特許第6357121号(P6357121)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6357121
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】事務コンピュータ、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20180702BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20180702BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
   G06F3/12 348
   B41J29/38 Z
   H04N1/00 127Z
   G06F3/12 326
   G06F3/12 306
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-22952(P2015-22952)
(22)【出願日】2015年2月9日
(65)【公開番号】特開2016-146080(P2016-146080A)
(43)【公開日】2016年8月12日
【審査請求日】2017年4月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000235
【氏名又は名称】特許業務法人 天城国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大都 友之
【審査官】 境 周一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−345555(JP,A)
【文献】 特開平11−065782(JP,A)
【文献】 特開昭63−085969(JP,A)
【文献】 特開平09−190297(JP,A)
【文献】 特開平06−110812(JP,A)
【文献】 特開平02−093821(JP,A)
【文献】 特開平09−167067(JP,A)
【文献】 特開2008−299480(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09−3/12
B41J 5/00−5/52;21/00−21/18;29/00−29/70
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の伝票の情報が記録された文書データを生成する機能を有し、ドットインパクトプリンタを備えたプリンタ一体型の事務コンピュータであって、
ユーザから前記文書データの印刷が命令された場合に、予め設定された基準に従い、複数の印刷モードの中から前記文書データの印刷に使用する印刷モードを選択する印刷モード選択部と、
前記文書データに記録された前記複数の伝票の情報の中から、未だ印刷が実行されていない前記伝票の情報を選択し、前記印刷モード選択部で選択された前記印刷モードを使って前記伝票の情報の印刷を制御する印刷制御部と、を備え、
前記複数の印刷モードには、少なくとも、簡易プリンタ言語を使ってプリンタに印刷を命令する第1の印刷モードと、高級プリンタ言語を使ってプリンタに印刷を命令する第2の印刷モードとが含まれ、
前記印刷モード選択部は、前記印刷制御部で選択された前記伝票の情報毎に前記印刷モードを選択して、前記ドットインパクトプリンタが印刷を命令されるときに、前記第1の印刷モードを選択
前記印刷制御部は、選択した前記伝票の情報の印刷を制御した後、全ての伝票の情報の印刷が完了したかを判別し、全ての伝票の情報の印刷が完了していない場合、再び未だ印刷が実行されていない前記伝票の情報の選択及び前記伝票の情報の印刷を行う、
事務コンピュータ。
【請求項2】
前記伝票の種類と前記印刷モードとを関連付けた設定データを記憶する記憶部、を備え、
前記印刷モード選択部は、前記文書データに記録された前記伝票の種類の情報と前記設定データとに基づいて、前記文書データの印刷に使用する前記印刷モードを選択する、
請求項1に記載の事務コンピュータ。
【請求項3】
前記第1の印刷モードは、前記簡易プリンタ言語を使ってドットインパクト方式のプリンタに印刷を命令する印刷モードであり、
前記第2の印刷モードは、前記高級プリンタ言語を使って電子写真方式もしくはインクジェット方式のプリンタに印刷を命令する印刷モードであり、
前記印刷モード選択部は、
前記文書データに記録された前記伝票の種類が複写伝票の場合には、前記第1の印刷モードを前記印刷制御部が使用する前記印刷モードとして選択し、
前記文書データに記録された前記伝票の種類が非複写伝票の場合には、前記第2の印刷モードを前記印刷制御部が使用する前記印刷モードとして選択する、
請求項1又は2に記載の事務コンピュータ。
【請求項4】
複数の伝票の情報が記録された文書データを生成する機能を有し、ドットインパクトプリンタを備えたプリンタ一体型の事務コンピュータを、
ユーザから前記文書データの印刷が命令された場合に、予め設定された基準に従い、少なくとも、簡易プリンタ言語を使ってプリンタに印刷を命令する第1の印刷モードと、高級プリンタ言語を使ってプリンタに印刷を命令する第2の印刷モードとが含まれる複数の印刷モードの中から前記文書データの印刷に使用する印刷モードを選択する印刷モード選択部、
前記文書データに記録された前記複数の伝票の情報の中から、未だ印刷が実行されていない前記伝票の情報を選択し、前記印刷モード選択部で選択された前記印刷モードを使って前記伝票の情報の印刷を制御する印刷制御部、として機能させ、
前記印刷モード選択部は、前記印刷制御部で選択された前記伝票の情報毎に前記印刷モードを選択して、前記ドットインパクトプリンタが印刷を命令されるときに、前記第1の印刷モードを選択
前記印刷制御部は、選択した前記伝票の情報の印刷を制御した後、全ての伝票の情報の印刷が完了したかを判別し、全ての伝票の情報の印刷が完了していない場合、再び未だ印刷が実行されていない前記伝票の情報の選択及び前記伝票の情報の印刷を行う、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施態様は、事務コンピュータ、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが入力した情報に基づいて伝票を作成し、作成した伝票をプリンタで印刷するコンピュータ(以下、「事務コンピュータ」という。)が知られている。事務コンピュータの多くは、プリンタ言語を使用してプリンタを制御する。プリンタ言語は、ESC/P(登録商標)等、主にドットインパクト方式のプリンタに使用される簡易なプリンタ言語(以下、「簡易プリンタ言語」という。)と、PostScript(登録商標)等、主に電子写真方式及びインクジェット方式のプリンタに使用される、高度な印刷が可能なプリンタ言語(いわゆるページ記述言語。以下、「高級プリンタ言語」という。)と、に分けられる。
【0003】
簡易プリンタ言語は、ドットインパクト方式のプリンタが主流であった時代に開発された旧式のプリンタ言語であるので、高精細な内容の印刷には適していない。レーザープリンタやインクジェットプリンタ等、高精細な印刷が可能なプリンタが主流となった現在では、簡易プリンタ言語は、複写伝票の印刷以外にあまり使われていないのが現状である。
【0004】
このような現状から、事務コンピュータは、複写伝票を扱う業務プログラムのみが簡易プリンタ言語を使用し、その他の業務プログラムは、高級プリンタ言語のみを使用する。例えば、宅配便の送り状(複写伝票)を扱う業務プログラムは、簡易プリンタ言語のみを使用し、納品書(非複写伝票)を扱う業務プログラムは、高級プリンタ言語のみを使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−210115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
伝票発行業務の複雑化に伴い、1つの業務プログラムで複写伝票と非複写伝票の双方を扱う必要性が出てきている。しかしながら、従来の事務コンピュータは、1つの業務プログラムで使用可能なプリンタ言語が、簡易プリンタ言語および高級プリンタ言語のいずれか一方に固定されている。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、1つの業務プログラムで複写伝票と非複写伝票の双方を扱うことを可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の事務コンピュータは、複数の伝票の情報が記録された文書データを生成する機能を有し、ドットインパクトプリンタを備えたプリンタ一体型の事務コンピュータである。事務コンピュータは、ユーザから前記文書データの印刷が命令された場合に、予め設定された基準に従い、複数の印刷モードの中から前記文書データの印刷に使用する印刷モードを選択する印刷モード選択部と、前記文書データに記録された前記複数の伝票の情報の中から、未だ印刷が実行されていない前記伝票の情報を選択し、前記印刷モード選択部で選択された前記印刷モードを使って前記伝票の情報の印刷を制御する印刷制御部と、を備える。前記複数の印刷モードには、少なくとも、簡易プリンタ言語を使ってプリンタに印刷を命令する第1の印刷モードと、高級プリンタ言語を使ってプリンタに印刷を命令する第2の印刷モードとが含まれる。前記印刷モード選択部は、前記印刷制御部で選択された前記伝票の情報毎に前記印刷モードを選択して、前記ドットインパクトプリンタが印刷を命令されるときに、前記第1の印刷モードを選択する。前記印刷制御部は、選択した前記伝票の情報の印刷を制御した後、全ての伝票の情報の印刷が完了したかを判別し、全ての伝票の情報の印刷が完了していない場合、再び未だ印刷が実行されていない前記伝票の情報の選択及び前記伝票の情報の印刷を行う。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態1の事務コンピュータを備える事務処理システムを示す図である。
図2】実施形態1の事務コンピュータのブロック図である。
図3】記憶部にデータが格納されている様子を示す図である。
図4】制御部の機能ブロック図である。
図5】実施形態1の印刷処理を示すフローチャートである。
図6】文書データの構造を示す図である。
図7】実施形態2の印刷処理を示すフローチャートである。
図8】実施形態3の事務コンピュータを備える事務処理システムを示す図である。
図9】実施形態3の事務コンピュータのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
【0011】
(実施形態1)
図1は、実施形態1の事務コンピュータ100を備える事務処理システム1を示す図である。事務処理システム1は、事務コンピュータ100と、複数のプリンタ200と、を備える。複数のプリンタ200には、ドットインパクト方式のプリンタと、電子写真方式およびインクジェット方式のプリンタと、が含まれる。より具体的には、ドットインパクトプリンタ200aと、レーザープリンタ200bと、インクジェットプリンタ200cとが含まれる。
【0012】
事務コンピュータ100と複数のプリンタ200とは、ネットワーク2を介して接続されている。ネットワーク2は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、電話網(携帯電話網、固定電話網等)、地域IP網、インターネット等の通信ネットワークである。
【0013】
事務コンピュータ100は、ユーザが入力した情報に基づいて伝票を作成し、作成した伝票をプリンタ200に印刷させる業務プログラムを備えたコンピュータである。業務プログラムは、例えば、宅配便の送り状を作成して印刷する機能を備えたプログラム、納品書を作成して印刷する機能を備えたプログラム等である。これらの業務プログラムはアプリケーションプログラムの形式でユーザに提供される。1つのアプリケーションプログラムで1つの業務プログラムをサポートしていてもよいし、1つのアプリケープログラムで複数の業務プログラムをサポートしていてもよい。
【0014】
なお、伝票とは、会計伝票、受発注伝票、作業管理伝票、入出庫管理伝票、送り状、納品書、請求書、見積書、領収証等の定型書類である。伝票には、複写伝票と非複写伝票の2種類がある。複写伝票は、複数の用紙から構成され、上用紙に印刷もしくは記載された文字等が圧力により中用紙や下用紙に複写される伝票である。非複写伝票は、文字等が他の用紙に複写されない通常の伝票である。
【0015】
事務コンピュータ100は、印刷モード1と印刷モード2の2つの印刷モードを有している。印刷モード1は、簡易プリンタ言語を使ってプリンタに印刷を命令する印刷モードであり、印刷モード2は、高級プリンタ言語を使ってプリンタに印刷を命令する印刷モードである。
【0016】
ここで、簡易プリンタ言語とは、主に、ドットインパクト方式のプリンタを制御することを目的としたプリンタ言語であり、例えば、ESC/P(登録商標)(Epson Standard Code for Printer)や201PL等のことである。
【0017】
また、高級プリンタ言語とは、主に、電子写真方式もしくはインクジェット方式のプリンタを制御することを目的としたプリンタ言語(いわゆるページ記述言語)であり、例えば、PostScript(登録商標)、PCL(Printer Control Language)、LIPS(登録商標)(Image Processing System)、ART(Advanced Rendering Tools)、RPDL(登録商標)(Ricoh Page Description Language)、RPCS(登録商標)(Refined Printing Command Stream)、ESC/Pages(登録商標)(Epson Standard Code for Page printer)、PRESCRIBE(登録商標)、Pages等のことである。なお、事務コンピュータ100に使用されるOS(Operating System)がWindows(登録商標)の場合、高級プリンタ言語を使用した印刷は「Windows(登録商標)印刷」と言い換えることができる。
【0018】
図2は、実施形態1の事務コンピュータ100のブロック図である。事務コンピュータ100は、通信インタフェース110と、表示部120と、操作部130と、記憶部140と、制御部150と、を備える。
【0019】
通信インタフェース110は、事務コンピュータ100をネットワーク2に接続するためのネットワーク接続インタフェースである。通信インタフェース110は、事務コンピュータ100の通信部として機能する。通信インタフェース110は、例えば、有線若しくは無線を介してルータと接続するLAN接続装置である。通信インタフェース110は、制御部150の制御に従って、プリンタ200と通信する。
【0020】
表示部120は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescent Display)等の表示装置である。表示部120は、制御部150の制御に従って、ユーザに各種情報を表示する。
【0021】
操作部130は、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力装置である。操作部130は、ユーザの操作情報を制御部150に通知する。
【0022】
記憶部140は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。図3は、記憶部140にデータが格納されている様子を示す図である。記憶部140には、複数の文書データ141や設定データ142等が格納されている。
【0023】
文書データ141は、伝票情報が記録されたデータである。実施形態1では、1つの文書データ141は、1つの伝票データから構成されている。例えば、文書データ141は、会計伝票、受発注伝票、作業管理伝票、入出庫管理伝票、送り状、納品書、請求書、見積書、領収証の中のいずれか1つの伝票である。
【0024】
設定データ142は、伝票の種類と印刷モードとを関連付けたデータである。例えば、設定データ142は、伝票の種類を示す識別情報(例えば、図3に示す「伝票A」、「伝票B」、「伝票C」、・・・・)それぞれに、印刷モード1あるいは印刷モード2を示す識別情報(例えば、図3に示す「モード1」、「モード2」)を関連付けたデータである。「伝票A」は、例えば、宅配便の送り状(複写伝票)を示す識別情報であり、「伝票B」は、例えば、納品書(非複写伝票)を示す識別情報であり、「伝票C」は、例えば、入金伝票(複写伝票もしくは非複写伝票)を示す識別情報である。また、「モード1」は、印刷モード1を示す識別情報であり、「モード2」は、印刷モード2を示す識別情報である。なお、印刷モード1と印刷モード2の双方が使用可能な伝票には、図3に示す「伝票C」のように、「モード1」と「モード2」の双方が関連付けられていてもよい。設定データ142は、装置製造者もしくはユーザにより、印刷処理実行前に予め設定される。
【0025】
制御部150は、プロセッサ等の処理装置である。制御部150は不図示のROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)に格納されているプログラムに従って動作することで、後述の「印刷処理」を含む種々の動作を実現する。図4は制御部150の機能ブロック図である。制御部150は、不図示のROMやRAMに格納されているプログラムに従って動作することで、文書データ取得部151、印刷モード選択部152、及び印刷制御部153、として機能する。文書データ取得部151〜印刷制御部153の動作については、後述の印刷処理の説明の箇所で述べる。なお、制御部150は、1つのプロセッサから構成されていてもよいし、複数のプロセッサから構成されていてもよい。複数のプロセッサで制御部150を構成する場合、制御部150は、複数のプロセッサの協働により「印刷処理」を実現してもよい。
【0026】
次に、このような構成を有する事務コンピュータ100の動作について説明する。
【0027】
図5は実施形態1の印刷処理を示すフローチャートである。ユーザが操作部130を操作して事務コンピュータ100に文書データ141の印刷を命令すると、制御部150は印刷処理を開始する。以下、図5のフローチャートを参照して印刷処理を説明する。
【0028】
文書データ取得部151は、記憶部140から文書データ141を取得する(ACT101)。例えば、文書データ取得部151は、記憶部140から文書データ141をリードし、不図示のワークメモリに保存する。文書データ141がUSBメモリやDVD−ROM等の記録媒体に格納されているのであれば、記録媒体から文書データ141をリードし、不図示のワークメモリに保存する。文書データ141がネットワーク2上のサーバに格納されているのであれば、サーバからネットワーク2を介して文書データ141を取得し、不図示のワークメモリに保存する。
【0029】
続いて、印刷モード選択部152は、予め設定された基準に従い、複数の印刷モードの中から文書データ141の印刷に使用する印刷モードを選択する(ACT102)。具体的には、印刷モード選択部152は、文書データ141の種類を設定データ142に照合することによって、文書データ141の印刷に使用する印刷モードを選択する。例えば、文書データ141の種類が伝票Aなのであれば、印刷モード選択部152は、印刷モード1を選択する。文書データ141の種類が伝票Bなのであれば、印刷モード選択部152は、印刷モード2を選択する。文書データ141の種類が伝票Cなのであれば、印刷モード選択部152は、印刷モード1と印刷モード2のいずれか一方を選択する。
【0030】
印刷制御部153は、ACT102で選択された印刷モードが印刷モード1か印刷モード2か判別する(ACT103)。
【0031】
ACT102で選択された印刷モードが印刷モード1の場合(ACT103:Yes)、印刷制御部153は、印刷モード1を使って(つまり、簡易プリンタ言語を使って)文書データ141を印刷する(ACT104)。具体的には、印刷制御部153は、以下の処理を実行する。
【0032】
まず、印刷制御部153は、文書データ141の印刷に使用する印刷モードを印刷モード1に切り替える。このとき、印刷制御部153は、印刷に使用するプリンタを、簡易プリンタ言語を使用可能なプリンタに切り替える。本実施形態の場合、印刷制御部153は、印刷に使用するプリンタをドットインパクトプリンタ200aに切り替える。そして、印刷制御部153は、ドットインパクトプリンタ200aに対し、簡易プリンタ言語を使って文書データ141の印刷を命令する。
【0033】
ACT102で選択された印刷モードが印刷モード2の場合(ACT103:No)、印刷制御部153は、印刷モード2を使って(つまり、高級プリンタ言語を使って)文書データ141を印刷する(ACT105)。具体的には、印刷制御部153は、以下の処理を実行する。
【0034】
まず、印刷制御部153は、文書データ141の印刷に使用する印刷モードを印刷モード2に切り替える。このとき、印刷制御部153は、印刷に使用するプリンタを、高級プリンタ言語を使用可能なプリンタに切り替える。本実施形態の場合、印刷制御部153は、印刷に使用するプリンタをレーザープリンタ200bもしくはインクジェットプリンタ200cに切り替える。いずれのプリンタを使用するかは、予め事務コンピュータ100に設定されていてもよい。そして、印刷制御部153は、レーザープリンタ200bもしくはインクジェットプリンタ200cに対し、高級プリンタ言語を使って文書データ141の印刷を命令する。
【0035】
文書データ141の印刷が完了したら、制御部150は印刷処理を終了する。
【0036】
本実施形態によれば、予め設定された基準に従って、複数の印刷モード(印刷モード1、2)の中から文書データ141の印刷に使用する印刷モードを選択するよう構成されているので、事務コンピュータ100は、1つの業務プログラムで複写伝票と非複写伝票の双方を扱うことができる。
【0037】
(実施形態2)
実施形態1の事務コンピュータ100が印刷する文書データ141は、1種類の伝票データから構成されていた。しかしながら、文書データ141は複数種類の伝票データから構成されていてもよい。以下、実施形態2の事務コンピュータ100を備える事務処理システム1について説明する。
【0038】
実施形態2の事務処理システム1は、図1に示す実施形態1の事務処理システム1と同様に、事務コンピュータ100と、複数のプリンタ200(ドットインパクトプリンタ200aと、レーザープリンタ200bと、インクジェットプリンタ200c)とを備える。
【0039】
実施形態2の事務コンピュータ100は、図2に示す実施形態1の事務コンピュータ100と同様に、通信インタフェース110と、表示部120と、操作部130と、記憶部140と、制御部150と、を備える。
【0040】
記憶部140は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。図6は、記憶部140にデータが格納されている様子を示す図である。記憶部140には、複数の文書データ141や設定データ142等が格納されている。
【0041】
文書データ141は、伝票情報が記録されたデータである。実施形態2では、1つの文書データ141は、複数種類の伝票データから構成されている。例えば、文書データ141は、会計伝票、受発注伝票、作業管理伝票、入出庫管理伝票、送り状、納品書、請求書、見積書、領収証の中から選択される複数種類の伝票である。
【0042】
その他の事務コンピュータ100の機器構成は実施形態1の事務コンピュータ100と同じであるので説明を省略する。
【0043】
次に、このような構成を有する事務コンピュータ100の動作について説明する。
【0044】
図7は実施形態1の印刷処理を示すフローチャートである。ユーザが操作部130を操作して事務コンピュータ100に文書データ141の印刷を命令すると、制御部150は印刷処理を開始する。以下、図7のフローチャートを参照して印刷処理を説明する。
【0045】
文書データ取得部151は、記憶部140から文書データ141を取得する(ACT201)。
【0046】
文書データ141の取得が完了したら、印刷モード選択部152は、取得した文書データ141に含まれる複数の伝票データ(図6に示す伝票データ141a、141b、141c、・・・・)の中から未だ印刷が実行されていない伝票データを1つ選択する(ACT202)。
【0047】
続いて、印刷モード選択部152は、予め設定された基準に従い、複数の印刷モードの中から伝票データの印刷に使用する印刷モードを選択する(ACT203)。具体的には、印刷モード選択部152は、ACT202で選択された伝票データの種類を図3に示す設定データ142に照合することによって、伝票データの印刷に使用する印刷モードを選択する。
【0048】
印刷制御部153は、ACT203で選択された印刷モードが印刷モード1か印刷モード2か判別する(ACT204)。
【0049】
ACT203で選択された印刷モードが印刷モード1の場合(ACT204:Yes)、印刷制御部153は、印刷モード1を使って、つまり、簡易プリンタ言語を使って伝票データの印刷を実行する(ACT205)。
【0050】
ACT203で選択された印刷モードが印刷モード2の場合(ACT204:No)、印刷制御部153は、印刷モード2を使って(つまり、高級プリンタ言語を使って)伝票データを印刷する(ACT206)。
【0051】
印刷が完了したら、印刷制御部153は文書データ141に含まれる全ての伝票データの印刷が完了したか判別する(ACT207)。全ての伝票データの印刷が完了していない場合(ACT207:No)、印刷制御部153はACT202に処理を戻す。全ての伝票データの印刷が完了している場合(ACT207:Yes)、印刷制御部153は印刷処理を終了する。
【0052】
本実施形態によれば、予め設定された基準に従って、複数の印刷モードの中から伝票データの印刷に使用する印刷モードを選択するよう構成されているので、複写伝票と非複写伝票の双方が含まれる文書データであっても、1つの業務プログラムで扱うことができる。
【0053】
(実施形態3)
実施形態1及び2の事務コンピュータ100は、プリンタ200を搭載しないコンピュータのみの装置であった。しかしながら、事務コンピュータ100は、プリンタを搭載するプリンタ一体型のコンピュータであってもよい。以下、実施形態3の事務コンピュータ100を備える事務処理システム1について説明する。
【0054】
図8は、実施形態3の事務コンピュータ100を備える事務処理システム1を示す図である。事務処理システム1は、事務コンピュータ100と、プリンタ200dと、を備える。プリンタ200dは、電子写真方式もしくはインクジェット方式のプリンタ200である。事務コンピュータ100とプリンタ200dとは、USBケーブルやLANケーブル等の通信ケーブル3を介して接続されている。
【0055】
図9は、実施形態3の事務コンピュータ100のブロック図である。事務コンピュータ100は、通信インタフェース110と、表示部120と、操作部130と、記憶部140と、制御部150と、印刷部160と、を備える。
【0056】
印刷部160は、事務コンピュータ100に搭載されたプリンタである。印刷部160は、ドットインパクト方式のプリンタである。印刷部160は、制御部150は、制御部150の制御に従って複写伝票等の用紙に印刷を実行する。
【0057】
事務コンピュータ100は、印刷モード1と印刷モード2の2つの印刷モードを有している。印刷モード1は、簡易プリンタ言語を使ってプリンタに印刷を命令する印刷モードであり、印刷モード2は、高級プリンタ言語を使ってプリンタに印刷を命令する印刷モードである。本実施形態の場合、印刷モードが印刷モード1の場合は、事務コンピュータ100は印刷部160を使って印刷を実行し、印刷モードが印刷モード2の場合は、事務コンピュータ100は、プリンタ200dを使って印刷を実行する。
【0058】
事務コンピュータ100のその他の機器構成および動作は、実施形態1および2の事務コンピュータ100と同じであるので説明を省略する。
【0059】
本実施形態によれば、プリンタ一体型の事務コンピュータであっても、1つの業務プログラムで複写伝票と非複写伝票の双方を扱うことができる。
【0060】
なお、上述の各実施形態は、それぞれ一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0061】
例えば、上述の各実施形態では、事務処理システム1が備える電子写真方式のプリンタは、レーザープリンタであるものとして説明したが、事務処理システム1が備える電子写真方式のプリンタはレーザープリンタに限られない。事務処理システム1が備える電子写真方式のプリンタはLED(Light Emitting Diode)プリンタであってもよい。
【0062】
また、実施形態1および2の事務処理システム1は、ドットインパクトプリンタを1台のみ備えていたが、事務処理システム1は複数のドットインパクトプリンタを備えていてもよい。また、実施形態1および2の事務処理システム1は、電子写真方式およびインクジェット方式のプリンタをそれぞれ1台ずつ備えていたが、事務処理システム1は電子写真方式およびインクジェット方式のプリンタをそれぞれ複数備えていてもよい。
【0063】
また、実施形態3の事務処理システム1は、電子写真方式もしくはインクジェット方式のプリンタを1台のみ備えていたが、事務処理システム1は電子写真方式もしくはインクジェット方式のプリンタを複数台備えていてもよい。また、実施形態3の事務コンピュータ100は、ドットインパクト方式のプリンタと接続されていてもよい。事務コンピュータ100とプリンタは通信ケーブルでなく、無線を介して接続されていてもよい。また、事務コンピュータ100とプリンタはネットワークを介して接続されていてもよい。
【0064】
また、実施形態2では、文書データ141は、複数種類の伝票データで構成されるものとして説明したが、複数の伝票から構成されるのであれば、文書データ141は1種類の伝票から構成されていてもよい。このとき、印刷モード選択部152は、伝票データ毎に印刷モードを選択してもよい。
【0065】
本実施形態の事務コンピュータ100を制御する制御装置は、専用のコンピュータシステムによって実現してもよいし、通常のコンピュータシステムにより実現してもよい。例えば、上述の動作を実行するためのプログラムを、光ディスク、半導体メモリ、磁気テープ、フレキシブルディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、該プログラムをコンピュータにインストールし、上述の処理を実行することによって事務コンピュータ100を制御する制御装置を構成してもよい。また、上記プログラムをインターネット等のネットワーク上のサーバ装置が備えるディスク装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。また、上述の機能を、OS(Operating System)とアプリケーションソフトとの協働により実現してもよい。この場合には、OS以外の部分を媒体に格納して配布してもよいし、OS以外の部分をサーバ装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。
【0066】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0067】
1…事務処理システム
2…ネットワーク
3…通信ケーブル
100…事務コンピュータ
110…通信インタフェース
120…表示部
130…操作部
140…記憶部
141…文書データ
142…設定データ
150…制御部
151…文書データ取得部
152…印刷モード選択部
153…印刷制御部
160…印刷部
200…プリンタ
200a…ドットインパクトプリンタ
200b…レーザープリンタ
200c…インクジェットプリンタ
図1
図2
図3
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図9