【実施例1】
【0023】
図1は、本発明に係るメニュー提案システムの一実施形態(実施例1)を説明するために、メニュー提案システム、視聴者(ユーザ)および供給者(店舗)等の関係等を示した図であり、
図2は、メニュー提案システムにおける各種データ(情報)の伝送等を説明する図である。以下、
図1、
図2を参照しつつ、本発明について、視聴者がテレビ受像機を視聴する場合を例に説明する。
【0024】
<視聴者側>
視聴者Mは、受像機(受信装置)1でテレビ番組を視聴しながらユーザ端末2を操作する。受像機1は、インターネットに接続されており、視聴者Mが所有等する受像機1に関する情報を特定するための受信装置識別情報(B−CAS情報等)Bcをインターネットを経由して放送局10に伝送する。受信装置識別情報Bcには、受像機1で視聴されている番組に関する情報が含まれる。
【0025】
ユーザ端末2は視聴者Mの操作によってお気に入り情報(選択情報)Bdを送出する。例えば、視聴者Mの好みの商品等が番組中で放映されたときに、視聴者Mはユーザ端末2を操作すると、ユーザ端末2はお気に入り情報Bdを送出する。
【0026】
視聴者Mは、例えばユーザ端末2としてスマートフォンを使用して、お気に入り情報Bdをインターネット経由で伝送することができる。この場合には、視聴者Mは、所持するスマートフォンの画面上のアイコンを操作するなどして、予め受像機1のB−CAS情報等をスマートフォンに入力することで、受像機1の受信装置識別情報Bcと、スマートフォン(ユーザ端末2)のユニークな端末識別コード(MACアドレス等)とを関連付ける。かくして受像機1と、ユーザ端末2と、これらの所持者等である視聴者Mとを関連付けることができる。
【0027】
視聴者Mは、スマートフォンの画面上のアイコンの操作によって、あるいはスマートフォンを振って加速度センサを動作させることで、お気に入り情報Bdを送出することができる。
【0028】
ユーザ端末2は、ユニークな端末識別コードを有し、視聴者Mのお気に入り情報Bdを伝送できるものであればよく、スマートフォンに限定されない。またユーザ端末2は、公衆無線LANと接続するものでなく、例えば受像機1の近傍等に配置されたローカル端末3と通信するものであってもよい。この場合、ローカル端末3は通信回線(例えばインターネット)経由で通信を行う。
【0029】
<放送局側の構成機器等>
放送局10は、例えば大容量の記憶装置11aとサーバ11b等から構成された第1のデータベース11を有している(
図1)。第1のデータベース11は、多数の視聴者Mのテレビ受像機1とインターネット経由で接続され、それらテレビ受像機1からの受信装置識別情報Bcを受信することができる(
図1、
図2)。
【0030】
第1のデータベース11には、放送局名、番組名、放送開始時間、放送終了時間等に加え、番組内容(例えば出演者や番組のサマリー等)が電子番組ガイドとして蓄積される。電子番組ガイドは、上記各データに加え、例えば各番組のスポンサー名および宣伝対象商品等に関するデータを蓄積することができる(電子番組ガイドを構成する情報は放送局10やその他の放送事業者によって作成される。)。
【0031】
したがって第1のデータベース11は、受像機1からの受信装置識別情報Bcと電子番組ガイドのデータを関連付けて、どこの視聴者Mが何時どの番組を視聴したか等の情報(視聴者別番組視聴情報Ud)を生成し蓄積することができる。
【0032】
<サービス提供側の構成機器等>
視聴者M(ユーザM)の嗜好傾向の情報に基づくメニューを提案するサービス事業者のメニュー提案システム20は、第2のデータベース22、第3のデータベース23、メニュー情報管理手段24およびメニュー配信手段25を備えている(第2のデータベース22および第3のデータベース23は、例えばサーバ22a、23aと大容量の記憶装置22b、23b等から構成される。)。
【0033】
第2のデータベース22は、第1のデータベース11から得た視聴者別番組視聴情報Udと、特定の視聴者Mが所持するユーザ端末2が発したお気に入り情報Bdとを得て、両情報を関連付ける。すなわち第2のデータベース22は、特定の番組の内容に特定の視聴者Mのお気に入り情報Bdを関連付けて蓄積する。
【0034】
ここで第2のデータベース22は、第1のデータベース11から得た視聴者別番組視聴情報Udを加工して蓄積してもよい。例えば第2のデータベース22は、多数のデータ加工端末(図示せず)を備えて、これらデータ加工端末(例えば、パーソナルコンピュータ)からの指示に基づいて視聴者別番組視聴情報Udを加工し蓄積してもよい(なお本明細書においては、
かかる加工の有無によらず視聴者別番組視聴情報Udと表記する。)。データ加工作業は、例えばオペレータがテレビ番組を視聴しつつ電子番組ガイドに蓄積されていないような情報をデータ加工端末に入力することで行われる。
【0035】
第3のデータベース23は、複数の商品もしくは役務を特定する商品等識別情報(商品のJANコード、楽曲のJASRACコード、書籍のISBNコード等)Sdを蓄積し、さらに複数の商品もしくは役務の少なくとも一部を供給する複数の供給者の店舗名等(供給者情報)Vd、及びこれら供給者によって商品等の供給が行われる店舗所在地等(供給場所情報、例えばGPS情報または住居表示)Ldの一方または双方を蓄積する。
【0036】
すなわち第3のデータベース23は、商品等識別情報Sdに加え、店舗名等Vdおよび店舗所在地等Ldの情報の一方または双方を蓄積する。店舗名等Vd等に関する情報は、例えば本メニュー提案システム20のサービスを希望する事業者から提供される。
【0037】
なお第3のデータベース23は、サービス事業者のメニュー提案システム20に含まれなくてもよい。この場合には、メニュー提案システム20は、第3のデータベース23から商品等識別情報Sd、店舗名等Vdおよび店舗所在地等Ldの情報の提供を受ける。
【0038】
<提供メニューの制作等>
メニュー情報管理手段24(例えばサーバ24aを備えている)は、第2のデータベース22からの情報(視聴者別番組視聴情報Udと、お気に入り情報Bdとを関連付けた情報)、第3のデータベース23からの情報(商品等識別情報Sd、店舗名等Vd、店舗所在地等Ld)、および所定店舗情報データベース31に蓄積された所定店舗30に関する所定店舗情報(所定店舗30の店舗名、所在地、提供可能な商品もしくは役務等)Pdを受信して、これら情報を関連付ける。
【0039】
すなわちメニュー情報管理手段24は、少なくとも、視聴者別番組視聴情報Ud、お気に入り情報Bd、商品等識別情報Sdおよび所定店舗情報Pdを関連付けて、ユーザMの嗜好に合った、所定店舗30で提供可能な商品もしくは役務等をピックアップすることができる。
【0040】
所定店舗情報Pdは、所定店舗30から提供された情報であり、例えば所定店舗30の管理下にある所定店舗情報データベース31に蓄積されている。この場合には、メニュー情報管理手段24は、通信回線(例えばインターネット)を経由して所定店舗情報データベース31に蓄積された所定店舗情報Pdを得る。
【0041】
複数の所定店舗30における所定店舗情報Pdを第3のデータベース23に蓄積することもできる。この場合には、メニュー情報管理手段24は第3のデータベース23から所定店舗情報Pdを得る。
【0042】
いずれの場合も所定店舗情報Pdは、所定店舗30側において更新可能なことが望ましい。例えば所定店舗情報Pdは、所定店舗30が有する店舗情報データ更新端末(例えばパーソナルコンピュータ)33n(n=1、2、3・・・)によって迅速に更新できることが望ましい。
【0043】
<提供メニューの配信等>
ユーザ端末2を所持したユーザ(視聴者)Mが、所定店舗30を訪れると、所定店舗30に設置されたユーザ検知装置32はユーザ端末2を検出することができる。またユーザ検知装置32が所定店舗30の外に設置されている場合には、ユーザ検知装置32は、そのサービスエリアに入ったユーザ端末2を検出することはもとより、ユーザ端末2の位置情報(例えばGPS情報)を得ることもできる。ここでユーザ検知装置32によるユーザ端末2の検出は、電磁波等による非接触型、または電極を接続させる接触型の何れであってもよい。
【0044】
メニュー配信手段25(例えばサーバ25aを備えている)は、通信回線(例えばインターネット)を経由してユーザ検知装置32が発したユーザ検知情報Dtを受信する。ユーザ検知情報Dtは、ユーザ端末2の端末識別コード(端末識別コードはユーザ端末2とその所持者とを関連付ける情報となる)、所定店舗30に関する情報などが含まれる(さらにユーザ端末2の位置情報が含まれていてもよい。)。メニュー配信手段25がユーザ検知情報Dtを受信すると、メニュー配信手段25は受信の事実をメニュー情報管理手段24に伝送する。
【0045】
ユーザ検知情報Dtを伝送されたメニュー情報管理手段24は、視聴者別番組視聴情報Ud、お気に入り情報Bd、商品等識別情報Sdおよび所定店舗情報Pdに、さらにユーザ端末2の所持者(ユーザM)を特定して、所定店舗30で提供可能な商品もしくは役務等の中からユーザMの嗜好に合うものをピックアップする。かくしてメニュー情報管理手段24は、ユーザMの好傾向に合った商品等のうちから、所定店舗30で提供される商品等を選択して提案メニューPMを制作することができる。
【0046】
メニュー配信手段25は、通信回線(例えばインターネット)を経由して提案メニューPMをユーザMが所持するユーザ端末2に配信する。メニュー配信手段25は、提案メニューPMをユーザ端末2ではなく、所定店舗30等に設置された表示端末4(例えばタブレット端末)に配信することもできる。もちろんメニュー配信手段25は、ユーザ端末2および表示端末4の両方に配信することもできる。
【0047】
表示端末4は、ユーザMの来店等を促すために提案メニューPMを表示するものであれば、所定店舗30内はもとより、所定店舗30の近傍に設置されていてもよく、またその他の場所であってもよく、その設置場所は問わない。表示端末4は、ユーザ検知装置32の設置場所等と関連する場所(例えば近傍)に設置されて、ユーザMの所定店舗30への来店等を促すものであればよい。
【0048】
ユーザ検知装置32が所定店舗30に設置されたものである場合には、提案メニューPMを配信されたユーザMは、ユーザ端末2または表示端末4で提案メニューPMを見て、自分の嗜好にあった商品(例えばレストランであれば好みの料理)を素早く見出すことができ、当該所定店舗30における品揃えに満足感を抱く。
【0049】
ユーザ検知装置32が所定店舗30の外に設置されたものである場合には、メニュー情報管理手段24は、ユーザ端末2の位置情報および店舗所在地等の情報に基づいて、当該所定店舗30の所在地までの案内地図などを提案メニューPMに加えることができる。するとユーザMは、自分の嗜好にあった商品等(例えばレストランであれば好みの料理)の提供を、どこの店舗で受けることができるかを知ることができ、その店舗に行きたくなる。
【0050】
ここで本発明に係るメニュー提案システムが提案メニューPMによって提供する商品および役務には、ユーザの来店、注文等を促す景品、値引き等のためのクーポン券、入場優待のサービス、商品または役務の需要を喚起する案内文の提示、再来店や再注文等を促すポイント付与等、事業者の販売促進等のためのサービスの提供および提示等を含む。かくして店舗等を営む事業者は売り上げを増やすことができる。
【実施例2】
【0051】
次に本発明に係るメニュー提案システムの他の実施形態(実施例2)を、
図3を用いて説明する。実施例1と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して、それらの説明は省略する。
【0052】
視聴者Mは、ユーザ端末2として例えば受像機1のリモコン装置2Aおよびユニークな端末識別コードを有する視聴者特定手段2B(例えば所有者を特定するための端末識別コードが付与されたプリペイ型のICカード等)を使用する。視聴者特定手段2Bの端末識別コードは、リモコン装置2Aを使用して受像機1で番組を視聴する視聴者Mを特定するために用いられる。
【0053】
ただし、視聴者Mは予めリモコン装置2Aのキー操作などで、視聴者特定手段2Bの端末識別コードを受像機1に伝送しておく。そうすると受像機1は、視聴者特定手段2Bの端末識別コードをインターネット経由で伝送することができる。かくして受像機1の受信装置識別情報Bcと視聴者特定手段2Bの端末識別コードとの関連付けが可能となる。
【0054】
お気に入り情報Bdは、視聴者Mによるリモコン装置2Aのキー等の操作で発せられる。受像機1は、お気に入り情報Bdを受信してインターネット経由で伝送する。
【0055】
視聴者M(ユーザM)が視聴者特定手段2Bを所持して所定店舗30を訪れると、ユーザ検知装置32は視聴者特定手段2Bを検出することができる。視聴者特定手段2Bを検出したユーザ検知装置32は、ユーザ検知情報Dtを通信回線経由でメニュー配信手段25に伝送する。メニュー配信手段25は、ユーザ検知装置32が発したユーザ検知情報Dtを受信すると、受信の事実をメニュー情報管理手段24に伝送する。そうするとメニュー情報管理手段24は、ユーザMの好傾向に合った商品等のうちから、所定店舗30で提供される商品等を選択して提案メニューPMを制作する。
【0056】
メニュー配信手段25は、通信回線(例えばインターネット)を経由して提案メニューPMを、所定店舗30等に設置された表示端末4に配信する。かくして本発明に係るメニュー提案システムは、ユーザMの嗜好にあった提案メニューPMを提示することができる。
【0057】
ここで所定店舗30は、視聴者特定手段2Bを所持して訪れたユーザMに対し、入場優待、割引、サンプル提供等のサービスを提供することもできる。この場合にも、視聴者特定手段2Bを検出したユーザ検知装置32は、ユーザ検知情報Dtを通信回線経由でメニュー配信手段25に伝送し、メニュー情報管理手段24は、ユーザMの好傾向に合った商品、役務等のうちから、所定店舗30で提供される商品、役務等を選択して、割引、サンプル提供、入場優待等のサービスを提供する提案メニューPMを制作する。
【0058】
メニュー配信手段25は、提案メニューPMを所定店舗30等に設置された表示端末4に配信し、ユーザMに対し入場優待、割引、サンプル提供等のサービスを提示する(例えば無料で入場できる旨の表示し、又は音声で案内を発する。)。かくして所定店舗30はユーザMの潜在的需要を顕在化することができる。もちろん所定店舗30の店員等は、表示端末4の表示等にしたがってユーザMに対し入場優待、割引、サンプル提供等のサービスを提供する旨伝えて、需要を喚起することもできる。
【実施例3】
【0059】
次に本発明に係るメニュー提案システムの他の実施形態(実施例3)を、
図4を用いて説明する。実施例1および2と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して、それらの説明は省略する。
【0060】
視聴者Mは、ユーザ端末2としてスマートフォン等および視聴者Mを特定するユニークな端末識別コードを有する視聴者特定手段2Bを使用する(スマートフォン等とは、インターネット等の通信回線を介して通信でき、且つユニークな端末識別コードが割り当てられており、画面表示機能等を有する通信端末であればよい。)。視聴者Mはスマートフォン等のアイコン操作で、視聴者特定手段2Bの端末識別コードをスマートフォン等に入力することができる。スマートフォン等および視聴者特定手段2Bの双方が端末識別コード伝達手段(非接触型、接触型の何れでもよい)を有していれば、両者を近接させる等して、スマートフォン等は視聴者特定手段2Bの端末識別コードを読み取ることができる。もちろん両者の間で、端末識別コード以外の種々の情報を相互に伝達することもできる。
【0061】
こうして得られた視聴者特定手段2Bの端末識別コードを、ユーザ端末2(スマートフォン等)は自身の端末識別コードと関連付けてインターネット経由で伝送する。
【0062】
視聴者M(ユーザM)はユーザ端末2および視聴者特定手段2Bの何れか一方または双方を所持して、所定店舗30を訪れる。そうするとユーザ検知装置32は、ユーザ端末2および視聴者特定手段2Bの何れか一方または双方を検出することができる。
【0063】
ユーザ検知装置32がユーザ端末2を検出した場合には、ユーザ検知装置32は、
図4に示すように通信回線(例えばインターネット)を経由してメニュー配信手段25と通信する。メニュー配信手段25は、ユーザ検知装置32が発したユーザ検知情報Dtを受信すると、受信の事実をメニュー情報管理手段24に伝送し、メニュー情報管理手段24は、ユーザMの好傾向に合った商品等のうちから、所定店舗30で提供される商品等を選択して提案メニューPMを制作する。そしてメニュー配信手段25は、
図4に示すように通信回線(例えばインターネット)を経由して提案メニューPMをユーザMが所持するユーザ端末2に配信する。
【0064】
ユーザ検知装置32が視聴者特定手段2Bを検出した場合には、提案メニューPMを所定店舗30等に設置された表示端末4に配信する。もちろん、ユーザ検知装置32がユーザ端末2を検出した場合に、提案メニューPMを所定店舗30等に設置された表示端末4に配信してもよい。かくして本発明に係るメニュー提案システムは、ユーザMの嗜好にあった提案メニューPMを提示することができる。
【0065】
なお本発明に係るメニュー提案システムは、上述したものに限定されるものではなく、その趣旨を変更することなく適宜変形して実施することができる。
【0066】
例えばメニュー提案システムは、第1、第2および第3のデータベースからの情報と、ユーザ端末を検出したユーザ検知装置が発したユーザ検知情報に基づいて、提案メニューを制作するメニュー情報管理手段で構成されてもよい。この場合には、メニュー情報管理手段はメニュー配信手段を経由して提案メニューをメニュー表示装置に配信する。