特許第6357168号(P6357168)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6357168
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】連続抽出器、濃縮器、および乾燥器
(51)【国際特許分類】
   B01D 11/02 20060101AFI20180702BHJP
   B01D 5/00 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
   B01D11/02 101
   B01D5/00 A
【請求項の数】4
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-547523(P2015-547523)
(86)(22)【出願日】2013年12月12日
(65)【公表番号】特表2016-501128(P2016-501128A)
(43)【公表日】2016年1月18日
(86)【国際出願番号】US2013074559
(87)【国際公開番号】WO2014093573
(87)【国際公開日】20140619
【審査請求日】2016年12月2日
(31)【優先権主張番号】13/840,546
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/736,211
(32)【優先日】2012年12月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515158663
【氏名又は名称】ビューズ マーク エイ.
(73)【特許権者】
【識別番号】515158674
【氏名又は名称】ストローシャイン ルディ
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100114889
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 義弘
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ビューズ マーク エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ストローシャイン ルディ
【審査官】 神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04278012(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0182722(US,A1)
【文献】 国際公開第2004/012877(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 1/00−5/00
B01D 11/00−11/04
DWPI(Derwent Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む、連続抽出ユニット:
それぞれが、流体流を導くための一つまたは複数の第一の含み、かつ流体流の下で溶液を形成するために溶媒によって溶質を抽出するための抽出可能原料を収容する、複数の抽出チャンバ;
少なくとも一つの圧縮器;
少なくとも一つの凝縮器と直接接触する少なくとも一つの膨張チャンバを含む少なくとも一つの熱交換器であって、該膨張チャンバは、溶質の非希釈溶質または高濃縮溶液の形態の抽出物としての該溶液からの溶質のエアロゾル化に伴って該膨張チャンバ内で該溶液からの媒の気化を促進する圧力降下を能にする、少なくとも一つの膨張弁を含む、少なくとも一つの溶液入口を含み、気化状態の該溶媒が、該凝縮器中の液体へと凝縮され、該凝縮器からの熱は、該膨張チャンバにより吸収され、かつ該圧縮器は、該凝縮器該抽出チャンバを通る該流体流に関して上流に配置され、かつ該膨張チャンバを通る該流体流に関して下流に位置する、少なくとも一つの熱交換器;ならびに
該流体流を途絶させることなく該抽出物を連続的または定期的に取り出すための少なくとも一つのポンプまたは少なくとも一つの第二のあって、該流体流を導く第一の弁が、該抽出可能原料から該抽出物が消耗されたときに該複数の抽出チャンバのうちの一つ取り外すことおよび取り外される抽出チャンバを、該抽出チャンバのうちの少なくとも一つを通る流体流を途絶させることなく新鮮な抽出可能原料を収容する同等抽出チャンバ交換することを可能にし、かつ該溶媒が該連続抽出ユニット内に保持される、少なくとも一つのポンプまたは少なくとも一つの第二の弁
【請求項2】
少なくとも一つのアクチュエータおよび/または少なくとも一つのセンサとインタフェース接続した情報処理装置をさらに含む、請求項1に記載の連続抽出ユニット。
【請求項3】
情報処理装置が、プログラムされたコンピュータを含み;センサが、一つまたは複数の流量計、流体密度センサ、屈折率検出器、赤外線、可視光線もしくは紫外線検出器、および/または伝導度検出器を単独でまたは組み合わせて含み;かつ、アクチュエータが、一つまたは複数の弁、ポンプおよび/またはアラームを単独でまたは組み合わせて含む、請求項2に記載の連続抽出ユニット。
【請求項4】
以下の工程を含む、抽出可能原料から少なくとも一つの可溶性成分を抽出する方法:
抽出可能溶質を含む抽出可能原料を収容する複数の抽出チャンバを有する請求項1に記載の連続抽出ユニットを提供する工程;
媒を含む液状流体を第一の導管に通して複数の抽出チャンバ中に流す工程であって、該抽出可能溶質を含む溶液が形成される、工程;
該抽出可能溶質を含む該溶液の流れを抽出チャンバから第二の導管中に導く工程であって抽出チャンバから導かれた該抽出可能溶質を含む該溶液が混合されて、該抽出可能溶質を含む混合溶液となる、工程;
該抽出可能溶質を含む該混合溶液を該第二の導管から少なくとも一つの溶液入口の中へ流し、少なくとも一つの膨張チャンバ中に流す工程であって、該膨張チャンバが、該第二の導管中の圧力よりも低い圧力で維持され、該抽出可能溶質を含む該混合溶液が、低圧溶媒蒸気と、該抽出可能溶質を含む抽出物とに分割され、該低圧溶媒蒸気は、圧縮器の吸入口に取り込まれる、工程;
該連続抽出ユニット内の流体流を途絶させることなく少なくとも一つのポンプまたは弁によって、連続的または定期的に、該連続抽出ユニットから該抽出物を取り出す工程;
該低圧溶媒蒸気を熱い高圧蒸気に、該圧縮器の出力で圧縮する工程
該凝縮器中の溶媒を含む液体へ熱い高圧蒸気を凝縮させる工程であって、該熱い高圧蒸気からの熱および凝縮中に形成された熱が、該膨張チャンバに直接伝達される、工程
溶媒を含む該液状流体の流れを該第一の導管に導く工程;
該第一の導管から溶媒を含む液状流体抽出物が消耗された状態になった該抽出チャンバのいずれか一つに流れ込むのを阻止する工程;
出可能溶質を含まない状態になった該抽出チャンバ中の溶媒を、該第二の導管、該第一の導管および/または該連続抽出ユニットの他の部分に除去する工程;
連続抽出ユニットから該抽出物が消耗された状態になった該抽出チャンバを切り離し、取り外す工程;
溶質を含む抽出可能原料を収容する同等な抽出チャンバを、該第一の導管および該第二の導管との接続によって接続する工程;
第一の導管から、溶質を含む抽出可能原料を収容する該同等な抽出チャンバへの、溶媒を含む該液状流体の該流れを回復させる工程であって、該抽出可能溶質を含む溶液が形成される、工程;ならびに
該抽出可能溶質を含む該溶液の流れを、該同等な抽出チャンバから該第二の導管中へと導き直す工程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、それらの開示が参照により全体として本明細書に組み入れられる、2012年12月12日に出願された米国特許仮出願第61/736,211号の恩典を主張する、2013年3月15日に出願された米国特許出願第13/840,546号の一部継続出願である。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
数世紀もの間、目的物質を単離するために抽出法が使用されてきた。該方法は、溶媒を抽出可能原料と混合する工程、形成される溶液を分離する工程、および溶質、すなわち目的物質から溶媒を除去する工程を含む。
【0003】
Wildeの米国特許第5,512,285号(特許文献1)は、植物原料から有機成分を抽出するためのバッチ法を教示している。方法は、テトラフルオロエタンを抽出溶媒として使用する。方法は、周囲温度付近でいくつかの目的成分の抽出を可能にし、高圧での超臨界CO2抽出に比べて経済的である。システムは、密封された抽出器中でタンブラを使用して溶媒と植物原料とを混合し、抽出器は、加熱器によって浸漬浴中で加温されるエバポレータに接続され、エバポレータは、高価な溶媒の大部分を効果的に取り出し、保持し、かつ必要ならば抽出器に戻すように、圧縮器に接続されている。エバポレータは抽出物のための受け器であり、エバポレータの圧力がゼロpsigに低下すると、エバポレータが開き、エバポレータから抽出物が抜き取られるものであった。その後、エバポレータは圧縮器に接続され、加熱されて実質的にすべての溶媒が回収される。
【0004】
したがって、溶媒をほぼ定量的に保持し、費用効果的であり、エネルギー効率的であり、かつ実際上連続的な稼働を許すことができる抽出を可能にするフレキシブルなシステムが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,512,285号
【発明の概要】
【0006】
植物または他の抽出可能原料から目的産物を抽出するための連続ユニットであって、濃縮形態での産物の単離、抽出溶媒のリサイクル、および抽出済み植物原料の乾燥を可能にしながらも、すべてがユニット内に完全に含まれる連続ユニットが提示される。単離された抽出物はユニットから連続的に取り出される。ユニットは、一つの抽出チャンバが、他の抽出チャンバ中の抽出プロセスを停止させることなく取り外され交換されるように、複数の抽出チャンバを用いる。
[本発明1001] それぞれが、流体流を導くための一つまたは複数の弁または他の手段を含み、かつ流体流の下で溶媒によって溶質を抽出するための抽出可能原料を収容する、複数の抽出チャンバ;
溶液入口を含み、溶液からの気化溶媒の形成ならびに液体または濃縮溶液抽出物としての該溶質の網目状空隙形成、合体および固結を促進する圧力降下を、該溶液入口をはさんで可能にする、少なくとも一つの膨張チャンバ;
該気化溶媒が液体へと凝縮される、少なくとも一つの凝縮器;
該凝縮器の下流かつ該抽出チャンバおよび膨張チャンバの上流に配置された、少なくとも一つの圧縮器、液体ポンプまたは他の流体流動手段;ならびに
該流体流を途絶させることなく該抽出物を連続的または定期的に取り出すための少なくとも一つのポンプ、弁または他の手段
を含む、連続抽出ユニットであって、該抽出可能原料からすべての溶質が除かれたときに該複数の抽出チャンバのうちの一つが取り外され、該複数の抽出チャンバのうちの少なくとも一つを通る流体流を途絶させることなく、該取り外された抽出チャンバが、新鮮な抽出可能原料を有する同等な抽出チャンバと交換され、かつ該溶媒が該ユニット内に保持される、連続抽出ユニット。
[本発明1002]
溶液入口、膨張チャンバ、および少なくとも一つの凝縮器が熱交換器を構成し、該溶液入口が少なくとも一つの熱膨張弁からなり、該少なくとも一つの凝縮器が該膨張チャンバと接触し、それにより、該凝縮器からの熱が該膨張チャンバによって吸収される、本発明1001の連続抽出ユニット。
[本発明1003]
真空ポンプをさらに含む連続抽出ユニットであって、気化溶媒の形成を促進する、溶液入口をはさんだ圧力降下が、該真空ポンプによって促進される、本発明1001の連続抽出ユニット。
[本発明1004]
少なくとも一つの凝縮器に、外部に提供される冷却材を接触させる、本発明1003の連続抽出ユニット。
[本発明1005]
冷却材に冷却器を接触させる、本発明1004の連続抽出ユニット。
[本発明1006]
逆止め弁および/または加熱器および/または冷却器および/または熱交換器をさらに含む連続抽出ユニットであって、該熱交換器が、連続抽出ユニットに対して外部から加熱または冷却される交換流体を含む、本発明1001の連続抽出ユニット。
[本発明1007]
少なくとも一つのアクチュエータおよび/または少なくとも一つのセンサとインタフェース接続した情報処理装置をさらに含む、本発明1001の連続抽出ユニット。
[本発明1008]
情報処理装置が、プログラムされたコンピュータを含み;センサが、一つまたは複数の流量計、流体密度センサ、屈折率検出器、赤外線、可視光線もしくは紫外線検出器、および/または伝導度検出器を単独でまたは組み合わせて含み;アクチュエータが、弁、ポンプおよび/またはアラームを単独でまたは組み合わせて含む、本発明1007の連続抽出ユニット。
[本発明1009]
以下の工程を含む、抽出可能原料から少なくとも一つの可溶性成分を抽出する方法:
抽出可能溶質を含む抽出可能原料を収容する複数の抽出チャンバを有する本発明1001の連続抽出ユニットを提供する工程;
圧縮器、ポンプまたは他の流動手段によって、溶媒を含む液状流体を第一の導管に通して複数の抽出チャンバ中に流す工程であって、該抽出可能溶質を含む溶液が形成される、工程;
該抽出可能溶質を含む該溶液の流れを該複数の抽出チャンバから第二の導管中に導く工程であって、複数の抽出チャンバから導かれた該抽出可能溶質を含む該溶液が混合されて、該抽出可能溶質を含む混合溶液となる、工程;
該抽出可能溶質を含む該混合溶液を該第二の導管から少なくとも一つの溶液入口の中へ流し、少なくとも一つの膨張チャンバ中に流す工程であって、該膨張チャンバが、該第二の導管中の圧力よりも低い圧力で維持され、該抽出可能溶質を含む該混合溶液が、溶媒蒸気と、該抽出可能溶質を含む抽出物とに分割される、工程;
該連続抽出ユニット内の流体流を途絶させることなく該抽出物を連続的または定期的に取り出すための少なくとも一つのポンプ、弁または他の手段によって、該連続抽出ユニットから該抽出物を取り出す工程;
該溶媒蒸気を液体溶媒へと凝縮させる工程;
溶媒を含む該液状流体の流れを該第一の導管に導く工程;
該第一の導管から該複数の抽出チャンバのうちのいずれか一つに入る溶媒を含む液状流体の流れを、該いずれか一つの抽出チャンバの抽出可能原料が抽出可能溶質を含まなくなったときに阻止する工程;
抽出可能溶質を含まない抽出可能原料を収容する該一つの抽出チャンバ中に溶媒が保持されなくなるまで、抽出可能溶質を含まない抽出可能原料を収容する該一つの抽出チャンバ中の溶媒を含む液状流体の流れを、該第二の導管、該第一の導管および/または該連続抽出ユニットの他の部分に押し進める工程;
該抽出可能原料を含まない抽出可能原料を収容する該一つの抽出チャンバを該連続抽出ユニットから切り離し、取り外す工程;
溶質を含む抽出可能原料を収容する同等な抽出チャンバを、該第一の導管および該第二の導管との接続によって接続する工程;
溶媒を含む該液状流体の該流れを回復させて該第一の導管に通し、溶質を含む抽出可能原料を収容する該同等な抽出チャンバに入れる工程であって、該抽出可能溶質を含む溶液が形成される、工程;ならびに
該抽出可能溶質を含む該溶液の流れを、該同等な抽出チャンバから該第二の導管中へと導き直す工程。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の態様の、標準温度・圧力で液体である抽出溶媒に特に適した、真空分離チャンバを用いる連続抽出システムの模式図を示す。
図2】本発明の態様の、標準温度・圧力で気体である抽出溶媒に特に適した、周囲大気圧を超える圧力を用いる連続抽出システムの模式図を示す。
図3】本発明の態様の連続抽出システムの分離チャンバと凝縮器とを組み合わせた熱交換器の断面を示す。
図4】本発明の態様の連続抽出システムの分離チャンバと凝縮器とを組み合わせた熱交換器の断面を示す。
図5】圧縮器のクランクケースが本発明の態様の連続抽出システムの熱交換器の分離チャンバの第一の部分として含まれる、圧縮器と組み合わせた熱交換器の断面を示す。
図6】本発明の態様の連続抽出システム中で使用するための、a)抽出溶媒が交換器の底部から頂部へと流れる抽出チャンバの断面、b)抽出溶媒が抽出チャンバの中心から周辺へと流れる抽出チャンバの断面、c)抽出溶媒が抽出チャンバの周辺から中心へと流れる抽出チャンバの断面、およびd)抽出チャンバの内容物の加熱または冷却のためのジャケットを備えた抽出チャンバの外観図の断面を示す。
図7】本発明の態様の連続抽出システムの模式図を示す。
図8】本発明の態様の連続抽出システムの模式図を示す。
図9】本発明の態様の連続抽出システム中で使用するための、a)一つのチューブ状凝縮器をチューブ状分離チャンバ内に挿入する熱交換器の断面、およびb)分離チャンバを構成する複数の管をチューブ状凝縮器内に挿入する熱交換器の断面を示す。
図10】抽出溶媒が、抽出可能原料の上方の、小さなオリフィスを有する入口分配プレートを通して頂部から流れ、抽出物溶液が、浸漬させることなく抽出可能原料を洗浄するための大きなオリフィスを有する出口分配プレートを通して底部から抜き取られる、本発明の態様の連続抽出システム中で使用するための抽出チャンバの断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
発明の詳細な説明
本発明の態様は連続浸漬抽出システムに関する。抽出システムは、個々に扱われる複数の抽出チャンバを含むユニットからなる。抽出可能原料は、植物原料、または概して固体として取り扱うことができる任意の他の抽出可能原料であることができる。スラッジまたは液体を連続浸漬抽出システムにおける使用に適合させることができる。本開示を通して、抽出可能原料は植物原料として参照されるが、動物質、土壌、および他の鉱物質を含むがそれらに限定されない、他の抽出可能原料を用いることもできることが理解されよう。抽出システムは分離チャンバを用い、分離チャンバは、溶液から溶媒を気化させて一つまたは複数の溶質を含むエアロゾルを形成し、そのエアロゾルを抽出物へと固結させる、膨張チャンバである。複数の抽出チャンバは独立して、溶媒によって抽出される植物原料を有する状態であって、目的抽出物が、形成される溶液の溶質である、状態;抽出済み原料の近くにある残留溶質および溶液を洗浄している状態;抽出(消費)済み植物原料をユニットからの取り出しに備えて準備することができるように、残留溶媒を除去する状態;またはユニットから取り外され、抽出のための新鮮な植物原料を収容する同等な抽出チャンバと交換されている状態にある。抽出システムは、ほぼすべての溶媒をシステム内に保持し、溶媒が環境へと失われることはほとんどない。抽出システムは、システムからの抽出物の連続的取り出しを可能にする。抽出プロセスは、エネルギー消費が最小になり、消費済み植物原料が、廃棄物として容易かつ安全に処分され、または有用な副産物として用いられ、他すべての物質がリサイクルされる溶媒または目的抽出物であるようなやり方で実施される。システムは、システムの吸熱部分と放熱部分とを熱交換器として結合し、それによってエネルギー消費を最小にするように構成することができる。
【0009】
図1に示すが、図1に限定されない本発明の態様においては、複数の同等な抽出チャンバ111、112、113および114が植物原料を収容し、一つを除くすべての抽出チャンバ112、113および114が抽出溶媒の流れを受ける。残る抽出チャンバ111は、新鮮な植物原料を収容する同等な抽出チャンバとの交換の準備中であるか、または交換されている状態にある。抽出溶媒はシステム内に保持され、目的抽出物が非希釈形態または高濃縮形態でシステムから絶えず取り出される。本発明の態様において、抽出物溶液は少なくとも一つのノズル130を通って低圧分離チャンバ140の中に流れ、その中で、抽出溶媒が、目的抽出物を含む溶質から揮発物として分離される。植物原料が抽出チャンバ111、112、113および114から出ないよう、またはノズル130を目詰まりさせ得る微粒子が導入されないよう、少なくとも一つのフィルタが、各抽出チャンバ111、112、113および114の出口、ならびに/または抽出チャンバをノズル130および分離チャンバ140に接続する導管129中に存在する。分離チャンバ140はポート141を有し、これを通して、任意でポンプ180の使用により、抽出物、すなわち抽出溶液の溶質がシステムから連続的に取り出される。任意で、圧力および溶媒揮発性に依存して、分離チャンバ、および/またはノズル130よりも前の配管が加熱のための手段を含むこともできる。
【0010】
分離チャンバ140は、抽出チャンバの圧力よりも低い圧力で維持され、必然的ではないが、図1に示すように真空下にあることもできる。分離チャンバ140は、溶媒気化を促進して、非希釈溶質または高濃縮溶液としての抽出物から溶媒を分離させる。抽出物は、重力の影響下で流れ、ポート141に集まり、そこで、ポンプ180を使用して抽出システムからの取り出しが連続的に実施されるか、または、ポンプ180なしで重力により誘発される流れによって貯蔵器190が充填される。高濃縮溶液を取り出すときは、全部ではないとしても大部分の残っている溶媒を回収し、受け器190;ポンプ180と受け器190との間の導管;および/またはポート141とポンプ180との間の導管142内に接続されている任意の導管143に通して抽出システムに戻すことができる。
【0011】
分離チャンバ中で気化した抽出溶媒は、植物原料のさらなる抽出のために抽出チャンバに再導入されるために、凝縮器150を使用して凝縮相に戻される。流体は容積移送式ポンプ170によってシステム中に運ばれる。分離チャンバ140の低い圧力は、容積移送式ポンプ170の入口側の前で気化溶媒を凝縮する冷却凝縮器150へのポート210に接続された真空ポンプによって維持することができる。任意で、溶媒貯蔵器160が凝縮器150とポンプ170の入口との間に位置する。
【0012】
本発明の態様において、システムは複数の抽出チャンバ111、112、113および114を含み、これらの抽出チャンバは、抽出チャンバの溶液出口に位置する弁または弁の組み合わせ121、122、123および124、ならびにチャンバの反対側端の弁または弁の組み合わせ125、126、127および128を有する。図1に示すように、たとえば、受け器160からの溶媒が導管161に汲み入れられ、弁124を介して抽出チャンバ114中へと導かれる。抽出チャンバ114は、抽出物溶質の大部分が取り出された植物原料を収容しており、そのため、溶液中、および最終的には、抽出チャンバ114から弁128を介して導管162中に流れる溶媒中の抽出物の濃度は急激に低下している。図1は抽出チャンバ114の頂部から底部への流体流を示すが、その流れが抽出チャンバ114の底部から頂部になるようにシステムを配管することも容易であることが理解されよう。希釈溶液または溶媒は、導管162から、それぞれ弁126および127を介して抽出チャンバ112および113中へと導かれる。抽出チャンバ114中の流量は、図1に示すように、抽出チャンバ112および113中で個々に受けられる流量の概ね二倍である。相対流量は、抽出チャンバ113に関して示す状態の抽出チャンバの数に対する抽出チャンバ114に関して示す状態の抽出チャンバの数に依存し、概して、その最高効率で稼働するシステムは、有意に多い数の、抽出チャンバ113の状態を有する。濃縮溶液がそれぞれ弁122および123を介して抽出チャンバ112および113から出ると、流れは、導管129を通して分離チャンバ140内のノズル130へと導かれる。表示のように、流体流は抽出チャンバ114、112および113中に導かれるが、完全に抽出された植物原料を収容する抽出チャンバ111は、同等な抽出チャンバとの交換の準備がされている状態にある。図1は、弁121の向きを図示のように、および弁125の向きを図示とは反対に調節して、ガス、たとえば窒素を導入して溶媒を導管162の中に押し進めることによってこの交換準備を実施することができる一つのやり方を示す。湿潤残留植物原料を除くすべての溶媒が抽出チャンバ111から取り出されると、図示のように弁125の向きを調節して窒素および溶媒蒸気を導管151へ導き、この導管が溶媒蒸気を凝縮器150に導き、消費抽出済み原料をユニットからの取り出しの前に乾燥させることを可能にする。弁121は、表示のような向きに調節することもできるし、または部分的もしくは完全に締め切ってもよく、その場合、抽出チャンバ111中の圧力が低下し、このことも、抽出チャンバ111中の消費済み植物原料の乾燥を促進する。
【0013】
すべてまたはほぼすべての溶媒を抽出チャンバ111から取り出したら、弁121および125を閉じることによって該抽出チャンバをシステムから切り離し、システムから取り外す。その後、新たに装填された同等なリサイクル抽出チャンバ111をシステム中に配置し、その弁を、抽出チャンバ112および113の弁と同じ向きに調節する。最終的に、抽出物をより多く消耗した抽出チャンバすなわち112または113の弁すなわち122および126または123および127の向きを、溶媒導管161から162への流体流のために調節する。抽出チャンバ114は、弁124および128を使用して、先に交換前に抽出チャンバ111を調節したやり方で、ガスライン201と連通するように調節する。このようにして、図1に示すように、少なくとも一つの抽出チャンバが、溶媒または希釈溶液を、システム中の他の抽出チャンバの一つを除くすべてに送り、その残る抽出チャンバは交換に備えて乾燥させる。または、図示していないが、導管161を導管162に直結することができ、乾燥状態にないすべての抽出チャンバが、図1において抽出チャンバ112、113に関して示すような抽出状態にあることができる。好都合かつ効率的には、少なくとも一つのさらなる抽出チャンバが、抽出済みの原料を取り出されて、システムへの導入に備えて新鮮な抽出可能原料を再装填されている状態で、システムの外に存在することができる。図1には四つの抽出チャンバが示されているが、システムは、3、5、6、7、8、9、10またはより多くの抽出チャンバを用いることもでき、その場合、その大多数が、抽出チャンバ112および113に関して示す状態にあり、少なくとも一つが抽出チャンバ114の状態にあることができ、少なくとも一つが抽出チャンバ111の状態にある。
【0014】
図1に示す構成要素に加えて、本発明の態様においては、所望により、コネクタ、たとえばクイックリリースコネクタをシステム内に含めることができる。加えて、所望により、フィルタ、加熱器、冷却器、熱交換器、サンプリングポート、溶媒入力ポート、レベルインジケータ、遮断弁、隔離弁、流量計、温度計および流体分析のためのセンサをシステムに含めることができる。抽出チャンバの余剰分に加えて、当業者によって容易に理解されるように、余剰分の導管、フィルタ、液体ポンプ、受け器、分離チャンバ、凝縮器および真空ポンプをシステムに含めることができる。システムは、流体センサ、レベルインジケータ、弁、ポンプ、加熱器および冷却器を、システム制御のためのパラメータがプログラムされたまたは技術者により入力されたコンピュータとインタフェース接続させることにより、自動化することができる。抽出プラントはこれらのシステムの複数を用いることができ、その場合、所望により、たとえば複数のシステム間で共通の溶媒受け器、ガス供給源、真空供給源および産物受け器を共用し得る。抽出チャンバは、一人または複数の技術者が、必要に応じて、当業者が理解することができるような、フォークリフト、ジャッキおよび/または他の機械装備のような装備を援用することなく、または援用して、容易に取り外し、交換することができるサイズであると想定される。すべての導管、フィルタ、ゲージ、ポンプまたは他の構成要素は、連続抽出システムを停止させることなく、交換に備えて空にするおよび排出することが可能なように配管することができる。たとえば、フィルタ対は、システムが抽出物を処理する間に、目詰まりしたフィルタの切り離し、システム中へのフィルタの水切り、フィルタの排出およびフィルタの交換を可能にする弁と並列に配管することができる。溶媒が抽出チャンバに導入される温度は、溶媒貯蔵器中または抽出チャンバへの流入の前に位置する導管中で加熱器、冷却器または他の熱交換器を用いることによって制御することができる。抽出チャンバは、ジャケットを有することができ、ジャケット中を循環する加熱流体または冷却流体を有することができる。
【0015】
図1に示すようなシステム中で使用することができる溶媒は、水、アルコール類、炭化水素、エーテル類、フッ素化炭化水素もしくは他のハロゲン化炭化水素、エステル類、アミン類、カルボン酸または約25℃〜約250℃の温度および約760mmHg〜約1mmHgの圧力で容易に気化する任意の他の溶媒を含む。使用することができる溶媒は、アセトアルデヒド、ジエチルエーテル、ペンタン、臭化エチル、塩化メチレン、二硫化炭素、シクロペンタン、アセトン、酢酸メチル、クロロホルム、メタノール、テトラヒドロフラン、ヘキサン、四塩化炭素、酢酸エチル、エタノール、ベンゼン、シクロヘキサン、プロパノール、二塩化エチレン、ヘプタン、ジオキサン、水、ギ酸、トルエン、ブタノール、オクタン、臭化エチレン、酢酸、クロロベンゼン、プロピオン酸、キシレン、ノナン、ブロモベンゼン、ターペンタイン、フルフロール、酪酸、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、デカン、フェノール、アニリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、アセトニトリル、ピリジンまたは任意の他の溶媒を含むがそれらに限定されない。用いられる溶媒に依存して、ユニットは、金属、ガラス、セラミックまたはプラスチックで構築されることができる。生産される抽出物の使用に依存して、溶媒は、抽出物中の任意の極微量の溶媒の影響に関して入念に考察して、溶媒の使用の適切さを判断するべきである。溶媒の混合物、たとえば類似した揮発性を有する溶媒の混合物または共沸混合物を形成する組成物を用いてもよい。
【0016】
本発明の別の態様において、連続抽出システムは、一つの雰囲気における一般的な室温で気体である溶媒、たとえば非限定的にフルオロカーボンを用いるように設計されており、システムのすべての抽出部分および分離部分が周囲大気圧よりも高い圧力で実施される。または、システム中の圧力は、低圧蒸気の場合は、周囲圧力未満であることもでき、圧力制御装置が低圧蒸気および高圧蒸気を、溶媒の沸点、および抽出システムのうち圧縮器に出入りする部分の圧縮加熱によって達成される温度に対して、十分に低い圧力に維持して、溶媒としては相対的に高い沸点を有する溶媒を用いることができるようにする。図2に示すように、高圧下の液体溶媒が、第一の任意の受け器100から導管27を通して弁24および25を介して、植物原料を収容する抽出チャンバ11および12に運ばれる。弁21および22が、溶液を、第二の任意の受け器30に通じる導管20へと導くように向きを調節されている。一般に、図示しないが、少なくとも一つのフィルタがすべての抽出チャンバ11、12および13の出口に、ならびに/または導管20および/または31中に存在する。受け器の一方または両方は、抽出チャンバに収容される液体の量の変動を補償するために使用することができるが、原則として、システムは貯蔵器なしでも機能することができる。受け器30からの高圧溶液は、熱膨張弁40を介して熱交換器50の低圧膨張チャンバ51の中に流れ、その中で、溶液は、熱の吸収によって溶媒蒸気と液体抽出物のエアロゾルとに不均化する。エアロゾルは、膨張チャンバ51の内面に衝突し、膨張チャンバ51の下部にある捕集ポート54へと抜ける。低圧溶媒蒸気は、トラップ52および任意でトラップ53を通って熱交換器の低圧側に移動する。該トラップは、図2には直列配置で示されているが、複数が並列に配置されてもよいし、膨張チャンバ51内のバッフル板であってもよい。すべての捕獲された抽出物は捕集ポート54へと抜け、そこから弁60を介して抽出物受け器70に流れる。低圧蒸気溶媒は、導管81を通って圧縮器80の入口まで流れ、そこで低圧蒸気溶媒は高圧蒸気溶媒へと圧縮される。油を用いる圧縮器が使用される場合、高圧蒸気は任意のオイルトラップ90を通過する。圧縮器80で使用される油は、潤滑剤による汚染を避けるために抽出物であることができる。高圧蒸気は導管82を通って、凝縮器55である熱交換器50の高圧側に入る。凝縮器55中、高圧蒸気からの熱が膨張チャンバ51に放出され、その結果、熱交換器50の凝縮器55中で高圧溶媒蒸気が液体溶媒へと凝縮する。液体溶媒は、凝縮器55から出て、導管56を通って流れ、溶媒受け器100に到達し、そこから抽出チャンバ11、12および13が溶媒で満たされる。
【0017】
システムは、図2においては三つの抽出チャンバ11、12および13によって示される複数の抽出チャンバを用いるように構成されて、抽出チャンバ11および12によって示される抽出チャンバの少なくとも一つが、弁21、22、24および25の配置により、受け器100からの液体溶媒を導管27に通し、最終的に抽出チャンバ11および12の中に運ぶ、抽出状態にある。図2においては一つの抽出チャンバ13によって示される残る抽出チャンバは、溶媒を気化させ、蒸気溶媒を低圧導管81の中に押し進めるように向きを調節された弁23および26を有する。抽出チャンバ13中の圧力をポンプ110によってシステムの低圧未満に下げたのち、抽出チャンバ13を取り外す前に、抽出済み植物原料からの最後の残留溶媒の捕集を可能にするやり方で弁23および26の向きを調節して通常の大気または真空へと脱気することによって、抽出チャンバ13を大気圧以下にすることができる。抽出チャンバ13は、新鮮な植物原料を収容するリサイクル抽出チャンバと交換される。交換抽出チャンバ13を導入したのち、弁23および26の向きを調節して、真空供給源を介して脱気したのち、交換抽出チャンバ13をシステム中へと開く。
【0018】
トラップ52および53ならびに膨張チャンバ51から熱交換器50の捕集ポート54に入る抽出物を、抜くかまたは他のやり方で運んで、弁60を介して抽出物受け器70に移す。受け器70中の抽出物が溶媒を含むとき、弁60の向きを調節して溶媒蒸気をポンプ110に通して低圧導管81へと抜くことができる。その後、弁60の向きを調節して最後の極微量の溶媒を導管61に通して除去し、捕集のために真空供給源に送ることができる。
【0019】
図2に示す構成要素に加えて、本発明の態様においては、所望により、コネクタ、たとえばクイックリリースコネクタをシステム内に含めることができる。加えて、所望により、フィルタ、加熱器、冷却器、さらなる熱交換器、サンプリングポート、溶媒入力ポート、レベルインジケータ、遮断弁、隔離弁、流量計および流体分析のためのセンサをシステムに含めることもできる。抽出チャンバの余剰分に加えて、当業者によって容易に理解されるように、余剰分の導管、液体ポンプ、受け器、分離チャンバ、凝縮器および真空ポンプをシステムに含めることができる。システムは、流体センサ、レベルインジケータ、弁、ポンプ、加熱器および冷却器を、システム制御のためのパラメータがプログラムされたまたは技術者により入力されたコンピュータとインタフェース接続させることにより、自動化することができる。抽出プロセスは一つまたは複数のシステムを用いることができ、その場合、所望により、たとえば複数のユニット間で共通の溶媒受け器、ガス供給源、真空供給源および産物受け器を共用し得る。抽出チャンバは、一人または複数の技術者が、必要に応じて、当業者が理解することができるような、フォークリフト、ジャッキおよび/または他の機械装備のような装備を援用することなく、または援用して、容易に取り外し、交換することができるサイズであると想定される。
【0020】
使用することができる溶媒は、フレオン類、たとえば、非限定的に、トリフルオロメタン、ジフルオロメタン、フルオロメタン、ペンタフルオロエタン、ペンタフルオロジメチルエーテル、1,1,2,2-テトラフルオロエタン、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、ビス(ジフルオロメチル)エーテル、1,1,2-トリフルオロエタン、1,1,1-トリフルオロエタン、メチルトリフルオロメチルエーテル、2,2,2-トリフルオロエチルメチルエーテル、1,2-ジフルオロエタン、1,1-ジフルオロエタン、フルオロエタン、1,1,2,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン、トリフルオロメチル1,1,2,2-テトラフルオロエチルエーテル、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン、トリフルオロメチル1,2,2,2-テトラフルオロエチルエーテル、1,1,1,2,2,3-ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、1,2,2,2-テトラフルオロエチルジフルオロメチルエーテル、ヘキサフルオロプロパン、1,1,2,2,3-ペンタフルオロプロパン、ペンタフルオロプロパン、1,1,2,3,3-ペンタフルオロプロパン、1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロパン、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン、メチルペンタフルオロエチルエーテル、ジフルオロメチル2,2,2-トリフルオロエチルエーテル、ジフルオロメチル1,1,2-トリフルオロエチルエーテル、1,1,2,2-テトラフルオロプロパン、メチル1,1,2,2-テトラフルオロエチルエーテル、トリフルオロプロパン、ジフルオロプロパン、フルオロプロパン、1,1,1,2,2,3,3,4,4-ノナフルオロブタン、1,1,1,2,3,4,4,4-オクタフルオロブタン、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロブタン、ペルフルオロプロピルメチルエーテル、ペルフルオロイソプロピルメチルエーテル、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン、1,1,3-トリフルオロプロパン、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン、1,3-ジフルオロプロパン、1,1-ジフルオロブタン、1,3-ジフルオロ-2-メチルプロパン、1,2-ジフルオロ-2-メチルプロパン、1,2-ジフルオロブタン、1,3-ジフルオロブタン、1,4-ジフルオロブタン、2,3-ジフルオロブタン、1,1,1-トリフルオロペンタン、1,1,1-トリフルオロ-3-メチルブタン、1,1-ジフルオロペンタン、1,2-ジフルオロペンタン、2,2-ジフルオロペンタン、1,1,1-トリフルオロヘキサン、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロ-1-ヘキセン、1,1,3-トリフルオロプロパン、1,3-ジフルオロプロパン、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン、1,1-ジフルオロブタン、1,3-ジフルオロ-2-メチルプロパン、1,2-ジフルオロ-2-メチルプロパン、1,2-ジフルオロブタン、1,3-ジフルオロブタン、1,4-ジフルオロブタン、2,3-ジフルオロブタン、1,1,1-トリフルオロペンタン、1,1,1-トリフルオロ-3-メチルブタン、1,1-ジフルオロペンタン、1,2-ジフルオロペンタン、2,2-ジフルオロペンタン、1,1,1-トリフルオロヘキサン、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロ-1-ヘキセン、1,1,2,2,3-ペンタフルオロプロパン、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン、1,1,3-トリフルオロプロパン、1,1,3-トリフルオロプロパン、1,3-ジフルオロプロパン、2-(ジフルオロメチル)-1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン、1,1,2,2,3,3,4,4-オクタフルオロブタン、1,1,1,2,2,4-ヘキサフルオロブタン、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン、1,1-ジフルオロブタン、1,3-ジフルオロ-2-メチルプロパン、1,2-ジフルオロ-2-メチルプロパン、1,2-ジフルオロブタン、1,3-ジフルオロブタン、1,4-ジフルオロブタン、2,3-ジフルオロブタン、1,1,1,2,3,3,4,4-オクタフルオロ-2-(トリフルオロメチル)ブタン、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5-ウンデカフルオロペンタン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5-デカフルオロペンタン、1,1,1,2,2,3,3,5,5,5-デカフルオロペンタン、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-(トリフルオロメチル)ブタン、1,1,1-トリフルオロペンタン、1,1,1-トリフルオロ-3-メチルブタン、1,1-ジフルオロペンタン、1,2-ジフルオロペンタン、2,2-ジフルオロペンタン、1,1,1-トリフルオロヘキサン、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6-トリデカフルオロヘキサン、1,1,1,2,2,5,5,5-オクタフルオロ-4-(トリフルオロメチル)ペンタン、1,1,2,2-テトラフルオロシクロブタン、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロ-1-ヘキセン、1,1,1-トリフルオロエタン、ペンタフルオロエタンまたはそれらの任意の混合物である。本発明の他の態様において、溶媒は非フレオン、たとえばメチルエーテル、ブタン、プロパン、アンモニアまたは二酸化硫黄であることができる。
【0021】
圧縮器は、任意の設計であることができ、油を要するものまたはオイルフリーのものであることができる。圧縮器に油が用いられるならば、その油は、炭化水素、フルオロカーボンまたはシリコーン油を含むがそれらに限定されない任意のタイプであることができる。
【0022】
システムは、通常の空気圧14.7psiよりも高い圧力で使用することができる。たとえば、圧縮器の低圧側は20〜50psiであり得、圧縮器の高圧側は50〜200psiであり得る。抽出ユニットの構築材料は、システムの最高圧力を超える圧力を封じ込め得る材料である。たとえば、金属または合金が有用な構築材料であるが、システムの高圧に耐えることができるならば、他の材料が使用されてもよい。
【0023】
多くの異なる設計が使用され得るが、熱交換器250の断面が図3に示されている。この熱交換器250においては、熱い高圧蒸気が、導管282から熱交換器250の頂部に入り、コイルが円柱形ヒートシンク257の内面と密接するトラップ252の底部から凝縮器の第一のコイル部分255を通って循環する。ヒートシンク257は凝縮器のこの第一のコイル部分255からの熱を、円柱形ヒートシンク257の外側のコイル状膨張チャンバ251に伝達する。熱膨張弁240が、抽出チャンバ中で形成した溶液からのエアロゾルを低圧のコイル状膨張チャンバ251に送ると、その中で、ヒートシンク257からの熱の吸収によって溶媒の気化が起こる。ヒートシンク257は、凝縮する熱い高圧蒸気によって加熱され、該蒸気は、凝縮器の第一の部分255を通って上昇したのち、凝縮器の第二の部分256に入り、その中で、高圧溶媒蒸気および/または液体溶媒がコイル状膨張チャンバ251の上に流れる。任意の高圧溶媒蒸気は凝縮器のこの第二の部分256の中で完全に凝縮し、図3に示すように出口導管258に流れ込む。または、必要に応じて、凝縮器の第二の部分256からの冷却された高圧溶媒蒸気が凝縮器のさらなる第三の部分(図示せず)へと通されることができ、そこで、溶媒蒸気を液体溶媒へと凝縮するためにさらなる冷却が提供される。流体抽出物は捕集ポート254へと抜け、溶媒蒸気はトラップ252チャンバを通って凝縮器の第一の部分255の周囲を上昇し、最終的に圧縮器に通じる低圧溶媒蒸気導管281中へと出る。
【0024】
本発明の態様にしたがって連続抽出システムにおいて使用することができる別の熱交換器350が図4に示されている。この熱交換器350においては、熱い高圧蒸気が導管382から熱交換器350のコイル状凝縮器355の第一部分の頂部に入る。コイル状凝縮器355は、熱交換器350の頂部からヒートシンク357およびコイル状膨張チャンバ351と密接しながららせんに延び、凝縮器コイル355と膨張コイル351とは、ヒートシンク357に沿って下に進みながら交互に位置する。熱膨張弁340が抽出物溶液を低圧膨張コイル351の中に送ると、その中で、接触するコイル状凝縮器355およびヒートシンク357からの熱の吸収によって溶液の溶媒の気化が起こる。高圧溶媒蒸気はこのコイル状凝縮器355中で凝縮し、図4に示すように出口導管358に流れ込む。任意の平衡状態高圧溶媒蒸気が凝縮器の外の第二のコイル部分356に入ることができ、その中で、溶媒蒸気は、外部環境によって、または、所望により、溶媒蒸気の液体溶媒への凝縮を保証するための第二の冷却源によってさらに冷却される。流体抽出物は捕集ポート354へと抜け、低圧溶媒蒸気はトラップ352チャンバを通ってヒートシンク357の周囲を上昇し、最終的に圧縮器に通じる低圧溶媒蒸気導管381中へと出る。抽出物がエアロゾルとして圧縮器へ同伴されないことを保証するために、トラップ352中の低圧蒸気の出入口の近くにバッフル板359および360が構築されているが、必ずしも必要ではない。
【0025】
本発明の態様にしたがって連続抽出システムにおいて使用することができる別の熱交換器810が図9aに示されている。この熱交換器810においては、熱い高圧蒸気が導管382から熱交換器810のコイル状凝縮器855の第一部分の頂部に入る。コイル状凝縮器855は、熱交換器810の頂部からコイル状膨張チャンバ851内をらせんに延びて、凝縮器855と膨張チャンバ851との間に熱交換のための非常に大きな接触面積が得られるようにしている。図9aに示すように、凝縮器855の内側の断面積は膨張チャンバ851の蒸気凝縮部分の面積に等しい。膨張チャンバ851および凝縮器855の断面積は、熱交換を最適化するための任意のサイズおよび比率であることができる。チューブ中にチューブを有することが、凝縮器855中で凝縮する蒸気によって提供される熱のできるだけ多くを、包み込む膨張チャンバ851の膨張ガスによって吸収することができることを保証する。熱膨張弁840が抽出物溶液を低圧膨張チャンバ851の中に送ると、その中で、主としてコイル状凝縮器855の中に包まれた凝縮する蒸気による熱の吸収によって溶液の溶媒の気化が起こる。高圧溶媒蒸気はこのコイル状凝縮器855中で凝縮し、図9aに示すように出口導管858に流れ込む。流体抽出物は捕集ポート854へと抜け、低圧溶媒蒸気はトラップチャンバ852を通ってヒートシンク857の周囲を上昇し、最終的に圧縮器に通じる低圧溶媒蒸気導管381中へと出る。抽出物がエアロゾルとして圧縮器へ同伴されないことを保証するために、トラップ852中の低圧蒸気の出入口の近くにバッフル板859および860が構築されているが、必ずしも必要ではない。
【0026】
図9aに示すものに代えて、熱交換器は、チューブ内に一つまたは複数のチューブを用いて構築することもできる。外側チューブは凝縮器または膨張チャンバであることができる。これらの代替構造の両方が図9bに示されている。図9bに示すように、コイル状凝縮器855が、七つのチューブとして図示される分割された膨張チャンバ851を構成する複数のチューブを包み込んでいる。また、図9bに示すように、膨張チャンバ851を構成する七つのチューブを合わせた断面積は凝縮器855内の蒸気凝縮部分の面積に等しい。また、膨張チャンバ851および凝縮器855のチューブの寸法は、図9bに示す面積の割合である必要はない。図9bに示すように、熱膨張弁840が抽出物溶液を分配器845から低圧膨張チャンバ851の中に送ると、流体は、取り付け具、溶接、接着または任意の他の手段を使用して形成されることができる七つのチューブに分配される。または、図示しないが、分配は、膨張チャンバを構成する複数のチューブを個々に扱うことができる複数の膨張弁の前で実施することもできる。膨張チャンバ851および凝縮器855のチューブの形状は、円形以外、たとえば楕円形であることもできるし、または任意の他の形状を用いてチューブの表面積、ならびに凝縮器855と周囲空気および/またはヒートシンク857との間の表面積を増すこともできる。
【0027】
図5に示すように、圧縮器480を熱交換器450と組み合わせることができ、それが、熱い高圧溶媒蒸気を冷却することに加えて、圧縮器480の冷却を可能にする。図示する圧縮器はピストン駆動往復動圧縮器であるが、回転翼、ダイヤフラム、スクロールおよびルーツ圧縮器を含むがそれらに限定されない多くのタイプの圧縮器を使用することができる。オイルフリーの圧縮器を使用することもできるし、または潤滑剤を要する圧縮器を使用することができる。導管420が、抽出チャンバからの抽出物溶液を、膨張チャンバの第一の部分451を構成する圧縮器のクランクケースに通じる膨張弁440に送り、この第一の部分で、抽出物が低圧溶媒蒸気から分離し、圧縮器の下部の捕集ポート454へと抜ける。図5に示すように、抽出物はまた、圧縮器480のクランクシャフト486の潤滑剤として機能し、膨張チャンバ451中の膨張する溶媒蒸気による冷却が温度を抽出物の熱分解温度未満に維持する。次いで、高圧溶媒蒸気が、ピストン485の上り行程時に出口逆止め弁484に押し通されて圧縮器480から出たのち、低圧蒸気は膨張チャンバの第二の部分452に入り、そこで、流体は、熱交換器450の凝縮器482と接触する導管に入る。図5は、熱交換器450を、互いに接触するまっすぐな導管452および482として示すが、この形状の熱交換は必要とされない。温かい高圧溶媒蒸気が凝縮器482中を進むとき、該蒸気は凝縮し、液体溶媒として熱交換器450から出て、出口導管455に入る。熱は、熱交換器450中の膨張チャンバの第二の部分452中で冷たい低圧溶媒蒸気と交換され、該蒸気は、圧縮器480のピストン485の下り行程で入口導管481を通り入口逆止め弁483を介して抜き取られる。
【0028】
抽出システムは、本発明の態様にしたがって、複数の抽出チャンバを用いるように構成される。図6は、抽出システムに含めることができる可能な抽出チャンバ設計の、すべてではないがいくつかを示す。図6aは、入口501が溶媒をフィルタリング・流体分配スクリーン503に通して供給する簡単な円柱形抽出チャンバ500を示す。抽出物溶液は、流体が円柱形抽出チャンバ500中に収容された植物原料を通して運ばれ、スクリーン503に等しい第二のフィルタリングスクリーン(図示せず)を通過して出口502から出るときに形成される。図1を考察すると理解することができるように、流体は、図6aに示す流れとは反対の流れで通過させることができる。抽出チャンバ500の端部は、キャップ505およびスクリーン503の取り外しを可能にするために、任意のフランジ506によって示される端部へのキャッピング部分505の結合によって固定することができる。抽出チャンバ500の中央シリンダ全体を露出させることにより、消費済み植物原料を簡単に取り出して空のオープンシリンダを残し、それを、キャップ505およびスクリーン503の一つを固定したのち再充填することができる。
【0029】
図6bは、溶媒が入口511から進入し、入口511から遠い方のチューブ513の端部が不浸透性ディスク517によって閉じられた多孔性流体分配チューブ513に入り、流体を、中央の流体分配チューブ513から植物原料中を放射方向に押し進める抽出チャンバ510の第二の構成を示す。抽出物溶液は、ジャケット516の多孔性フィルタリング内壁514に押し通され、抽出物溶液は、固結容積518で固結されたのち、出口512を通って抽出チャンバ510から出る。抽出チャンバ510の端部は、消費済み植物原料の取り出しおよび新鮮な植物原料の装填を容易にするためのキャップ515を用いることができる。
【0030】
図6cは、溶媒が入口521から進入し、流体分配部527に入り、この部分が、無孔性ディスク526によって溶媒流をジャケット524へと向けさせる、抽出チャンバ520の第三の構成を示す。溶媒がジャケット526の内部の多孔性分配拡散体523に押し通され、流体が植物原料中を中央の多孔性ろ過チューブ525まで流れ、抽出物溶液は、抽出チャンバ520の、入口521と同じ端部にある出口522中に導かれる。抽出チャンバ520の端部は、消費済み植物原料の取り出しおよび新鮮な植物原料の装填を容易にするためのキャップ527および529を用いることができる。
【0031】
図6dは、図6a〜6cに示すものまたは任意の他の設計のような抽出チャンバの周囲に流体分配ジャケットを有することができる抽出チャンバ530を示す。ジャケットは、抽出チャンバ530の外部に対する加熱流体または冷却流体の循環を可能にする。加熱流体は、熱交換器の凝縮器から出る液体溶媒であることができる。図6dに示すように、流体は、入口535からジャケットに導入され、ジャケットを満たし、ジャケットの反対側端の出口536から出ることができる。任意で、入口は傾斜板537の底にあることができ、この傾斜板は、入口まででジャケットを中心に一回転を生じさせる傾斜を有し、入口535からの開口のすぐ上で終端して、ジャケット中をらせんに上昇する流体の循環流を促進する。らせん流は、ジャケットの出口536端にある類似した任意のさらなる傾斜板538によってさらに促進されることができる。溶媒もしくは抽出物溶液の貯蔵器中、または導管、たとえば抽出チャンバもしくは膨張チャンバの中に通じる導管上のジャケットまたは他の加熱源もしくは冷却源が、抽出チャンバのジャケット上の加熱流体または冷却流体の供給を増強することができる。
【0032】
本発明の態様において、連続抽出システムは、ほぼいかなる溶媒とともに使用することができる。図7に示すように、連続抽出システムは、複数のジャケット付き抽出チャンバ611、612、613および614を含む。溶媒貯蔵器663からの流体がジャケット入口弁638を介して導かれ、加えて、ジャケット入口弁635、636および637ならびにジャケット出口弁631、632および633は閉位置にあって、ジャケット641、642および643を隔離している。溶媒は、ジャケット出口弁634を介してジャケット644から出て導管665に入り、この導管が、弁621を介して溶媒を抽出チャンバ611に送る。抽出チャンバ611の植物原料は、抽出物がほぼ消費されており、図示するように、抽出チャンバ612および613の個々の流体流量の二倍を受ける。必要ではないが、これは、抽出チャンバ611中で植物原料上の抽出物の最後の部分を迅速に取り出す場合に好都合である。非常に希薄な抽出物溶液が抽出チャンバ611から弁625を介して出て導管667に入り、この導管が弁626および627を介して抽出チャンバ612および613に供給する。抽出チャンバ612および613からの濃縮抽出物溶液は、弁622および623を介して導管668に流れ込み、任意の抽出物溶液貯蔵器620に達する。抽出物溶液貯蔵器620は、濃縮抽出物溶液を、導管669に通して熱交換器656中の膨張チャンバ651の膨張弁650に供給する。これは、必然的ではないが、熱交換器に関して図4に示した設計を提唱する。
【0033】
図4に示すやり方で、抽出物は、熱交換器656のトラップ651の捕集ポート654へと抜け、抽出弁671を介して抽出物受け器・濃縮器672中へと抜ける。連続抽出システムの稼働中、抽出物弁671が定期的に開かれる、または、抽出物柱が弁671の入口で捕集ポート654中に存在する程度に連続的に開かれる。低圧溶媒蒸気は抽出物受け器・濃縮器672中の抽出物と平衡状態にあり、抽出物受け器・濃縮器は、濃縮器導管673を介して濃縮・排出圧縮器674に接続されている。一つまたは複数のプレートまたはバッフル板が抽出物受け器・濃縮器672中に位置して、湿潤抽出物をより大きな表面積に延展させ、溶媒蒸発の速度を高めることもできるし、および/または、かく拌機もしくは他のミキサを抽出物受け器・濃縮器672の中に含めることもできる。図示しないが、弁を備えたポートが、抽出物受け器・濃縮器672からの抽出物の取り出しを可能にする。濃縮・排出圧縮器抽出物受け器・濃縮器672の出口が逆止め弁675に接続され、この逆止め弁が、濃縮・排出圧縮器674の出口圧力が抽出チャンバ出口681中の低圧溶媒を超えるときのみ、低圧溶媒蒸気を圧縮器680の入口681でトラップ652の中に押し進める。これは、抽出物受け器・濃縮器672中で真空を発生させて、ほぼすべての溶媒を抽出物から取り出すことを可能にする。たとえば20トル、たとえば10トル、たとえば5トル、たとえば1トル以下の真空を抽出物受け器・濃縮器672中で達成して、中に溶媒をほとんど含まない抽出物の取り出しを可能にすることができる。
【0034】
濃縮・排出圧縮器674はまた、導管661および弁624を介して抽出チャンバ614に接続されている。抽出チャンバ614は、抽出物受け器・濃縮器672によって作り出される真空によって乾燥した、完全に消費済みの植物原料を収容する。圧縮器680から出力された高圧溶媒蒸気は、導管682を通して熱交換器656の凝縮器655部分へと導かれ、液体溶媒の出力は、導管662中へと導かれて任意の液体溶媒受け器663に到達したのち抽出チャンバに導入される。
【0035】
本発明の態様において、複数の熱交換器および場合によっては複数の圧縮器を使用することにより、連続抽出は、一つの溶媒または溶媒混合物を用いて、様々な成分を、より容易に抽出される成分が多いまたは少ない溶液へと分割する任意の作用、および様々な成分の溶解度に基づき、所与の植物原料から様々な割合の抽出可能成分を含む複数の異なる抽出物を単離することができる。このようにして、一つの抽出産物が一つまたは複数のもっとも可溶性の成分を主に含むことができ、もう一つの抽出産物が一つまたは複数のもっとも可溶性の低い成分を主に含むことができ、一つまたは複数のさらなる抽出物が、これらを様々な割合で含むことができる、または、主にいくらかの中間の可溶性を有する成分からなることができる。このようにして、抽出チャンバを通過した特定の量の溶媒から様々な産物が得られ、その抽出溶液は、所望の熱交換器へ導かれたのち、それに続く一つまたは複数の体積の溶媒が抽出チャンバに通され、一つまたは複数の他の熱交換器へ導かれ、その中で、特定の目的抽出組成物が単離される。必要に応じて、成分の特定の画分を抽出する期間中、複数の熱交換器を、溶媒および/または抽出チャンバを選択的に加熱または冷却するための手段と結合して、特定量の溶媒が特定の熱交換器を通過する間の抽出の選択性を高めることができる。本発明の態様にしたがって、そのような連続抽出システムが図8に示されている。
【0036】
図8に示すように、連続抽出システムは、複数のジャケット付き抽出チャンバ711、712、713、714および715を含む。溶媒貯蔵器763からの流体が任意の乾燥ユニット766に導かれ、そこで、流体は、乾燥剤または他の乾燥手段、たとえば凍結または浸透手段に通されたのち導管764に導入され、この導管が周囲温度の溶媒を一連のジャケット入口弁736、737、738、739および740の任意の一つまたは複数に導く。乾燥ユニット766は、一つの部分が導管764への流体流と並列になるように構築され、もう一つの部分は、排出圧縮器774と連通している低圧蒸気導管793中に除去される残留溶媒を有する。三つの熱交換器756、756'、および756''ならびにそれらの特徴のすべてが、図8の三つの熱交換器の一つのみにおいて特徴に付された同じ番号を有することに留意すること。図示するように、弁736が、周囲温度溶媒が抽出チャンバ711のジャケット741に入るように向きを調節されており、ジャケットは、溶媒がジャケット出口弁731から出て導管を通って弁721に達する条件下にあり、溶媒は、所望のように抽出物が消費またはほぼ消費されている植物原料を有する抽出チャンバ711中へと導かれ、そこを通過し、その後、弁726を介して導管767に入り、図示するように、抽出チャンバ711は、抽出チャンバ712、713および714の個々の流体流量の三倍の流量を受ける。ほぼ消費されたチャンバは、続いてもっとも可溶性の低い成分が分割されて他の抽出チャンバ中で濃縮される場合に、好都合であり得る。他の構成においては、導管764から弁794を介する導管767への溶媒の輸送が好ましい。図8に示すように、三つの圧縮器780、780'および780''が用いられているが、一つの圧縮器に供給する二つ以上の熱交換器があってもよい。たとえば、三つすべての熱交換器が一つの圧縮器に配管接続されることもできる。
【0037】
ジャケット入口弁736、737、738、739および740は、それぞれ抽出チャンバジャケット711、712、713、714および715への導入について周囲温度溶媒を選択することを可能にするように構成されている。独立して、導管764からの周囲温度溶媒または導管791からの熱い高圧蒸気のいずれかが、ジャケットの蒸発冷却のための溶媒を熱膨張弁786、787、788、789および790に押し通す。同時に、図示するように、抽出チャンバ714、713および712は、それぞれ冷却され、周囲温度に維持され、および加熱されて、早期抽出物、中間抽出物、および後期抽出物が、それぞれ、三つの異なる組成を有する三つの異なる抽出産物の単離ために最適化されることができる。
【0038】
この構成において、冷たい早期抽出物は、早期抽出物溶液中で、抽出チャンバ714から出口弁724を介して戻り選択弁719中へと運ばれ、そこで、早期抽出溶液導管770へと導かれて、熱交換器756''の膨張チャンバ751''の熱膨張弁750''に達する。早期抽出物は、抽出物受け器・濃縮器772''中に捕集され、抽出物受け器・濃縮器772''が、濃縮器導管773''を介して濃縮・排出圧縮器774''に接続され、そこで濃縮器導管773''は凝縮器777''を通過し、この凝縮器は、いくらかの溶媒を導管762''から熱膨張弁776''に通すことによって冷却され、冷たい低圧蒸気が熱交換器756''のトラップ781''の中に放出される。
【0039】
この構成において、周囲温度中間抽出物は、中間抽出溶液中で、抽出チャンバ713から出口弁723を介して戻り選択弁718中へと運ばれ、そこで、中間抽出溶液導管769へと導かれて、熱交換器756'の膨張チャンバ751'の熱膨張弁750'に達する。中間抽出物は、抽出物受け器・濃縮器772'中に捕集され、抽出物受け器・濃縮器772'が、濃縮器導管773'を介して濃縮・排出圧縮器774'に接続され、そこで濃縮器導管773'は凝縮器777'を通過し、この凝縮器は、任意で、いくらかの溶媒を導管762'から熱膨張弁776'に通すことによって冷却され、冷たい低圧蒸気が熱交換器756'のトラップ781'の中に放出される。
【0040】
この構成において、加熱された後期抽出物は、後期抽出物溶液中で、抽出チャンバ712から出口弁722を介して戻り選択弁717中へと運ばれ、そこで、中間抽出溶液導管768へと導かれて、熱交換器756の膨張チャンバ751の熱膨張弁750に達する。早期抽出物は、抽出物受け器・濃縮器772中に捕集され、抽出物受け器・濃縮器772が、濃縮器導管773を介して濃縮・排出圧縮器774に接続され、そこで濃縮器導管773は凝縮器777を通過し、この凝縮器は、いくらかの溶媒を導管762から熱膨張弁776に通すことによって冷却されず、冷たい低圧蒸気が熱交換器756のトラップ781の中に放出される。
【0041】
図8に示すように、抽出チャンバ715は残留溶媒の排出を受けており、出口弁725は、圧縮器774を空にするように向きを調節されている。ジャケット入口弁740は、導管791から熱い高圧蒸気を受け、それを抽出チャンバジャケット745に導き、ジャケット出口弁735を介して導管792に入れ、熱交換器756の膨張チャンバ751に到達させるように向きを調節されることができる。
【0042】
図示しないが、流量計、流量制御装置、および温度、流体密度、スペクトル特性、粘度または他のパラメータのためのセンサを含めて、複数の抽出チャンバそれぞれを通過した溶媒の量を測定し、入力信号をマイクロプロセッサに送ると、そのマイクロプロセッサが、溶媒および抽出物溶液の流れを導くように弁を制御することができる。溶媒は、抽出チャンバジャケット中の膨張弁および凝縮器へ導くことができる。熱い高圧蒸気は、抽出チャンバジャケットまたは様々な導管中の任意の設計の熱交換器へ導くことができる。加えて、所望により、抽出チャンバは、超音波処理装置、かく拌機または他のかく拌手段を含むことができる。本発明の態様において、抽出チャンバは、図6に示すもののような、植物原料が浸漬または沈水されることのない抽出チャンバであることができるが、抽出チャンバは、植物原料の表面をスプレーし洗浄するための少なくとも一つのノズルまたは流体分配プレートを含み、抽出物溶液は、抽出物溶液が抽出チャンバ中に溜まらないようなやり方で排液または他のやり方で抽出チャンバから取り出される。図10は、抽出溶媒が抽出チャンバ800の頂部に位置する入口801に入り、溶媒を、フランジ807によって支持されたフィルタリング流体分配器803に供給する抽出チャンバ800を示す。入口分配器803は小さなオリフィスを有し、溶媒が、抽出される植物原料を洗浄するが、原料を浸漬させない小滴のスプレーとして出るようになっており、出口分配器804は有意に大きなオリフィスを有して、抽出物溶液が、抽出チャンバ800を満たすことなく、出口分配器支持フランジ808の下に集まり、かつ出口802を通って抽出チャンバ800から出ることを許す。抽出チャンバ800の両端は、キャッピング部分805を、任意のフランジ806によって示される端部に結合することによって固定することができ、キャップ805ならびに分配器803および804を取り外して抽出チャンバ800の中央シリンダ全体を容易に露出させ、消費済み植物原料を簡単に取り出して空のオープンシリンダを残し、それを再充填することができる。そのような抽出チャンバを使用すると、植物原料は、植物原料への溶媒浸入がほとんどまたはまったくないまま表面抽出物を除去することができ、それが、畑で植物に散布され得る農薬および他の薬品の除去を可能にすることができる。
【0043】
本明細書に記載される例および態様は説明のためのみであり、それを鑑みて様々な改変または変更が当業者に暗示され、それらが本出願の精神および範囲に含まれることが理解されよう。
図1
図2
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図10