【文献】
化学大辞典編集委員会編,化学大辞典9,共立出版株式会社,1989年8月15日,縮刷版第32刷,169、211及び212頁
【文献】
化学大辞典編集委員会編、化学大辞典3,共立出版株式会社,1989年8月15日,縮刷版第32刷、110、111、140〜142頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記変色可能な染料が、酸素の存在下では第一の色であり、実質的に無酸素の環境で還元されると第二の色に変化することができ、さらに使い捨てまたは使用が限定された製品において意図された使用時間に相当する期間酸素に晒された後に第一の色に戻ることができる、請求項1に記載の変色可能な染料。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[0038]
図11〜21は、PCTの出願規則に従ったカラー写真の白黒バージョンである。灰色の階調差をよく認識することができるため、これらの写真を掲載した。カラー写真が何を示しているのかについての話はまた、それぞれの説明にも記載される。
【0020】
[0039]前述の要約、加えて以下の本出願の所定の実施態様の詳細な説明は、添付の図面と共に読めばよりよく理解されるものと予想される。例示の目的で、図面には所定の実施態様が示されている。しかしながら、特許請求の範囲は、添付の図面に示された配置および手段に限定されないことが理解されよう。さらに、図面に示される外観は、述べられたシステムの機能を達成するのに採用することができる多くの装飾的な外観のうちの1つである。
【0021】
[0040]本出願の解決方法によれば、酸化還元化学を利用して、製品上に、例えば:1回使用製品または道具が使用済みであることの正確な情報または使用者への警告;使用が限定された製品がその有効期限に達したことのリマインダー;または使用が制限されている製品に不当に手が加えられていることのリマインダーを示す変色性表示が形成される。警告表示は、時間制御された方式で変色する染料によってもたらされ、ここで染料そのものは、製品上に印刷されるかまたは製品の一部を形成する材料内に取り込まれるかのいずれかによって製品上に配置される。
【0022】
[0041]レドックス反応または酸化還元反応は、酸化状態の変化が起こる化学反応である。例えば、酸化は、以下に示されるような酸化数の増加または電子の損失を指す:
還元体→生成物+e
−
(電子の損失;酸化数の増加)
還元は、以下に示されるような酸化数の減少または電子の獲得を指す:
酸化体+e
−→生成物
(電子の獲得;酸化数の増加)
他の物質を還元する能力を有する物質は、還元剤、還元体またはレデューサーと呼ばれる。他の物質を酸化する能力を有する物質は、酸化剤、酸化体またはオキシダイサーと呼ばれる。
【0023】
[0042]本出願の変色可能な染料は、酸化還元インジケーター、還元反応開始剤、電子供与体、酸素スカベンジャー、インジケーターバリア剤、混合促進剤、および増粘剤を包含していてもよく、ここで変色可能な染料は、予め決められた期間酸素に晒された後に警告色に変化する。これらの要素のそれぞれを以下でより詳細に検討する。
【0024】
[0043]酸化還元染料または酸化還元インジケーターとは、その酸化状態からその還元状態に、および/またはその逆に変化すると変色する化合物のことである。例えば、酸化還元インジケーターの酸化および還元は、以下のように示すこともできる:
還元された酸化還元インジケーター(無色)→酸化された酸化還元染料(色付き)+e
−
(酸化−電子の損失;酸化数の増加)
酸化された酸化還元インジケーター(色付き)+e
−→還元された酸化還元染料(無色)
(還元−電子の獲得;酸化数の増加)
酸化還元インジケーターは、酸素に晒されたときに変色を起こす本発明の変色可能な染料に取り込まれる。以下の表1に、可能性のある酸化還元インジケーターとそれに対応する酸化および還元状態の両方における色の例を示す。
【0026】
本発明の溶液で使用するのに好ましい酸化還元インジケーターは、インジゴテトラスルホネート(ITS)である。例示の目的で、本発明の溶液を説明するためにITSを使用する。本出願の変色可能な染料では、他のインジケーターを代わりに用いてもよいと解釈される。ITSの酸化および還元反応は、以下のように簡易化することができる:
還元されたITS(無色)→酸化されたITS(青色)+e
−
(酸化−電子の損失;酸化数の増加)
酸化されたITS(青色)+e
−→還元されたITS(無色)
(還元−電子の獲得;酸化数の増加)
本発明の変色可能な染料におけるこれらの反応およびそれらの役割を以下でより詳細に論じる。
【0027】
[0044]本出願の利点は、酸化還元インジケーターを、その酸化状態(ITSの場合は青色の形態)で変色可能な染料に取り込むことができる点である。これは、変色可能な染料を酸素の存在下で製品に適用することを可能にするために、本出願の利点である。変色可能な染料において酸化還元インジケーターの還元された形態を使用する場合、還元された酸化還元インジケーターの早すぎる酸化を回避するために、その染料を、実質的に無酸素の環境で適用する必要があると予想される。酸素中で変色可能な染料を適用することは、無酸素の環境で変色可能な染料を適用することよりも簡単である。したがって、酸化還元インジケーターの酸化された形態を適用することが好ましい。さらに、その酸化された形態では有色の酸化還元インジケーター、例えばその酸化された形態では青色のITSなどを使用すれば、適用後に変色可能な染料を見えるようにすることができる。
【0028】
[0045]それに続いて製品をパッケージ化して、製品にとって滅菌された環境を提供することができる。パッケージ内部の雰囲気は、パッケージによって製品にとって密封された実質的に無酸素の環境になるように、不活性ガスまたは真空であってもよい。次いで製品をその還元状態(ITSの場合は無色の形態)に還元する。一実施態様において、これは、以下で詳細に説明されるように、紫外線(UV)または日光を使用して行うことができる。他の実施態様において、これは、化学的な還元剤を使用して行ってもよい。
【0029】
[0046]その後パッケージが開封されて製品が酸素に晒されると、以下で詳細に論じられるような染料の組成によって制御され、また、1回使用製品の場合に製品の1回使用に要する典型的な時間に一致するように選択されているかまたは製品の有効期限に一致するように選択されている期間の後に、製品上に配置された染料は、その還元状態(ITSの場合、無色)からその酸化状態(ITSの場合、青色)に変化すると予想される。また染料が変色するときの時間は、製品に不当に手が加えられている可能性があることを表示するようにも選択することができる。
【0030】
[0047]染料が適用されて、製品がパッケージ化され、製品にとって密封された実質的に無酸素の環境が提供されたら、変色可能な染料は、還元されることが必要である。密封された実質的に無酸素の環境となった後に酸化還元インジケーターをその還元状態(ITSの場合、無色)へと押し進めるために、還元反応開始剤および電子供与体を包含させてもよい。
【0031】
[0048]還元反応開始剤は、酸化還元インジケーターの還元を開始させる。還元反応開始剤の例は、二酸化チタンである。電子供与体は、還元反応開始剤に電子を供与して、酸化還元インジケーターを還元させる。電子供与体の例としては、グリセロールおよび糖が挙げられる。
【0032】
[0049]好ましい実施態様において、還元反応開始剤は、二酸化チタンであり、電子供与体は、グリセロールである。二酸化チタンおよびグリセロールが還元反応開始剤および電子供与体として使用される場合、酸化還元インジケーターの還元反応は、密封された実質的に無酸素の環境中の染料を紫外線(UV)照射に晒すことにより開始させることができる。例えば、UV照射は、二酸化チタン、TiO
2*(e
−、h
+)において電子−正孔対を形成する。
TiO
2+UV照射→TiO
2*(e
−、h
+)
次いで正孔により電子供与体のグリセロールが酸化して、グリセルアルデヒドを形成する。
TiO
2*(e
−、h
+)+C
3H
8O
3→+TiO
2−+C
3H
6O
3
次いで光生成電子が、酸化された酸化還元インジケーター(ITSの場合、青色)をその還元された形態(ITSの場合、無色)に還元する。
TiO
2−/e
−+RI
OX→TiO
2+RI
red
次いで染料は、パッケージが開封されるまではその還元された形態(ITSの場合、無色)を保ち、酸素に晒されると、酸化プロセスが始まり、染料はその酸化された形態(ITSの場合、青色)に戻ると予想される。
【0033】
[0050]本発明の色が変化する染料の利点は、変色が、酸素に晒されてすぐには始まらないが、製品の推奨された使用に基づきいずれかの予め決められた時間に始まるように、変色を遅らせることができる点である。例えば、開封後に所定の日数使用されるように意図された製品の場合、染料は、数日後に青色になるものでもよい。他の例として、開封から数分以内に使用されると予想される製品の場合、染料は、数分後に青色になるものでもよい。酸素に晒されたときの染料の変色を遅らせるために、酸素スカベンジャーおよび/またはインジケーターバリア剤を包含させてもよい。
【0034】
[0051]酸素スカベンジャーは、酸素を酸化還元インジケーターと反応させる前に酸素と反応することによって、酸化還元インジケーターの酸化を遅らせるように作用する。
【0035】
[0052]酸素スカベンジャーの例としては、
亜硫酸水素ナトリウム、アスコルビン酸、炭酸鉄(II)が挙げられる。好ましい酸素スカベンジャーは、
亜硫酸水素ナトリウム、アスコルビン酸、および炭酸鉄(II)である。
亜硫酸水素ナトリウムは、以下の反応で容易に酸素と反応する:
2NaHSO
3+O
2→2NaHSO
4
アスコルビン酸は、以下の反応で容易に酸素と反応する:
C
6H
8O
6+O
2→C
6H
6O
6+H
2O
2
炭酸鉄(II)は容易に酸素と反応して、炭酸鉄(III)を形成する。これらの反応はいずれも、ITSと酸素との反応よりも容易に進行する。それによりITSの変色が遅くなる。
【0036】
[0053]1種またはそれより多くの酸素スカベンジャーのうちの1つとして
亜硫酸水素ナトリウムが使用される場合、
亜硫酸水素ナトリウムがさらにITSと反応することにより、ITSはそのスルホネート誘導体として貯蔵される。それにより、酸化中の変色が迅速に起こるようになるために、これは有利であると出願人は考えている。変色が始まったら、変色は迅速に進行することが望ましい。ITSのスルホネート誘導体の形成は、迅速な変色を助ける。
【0037】
[0054]インジケーターバリア剤は、酸化還元インジケーターの周りに物理的または化学的なバリアを形成することにより、酸化還元インジケーターの酸化をさらに遅らせるように作用する。インジケーターバリア剤の例としては、酸化還元インジケーターの周りに物理的なバリアを形成するワックス、および酸化還元インジケーターを包み込むポリマーが挙げられる。好ましいインジケーターバリア剤は、PDADMAとしても知られているポリマーのポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)である。
【0038】
[0055]PDADMAは、変色可能な染料においてナノリアクターが作製されるように作用する。PDADMAによって作製されたナノリアクターは、ITSの還元、ならびにITSおよび上記で論じられたITSのスルホネート誘導体の貯蔵を助ける。PDADMAは、正電荷を有するPDADMAと、ITS、ITSのスルホネート誘導体、および
亜硫酸水素ナトリウムにおける負電荷との静電的相互作用により、ITS、
亜硫酸水素ナトリウム、およびITSのスルホネート誘導体をカプセル化することができる。PDADMAによるカプセル化により、ナノリアクターが形成される。それによりITSの効率的な還元が可能になり、ITSの周りに保護カプセルが作製される。
【0039】
[0056]意図する目的で染料を利用できるようにする物理的特性を染料に付与するために、他の物質を変色可能な染料に添加してもよい。例えば、染料に実用的な粘稠度を付与するために、増粘剤を染料に添加してもよい。好ましい増粘剤は、2−ヒドロキシエチルセルロースである。
【0040】
[0057]意図する目的で染料を利用できるようにする物理的特性を染料に付与するその他の物質の例として、混合促進剤があり、これは、酸化還元インジケーターの粘着性の性質を小さくし、マイクロスフェアを作製することにより、吸湿性のグリセロールと水性溶媒との混合を助け、使用に適した溶液を形成するものである。混合促進剤の例としては、ベントナイトのナノクレイ、ガラスマイクロスフェア、および酢酸セルロースが挙げられる。好ましい混合促進剤は、ベントナイトのナノクレイである。ベントナイトのナノクレイは、水性染料に粘性で吸湿性のグリセロールを取り込むように作用する。例えばベントナイトのナノクレイなどの混合促進剤を添加しなければ、溶液の他の構成要素が十分に混合されないと予想される。酸化還元インジケーター、還元反応開始剤、電子供与体、および増粘剤は、酸素スカベンジャーと混合されないと予想される。これらは、油と水との混合物のように分離する。例えばベントナイトのナノクレイなどの混合促進剤は、これらの材料を混合させて、本発明の変色可能な染料を形成することを可能にする。具体的な例として、二酸化チタン、グリセロール、ITS、およびヒドロキシエチルセルロースは、アスコルビン酸および
亜硫酸水素ナトリウムとは物理的に混合されないと予想される。ベントナイトのナノクレイを添加して、溶液を超音波処理することによって、混合を達成することができる。
【0041】
[0058]1回使用の使い捨ての製品の場合、染料は、その実質的に無酸素の環境で還元された後、実質的に半透明であり、酸素に晒されてから数分後、数時間後、または1週間後には、変色が必要な場合がある。
【0042】
[0059]例えば、数分間酸素に晒された後に変化する変色可能な染料は、所要時間が10分未満の1回の使用が意図された使い捨ての注射器と共に使用してもよい。
図1は、このような使い捨ての注射器10を示す。使い捨ての注射器10は、注射器に引き出される液体の量を正確に測定できるように、その上に印刷された目盛り付きスケール12を包含していてもよい。一実施態様において、変色可能な染料14は、スケール上に印刷される。この実施態様において、
図2では14’で示されるように、1回使用の使い捨ての注射器10の典型的な使用時間に関連する予め決められた時間の後に染料14が変色するまでは、スケールをはっきりと視認できるように、染料は実質的に半透明である。
図1および2に表された注射器の実施態様において、染料は目盛り付きスケール上に配置されるため、時間制御された変色が起こると、使い捨ての注射器が誤って再使用されないように目盛り付きスケールがはっきりと視認できなくなる。この方式で、注射器の不注意による再使用に起因するある患者から別の患者への汚染物質または疾患の伝染が防がれる。
【0043】
[0060]
図3および4に表されたような本発明の他の実施態様において、染料は、例えば使い捨ての注射器10の18などの別の領域上に配置される。
図4の18’で示されるように、変色が起こったら、例えば「使用済み」という言葉などのメッセージを使用者が視認できるように、使い捨ての製品上にメッセージを印刷するためのインクとして染料を使用することができる。
【0044】
[0061]本発明の染料を、その色付きの酸化された形態(ITSの場合、青色)で適用し、製品上に載せた後に迅速に乾燥させる。染料が乾燥したら、製品を一般的な低温滅菌技術のいずれかで滅菌して、次いで
図5に表されたように、内部の雰囲気が不活性ガスまたは真空の密封された容器またはパッケージ16に入れることもできる。密封された実質的に無酸素のパッケージ中で、染料は還元される。これは、上記で論じたように紫外線または日光に晒すことによりなすことができる。次いで変色可能な染料は、半透明または「無色透明」になると予想される。その後パッケージが開封されて、製品が酸素に晒されたら、製品上に配置された染料は、溶液の構成に応じて5または10分後に、実質的に半透明または「無色透明」からその色付きの形態(ITSの場合、青色)に変化すると予想される。
【0045】
[0062]他の例として、数時間酸素に晒された後に変化する変色可能な染料は、終わるまで数時間を要する外科手術での使用が意図されている使い捨てのメスと共に使用してもよい。このような使い捨てのメスは、
図6に表されている。使い捨てのメス24は、染料が変色したら外科医にはっきりと視認できると予想される領域に、本発明の染料26が配置されている。
図7に表されたように、警告メッセージ28は、そのメスが「使用済み」であることを外科医に知らせるためにメス上に染料で印刷されていてもよく、ここで上記で注射器に関して考察したように、メスが実質的に無酸素のパッケージまたは容器から取り出されてから所定の数時間後に、変色が起こる。この方式では、外科医は、そのメスはうかつに再使用せずに廃棄するよう警告される。
【0046】
[0063]さらにその他の例として、数日または1週間酸素に晒された後に変化する変色可能な染料は、所定の日数または週数での使用しか意図されていない使い捨てのコンタクトレンズと共に使用してもよい。このようなレンズは、「1日装着用」または「1か月装着用」の使い捨てのコンタクトレンズとして知られている。これらの使い捨てのコンタクトレンズにより生じる問題は、多くのコンタクトレンズ使用者は、推奨された時間でコンタクトレンズを廃棄せずに、予定された時間よりも長くコンタクトレンズを装着している点である。これは、目を傷付ける可能性がある。
図8〜10に表されたような本発明のコンタクトレンズは、コンタクトレンズそのものの上に、コンタクトレンズが定められた時間装着されたら、コンタクトレンズを目から除去すべきという視認できる指標を提供することにより、この問題を克服している。
【0047】
[0064]本発明によれば、上記で説明したような変色可能な染料36は、コンタクトレンズの一部の上に配置される。染料の調合物は、好ましくは、コンタクトレンズの製造元が提唱するコンタクトレンズ装着に推奨される最長の時間に従って、染料の変色を所定の日数または週数遅延させるものである。染料が最初に適用されるとき、染料は、適用された染料を製造元が見ることができるようにその色付きの状態(ITSの場合、青色)で適用されると予想される。上記で他の用具に関して論じたように、コンタクトレンズ30は、
図10で示されるように実質的に無酸素のパッケージ40中に入れられると予想される。密封された実質的に無酸素のパッケージ中で、染料は還元される。これは、上記で論じたように、紫外線または日光に晒すことによりなすことができる。次いで変色可能な染料は、半透明または「無色透明」になると予想される。次いでコンタクトレンズ30の使用者は、すぐに目に使用するためにコンタクトレンズをパッケージから取り出すことができる。コンタクトレンズを目に装着してから製造元により推奨された時間が経過したら、
図9に表されたように染料の変色が起こり、ここで、観察者がコンタクトレンズ装着者の目をのぞき込めば、コンタクトレンズ上に色付きの(ITSの場合、青色の)スポットをはっきりと視認することができる。このような場合、コンタクトレンズ装着者は、推奨通りにコンタクトレンズを自身の目から取り外しそれを廃棄するよう促される。
【0048】
[0065]さらにその他の例として、数時間または1週間酸素に晒された後に変化する変色可能な染料は、例えば所定の期間の貯蔵寿命を有する化粧品または医薬などの製品と共に使用してもよい。例えば、化粧品用アプリケーターは、目に感染する可能性がある細菌を内包する可能性があることが発見された。本発明の染料は、例えばマスカラのアプリケーターまたはアイライナーのアプリケーターの持ち手に、数時間または1週間後、推奨された交換時間に警告メッセージの視認が可能になるように適用してもよい。このような場合、使用者は、目への感染を防ぐために、その有効期限が切れる前にその化粧品を廃棄するように警告される。薬物療法に関して、本発明の染料は、例えばピルなどの経口薬に適用されることもあり、ここで染料はピルに直接印刷され、ピル周辺の環境の酸素レベルが変化したときに、色を白色または半透明からそれより濃い別の色または警告記号に変化させる。染料の変色性表示は、ピルの有効期限と一致するように時間を定められると予想される。
【0049】
[0066]数分、数時間または1週間酸素に晒された後に色が変化するタイミングを変更するために、変色可能な染料の構成要素の具体的な性質または体積を変更できることが理解されている。例えば、変色可能な染料で使用される酸素スカベンジャー(複数可)のタイプ、数または量を変更して、色が変化するタイミングを変更してもよい。他の例として、変色可能な染料で使用されるインジケーターバリア剤(複数可)のタイプ、数または量を変更することもできる。他の例として、ポリマーのインジケーターバリア剤が使用される場合、ポリマーの分子量の変更を利用して、色が変化するタイミングを変更することもできる。
【0050】
[0067]例えば、還元後、その密封された実質的に無酸素のパッケージング中で染料が実質的に半透明であることが必要であり、染料は酸素に晒されてから数分後に変色すると予想される1回使用の使い捨ての製品において、染料溶液は、以下のように形成してもよい。
【0051】
[0068]まず、水性溶媒中に酸化還元インジケーターと増粘剤とを溶解させることによって、ストック溶液を調製してもよい。次いでストック溶液を、所的期間で強く撹拌し、続いて第二の期間で穏やかに撹拌してもよい。次いでストック溶液を混合して、層分離をすべて解消することができる。これらの工程は、この順番で行ってもよいし、または別の順番で行ってもよい。
【0052】
[0069]上記で論じられた酸化還元インジケーターは、本発明のストック溶液の調製に使用することもできる。一実施態様において、酸化還元インジケーターは、ITSである。使い捨てまたは使用が限定された製品において意図された使用時間に相当する数分間酸素に晒された後に警告色に変化する変色可能な染料を作製するのに有効な量の酸化還元インジケーターが添加される。例えば0.4〜0.6グラム、好ましくは0.475〜0.525グラム、またはより好ましくは0.5グラムの酸化還元インジケーターを添加してもよい。一実施態様において、酸化還元インジケーターは、およそ85%の純度を有する。
【0053】
[0070]上記で論じられた増粘剤は、本発明のストック溶液の調製に使用することもできる。一実施態様において、増粘剤は、2−ヒドロキシメチルセルロースである。使い捨てまたは使用が限定された製品において意図された使用時間に相当する数分間酸素に晒された後に警告色に変化する変色可能な染料を作製するのに有効な量の増粘剤が添加される。例えば4〜6グラム、好ましくは4.7〜5.3グラム、またはより好ましくは5グラムの増粘剤を添加してもよい。一実施態様において、増粘剤は、およそ90,000グラム/モルの分子量を有する。
【0054】
[0071]水性溶媒は、蒸留水および/または脱イオン水であってもよい。一実施態様において、蒸留脱イオン水は、二重逆浸透システムから生成される。使い捨てまたは使用が限定された製品において意図された使用時間に相当する数分間酸素に晒された後に警告色に変化する変色可能な染料を作製するのに有効な量の水性溶媒が添加される。例えば47〜143ミリリットル、好ましくは76〜114ミリリットル、またはより好ましくは95ミリリットルの水性溶媒を添加してもよい。
【0055】
[0072]強い撹拌は、25〜35分、または好ましくは30分行ってもよい。穏やかな撹拌は、6〜10時間、または好ましくは一晩行ってもよい。
【0056】
[0073]変色可能な染料を調製するために、還元反応開始剤はまず、インジケーターバリア剤と混合してもよい。次いで、電子供与体を添加してもよい。次いで、ストック溶液を添加してもよい。次いで、この溶液を、強く撹拌してもよい。次いで、この溶液に、混合促進剤を添加してもよい。次いで、この溶液を、超音波処理してもよい。次いで、この溶液に、酸素スカベンジャーを添加してもよい。次いで、この溶液を、混合してもよい。次いで、この溶液を、使用が限定された、または使い捨ての製品に薄く適用して、そのまま乾燥させてもよい。これらの工程は、この順番で行ってもよいし、または別の順番で行ってもよい。
【0057】
[0074]上記で論じられた還元反応開始剤を本発明の変色可能な染料の調製に使用することもできる。一実施態様において、還元反応開始剤は、二酸化チタンである。二酸化チタンは、乳鉢と乳棒を使用してすりつぶしてもよい。二酸化チタンは、100ナノメートルより大きい粒子にすりつぶしてもよい。一実施態様において、二酸化チタンは、アナターゼ/ルチルの混合物である。一実施態様において、二酸化チタンは、99.5%の純度を有する。使い捨てまたは使用が限定された製品において意図された使用時間に相当する数分間酸素に晒された後に警告色に変化する変色可能な染料を作製するのに有効な量の還元反応開始剤が添加される。例えば0.16〜0.24グラム、好ましくは0.19〜0.21グラム、またはより好ましくは0.2グラムの還元反応開始剤を添加してもよい。二酸化チタンが0.16〜0.24グラムで存在する場合、溶液の他の構成要素は、好ましい濃度により近くなると予想される。
【0058】
[0075]上記で論じられたインジケーターバリア剤を本発明の変色可能な染料の調製に使用することもできる。一実施態様において、インジケーターバリア剤は、PDADMAである。PDADMAは、高分子量(400,000〜500,000グラム/モル)であってもよい。PDADMAは、脱イオン水中の20%溶液として供給されてもよい。使い捨てまたは使用が限定された製品において意図された使用時間に相当する数分間酸素に晒された後に警告色に変化する変色可能な染料を作製するのに有効な量のインジケーターバリア剤が添加される。例えば0.8〜1.2グラム、好ましくは0.9〜1.1グラム、またはより好ましくは1グラムのインジケーターバリア剤を添加してもよい。
【0059】
[0076]上記で論じられた電子供与体を本発明の変色可能な染料の調製に使用することもできる。一実施態様において、電子供与体は、グリセロールである。使い捨てまたは使用が限定された製品において意図された使用時間に相当する数分間酸素に晒された後に警告色に変化する変色可能な染料を作製するのに有効な量の電子供与体が添加される。例えば1.6〜2.4グラム、好ましくは1.9〜2.1グラム、またはより好ましくは2グラムの電子供与体を添加してもよい。
【0060】
[0077]使い捨てまたは使用が限定された製品において意図された使用時間に相当する数分間酸素に晒された後に警告色に変化する変色可能な染料を作製するのに有効な量のストック溶液が添加される。例えば16〜24グラム、好ましくは19〜21グラム、またはより好ましくは20グラムのストック溶液を添加してもよい。
【0061】
[0078]強い撹拌は、10〜20分、または好ましくは15分行ってもよい。
【0062】
[0079]上記で論じられた混合促進剤を本発明の変色可能な染料の調製に使用することもできる。一実施態様において、混合促進剤は、ベントナイト(ナノクレイ粉末)である。ベントナイトは、乳鉢と乳棒を使用してすりつぶしてもよい。使い捨てまたは使用が限定された製品において意図された使用時間に相当する数分間酸素に晒された後に警告色に変化する変色可能な染料を作製するための量の混合促進剤が添加される。例えば0.8〜1.2グラム、好ましくは0.9〜1.1グラム、またはより好ましくは1グラムの混合促進剤を添加してもよい。超音波処理は、ベントナイトの混合を助けることができる。上記溶液を、25〜45分、または好ましくは35分超音波処理してもよい。
【0063】
[0080]上記で論じられた酸素スカベンジャーを本発明の変色可能な染料の調製に使用することもできる。一実施態様において、酸素スカベンジャーは、
亜硫酸水素ナトリウムおよびL−アスコルビン酸である。使い捨てまたは使用が限定された製品において意図された使用時間に相当する数分間酸素に晒された後に警告色に変化する変色可能な染料を作製するのに有効な量の酸素スカベンジャーが添加される。例えば0.08〜0.12グラム、好ましくは0.09〜0.10グラム、またはより好ましくは0.1グラムの
亜硫酸水素ナトリウムを添加してもよい。他の例として,0.72〜1.08グラム、好ましくは0.85〜0.95グラム、またはより好ましくは0.9グラムのL−アスコルビン酸を添加してもよい。
【0064】
[0081]上記溶液は、アルゴン下で混合してもよいし、または酸素の存在下で混合してもよい。この混合は、25〜35分、または好ましくは30分継続してもよい。上記溶液を、アルゴン下で、または酸素の存在下で薄く塗り広げて、そのまま乾燥させてもよい。乾燥は、数時間、好ましくは1〜2時間継続してもよい。
【0065】
[0082]
図11〜15は、それぞれおよそ26秒、3分28秒、6分1秒、10分1秒、および19分1秒酸素に晒された際の、上記で説明した変色可能な染料の一実施態様の写真である。インクは、乾燥させたときに、半透明、無色透明または淡黄色であってもよい。酸素に晒されてから3〜4分後に、変色を視認することができる。10〜15分後に緑がかった青色への変色を完了させることができる。必要とされる具体的な時間は、フィルムの厚さにも依存する可能性がある。
【0066】
[0083]上記溶液がアルゴン下で混合されない場合、酸化還元インジケーターは酸化して、酸化された色付きの状態(ITSの場合、青色)になると予想される。次いで、この状態は、染料を例えば製品のパッケージングなどの実質的に無酸素のアルゴン環境中に置き、それを紫外線または日光に晒すことにより逆転させることができる。それにより染料は変色して、半透明、無色透明または淡黄色に戻ると予想される。染料が実質的に無酸素のアルゴン環境から取り出されると、染料は、変化して、上記で論じたように色付きの(青色の)酸化状態に戻ることができる。
【0067】
[0084]他の例として、酸素に数時間晒されたときに染料が変色する時間を遅らせるために、上記溶液を以下のように形成してもよい。
【0068】
[0085]まず、ストック溶液は、水性溶媒中に増粘剤を溶解させることによって調製してもよい。次いで、ストック溶液を所定期間強く撹拌し、続いて第二の期間穏やかに撹拌してもよい。次いで、ストック溶液を混合して、層分離をすべて解消することができる。これらの工程は、この順番で行ってもよいし、または別の順番で行ってもよい。
【0069】
[0086]上記で論じられた増粘剤は、本発明のストック溶液の調製に使用することもできる。一実施態様において、増粘剤は、2−ヒドロキシメチルセルロースである。使い捨てまたは使用が限定された製品において意図された使用時間に相当する数時間酸素に晒された後に警告色に変化する変色可能な染料を作製するのに有効な量の増粘剤が添加される。例えば4〜6グラム、好ましくは4.7〜5.3グラム、またはより好ましくは5グラムの増粘剤を添加してもよい。一実施態様において、増粘剤は、およそ90,000グラム/モルの分子量を有する。
【0070】
[0087]水性溶媒は、蒸留水および/または脱イオン水であってもよい。一実施態様において、蒸留脱イオン水は、二重逆浸透システムから生成される。使い捨てまたは使用が限定された製品において意図された使用時間に相当する数時間酸素に晒された後に警告色に変化する変色可能な染料を作製するのに有効な量の水性溶媒が添加される。例えば、47〜143ミリリットル、好ましくは76〜114ミリリットル、またはより好ましくは95ミリリットルの水性溶媒を添加してもよい。
【0071】
[0088]強い撹拌は、25〜35分、または好ましくは30分行ってもよい。穏やかな撹拌は、6〜10時間、または好ましくは一晩行ってもよい。
【0072】
[0089]変色可能な染料を調製するために、酸化還元インジケーターはまず、ストック溶液と混合してもよい。次いで、インジケーターバリア剤を添加してもよい。次いで、電子供与体を添加してもよい。次いで、上記溶液を撹拌してもよい。次いで、還元反応開始剤を添加してもよい。次いで、混合促進剤を添加してもよい。次いで、上記溶液を撹拌してもよい。次いで、この溶液を、超音波処理してもよい。次いで、この溶液に、酸素スカベンジャーを添加してもよい。次いで、この溶液を、混合してもよい。次いで、この溶液を、使用が限定された、または使い捨ての製品に薄く適用して、そのまま乾燥させてもよい。これらの工程は、この順番で行ってもよいし、または別の順番で行ってもよい。
【0073】
[0090]上記で論じられた酸化還元インジケーターを本発明の変色可能な染料の調製に使用することもできる。一実施態様において、酸化還元インジケーターは、ITSである。使い捨てまたは使用が限定された製品において意図された使用時間に相当する数時間酸素に晒された後に警告色に変化する変色可能な染料を作製するのに有効な量の酸化還元インジケーターが添加される。例えば0.06〜0.09グラム、好ましくは0.071〜0.079グラム、またはより好ましくは0.075グラムの酸化還元インジケーターを添加してもよい。一実施態様において、酸化還元インジケーターは、およそ85%の純度を有する。
【0074】
[0091]使い捨てまたは使用が限定された製品において意図された使用時間に相当する数時間酸素に晒された後に警告色に変化する変色可能な染料を作製するのに有効な量のストック溶液が添加される。例えば17〜25.6グラム、好ましくは20.2〜22.4グラム、またはより好ましくは21.3グラムのストック溶液を添加してもよい。他の実施態様において、8〜12グラムのストック溶液が、酸化還元インジケーター添加前に9.2〜13.8グラムの水性溶媒と混合され、好ましくは9.5〜10.5グラムのストック溶液が、酸化還元インジケーター添加前に10.9〜12.1グラムの水性溶媒と混合され、またはより好ましくは、10.0グラムのストック溶液が、酸化還元インジケーター添加前に11.5グラムの水性溶媒と混合される。
【0075】
[0092]上記で論じられたインジケーターバリア剤を本発明の変色可能な染料の調製に使用することもできる。一実施態様において、インジケーターバリア剤は、PDADMAである。PDADMAは、高分子量(400,000〜500,000グラム/モル)であってもよい。PDADMAは、脱イオン水中の20%溶液として供給されてもよい。使い捨てまたは使用が限定された製品において意図された使用時間に相当する数時間酸素に晒された後に警告色に変化する変色可能な染料を作製するのに有効な量のインジケーターバリア剤が添加される。例えば2〜3グラム、好ましくは2.4〜2.6グラム、またはより好ましくは2.5グラムのインジケーターバリア剤を添加してもよい。
【0076】
[0093]上記で論じられた電子供与体を本発明の変色可能な染料の調製に使用することもできる。一実施態様において、電子供与体は、グリセロールである。使い捨てまたは使用が限定された製品において意図された使用時間に相当する数時間酸素に晒された後に警告色に変化する変色可能な染料を作製するのに有効な量の電子供与体が添加される。例えば、2.1〜4.3グラム、または好ましくは2.5〜3.8グラム、またはより好ましくはおよそ2.6グラム、およそ3.1グラム、またはおよそ3.6グラムの電子供与体を添加してもよい。
【0077】
[0094]撹拌は、4〜6分、または好ましくは5分行ってもよい。
【0078】
[0095]上記で論じられた還元反応開始剤を本発明の変色可能な染料の調製に使用することもできる。一実施態様において、還元反応開始剤は、二酸化チタンである。二酸化チタンは、乳鉢と乳棒を使用してすりつぶしてもよい。二酸化チタンは、100ナノメートルより大きい粒子にすりつぶしてもよい。一実施態様において、二酸化チタンは、アナターゼ/ルチルの混合物である。一実施態様において、二酸化チタンは、99.5%の純度を有する。使い捨てまたは使用が限定された製品において意図された使用時間に相当する数時間酸素に晒された後に警告色に変化する変色可能な染料を作製するのに有効な量の還元反応開始剤が添加される。例えば、0.21〜0.31グラム、好ましくは0.25〜0.27グラム、またはより好ましくはおよそ0.26グラムの還元反応開始剤を添加してもよい。二酸化チタンが0.21〜0.31グラムで存在する場合、溶液の他の構成要素は、好ましい濃度により近くなると予想される。
【0079】
[0096]上記で論じられた混合促進剤を本発明の変色可能な染料の調製に使用することもできる。一実施態様において、混合促進剤は、ベントナイト(ナノクレイ粉末)である。ベントナイトは、乳鉢と乳棒を使用してすりつぶしてもよい。使い捨てまたは使用が限定された製品において意図された使用時間に相当する数時間酸素に晒された後に警告色に変化する変色可能な染料を作製するための量の混合促進剤が添加される。例えば1.8〜2.8グラム、好ましくは2.2〜2.4グラム、またはより好ましくは2.3グラムの混合促進剤を添加してもよい。撹拌および超音波処理は、ベントナイトの混合を助けることができる。このような溶液を、数分、好ましくは1分撹拌してもよい。このような溶液を、25〜35分、または好ましくは30分超音波処理してもよい。
【0080】
[0097]上記で論じられた酸素スカベンジャーを本発明の変色可能な染料の調製に使用することもできる。一実施態様において、酸素スカベンジャーは、
亜硫酸水素ナトリウムおよびL−アスコルビン酸である。使い捨てまたは使用が限定された製品において意図された使用時間に相当する数分間酸素に晒された後に警告色に変化する変色可能な染料を作製するのに有効な量の酸素スカベンジャーが添加される。例えば、0.35〜0.53グラム、好ましくは0.42〜0.46グラム、またはより好ましくはおよそ0.44グラムのL−アスコルビン酸を添加してもよい。混合は、追加の酸素スカベンジャー添加前に行ってもよいし、またはその後に行ってもよい。混合は、空気中で行い、30〜60秒継続してもよい。上記溶液は、この時点では色付きの酸化状態(ITSが使用されている場合は青/緑色)であると予想される。次いで、0.28〜0.48グラム、好ましくは0.33〜0.38グラム、またはより好ましくはおよそ0.35グラム、またはおよそ0.4グラムの
亜硫酸水素ナトリウムを添加してもよい。
【0081】
[0098]上記溶液は、アルゴン下で、または酸素中で混合してもよい。この混合は、25〜35分、または好ましくは30分継続してもよい。上記溶液を、アルゴン下で、または酸素中で薄く塗り広げて、そのまま乾燥させてもよい。乾燥は、6〜10時間、または好ましくは一晩継続してもよい。変色可能な染料は、その酸化された色付きの状態(ITSの場合、青色)であると予想され、この状態は、染料を、例えば使い捨てまたは使用が限定された製品のためのパッケージングなどの実質的に無酸素のアルゴン環境中に置きながら、紫外線または日光に晒すことにより逆転させることができる。それにより染料は変色して、半透明の、無色透明、淡黄色または黄色がかったオレンジ色に戻ると予想される。
【0082】
[0099]
図16〜21は、それぞれおよそ10分、1時間29分、2時間20分、4時間10分、11時間40分、および23時間酸素に晒された際の、上記で説明した変色可能な染料の一実施態様の写真である。インクは、乾燥させたときに、半透明、無色透明、淡黄色またはオレンジ/黄色であってもよい。酸素に晒された後に、変色は、2〜3時間の範囲で起こり始める可能性がある。必要とされる具体的な時間は、フィルムの厚さにも依存する可能性がある。
【0083】
[00100]本発明の変色可能な染料は、使い捨ての使用が限定または制限された製品に適用してもよい。本発明の変色可能な染料は、多数の当業界公知の方法を使用した製品に適用してもよい。例えば、上記溶液は、印刷、ペイント、噴霧、沈積、浸し塗り、流し塗りまたは他の当業界公知の方法によって製品に適用してもよい。
【実施例】
【0084】
実施例1
[00101]実施例の一つにおいて、実質的に無酸素の環境で実質的に半透明であり、酸素に晒されてから数分後に変色する染料を以下のようにして形成した。
【0085】
[00102]まず、95ミリリットルの蒸留水中に0.5グラムのITSおよび5グラムの2−ヒドロキシメチルセルロースを溶解させることによって、ストック溶液を調製した。ITSは、85%の純度を有していた。2−ヒドロキシメチルセルロースは、およそ90,000グラム/モルの分子量を有していた。蒸留脱イオン水を二重逆浸透システムから生成した。ストック溶液を30分強く撹拌し、次いで一晩穏やかに撹拌した。次いで、ストック溶液を混合して、層分離をすべて解消した。
【0086】
[00103]変色可能な染料を調製するために、0.2グラムの二酸化チタンを乳鉢と乳棒を使用してすりつぶした。二酸化チタンを100ナノメートルより大きい粒子にすりつぶした。二酸化チタンはアナターゼ/ルチルの混合物であり、99.5%の純度を有していた。脱イオン水中の20%溶液として供給された1グラムの高分子量(400,000〜500,000グラム/モル)のPDADMAを二酸化チタンに添加した。2グラムのグリセロールも添加した。次に、20グラムのストック溶液を添加した。この溶液を15分強く撹拌した。次いで、1グラムの粉砕したベントナイト(乳鉢と乳棒を使用して粉砕した)を添加した。この溶液を35分超音波処理した。次いで、0.1グラムの
亜硫酸水素ナトリウムを、0.9グラムのL−アスコルビン酸と共に添加した。この溶液をアルゴン下で30分混合した。この溶液を薄く塗り広げて、アルゴン下で1〜2時間そのまま乾燥させた。
【0087】
[00104]
図11〜15は、それぞれおよそ26秒、3分28秒、6分1秒、10分1秒、および19分1秒酸素に晒された際の、上記で説明した変色可能な染料の写真である。インクは、乾燥させたときに、半透明、無色透明または淡黄色であった。これは、
図11で示されており、この場合インクは淡黄色を有する。酸素に晒されてから3〜4分後に、変色を視認できるようになった。これは、
図12および13により示されており、これらはそれぞれ、インク中に微量の青色があることを示す。10〜15分後に緑がかった青色への変色が完了した。これは、
図14および15により示されており、これは、完全に青色に変化したインクを示す。必要とされる具体的な時間は、フィルムの厚さにも依存する可能性がある。
【0088】
[00105]上記溶液がアルゴン下で混合されなかったら、ITSは酸化し、酸化された色付きの状態(青色)になっていたであろう。この状態は、染料を実質的に無酸素のアルゴン環境に置き、それを紫外線または日光に晒すことによって逆転させることができる。それにより染料は変色して、半透明、無色透明または淡黄色に戻ったであろう。染料が実質的に無酸素のアルゴン環境から取り出されると、染料は、変化して、上記で論じたように色付きの(青色の)酸化状態に戻ると予想される。
【0089】
実施例2
[00106]他の実施例において、実質的に無酸素の環境で実質的に半透明であり、酸素に晒されてから数時間後に変色する染料を以下のようにして形成した。
【0090】
[00107]まず、95ミリリットルの蒸留水中に5グラムの2−ヒドロキシメチルセルロースを溶解させることによって、ストック溶液を調製した。2−ヒドロキシメチルセルロースは、およそ90,000グラム/モルの分子量を有していた。蒸留脱イオン水を二重逆浸透システムから生成した。ストック溶液を30分強く撹拌し、次いで一晩穏やかに撹拌した。次いで、ストック溶液を混合して、層分離をすべて解消した。
【0091】
[00108]変色可能な染料を調製するために、0.075グラムの85%の純度を有するITSを、21.300グラムのストック溶液と混合した。この溶液に、脱イオン水中の20%溶液として供給された2.50グラムの高分子量(400,000〜500,000グラム/モル)のPDADMAを添加した。3.15グラムのグリセロールも添加した。この溶液を5分撹拌した。二酸化チタンを乳鉢と乳棒を使用してすりつぶした。二酸化チタンを100ナノメートルより大きい粒子にすりつぶした。二酸化チタンはアナターゼ/ルチルの混合物であり、99.5%の純度を有していた。この溶液に、0.26グラムの二酸化チタンを添加した。次に、2.30グラムの粉砕したベントナイト(乳鉢と乳棒を使用して粉砕した)を添加した。この溶液を1分撹拌した。次いで、この溶液を30分超音波処理した。次いで、この溶液に0.44グラムのL−アスコルビン酸を添加し、空気中で30秒から1分混合した。この時点で、ITSはその酸化状態であったため、この溶液は青/緑色であった。次いで、0.35グラムの
亜硫酸水素ナトリウムを添加した。この溶液をアルゴン下で30分混合した。この溶液を空気中で薄く塗り広げ、アルゴン下で一晩そのまま乾燥させた。ITSは酸化されて、酸化された色付きの状態(青色)になった。この状態は、染料を実質的に無酸素のアルゴン環境中に置きながら紫外線または日光に晒すことによって逆転させた。それにより染料は変色して、半透明、無色透明、淡黄色または黄色がかったオレンジ色に戻った。
【0092】
[00109]
図16〜21は、左側に、それぞれおよそ10分、1時間29分、2時間20分、4時間10分、11時間40分、および23時間酸素に晒された際の、上記で説明した変色可能な染料の写真を示す。インクは、乾燥させたときに、半透明、無色透明、淡黄色またはオレンジ/黄色であった。これは、
図16および17により示されており、この場合インクは淡黄色を有する。酸素に晒されてから2〜3時間の範囲で変色が起こり始めた。これは、
図18および21により示されており、これらはそれぞれ、インク中の青色が次第に多くなっていく状態を示す。必要とされる具体的な時間は、フィルムの厚さにも依存する。
【0093】
実施例3
[00110]他の実施例において、実質的に無酸素の環境で実質的に半透明であり、酸素に晒されてから数時間後に変色する染料を以下のようにして形成した。
【0094】
[00111]まず、95ミリリットルの蒸留水中に5グラムの2−ヒドロキシメチルセルロースを溶解させることによって、ストック溶液を調製した。2−ヒドロキシメチルセルロースは、およそ90,000グラム/モルの分子量を有していた。蒸留脱イオン水を二重逆浸透システムから生成した。ストック溶液を30分強く撹拌し、次いで一晩穏やかに撹拌した。次いで、ストック溶液を混合して、層分離をすべて解消した。
【0095】
[00112]変色可能な染料を調製するために、10.000グラムのストック溶液を、11.5グラムの蒸留脱イオン水と混合した。次いで、0.075グラムの85%の純度を有するITSを添加した。この溶液に、脱イオン水中の20%溶液として供給された2.50グラムの高分子量(400,000〜500,000グラム/モル)のPDADMAを添加した。2.65グラムのグリセロールも添加した。この溶液を5分撹拌した。二酸化チタンを乳鉢と乳棒を使用してすりつぶした。二酸化チタンを100ナノメートルより大きい粒子にすりつぶした。二酸化チタンはアナターゼ/ルチルの混合物であり、99.5%の純度を有していた。この溶液に、0.26グラムの二酸化チタンを添加した。次に、2.30グラムの粉砕したベントナイト(乳鉢と乳棒を使用して粉砕した)を添加した。この溶液を1分撹拌した。次いで、この溶液を30分超音波処理した。次いで、この溶液に0.44グラムのL−アスコルビン酸を添加し、空気中で30秒から1分混合した。この時点で、ITSはその酸化状態であったため、この溶液は青/緑色であった。次いで、0.35グラムの
亜硫酸水素ナトリウムを添加した。この溶液をアルゴン下で30分混合し、この溶液を空気中で薄く塗り広げ、アルゴン下で一晩そのまま乾燥させた、ITSは酸化されて、酸化された色付きの状態(青色)になった。この状態は、染料を実質的に無酸素のアルゴン環境中に置きながら紫外線または日光に晒すことによって逆転させた。それにより染料は変色して、半透明、無色透明、淡黄色または黄色がかったオレンジ色に戻った。
【0096】
[00113]インクは、乾燥させたときに、半透明、無色透明、淡黄色またはオレンジ/黄色であった。酸素に晒されてから2〜3時間の範囲で変色が起こり始めた。必要とされる具体的な時間は、フィルムの厚さにも依存する。
【0097】
実施例4
[00114]他の実施例において、実質的に無酸素の環境で実質的に半透明であり、酸素に晒されてから数時間後に変色する染料を以下のようにして形成した。
【0098】
[00115]まず、ストック溶液を、95ミリリットルの蒸留水中に5グラムの2−ヒドロキシメチルセルロースを溶解させることによって調製した。2−ヒドロキシメチルセルロースは、およそ90,000グラム/モルの分子量を有していた。蒸留脱イオン水を二重逆浸透システムから生成した。ストック溶液を30分強く撹拌し、次いで一晩穏やかに撹拌した。次いで、ストック溶液を混合して、層分離をすべて解消した。
【0099】
[00116]変色可能な染料を調製するために、0.075グラムの85%の純度を有するITSを、21.300グラムのストック溶液と混合した。この溶液に、脱イオン水中の20%溶液として供給された2.50グラムの高分子量(400,000〜500,000グラム/モル)のPDADMAを添加した。3.60グラムのグリセロールも添加した。この溶液を5分撹拌した。二酸化チタンを乳鉢と乳棒を使用してすりつぶした。二酸化チタンを100ナノメートルより大きい粒子にすりつぶした。二酸化チタンはアナターゼ/ルチルの混合物であり、99.5%の純度を有していた。この溶液に、0.26グラムの二酸化チタンを添加した。次に、2.30グラムの粉砕したベントナイト(乳鉢と乳棒を使用して粉砕した)を添加した。この溶液を1分撹拌した。次いで、この溶液を30分超音波処理した。次いで、この溶液に0.44グラムのL−アスコルビン酸を添加し、空気中で30秒から1分混合した。この時点で、ITSはその酸化状態であったため、この溶液は青/緑色であった。次いで、0.400グラムの
亜硫酸水素ナトリウムを添加した。この溶液をアルゴン下で30分混合し、この溶液を空気中で薄く塗り広げ、アルゴン下で一晩そのまま乾燥させた。ITSは酸化されて、酸化された色付きの状態(青色)になった。この状態は、染料を実質的に無酸素のアルゴン環境中に置きながら紫外線または日光に晒すことによって逆転させた。それにより染料は変色して、半透明、無色透明、淡黄色または黄色がかったオレンジ色に戻った。
【0100】
[00117]
図16〜21は、右側に、それぞれおよそ10分、1時間29分、2時間20分、4時間10分、11時間40分、および23時間酸素に晒された際の、上記で説明した変色可能な染料の写真を示す。インクは、乾燥させたときに、半透明、無色透明、淡黄色またはオレンジ/黄色であった。これは、
図16および17により示されており、この場合インクは淡黄色を有する。酸素に晒されてから2〜3時間の範囲で変色が起こり始めた。これは、
図18および21により示されており、これらはそれぞれ、インク中の青色が次第に多くなっている状態を示す。必要とされる具体的な時間は、フィルムの厚さにも依存する。
【0101】
[00118]所定の実施態様を参照しながら本出願を説明したが、本出願の範囲から逸脱することなく、様々な変化がなされてもよく、等価なもので置き換えられてもよいことは、当業者であれば理解しているであろう。加えて、本出願の教示の範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本出願の教示に適合させるために、多くの改変がなされてもよい。それゆえに、本出願は、開示された特定の実施態様に限定されず、本出願は、添付の特許請求の範囲内に含まれる全ての実施態様を包含することが意図される。