタンコート層4に含有されるイオン液体は、オニウム塩の1種であり、少なくとも室温付近の温度で液体状態にある導電性を有する液体化合物であって、「イオン性液体」とも称される。本発明において、イオン液体は、各種のイオン液体の中でも、導電性ローラ1において初期の表面状態を長期間維持できる点で、ピリジニウム系イオン液体、アミン系イオン液体及びイミダゾリウム系イオン液体よりなる群から選択される少なくとも1種のイオン液体が使用される。したがって、ウレタンコート層4に含有されるイオン液体は、上述の群から選択されるイオン液体であれよい。
イオン液体は、陽イオン、陰イオン又は陽イオンが有していてもよいアルキル基が置換基を有していてもよく、このような置換基としては、例えばアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜10)又はシアノ基が挙げられる。
【0025】
ピリジニウム系イオン液体は、陽イオンとして、ピリジン環を構成する窒素原子にアルキル基等が結合してなるピリジニウムイオンを基本骨格とするイオン液体である。
アルキル基は、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のものが好ましく、炭素数4〜18の直鎖状のアルキル基がより一層好ましく、炭素数5〜18の直鎖状のアルキル基がさらに好ましく、炭素数6〜12の直鎖状のアルキル基が特に好ましい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0026】
ピリジン環は、その環を構成する炭素原子に結合する水素原子がアルキル基で置換されたアルキル基置換ピリジン環であってもよい。水素原子を置換するアルキル基は、1つでも複数でもよく、ピリジン環を構成する窒素原子に結合するアルキル基と基本的に同様であり、炭素数1〜18の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基が好ましく、炭素数4〜18の直鎖状のアルキル基が特に好ましい。アルキル基置換ピリジン環として、具体的には、アルキル基として1つのメチルを有するα−ピコリン、β−ピコリン及びγ−ピコリン、アルキル基として1つのエチルを有するα−エチルピリジン、β−エチルピリジン及びγ−エチルピリジン、アルキル基として2つのメチルを有する2,3−ルチジン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、3,4−ルチジン等が挙げられる。これらの中でもγ−ピコリンがよい。
【0027】
ピリジニウム系イオン液体を構成する陰イオンは、特に限定されず、例えば、ハロゲンイオン、BF
4−、PF
6−、CF
3SO
3−(トリフルオロメタンスルホニルイオン)、(CF
3SO
2)
2N
−(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン:TFSI)等が挙げられる。これらの中でも、有機酸陰イオンであるBF
4−、PF
6−、CF
3SO
3−及び(CF
3SO
2)
2N
−が好ましく、(CF
3SO
2)
2N
−が特に好ましい。すなわち、ピリジニウム系イオン液体は、ピリジン環を構成する窒素原子にアルキル基が結合して成るピリジニウムイオンを陽イオンとし、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンを陰イオンとするイオン液体であるのが特に好ましい。
【0028】
ピリジン環を構成する炭素原子がアルキル基で置換されていないピリジニウムイオンを陽イオンとし、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンを陰イオンとするピリジニウム系イオン液体として、具体的には、例えば、N−プロピルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ブチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ペンチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ヘキシルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ヘプチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−オクチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ノニルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−デシルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−アリルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が挙げられる。
【0029】
また、ピリジン環を構成する炭素原子がアルキル基で置換されたピリジニウムイオンを陽イオンとし、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンを陰イオンとするピリジニウム系イオン液体として、具体的には、例えば、N−プロピル−2−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ブチル−2−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ペンチル−2−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ヘキシル−2−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ヘプチル−2−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−オクチル−2−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ノニル−2−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−デシル−2−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−プロピル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ペンチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ヘキシル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ヘプチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−オクチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ノニル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−デシル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−プロピル−4−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ブチル−4−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ペンチル−4−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ヘキシル−4−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ヘプチル−4−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−オクチル−4−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−ノニル−4−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−デシル−4−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が挙げられる。
さらに、アルキル基で置換されたピリジニウムイオンを陽イオンとし、ヘキサフルオロホスファートイオンを陰イオンとするピリジニウム系イオン液体として、具体的には、例えば、1−オクチル−4−メチルピリジニウムヘキサフルオロホスファート、1−ノニル−4−メチルピリジニウムヘキサフルオロホスファート、1−デシル−4−メチルピリジニウムヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。
【0030】
アミン系イオン液体は、陽イオンとして、脂肪族系アミン化合物の窒素原子にアルキル基等が結合してなるアンモニウムイオンを基本骨格とする脂肪族のイオン液体である。アルキル基はピリジニウム系イオン液体における窒素原子に結合するアルキル基と基本的に同様である。
【0031】
脂肪族系アミン化合物としては、例えば、脂環式アミン化合物、脂肪族アミン化合物等が挙げられる。これらのアミン化合物からなるアンモニウムイオンとしては、例えば、R
14N
+イオン(4つのR
1は同一でも異なっていてもよい炭素数1〜18の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基であり、複数のR
1が環を形成していてもよい。)等が挙げられる。
【0032】
アミン系イオン液体を構成する陰イオンはピリジニウム系イオン液体を構成する陰イオンと基本的に同様であり、アミン系イオン液体はアンモニウムイオンを陽イオンとし、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンを陰イオンとするイオン液体であるのが特に好ましい。
【0033】
4つのアルキル基R
1が同じアンモニウムイオンを陽イオンとし、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンを陰イオンとするアミン系イオン液体として、具体的には、例えば、N,N,N,N−テトラブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N,N,N−テトラペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N,N,N−テトラヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N,N,N−テトラヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N,N,N−テトラオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N,N,N−テトラノニルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N,N,N−テトラデシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N,N,N−テトラドデシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N,N,N−テトラヘキサデシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N,N,N−テトラオクタデシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が挙げられる。
【0034】
3つのアルキル基R
1が同じアンモニウムイオンを陽イオンとし、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンを陰イオンとするアミン系イオン液体として、具体的には、例えば、N,N,N−トリメチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N,N−トリメチル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N,N−トリメチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N,N−トリメチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N,N−トリメチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N,N−トリメチル−N−オクチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N,N−トリメチル−N−ノニルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N,N−トリメチル−N−デシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が挙げられる。
【0035】
イミダゾリウム系イオン液体は、陽イオンとして、イミダゾリウムの一方又は両方の窒素原子にアルキル基等が結合して成るイミダゾリウムイオンを基本骨格とするイオン液体である。
イミダゾリウムイオンとしては、特に限定されないが、例えば、2置換イミダゾリウムイオン及び3置換イミダゾリウム等が挙げられる。置換基は、アルキル基が好ましく、ジアルキルイミダゾリウムイオン、トリアルキルイミダゾリウムイオンが好ましい。置換基としてのアルキル基は、炭素数が1〜10であるのが好ましく、1〜6であるのがより好ましく、1〜4であるのが特に好ましい。
イミダゾリウム系イオン液体を構成する陰イオンはピリジニウム系イオン液体を構成する陰イオンと基本的に同様であり、イミダゾリウム系イオン液体は、上述のイミダゾリウムイオンのいずれかを陽イオンとし、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンを陰イオンとするイオン液体であるのが特に好ましい。
【0036】
イミダゾリウム系イオン液体として、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−ペンチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘプチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウム、1−デシル−3−メチルイミダゾリウム、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−3−プロピルイミダゾリウム、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウム、1−メトキシエチル−3−メチルイミダゾリウム、1−シアノエチル−3−メチルイミダゾリウム等の2置換イミダゾリウムイオン、及び、3−エチル−1,2−ジメチル−イミダゾリウム、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3−ヘキシルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3−オクチルイミダゾリウム、1−エチル−3,4−ジメチルイミダゾリウム、1−イソプロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウム等の3置換イミダゾリウムイオン等の各イミダゾリウムイオンを陽イオンとし、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンを陰イオンとするイオン液体が好ましい。
【0037】
ウレタン樹脂粒子は、ウレタン樹脂からなる粒子であって、ポリウレタンビーズとも称される。ウレタン樹脂粒子を形成するポリウレタン樹脂は、公知のウレタン樹脂であればよく、ポリオールとポリイソシアネートとからなる。ポリオールとしては、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、アクリル系ポリオール等が挙げられ、ポリイソシアネートとしては、芳香族、脂肪族、脂環族の各ポリイソシアネート等が挙げられる。
【0038】
ウレタン樹脂粒子を形成するウレタン樹脂は、現像剤に付与するストレスを低減して現像剤のダメージを抑え、ウレタンコート層4の表面にシリカの付着を低減できる点で、ショアA硬度が50〜80であるのが好ましい。ショアA硬度は、ショア硬度計(商品名:TQC デュロメータータイプA コーテック社製)ASTMD−2240によって測定できる。ウレタン樹脂のショアA硬度は、ウレタン樹脂粒子を構成するイソシアネート、ポリオール等を適宜、選択することによって、所定の範囲に設定できる。
【0039】
ウレタン樹脂粒子を形成するウレタン樹脂は、現像剤に付与するストレスを低減して現像剤のダメージを抑え、ウレタンコート層4の表面にシリカの付着を低減できると共に、ウレタンコート層4形成時にも溶融することなくウレタンコート層4の物理的な表面状態を調整できる点で、ガラス転移温度Tgが−52〜−20℃であるのが好ましい。ウレタン樹脂のガラス転移温度Tgは、ウレタン樹脂粒子を構成するイソシアネート、ポリオール等を適宜、選択することによって、所定の範囲に設定できる。
【0040】
ウレタン樹脂粒子は、現像剤に付与するストレスを低減して現像剤のダメージを抑え、ウレタンコート層4の表面にシリカの付着を低減できる点で、平均粒子径が2〜20μmであるのが好ましく、5〜20μmであるのがより好ましく、5〜10μmであるのがさらに好ましい。このウレタン樹脂粒子が上記範囲内にあると導電性ローラ1の表面粗さを所定の範囲に設定できる。平均粒子径は、レーザー回折式/散乱式粒子径分布測定装置によって測定できる。ウレタン樹脂の平均粒子径は、例えば後述する合成方法における撹拌速度によって、所定の範囲に設定できる。
【0041】
このようなウレタン樹脂粒子は、市販品を用いてもよく、また適宜に合成してもよい。市販品としては、例えば、根上工業社製の「アートパール」(商品名)の製品区分「Pシリーズ」(「P−400T(製品名)」(ショアA硬度70、ガラス転移温度−34℃、平均粒径15μm)、及び、「P−800T(製品名)」(ショアA硬度70、ガラス転移温度−34℃、平均粒径6μm))が挙げられる。また、同「アートパール」(商品名)の製品区分「JBシリーズ」(「JB−400T(製品名)」(ショアA硬度56、ガラス転移温度−52℃、平均粒径6μm)、「JB−600T(製品名)」(ショアA硬度56、ガラス転移温度−52℃、平均粒径10μm)、及び、「JB−800T(製品名)」(ショアA硬度56、ガラス転移温度−52℃、平均粒径6μm))等が挙げられる。
【0042】
ウレタン樹脂粒子は、例えば、ポリイソシアネートプレポリマーを水中に分散させて加熱することによって、合成できる。このときの撹拌速度によって得られるウレタン樹脂粒子の平均粒子径を所定の範囲に設定できる。このような合成法の一例として、例えば、特許第3100977号公報に記載の「ポリウレタンビーズを製造する方法」が挙げられる。
【0043】
バインダー樹脂、すなわちマトリックス樹脂としてのウレタン樹脂は、公知のウレタン樹脂であればよく、通常、ポリオールとポリイソシアネートの重縮合反応物であり、具体的には、ウレタン調製成分の重縮合反応物である。
【0044】
ウレタンコート層4は、ウレタン樹脂、イオン液体及びウレタン樹脂粒子に加えて充填剤粒子を含有してもよい。ウレタンコート層4が充填剤粒子を含有していると、ウレタン樹脂粒子と相俟って、最外層としてウレタンコート層4を備えた導電性ローラ1の物理的な現像剤の搬送量を長期間にわたって実質的に同量に維持できる。また、ウレタンコート層4の表面粗さを所定の範囲に設定できる。
このような充填剤粒子は、無機充填剤の粒子又は有機充填剤の粒子等が挙げられ、シリカを除く無機充填剤の粒子であるのが好ましい。無機充填剤としては、例えば、真球状シリカ、粉砕シリカ、酸化チタン、アルミナ等が挙げられる。
有機充填剤は、シリコーンレジン、架橋ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリメタクリル酸ブチル、架橋ポリアクリル酸エステル、架橋アクリル等の粒状物等が挙げられる。充填剤粒子の平均粒径は、0.5〜7μmであるのが好ましく、1〜5μmであるのが特に好ましい。平均粒径はコールカウンター法によって測定したときの値である。
【0045】
ウレタンコート層4、各種ウレタン樹脂組成物に通常用いられる各種添加剤等を含有していてもよい。カーボンブラック等の導電性付与剤は任意成分として含有されることがある。
【0046】
ウレタンコート層4は、ウレタン樹脂100質量部に対して、イオン液体を0.5〜60質量部の割合で含有している。イオン液体の含有量が0.5質量部未満であると、イオン液体の効果が十分に得られず、本発明の目的を達成できないことがある。一方、イオン液体の含有量が60質量部を超えると、帯電したトナーの電荷が抜けてしまい導電性ローラの表面に現像剤を担持できないことがある。その結果、このような導電性ローラを画像形成装置に装着すると、現像剤に含有されているシリカが付着し易く、また帯電不足によるカブリの悪化が発生しやすく、形成される画像の品質が低下することがある。導電性ローラ1の表面状態、特に電気的要因である帯電量を大きく変動させることなく保持して現像剤の電気的搬送量を長期間ほぼ一定にできる点で、ウレタンコート層4中のイオン液体の含有量は、ウレタン樹脂100質量部に対して0.5〜50質量部であるのが好ましく、5〜30質量部であるのが特に好ましい。
【0047】
ウレタンコート層4は、ウレタン樹脂100質量部に対して、ウレタン樹脂粒子を10〜160質量部の割合で含有している。ウレタン樹脂粒子の含有量が10質量部未満であると、ウレタン樹脂粒子の効果が十分に得られず、本発明の目的を達成できないことがある。一方、ウレタン樹脂粒子の含有量が160質量部を超えると、現像剤に含有されているシリカが付着し易く、形成される画像の品質が低下することがある。導電性ローラ1の表面状態、特に物理的要因である現像剤担持量を大きく変動させることなく保持して現像剤の物理的搬送量を長期間ほぼ一定にできる点で、ウレタンコート層4中のウレタン樹脂粒子の含有量は、ウレタン樹脂100質量部に対して25〜125質量部であるのが好ましく、25〜80質量部であるのが特に好ましい。
【0048】
ウレタンコート層4が充填剤粒子を含有する場合、その含有量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、1〜20質量部の割合で含有されているのが好ましく、1〜15質量部の割合で含有されているのがさらに好ましく、1〜13質量部の割合で含有されているのが特に好ましい。上記範囲であると、ウレタン樹脂粒子の硬化を補強して現像剤の物理的搬送量を長期間にわたってほぼ一定に維持できる。
【0049】
ウレタンコート層4は、通常、0.1〜50μmの層厚を有しているのが好ましく、10〜25μmの層厚を有しているのがより好ましい。
【0050】
ウレタンコート層4を形成するウレタン樹脂組成物は、ウレタン樹脂を形成する前駆体であるウレタン調製成分と、ウレタン調製成分100質量部に対して、0.5〜60質量部の上記イオン液体と、10〜160質量部のウレタン樹脂粒子と、所望により充填剤粒子と、所望により各種添加剤とを含有する。
【0051】
ウレタン樹脂調製成分は、ウレタン樹脂を形成できるものであればよく、ポリオールとポリイソシアネートとの混合物、又は、ポリオールとポリイソシアネートとを反応して得られるプレポリマーが挙げられる。
【0052】
ポリオールとポリイソシアネートとの混合物におけるポリオールは、ウレタン樹脂の調製に通常使用される各種のポリオールであればよく、ウレタン樹脂粒子で挙げた各ポリオールが好ましい。また、混合物におけるポリイソシアネートも、同様に、ウレタン樹脂の調製に通常使用される各種のポリイソシアネートであればよく、ウレタン樹脂粒子で挙げた各ポリイソシアネートが好ましい。ポリイソシアネートは、500〜2000の分子量を有するのが好ましく、700〜1500の分子量を有するのがさらに好ましい。
ポリオールとポリイソシアネートとの混合物におけるこれらの混合割合は、特に限定されないが、通常、ポリオールに含まれる水酸基(OH)と、ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基(NCO、ブッロクポリイソシアネートの場合は遊離し得るイソシアネート基)とのモル比(NCO/OH)が0.7〜1.15であるのが、好ましい。このモル比(NCO/OH)はウレタン樹脂の加水分解を防止することができる点で0.85〜1.10であるのがより好ましい。
【0053】
ウレタン樹脂調製成分がポリオールとポリイソシアネートとの混合物である場合には、ポリオールとポリイソシアネートとの反応に通常使用される助剤、例えば、鎖延長剤、架橋剤等を含有してもよい。鎖延長剤、架橋剤としては、例えば、グリコール類、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン及びアミン類等が挙げられる。
【0054】
ウレタン樹脂調製成分としてのプレポリマー及びウレタン樹脂は、上記ポリオールと上記ポリイソシアネートとを反応して得られるプレポリマー及びウレタン樹脂であればよく、それらの分子量等も特に限定されない。プレポリマー及びウレタン樹脂は、所望により、上記助剤等の存在下、ワンショット法又はプレポリマー法等によって、ポリオールとポリイソシアネートとを反応して、得られる。
【0055】
ウレタン樹脂調製成分は、ポリオールとポリイソシアネートとの混合物であるのが好ましく、特に、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールから選択された少なくとも1種のポリオールとポリイソシアネートとの混合物であるのが特に好ましい。
【0056】
イオン液体及びウレタン樹脂粒子は上記したと通りである。
上記充填剤粒子は上記したと通りである。
【0057】
各種添加剤としては、各種添加剤が挙げられ、例えば、上記鎖延長剤及び架橋剤等の助剤、分散剤、発泡剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料、着色剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、乳化剤、耐熱性向上剤、難燃性向上剤、受酸剤、熱伝導性向上剤、離型剤、溶剤等が挙げられる。これらの各種添加剤は、通常用いられる添加剤であってもよく用途に応じて特別に用いられる添加剤であってもよい。
【0058】
ウレタン樹脂組成物は、二本ローラ、三本ローラ、ロールミル、バンバリーミキサ、ドウミキサ(ニーダー)等のゴム混練り機等を用いて、各成分が均一に混合されるまで、例えば、数分から数時間、好ましくは5分〜1時間、常温又は加熱下で混練して、得られる。
ウレタン樹脂組成物は、導電性弾性層3の外周面に容易に形成することができる点で、例えば、25℃において、5〜500Pa・sの粘度を有しているのがよく、5〜200Pa・sの粘度を有しているのが特によい。ウレタン樹脂組成物の粘度は、通常、それらに含まれる各成分の種類及び/又は配合量によって所定の範囲に設定することができる。また、必要により、溶剤等により、粘度を所定の範囲に設定することもできる。
【0059】
導電性ローラ1は、軸体2の外周面に弾性層3を形成し、さらに、弾性層3の外周面にウレタンコート層4を形成して、製造される。
【0060】
導電性ローラ1を製造するには、まず、軸体2を準備する。例えば、軸体2は公知の方法により所望の形状に調製される。この軸体2は、弾性層3が形成される前にプライマーが塗布されてもよい。軸体2に塗布されるプライマーとしては、特に制限はないが、弾性層3とコート層4とを接着又は密着させるプライマー層とを形成する材料と同様の樹脂及び架橋剤が挙げられる。プライマーは、所望により溶剤等に溶解され、定法、例えば、ディップ法、スプレー法等に従って、軸体の外周面に塗布される。
【0061】
弾性層3は、導電性組成物を軸体2の外周面に加熱硬化して形成される。例えば、弾性層3は、公知の成形方法によって、加熱硬化と成形とを同時に又は連続して行い、軸体2の外周面に形成される。導電性組成物の硬化方法は導電性組成物の硬化に必要な熱を加えられる方法であればよく、また弾性層3の成形方法も押出成形による連続加硫、プレス、インジェクションによる型成形等、特に制限されるものではない。例えば、導電性組成物が付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物である場合には、例えば、押出成形等を選択することができ、導電性組成物が付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物である場合には、例えば、金型を用いる成形法を選択することができる。導電性組成物を硬化させる際の加熱温度は、付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物の場合は、100〜500℃、特に120〜300℃、時間は数秒以上1時間以下、特に10秒以上〜35分以下であるのが好ましく、付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の場合は、100〜300℃、特に110〜200℃、時間は5分〜5時間、特に1〜3時間であるのが好ましい。また、必要に応じ、付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物の場合は、100〜200℃で1〜20時間程度の硬化条件で、また、付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物の場合は、120〜250℃で2〜70時間程度の硬化条件で、二次加硫してもよい。また、導電性組成物は既知の方法で発泡硬化させることにより、気泡を有するスポンジ状弾性層を容易に形成することもできる。
【0062】
このようにして形成された弾性層3は、所望により、その表面が研磨、研削されて、外径及び表面状態等が調整される。また、弾性層3は、ウレタンコート層4が形成される前にプライマー層が形成されてもよい。
【0063】
ウレタンコート層4は、このようにして形成された弾性層3、又は、所望により形成されたプライマー層の外周面に、ウレタン樹脂組成物を塗工し、次いで、塗工されたウレタン樹脂組成物を加熱硬化させて、形成される。ウレタン樹脂組成物の塗工は、例えば、ウレタン樹脂組成物の塗工液を塗工する塗布法、塗工液に弾性層3等を浸漬するディッピング法、塗工液を弾性層3等に吹き付けるスプレーコーティング法等の公知の塗工方法によって、行われる。ウレタン樹脂組成物は、そのまま塗工してもよいし、ウレタン樹脂組成物に、例えば、メタノール及びエタノール等のアルコール、キシレン及びトルエン等の芳香族系溶媒、酢酸エチル及び酢酸ブチル等のエステル系溶媒等の揮発性溶媒、又は、水を加えた塗工液を塗工してもよい。このようにして塗工されたウレタン樹脂組成物を硬化する方法は、ウレタン樹脂組成物の硬化等に必要な熱又は水分を加えられる方法であればよく、例えば、ウレタン樹脂組成物が塗工された弾性層3等を加熱器で加熱する方法、ウレタン樹脂組成物が塗工された弾性層3等を高湿度下に静置する方法等が挙げられる。ウレタン樹脂組成物を加熱硬化させる際の加熱温度は、例えば、100〜200℃、特に120〜160℃、加熱時間は10〜120分間、特に30〜60分間であるのが好ましい。なお、塗工に代えて、ウレタン樹脂組成物を弾性層3又はプライマー層の外周面に、押出成形、プレス成形、インジェクション成形等の公知の成形方法によって、積層すると共に、又は、積層した後に、積層されたウレタン樹脂組成物を硬化させる方法等が採用されることができる。
【0064】
このようにして導電性ローラ1を製造できる。
【0065】
上述の構成を有する導電性ローラ1は、ウレタンコート層4に含有される特定のイオン液体及びウレタン樹脂粒子によって、ウレタンコート層4の表面にシリカが長期間付着しにくく、たとえ付着しても脱離しやすく、初期の物理的な表面状態、例えば十点平均粗さRzも、初期の電気的な表面状態、例えば帯電量も、ほとんど変動しない。たとえ変動しても、実用上許容できる範囲内での変動に過ぎない。したがって、導電性ローラ1は、現像剤の搬送量を長期間経過しても維持でき、例えば現像ローラとして画像形成装置に装着されても、画像濃度の変動が小さな画像を、長期間にわたって、形成することに貢献できる。
【0066】
次に、本発明の現像装置及び本発明の画像形成装置の一実施態様を、
図2を参照して、説明する。
この画像形成装置10は、
図2に示されるように、各色の現像ユニットB、C、M及びYに装備された複数の像担持体11B、11C、11M及び11Yを転写搬送ベルト6上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置であり、したがって、現像ユニットB、C、M及びYが転写搬送ベルト6上に直列に配置されている。現像ユニットBは、像担持体11B例えば感光体(感光ドラムとも称される。)と、帯電手段12B例えば帯電ローラと、露光手段13Bと、現像装置20Bと、転写搬送ベルト6を介して像担持体11Bに当接する転写手段14B例えば転写ローラと、クリーニング手段15Bとを備えている。
【0067】
現像装置20Bは、本発明の現像装置の一例であり、
図2に示されるように、本発明の導電性ローラと現像剤、例えば、プラス帯電現像剤とを備えている。したがって、この画像形成装置10において、導電性ローラ1は、現像剤担持体23B、23C、23M及び23Y、すなわち、現像ローラとして装着されている。現像装置20Bは、具体的には、一成分非磁性の現像剤22Bを収容する筐体21Bと、現像剤22Bを像担持体11Bに供給する現像剤担持体23B例えば現像ローラと、現像剤22Bの厚みを調整する現像剤量調節手段24B例えばブレードとを備えて成る。現像装置20Bにおいて、現像剤量調節手段24Bは、
図2に示されるように、現像剤担持体23Bの外周面に接触又は圧接している。すなわち、現像装置20Bは、現像剤量調節手段について、所謂「接触式現像装置」である。前記現像ユニットC、M及びYは現像ユニットBと基本的に同様に構成されており、同じ要素には、同じ符号と各ユニットを示す記号C、M又はYとを付して、説明を省略する。
【0068】
画像形成装置10において、現像装置20Bの現像剤担持体23Bは、その表面が像担持体11Bの表面に接触又は圧接するように配置されている。現像装置20C、20M及び20Yも、現像装置20Bと同様に、その表面が現像剤担持体23C、23M及び23Yが像担持体11C、11M及び11Yの表面に接触又は圧接するように配置されている。すなわち、この画像形成装置10は、現像剤担持体について、所謂「接触式画像形成装置」である。
【0069】
定着手段30は、現像ユニットYの下流側に配置されている。この定着手段30は、記録体16を通過させる開口部35を有する筐体内に、定着ローラ31と、定着ローラ31の近傍に配置された無端ベルト支持ローラ33と、定着ローラ31及び無端ベルト支持ローラ33に巻き掛けられた無端ベルト36と、定着ローラ31と対向配置された加圧ローラ32とを備え、無端ベルト36を介して定着ローラ31と加圧ローラ32とが互いに当接又は圧接するように回転自在に支持されて成る圧力熱定着装置である。画像形成装置10の底部には、記録体16を収容するカセット41が設置されている。転写搬送ベルト6は複数の支持ローラ42に巻回されている。
【0070】
画像形成装置10に使用される現像剤22B、22C、22M及び22Yはそれぞれ、摩擦により帯電可能な現像剤であれば、乾式現像剤でも湿式現像剤でもよく、また、非磁性現像剤でも磁性現像剤でもよい。各現像ユニットの筐体21B、21C、21M及び21Y内には、一成分非磁性の、黒色現像剤22B、シアン現像剤22C、マゼンタ現像剤22M及び黄色現像剤22Yが収納されている。
【0071】
画像形成装置10は、以下のようにして記録体16にカラー画像を形成する。まず、現像ユニットBにおいて、帯電手段12Bで帯電した像担持体11Bの表面に露光手段13Bにより静電潜像が形成され、現像剤担持体23Bにより供給された現像剤22Bで黒色の静電潜像が現像される。そして、記録体16が転写手段14Bと像担持体11Bとの間を通過する際に黒色の静電潜像が記録体16Bの表面に転写される。次いで、現像ユニットBと同様にして、現像ユニットC、M及びYによって、静電潜像が黒像に顕像化された記録体16に、それぞれシアン像、マゼンタ像及び黄色像が重畳され、カラー像が顕像化される。次いで、カラー像が顕像化された記録体16は、定着手段30によりカラー像が永久画像として記録体16に定着される。このようにして、記録体16にカラー画像を形成することができる。
【0072】
このタンデム型画像形成装置10において、現像剤担持体23として本発明の導電性ローラ1を用いると、画像品質の変動が小さな画像を長期間にわたって形成できる。
【0073】
本発明の導電性ローラ、現像装置及び画像形成装置は、上記した一実施態様に限定されることはなく、本発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。
【0074】
本発明の導電性ローラ1は、弾性層3とウレタンコート層4との間に他の層を有してもよい。他の層としては、例えば、弾性層3とウレタンコート層4とを接着又は密着させるプライマー層等が挙げられる。
【0075】
画像形成装置10は、電子写真方式の画像形成装置とされているが、本発明において、画像形成装置は、電子写真方式には限定されず、例えば、静電方式の画像形成装置であってもよい。また、本発明の導電性ローラ1が配設される画像形成装置は、各色の現像ユニットを備えた複数の像担持体を転写搬送ベルト上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置に限られず、例えば、単一の現像ユニットを備えたモノクロ画像形成装置、像担持体上に担持された現像剤像を無端ベルトに順次一次転写を繰り返す4サイクル型カラー画像形成装置等であってもよい。また、画像形成装置10に用いられる現像剤22は、一成分非磁性現像剤とされているが、本発明においては、一成分磁性現像剤であってもよく、二成分非磁性現像剤であっても、また、二成分磁性現像剤であってもよい。
【0076】
画像形成装置10は、現像剤担持体について、所謂「接触式画像形成装置」であるが、本発明において、画像形成装置は、現像剤担持体の表面が像担持体の表面に接触しないように間隙を有して配置される所謂「非接触式画像形成装置」であってもよい。
【0077】
画像形成装置10における現像装置は、現像剤量調節手段について、所謂「接触式現像装置」であるが、本発明において、現像装置は、現像剤量調節手段が現像剤担持体の外周面に接触しないように間隙を有して配置される所謂「非接触式現像装置」であってもよい。
【実施例】
【0078】
(実施例1)
無電解ニッケルメッキ処理が施された軸体(SUM22製、直径10mm、長さ275mm)をエタノールで洗浄し、その表面にシリコーン系プライマー(商品名「プライマーNo.16」、信越化学工業社製)を塗布した。プライマー処理した軸体を、ギヤオーブンを用いて、150℃の温度にて10分焼成処理した後、常温にて30分以上冷却し、軸体の表面にプライマー層を形成した。
【0079】
次いで、両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度300)100質量部、BET比表面積が110m
2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本アエロジル社製、R−972)1質量部、平均粒径6μm、嵩密度が0.25g/cm
3である珪藻土(オプライトW−3005S、北秋珪藻土社製)40質量部、及び、アセチレンブラック(デンカブラックHS−100、電気化学工業社製)5質量部をプラネタリーミキサーに入れ、30分撹拌した後、3本ロールに1回通した。これを再度プラネタリーミキサーに戻し、架橋剤として、両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度17、Si−H量0.0060mol/g)2.1質量部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.1質量部、及び、白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を添加し、15分撹拌して混練して、付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物を調製した。調製した付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物を液体射出成形により軸体2の外周面に成形した。液体射出成形において、付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物を10分間150℃に加熱して硬化させた。この成形体を研磨して外径20mmの弾性層3を形成した。この弾性層3のJISA硬度は43°であった。
【0080】
下記組成を有するウレタンコート層4形成用のウレタン樹脂組成物を調製した。
(A)イソシアネート(MDI系、商品名「コロネート−HX」、日本ポリウレタン工業社製)18質量部
(B)ポリオール(商品名「ON−F40」、日本ポリウレタン工業社製)100質量部(モル比(NCO/OH=0.9))
(C)イオン液体として、ピリジニウム系イオン液体(1−ブチルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、和光純薬社製)41質量部(ウレタン調製成分である上記(A)及び(B)の合計100質量部に対する換算含有量35質量部)
(D)ウレタン樹脂粒子として、「P−800T」(商品名、根上工業社製、シェアA硬度70、ガラス転移温度−34℃、平均粒径6μm)89質量部(換算含有量75質量部)
(E)カーボンブラック(商品名「トーカブラック#4500」、東海カーボン社製)3質量部
(F)ジブチル錫ジラウレート(商品名「ジ−n−ブチルすずジラウレート」、昭和化学社製)0.03質量部
【0081】
このウレタン樹脂組成物を弾性層3の外周面にスプレーコーティング法によって塗布し、160℃で30分間加熱して、層厚20μmのウレタンコート層4を形成した。このようにして実施例1の導電性ローラを製造した。
【0082】
(実施例2)
実施例1において、ピリジニウム系イオン液体に代えてアミン系イオン液体(N,N,N−トリメチル−N−プロピルアンモニウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、関東化学社製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例2の導電性ローラを製造した。
【0083】
(実施例3)
実施例1において、ピリジニウム系イオン液体に代えてイミダゾリウム系イオン液体(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、日本合成化学社製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例3の導電性ローラを製造した。
【0084】
(
参考例1〜3)
実施例3において、イミダゾリウム系イオン液体の含有量を表1に示す値に変更したこと以外は実施例3と同様にして
参考例1〜3の各導電性ローラを製造した。
【0085】
(
参考例4)
実施例4において、ウレタン樹脂粒子「P−800T」の含有量を表1に示す値に変更した以外は実施例1と同様にして
参考例4の導電性ローラを製造した。
【0086】
(実施例8)
実施例1において、ウレタン樹脂粒子「P−800T」に代えてウレタン樹脂粒子「C−800T」(商品名、根上工業社製、シェアA硬度77、ガラス転移温度−15℃、平均粒径6μm)を用いたした以外は実施例1と同様にして実施例8の導電性ローラを製造した。
【0087】
(実施例9)
実施例1において、ウレタン樹脂粒子「P−800T」に代えてウレタン樹脂粒子「JB−800T」(商品名、根上工業社製、シェアA硬度55、ガラス転移温度−50℃、平均粒径6μm)を用いたした以外は実施例1と同様にして実施例9の導電性ローラを製造した。
【0088】
(実施例10)
実施例1において、ウレタン樹脂粒子「P−800T」に代えてウレタン樹脂粒子「ダイミックビーズUCN−8150CM クリヤー」(商品名、大日精化工業社製、シェアA硬度74、ガラス転移温度−20℃、平均粒径15μm)を用いたした以外は実施例1と同様にして実施例10の導電性ローラを製造した。
【0089】
(比較例1)
実施例1のウレタン樹脂組成物において、ピリジニウム系イオン液体を用いずに、カーボンブラックの含有量を6質量部(換算含有量5質量部)に変更したこと以外は実施例1と同様にして比較例2の導電性ローラを製造した。
【0090】
(シリカ付着評価)
製造した各導電性ローラのシリカ付着量を以下のようにして評価した。
すなわち、下記組成を有する現像剤を収納した画像形成装置「C610DN」(商品名、沖データ社製)の現像ローラとして実施例、
参考例及び比較例の各導電性ローラを装着し、温度22℃、相対湿度55%付近の通常環境下で、用紙の長手方向と搬送方向とが一致するようにA4サイズの用紙を搬送しつつ表面に0.3%duty画像を2000枚印刷した。ここで、dutyとはトナー現像面占有率をいう。
その後、掃除機(吸込み仕事率105W、日立製V−G12CT)で画像形成装置から取り出した導電性ローラの表面に付着している現像剤を除去した。
【0091】
一方、表面形状がローラ表面と同様の曲率を持つ長方形で面積が1cm
2である表面圧接部に両面テープ「再生紙両面テープ ナイスタック 一般タイプNW−15」(商品名、ニチバン社製)を貼付した付着量測定治具を準備した。
【0092】
次いで、導電性ローラの表面に、準備した付着量測定治具の両面テープが貼付された表面を荷重0.07MPaで5秒間押圧した。このようにして導電性ローラの表面から付着量測定治具の両面テープに接着したシリカの質量を測定し、単位面積当りの付着量を算出した。このような測定及び算出を同一の導電性ローラについて5点実施し、その算術平均値をシリカ付着量とした。
評価は、シリカ付着量が0.15mg/cm
2以下であった場合を「○」、0.15mg/cm
2を越えていた場合を「×」とした。なお、シリカ付着量が0.15mg/cm
2以下であると、導電性ローラの初期の表面状態をほぼ維持でき、画像濃度の変動が実用上十分に許容できるほど小さいことを確認している。結果を第1表に示す。
【0093】
(画像濃度評価)
上述のシリカ付着評価において印刷した2000枚の画像のうち1枚目及び2000枚目の画像を採取し、用紙の長手方向における先端縁から25mm及び70mmの位置(上部という。)と後端縁から43mmの位置(下部という。)との3点の印字濃度を、X−Riteマクベス濃度計を用いて、測定した。
評価は、1枚目の画像の濃度の平均値(初期濃度という)及び2000枚目の画像の濃度の平均値(2K濃度という)で行い、初期濃度及び2K濃度のいずれにおいても、濃度が1.0以上であった場合を「○」、1.0未満であった場合を「×」とした。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【0096】
表1のイオン液体の種類において、「ピリジニウム系」は「ピリジニウム系イオン液体」を、「アミン系」は「アミン系イオン液体」を、「イミダゾリウム系」は「イミダゾリウム系イオン液体」を、それぞれ、表す。
表1に示されるように、水酸基無含有のイオン液体とウレタン樹脂粒子とを含有する本発明の導電性ローラは、いずれも、シリカ付着評価及び画像濃度評価が優れており、初期の表面状態を維持することによって画像濃度の変動が小さな画像を形成することに貢献できることが分かった。
これに対して、イオン液体を含有しない比較例1は、シリカが付着し、シリカ付着評価が不合格であった。