(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(E)前記第2のカチオン性層を第2のアニオン性溶液に曝して、前記第2のカチオン性層上に第2のアニオン性層を製造することをさらに含み、前記第2のアニオン性溶液が、アニオン性ポリマー、第2のコロイド粒子、及び第2の塩を含み、
前記コーティングが、前記カチオン性層、前記アニオン性層、前記第2のカチオン性層、および前記第2のアニオン性層を含む4重層を含む、請求項1に記載の方法。
(E)前記第2のアニオン性層を第2のカチオン性溶液に曝して、前記第2のアニオン性層上に第2のカチオン性層を製造することをさらに含み、前記第2のカチオン性溶液が、ポリマー、第2のコロイド粒子、ナノ粒子、及び第2の塩を含み、前記コーティングが、前記アニオン性層、前記カチオン性層、前記第2のアニオン性層、および前記第2のカチオン性層を含む4重層を含む、請求項6に記載の方法。
前記第1のカチオン性層が前記塩を含み、前記第1のアニオン性層が前記第2の塩を含み、前記第2のカチオン性層が前記塩を含み、及び前記第2のアニオン性層が前記第2の塩を含む、請求項11に記載のタイヤ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態では、多層薄膜コーティング方法は、正(または中性)および負(または中性)に帯電した層を基材上に交互に堆積させることにより、拡散抑制コーティングを有するエラストマー基材を提供する。正および負の層の各対は、1つの層を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの層は中性の層である。中性の層は、電荷を有さない層を指すことを理解されたい。実施形態では、多層薄膜コーティング方法は、2重層、3重層、4重層、5重層、6重層、7重層、8重層、およびそれ以上の層などの任意の数の所望の層を基材上に製造する。限定するものではないが、複数の層は、エラストマー基材を通る材料の透過に対して所望の抑制を与えることができる。この材料は、任意の拡散可能な材料であり得る。限定するものではないが、拡散可能な材料は、固体、流体、またはそれらの任意の組合せであり得る。流体は、液体、気体、またはそれらの任意の組合せのような任意の拡散可能な流体であり得る。実施形態では、拡散可能な流体は気体である。
【0011】
層は、任意の所望の厚みを有することができる。実施形態では、各層は、約10ナノメートル〜約2マイクロメートルの間の厚み、あるいは約10ナノメートル〜約500ナノメートルの間の厚み、あるいは約50ナノメートル〜約500ナノメートルの間の厚み、さらにあるいは約1ナノメートル〜約100ナノメートルの間の厚みである。
【0012】
エラストマー基材は、粘弾性を有する材料を含む。任意の望ましいエラストマー基材は、多層薄膜コーティング方法でコーティングすることができる。実施形態では、エラストマー基材は、合成ゴム、天然ゴム、またはそれらの任意の組合せである。実施形態では、エラストマー基材は、天然ゴムを含む。限定するものではないが、好適なエラストマー基材の実施例は、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ブタジエン‐スチレン共重合体、アクリロニトリル共重合体、エチレン‐プロピレンジエンゴム、多硫化ゴム、ニトリルゴム、シリコーン、ポリウレタン、ブチルゴム、またはそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施形態では、ゴムは、硫黄で加硫されたカーボンブラック充填天然ゴム配合である。
【0013】
負に帯電した(アニオン性)層は、積層可能な材料を含む。いくつかの実施形態では、積層可能な材料は、中性であり、中性電荷を有するアニオン性層を提供する。実施形態では、1つ以上のアニオン性層は中性である。限定するものではないが、中性電荷を有する積層可能な材料は、耐拡散性コーティングの弾性を増加させる。積層可能な材料は、アニオン性ポリマー、コロイド粒子、塩、またはそれらの任意の組合せを含む。実施形態では、積層可能な材料は、アニオン性ポリマー、コロイド粒子、またはそれらの任意の組合せ、および少なくとも1つの塩を含む。理論によって限定されるものではないが、アニオン性ポリマー、コロイド粒子、またはそれらの任意の組合せと少なくとも一つの塩を含む積層可能な材料は、結合を脆弱化することができ、弾性を改善することができる。限定するものではないが、好適なアニオン性ポリマーの実施例は、ポリスチレンスルホン酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリ(アクリル酸、ナトリウム塩)、ポリアネトールスルホン酸ナトリウム塩、ポリ(ビニルスルホン酸、ナトリウム塩)、またはそれらの任意の組合せを含む。さらに、限定するものではないが、コロイド粒子、有機および/または無機材料を含む。さらに、限定するものではないが、コロイド粒子の実施例は、クレー、コロイド状シリカ、無機水酸化物、シリコン系ポリマー、ポリオリゴマーシルセスキオキサン、カーボンナノチューブ、グラフェン、またはそれらの任意の組合せを含む。アニオン性溶液での使用に適する任意のタイプのクレーを使用することができる。限定するものではないが、好適なクレーの実施例は、ナトリウムモンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、ワイオミングベントナイト、バーミキュライト、ハロイサイト、またはそれらの任意の組合せを含む。実施形態では、クレーはバーミキュライトである。いくつかの実施形態では、クレーはナトリウムモンモリロナイトである。気体または蒸気の透過に対して抑制を与えることができる任意の無機水酸化物を使用することができる。実施形態では、無機水酸化物は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、またはそれらの任意の組合せを含む。塩は、多層薄膜コーティング方法での使用に適する任意の塩を含むことができる。実施形態では、塩は、ホフマイスター系列のアニオンからなる塩を含む。実施形態では、塩は、CO
32-、F
-、SO
42-、H
2ΡO
42-、C
2H
3O
2-、Cl
-、NO
3-、BR
-、Cl0
3-、I
-、ClO
4-、SCN
-、S
2O
32-、またはそれらの任意の組合せのイオンからなる塩を含む。実施形態では、塩は、Cl
-のイオンを含む。塩は、溶液中約1ミリモル〜溶液中約10ミリモル、あるいは溶液中約5ミリモル〜溶液中約10ミリモル、あるいは溶液中約1ミリモル〜溶液中約100ミリモル、さらにあるいは溶液中約0.1ミリモル〜溶液中約100ミリモルの濃度である。
【0014】
正の電荷(カチオン性)の層は、カチオン性材料を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のカチオン性層は中性である。カチオン性材料は、ポリマー、コロイド粒子、ナノ粒子、塩、またはそれらの任意の組合せを含む。実施形態では、カチオン性材料は、ポリマー、コロイド粒子、ナノ粒子、またはそれらの任意の組合せ、および少なくとも1つの塩を含む。理論によって限定されるものではないが、カチオン性材料は、ポリマー、コロイド粒子、ナノ粒子、またはそれらの任意の組合せ、および少なくとも1つの塩を含み、結合を脆弱化することができ、弾性を改善することができる。ポリマーは、カチオン性ポリマー、水素結合を有するポリマー、またはそれらの任意の組合せを含む。限定するものではないが、好適なカチオン性ポリマーの実施例は、分岐ポリエチレン、直鎖状ポリエチレンイミン、カチオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリ塩化ジアリルジメチルアンモニウム、ポリ(アリルアミン)、ポリ(アリルアミン)塩酸塩、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(アクリルアミド−コ−ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、またはそれらの任意の組合せを含む。限定するものではないが、水素結合を有する好適なポリマーの実施例は、ポリエチレンオキサイド、ポリグリシドール、ポリプロピレンオキシド、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアリルアミン、分岐ポリエチレン、直鎖状ポリエチレンイミン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、それらの共重合体、またはそれらの任意の組合せを含む。実施形態では、カチオン性材料は、ポリエチレンオキサイド、ポリグリシドール、またはそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施形態では、カチオン性材料はポリエチレンオキサイドである。実施形態では、カチオン性材料はポリグリシドールである。実施形態では、水素結合を有するポリマーは、中性のポリマーである。さらに、限定するものではないが、コロイド粒子は、有機および/または無機材料である。さらに、限定するものではないが、コロイド粒子の実施例は、クレー、層状複水酸化物、無機水酸化物、シリコン系ポリマー、ポリオリゴマーシルセスキオキサン、カーボンナノチューブ、グラフェン、またはこれらの任意の組合せを含む。限定するものではないが、好適な層状複水酸化物の実施例は、ハイドロタルサイト、マグネシウムLDH、アルミニウムLDH、またはそれらの任意の組合せを含む。塩は、多層薄膜コーティング方法での使用に適する任意の塩を含むことができる。実施形態では、塩は、ホフマイスター系列のカチオンからなる塩を含む。実施形態では、塩は、NH
4+、Κ
+、Na
+、Li
+、Mg
2+、Ca
2+、Rb
+、Cs
+、N(CH
3)
4+、またはそれらの任意の組合せのイオンからなる塩を含む。実施形態では、塩は、K
+、Na
+、またはそれらの任意の組合せのイオンからなる塩を含む。実施形態では、塩は、K
+のイオンからなる塩を含む。他の実施形態では、塩は、Na
+のイオンからなる塩を含む。実施形態は、NaCl、KCl、またはそれらの任意の組合せからなる塩を含む。いくつかの実施形態では、塩はNaClを含む。他の実施形態では、塩はKClを含む。塩は、溶液中約1ミリモル〜溶液中約10ミリモル、あるいは溶液中約5ミリモル〜溶液中約10ミリモル、あるいは、溶液中約1ミリモル〜溶液中約100ミリモル、の濃度である。
【0015】
実施形態では、正(または中性)および負の層が任意の好適な方法によってエラストマー基材上に堆積される。実施形態は、正(または中性)および負の層を、任意の好適な液体堆積方法によってエラストマー基材上に堆積させることを含む。限定するものではないが、好適な方法の実施例は、バスコーティング、スプレーコーティング、スロットコーティング、スピンコーティング、カーテンコーティング、グラビアコーティング、リバースロールコーティング、ナイフオーバーロール(すなわち、ギャップ)コーティング、計量(メイヤー)ロッドコーティング、エアナイフコーティング、またはこれらの任意の組合せを含む。バスコーティングは、液浸または浸漬を含む。実施形態では、正(または中性)および負の層は、バスによって堆積される。他の実施形態では、正および負の層は、スプレーによって堆積される。
【0016】
実施形態では、多層薄膜コーティング方法は、アニオン性およびカチオン性層の2対を提供し、その2対は4重層を含む。実施形態では、多層薄膜コーティング方法は、アニオン性層のうちの1つおよび/またはカチオン性層の1つを中性層として提供する。実施形態は、エラストマー基材上に複数の4重層を製造する多層薄膜コーティング方法を含む。
図1は、4重層10のコーティング65を有するエラストマー基材5の実施形態を示す。
図1に示されるコーティングされたエラストマー基材5を製造する実施形態では、多層薄膜コーティング方法は、エラストマー基材5をカチオン性混合物内のカチオン性分子に曝して、エラストマー基材5上に第1のカチオン性層25を製造することを含む。カチオン性混合物は、第1の層のカチオン性材料20を含む。実施形態では、第1の層のカチオン性材料20は、正に帯電している、および/または中性である。実施形態では、第1の層のカチオン性材料20は、中性である。いくつかの実施形態では、第1の層のカチオン性材料20は、中性電荷を有する水素結合を有するポリマーである。実施形態は、ポリエチレンオキサイドを含む第1の層のカチオン性材料20を含む。限定するものではないが、中性の材料(すなわち、ポリエチレンオキサイド)を含む第1の層のカチオン性材料20は、所望の収量を提供することができる。そのような実施形態では、エラストマー基材5は、負に帯電している、または中性である。実施形態は、負の電荷を有するエラストマー基材5を含む。限定するものではないが、負に帯電したエラストマー基材5は、所望の接着を提供する。カチオン性混合物は、第1の層のカチオン性材料20の水溶液を含む。この水溶液は、任意の好適な方法によって作成することができる。実施形態では、水溶液は、第1の層のカチオン性材料20および水を含む。他の実施形態では、第1の層のカチオン性材料20は、混合溶媒に溶解することができ、その溶媒の1つは水であり、他の溶媒は水と混和可能である(例えば、水、メタノールなど)。溶液はまた、正に帯電している場合にポリマーと組み合わせて、または単独で、コロイド粒子を含むことができる。任意の好適な水を使用することができる。実施形態では、水は、脱イオン水である。いくつかの実施形態では、水溶液は、約0.05重量%の第1の層のカチオン性材料20〜約1.50重量%の第1の層のカチオン性材料20、あるいは約0.01重量%の第1の層のカチオン性材料20〜約2.00重量%の第1の層のカチオン性材料20、さらにあるいは約0.001重量%の第1の層のカチオン性材料20〜約20.0重量%の第1の層のカチオン性材料20、を含むことができる。実施形態では、エラストマー基材5は、カチオン性混合物に任意の好適な期間にわたって曝され、第1のカチオン性層25が製造される。実施形態では、エラストマー基材5は、カチオン性混合物に、約1秒〜約20分、あるいは約1秒〜約200秒、あるいは約10秒〜約200秒、さらにあるいはほぼ瞬時〜約1,200秒、あるいは約1秒〜約5秒、あるいは約4秒〜約6秒、さらにあるいは約5秒、にわたって曝される。実施形態では、エラストマー基材5は、カチオン性混合物に約4秒〜約6秒にわたって曝される。限定するものではないが、カチオン性混合物へのエラストマー基材5の露出時間およびカチオン性混合物内の第1の層のカチオン性材料20の濃度は、第1のカチオン性層25の厚みに影響する。例えば、第1の層のカチオン性材料20の濃度がより高く、露出時間がより長く、なると、多層薄膜コーティング方法によって製造される第1のカチオン性層25がより厚くなる。
【0017】
実施形態では、第1のカチオン性層25を形成後、多層薄膜コーティング方法は、製造された第1のカチオン性層25を有するエラストマー基材5をカチオン性混合物から取り除き、その後、第1のカチオン性層25を有するエラストマー基材5をアニオン性混合物内のアニオン性分子に曝して、第1のカチオン性層25上に第1のアニオン性層30を製造することを含む。アニオン性混合物は、第1の層の積層可能材料15を含む。第1の層の積層可能材料15は、負に帯電している、および/または中性である。限定するものではないが、正または中性の第1のカチオン性層25は、アニオン性分子を引き付け、第1のカチオン性層25および第1のアニオン性層30からなるカチオン性(または中性)−アニオン性対を形成する。アニオン性混合物は、第1の層の積層可能材料15の水溶液を含む。実施形態では、第1の層の積層可能材料15は、ポリアクリル酸を含む。水溶液は、任意の好適な方法で作成することができる。実施形態では、水溶液は、第1の層の積層可能材料15および水を含む。第1の層の積層可能材料15はまた、混合溶媒に溶解することができ、この溶媒の1つは水であり、他の溶媒は水と混和可能である(例えば、エタノール、メタノールなど)。アニオン性ポリマーとコロイド粒子との組合せは、水溶液内に存在することができる。任意の好適な水を使用することができる。実施形態では、水は脱イオン水である。いくつかの実施形態では、水溶液は、約0.05重量%の第1の層の積層可能材料15〜約1.50重量%の第1の層の積層可能材料15、あるいは約0.01重量%の第1の層の積層可能材料15〜約2.00重量%の第1の層の積層可能材料15、さらにあるいは約0.001重量%の第1の層の積層可能材料15〜約20.0重量%の第1の層の積層可能材料15、を含むことができる。実施形態では、第1のカチオン性層25を備えるエラストマー基材5は、アニオン性混合物に任意の好適な期間にわたって曝され、第1のアニオン性層30を製造することができる。実施形態では、第1のカチオン性層25を有するエラストマー基材5は、アニオン性混合物に、約1秒〜約20分、あるいは約1秒〜約200秒、あるいは約10秒〜約200秒、さらにあるいはほぼ瞬時〜約1,200秒、あるいは約1秒〜約5秒、あるいは約4秒〜約6秒、さらにあるいは約5秒、にわたって曝される。実施形態では、第1のカチオン性層25を有するエラストマー基材5は、アニオン性混合物に約4秒〜約6秒にわたって曝される。限定されるものではないが、アニオン性混合物への第1のカチオン性層25を有するエラストマー基材5の露出時間およびアニオン性混合物内の第1の層の積層可能材料15の濃度は、第1のアニオン性層30の厚みに影響する。例えば、第1の層の積層可能材料15の濃度がより高く、露出時間がより長くなると、多層薄膜コーティング方法によって製造される第1のアニオン性層30がより厚くなる。
【0018】
図1にさらに示される実施形態では、第1のアニオン性層30の形成後、多層薄膜コーティング方法は、製造された第1のカチオン性層25および第1のアニオン性層30を有するエラストマー基材5をアニオン性混合物から取り除き、その後、第1のカチオン性層25および第1のアニオン性層30を有するエラストマー基材5をカチオン性混合物内のカチオン性分子に曝して、第1のアニオン性層30上に第2のカチオン性層35を製造することを含む。カチオン性混合物は、第2の層のカチオン性材料75を含む。実施形態では、第2の層のカチオン性材料75は、正に帯電している、および/または中性である。実施形態では、第2の層のカチオン材料75は正である。いくつかの実施形態では、第2の層のカチオン性材料75は、ポリエチレンイミンを含む。カチオン性混合物は、第2の層のカチオン性材料75の水溶液を含む。水溶液は、任意の好適な方法で作成することができる。実施形態では、水溶液は、第2の層のカチオン性材料75および水を含む。他の実施形態では、第2の層のカチオン性材料75は、混合溶媒内に溶解することができ、溶媒の1つが水であり、他の溶媒は、水と混和可能である(例えば、水、メタノールなど)。溶液はまたは、正に帯電している場合にポリマーと組み合わせて、または単独で、コロイド粒子を含むことができる。任意の好適な水を使用することができる。実施形態では、水は脱イオン水である。いくつかの実施形態では、水溶液は、約0.05重量%の第2の層のカチオン性材料75〜約1.50重量%の第2の層のカチオン性材料75、あるいは約0.01重量%の第2の層のカチオン性材料75〜約2.00重量%の第2の層のカチオン性材料75、さらにあるいは約0.001重量%の第2の層のカチオン性材料75〜約20.0重量%の第2の層のカチオン性材料75、を含むことができる。実施形態では、第1のカチオン性層25および第1のアニオン性層30を備えるエラストマー基材5は、カチオン性混合物に任意の好適な期間にわたって曝され、第2のカチオン性層35を製造することができる。実施形態では、第1のカチオン性層25および第1のアニオン性層30を有するエラストマー基材5は、カチオン性混合物に、約1秒〜約20分、あるいは約1秒〜約200秒、あるいは約10秒〜約200秒、さらにあるいはほぼ瞬時〜約1,200秒、あるいは約1秒〜約5秒、あるいは約4秒〜約6秒、さらにあるいは約5秒、にわたって曝される。実施形態では、第1のカチオン性層25および第1のアニオン性層30を有するエラストマー基材5は、カチオン性混合物に、約4秒〜約6秒にわたって曝される。
【0019】
実施形態では、第2のカチオン性層35を形成後、多層薄膜コーティング方法は、製造された第1のカチオン性層25、第1のアニオン性層30、および第2のカチオン性層35を備えるエラストマー基材5をカチオン性混合物から取り除き、その後、第1のカチオン性層25、第1のアニオン性層30、および第2のカチオン性層35を有するエラストマー基材5をアニオン性混合物内のアニオン性分子に曝して、第2のカチオン性層35上に第2のアニオン性層40を製造することを含む。アニオン性混合物は、第2の層の積層可能材料70を含む。限定するものではないが、正または中性の第2のカチオン性層35は、アニオン性分子を引き付け、第2のカチオン性層35および第2のアニオン性層40からなるカチオン性(または中性)−アニオン性対を形成する。アニオン性混合物は、第2の層の積層可能材料70の水溶液を含む。実施形態では、第2の層の積層可能材料70は、クレーを含む。実施形態は、ナトリウムモンモリロナイトを含むクレーを含む。水溶液は、任意の好適な方法で作成することができる。実施形態では、水溶液は、第2の層の積層可能材料70および水を含む。第2の層の積層可能材料70はまた、混合溶媒に溶解することができ、溶媒の1つは水であり、他の溶媒は、水と混和可能である(例えば、エタノール、メタノールなど)。アニオン性ポリマーおよびコロイド粒子の組合せは、水溶液中に存在することができる。任意の好適な水を使用することができる。実施形態では、水は脱イオン水である。いくつかの実施形態では、水溶液は、約0.05重量%の第2の層の積層可能材料70〜約1.50重量%の第2の層の積層可能材料70、あるいは約0.01重量%の第2の層の積層可能材料70〜約2.00重量%の第2の層の積層可能材料70、さらにあるいは約0.001重量%の第2の層の積層可能材料70〜約20.0重量%の第2の層の積層可能材料70、を含むことができる。実施形態では、第1のカチオン性層25、第1のアニオン性層30、および第2のカチオン性層35を有するエラストマー基材5は、アニオン性混合物に任意の好適な期間にわたって曝され、第2のアニオン性層40を製造することができる。実施形態では、第1のカチオン性層25、第1のアニオン性層30、および第2のカチオン性層35を有するエラストマー基材5は、アニオン性混合物に、約1秒〜約20分、あるいは約1秒〜約200秒、あるいは約10秒〜約200秒、さらにあるいはほぼ瞬時〜約1,200秒、あるいは約1秒〜約5秒、あるいは約4秒〜約6秒、さらにあるいは約5秒、にわたって曝される。実施形態では、第1のカチオン性層25、第1のアニオン性層30、および第2のカチオン性層35を有するエラストマー基材5は、アニオン性混合物に、約4秒〜約6秒にわたって曝される。このように、4重層10は、エラストマー基材5上に製造される。
図1に示される実施形態では、エラストマー基材5は、1層の4重層10を有し、コーティング65は、4重層10を含む。実施形態では、4重層10は、第1のカチオン性層25、第1のアニオン性層30、第2のカチオン性層35、および第2のアニオン性層40を含む。
【0020】
図2に示される実施形態では、コーティング65はまた、プライマー層45を含む。プライマー層45は、エラストマー基材5と4重層10の第1のカチオン性層25との間に配置され、プライマー層45は、任意の数の層を有することができる。実施形態では、エラストマー基材5の近くのプライマー層45の層は、エラストマー基材5に引き付けられる電荷を有し、第1のカチオン性層25に近いプライマー層45の層は、第1のカチオン性層25に引き付けられる電荷を有する。
図2に示される実施形態では、プライマー層45は、第1のプライマー層80および第2のプライマー層85を有する2重層である。そのような実施形態では、第1のプライマー層80は、第1のプライマー層の材料60を含むカチオン性層(または、あるいは中性)であり、第2のプライマー層85は、第2のプライマー―層の材料90を含むアニオン性層(または、あるいは中性)である。第1のプライマー層の材料60は、カチオン性材料を含む。実施形態では、第1のプライマー層の材料60は、ポリエチレンイミンを含む。第2のプライマー層の材料90は、積層可能材料を含む。実施形態では、第2のプライマー層の材料90は、ポリアクリル酸を含む。他の実施形態(図示せず)では、プライマー層45は、2層以上の2重層を有する。実施形態では、多層薄膜コーティング方法は、ポリエチレンイミンを含むプライマー層45、ポリエチレンオキサイドを含む第1のカチオン性層25、ポリアクリル酸を含む第1のアニオン性層30、ポリエチレンイミンを含む第2のカチオン性層35、およびクレー(例えば、バーミキュライト)を含む第2のアニオン性層40を有するコーティング65を提供する。
【0021】
図2に示されるような実施形態では、第1のプライマー層の材料60は、任意の好適なカチオン性材料を含む。いくつかの実施形態では、第1のプライマー層の材料60は、中性である1つ以上のカチオン性材料を含む。カチオン性材料は、ポリマー、コロイド粒子、ナノ粒子、塩、またはそれらの任意の組合せを含む。ポリマーは、カチオン性ポリマー、水素結合を有するポリマー、またはそれらの任意の組合せを含む。限定するものではないが、好適なカチオン性ポリマーの実施例は、分岐ポリエチレン、直鎖状ポリエチレンイミン、カチオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリ塩化ジアリルジメチルアンモニウム、ポリ(アリルアミン)、ポリ(アリルアミン)塩酸塩、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(アクリルアミド−コ−ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、またはそれらの任意の組み合わせを含む。実施形態では、第1のプライマー層の材料60は、ポリエチレンイミンを含む。限定するものではないが、水素結合を有する好適なポリマーの実施例は、ポリエチレンオキサイド、ポリグリシドール、ポリプロピレンオキシド、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアリルアミン、分枝ポリエチレン、直鎖状ポリエチレンイミン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、それらの共重合体、またはそれらの任意の組合せを含む。実施形態では、カチオン性材料は、ポリエチレンオキサイド、ポリグリシドール、またはそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施形態では、カチオン性材料は、ポリエチレンオキサイドである。実施形態では、カチオン性材料は、ポリグリシドールである。実施形態では、水素結合を有するポリマーは、中性のポリマーである。さらに、限定するものではないが、コロイド粒子は、有機および/または無機材料である。さらに、限定するものではないが、コロイド粒子の実施例は、クレー、層状複水酸化物、無機水酸化物、シリコン系ポリマー、ポリオリゴマーシルセスキオキサン、カーボンナノチューブ、グラフェン、またはそれらの任意の組合せを含む。限定するものではないが、好適な層状複水酸化物は、ハイドロタルサイト、マグネシウムLDH、アルミニウムLDH、またはそれらの任意の組合せを含む。塩は、多層薄膜コーティング方法での使用に適する任意の塩を含むことができる。実施形態では、塩は、ホフマイスター系列のカチオンからなる塩を含む。実施形態では、塩は、NH4
+、K
+、Na
+、Li
+、Mg
2+、Ca
2+、Rb
+、Cs
+、N(CH
3)
4+、またはそれらの任意の組合せのイオンからなる塩を含む。実施形態では、塩は、K
+、Na
+、またはそれらの組合せのイオンからなる塩を含む。実施形態では、塩は、K
+のイオンからなる塩を含む。他の実施形態では、塩は、Na
+のイオンからなる塩を含む。実施形態は、NaCl、KCl、またはそれらの任意の組合せからなる塩を含む。いくつかの実施形態では、塩はNaClを含む。他の実施形態では、塩はKClを含む。塩は、溶液中約1ミリモル〜溶液中約10ミリモル、あるいは溶液中約5ミリモル〜溶液中約10ミリモル、あるいは溶液中約1ミリモル〜溶液中約100ミリモルの濃度である。
【0022】
図2に示される実施形態はまた、任意の好適な積層可能材料を含む第2のプライマー層の材料90を含む。いくつかの実施形態では、第2のプライマー層の材料90は、中性であり、中性電荷を有するアニオン性層を提供する。実施形態では、1つ以上のアニオン性層は中性である。積層可能材料は、アニオン性ポリマー、コロイド粒子、塩、またはそれらの任意の組合せを含む。限定するものではないが、好適なアニオン性ポリマーの実施例は、ポリスチレンスルホン酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリ(アクリル酸、ナトリウム塩)、ポリアネトールスルホン酸ナトリウム塩、ポリ(ビニルスルホン酸、ナトリウム塩)、またはそれらの任意の組合せを含む。さらに、限定するものではないが、コロイド粒子は、有機および/または無機材料を含む。さらに、限定するものではないが、コロイド粒子の実施例は、クレー、コロイド状シリカ、無機水酸化物、シリコン系ポリマー、ポリオリゴマーシルセスキオキサン、カーボンナノチューブ、グラフェン、またはそれらの任意の組合せを含む。アニオン性溶液での使用に適する任意のタイプのクレーを使用することができる。限定するものではないが、好適なクレーの実施例は、ナトリウムモンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、ワイオミングベントナイト、バーミキュライト、ハロイサイト、またはそれらの任意の組合せを含む。実施形態では、クレーはバーミキュライトである。いくつかの実施例では、クレーはナトリウムモンモリロナイトである。気体または蒸気の透過に対して抑制を提供することができる任意の無機水酸化物を使用することができる。実施形態では、無機水酸化物は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、またはそれらの任意の組合せを含む。塩は、多層薄膜コーティング方法での使用に適する任意の塩を含むことができる。実施形態では、塩は、ホフマイスター系列のアニオンからなる塩を含む。実施形態では、塩は、CO
32-、F
-、SO
42-、H
2ΡO
42-、C
2H
3O
2-、Cl
-、NO
3-、BR
-、Cl0
3-、I
-、ClO
4-、SCN
-、S
2O
32-、またはそれらの任意の組合せのイオンからなる塩を含む。実施形態では、塩は、Cl
-のイオンを含む。塩は、溶液中約1ミリモル〜溶液中約10ミリモル、あるいは溶液中約5ミリモル〜溶液中約10ミリモル、あるいは溶液中約1ミリモル〜溶液中約100ミリモル、さらにあるいは溶液中約0.1ミリモル〜溶液中約100ミリモルの濃度である。
【0023】
図2に示されるさらなる実施形態では、多層薄膜コーティング方法は、エラストマー基材5をカチオン性混合物内のカチオン性分子に曝して、エラストマー基材5上に第1のプライマー層80を製造することを含む。カチオン性混合物は、第1のプライマー層の材料60を含む。実施形態では、第1のプライマー層の材料60は、正に帯電している、および/または中性である。
【0024】
実施形態では、カチオン性混合物は、第1のプライマー層の材料60の水溶液を含む。水溶液は、任意の好適な方法で作成することができる。実施形態では、水溶液は、第1のプライマー層の材料60および水を含む。他の実施形態では、第1のプライマー層の材料60は、混合溶媒に溶解することができ、溶媒の1つは水であり、他の溶媒は、水と混和可能である(例えば、水、メタノールなど)。溶液はまた、正に帯電している場合にポリマーと組み合わせて、または単独で、コロイド粒子を含むことができる。任意の好適な水を使用することができる。実施形態では、水は脱イオン水である。いくつかの実施形態では、水溶液は、約0.1重量%の第1のプライマー層の材料60〜約1.0重量%の第1のプライマー層の材料60を含むことができる、あるいは約0.05重量%の第1のプライマー層の材料60〜約1.50重量%の第1のプライマー層の材料60、あるいは約0.01重量%の第1のプライマー層の材料60〜約2.00重量%の第1のプライマー層の材料60、さらにあるいは約0.001重量%の第1のプライマー層の材料60〜約20.0重量%の第1のプライマー層の材料60、を含むことができる。実施形態では、水溶液は、約0.1重量%の第1のプライマー層の材料60〜約1.0重量%の第1のプライマー層の材料60を含むことができる。実施形態では、エラストマー基材5は、カチオン性混合物に任意の好適な期間にわたって曝され、第1のプライマー層80を製造することができる。実施形態では、エラストマー基材5は、約1秒〜約20分、あるいは約1秒〜約200秒、あるいは約10秒〜約200秒、さらにあるいはほぼ瞬時〜約1,200秒、あるいは約1秒〜約5秒、あるいは約4秒〜約6秒、さらにあるいは約5秒、にわたって曝される。実施形態では、エラストマー基材5は、カチオン性混合物に約4秒〜約6秒にわたって曝される。
【0025】
図2に示される実施形態では、第1のプライマー層80の形成後、多層薄膜コーティング方法は、製造された第1のプライマー層80を有するエラストマー基材5をカチオン性混合物から取り除き、その後、第1のプライマー層80を備えるエラストマー基材5をアニオン性混合物内のアニオン性分子に曝して、第1のプライマー層80上に第2のプライマー層85を製造することを含む。アニオン性混合物は、第2のプライマー層の材料90を含む。アニオン性混合物は、第2のプライマー層の材料90の水溶液を含む。水溶液は、任意の好適な方法で作成することができる。実施形態では、水溶液は、第2のプライマー層の材料90および水を含むことができる。第2のプライマー層の材料90はまた、混合溶媒に溶解することができ、溶媒の1つは水であり、他の溶媒は水と混和可能である(例えば、エタノール、メタノールなど)。アニオン性ポリマーおよびコロイド粒子の組合せは、水溶液中に存在することができる。任意の好適な水を使用することができる。実施形態では、水は脱イオン水である。いくつかの実施形態では、水溶液は、約0.1重量%の第2のプライマー層の材料90〜約1.0重量%の第2のプライマー層の材料90を含むことができる、あるいは約0.05重量%の第2のプライマー層の材料90〜約1.50重量%の第2のプライマー層の材料90、あるいは約0.01重量%の第2のプライマー層の材料90〜約2.00重量%の第2のプライマー層の材料90、さらにあるいは約0.001重量%の第2のプライマー層の材料90〜約20.0重量%の第2のプライマー層の材料90、を含むことができる。実施形態では、第1のプライマー層80を有するエラストマー基材5は、アニオン性混合物に任意の好適な期間にわたって曝され、第2のプライマー層85を製造することができる。実施形態では、第1のプライマー層80を有するエラストマー基材5は、アニオン性混合物に、約1秒〜約20分、あるいは約1秒〜約200秒、あるいは約10秒〜約200秒、さらにあるいはほぼ瞬時〜約1,200秒、あるいは約1秒〜約5秒、あるいは約4秒〜約6秒、さらにあるいは約5秒、にわたって曝される。実施形態では、エラストマー基材5は、アニオン性混合物に約4秒〜約6秒にわたって曝される。プライマー層45を有するエラストマー基材5は、次にアニオン性混合物から取り除かれ、その後、多層薄膜コーティング方法は、4重層10の製造に進む。
【0026】
図3に示される実施形態では、4重層10を有する基材5に露出ステップが繰り返され、カチオン性混合物とそれに続くアニオン性混合物とに連続して曝されて、複数層の4重層10を有するコーティング65が製造される。カチオン性混合物とそれに続くアニオン性混合物への反復する露出は、所望の層数の4重層10が製造されるまで継続することができる。コーティング65は、ガスまたは蒸気の透過に対して所望の抑制を有するエラストマー基材5が得られるように、任意の十分な層数の4重層10を有することができる。実施形態では、コーティング65は、約1層の4重層10〜約40層の4重層10、あるいは、約1層の4重層10〜約1,000層の4重層10を有する。
【0027】
実施形態は、約0.005cc/(m
2*日*atm)〜約5,000cc/(m
2*日*atm)、あるいは約0.005cc/(m
2*日*atm)〜約1,000cc/(m
2*日*atm)、あるいは約0.03cc/(m
2*日*atm)〜約100cc/(m
2*日*atm)、さらにあるいは約0.3cc/(m
2*日*atm)〜約100cc/(m
2*日*atm)、さらにあるいは約3cc/(m
2*日*atm)〜約30cc/(m
2*日*atm)の気体透過率を有するコーティングされたエラストマー基材5を提供する多層薄膜コーティング方法を含む。
【0028】
多層薄膜コーティング方法は、カチオン性混合物に続いてアニオン性混合物に曝すことに限定されないことを理解されたい。エラストマー基材5が正に帯電している、または中性である実施形態では、多層薄膜コーティング方法は、エラストマー基材5をアニオン性混合物に曝すことに続いてカチオン性混合物に曝すことを含む。そのような実施形態(図示せず)では、第1のアニオン性層30をエラストマー基材5上に堆積し、第1のアニオン性層30上に第1のカチオン性層25を堆積し、第2のアニオン性層40を第1のカチオン性層25に堆積後、第2のアニオン性層40上に第2のカチオン性層35を堆積して4重層10を製造し、コーティング65が所望の厚みを有するまで、それらのステップを繰り返す。エラストマー基材5が中性電荷を有する実施形態では、多層薄膜コーティング方法は、カチオン性混合物に曝すことから始まり、続いてアニオン性混合物に曝すことを含むことができる、またはアニオン性混合物に曝すことから始まり、続いてカチオン性混合物に曝すことを含むことができる。
【0029】
実施形態(図示せず)では、4重層10は、1つのタイプを超えるカチオン性材料からなる1つ以上のカチオン性層(すなわち、第1のカチオン性層25、第2のカチオン性層35、プライマー層45内のカチオン性層)を有することができる。実施形態(図示せず)では、4重層10は、1つのタイプを超えるアニオン性材料からなる1つ以上のアニオン性層(すなわち、第1のアニオン性層30、第2のアニオン性層40、プライマー層45内のアニオン性層)を有することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のカチオン性層は同じ材料から作られる、かつ/または、1つ以上のアニオン性層は同じアニオン性材料から作られる。コーティング65は、1つの積層可能材料に限定されるものではなく、1つを超える積層可能材料および/または1つを超えるカチオン性材料を含むことができる。
【0030】
図7は、複数層の2重層50からなるコーティング65を有するエラストマー基材5の実施形態を示す。多層薄膜コーティング方法は、上記の
図1〜3に示される実施形態によってコーティングされたエラストマー基材5を製造することを理解されたい。
図7に示されるように、各2重層50は、カチオン性層95およびアニオン性層100を有する。示された実施形態では、カチオン性層95はカチオン性材料105を有し、アニオン性層100は積層可能材料110を有する。示された実施形態では、多層薄膜コーティング方法は、上述の実施形態に従って、カチオン性混合物に続いてアニオン性混合物に曝すことにより、コーティング65を製造する。実施形態では、2重層50は、ポリエチレンオキサイドまたはポリグリシドールを含むカチオン性材料105を有し、積層可能材料110はクレーを含む。実施形態では、クレーはバーミキュライトである。いくつかの実施形態では、2重層50は、ポリエチレンオキサイド、ポリグリシドール、またはそれらの任意の組合せを含むカチオン性材料105と、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、またはそれらの任意の組合せを含む積層可能材料110と、を有する。
【0031】
2重層50を有するコーティング65を有するエラストマー基材5を作成するための多層薄膜コーティング方法は、カチオン性混合物に続いてアニオン性混合物に曝すことに限定されないことを理解されたい。エラストマー基材5が正に帯電している実施形態では、多層薄膜コーティング方法は、エラストマー基材5を、アニオン性混合物に曝すことに続いてカチオン性混合物に曝すことを含む。そのような実施形態(図示せず)では、アニオン性層100をエラストマー基材5上に堆積し、アニオン性層100上にカチオン性層95を堆積して2重層50を製造し、コーティング65が所望の厚みを有するまで、それらのステップを繰り返す。エラストマー基材5が中性電荷を有する実施形態では、多層薄膜コーティング方法は、カチオン性混合物に曝すことで始まり、続いてアニオン性混合物に曝すことを含むことができる、またはアニオン性混合物に曝すことで始まり、続いてカチオン性混合物に曝すことを含むことができる。
【0032】
コーティング65は、1つの積層可能材料110および/または1つのカチオン性材料15に限定されるものではなく、1つを超える積層可能材料110および/または1つを超えるカチオン性材料105を含むことができることをさらに理解されたい。異なる積層可能材料110は、同じアニオン性層100上に、アニオン性層100と交互に、または2重層50の層内に(すなわち、または3重層もしくはさらに多重の層の層内に)、配置することができる。異なるカチオン性材料105は、同じカチオン性層95上に、カチオン性層95と交互に、または2重層50の層内に(すなわち、または3重層もしくはより多重の層の層内に)、配置することができる。例えば、
図8〜10に示された実施形態では、コーティング65は、2つのタイプの積層可能材料110,110’を含む(すなわち、積層可能材料110がナトリウムモンモリロナイトであり、積層可能材料110’が水酸化アルミニウムである)。
図8〜10において、エラストマー基材5が単に例示の目的のために示されていないことを理解されたい。
図8は、積層可能材料110、110’が2重層50の異なる層内に存在する実施形態を示す。例えば、
図8に示されるように、積層可能材料110’は、積層可能材料110をエラストマー基材(図示せず)上に堆積した後に、上部の2重層50内に堆積される。
図9は、コーティング65が、交互する2重層50内に積層可能材料110、110’を有する実施形態を示す。
図9では、単に例示の目的のためにカチオン性材料105が示されていないことを理解されたい。
図10は、粒子(積層可能材料110,110’)およびカチオン性材料105、105’(例えば、ポリマー)からなる2つのタイプの2重層50が存在する実施形態を示す。
【0033】
図7〜10は、プライマー層45を有するコーティング65を示していない。2重層50を有するコーティング65の実施形態はまた、プライマー層45を有することができることを理解されたい。3重層、5重層などを有するコーティング65の実施形態(図示せず)はまた、プライマー層45を有することができる。
【0034】
多層薄膜コーティング方法は、3重層、5重層、およびさらに多重の層のコーティング65を、2重層50および4重層10について上述された実施形態によって、製造することを理解されたい。コーティング65は、複数の2重層50、3重層、4重層10、5重層、6重層、7重層、8重層、またはそれ以上の多重層のみに限定されるものでないことを理解されたい。実施形態では、コーティング65は、そのような層の任意の組合せを有することができる。
【0035】
コーティング65が3重層を含むいくつかの実施形態では、3重層は、ポリエチレンイミンを含む第1のカチオン性層、ポリエチレンオキサイドまたはポリグリシドールを含む第2のカチオン性層、およびクレーを含むアニオン性層、を含む。そのような実施形態では、第2のカチオン性層は、第1のカチオン性層とアニオン性層との間に配置される。コーティング65が3重層を含む別の実施形態では、3重層は、ポリエチレンイミンを含む第1のカチオン性層、クレーを含むアニオン性層、およびポリエチレンオキサイドまたはポリグリシドールを含む第2のカチオン性層、を含む。そのような実施形態では、アニオン性層は、第1のカチオン性層と第2のカチオン性層との間に配置される。コーティング65が3重層を含むいくつかの実施形態では、3重層は、ポリエチレンオキサイドまたはポリグリシドールを含むカチオン性層、ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸を含む第1のアニオン性層、およびナトリウムモンモリロナイトを含む第2のアニオン性層、を含む。そのような実施形態では、第1のアニオン性層は、カチオン性層と第2のアニオン性層との間に配置される。
【0036】
いくつかの実施形態では、多層薄膜コーティング方法は、各回の(または、あるいは1回おき以上の)露出ステップの間に(すなわち、カチオン性混合物に曝すステップの後、またはアニオン性混合物に曝すステップの後に)、エラストマー基材5をリンスすることを含む。例えば、エラストマー基材5をカチオン性混合物に曝すことから除去後、第1のカチオン性層25を備えるエラストマー基材5をリンスし、その後アニオン性混合物に曝す。いくつかの実施形態では、4重層10は、同じまたは別のカチオン性および/またはアニオン性混合物に曝される前にリンスされる。実施形態では、コーティング65がリンスされる。リンスは、エラストマー基材5および一切の層からイオン性液体の全部または一部を除去するのに適する任意のリンス液によって行われる。実施形態では、リンス液は、脱イオン水、メタノール、またはそれらの任意の組合せを含む。実施形態では、リンス液は脱イオン水である。層は、任意の好適な期間にわたってリンスされ、イオン性液体の全部または一部を除去することができる。実施形態では、層は、約5秒〜約5分の期間にわたってリンスされる。いくつかの実施形態では、層は、一部の露出ステップの後にリンスされる。
【0037】
実施形態では、多層薄膜コーティング方法は、コーティング65を備えるエラストマー基材5を、所望の露出ステップ後(すなわち、カチオン性混合物またはアニオン性混合物に曝すステップの後)に、塩溶液でリンスすることを含む。例えば、コーティング65をエラストマー基材5上に形成後、コーティング65を有するエラストマー基材5を塩溶液内でリンスする。塩溶液を使用するリンスは、リンス液体(すなわち、脱イオン水)を使用するリンスの前および/または後であってもよい。実施形態では、コーティング65を有するエラストマー基材5は、リンス液を使用してリンスする前に塩溶液を使用してリンスされる。塩は、多層薄膜コーティング方法での使用に適する任意の塩を含む。コーティング65の外側の層が中性または負である実施形態では(すなわち、アニオン性層、第2のアニオン性層、第3のアニオン性層など、コーティング65が2重層、3重層、4重層などであるかどうかに依存する)、塩は、ホフマイスター系列のアニオンからなる塩を含む。実施形態では、塩は、CO
32-、F
-、SO
42-、H
2ΡO
42-、C
2H
3O
2-、Cl
-、NO
3-、Br
-、Cl0
3-、I
-、ClO
4-、SCN
-、S
2O
32-、またはそれらの任意の組合せのイオンからなる塩を含む。実施形態では、塩はCl
-のイオンを含む。塩は、溶液中約1ミリモル〜溶液中約10ミリモル、あるいは溶液中約5ミリモル〜溶液中約10ミリモル、あるいは溶液中約1ミリモル〜溶液中約100ミリモル、さらにあるいは溶液中約0.1ミリモル〜溶液中約100ミリモルの濃度である。コーティング65の外側の層が中性または正である実施形態では(すなわち、カチオン性層、第2のカチオン性層、第3のカチオン性層など、コーティング65が2重層、3重層、4重層などであるかどうかに依存する)、塩は、ホフマイスター系列のカチオンからなる塩を含む。実施形態では、塩は、NH
4+、K
+、Na
+、Li
+、Mg
2+、Ca
2+、Rb
+、Cs
+、N(CH
3)
4+、またはそれらの任意の組合せのイオンからなる塩を含む。実施形態では、塩は、K+、Na+、またはそれらの任意の組合せからなる塩を含む。実施形態では、塩は、K
+のイオンからなる塩を含む。他の実施形態では、塩は、Na
+からなる塩を含む。実施形態は、NaCl、KCl、またはそれらの任意の組合せからなる塩を含む。いくつかの実施形態では、塩はNaClを含む。他の実施形態では、塩はKClを含む。塩は、溶液中約1ミリモル〜溶液中約10ミリモル、あるいは溶液中約5ミリモル〜溶液中約10ミリモル、あるいは溶液中約1ミリモル〜溶液中約100ミリモルの濃度である。代替の実施形態では、多層薄膜コーティング方法は、コーティング65を製造するための堆積プロセスの間に、1つ以上の層を塩溶液を使用してリンスすることを含む。いくつかの代替の実施形態では、塩溶液を使用して1つ以上の層をリンスすることは、同じまたは異なる塩溶液を使用して行われる。
【0038】
実施形態では、多層薄膜コーティング方法は、各回の(または、あるいは1回おき以上の)露出ステップ(すなわち、カチオン性混合物に曝すステップ、またはアニオン性混合物に曝すステップ)の間に、エラストマー基材5を乾燥させることを含む。例えば、エラストマー基材5をカチオン性混合物に曝すことから除去後、第1のカチオン性層25を有するエラストマー基材5を乾燥させ、その後アニオン性混合物に曝す。いくつかの実施形態では、4重層10を、同じまたは別のカチオン性および/またはアニオン性混合物に曝す前に乾燥させる。実施形態では、コーティング65を乾燥させる。乾燥は、乾燥ガスをエラストマー基材5に与えることにより行われる。乾燥ガスは、エラストマー基材5から液体の全部または一部を除去するのに好適である任意のガスを含むことができる。実施形態では、乾燥ガスは、空気、窒素、またはそれらの任意の組合せを含む。実施形態では、乾燥ガスは空気である。いくつかの実施形態では、空気はフィルター処理された空気である。乾燥は、任意の好適な期間にわたって行われ、任意の層(すなわち、4重層10)および/またはコーティング65から液体の全部または一部を除去することができる。実施形態では、乾燥は、約5秒〜約500秒の期間にわたる。多層薄膜コーティング方法が露出ステップの後のリンスを含む実施形態では、層をリンスの後で次の露出ステップへ曝す前に乾燥させる。代替の実施形態では、乾燥は、熱源を層(すなわち、4重層10)および/またはコーティング65に適用することを含む。例えば、実施形態では、エラストマー基材5は、オーブン内に十分な時間にわたって配置され、液体の全部または一部が層から除去される。いくつかの実施形態では、乾燥は、使用前の最終ステップとして、全ての層が堆積されるまで行われない。
【0039】
いくつかの実施形態(図示せず)では、薄膜コーティング方法は、添加物を含むコーティング65を含む。実施形態では、添加物は、アニオン性混合物内で積層可能材料と混合することができる。例えば、薄膜コーティング方法は、添加物を水溶液内で積層可能材料と混合することを含む、添加物を水溶液内でカチオン性材料と混合することを含む、またはそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施形態では、コーティング65は、添加物の層または複数の層を有する。添加物は、任意の所望の目的のために使用することができる。例えば、添加物は、エラストマー基材5の紫外線に対する保護のため、または耐摩耗性のため、に使用することができる。紫外線保護のためには、紫外線に対する保護およびコーティング65での使用に適する任意の負に帯電した材料を使用することができる。実施形態では、紫外線保護のために好適な添加物の実施例は、二酸化チタン、クレー、またはそれらの任意の組合せを含む。実施形態では、添加物は二酸化チタンである。紫外線保護のために適する任意のクレーを使用することができる。実施形態では、クレーはバーミキュライトである。耐摩耗性について、耐摩耗性およびコーティング65での使用に適する任意の添加物を使用することができる。実施形態では、耐摩耗性に好適である添加物の実施例は、架橋剤を含む。エラストマーでの使用に適する任意の架橋剤を使用することができる。実施形態では、架橋剤はコーティング65内の任意の物質と反応する任意の化学物質であり得る。限定するものではないが、架橋剤の実施例は、ブロモアルカン、アルデヒド、カルボジイミド、アミン活性エステル、またはそれらの任意の組合せを含む。実施形態では、アルデヒドは、グルタルアルデヒド、ジアルデヒド、またはそれらの任意の組合せを含む。実施形態では、アルデヒドはグルタルアルデヒドを含む。実施形態では、カルボジイミドは、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)である。実施形態は、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、イミドエステル、またはそれらの任意の組合せを含むアミン反応性エステルを含む。架橋剤は、アニオン性層および/またはカチオン性層を架橋するために(すなわち、互いに、またはそれら自体に)、使用することができる。いくつかの実施形態では、添加物は、コーティング65を設けた露出とは別の露出(すなわち、別の槽、スプレーなど)で添加される。
【0040】
いくつかの実施形態では、アニオン性および/またはカチオン性溶液のpHが調整される。理論によって限定されるものではないが、カチオン性溶液のpHを減少させることは、コーティング65の成長を減少させる。さらに、理論によって限定されるものではないが、カチオン性溶液が低くなったpH値で高い電荷密度を有することができることにより、ポリマー主鎖がそれ自体を扁平な状態に反発させることができるので、コーティング65の成長が減少する可能性がある。いくつかの実施形態では、pHが増加すると、コーティング65の成長が増加し、より厚いコーティング65が製造される。理論によって限定されるものではないが、カチオン性混合物内のより低い電荷密度は、コイル状のポリマーを増加させる。pHは、酸または塩基を追加することなどによる任意の好適な手段により、調整することができる。実施形態では、アニオン性溶液のpHは、約0〜約14の間、あるいは約1〜約7の間、およびあるいは約1〜約3の間、さらにあるいは約3、である。実施形態は、約0〜約14の間、あるいは約3〜約12の間、およびあるいは約3、であるカチオン性溶液のpHを含む。
【0041】
アニオン性およびカチオン性混合物内の露出ステップは、任意の好適な温度で行うことができる。実施形態では、露出ステップは周囲温度で行われる。
【0042】
いくつかの実施形態では、コーティング65は光学的に透明である。
【0043】
実施形態では、エラストマー基材5は、タイヤのゴム部分の一部または全部を含むことができる。そのような実施形態では、コーティング65は、気体(すなわち、酸素)、蒸気、および/または化学物質がタイヤを通過するのを制限するバリアを提供することができる。コーティング65を有するエラストマー基材5は、限定するものではないが、カ―カス、インナーライナーなどのようなタイヤの任意の好適な部分に使用することができる。実施形態では、タイヤのカ―カスは、コーティング65を有するエラストマー基材5を含む。
【0044】
本発明の様々な例示の実施形態をさらに示すために、以下の実施例を提供する。
【0045】
実施例1
材料。天然のナトリウムモンモリロナイト(MMT)(CLOISITE(登録商標)NA+、Southern Clay Products Inc.の登録商標である)クレーをそのまま使用した。個々のMMTの微小板は、脱イオン水中で負の表面を有し、2.86g/cm
3の密度、1nmの厚み、および(l/d)>200の公称アスペクト比が報告されている。分岐ポリエチレンイミン(PEI)(M
w=25,000g/mol、およびM
n=10,000g/mol)およびポリアクリル酸(PAA)(水中で35重量%、M
w=100,000g/mol)を、Sigma Aldrich(Milwaukee、WI)から購入し、そのまま使用した。ポリエチレンオキサイド(PEO)(Mw=4,000,000g/mol)をPolysciences Inc.(Warrington、PA)から購入した。厚さ500μm、片面研磨のシリコンウェハをUniversity Wafer(South Boston、MA)から購入し、エリプソメトリーによる膜成長特性評価のための反射基板として使用した。
【0046】
膜作成。全ての堆積混合物を、DIRECT−Q(登録商標)超純水システムからの18.2MΩの脱イオン水を使用して作成し、均一性を得るために1日(24時間)ローリングした。DIRECT−Q(登録商標)は、Millipore Corporationの登録商標である。堆積の前に、PEIの0.1重量%水溶液のpHを、1.0MのHClを使用して10または3に変え、PEOの0.1重量%水溶液のpHを、1.0MのHClを使用して3に変え、PAAの0.2重量%水溶液のpHを、1.0MのHClを使用して3に変え、MMTの2.0重量%水性懸濁液のpHを、1.0MのHClを使用して3に変えた。シリコンウェハを30分間にわたってピラニア処理後、水、アセトン、再び水でリンスし、最後に堆積の前にフィルター処理された空気を使用して乾燥させた。エラストマー基材を脱イオン水でリンスし、40℃の40重量%プロパノール水溶液の槽に5分間浸漬し、RT40重量%プロパノール水溶液でリンスし、脱イオン水でリンスし、フィルター処理された空気で乾燥させ、各側面を5分間にわたってプラズマ洗浄した。次に、それぞれの適切に処理された基板をpH10のPEI溶液に5分間にわたって浸漬し、脱イオン水でリンス後、フィルター処理された空気で乾燥させた。次に基板をPAA溶液に浸漬したとき、同じ手順に従った。この最初の2重層が堆積されると、所望の層数のPEO/PAA/PEI/MMTの4重層が得られるまで、上述の手順は、基板をPEO溶液、その後のPAA溶液、その後のpH3のPEI溶液、最後にMMT懸濁液に、ポリマー溶液については5秒間の浸漬時間を使用し、MMT懸濁液については1分間の浸漬時間を使用して浸漬するときに、繰り返した。全ての膜は、自作のロボット式浸漬システムを使用して作成された。
【0047】
膜特性評価。膜厚は、ALPHA−SE(登録商標)エリプソメーターを使用して、1層から5層の4重層ごとに測定した。ALPHA−SE(登録商標)は、J.A.Woollam Co.,Incの登録商標である。OTR試験は、ASTM D−3985に従い、0%RHでOxtran2/21ML機器を使用して、Mocon,Incで行われた。
【0048】
その結果から、
図4は、シリコンウェハ上に堆積させ、エリプソメトリーによって測定したときの、PEO/PAA/PEI/MMTの4重層の層数の関数としての厚みを示す。
図5は、1mmの厚みのゴム片上に堆積させたPEO/PAA/PEI/MMTの4重層の数の関数としての酸素透過率(OTR)の結果を示す。
図6は、コーティングの弾性を示し、左側の画像はゴム上の10層の4重層のコーティングであり、右側の画像は30%の歪みまで毎分20インチで延伸させた同じコーティングである。この右側の画像は、マッドクラックの徴候が示されず、延伸されたゴム表面までコーティングのコンフォマリティーが明らかになった。
【0049】
実施例2
カチオン性分岐ポリエチレンイミン(PEI)(Mw=25,000g/molおよびMn=10,000g/mol)およびアニオン性ポリ(アクリル酸)(PAA)(Mw=100,000g/mol)をSigma Aldrich(Milwaukee,WI)から購入した。ポリ(エチレンオキサイド)(PEO)(Mw=4,000,000g/mol)をPolysciences,Inc.(Warrington,PA)から購入した。0.1重量%のPEI、0.2重量%のPAA、または0.1重量%のPEOを含む水溶液のpHは、膜組立の前に1MのHClを使用して3に調整した。Southern Clay Products,Inc.(Gonzales,TX)から未処理のモンモリロナイト(MMT)(CLOISITE(登録商標)NA+)を得た。このクレーは、0.926meq/gのカチオン交換容量を有し、脱イオン水内で負に帯電した。MMTの微小板は、2.86g/cm3の密度、10〜1000nmの直径、および1nmの厚みを有していた。45ミクロンよりも大きいクレー粒子を含有しない天然のバーミキュライト(VMT)(MICROLITE(登録商標)963++)クレー分散液を使用した。MICROLITE(登録商標)は、W.R.Grace&Co.−Connの登録商標である。1重量%のクレー(MMTまたはVMTのいずれか)を含有する水性の懸濁液のpHも膜組立の前に1MのHClを使用して3に調整した。堆積の前に、ミニタイヤおよびある特定のブチルゴム片を、負の表面電荷を作成するBD−20Cコロナ処理装置(Electro−Technic Products,Inc.,Chicago)を使用して処理した。5分間の1MのHNO
3の処理もある特定のブチルゴム片に用い、その後他の方法と比較した。カ―カスゴム膜を脱イオン水でリンスし、40℃の40重量%のN−プロパノール(NP)内に5分間にわたって浸し、NPを使用してリンスし、再び水を使用してリンス後、フィルター処理された空気で乾燥させた。脱イオン水だけを使用してリンスしたカ―カスゴム膜も参照用として作成した。
【0050】
酸素透過率試験のために作成された全ての膜は、Mocom, Inc. (Minneapolis,MN)に送られ、ASTM D−3985,13に従い、Oxtran2/21ML機器を使用して試験された。OTR試験は、特に指定のない限り、40℃および0%RHで行われた。膜厚は、反射率計(フィルメトリクスF20−UV)を使用して、シリコンウェハ上で測定される。薄膜トモグラフィは、JEOL JSM−7500F FE−SEMを使用して画像化された。
【0051】
カ―カスゴム片へのディップコーティングは、自作のロボット浸漬システムを使用して作成された。ゴム片の表面は、Diener Electronic ATTOプラズマシステム(Thierry Corporation,Detroit,MIから購入した)を25Wで5分間にわたって使用し、プラズマで洗浄した。PEI/PAAプライマー層の堆積時間は5分間であった、この時間は、通常の4重層の堆積を目的として1分間に縮小された。リンスおよび乾燥は、堆積の間で実施される。スプレーの研究は、Svaya Nanotechnologies製の改造されたスプレーロボットで実施された。プライマー層のスプレー堆積時間は10秒間であり、それに5秒間の休止が続いた。この時間は、通常の4重層の堆積を目的として3秒間に縮小され、それに層間の3秒間の休止が続いた。堆積の間には、10秒間のリンスおよび5秒間の休止が存在した。終了まで、乾燥を施さなかった。
【0052】
ミニタイヤのディップコーティングをいくつかのバケットを使用して行った。ミニタイヤ上のプライマー層のディップ時間は、5分間であった。全ての他の層の堆積時間は、1分間に設定した。ミニタイヤは、各堆積後、直ちに脱イオン水でリンスされ、3度浸されたが、乾燥しなかった。
【0053】
ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリ(アクリル酸)(PAA)、分岐ポリエチレンイミン(PEI)、およびクレーの4重層からなる延伸可能なガスバリア膜の多層の組立体は、ガスバリア性能を改善するためにゴム上に堆積された。コーティングプロセスおよびバリア特性を最適化するために、プライマー層のpH、クレータイプ、プロパノールのリンス、水のリンス、およびガスバリア上の延伸の効果を研究し、その結果を表1にまとめた。PEI/PAAのプライマー層の堆積は、コーティングとゴム片との間の良好な接着を確実にした。延伸膜は、pH3のPEIプライマーで作成され、pH10のものに対してOTRがほとんど目立たない増加(11.2から11.9に)を示し、これは、延伸サンプルにおいても観察することができる(51.5から53.4に)。プライマー層PEI溶液のpHは、溶液の消費量を減少させ、コーティングプロセスを単純化するために、pH3に設定できることが結論付けられた。
【0054】
組立の前にプロパノールのリンスを施す効果も研究し、プロパノールのリンスの除去が、コーティングプロセスを単純化するだけではなく、ガスバリアを改善することが見出された(表1を参照)。最適のMMT溶液濃度は、クレーの過剰な堆積に起因するコーティングの脆弱化を防ぐために1%であると決定された。伸縮性コーティングのための最適化されたレシピは、プロパノールのリンスを用いないで、ゴム片上にpH3のPEI/PAAプライマー層を有するPEO/PAA/PEI/1%MMTの4重層であった。
【0056】
実施例3
20層のPAA/PEO膜の2重層に使用された溶液は、0.1重量%のポリエチレンイミン(PEI)(中性pH)、脱イオン水(中性pH)、0.1重量%のポリアクリル酸(PAA)(pH3)、0.1重量%のポリエチレンオキサイド(PEO)(pH3)、および脱イオン水(pH3)であった。組立手順は、ステップ1で、ゴム片を脱イオン水でリンスし、圧縮空気で乾燥させ、その後5分間にわたってプラズマ処理した。ステップ2で、ゴム片を0.1重量%のPEIに30分間にわたって浸漬し、脱イオン水(中性pH)でリンスし、その後圧縮空気で乾燥させた。ステップ3で、ゴム片を0.1重量%のPAA溶液に1分間にわたって浸漬した。ステップ4で、ゴム片を脱イオン水(pH3)内で3度にわたって浸漬リンスし、リンス時間はそれぞれ20秒間であった。ステップ5で、ゴム片を0.1重量%のPEO溶液に1分間にわたって浸漬した。ステップ6で、ゴム片を脱イオン水(pH3)内で3度にわたって浸漬リンスし、リンス時間はそれぞれ20秒間である。ステップ4〜6を20回繰り返し、20層のPAA/PEO膜の2重層を得る。その結果を以下の表2に示す。
【0058】
本発明およびその利点を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書において、様々な変更、置き換え、および修正を加えることができることを理解されたい。