(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
(ステープラー10)
この発明の一実施の形態に係るステープラーについて、図面に基づいて説明する。
図1は、この発明の一実施の形態に係るステープラーの使用状態を示す略後方側から見た外観斜視図である。
図2は、この発明の一実施の形態に係るステープラーの使用状態を示す右側面図である。
図3は、この発明の一実施の形態に係るステープラーの収納状態を示す略後方側から見た外観斜視図である。
図4は、この発明の一実施の形態に係るステープラーの収納状態を示す右側面図である。
【0018】
この発明の一実施の形態に係るステープラー10は、複数枚の用紙等(以下「被綴じ材」という)を綴じ合わせることができる使用状態(
図1及び
図2に示す状態)と、収納や携帯に有利な収納状態(
図3及び
図4に示す状態)とを切り替え可能である。ステープラー10は、長手方向を有するベース体20と、長手方向を有し且つその後端部がベース体20の後端部に長手方向と厚さ方向の交わる平面において回動可能に取り付けられたハンドル体60と、綴り針S(
図1〜4では図示せず)を収納するための綴り針収納部100と、ハンドル体60の内面において前後方向に摺動可能に取り付けられた摺動体140(同上)と、摺動体140の前端部において略下方へと突出するように形成された押刃部180とを備える。
【0019】
なお、前端部及び後端部とは、長手方向における端部のことである。すなわち、以下の説明において、ベース体20とハンドル体60が互いに接続される側を後方とし、それに相対する側を前方とする。また、以下の説明において、厚さ方向とは、ベース体20とハンドル体60が重なり合ったとき互いを結ぶ方向のことである。すなわち、当該厚さ方向においてベース体20の側を下方とし、それに相対する側(ハンドル体60の側)を上方とする。さらに、以下の説明において、幅方向とは、長手方向と厚さ方向の両方に直交する方向のことである。すなわち、ステープラー10を正面視したとき(前方から後方に向かって見たとき)、幅方向における一方側を左方とし、それに相対する側を右方とする。
【0020】
(ベース体20及びクリンチャ板50)
ベース体20及びクリンチャ板50について、
図5〜7に基づいて説明する。
図5は、この発明の一実施の形態に係るステープラーが備えるベース体にクリンチャ板を取り付けた状態の平面図である。
図6は、この発明の一実施の形態に係るステープラーが備えるベース体にクリンチャ板を取り付けた状態の側面図である。
図7は、この発明の一実施の形態に係るステープラーが備えるベース体にクリンチャ板を取り付けた状態の前後方向に沿った断面図(
図5のVII−VII断面図)である。
【0021】
(ベース体20)
ベース体20は、長手方向を有するベース底板22と、ベース底板22の左端部近傍の後端部分から上方へと立ち上がる第1のベース側板30と、ベース底板22の右端部近傍の後端部分から上方へと立ち上がる第2のベース側板40とを含む。ベース底板22、第1のベース側板30及び第2のベース側板40は、例えば、合成樹脂等により一体的に形成される。
【0022】
ベース底板22の内面には、2つのベース底板突部24a,24bが突設される。ベース底板突部24a,24bそれぞれは、ベース底板22の幅方向における中央を前後方向に沿って延びる中心線上に形成される。ベース底板22には、第1のベース側板30の幅方向における外側に平面視略四角形状の貫通孔が穿設され、当該貫通孔の幅方向における外側に位置した内面から第1の係合雄部26が突設される。また、ベース底板22には、第2のベース側板40の幅方向における外側に平面視略四角形状の貫通孔が穿設され、当該貫通孔の幅方向における外側に位置した内面から第2の係合雄部28が突設される。
【0023】
第1のベース側板30は、第1のベース側板本体32と、第1のベース側板本体32の後端部に形成された側面視略円形状の第1のベース側板後端部34とを有する。第1のベース側板本体32と第1のベース側板後端部34とは、互いの下端部同士が第1のベース側板接続部38によって一体的に接続される。そして、第1のベース側板本体32の後端部と第1のベース側板後端部34の前端部と第1のベース側板接続部38の上端部とにより、側面視略四角形状の第1のベース側板凹部39が形成される。また、第1のベース側板本体32の内面には、その後端部の近傍において凹むように第1のベース側板係合雌部33が形成される。第1のベース側板係合雌部33は、
図7のような前後方向に沿った断面で見たとき、第1のベース側板本体32の下端部から上方へと延在する略長方形である。また、ベース側板後端部34の略中央には、側面視略円形状の第1のベースシャフト孔36が穿設される。
【0024】
第2のベース側板40は、第2のベース側板本体42と、第2のベース側板本体42の後端部に形成された側面視略円形状の第2のベース側板後端部44とを有する。第2のベース側板本体42と第2のベース側板後端部44とは、互いの下端部同士が第2のベース側板接続部48によって一体的に接続される。そして、第2のベース側板本体42の後端部と第2のベース側板後端部44の前端部と第2のベース側板接続部48の上端部とにより、側面視略四角形状の第2のベース側板凹部49が形成される。また、第2のベース側板本体42の内面には、その後端部の近傍において凹むように第4のベース側板係合雌部43が形成される。第2のベース側板係合雌部43は、
図7のような前後方向に沿った断面で見たとき、第2のベース側板本体42の下端部から上方へと延在する略長方形である。また、ベース側板後端部44の略中央には、側面視略円形状の第2のベースシャフト孔46が穿設される。
【0025】
(クリンチャ板50)
クリンチャ板50は、主として、綴り針収納部100に収納された綴り針Sのうち最前列に位置する針(以下、単に「最前列に位置する針」という)を下受けして折り曲げるために、ベース底板22の上面に取り付けられる。クリンチャ板50は、その前端部近傍の上面から凹むように形成されたクリンチャ部52を有する。クリンチャ板50は、このクリンチャ部52により針を下受けして折り曲げる。また、クリンチャ板50には、2つのクリンチャ板貫通孔54a,54bが穿設される。クリンチャ板貫通孔54a,54bそれぞれは、クリンチャ板50の幅方向における中央を前後方向に沿って延びる中心線上に形成される。クリンチャ板50は、クリンチャ板貫通孔54aにベース底板突部24aが嵌合され、且つクリンチャ板貫通孔54bにベース底板突部24bが嵌合されることにより、ベース底板22の上面に取り付けられる。
【0026】
(綴り針収納部100)
綴り針収納部100について、
図8〜11に基づいて説明する。
図8は、この発明の一実施の形態に係るステープラーが備える綴り針収納部のプッシャを初期位置とした状態の平面図である。
図9は、この発明の一実施の形態に係るステープラーが備える綴り針収納部のプッシャを後方に摺動させた状態の平面図である。
図10は、この発明の一実施の形態に係るステープラーが備える綴り針収納部のプッシャを初期位置とした状態の前後方向に沿った断面図(
図8のX−X断面図)である。
図11は、この発明の一実施の形態に係るステープラーが備える綴り針収納部のプッシャを後方に摺動させた状態の前後方向に沿った断面図(
図9のXI−XI断面図)である。
【0027】
綴り針収納部100は、綴り針Sを収納するための中空部分を有するマガジン110と、マガジン110の中空部分に前後方向に沿って摺動可能に取り付けられるプッシャ130と、プッシャ130を前方へと付勢するプッシャ用バネ部材139とを含む。
【0028】
(マガジン110)
マガジン110は、長手方向を有するマガジン底板112(綴り針収納部100の底板)と、マガジン底板112の前端部から上方へと立ち上がるマガジン前板114(綴り針収納部100の前板)と、マガジン底板112の左端部から上方へと立ち上がる第1のマガジン側板116(綴り針収納部100の第1の側板)と、マガジン底板112の右端部から上方へと立ち上がる第2のマガジン側板122(綴り針収納部100の第2の側板)とを有する。すなわち、マガジン110は、その上面と背面が開放された中空の略直方体形状である。
【0029】
マガジン底板112、マガジン前板114、第1のマガジン側板116及び第2のマガジン側板122のそれぞれは、比較的厚みの薄い平板状に形成される。第1のマガジン側板116及び第2のマガジン側板122それぞれは、長手方向及び厚さ方向の寸法が、綴り針Sのそれよりも大きく形成される。
【0030】
マガジン底板112の上面の前端部近傍には、プッシャ用バネ部材139の一方の端部を取り付けるための一方のプッシャ用バネ取付け部113が突設される。
【0031】
第1のマガジン側板116の後端部近傍には、側面視略円形状の第1のマガジンシャフト孔118が穿設される。また、第1のマガジン側板116の外面には、第1のマガジンシャフト孔118よりも前方部分に第1のマガジン側板凸部119が突設される。第1のマガジン側板凸部119は、その先端部分が略鉤状に形成される。また、第1のマガジン側板116の外面には、第1のマガジン側板凸部119よりも前方部分に略半球状の第1のマガジン側板係合雄部120が突設される。さらに、第1のマガジン側板係合雄部120よりも前方において、第1のマガジン側板116の上端部には、後述する第1の復元バネ160を下受けするための復元バネ下受け部121が幅方向の外側に向けて突設される。
【0032】
第2のマガジン側板122の後端部近傍には、側面視略円形状の第2のマガジンシャフト孔124が穿設される。また、第2のマガジン側板122の外面には、第2のマガジンシャフト孔124よりも前方部分に第2のマガジン側板凸部125が突設される。第2のマガジン側板凸部125は、その先端部分が略鉤状に形成される。また、第2のマガジン側板122の外面には、第2のマガジン側板凸部125よりも前方部分に略半球状の第2のマガジン側板係合雄部126が突設される。なお、第2のマガジン側板122には、第1のマガジン側板116に形成された復元バネ下受け部121に相当する構成が形成されない。
【0033】
(プッシャ130)
プッシャ130は、その長手方向の寸法がマガジン110の中空部分のそれよりも短く、且つその幅方向の寸法がマガジン110の中空部分のそれと同じか又はほぼ同じであるように形成される。プッシャ130は、略四角形状のプッシャ天板132と、プッシャ天板132の左端部から垂下する第1のプッシャ側板134と、プッシャ天板132の右端部から垂下する第2のプッシャ側板136とを有する。すなわち、プッシャ130は、その底面、前面及び背面が開放された中空の略直方体形状である。プッシャ天板132の底面の後端部近傍には、プッシャ用バネ部材139の他方の端部を取り付けるための他方のプッシャ用バネ取付け部133が突設される。
【0034】
(プッシャ用バネ部材139)
プッシャ用バネ部材139は、長手方向を有したコイル状のバネである。プッシャ用バネ部材139は、上記したように、その一方の端部がマガジン底板112の上面の前端部近傍に突設された一方のプッシャ用バネ取付け部113に取り付けられ、その他方の端部がプッシャ天板132の底面の後端部近傍に突設された他方のプッシャ用バネ取付け部133に取り付けられる。すなわち、プッシャ用バネ部材139は、一方のプッシャ用バネ取付け部113から後方へと延び、マガジン底板112と、プッシャ天板132と、第1のプッシャ側板134と、第2のプッシャ側板136とにより囲まれた中空部分を経て、他方のプッシャ用バネ取付け部133まで至る。プッシャ用バネ部材139は、上記のように取り付けられることで、マガジン110の中空部分において、プッシャ130を前方へと付勢する。
【0035】
(摺動体140、押刃部180、スイッチ部200及びバネ部材210)
摺動体140、押刃部180、スイッチ部200及びバネ部材210について、
図12及び
図13に基づいて説明する。
図12は、この発明の一実施の形態に係るステープラーが備える摺動体に対してバネ部材及びスイッチ部を取り付けた状態の平面図である。
図13は、この発明の一実施の形態に係るステープラーが備える摺動体に対してバネ部材及びスイッチ部を取り付けた状態の側面図である。
【0036】
(摺動体140)
摺動体140は、長手方向を有し、且つハンドル体60の内面において前後方向に摺動可能に取り付けられる。摺動体140は、例えば、比較的厚さ寸法が小さい金属板等により形成される。摺動体140は、その幅方向における中央を前後方向に沿って延在するように穿設された摺動体切欠き部142と、その後端部近傍に幅方向に並んで穿設された第1の摺動体貫通孔144及び第2の摺動体貫通孔146と、その摺動体切欠き部142よりも前方部分に穿設された平面視略円形状の一方のバネ取付け部148とを含む。
【0037】
摺動体140の左端部には、略下方へと垂れ下がるように、第1の復元バネ160が一体的に接続される。具体的には、第1の復元バネ160は、前後方向で一方のバネ取付け部148と同じか又はほぼ同じ位置において、摺動体140の左端部と一体的に接続され、そこから略後方へと延在しながら略下方へと垂れ下がる。第1の復元バネ160は、側面視したとき、摺動体140の側へと脹れ出るように略円弧状に形成され、その先端部分のみ僅かに略前後方向に延在する。摺動体140の左端部には、前後方向において、第1の復元バネ160の先端部と、第1の摺動体貫通孔144及び第2の摺動体貫通孔146との間に第1の摺動規制雌部150が形成される。
【0038】
摺動体140の右端部には、略下方へと垂れ下がるように、第2の復元バネ162が一体的に接続される。具体的には、第2の復元バネ162は、前後方向で第2の摺動体貫通孔144と同じか又はほぼ同じ位置において、摺動体140の右端部と一体的に接続され、そこから略後方へと延在しながら略下方へと垂れ下がる。第2の復元バネ162は、側面視したとき、摺動体140の側へと脹れ出るように略円弧状に形成され、その先端部分のみ僅かに略前後方向に延在する。なお、第2の復元バネ162の前後方向の寸法は、第1の復元バネ160のそれよりも長い。すなわち、第2の復元バネ162の先端部分は、第1の復元バネ160のそれよりも後方に位置する。摺動体140の右端部には、前後方向において、第2の復元バネ162の先端部と第1の摺動体貫通孔144及び第2の摺動体貫通孔146との間に、第2の摺動規制雌部152が形成される。
【0039】
(押刃部180)
押刃部180は、最前列に位置する針をクリンチャ部52へと押圧するために配設される。押刃部180は、例えば、比較的厚さ寸法が小さい金属板等により形成される。押刃部180は、摺動体140の前端部から略下方へと突出するように、摺動体140の前端部と一体的に形成される。押場部180は、正面視略四角形状である。
【0040】
(スイッチ部200)
スイッチ部200について、スイッチ部200は、略平板状のスイッチ天板202と、スイッチ天板202の底面の後端部に沿って延在するように突設される幅方向延在突部204と、スイッチ天板202の底面の前端部分に沿うように並んで突設された底面視略円形状の第1のスイッチ突部206及び第2のスイッチ突部208とを有する。スイッチ部200は、第1のスイッチ突部206が第1の摺動体貫通孔144に嵌合され、且つ第2のスイッチ突部208が第2の摺動体貫通孔146に嵌合されることにより、摺動体140の上面の後端部分に取り付けられる。スイッチ部200の幅方向の寸法(すなわち、スイッチ天板202の幅方向の寸法)は、ハンドル体60に形成された後述する天板切欠き部64のそれよりも僅かに小さい。
【0041】
(バネ部材210)
バネ部材210(付勢手段)は、長手方向を有したコイル状のバネである。バネ部材210は、その一方の端部が摺動体140に穿設された一方のバネ取付け部148に取り付けられ、その他方の端部が後述するハンドル天板62の内面から突設された他方のバネ取付け部66に取り付けられる。後述するようにステープラー10を組み立てると、一方のバネ取付け部148が他方のバネ取付け部66よりも前方に位置するようになる。したがって、バネ部材210は、摺動体140を後方へと付勢するように作用する。
【0042】
(ハンドル体60)
ハンドル体60について、
図14及び
図15に基づいて説明する。
図14は、この発明の一実施の形態に係るステープラーが備えるハンドル体の底面図である。
図15は、この発明の一実施の形態に係るステープラーが備えるハンドル体の前後方向に沿った断面図(
図14のXV−XV断面図)である。ハンドル体60は、長手方向を有し、略平板状に形成されたハンドル天板62と、ハンドル天板62の前端部から垂下されるハンドル前板70と、ハンドル天板62の左端部から垂下される第1のハンドル側板80と、ハンドル天板62の右端部から垂下される第2のハンドル側板90とを含む。すなわち、ハンドル体60は、背面が開放された(すなわち、背面に開口を有する)中空の略直方体形状である。ハンドル天板62、ハンドル前板70、第1のハンドル側板80及び第2のハンドル側板90は、例えば、合成樹脂等により一体的に形成される。
【0043】
ハンドル天板62は、その後端部を切り欠かれることにより形成された平面視略四角形状の天板切欠き部64と、上記したバネ部材210の他方の端部を取り付けるためにその内面から突設された他方のバネ取付け部66とを有する。天板切欠き部64は、ハンドル天板62の後端部まで切り欠かれ、背面の開口と連なるように形成される。
【0044】
第1のハンドル側板80の内面の後端部には、第1のハンドルシャフト凹部82が形成される。また、第1のハンドル側板80の内面の上端部近傍には、摺動体140の左端部分を差し込んで取り付けるための第1の摺動体取付け部84が突設される。摺動体140を取り付けるための第1の摺動体取付け部84が突設される。そして、第1のハンドル側板80の内面には、第1のハンドルシャフト凹部82よりも前方部分の下端部近傍において凹むように、第1の係合雌部86が形成される。さらに、第1のハンドル側板80の内面には、前後方向において第1のハンドルシャフト凹部82と第1の係合雌部86の間に位置するように、第1の摺動規制雄部88が突設される。第1の摺動規制雄部88は、上下方向に延在するように形成され、その先端部分は略鉤状に形成される。
【0045】
第2のハンドル側板90の内面の後端部には、第2のハンドルシャフト凹部92が形成される。また、第2のハンドル側板90の内面の上端部近傍には、摺動体140の右端部分を差し込んで取り付けるための第2の摺動体取付け部94が突設される。そして、第2のハンドル側板90の内面には、第2のハンドルシャフト凹部92よりも前方部分の下端部近傍において凹むように、第2の係合雌部96が形成される。さらに、第2のハンドル側板90の内面には、前後方向において第2のハンドルシャフト凹部92と第2の係合雌部96の間に位置するように、第2の摺動規制雄部98が突設される。第2の摺動規制雄部98は、上下方向に延在するように形成され、その先端部分は略鉤状に形成される。
【0046】
(各部材の組み立て)
各部材の組み立て手順の一例について、
図16及び
図17に基づいて説明する。
図16は、この発明の一実施の形態に係るステープラーが備えるベース体、クリンチャ板及び綴り針収納部を組み立てた状態の平面図である。
図17は、この発明の一実施の形態に係るステープラーが備えるハンドル体、摺動体、バネ部材及びスイッチ部を組み立てた状態の底面図である。
【0047】
まず、ベース体20にクリンチャ板50を取り付ける。具体的には、ベース底板22の上面に突設されたベース底板突部24aがクリンチャ板貫通孔54aに嵌合され、且つベース底板22の上面に突設されたベース底板突部24bがクリンチャ板貫通孔54bに嵌合されることにより、ベース体20にクリンチャ板50を取り付ける。
【0048】
次に、マガジン110と、プッシャ130と、プッシャ用バネ部材139を組み立てることにより、綴り針収納部100を得る。具体的には、マガジン底板112の内面に突設された一方のプッシャ用バネ取付け部113にプッシャ用バネ部材139の一方の端部を取り付け、且つプッシャ天板132の内面に突設された他方のプッシャ用バネ取付け部133にプッシャ用バネ部材139の他方の端部を取り付け、且つプッシャ130をマガジン110の中空部分に収納することにより、綴り針収納部100を得る。
【0049】
そして、クリンチャ板50が取り付けられベース体20に対して、綴り針収納部100を取り付ける。具体的には、まず、第1のベースシャフト孔36及び第2のベースシャフト孔46と、第1のマガジンシャフト孔118及び第2のマガジンシャフト孔124とが幅方向において連なるように、第1のベース側板30と第2のベース側板40の間に綴り針収納部100を配置する。このとき、綴り針収納部100は、その第1のマガジン側板係合雄部120が第1のベース側板係合雌部33に係合し、且つその第2のマガジン側板係合雄部126が第1のベース側板係合雌部43に係合する。そして、シャフト部材220が、第1のベースシャフト孔36、第1のマガジンシャフト孔118、第2のマガジンシャフト孔124、及び第2のベースシャフト孔46へと順に通されることにより、クリンチャ板50が取り付けられたベース体20に対して、綴り針収納部100を取り付ける。
【0050】
さらに、摺動体140に対して、バネ部材210及びスイッチ部200を取り付ける。具体的には、摺動体140に穿設された一方のバネ取付け部148にバネ部材210の一方の端部を取り付けることにより、摺動体140にバネ部材210を取り付ける。また、摺動体140に穿設された第1の摺動体貫通孔144に第1のスイッチ突部206を嵌合し、且つ摺動体140に穿設された第2の摺動体貫通孔146に第2のスイッチ突部208を嵌合することにより、摺動体140の上面の後端部にスイッチ部200を取り付ける。
【0051】
次に、ハンドル体60の内面(ハンドル天板62の内面)に対して、バネ部材210及びスイッチ部200が取り付けられた摺動体140を取り付ける。具体的には、まず、ハンドル体60の内面に形成された第1の摺動体取付け部84にその後方側から摺動体140の左端部の前方部分を差し込み、これと同時に、ハンドル体60の内面に形成された第2の摺動体取付け部94にその後方側から摺動体140の右端部の前方部分を差し込む。次に、第1のハンドル体側板80に形成された第1の摺動規制雄部88が摺動体140の左端部に形成された第1の摺動規制雌部150の内部に位置するように、且つ第2のハンドル体側板80に形成された第2の摺動規制雄部98が摺動体140の右端部に形成された第2の摺動規制雌部152の内部に位置するように、ハンドル天板62の内面に摺動体140を載置する。そして、バネ部材210の他方の端部をハンドル体60に突設された他方のバネ取付け部66に取り付ける。このようにして、ハンドル体60の内面に対して、バネ部材210及びスイッチ部200が取り付けられた摺動体140を取り付ける。このようにハンドル体60の内面に取り付けられた摺動体140は、バネ部材210によって後方へと付勢された状態になる。また、摺動体140は、その第1の摺動規制雌部150がハンドル体60に形成された第1の摺動規制雄部88を底面視において嵌合するように、且つその第2の摺動規制雌部152がハンドル体60に形成された第2の摺動規制雄部98を底面視において嵌合するように、ハンドル体60に対して取り付けられる。摺動体140は、このような構造により、前後方向への摺動を規制される。
【0052】
最後に、クリンチャ板50及び綴り針収納部100が取り付けられたベース体20に対して、バネ部材210、スイッチ部200及び摺動体140が取り付けられたハンドル体60を取り付ける。具体的には、第1のベースシャフト孔36から突き出たシャフト部材220の左端部を第1のハンドルシャフト凹部82に嵌合し、且つ第2のベースシャフト孔46から突き出たシャフト部材220の右端部を第2のハンドルシャフト凹部92に嵌合する。これにより、ハンドル体60及び綴り針収納部100は、長手方向と厚さ方向の交わる平面において、シャフト部材200を中心としてベース体20に対して回転可能である。
【0053】
この発明の一実施の形態に係るステープラー10は、上記のようにして各部材を組み立てることにより得ることができる。
【0054】
スイッチ部200は、平面視したとき、その少なくとも一部がハンドル体60の天板切欠き部64の内部に形成され、且つその上面がハンドル天板62の上面と同一又はほぼ同一の平面に位置する。スイッチ部200の前端部及び後端部は、ステープラー10の幅方向に沿って延在し、平面視したとき、ハンドル体60の天板切欠き部64の前端部と平行又はほぼ平行である。スイッチ部200の左端部及び右端部は、ステープラー10の長手方向に沿って延在し、平面視したとき、ハンドル体60の天板切欠き部64の左端部及び右端部と平行又はほぼ平行である。スイッチ部200は、使用状態において、その前端部が天板切欠き部64の前端部とステープラー10の長手方向において所定の距離だけ離間して相対し、且つその後端部が第1のハンドル側板80及び第2のハンドル側板90の後端部よりも後方に位置する。スイッチ部200は、収納状態において、その前端部が天板切欠き部64の前端部に当接又はほぼ当接し、且つその後端部が第1のハンドル側板80及び第2のハンドル側板90の後端部と前後方向においてほぼ同じ位置となる。すなわち、スイッチ部200の少なくとも一部は、ハンドル体60の背面に形成された開口よりも後方を含む範囲を前後方向に摺動可能である。
【0055】
(使用状態と収納状態、及びこれらの切り替え手順)
被綴じ材を綴じ合わせることができる使用状態、収納や携帯に有利な収納状態、及び使用状態と収納状態の切り替え手順について、
図18〜21に基づいて具体的に説明する。
図18は、この発明の一実施の形態に係るステープラーの使用状態において外力が加えられていない状態の前後方向に沿った断面図である。
図19は、この発明の一実施の形態に係るステープラーの使用状態において、ハンドル体及びベース体それぞれの押圧部が押圧された状態の前後方向に沿った断面図である。
図20は、この発明の一実施の形態に係るステープラーの使用状態を収納状態に切り替える過程において、スイッチ部を前方へと摺動させた状態の前後方向に沿った断面図である。
図21は、この発明の一実施の形態に係るステープラーの収納状態を示す前後方向に沿った断面図である。
【0056】
(使用状態)
まず、使用状態で外力が加えられていない場合について、
図18に基づいて説明する。この場合において、押刃部180は、マガジン前板114(綴り針収納部100の前板)よりも後方に位置し、且つその先端部が最前列に位置する針に略上下方向において離間して相対する。なお、摺動体140に形成された第1の復元バネ160の先端部分が、第1のマガジン側板116に形成された復元バネ下受け部121に下受けされて略上方へと復元されることにより、押刃部180の先端部分は、最前列に位置する針に離間して相対することになる。
【0057】
次に、使用状態で、被綴じ材を綴じ合わせるために、ハンドル体60及びベース体20それぞれの押圧部を押圧した場合について、
図18及び
図19に基づいて説明する。なお、ここでいうハンドル体60の押圧部とは、例えば、右手親指により押圧される上面の前方部分(
図19に矢印で示した外力が加えられる部分)であり、前後方向において押刃部180又はその近傍に位置する部分である。また、ベース体20の押圧部とは、例えば、右手人差し指により押圧される底面の前方部分であり、前後方向において押刃部180又はその近傍に位置する部分である。
【0058】
ハンドル体60の押圧部を略下方(すなわち、ハンドル体60から見てベース体20の側)へと押圧していくと、まず、ハンドル体60が長手方向と厚さ方向の交わる平面において回転することに連動し、マガジン底板112(綴り針収納部100の底板)がベース底板22に当接する。そこから、摺動体140に形成された第1の復元バネ160及び第2の復元バネ162の略上方への復元力に抗って押圧を続けると、押刃部180は、マガジン前板114(綴り針収納部100の前板)の背面に沿うようにマガジン110の中空部分(綴り針収納部100の中空部分)に挿入されていく。このとき、押刃部180は、最前列に位置する針を上方から押圧することで、当該針と他の綴り針Sの綴られた状態を解く。これにより、当該針は、マガジン底板112の前端部に形成された貫通孔を通り抜ける。さらに、押圧刃180は、当該針を上下方向においてクリンチャ部52と挟み込むことにより折り曲げる。このようにして、ステーパー10は、被綴じ材を綴じ合わせることができる。
【0059】
なお、
図19の状態(ベース体20とハンドル体60が厚さ方向において重なり合った状態)のステープラー10は、ハンドル体60及びベース体20それぞれの押圧部に加えられた外力が取り除かれると(例えば、ハンドル体60から右手親指を離し、且つベース体20から右手人差し指を離すと)、摺動体140に形成された第1の復元バネ160及び第2の復元バネ162それぞれの略上方への復元力により、
図18の状態(上記した外力が加えられていない状態)へと容易に戻され得る。具体的には、
図19の状態において、略円弧状に形成された第1の復元バネ160は、その先端部が第1のマガジン側板116に形成された復元バネ下受け部121に当接し、略上下方向において縮むように撓んでいる。したがって、第1の復元バネ160が、もとの略円弧状に戻ろうとするため、上記略上方への復元力を得る。同様に、略円弧状に形成された第2の復元バネ162は、その先端部が第2のマガジン側板122の上端面の前方部分に当接し、略上下方向において縮むように撓んでいる。したがって、第2の復元バネ162が、もとの略円弧状に戻ろうとするため、上記略上方への復元力を得る。
【0060】
なお、綴り針収納部100は、第1のマガジン側板係合雄部120が第1のベース側板係合雌部33に係合し、且つ第2のマガジン側板係合雄部126が第2のベース側板係合雌部43に係合する。これにより、綴り針収納部100は、長手方向と厚さ方向が交わる平面において、ベース体20に対して回転することを規制される。また、第1のマガジン側板凸部119は、使用状態において、その略鉤状にされた先端部分がハンドル体60に突設された第1の摺動規制雄部88の略鉤状にされた先端部分と互いに係合する。さらに、第2のマガジン側板凸部125は、使用状態において、その略鉤状にされた先端部分がハンドル体60に突設された第2の摺動規制雄部98の略鉤状にされた先端部分と互いに係合する。これにより、ハンドル体60は、長手方向と厚さ方向が交わる平面において、綴り針収納部100に対して回転することを規制される。
【0061】
(使用状態から収納状態への切り替え手順)
使用状態から収納状態への切り替え手順の一例について、
図20及び
図21に基づいて説明する。まず、
図20において矢印で示すような外力を加えることにより、ハンドル体60の後端部分に配設されたスイッチ部200を天板切欠き部64内において前方へと摺動させる。すると、当該スイッチ部200の摺動に連動して、ハンドル体60の内面に配設された摺動体140及びその前端部に一体的に形成された押刃部180が前方へと摺動する。次に、ハンドル体60の押圧部及びベース体20の押圧部を互いに近づく方向へと押圧することにより、ハンドル体60を長手方向と厚さ方向の交わる平面において回転させ、ベース体20とハンドル体60を厚さ方向に重なり合った状態とする。なお、押刃部180は、上記したように予め前方へと摺動しているため、マガジン前板114の前面に沿って略下方へと移動し、その先端部がベース底板22(及びクリンチャ板50)まで又はその近傍まで至る。このときの状態が収納状態(
図21に示す状態)である。
【0062】
(収納状態)
収納状態について、
図21に基づいて説明する。押刃部180、摺動体140及びスイッチ部200は、収納状態において、ハンドル天板62の内面に沿って取り付けられたバネ部材210により後方へと付勢されている。しかしながら、押刃部180の背面がマガジン前板114と当接しているため、押刃部180、摺動体140及びスイッチ部200は、マガジン前板114により後方への移動を妨げられ、停止した状態である。
【0063】
さらに、収納状態において、ベース底板22に形成された第1の係合雄部26が第1のハンドル側板80に形成された第1の係合雌部86に係合し、且つベース底板22に形成された第2の係合雄部28が第2のハンドル側板90に形成された第2の係合雌部96に係合している。これにより、ハンドル体60が長手方向と厚さ方向の交わる平面で回転することを停止させられるため、ハンドル体60は、厚さ方向においてベース体20と重なり合った状態を維持される。また、綴り針収納部100についても、その第1のマガジン側板係合雄部120が第1のベース側板係合雌部33に係合し、且つその第2のマガジン側板係合雄部126が第1のベース側板係合雌部43に係合している。これにより、綴り針収納部100が長手方向と厚さ方向の交わる平面で回転することを停止させられるため、綴り針収納部100は、厚さ方向においてベース体20と重なり合った状態を維持される。なお、第1のベース側板凹部39は、収納状態の側面視において、第1のマガジン側板凸部119に嵌合されたような状態になる。さらに、第1のマガジン側板凸部119は、収納状態において、その略鉤状にされた先端部分がハンドル体60に突設された第1の摺動規制雄部88の略鉤状にされた先端部分と互いに係合する。同様に、第2のベース側板凹部49は、収納状態の側面視において、第2のマガジン側板凸部125に嵌合されたような状態になる。さらに、第2のマガジン側板凸部125は、収納状態において、その略鉤状にされた先端部分がハンドル体60に突設された第2の摺動規制雄部98の略鉤状にされた先端部分と互いに係合する。
【0064】
(収納状態から使用状態への切り替え手順)
収納状態から使用状態への切り替えは、例えば、ハンドル体60を幅方向において挟むように把持し、略上方へと持ち上げる。すると、ハンドル体60は、その後端部を回転軸として、長手方向と厚さ方向の交わる平面でベース体20に対して回転する。このとき、ハンドル体60の当該回転動作に連動して、ハンドル体60の内面に配設された摺動体140及び押刃部180も同様の方向へと回転する。押刃部180は、当該回転動作により、その背面で当接していたマガジン前板114から離間する。これにより、押刃部180、摺動体140及びスイッチ部200は、バネ部材210の付勢により後方へと移動する。したがって、この実施の形態に係るステープラー10は、ハンドル体60を略上方へと持ち上げるのみで、収納状態から使用状態へと切り替えることができる。
【0065】
(効果)
この発明
にかかるステープラー10は、前後方向に摺動可能であり、その前後方向の摺動に連動させて、摺動体140及び押刃部180を前後方向に摺動させることにより、押刃部180が後方に位置した使用状態と、押刃部180が前方に位置した収納状態とを切り替え可能なスイッチ部200を備える。したがって、ステープラー10は、使用状態と収納状態を容易に切り替えることができる。さらに、この発明に係るステープラー10は、当該スイッチ部200が、被綴じ材を綴じる際に押圧されるハンドル体60の押圧部よりも後方に位置するように摺動体140に配設される。したがって、スイッチ部200を前後方向に摺動させる際に誤って当該押圧部を押圧する等の誤操作を防止することができる。上記した通りであるため、この発明に係るステープラー10は、被綴じ材を綴じ合わせることができる使用状態と、収納や携帯に有利な収納状態とを容易に切り替えることができ、且つ誤操作を防止することができる。
【0066】
この発
明に係るステープラー10は、そのスイッチ部200が、ハンドル体20の後端部又はその近傍に配設され
ることにより、上記した誤操作を
確実に防止することが
できる。
【0067】
さらに、この発明の一実施の形態に係るステープラー10は、ハンドル天板62の押圧部よりも後方部分が切り欠かれることにより形成された天板切欠き部64を含み、スイッチ部200は、平面視したとき、その少なくとも一部が当該天板切欠き部64の内部又は近傍に形成され、且つその上面がハンドル天板62の上面と同一又はほぼ同一の平面に位置する。この発明の一実施の形態に係るステープラー10は、このような構造を有することにより、収納や携帯により有利な収納状態となり得る。
【0068】
そして、この発明の一実施の形態において、ハンドル体60の背面には開口が形成され、スイッチ部200の少なくとも一部は、当該開口よりも後方を含む範囲を前後方向に摺動可能である。ステープラー10は、このような構造を有することにより、製造が容易となり、且つ上記した誤操作をより防止することが可能となる。
【0069】
また、この発明の一実施の形態に係るステープラー10は、長手方向を有し、その一方の端部が摺動体140に取り付けられることにより、摺動体140を後方へと付勢するバネ部材210(付勢手段)をさらに備える。ステープラー10は、このようなバネ部材210を備えることにより、ハンドル体60の前端部またはその近傍を把持して略上方へと持ち上げるのみで、自動的に収納状態から使用状態へと切り替えることができる。
【0070】
さらに、この発明の一実施の形態において、バネ部材210は、その一方の端部が摺動体切欠き部142の前方部分に取り付けられ、且つその他方の端部がハンドル天板62の内面に取り付けられることにより、摺動体切欠き部142の内部に配設される。ステープラー10は、このような構造を有することにより、更にコンパクトに形成することが可能となるため、収納や携帯により有利な収納状態となり得る。
【0071】
(変形例)
なお、上記した実施の形態では、ハンドル天板62の後端部まで至るように天板切欠き部64が形成され、スイッチ部200の主たる部分が当該天板切欠き部64の内部に配設される場合(すなわち、スイッチ部200がハンドル体60の後端部に形成される場合)について説明した。しかしながら、この場合に限定されず、スイッチ部200は、被綴じ材を綴じる際に押圧されるハンドル体60の押圧部よりも後方に位置するように摺動体140に配設されればよい。すなわち、スイッチ部200は、例えば、ハンドル天板62に形成される天板切欠き部64の位置を前後方向において適宜変更することにより、ハンドル体60の押圧部よりも後方の何れの位置にも配設することが可能となる。
【0072】
また、上記した実施の形態では、スイッチ部200は、ハンドル天板62に形成される場合について説明したが、この場合に限定されない。すなわち、スイッチ部200は、ハンドル体60の押圧部よりも後方に位置するように、第1のハンドル側板80及び第2のハンドル側板90に形成されてもよい。このとき、スイッチ部200は、第1のハンドル側板80及び第2のハンドル側板90の両方に形成されてもよいし、いずれか一方のみに形成されてもよい。
【0073】
なお、上記した実施の形態では、付勢手段としてコイル状のバネ部材210を配設する場合について説明したが、例えば、長手方向を有する樹脂性のゴム部材等、他の付勢手段を配設してもよい。
【0074】
なお、上記した実施の形態では、ハンドル天板62の内面に沿ってバネ部材210を取り付ける場合について説明したが、この場合に限定されない。すなわち、ステープラー10は、バネ部材210を備えなくてもよい。この場合、ステープラー10は、スイッチ部200を手動で後方へと摺動させることにより、収納状態から使用状態に切り替える。ステープラー10は、このような構成とすることにより、部品点数が少なくなるため、製造が容易となる。
【0075】
なお、上記した実施の形態では、摺動体140とスイッチ部200が別部材である場合について説明したが、この場合に限定されない。すなわち、摺動体140とスイッチ部200は一体的に形成されてもよい。
【0076】
なお、上記した実施の形態では、押刃部180と摺動体140が一体的に形成される場合について説明したが、この場合に限定されない。すなわち、押刃部180と摺動体140は別々に形成され、互いに固着又は取り付けられてもよい。
【0077】
(好ましい寸法等)
ステープラー10は、特に、収納状態において収納や携帯を有利に行うことができるように、比較的コンパクトに形成されることが好ましい。ステープラー10は、例えば、右手人差し指と同親指により長手方向において余裕をもって挟持できる程度の寸法であることが好ましい。ステープラー10は、このような寸法を有することにより、上記した通り収納や携帯を有利に行うことができると共に、例えば、スイッチ部200の後端部に右手親指で触れ、且つハンドル体60の前端部に同人差し指で触れることができるため、使用状態から収納状態への切り替えを片手で容易に行うことが可能となる。