特許第6357149号(P6357149)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6357149放電ランプをランアップするための方法及び駆動装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6357149
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】放電ランプをランアップするための方法及び駆動装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 41/24 20060101AFI20180702BHJP
【FI】
   H05B41/24
【請求項の数】14
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-513303(P2015-513303)
(86)(22)【出願日】2013年5月9日
(65)【公表番号】特表2015-520930(P2015-520930A)
(43)【公表日】2015年7月23日
(86)【国際出願番号】IB2013053740
(87)【国際公開番号】WO2013175334
(87)【国際公開日】20131128
【審査請求日】2016年5月2日
(31)【優先権主張番号】61/649,390
(32)【優先日】2012年5月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】セクッチ ジョバンニ
(72)【発明者】
【氏名】バンブロックホーベン ヴィンセント
【審査官】 安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/138846(WO,A1)
【文献】 特開2009−117338(JP,A)
【文献】 特開2008−235240(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 41/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一の時間期間の間又は2以上の連続した時間期間の間に、駆動電力を目標値まで制御するステップによって放電ランプをランアップする方法であって、
前記放電ランプの電圧の推定に基づいて瞬間出力電力が計算され、前記単一の時間期間の間又は前記2以上の連続した時間期間のうちの第2の時間期間の間に、前記放電ランプの前記駆動電力は、電力の前記目標値に達するように制御され、
前記単一の時間期間又は前記第2の時間期間の間に、前記放電ランプの駆動電流は、
プリセットされた速度よりも速く増加すること、及び
固定の電流上限を超えること
が許されず、
前記駆動電流が超えることの許されない電流適応上限が設定され、
前記電流適応上限は、必要とされる電流が前記電流適応上限を超える度に第1のプリセットされた量によって増加され、前記駆動電流が減少する度に第2のプリセットされた量によって低減される、
方法。
【請求項2】
前記2以上の連続した時間期間のうちの第1の時間期間の間に、前記放電ランプの前記駆動電流は、一定を保つように制御される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記放電ランプの前記駆動電力を制御する前記ステップは、
前記第1の時間期間の終了時に付与される開始駆動電力を決定するサブステップと、
前記開始駆動電力で開始したときに、最後の時間期間の間に前記電力目標値に達するために必要とされる電力プロファイルを計算するサブステップと、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記駆動電力の増加の目標推移がプリセットされ、電力は、プリセットされた前記目標推移を達成するように、又はプリセットされた前記目標推移に少なくとも近づくように制御される、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の時間期間は、前記第2の時間期間の40%未満の時間幅を有するように選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の時間期間は、前記第2の時間期間の10%未満の時間幅を有するように選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の時間期間は、30秒未満の固定時間幅を有するように選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の時間期間は、10秒未満の固定時間幅を有するように選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の時間期間は、プリセットされた中間電力レベルが達せられるとすぐに終了するように制御され、前記中間電力レベルは、電力の前記目標値の20%から40%までの間の値を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の時間期間における前記駆動電流は、プリセットされた一定値に設定される、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の時間期間における前記駆動電流は、前記放電ランプの直近の定常状態作動中に用いられた駆動電流と等しくなるように選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記連続した時間期間は、最後の時間期間の終了時に前記放電ランプの定常状態作動を達成するように選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
放電ランプの駆動装置であって、
前記放電ランプの電極に電力を付与するための接続端子と、
単一の時間期間の間又は2以上の連続した時間期間の間に、駆動電力を目標値まで増加させることによって前記放電ランプをランアップし、前記放電ランプの電圧を推定して瞬間出力電力を計算し、前記単一の時間期間の間又は前記連続した時間期間のうちの最後の時間期間の間に、増加する駆動電力を生成し、前記駆動電力を電力の前記目標値に達するように制御する、ドライバと、
を有し、
前記ドライバは、前記単一の時間期間又は後続の時間期間の間に、駆動電流が
プリセットされた速度よりも速く増加すること、及び
固定の電流上限を超えること
を許さず、
前記駆動電流が超えることの許されない電流適応上限を設定し、
前記電流適応上限は、必要とされる電流が前記電流適応上限を超える度に第1のプリセットされた量によって増加され、前記駆動電流が減少する度に第2のプリセットされた量によって低減される、
駆動装置。
【請求項14】
前記ドライバは、前記2以上の連続した時間期間のうちの第1の時間期間の間に、一定の駆動電流を生成する、請求項13に記載の駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単一の時間期間の間又は2以上の連続した時間期間の間に、駆動電力が目標値まで増加される、放電ランプ、特にはUHP(超高性能)ランプ又はHID(高輝度放電)ランプをランアップする方法に関する。また、本発明は、提案される方法に従って放電ランプをランアップするのに適した、放電ランプの駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のUHPシステムは、点火後ランプを加熱するために、電流駆動ランアップ方式を用いる。電流レベルは通常、所与の時間中又はランプ電圧のいくつかの条件が達せられるまで一定に保たれ、その後ランプは新たな一定電流で駆動される。新たな電流レベルへの移行は、緩やかな傾斜段階を用いることによりスムーズにされることができ、このプロセスは数回繰り返され得る。通常のランアップ方式では、電流レベルは、ランプの目標電力レベルが達せられるまで何度か段階的に増加される。
【0003】
こうした方式、すなわち、電流の段階的な増加を、ランプ電圧の全範囲に対してデザインするのは、特にランプ冷却がランプドライバによって制御されていないときには、非常に困難である。これは、高い電流ピークに起因する電極先端の損耗につながる恐れがあり、例えばランプ寿命を低下させることによって、ランプの性能の低下を決定付ける恐れがある。ランプ冷却は、過渡作動中及び定常状態作動中の両方において、ランプ電圧に大きな影響を持つことに注目することが重要である。現在市販されているランプシステムの大多数において、ランプドライバはランプ冷却の強度への制御を有しない。
【0004】
UHPランプのランアップに対する必要条件の中に、ランプ輝度が比較的短時間内に、ランプ輝度の最終値の所与の割合に達しなければならないという、いくつかの制限がある。ランプの定常状態作動中に比較的低い電圧値を有するランプに対して、この必要条件を達成するためには、用いられる電流のレベルは著しく高くなければならず、時にはランプ自体に対する最大負荷を超える恐れがある。これは一時的に電極先端を損耗し、回復可能ではあるが、知覚され性能の低下として評価されるであろう輝度の低下を引き起こす恐れがある。更に、高い電流レベルでの繰り返しの作動は、ランプに回復不能な損耗を与え、ランプの寿命を低下させる恐れがある。他方で、定常状態の間のランプ電圧が十分に高い場合に、これは数百又は数千時間の作動後の場合であるが、ランアップ中に比較的高い電流でランプを駆動することもまた、電極先端の異常なバーンバックにつながる恐れがある。これは同様に寿命及び信頼性レベルの低下を意味する。
【0005】
WO2006/072858A2は、照明アセンブリ及び放電ランプを作動させる方法を開示し、電力制御に少なくとも部分的に基づいた、放電ランプをランアップする方法が説明される。ランプは第1ターンオンインターバルにおいて、増加するがランプの公称電力未満である初期最大電力値までしか増加されない電力で作動される。次に電力傾斜インターバル(power ramp interval)の間、ランプは時間をかけて増加する電力で作動される。電力は初期最大電力値から公称電力まで増加する。この電力傾斜インターバルは、電極のバーンバックを制限すると考えられる電極間距離の短縮を達成するために、ランプがすでに初期安定作動状態に達した時間に開始される。しかしながら、放電ランプをランアップするこの方法は、電流ピークを回避しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ランプ冷却に依存せずにランプの電極先端の過熱のリスクが少ない状態で、又はランプのバーナ損耗のリスクが少ない状態で、放電ランプをランアップすることを可能にする、放電ランプ、特にはUHPランプ又はHIDランプをランアップする方法及び対応する駆動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的は、請求項1及び12に記載の方法及び駆動装置を用いて達成されることができる。本方法及び駆動装置の有利な実施形態は、独立請求項の主題であり、又は以降の説明及び実施形態の部分において開示される。
【0008】
提案される放電ランプをランアップする方法では、駆動電力が制御される。すなわち、駆動電力は、単一の時間期間の間に又は2以上の連続した時間期間の間に、目標値まで増加又は減少される。明瞭化のために、以下の説明は、図を参照して、駆動電力が単一の時間期間の間又は2つの連続した時間期間の間に目標値に調整される例示的な実施形態に基づく。本発明は、こうした例示的な実施形態に限定されず、所望の電力プロファイルが2つを超える連続した時間期間に基づいて定義される実際的な状況において有利である。2つの連続した時間期間の間にランプをランアップする場合、ランプの駆動電流は、前記連続した時間期間のうちの第1の時間期間の間、一定に制御される。この第1の時間期間は、第2の時間期間よりも短く、好ましくは第2の時間期間の40%未満、更に好ましくは第2の時間期間の10%未満の時間幅を有する。この電流制御は、次いで第2の時間期間の間に適用される電力制御に切り替わる。この第2の時間期間において、ランプの駆動電力は目標値に達するように制御される。単一の時間期間の間にランプをランアップする場合、ランプの駆動電力は、この単一の時間期間の間に目標値に達するように制御される。同時に、単一の時間期間の間又は第2の時間期間の間には、ランプの駆動電流はプリセットされた速度よりも速く増加することが許されず、かつ、ランプの電極の過熱を回避するように選択される固定の電流上限を超えることが許されない。2つを超える連続した時間期間が用いられる場合、上記及び下記の説明における第2の期間に当てはまることは、最後の期間に当てはまる。
【0009】
提案される方法では、一定の又は区分的な電流を用いるランアップ段階は、固定(プログラマブルな)時間幅を有し、最終的な必要電力レベル(目標値)で終了する電力駆動プロファイルによって置き換えられる。これは定常状態ランプ電圧及びランプ冷却に依存することなく適用され、定電流レベルに基づく方式での、大きな範囲のランプ電圧に対処しなければならないという欠点を回避する。本特許出願において、「ランアップ」との用語は、点火後のランプの起動、又はスタンバイ状態からの、すなわち極めて低い電力の状態からのランプの再開に関係する。以下の説明は、ランプの点火後のランアップに関するが、同様の説明はスタンバイ状態から定常状態への移行段階にも当てはまる。
【0010】
本方法の実施形態の第1段階(第1の時間期間)では、点火段階が終了した直後に、例えばランプ電圧の推定を可能にするために、ドライバは短い時間、すなわち数秒から数十秒間、定電流を生成し、好ましくは、電流は30秒より短い期間、又は好ましくは10秒より短い期間、一定に保たれる。この第1段階又は第1の時間期間における定電流の値は、ドライバメモリから読み出され、一定値であるか、ランプの以前の定常状態作動中に最後に用いられた値と等しいかのいずれかである。この第1段階が終わると、ドライバは瞬間出力電力を計算し、所定時間である第2の時間期間の終了時に最終出力電力(目標値)に達するための出力電力プロファイルを生成し始める。この推移すなわちプロファイルの最も単純な実施は線形であるが、より複雑な時間プロファイルもまた適用され得る。出力電力プロファイルを生成し駆動電力を制御するこの第2段階では、出力電力プロファイルに従うために必要とされる電流が高くなりすぎること及び/又は速く増加しすぎることを回避するために、更なるアルゴリズムが用いられる。本方法の有利な実施形態では、電流は、下記でクリッピング値としても示される所与の動的すなわち適応最大電流レベルよりも低い又は等しいことしか許されない。この適応最大電流レベルは、所定の(設定可能な)速度でしか増加又は減少することが許されない。電力プロファイルに従うための必要電流が瞬間クリッピング値を超えると、瞬間クリッピング値は所与の倍数又は量によって増加され、電流がより高い値にクリップされることを可能にする。反対に、必要とされる電流が瞬間クリッピング値より低くなった場合、瞬間クリッピング値は所与の割合で減少される。この適応最大電流レベルは、(設定可能な)絶対最大レベル及び絶対最小レベルによる電流の作動範囲内に制限される。最大レベルは電極先端の過熱を回避する固定の電流上限である。
【0011】
単一の時間期間の間にランプをランアップする場合、上記の方法の第2の時間期間のステップは、当該単一の時間期間の間に実行される。
【0012】
提案される駆動装置は、放電ランプの電極に電力を付与するための接続端子と、単一の時間期間の間若しくは2つの連続した時間期間の間に、又は場合により更に連続した時間期間の間に、駆動電力を目標値まで増加又は減少させることによって放電ランプをランアップするドライバとを有する。2つの連続した時間期間が考慮される例示的な実施形態では、ドライバは、該当する場合は2つの連続した時間期間のうちの第1の時間期間の間に、一定の駆動電流を生成し、単一の時間期間又は第2の時間期間の間に、増加又は減少する駆動電力を生成し、電力目標値に達するように駆動電力を制御する。特定の場合、例えばランプバーナが第1の時間期間の間に比較的高い電流で予熱される場合には、例えばランプ電力は少なくとも一時的に減少されることが望ましいが、ほとんどの場合において、ドライバは増加する駆動電力を生成する。また、ドライバは、単一の時間期間の間に又は第2の時間期間の間に、駆動電流がプリセットされた制限速度よりも速く増加しないように、かつ、固定の電流上限を超えないように、ランプの駆動電流を制御する。ドライバは、提案されるランアップ方法を実行するためのプログラム可能な制御ユニットを好ましくは含み、目標値、第1及び第2の時間期間のうちの一つ、付与できるならば、固定の電流上限、開始の電流適応制限、並びに電力の増加のプリセットされた推移を受けるための入力手段も好ましくは提供する。
【0013】
提案される方法及び駆動装置は、HIDランプ、特にはUHPランプに対して適用されることができる。本方法及び駆動装置は、特に、点火段階から定常状態へのスムーズな移行を可能にする。
【0014】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に説明する実施形態を参照することによって、明らかとなり、明瞭にされる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
提案される方法及び駆動装置は、下記において例示により添付の図に関連して、更に詳細に説明される。
【0016】
図1】本発明による駆動装置と放電ランプとを含む照明アセンブリを示す。
図2】本発明によるランプのランアップ中の電流、電力、及び電圧の値を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、UHPランプ1及び駆動装置2を含む照明アセンブリの実施例を示す。UHPランプ1は、例えばプロジェクタといった光学システムの一部であり、当該光学システムの構成要素は、リフレクタ3の形式で示される。UHPランプ1は、UHPランプ1の電極への電力付与を可能にする、駆動装置2の2つの接続端子に接続される。
【0018】
こうした駆動装置はまた、ランプに高電圧パルスを付与することによって、UHPランプ1の点火を処理する。ランプの点火後、駆動装置2のドライバは、提案される方法に従って目標電力値までのランプのランアップを実行する。本方法では、ドライバは比較的短時間後に、電流制御から電力制御に切り替え、電流の最大値及び変化速度の適切な制限の組合せでの電力制御を適用する。提案される方法により、寿命の間の統一的な電力及び輝度のプロファイルが、様々なランプに対し達成されることができる。
【0019】
駆動装置2のドライバの作動は、好ましくはドライバに組み込まれた適切なアルゴリズムに基づく。ランプのランアップは、2つの連続する時間期間に細分される。第1の時間期間では、ドライバはランプに対し一定の駆動電流を生成する。本実施形態における第1の時間期間Tの長さは、約1秒から5秒の比較的短時間に設定される。代替として、第1の時間期間Tの長さは、ランプ電圧Vlaによってもたらされてもよい。この代替においては、閾値ランプ電圧Vthは目標値よりも著しく低く設定される。ランプ電圧Vlaが閾値Vthに達するとすぐに、第1の時間期間Tは終了し、第2の時間期間Tが開始する。第1の時間期間の初期電流は所定の固定値であり、又はランプの以前の定常状態作動中に最後に用いられた電流と同じに選択されてもよい。
【0020】
第2の時間期間Tの開始時に、開始電力PはP=Vla・Iとして計算され、Iは第1の時間期間Tの間の初期一定電流である。開始電力Pは第2の時間期間Tの開始時に付与される電力である。Pの値がP(公称電力=目標値)を超える場合、第2の時間期間はスキップされ、ドライバは直接電力曲線状態(power curve state)に至る。これは、例えばランプが重大に損耗している場合である。
【0021】
この実施形態では、電力は第2の時間期間Tの長さと等しい時間後に電力の最終値Pに達するよう、小刻みの線形のステップで増加される。電力は平均傾斜(P−P)/T[W/秒]で変化する。
【0022】
電流は第2の時間期間の間、適応最大値にクリップされる。この動的すなわち適応最大値Idmaxに対するパラメータは、ドライバに記憶され、この実施例では、Idmaxの増加及び減少の速度を制限する2つのパラメータIdup及びIddownを用いる。Idup及びIddownは、Idmaxに対するステップアップ値及びステップダウン値を含む。ステップアップ及びステップダウンに対して異なる値が用いられてもよい。必要とされる電流がIdmaxを超える場合、IdmaxはIdupで増加され、電流はこの増加に追従する。他方で、必要とされる電流がIdmaxを下回って減少する場合、IdmaxはIddownで減少される。Idmaxはランプの電極の過熱を回避するために許される最大固定電流である上限を有する。
【0023】
図2は、提案される方法のランアップ期間中の電圧、電流及び電力を例として示す。図2における時間T=0秒でのランプの点火4の後、電流5は最初、短い時間期間Tの間、一定に保たれる。第2の時間期間Tの間に、Tの後の電力が決定され、次いで適切な電力プロファイルに従って目標値Pに達するようにTの間増加される。図は、電圧6及び付与される電流5の推移を示す。この実施例では、第2の時間期間T中に目標値に達するために、線形電力プロファイル7がプリセットされ又は計算される。しかしながら、本発明による電流の変化速度の制限のために、第2の時間期間の間に適用される実際の電力プロファイルは、プリセット又は計算された線形プロファイルから逸脱する。これは生成された電力8の実線で示され、所望のプロファイルにようやく近づく。適用される電流制限によって、電極の過熱につながる速い電流変化や電流ピークは発生しない。
【0024】
本発明が、図面及び前述の説明で詳細に例示され説明されたが、こうした例示及び説明は、例示的又は典型的であると考えられるべきであり、限定と考えられるべきではない。本発明は、開示された実施形態に限定されない。当業者によって、特許請求された発明を実施するにあたり、図面、開示、添付の請求項の研究から、開示された実施形態の他のバリエーションが理解されることができる。請求項で、「有する」の文言は他の要素やステップを除外するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外するものではない。特定の手段が、相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用できないことを意味するわけではない。特に、本方法の全ての従属請求項は、組合せが理にかなう場合には自由に組み合わされることができる。請求項のいかなる参照符号も範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0025】
1 UHPランプ
2 駆動装置
3 リフレクタ
4 点火
5 電流
6 電圧
7 プリセット/計算された電力プロファイル
8 生成された電力プロファイル
図1
図2