(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6357198
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】反応性スプレイによる少なくとも1つの熱硬化性および/または熱可塑性層/コーティング/フィルムを組み込んだゴルフボールの製造方法
(51)【国際特許分類】
A63B 45/00 20060101AFI20180702BHJP
【FI】
A63B45/00 B
【請求項の数】7
【外国語出願】
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2016-147571(P2016-147571)
(22)【出願日】2016年7月27日
(65)【公開番号】特開2017-94045(P2017-94045A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2017年4月14日
(31)【優先権主張番号】14/819,511
(32)【優先日】2015年8月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390023593
【氏名又は名称】アクシュネット カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ACUSHNET COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 英治
(72)【発明者】
【氏名】エドマンド ヘバート
【審査官】
吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第06612939(US,B1)
【文献】
米国特許第05503872(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0270745(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 45/00
B05D 7/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの異種の熱硬化性および/または熱可塑性材料を含む異種材料組成物の単一層Thmplを有するゴルフボールの製造方法において、
最内側表面または最外側表面の少なくとも一方を具備する部分組立体を準備するステップと、
少なくとも2つのポリマー混合物Pcおよびポリマー混合物Pc'を準備するステップとを有し、
上記ポリマー混合物Pcは、上記ポリマー混合物Pc'の複数の粒子と異なる複数の粒子を有し、
上記ポリマー混合物Pcは、軟化、溶融、および/または反応温度Mpを有し、上記ポリマー混合物Pc'は、軟化、溶融、および/または反応温度Mp'を有し、
さらに、上記ポリマー混合物Pcおよび上記ポリマー混合物Pc'に接触していない熱源で、少なくとも1つの流体を、Mp≦MphおよびMp'≦Mphを満たす温度Mphまで加熱して少なくとも1つの加熱流体を形成するステップと、
上記ポリマー混合物Pcおよび上記ポリマー混合物Pc'に上記少なくとも1つの加熱流体を混合して加熱混合物Pcsおよび加熱混合物Pcs'を形成して上記ポリマー混合物Pcおよび上記ポリマー混合物Pc'の上記複数の粒子を軟化させ、溶融させ、および/または反応させるステップと、
加熱混合物Pcsおよび加熱混合物Pcs'を上記最内側表面または上記最外側表面の少なくとも一方に浴びせるのを調整し/時間制御して、上記最外側表面の周りに上記ポリマー混合物Pcおよび上記ポリマー混合物Pc'の上記複数の粒子からなる上記異種材料組成物の単一層Thmplを形成するステップとを有することを特徴とするゴルフボール製造方法。
【請求項2】
上記加熱混合物Pcsおよび上記加熱混合物Pcs'は、上記最外側表面に浴びせられるとき、少なくとも部分的に混ざる請求項1記載のゴルフボール製造方法。
【請求項3】
上記加熱混合物Pcsおよび上記加熱混合物Pcs'は上記最外側表面に個別に浴びせられ/方向づけられ、各々の浴びせつけを時間制御し、または調整して、上記単一層Thmplを形成するときに、加熱混合物Pcsおよび加熱混合物Pcs'が上記外側表面の上で部分的に混ざるようになす請求項1記載のゴルフボール製造方法。
【請求項4】
上記単一層Thmplは均一な厚さTを有し、Pcs:Pcs'の重量%比がTに渡って変化するように上記加熱混合物Pcsおよび上記加熱混合物Pcs'を有する請求項1記載のゴルフボール製造方法。
【請求項5】
上記単一層Thmplは均一な厚さTを有し、Pc:Pc'の重量%比がTに渡って変化するように上記ポリマー混合物Pcおよび上記ポリマー混合物Pc'を有する請求項1記載のゴルフボール製造方法。
【請求項6】
上記単一層Thmplは非均一な厚さT'を有し、Pcs:Pcs'の重量%比がT'に渡って変化するように上記加熱混合物Pcsおよび上記加熱混合物Pcs'を有する請求項1記載のゴルフボール製造方法。
【請求項7】
上記単一層Thmplは非均一な厚さT'を有し、Pc:Pc'の重量%比がT'に渡って変化するように上記ポリマー混合物Pcおよび上記ポリマー混合物Pc'を有する請求項1記載のゴルフボール製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、反応性スプレイ技法に基づく少なくとも1つの熱硬化性および/または熱可塑性層/コーティング/フィルムを組み込んだゴルフボール
の製造方法に関する。
【0002】
ゴルフボールは、種々の構造および組成物で製造される。一般的には、コアはカバーにより包囲され、少なくとも1つの中間層がオプションとしてそれらの間に配される。慣用的なゴルフボール材料の例は、バラタからポリブタジエン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン、および/またはポリ尿素
まで広がる。典型的には、外側層が、内側ゴルフボール部品の
球状の外側表面の周りに、圧縮成型、注型、または、射出成型により形成される。
【0003】
ゴルフボール製造業者は、空気力学および/または慣性特性を目標付けし、改善し、および/または保持し、また、耐久性を犠牲にすることなく所望のフィーリングを実現するために、絶え間なく、多くの構造および材料調合を試している。ゴルフボール層を薄くすると、しばしば、内側ゴルフボール層への湿気浸透を阻止し、またゴルフボール層の間の接着を増強させる上で有益である。しかしながら、薄い層を、圧縮成型または反応性ピン射出成型(RPIM)のような慣用的なゴルフボール製造プロセスに組み込むのは極めて困難であろう。具体的には、薄い層を組み込むと、PRIMにおいて、材料を流しだすのに十分な空間がなくなるおそれがある。また、薄い層の圧縮成型は「流れ線」を外側材料の分離線に生じさせるおそれがあり、これは、極めて薄い外側シェルを塗布するプロセスの間に内側材料が再溶融するおそれがあるからである。
【0004】
このため、ゴルフボール製造業者は、ゴルフボール中に所望の厚さの層を容易かつ廉価に形成できるより柔軟の方法を求めてきた。この点で、プラズマアークスプレイ、電気アークスプレイ、およびフレームスプレイのような慣用的な熱スプレイ技法が考慮されていた。例えば、米国特許第6,612,939号(Sullivan等)、および米国特許第8,568,837号(Tomita等)を参照されたい。これらの内容は参照してここに組み入れる。しかしながら、慣用的な熱スプレイ方法によりゴルフボール層を塗布する際の欠点は、スプレイ材料およびコーティング対象の基板が損傷を受けやすいことであり、これは、ポリマー材料が基板の表面に方向づけられるときに、各々が直接に熱源に晒されるからである。望ましくない含有物のような損傷および/またはいずれかの層における物理特性の減少がもたらされ、これが、全体的なゴルフボールの競技特性、耐久性および/または耐用年数スパンに負の影響を与える。これらの欠点は、ゴルフボール製造コストの増加につながる。そのため、薄い層の材料および/または基体に損傷をあたえる恐れがなく、任意の厚さの層を組み込んだゴルフボールの製造方法に対する要請が依然として存在する。
【0005】
他方、ゴルフボール製造業者は、ゴルフボールに複数層を組み入れることに由来する付加的な製造コスト増を減少させるために複数の所望の特性/特徴を実現できる
単一層を組み込んだゴルフボールを製造することを求めている。アイオノマーをベースにした調合は、典型的には、約60を超えるショアD硬度において卓越したせん断および摩耗耐性を発揮する。そして、注型可能/射出成型可能なポリウレタン/ポリ尿素調合は、より小さな硬度において、例外的なフィーリングおよびせん断/摩耗耐性の双方を実現する。バラタは、作業しにくいけれども、すぐれたフィーリングを提供する。しかしながら、これらの品質を単一の層において組み合あせることは挑戦的である。
【0006】
1つのゴルフボール製造業者は2つの個別の層の材料を、慣用的な圧縮成型によってこれら材料の寸法的に区別できないブレンドに混合し/混雑させることを試みた。これについては米国特許第9,011,275号(Hebert等)および関連する米国特許出願公開第2015/0182813号を参照されたい。これらの内容は参照してここに組み入れる。このゴルフボールにおいて、そうでなければ個別に分離して存在した2つの層の当初の境界は、成型に従って、各層の材料の間のメルトフローレートの相違に起因して除去された。しかしながら、このアプローチでは、2つの当初の分離層は結合されている。そのため、完全に単一で任意の厚さの層内において、2つの既存の異なる層の間の境界を修正する必要なしに、それ全体を通じて異なる材料が当初から組み合わされることが可能なゴルフボール構造に対する要望が依然として存在する。そのようなゴルフボール調合および構造はコスト上有利であり、製造効率を向上させ、所望の特性/競技特徴を目標付けする新たな手法を提供する。
【0007】
この発明のゴルフボールおよびそれを製造する方法は上述の要請をすべて考慮し解消するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,612,939号
【特許文献2】米国特許第8,568,837号
【特許文献3】米国特許第9,011,275号
【発明の開示】
【0009】
以上に従って、1実施例において、この発明は、少なくとも1つの熱硬化性または熱可塑性組成
物の少なくとも1つからなる少なくとも1つの層を有するゴルフボールの製造方法に向けられており、この方法は:最外側表面を具備する部分組立体を準備するステップと;軟化、溶融、および/または反応温度M
pを有する複数の粒子を有するポリマー混合物P
cを準備するステップと;P
cに接触していない熱源で、流体を、M
p≦M
phを満たす温度M
phまで加熱して加熱流体を形成するステップと;P
cに上記加熱流体を混合して加熱混合物P
csを形成して上記複数の粒子を軟化させ、溶融させ、および/または反応させるステップと;P
csを上記最外側表面に浴びせて上記最外側表面の周りに少なくとも1つの熱硬化性および/または熱可塑性層T
mplを形成するステップとを有する。
【0010】
1実施例において、M
phは上記外側表面の溶融/軟化/反応温度M
oより低い。他の実施例において、M
phは上記外側表面の軟化/溶融/または反応温度M
oと同じか高く、P
csは、P
csが上記最外側表面に浴びせられるときにM
oより低い温度M
csを有する。
【0011】
1実施例において、上記流体は気体であるけれども、上記流体は任意の適切な媒体または状態を有して良いことは理解できる。
【0012】
1実施例において、T
mplは約0.003インチから約0.10インチの厚さを有して良い。他の実施例において、T
mplは約0.003インチから約0.035インチの厚さを有して良い。
【0013】
P
cは、熱硬化性材料、熱可塑性材料、シンタクチックフォーム、またはこれらの組み合わせからなるグループから選択されて良い。1実施例において、P
cは粉末を有する。
【0014】
上記熱源は、火炎ベースの熱源、気体ベースの熱源、または電気ベースの熱源のうちの少なくとも1つであって良い。1実施例において、上記熱源は上記最外側表面に接触しない。
【0015】
P
cは、P
csが上記外側表面に接触するときに上記外側表面に少なくとも部分的に作用して良い。
【0016】
この発明のゴルフボールにおいて、上記部分組立体は、(i)コア;(ii)少なくとも1つの中間層により包囲されたコア;(iii)カバーにより包囲されたコア;または(iv)コア、カバーおよび上記カバーを包囲する少なくとも1つのコーティング層のうちの少なくとも1つを有して良い。
【0017】
1実施例において、ゴルフボールは、第1の層T
mpl1および第2の層T
mpl2を有する。T
mpl1は熱硬化性材料からなって良く、T
mpl2は熱可塑性材料からなって良い
。代替的には、T
mpl1およびT
mpl2は異なる熱硬化性材料からなって良い。または、T
mpl1およびT
mpl2は異なる熱可塑性材料からなって良い。1実施例において、T
mpl1およびT
mpl2は隣接し、異なる溶融/軟化/反応温度を有して良い。他の実施例において、T
mpl1およびT
mpl2は、それらの間に配される、少なくとも1つの異なる層を有して良い。
【0018】
Pcsが上記最外側表面に浴びせられるときに、上記部分組立体は静止していて良い。代替的には、Pcsが上記最外側表面に浴びせられるときに、上記部分組立
体は少なくとも部分的に回転し、またはその他の態様でつるされて良い。
【0019】
T
mplは外側コア層であって良い。1実施例において、上記部分組立体はコアを有し、T
mplは中間層である。他の実施例において、上記部分組立体はコアを包囲する中間層を有し、T
mplは内側カバー層である。
【0020】
1実施例において、上記流体はP
cおよび上記外側表面が上記熱源に露出されないようにする区画の内部で加熱されて良い。
【0021】
1実施例において、Pcsは、少なくとも1つの異なる加熱混合物P
cs'と同時に上記最外側表面に浴びせられ、P
csが少なくとも部分的にP
cs'と混合またはブレンドされてT
mplを形成するようになされて良い。T
mplは均一な厚さTを有して良く、P
cs:P
cs'の重量%比がTに渡って変化するようにP
csおよびP
cs'を有して良い。代替的には、T
mplは非均一な厚さT'を有して良く、P
cs:P
cs'の重量%比がT'に渡って変化するようにP
csおよびP
cs'を有して良い。
【0022】
他の実施例において、この発明は、少なくとも1つの熱硬化性または熱可塑性組成
物の少なくとも1つからなる少なくとも1つの層を有するゴルフボールの製造方法に向けられ、この方法は:第1の最内側表面を具備する第1のハーフシェルモールドおよび第2の最内側表面を具備する第2のハーフシェルモールドを準備するステップと;軟化、溶融、および/または反応温度M
pを有する複数の粒子を有するポリマー混合物P
cを準備するステップと;P
cに接触していない熱源で、流体を、M
p≦M
phを満たす温度M
phまで加熱して加熱流体を形成するステップと;P
cに上記加熱流体を混合して加熱混合物P
csを形成して上記複数の粒子を軟化させ、溶融させ、および/または反応させるステップと;P
csを上記第1の最内側表面および上記第2の最内側表面に浴びせて上記最内側表面の各々の上に少なくとも1つの熱硬化性および/または熱可塑性層T
mplを形成するステップと;上記第1および第2のハーフシェルモールドを係合させるステップとを有する。
【0023】
さらに他の実施例において、この発明は、異種の熱硬化性および/または熱可塑性組成
物からなる単一層を有するゴルフボールの製造方法に向けられており、この方法は:最内側表面または最外側表面の少なくとも一方を具備する部分組立体を準備するステップと;少なくとも2つのポリマー混合物P
cおよびP
c'を準備するステップとを有し;ここで、上記ポリマー混合物P
cは、上記ポリマー混合物P
c'の複数の粒子と異なる複数の粒子を有し;上記ポリマー混合物P
cは、軟化、溶融、および/または反応温度M
pを有し、上記ポリマー混合物P
c'は、軟化、溶融、および/または反応温度M
p'を有し;さらに、この方法は:P
cおよびP
c'に接触していない熱源で、少なくとも1つの流体を、M
p≦M
phおよびM
p'≦M
phを満たす温度M
phまで加熱して少なくとも1つの加熱流体を形成するステップと;P
cおよびP
c'に上記少なくとも1つの加熱流体を混合して加熱混合物P
csおよび加熱混合物P
cs'を形成してP
cおよびP
c'の上記複数の粒子を軟化させ、溶融させ、および/または反応させるステップと;加熱混合物P
csおよび加熱混合物P
cs'を上記最内側表面または上記最外側表面の少なくとも一方に浴びせるのを調整し/時間制御して、上記最外側表面の周りにP
cおよびP
c'の上記複数の粒子からなる異種熱硬化性および/または熱可塑性組成物からなる単一層T
hmplを形成するステップとを有する。種々の材料を、任意の厚さを有する全体的な単一層中において全体に渡って組み合わせて良く、2つの既存の別々の層の間の境界を変更する必要がない。
【0024】
1実施例において、 加熱混合物P
csおよび加熱混合物P
cs'は、上記最外側表面に浴びせられるとき、少なくとも部分的に混ざる。他の実施例において、加熱混合物P
csおよび加熱混合物P
cs'は上記最外側表面に個別に浴びせられ/方向づけられ、各々の浴びせつけを時間制御し、または調整して、上記単一層T
hmplを形成するときに、加熱混合物P
csおよび加熱混合物P
cs'が上記外側表面の上で部分的に混ざるようになす。
【0025】
さらに他の実施例において、T
hmplは均一な厚さTを有し、P
cs:P
cs'の重量%比がTに渡って変化するようにP
csおよびP
cs'を有する。さらに他の実施例に
おいて、T
hmplは均一な厚さTを有し、P
c:P
c'の重量%比がTに渡って変化するようにP
cおよびP
c'を有する。
【0026】
代替的な実施例において、T
hmplは非均一な厚さT'を有し、P
cs:P
cs'の重量%比がT'に渡って変化するようにP
csおよびP
cs'を有する。異なる実施例において、T
hmplは非均一な厚さT'を有し、P
c:P
c'の重量%比がT'に渡って変化するようにP
cおよびP
c'を有する。
【0027】
そのような実施例において、得られたゴルフボールは、この結果、内側表面または外側表面の少なくとも一方を具備する部分組立体と;それらの間に配され、少なくとも部分的その厚さに渡って異種ポリマー組成物混合物Mからになる層T
hmplsとを有して良く;混合物Mは加熱混合物P
csおよび異なる加熱混合物P
cs'からなり、これら混合物は一緒に、同時、または逐次に上記内側表面または上記外側表面の少なくとも1一方に浴びせられてT
hmplsを形成する。
【0028】
添付図面は明細書の一部を構成し、明細書との関連において理解されなければならい。ただし、図説の実施例は、単なる例にすぎず、限定的に解釈されることを意図しない。この図面において、種々の図における類似の参照番号および表示は類似の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】2つの異なる加熱混合物P
csおよびP
cs'からなる異種組成物を有してなる層T
hmplをゴルフボール部分組立体の周りに形成するための1システムの側面図を示す図である。
【
図2】
図1のシステムによってそのまわりに沿うT
hmplが形成された部分組立体の側面図であり、加熱混合物P
csが浴びせられるときに少なくとも部分的に加熱混合物P
cs'と混合されてT
hmplを形成するように、加熱混合物TcsおよびTcs'が最外側表面に同時に浴びせられることによってT
hmplができる。
【
図3】層T
hmplがそのまわりに形成された部分組立体の側面図であり、T
mplは、加熱混合物P
csが最外側表面に浴びせられて形成される。
【
図4】2つの異なる加熱混合物P
csおよびP
cs'からなる異種組成物を有してなる層T
hmplをゴルフボール部分組立体の周りに形成するための他のシステムの側面図を示す図である。
【
図5】
図3に示すようなゴルフボール部分組立体の周りに層T
hmplを形成するためのシステムの側面図を示す図である。
【
図6】
図3に示すようなゴルフボール部分組立体の周りに層T
hmplを形成するための他のシステムの側面図を示す図である。
【0030】
ゴルフボールは、任意の所望の厚さを有する少なくとも1つの熱可塑性および/または熱硬化性の層/コーティング/フィルムを組み込んで、信頼性高く、効率的に、かつ廉価に製造されて良く、いくつかの実施例においては、層/コーティング/フィルムが異なる所望の特性を有する少なくとも2つの組成物の混合物を有する異種組成物からなる。この発明のゴルフボールの製造方法においては、少なくとも1つの熱可塑性および/または熱硬化性層が、任意の基体/層/モールド表面の上、まわり、またはその中に形成されて良い。加熱流体(例えば空気)がポリマー粒子のストリームを囲み、これと混ざり、加熱混合物を形成し、この混合物において、ポリマー粒子は軟化、溶融、および/または反応開始する。そして、少なくとも1つのそのような加熱混合物が、層、コーティング、および/またはフィルムを形成すべき表面に浴びせられて良い。
【0031】
重要なことに、ポリマー粒子は加熱源に直接には接触しない。単に周囲の流体が熱源に露呈されるだけである。したがって、得られる層/コーティング/フィルムは損傷や望ましくない変形を受けることがない。なぜならば、ポリマー粒子が熱源への直接的な露出から防護されているからである。したがって、このような層/コーティング/フィルムを組み込んだゴルフボールは、従来の慣用的なゴルフボールと異なり、かつ改善されている。従来の慣用的なゴルフボールでは、部分組立体表面の上に層/コーティング/フィルムを形成するためにスプレイされる層/コーティング/フィルムは、これがスプレイされ、または他の態様で基体に方向づけられるときに、直接的に熱源に露呈される。
【0032】
このように、この発明においては、幅広い範囲の熱可塑性材料/アイオノマー、熱硬化性材料、エンジニアリングコーティング、およびシンタクチックフォームを任意の厚さでゴルフボール基体表面に塗布できる。慣用的な射出または圧縮成型では容易に実現できない薄い層が、今、これによって容易に形成される。そのような層は、下位のゴルフボール層の上に形成でき、またはゴルフボールペインティングプロセスにおける場合と同様に軸の上に回転さることができ、あるいは、代替的には、後続の圧縮/射出、または注型成型プロセスに先立ってモールドのキャビティ内にスプレイされて良い。
【0033】
上述の少なくとも1つの熱硬化性および/または熱可塑性層は、隣接する基体ゴルフボール層と、それらの間の界面において少なくとも部分的に相互作用して(interact)これら2つの層の間に所望の接着すなわち接着強度を実現する。この点において、相互作用(interaction/innteract)という用語は、例えば、架橋、融合を指し、ゴルフボール層の間の強固な接着または結合を形成する任意の既知のメカニズムにまで及ぶ。とくに、熱可塑性部分組立体または基体に関しては、スプレイされるべき層/コーティング/フィルムは、熱可塑性基体/部分組立体の軟化/溶融/反応温度より低い軟化/溶融/反応温度を有して、層/コーティング/フィルムが形成されるべき基体/部分組立体の損傷は望ましくない変形を阻止する必要がある。
【0034】
複数の、すなわち少なくとも2つの異なる加熱混合物を同時に、および/または、順次に基体/部分組立体に供給されて、もって、上述の少なくとも2つの異なる加熱混合物を混合したものから少なくとも部分的に構成される単一層が形成される、実施例を想定している。この実施例において、この発明のゴルフボールは、1つの層を組み込み、この層においては、加熱混合物Pcsが、少なくとも1つの異なる加熱混合物P
cs'と同時に最外側表面に浴びせられ、T
mplを形成するときに、P
csが少なくとも部分的にP
cs'と混合またはブレンドされるようになされる。この実施例において、得られた層は、異種組成物からなり、当該得られた層は、混合物P
csから単独に構成され、混合物P
cs'から単独に構成され、および/または目標のwt%比のP
csおよびP
cs'からなる種々のブレンドかれ構成される、目標の間欠的な領域/位置からなって良い。
【0035】
有益なことに、この発明のゴルフボールにおいては、異なる材料が単一の層に混ぜられ、その際、Hebertの先行するゴルフボールの場合のように2つの区分けされた層の間の境界を除去する必要がなく、この
先行するゴルフボールでは、2つの材料の混合は、異なる材料のメルトフローレートに単独に依拠していた。この発明のこのようなゴルフボールの1つの実施例において、得られたT
mplは均一な厚さTを有し、P
cs:P
cs'の重量%比がTに渡って変化するようにP
csおよびP
cs'をして良い。例えば、1実施例においてT
mplは、例えば、約1:20から約20:1に変化するP
cs:P
cs'の重量%比でP
csおよびP
cs'を有する。代替的には、T
mplは均一な厚さTを有するけれども、T全体にわたって変化することがない、すなわち、一定のP
cs:P
cs'の重量%比で、P
csおよびP
cs'を有して良い。
【0036】
代替的には、T
hmplは非均一な厚さT'を有し、P
cs:P
cs'の重量%比がT'に渡って変化するようにP
csおよびP
cs'を有して良い。他の実施例において、T
hmplは非均一な厚さT'を有するけれども、T全体にわたって変化することがない、すなわち、一定のP
cs:P
cs'の重量%比で、P
csおよびP
cs'を有して良い。
【0037】
複数の加熱混合物P
cs、P
cs'等を伴う1実施例において得られた層は、異種組成物を有し、ここで、加熱混合物の各々は、混合物P
csから単独に構成され、混合物P
cs'から単独に構成され、および/または目標のwt%比のP
csおよびP
cs'からなる種々のブレンドかれ構成される、間欠的な領域/位置からなる層を形成するために、調整され、かつ、設計され、または目標の態様で、基体/部分組立体に浴びせされる。
【0038】
この態様において、ゴルフボールは、任意の厚さを有し、かつ/また、異種組成物からなる単一層を組み込んで形成でき、その際、先に述べた欠点を伴わない。層の厚さ、および/または、層内における異種性の程度、および/または異種性のパターンは、例えば、以下のうちの、いずれか、または、すべてによって変化させることができ、これは、塗布レート(濃い塗布、薄い塗布、テーパー塗布等)、および/または各加熱混合物に対するスプレイガンの角度;浴びせられる加熱混合物との関係での基体/部分組立体の回転または固定;表面に対して浴びせられる異なる加熱混合物Pcs、Pcs'等の数を増やし、または減らすことである。
【0039】
図1、
図2、および
図3は、この発明のゴルフボールおよびこれを製造する方法の特徴のうちのいくつかを示す。
図1は、塗布機(appliator)3、5を具備するシステム2を示し、ここで、2つの異なる加熱混合物4、6が、ゴルフボール部分組立体10の外側表面8の上に浴びされれ/方向づけられ、供給されており、その際、ゴルフボール部分組立体10はユニット14の軸(spindle)12の周りをスピンさせられ、また、その他回転させられる。加熱混合物4、6は、ポリマー粒子16、18の各々が外側表面8に強制される際に、加熱流体20、22と混ざるときに、形成される。これに関し、ポリマー粒子16、18はチャネル24、26を通じてこれから浴びせられ、他方、加熱流体20、22は区画28、30から強制的に導出される。区画28、30はチャネル24、26を包囲するけれども、近づかない。ポリマー粒子16、18は、加熱流体20、22と接触し、かつ/また、混ざり、また加熱混合物4、6を形成するときに、軟化、溶融、その他、反応的になるのを開始する。加熱流体20、22は、区画28、30内で加熱され、ポリマー粒子16、18と接触しない。なぜならば、区画28、30はチャネル24、26を包囲するけれども近づかないからである。1実施例において、
図1に示すように、ポリマー粒子16は、ポリマー粒子18より大きい。
【0040】
図1は、複数の異なる加熱混合物が部分組立体の外側表面に浴びせられて、外側表面8の周りに、ポリマー粒子16、18のような異なる材料からなる、結果としての異種の層/コーティングを形成して良い。多くの所望のゴルフボール特徴が、例えば、加熱流体20、22に混ぜられるポリマー粒子16、18の相対量;および/または、加熱混合物4、6が外側表面に浴びせられる相対圧力および速度;および/または、部分組立体10がシステム2に対してどのように回転するか(または加熱混合物4、6が外側表面8に浴びせられる際に塗布機3、5が外側表面8に対してどのように配置されるか)を修正し、また調整することによって、容易に実現できる。
【0041】
1実施例において、加熱混合物4は、少なくとも1つの異なる加熱混合物6と一緒に外側表面に浴びせられて混合物4の加熱ポリマー粒子16が、ポリマー粒子18と少なくとも部分的に混ざり、またはブレンドされ、T
mplを形成して良い。T
mplは、均一な厚さTを有し、Tを通じて、変化する比率でポリマー粒子16および18を有して良い。代替的には、T
mplは、非均一な厚さT'を有し、T'を通じて、変化するwt%比P
cs:P
cs'でポリマー粒子16および18を有して良い。
【0042】
この発明
のゴルフボールを製造する方法は、材料をスプレイする任意のインラインコーティング状プロセスに容易かつ廉価に利用/適合化される。
図1のシステム2(および以下の
図4のシステム40)は、この発明の方法に従ってゴルフボールを形成するための多くの種々の実現可能なスプレイ構成の全般的な例であることを理解されたい。例えば、代替的な実施例において、ゴルフボール部分組立体8は少なくとも一時的に静止状態にでき、その一方で、異なる加熱混合物4、6がゴルフボール部分組立体10の表面8に浴びせられ、方向づけられ、および/または供給されて良い。
【0043】
もちろん、2つの加熱流体例えば20および22が
実質的に同一であってもよく、代替的には、所定の非制約的な側面において、例えば状態(気体に対して液体等)のいて異なって良いことは想定できる。
【0044】
図2は、
図1に示されるシステムによって層形成された、1つの実現可能なゴルフボール32を示し、ここで、異種単一層34がゴルフボール部分組立体10の外側表面8の周りに形成され、これが2つの異なる加熱混合物からなり、粒子16がポリマー粒子18より大きい。このようにして、異種単一層34は、有益なことに、層材料自体(ポリマー粒子16、18)または外側表面のいずれにも損傷を与えることなく、任意の所望の空間配列で粒子16および18を含んで良い。
【0045】
図3は、異種単一層38をゴルフボール部分組立体10の外側表面8の周りに形成
させる代替的なこの発明のゴルフボール36を図説し、ここで、ポリマー粒子16および18は実質的に同一サイズであるけれども、密度等のいくつかの他の側面または特徴において異なる。すなわち、ポリマー粒子16および18は、いくつかの実施例において、類似または同一の直径/寸法を有し、しかしながら、何らかの他の側面においてそれでも異なる。
【0046】
図4は、他のシステム40を示し、ここでは、ポリマー粒子16および18が、システム40内の単一ストリームの加熱流体46中へとポート/チャネル48、50を介して、別々に、加熱流体46を加熱する熱源52と接触することがないように供給されるときに、異種の結果としてのコーティング/層42が、部分組立体44の外側表面8の周りに形成される。加熱流体46およびポリマー粒子16および18は混ざり、これによって、加熱混合物54を形成し、この加熱混合物が、ポリマー粒子16および18が軟化、溶融、および/または反応的になるときに、外側表面8の上に浴びせられる。有益なことに、ゴルフボール部分組立体44の外側表面8に形成される、結果としての層/コーティング42は、必要であれば、結果としての層/コーティング42の全体の厚さを通じて異種であって良く、結果としての異種の層/コーティング42に渡ってポリマー16および18の各々が実現する固有の特性を組み込んでいる。
【0047】
異種の層/コーティング42は部分56および58からなり、ここで、部分56はポリマー粒子16のポリマーを示し、部分58はポリマー粒子18のポリマーを示す。
図4において、結果としての層/コーティング42の部分56および58は、結果としての層/コーティング42を通じて異種であることを示すためのみに粒子状に表れている。結果としてのゴルフボール60において、層/コーティング42は、層/コーティング/フィルム42の厚さ全体に渡って、部分56および58からなる異種のブレンドを有する。
【0048】
多くの所望のゴルフボール特徴が、例えば、加熱混合物内で外側表面8に浴びせられるポリマー粒子の時間調整および/または密度を修正することによって、容易かつ廉価に目標達成され、実現される。例えば以下を調整することが可能である。すなわち、加熱流体46に混ぜられるポリマー粒子16、18の相対量;および/または、加熱混合物50が外側表面に浴びせられる相対圧力および速度;および/または、部分組立体10がシステム40に対してどのように回転するか(または加熱混合物54が外側表面8に浴びせられる際に塗布機3、5が外側表面8に対してどのように配置されるか)を修正し、また調整する。
【0049】
また、流体は、それ自体、1または複数の状態、例えば気体等を有して良く、また任意の適切な加熱手段、例えば、電気、加熱気体等の少なくとも1つによって加熱されて良い。
【0050】
図5および
図6は、単一の加熱混合物が外側表面8の上に浴びせられ/方向づけられ/供給される複数の実施例を示す。
図5において、システム62は塗布機3を有し、ここで、加熱混合物4はゴルフボール部分組立体10の外側表面8の上に浴びせられ/方向づけられ/供給され、その一方でゴルフボール部分組立体10
はユニット14の軸12の周りをスピンし、またはその他の態様で回転する。実質的に類似のポリマー粒子16が加熱流体20と混ざり、外側表面8に強制されるときに、加熱混合物4が形成される。この点、ポリマー粒子16はチャネル24から、これを通じて浴びせられ、他方、加熱流体20は区画28から強制的に導出される。区画28はチャネル24を包囲するけれども近づかない。ポリマー粒子16は、加熱流体20と接触し、かつ/また、混ざり、また加熱混合物4を形成するときに、軟化、溶融、その他、反応的になるのを開始する。加熱流体20は、区画28内で加熱され、ポリマー粒子16と接触しない。なぜならば、区画28はチャネル24を包囲するけれども近づかないからである。
図5に示す実施例において、ポリマー粒子16は実質的に類似である。ポリマー粒子16は、加熱混合物4が外側表面と接触するときに、少なくとも部分的に外側表面8と相互作用する。
【0051】
他方、
図6、実質的に類似のポリマー粒子からなる加熱
混合物を外側表面の周りに浴びせ/方向づけ/供給するための異なるシステム64を示す。システム64において、ポリマー粒子16が、システム64内の単一ストリームの加熱流体46中へとポート/チャネル48、50を介して、加熱流体46を加熱する熱源52と接触することがないように供給されるときに、異種の結果としてのコーティング/層68が、部分組立体44の外側表面8の周りに形成される。加熱流体は流体45として出発し、チャネル47を介してシステム64内へ案内される。加熱流体46およびポリマー粒子16は混ざり、これによって、加熱混合物72を形成し、この加熱混合物が、ポリマー粒子16が軟化、溶融、および/または反応的になるときに、外側表面8の上に浴びせられる。有益なことに、結果としての層/コーティング68が、ゴルフボール部分組立体44の外側表面8に形成され、この際、層材料の
損傷または修正を伴うことなく、最適な特徴を実現でき、これは、ポリマー粒子16が熱源70に接触しないからである。ポリマー粒子16は、加熱混合物72が外側表面8に接触するときに、少なくとも部分的に外側表面8と接触できる。
【0052】
以下の例は、任意の厚さの層/コーティング/フィルムが、ここで検討した先行するゴルフボールの問題を伴うことなく、どのようにゴルフボールに組み込まれるかを図説し、また、ポリマー粒子および部分組立体の外側表面の軟化/溶融/反応温度が、この発明のゴルフボールにおいて有益なことにどのように調整することができ、これにより、特性を最適化し、また、層材料が外側表面の周り/上に供給され/浴びせられつときに層材料および/または外側表面の材料が受ける損傷を最小化するかを図説する。
【0053】
これに関し、つぎの部分組立体が以下のように層形成/コーティング/フィルム化された試験を行った。
(1) 少なくとも4個の1.550インチのポリブタジエンコアが慣用的なトリポットスタンドに実装され、各コアの全表面がResoCoat(商標)301ポリブタジエンベースの熱可塑性コーティングで35〜40milスプレイされ、これは1.620インチのカップを、類似だけれどもスプレイの材料に置き換えることができた。
(2) 少なくとも4個の1.620インチカップ、コアあたり2つの同一部分が慣用的な保持スタンドで保持され、ResoCoat(商標)を35〜45milだけスプレイし、これは、圧縮成型前に、ケーシングされたコアの外側表面の周りに形成された薄いゴルフボール層にすることができた。
(3) 少なくとも4個の1.580インチのコアが慣用的なトリポットスタンドに実装され、全外側表面が薄い(<10mil)層でスプレイされ、これは、コアを望ましくない湿気浸透から防護する低水蒸気透過率(MVTR)のコーティングとして働くことができた。
(4) 2つの1.68インチのディンプル付きキャビティが、耐熱材料で、モールドエッジ位置で、マスクされ、モールド本体の上に材料被着が行われないようにした。つぎに、圧縮成型ステップの途中で、内部をResoCoat(商標)301でスプレイして、コアでなく、モールド中にカバー層を形成することを試した。
(5) 少なくとも4個の1.68インチの成型済みボールを慣用的なトリポッドスタンドに実装して、ゴルフボールの最外側表面を形成するために、全外側表面がResoCoat(商標)301スプレイされた。
【0054】
試験中、ResoCoat(商標)301、ポリブタジエンベース、ポリマーサーマルスプレイ(PTS)粉末がポリマー混合物として使用された。ResoCoat(商標)301は、ゴルフボール構造において慣用的に使用される、Surlyn(商標)アイオノマーと材料組成状類似している。ResoCoat(商標)301
が140メッシュ篩レベルで使用され、これは顕著に細かい粒子レベルである。このサイズは、薄い膜を形成するときに、滑らかで平坦なコーティングを最大化するために選択された。
【0055】
流体を加熱し(電気熱源)、加熱流体(高温気体)をポリマー混合物に混ぜ、加熱混合物を書く表面に浴びせるのに使用されるシステムは、Resodyn PTS5−5kW電気被着PTSシステム(PTSは「ポリマーサーマルスプレイ」(polymer thermal spray)を表し、数字5はシステムの電気版が生成するエネルギーの5kWを表す)である。この具体的なモデルは、小規模で潜在的に余裕がない空間をスプレイし、塗布技術者により
良好な熱コントロールを与えるという試みに起因して具体的に選択された。また、米国特許第8,857,733号(Galbraith等、Resodyn Corporation)を参照されたい。その内容は参照してここに組み入れる。
【0056】
観測は各グループについて以下のとおり表1に報告される。
【表1】
【0057】
表1に示されるように、スプレイ組成物が加熱源に露出されないときには、平坦で一貫性のある厚さが約35〜45mil(milは1000分の1インチ)の層が熱硬化性コア表面に渡って成功裏に形成された。さらに、厚さが6.5〜7.5milの極めて薄い層が、ケーシングされたコア表面に直接に形成された。この層は蒸気バリア層として特に有益である。これらの例の各々において、塗布機は加熱気体および流体化されたポリマー粉末を混ぜた。空気を加熱するための加熱源はポリマー粉末に接触しなかった。このため、ポリマー粉末が加熱空気とともに加熱混合物を形成し、これが層形成/コーティング形成/フィルム形成対象のコア表面に浴びせられるときに、ポリマー粉末に損傷を与えることを回避できた。
【0058】
留意すべきことに、加熱混合物を熱可塑性ケーシングカップの周りにスプレイするので、加熱混合物の温度を、層形成/コーティング形成/フィルム形成対象の熱可塑性ケーシングカップの表面の軟化、溶融、反応温度より低くする必要がある。ここでは、T
mplまたはT
hmplが熱硬化層であり、そうでないと、層形成/コーティング形成/フィルム形成対象の熱可塑性カップに変形が生じることは購入者には明らかである。
【0059】
キャビティ中に層をスプレイすることは、好ましくは、モールド形状の完全性を保持し、また、モールドパターンを明瞭に保持した。有益なことに、材料の厚さはパターン保持または複製に影響を与えなかった。
【0060】
スプレイ角度を変化させると層の厚さを変化させることが分かった。例えば、スプレイ角度を、直接の真上から、キャビティの底部まで変化させると、キャビティの底部により濃厚な被着が生成された。他方、スプレイ角度を、真上からキャビティ壁の側部に沿って変化させると、より多くの材料が壁に沿って被着した。プラスチックカップを観察すると、厚さがドームの頂部から縁部へと変化することがわかった。この変化は、熱および圧力が印加されるとき、ホールド効率を向上させるであろう。結果によれば、モールド内に、任意の数の層、異なる層を塗布する性能が実現できる。
【0061】
コーティング破砕ボールの初期段階の間、モールドシェルのシームラインが即座に明瞭になった。モールドされ粉砕されたカバーを作成するのに使用された熱可塑性カップは、生のカップと同一の加熱制限の影響を明瞭に受けやすかった。したがって、少なくともいくつかの用途においては、層/コーティング/フィルム材料、および/または基体は、各々、層/コーティング/フィルム材料が期待の表面の軟化/溶融/反応温度より低い軟化/溶融/反応温度を有するように選択されるべきである。そのような場合では、層/コーティング/フィルム材料(加熱混合物)がコーティングされ層形成されるべき基体(部分組立体)の表面の軟化/溶融/反応温度より低い軟化/溶融/反応温度を有するならば、基体の表面の変形を回避できる。
【0062】
このように、層形成/コーティング/フィルム付加された部分組立体がここに形成され、この部分組立体は、顕著で、予想できない改善を、ポリマー粉末および層形成/コーティング/フィルム付加対象の部分組立体の双方が熱源と接触する、慣用的なサーマルスプレイ方法を通じて形成された層/コーティング/フィルムを組み込んだゴルフボールに対して発揮する。
【0063】
また、複数の異なる
加熱混合物を同時にまたは逐次的に浴びせて、これら混合物の双方からなる単一層を形成して、そのような層/コーティング/フィルムを組み込んだゴルフボールにおいて所望の特性/競技特徴を実現できる。
【0064】
この発明のゴルフボールは、また、慣用的なゴルフボール層組成物、例えば、アイオノマー、ポリウレタン、ポリ尿素、TPE、HNP、架橋ゴム、層、またはこれらのブレンド/混合物/組み合わせからなる任意数の他のゴルフボール層を組み入れて良い。
【0065】
適切な層組成物は例えば米国特許第6,953,820号、および同第6,939,907号、および同第5,919,100号、同第6,653,382号、同第6,872,774号、同第7,074,137号、および同第7,300,364号に開示されており、それらの内容は参照してここに組み入れる。
【0066】
適切なゴム組成物は、天然ゴムおよび合成ゴムから選択されたベースゴムを含み、これは、それに限定されないけれども、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレンプロピレンゴム(「EPR」)、エチレンプロピレンジエンゴム(「EPDM」)、スチレンブタジエンゴム、スチレンブロックコポリマーゴム、ブチルゴム、ハロブチルゴム、イソブチレンおよびパラ−アルキルスチレンのコポリマー、イソブチレンおよびパラ−アルキルスチレンのハロゲン化コポリマー、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリクロロプレン、アルキルアクリレートゴム、塩化イソプレンゴム、アクリロニトリル塩化イソプレンゴム、ポリスチレンエラストマー、ポリエチレンエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリ尿素エラストマー、メタローセン触媒エラストマーおよびプラストマー、ポリアルケナマー、フェノールホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、ポリエポキシド、ポリシロキサン、アルキド、ポリイソシアヌレート、ポリシアヌレート、ポリアクリレート、およびこれらの2またはそれ以上の組み合わせから選択されたベースゴムを含む。ジエンゴムが好ましく、とくに、ポリブタジエン、スチレンブタジエン、アクリロニトリルブタジエン、およびポリブタジエンと他のエラストマーとの混合物であって、混合物のポリマーの総重量を基準にして少なくとも40%の量のブタジエンが存在するものが、好ましい。
【0067】
適切な商業的に入手可能なゴムの非制限的な例は、Lanxess Corporationから商業的に入手可能な、Buna CB 23、Buna CB24のような、Buna CB 高シス−ネオジム触媒ポリブタジエンゴム、および、Buna CB 1203、1220、および1221のような、Buna CB高シス−コバルト触媒ポリブタジエンゴム;The Dow Chemical Companyから商業的に入手可能な、SE BR−1220;Polimeri Europa(商標)から商業的に入手可能なEuroprene(商標) NEOCIS(商標) BR40およびBR60;UBE Industries,Incから商業的に入手可能なUBEPOL−BR(商標)ゴム;Japan Synthetic Rubber Co., Ltdから商業的に入手可能なBR01;Karbochemから商業的に入手可能なNeodene BR40のようなNeodene 高シスネオジム触媒ポリブタジエンゴム;Kuraray Co., Ltdから商業的に入手可能なTP−301トランスポリイソプレン;Evonic Industriesから商業的に入手可能な、Vestenamers(商標)ポリオクテナマー;ExxonMobile Chemical Companyから商業的に入手可能な、Butyl 065およびButyl 288ブチルゴム;Lanxess Corporationから商業的に入手可能なButyl 301およびButyl 101−3;ExxonMobile Chemical Companyから商業的に入手可能な、Bromobutyl 2224およびChlorobutyl 1066ハロブチルゴム;Lanxess Corporationから商業的に入手可能な、Bromobutyl X2およびChlorobutyl 1240ハロブチルゴム;Japan Synthetic Rubber Co., Ltdから商業的に入手可能な、Bromobutyl 2255ブチルゴム;ExxonMobile Chemical Companyから商業的に入手可能な、Vistalon(商標)404およびVistalon(商標)706エチレンプロピレンゴム;Polimeri Europaから商業的に入手可能な、Dutral CO 058エチレンプロピレンゴム;The Dow Chemical Companyから商業的に入手可能な、Nordel(商標) IP NDR 5565およびNordel(商標) IP 3670エチレンプロピレンジエンゴム;Mitsui Corporationから商業的に入手可能なEPT1045およびEPT1045エチレンプロピレンジエンゴム;Lanxess Corporationから商業的に入手可能な、Buna SE 1721 TE スチレンブタジエンゴム;Karbochemから商業的に入手可能なAfpol 1500およびAfpol 552スチレンブタジエンゴム;Zeon Chemicals、L.P.から商業的に入手可能な、Nipol(商標)DN407およびNipol(商標)1041Lアクリロニトリルブタジエンゴム;E.I.duPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、Neoprene GRTおよびNeoprene AD30ポリクロロプレンゴム;E.I.duPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、Vamac(商標)エチレンアクリル酸エラストマー;Zeon Chemicals、L.P.から商業的に入手可能な、Hytemp(商標)AR12およびAR214アルキルアクリレートゴム;E.I.duPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、Hypalon(商標)クロロスルホン化ポリエチレンゴム;およびGoodyear Chemicalから商業的に入手可能なGoodyear Budene(商標)1207ポリブタジエンである。具体的な実施例において、コアは、ベースゴムとして、Neodene BR 40ポリブタジエン、Budene(商標)1207ポリブタジエン、およびBUNA SB 1502スチレンブタジエンゴムのブレンドを有するゴム組成物から形成される。他の具体的な実施例において、コアは、ベースゴムとして、Neodene BR 40、BUNA CB1221、およびコアリグリンドのブレンドを有するゴム組成物から形成される。
【0068】
ゴムは、例えば、過酸化物または硫黄硬化系、C−C開始剤、フリーラジカルを生成できる高エネルギー照射源、または、これらの組み合わせを使用して架橋される。ゴム組成物は、オプションに、以下の1または複数のものを含んでよく、これは、スコーチ遅延剤、酸化防止剤、ソフト・高速化剤、フィラー、処理助剤、処理オイル、着色剤、蛍光剤、化学膨張・発泡剤、消泡剤、安定化剤、軟化剤、衝撃修正剤、フィリーラジカル捕捉剤、オゾン化防止剤(例えばp−ペニレンジアミン)である。ゴム、開始剤、コエージェント、フィラー、および添加物の適切なタイプおよび量は、例えば、米国特許第6,566,483号、同第6,695,718号、同第6,939,907号、同第7,041,721号、および同第7,138,460号にさらに充分に記述されており、これらの内容は参照してここに組み入れる。特に適切なジエンゴム組成物は、例えば米国特許第7,654,918号に開示されており、この内容は参照してここに組み入れる。
【0069】
適切なアイオノマー組成物は、部分的に中和されたアイオノマーおよび高度に中和されたアイオノマーを含み、これらは、2またはそれ以上の部分的に中和されたアイオノマーのブレンド、2またはそれ以上の高度に中和されたアイオノマーのブレンド、および1または複数の部分的に中和されたアイオノマーおよび1または複数の高度の中和されたアイオノマーのブレンドを含む。好ましいアイオノマーは、O/XおよびO/X/Yタイプの酸コポリマーの塩であり、ここで、Oはα−オレフィン、XはC
3−C
8α,βエチレン系不飽和カルボン酸、Yは軟化モノマーである。Oは好ましくはエチレンおよびプロピレンから選択される。Xは好ましくはメタクリル酸、アクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、およびイタコン酸から選択される。メタクリル酸およびアクリル酸がとくに好ましい。ここで使用されるように「(メタ)アクリル酸」はメタクリル酸および/またはアクリル酸を意味する。同様に、「(メタ)アクリレート」はメタクリレートおよびアクリレートを意味する。Yは好ましくは(メタ)アクリレートおよびアクリル(メタ)アクリレートであり、アクリル基は1〜8の炭素原子を含む、これに限定されないが、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、およびエチル(メタ)アクリレートを含む。とくに好ましいO/X/Yタイプのコポリマーはエチレン/(メタ)アクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/(メタ)アクリル酸/イソブチル(メタ)アクリレート、エチレン/(メタ)アクリル酸/メチルアクリレート、およびエチレン/(メタ)アクリル酸/エチルアクリレートである。酸は典型的には酸コポリマー中に、酸コポリマーの総重量を基準にして、6wt%以上、または9wt%以上、または10wt%以上、または11wt%以上、または15wt%以上、または16wt%以上の量だけ、あるいは、下限が1または4または6または8または10または11または12または15wt%で上限が15または16または17または19または20または20.5または21または25または30または35または40wt%の範囲内の量だけ存在する。酸コポリマーはカチオン源によって少なくとも部分的に中和され、オプションとして大きな分子量の有機酸、例えば、米国特許第6,756,436号に開示されたものの存在下で中和され、その内容は参照してここに組み入れる。具体的な実施例において、組成物中に存在する40%未満の酸基が中和される。他の具体的な実施例において、組成物中に存在する40%から60%の酸基が中和される。他の具体的な実施例において、組成物中に存在する60%から80%の酸基が中和される。他の具体的な実施例において、組成物中に存在する80%から100%の酸基が中和される。適切なカチオン源は、これに限定されないが、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、および希土類元素の化合物のような金属イオン源;アンモニウム塩およびモノアミン塩;およびこれらの組み合わせを含む。好ましいカチオン源は、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、バリウム、マンガン、銅、亜鉛、錫、リチウム、および希土類金属の化合物である。具体的な実施例において、アイオノマー組成物はバイモーダルアイオノマー、例えば、DuPont(商標)AD1043、並びに、米国特許出願公開第2004/0220343号、および米国特許第6,562,906号、同第6,762,246号、および同第7,273,903号に開示されたアイオノマーを含み、その開示内容は参照してここに組み入れる。適切なアイオノマーは、さらに、米国特許出願公開第2005/0049367号、同第2005/0148725号、同第2005/0020741号、同第2004/0220343号、および同第2003/0130434号、並びに、米国特許第5,587,430号、同第5,691,418号、同第5,866,658号、同第6,100,321号、同第6,562,906号、同第6,653,382号、同第6,756,436号、同第6,777,472号、同第6,762,246号、同第6,815,480号、同第6,894,098号、同第6,919,393号、同第6,953,820号、同第6,994,638号、同第7,375,151号、および同第7,652,086号にも開示されており、その内容は参照してここに組み入れる。
【0070】
適切なアイオノマー組成物は、また、1または複数の部分的にまたは純分に中和されたポリマーと付加的な熱可塑性または熱硬化性材料とのブレンドを含み、この付加的な材料は、これに限定されないが、非アイオノマー酸コポリマー、エンジニアリング熱可塑性材料、脂肪酸/塩をベースにした硬度に中和されたポリマー、ポリブタジエン、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエステル、ポリカーボネート/ポリエステルブレンド、熱可塑性エラストマー、無水マレイン酸ドラフト化メタローセン触媒ポリマー、および他の慣用的なポリマー材料を含む。
【0071】
適切なアイオノマー組成物は例えば米国特許第6,653,382号、同第6,756,436号、同第6,777,472号、同第6,894,098号、同第6,919,393号、および同第6,953,820号にさらに開示されており、その内容は参照してここに組み入れる。
【0072】
また、ポリエステルアイオノマーも適切であり、これに限定されないが、例えば、米国特許第6,476,157号および同第7,074,465号に開示されているものを含み、これらの内容は参照してここに組み入れる。
【0073】
また、シリコーンアイオノマーを有する熱可塑性エラストマーも適切であり、これは例えば、米国特許第8,329,156号に開示され、その内容は参照してここに組み入れる。
【0074】
以下の非アイオノマー性ポリマーも、また適切であり、これはこれらのホモポリマーおよびコポリマー、並びに、少なくとも1つのグラフト化またはコポリマー化された官能基、例えば、無水マレイン酸、アミン、エポキシ、イソシアネート、ヒドロキシル、スルホン酸塩、燐酸塩、その他と適合性がある、それらの誘導体を含む。
(a)ポリエステル、とくに適合化基、例えば、スルホン酸塩または燐酸塩により改質したポリエステル。これは改質ポリ(エチレンテレフタレート)、改質ポリ(ブチレンテレフタレート)、改質ポリ(プロピレンテレフタレート)、改質ポリ(トリメチレンテレフタレート)、改質ポリ(エチレンナフテネート)、および、米国特許第6,353,050号、同第6,274,298号、および同第6,001,930号に開示されたもの、およびこれらの2以上のブレンドを含む。これらの文献の内容は参照してここに組み入れる。
(b)ポリアミド、ポリアミド−エーテル、およびポリアミド−エステル、および米国特許第6,187,864号、同第6,001,930号、および同第5,981,654号に開示されたもの、およびこれらの2以上のブレンド。これらの文献の内容は参照してここに組み入れる。
(c)ポリウレタン、ポリ尿素、ポリウレタン−ポリ尿素ハイブリッド、およびこれらの2以上のブレンド。
(d)フルオロポリマー、例えば米国特許第5,691,066号、同第6,747,110号、および同第7,009,002号に開示されたもの、およびこれらの2以上のブレンド。これら文献の内容は参照してここに組み入れる。
(e)非アイオノマー性酸ポリマー、例えばE/Y−およびE/X/Y−タイプのコポリマー、ただし、Eはオレフィン(例えばエチレン)であり、Xはカルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、またはイタコン酸であり、かつ、Yは軟化コモノマー、例えば、酸が2から10個の炭素を具備する脂肪族カルボン酸のビニルエステート、アルキル基が1から10個の炭素を具備するアルキルエーテル、およびアルキル基が1から10個の炭素を具備するアルキルアクリレート;およびこれらの2以上のブレンド。これは例えば米国特許第6,872,774号に開示されたものであり、その内容は参照してここに組み入れる。
(f)メタローセン触媒ポリマー、例えば、米国特許第6,274,669号、同第5,919,862号、同第5,981,654号、および同第5,703,166号に開示されたもの、およびこれらの2以上のブレンド。これら文献の内容は参照してここに組み入れる。
(g)ポリスチレン、例えば、ポリ(スチレン−コ−無水マレイン酸)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、ポリ(スチレンスルホネート)、ポリエチレンスチレン、およびこれらのブレンド。
(h)ポリプロピレン、ポリエチレン、部分的にドラフト化されたポリプロピレンおよび他官能基で改質されたグラフト化ポリプロピレン、例えばスルホネートの無水物、およびこれらの2以上のブレンド。
(i)ポリビニルクロライド、グラフト化ポリビニルクロライド、およびこれらの2以上のブレンド。
(j)ポリビニルアセテート、好ましくは、約9重量%未満のビニルアセテートを具備するもの、およびこれらの2以上のブレンド。
(k)ポリカーボネート、ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエンスチレンのブレンド、ポリカーボネート/ポリウレタンのブレンド、およびポリカーボネート/ポリエステルのブレンド、およびこれらの2以上のブレンド。
(l)ポリビニルアルコールおよびこれらの2以上のブレンド。
(m)ポリエーテル、例えば、ポリアリーレンエーテル、ポリフェニレンオキシド、アルケン芳香族炭化水素のビニル芳香族炭化水素およびポリ(アミド酸エステル)とのブロックコポリマー、およびこれらの2以上のブレンド。
(n)ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド、およびこれらの2以上のブレンド。
(o)ポリカーボネート/ポリエステルコポリマーおよびブレンド。
(p)上述の熱可塑性ポリマーの2以上の組み合わせ。
【0075】
商業的に入手可能な熱可塑性材料の例は、これに限定されないが、Arkema Incから商業的に入手可能なPebax商標)熱可塑性ポリエーテルブロックアミド;Surlyn(商標)アイオノマー樹脂、Hytrel(商標)熱可塑性ポリエステルエラストマー、DuPont HPF 1000、HPF 2000、HPF AD 1035、HPF AD 1040の商標の下で販売されているアイオノマー材料であって、すべてE.I.DuPont社から商業的に入手可能なもの;ExxonMobil Chemical社から商業敵意入手可能なIotek(商標)アイオノマー;The Dow Chemical Company社から商業的に入手可能なAmplify(商標)IOエチレンアクリル酸コポリマーのアイオノマー;A. Schulman Incから商業的に入手可能なClarixアイオノマー樹脂;BASF社から商業的に入手可能なElastollan(商標)ポリウレタンブレンドベースの熱可塑性エラストマー;およびSABIC Innovative Plastics社から商業的に入手可能なXylex(商標)ポリカーボネート/ポリエステルブレンドを含む。
【0076】
適切な可塑化ポリマー組成物は、当該組成物の剛性および/または硬度を実質的に変化させるのに十分な量だけ可塑剤を含み、典型的には、20から99.5wt%のポリマー、および0.5から80wt%の可塑剤をポリマーおよび可塑剤の組み合わせ重量を基準にして有する。具体的な実施例において、可塑剤は、ポリマーおよび可塑剤の組み合わせ重量を基準にして、重量で、0.5%または1%または3%または5%または7%または8%または9%または10%または12%または15%または18%または20%または22%または25%または30%または35%または40%または42%または50%または55%または60%または66%または71%または75%または80%の量だけ存在し、あるいは、可塑剤は、これらの値から選択された下限および上限の範囲内の量だけ存在する。適切なポリマーは酸コポリマー、とりわけ、部分的に中和された酸コポリマー、高度に中和された酸コポリマー(「HNP」)、ポリエステル、ポリアミド、熱硬化性および熱可塑性ポリウレタンを含む。
【0077】
適切な可塑化酸コポリマー組成物、可塑化された部分的に中和された酸コポリマー組成物、可塑化されたHNP組成物、およびそのような組成物を利用するのにとくに適切なゴルフボール構造は、さらに、例えば、米国特許出願公開第2015/0031475号、米国特許出願公開第2015/0005108号、米国特許出願第14/576,800号、および米国特許出願第14/588,317号に開示され、それらの内容は参照してここに組み入れる。
【0078】
適切な可塑化ポリエステル組成物、およびそのような組成物を利用するのにとくに適切なゴルフボール構造は、さらに、例えば、米国特許出願第14/532,141号に開示され、その内容は参照してここに組み入れる。
【0079】
適切な可塑化ポリアミド組成物、および、そのような組成物を利用するのにとくに適切なゴルフボール構造は、さらに、例えば、米国特許出願公開号2014/0302947号、米国特許出願公開号2014/0323243号、米国特許出願公開号2015/0057105号、および米国特許出願第14/576,324号に開示され、これらの内容は参照してここに組み入れる。
【0080】
適切な可塑化ポリウレタン組成物は、および、そのような組成物を利用するのにとくに適切なゴルフボール構造は、さらに、例えば、米国特許出願第14/672,538号、米国特許出願第14/672,523号、米国特許出願第14/672,485号、および米国特許出願第14/691,720号に開示され、これらの内容は参照してここに組み入れる。さらに、適切な可塑化組成物は、例えば、米国特許第14/571,610号、および同第14/707,028号に開示されたものを含む。
【0081】
また、この発明のゴルフボールは、任意に既知の構造を有して良く、また任意の既知の特性を伴う任意数の層を具備して良い。1つの非制約的な例において、この発明のゴルフボールは、直径が約1.20インチから約1.65インチの単一コアを有して良い。代替的には、コアは総合直径が約1.40インチから約1.65インチの二重コア構造を有して良く、ここで、例えば、内側コアの直径は約0.75インチから約1.30インチであり、外側コアの厚さは約0.05インチから約0.45インチであって良い。カバーの厚さは全般的には約0.015インチから約0.090インチの範囲であるけれども、この発明のゴルフボールは任意の既知の厚さを有して良い。また、ケーシング層および内側カバー層の各々は典型的には約0.01インチから約0.06インチの範囲の厚さを有する。この発明のゴルフボールは、また、1または複数のフィルム層、ポイント層、またはコーティング層を有して良く、その組み合わせ厚さは約0.1μmから約30μmである。他方、各コーティング層は、例えば、約0.1μmから約50μm、または、約0.1μmから約25μm、または、約0.1μmから約14μm、または、約2μmから約9μmの厚さを有する。
【0082】
この発明のゴルフボールは、印(indicia)をさらに組み込んで良く、これはここで使用されるように、ゴルフボールのディンプル表面に付加できる、任意のシンボル、文字、文字群、デザイン、その他を意味する。
【0083】
いずれの既知のディンプルパターンは任意の形状および寸法のディンプルを任意数伴って良い。例えば、ディンプル数は252から456であり、または、330から392であり、ディンプルは任意の幅、深さ、およびエッジ角度を伴って良い。パターンの分離線構造は、直線でも、互い違いの波状の分離線(SWPL)でもよい。
【0084】
これら実施例のいずれにおいても、単一層コアを2またはそれ以上の層からなるコアに置き換えてよい。ただし、少なくとも1つのコア層が硬度勾配を伴う。また、カバーの硬度は、所望の競技特性に応じて目標化されて良い。一般的な規則として、他のすべてが同じ条件では、比較的ソフトなカバーを有するゴルフボールは、類似の構成でありながらより硬いカバーを有するボールよりより多くスピンする。
【0085】
この考案の目的に関しては、「圧縮」はAtti圧縮を指し、Atti圧縮試験装置を用いて既知の手順で測定される。ピストンの移動を固定して、スプリングの偏位を測定する。スプリングの偏位の測定はボールと接触しても始まらない。そうでなくて、スプリングの変位の最初のほぼ1.25mm(0.05インチ)がオフセットである。非常に剛性が小さなコアはスプリングを1.25mmより多く撓まさず、ゼロのAtti圧縮が測定される。Atti圧縮テスタは42.7mm(1.68インチ)の径の物体を測定するように設計されているので、コアの圧縮をこれらテスタで測定するためには、コアは隙間を埋めて42.7mm(1.68インチ)の高さとなるようにしなければならない。Atti圧縮からRiehle圧縮(コア)、Riehle(ボール)、100kg偏位、130−10kg偏位または有効モヂュラスへの変換は、Jeff Dalton、Compression by Any Other Name、Science and Golf IV、Proceedings of the World Scientific Congress of Golf(Eric Thain ed. Routedge、2002)内に与えられた式に従って実行できる。
【0086】
この発明のゴルフボールにおいて、CORは、球を空気砲から2つの所定の速度で打ち出し、125ft/sの速度でのCORを計算することにより決定される。複数の弾道光スクリーンがボール速度を測定するために固定距離で空気砲およびスチール板の間に配置される。ボールがスチール板へ移動するときに、各光スクリーンが活性化され、各光スクリーンにおける時間を測定する。これにより、ボールの入射速度に反比例した入射移行時間が得られる。ボールはスチール板と衝突して複数の光スクリーンを通り抜けてリバウンドし、これが光スクリーン間を移行するのに要する時間間隔を測定する。これにより、ボールの飛び出し速度に反比例した飛び出し移行時間が得られる。CORは飛び出し移行時間間隔の入射移行時間間隔に対する比、COR=V
out/V
in=T
in/T
outとして計算される。
【0087】
ゴルフボール層の表面硬度は、対面する半球から取った多数の測定の平均から取得され、コアの分離線または表面欠陥、例えば穴または突起の上の測定を行わないように配慮する。硬度の測定はASTM D−2240「デュロメータによるゴムおよびプラスチックの凹み硬度」に従ってなされる。曲面ゆえに、表面硬度が読み取られる前にゴルフボールまたはゴルフボールアッセンブリをデュロメータインデンタの真下に中心づけられるように配慮する必要がある。0.1単位まで読みとることが可能な較正済みの1つのデジタルデュロメータを硬度測定に用いる。デジタルデュロメータはその脚部を平行にし自動スタンドの基部に取り付け、デュロメータ上の重量およびアタック速度がASTM D−2240に適合するようにしなければならない。「材料硬度」および「ゴルフボール上で直接測定される硬度」の間には基本的な相違があることに留意されたい。この発明の説明の範囲では、材料硬度はASTM D2240に従って測定され、材料から製造された平らな「スラブ」または「ボタン」の硬度を測定することに一般的に関連する。ゴルフボール(または他の球面)の表面で直接に測定されるような表面硬度は、典型的には材料硬度と異なる硬度値をもたらす。「表面硬度」および「材料硬度」の値におけるこの相違は、限定するものではないが、ボール構造(即ち、コアのタイプ、コアおよび/またはカバー層の数等)、ボール(または球体)直径、および隣接各層の材料組成物のようないくつかの要因に由来する。また、2つの測定方法は直線的には相関せず、従って、一方の硬度値が他方の硬度値と容易に相関し得ないことも理解すべきである。
【0088】
ここに説明して図説したような少なくとも1つの表面を組み込んでいるこの発明のゴルフボールは、この発明の多くの実施例のうちの単にいくつかを表すだけであることに留意されたい。当業者は、この発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、そのようなゴルフボールに種々の変更や負荷を行えることを容易に理解できるであろう。そのような実施例は添付の特許請求の範囲にカバーされることに留意されたい。
【0089】
作業例における他の事柄、または、とくに明言しなくとも、すべての数値範囲、量、値、百分率、例えば材料の量についてのこれら、および明細書中の他のものは、たとえその値、量または範囲に関連して用語「約」が表示されていなくとも、「約」がその前に配置されているように読むことができる。したがって、そうでないと示されていない限り、明細書および特許請求の範囲に表される数のパラメータは近似的であり、これは、この発明により得られることが企図される所望の特性に応じて変化する。最低限でも、もちろん均等論の適用を制約するものではないが、各数のパラメータは記録されている有効数字の数や通常の丸め処理に照らして解釈されるべきである。
【0090】
この発明の広範な範囲を示す数的範囲およびパラメータは近似的であるけれども、具体例において示された数値は可能な限り正確に記録した。任意の数値は、それでも、それぞれのテスト計測に見いだされる標準偏差に必然的に起因する誤差を含む。さらに、種々のスコープの数値範囲が示される場合には、例示された値を含めた値の任意の組み合わせが利用できると理解されたい。
【0091】
この発明のゴルフボールは具体的な手段および材料を参照して説明されたけれども、この発明は開示された詳細に限定されず特許請求の範囲内のすべての均等物に及ぶことに留意されたい。
以下、ここで説明した技術的特徴を列挙する。
[技術的特徴1]
少なくとも1つの熱硬化性または熱可塑性組成
物の少なくとも1つからなる少なくとも1つの層を有するゴルフボールの製造方法において、
最外側表面を具備する部分組立体を準備するステップと、
軟化、溶融、および/または反応温度M
pを有する複数の粒子を有するポリマー混合物P
cを準備するステップと、
P
cに接触していない熱源で、流体を、M
p≦M
phを満たす温度M
phまで加熱して加熱流体を形成するステップと、
P
cに上記加熱流体を混合して加熱混合物P
csを形成して上記複数の粒子を軟化させ、溶融させ、および/または反応させるステップと、
P
csを上記最外側表面に浴びせて上記最外側表面の周りに少なくとも1つの熱硬化性および/または熱可塑性層T
mplを形成するステップとを有することを特徴とするゴルフボール製造方法。
[技術的特徴2]
M
phは上記外側表面の溶融/軟化/反応温度M
oより低い技術的特徴1記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴3]
M
phは上記外側表面の軟化/溶融/または反応温度M
oと同じか高く、P
csは、P
csが上記最外側表面に浴びせられるときにM
oより低い温度M
csを有する技術的特徴1記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴4]
上記流体は気体である技術的特徴1記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴5]
T
mplは約0.003インチから約0.10インチの厚さを有する技術的特徴1記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴6]
T
mplは約0.003インチから約0.035インチの厚さを有する技術的特徴1記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴7]
P
cは、熱硬化性材料、熱可塑性材料、シンタクチックフォーム、またはこれらの組み合わせからなるグループから選択される技術的特徴1記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴8]
P
cは粉末を有する技術的特徴7記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴9]
上記熱源は、火炎ベースの熱源、気体ベースの熱源、または電気ベースの熱源のうちの少なくとも1つである技術的特徴1記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴10]
上記熱源は上記最外側表面に接触しない技術的特徴1記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴11]
P
cは、P
csが上記外側表面に接触するときに上記外側表面に少なくとも部分的に作用する技術的特徴9記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴12]
上記部分組立体は、(i)コア;(ii)少なくとも1つの中間層により包囲されたコア;(iii)カバーにより包囲されたコア;または(iv)コア、カバーおよび上記カバーを包囲する少なくとも1つのコーティング層のうちの少なくとも1つを有する技術的特徴11記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴13]
第1の層T
mpl1および第2の層T
mpl2を有する技術的特徴11記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴14]
T
mpl1は熱硬化性材料からなり、T
mpl2は熱可塑性材料からなる技術的特徴13記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴15]
T
mpl1およびT
mpl2は異なる熱硬化性材料からなる技術的特徴13記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴16]
T
mpl1およびT
mpl2は異なる熱可塑性材料からなる技術的特徴13記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴17]
T
mpl1およびT
mpl2は隣接し、異なる溶融/軟化/反応温度を有する技術的特徴13記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴18]
T
mpl1およびT
mpl2は、それらの間に配される、少なくとも1つの異なる層を有する技術的特徴13記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴19]
Pcsが上記最外側表面に浴びせられるときに、上記部分組立体は静止している技術的特徴11記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴20]
Pcsが上記最外側表面に浴びせられるときに、上記部分組立体少なくとは少なくとも部分的に回転し、またはその他の態様でつるされる技術的特徴11記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴21]
上記流体はP
cおよび上記外側表面が上記熱源に露出されないようにする区画の内部で加熱される技術的特徴11記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴22]
T
mplは外側コア層である技術的特徴11記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴23]
上記部分組立体はコアを有し、T
mplは中間層である技術的特徴11記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴24]
上記部分組立体はコアを包囲する中間層を有し、T
mplは内側カバー層である技術的特徴1記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴25]
Pcsは、少なくとも1つの異なる加熱混合物P
cs'と同時に上記最外側表面に浴びせられ、P
csが少なくとも部分的にP
cs'と混合またはブレンドされてT
mplを形成するようになされる技術的特徴11記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴26]
T
mplは均一な厚さTを有し、P
cs:P
cs'の重量%比がTに渡って変化するようにP
csおよびP
cs'を有する技術的特徴25記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴27]
T
mplは非均一な厚さT'を有し、P
cs:P
cs'の重量%比がT'に渡って変化するようにP
csおよびP
cs'を有する技術的特徴25記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴28]
少なくとも1つの熱硬化性または熱可塑性組成
物の少なくとも1つからなる少なくとも1つの層を有するゴルフボールの製造方法において、
第1の最内側表面を具備する第1のハーフシェルモールドおよび第2の最内側表面を具備する第2のハーフシェルモールドを準備するステップと、
軟化、溶融、および/または反応温度M
pを有する複数の粒子を有するポリマー混合物P
cを準備するステップと、
P
cに接触していない熱源で、流体を、M
p≦M
phを満たす温度M
phまで加熱して加熱流体を形成するステップと、
P
cに上記加熱流体を混合して加熱混合物P
csを形成して上記複数の粒子を軟化させ、溶融させ、および/または反応させるステップと、
P
csを上記第1の最内側表面および上記第2の最内側表面に浴びせて上記最内側表面の各々の上に少なくとも1つの熱硬化性および/または熱可塑性層T
mplを形成するステップと、
上記第1および第2のハーフシェルモールドを係合させるステップとを有することを特徴とするゴルフボール製造方法。
[技術的特徴29]
異種の熱硬化性および/または熱可塑性組成
物からなる単一層を有するゴルフボールの製造方法において、
最内側表面または最外側表面の少なくとも一方を具備する部分組立体を準備するステップと、
少なくとも2つのポリマー混合物P
cおよびP
c'を準備するステップとを有し、
上記ポリマー混合物P
cは、上記ポリマー混合物P
c'の複数の粒子と異なる複数の粒子を有し、
上記ポリマー混合物P
cは、軟化、溶融、および/または反応温度M
pを有し、上記ポリマー混合物P
c'は、軟化、溶融、および/または反応温度M
p'を有し、
さらに、P
cおよびP
c'に接触していない熱源で、少なくとも1つの流体を、M
p≦M
phおよびM
p'≦M
phを満たす温度M
phまで加熱して少なくとも1つの加熱流体を形成するステップと、
P
cおよびP
c'に上記少なくとも1つの加熱流体を混合して加熱混合物P
csおよび加熱混合物P
cs'を形成してP
cおよびP
c'の上記複数の粒子を軟化させ、溶融させ、および/または反応させるステップと、
加熱混合物P
csおよび加熱混合物P
cs'を上記最内側表面または上記最外側表面の少なくとも一方に浴びせるのを調整し/時間制御して、上記最外側表面の周りにP
cおよびP
c'の上記複数の粒子からなる異種熱硬化性および/または熱可塑性組成物からなる単一層T
hmplを形成するステップとを有することを特徴とするゴルフボール製造方法。
[技術的特徴30]
加熱混合物P
csおよび加熱混合物P
cs'は、上記最外側表面に浴びせられるとき、少なくとも部分的に混ざる技術的特徴29記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴31]
加熱混合物P
csおよび加熱混合物P
cs'は上記最外側表面に個別に浴びせられ/方向づけられ、各々の浴びせつけを時間制御し、または調整して、上記単一層T
hmplを形成するときに、加熱混合物P
csおよび加熱混合物P
cs'が上記外側表面の上で部分的に混ざるようになす技術的特徴29記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴32]
T
hmplは均一な厚さTを有し、P
cs:P
cs'の重量%比がTに渡って変化するようにP
csおよびP
cs'を有する技術的特徴29記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴33]
T
hmplは均一な厚さTを有し、P
c:P
c'の重量%比がTに渡って変化するようにP
cおよびP
c'を有する技術的特徴29記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴34]
T
hmplは非均一な厚さT'を有し、P
cs:P
cs'の重量%比がT'に渡って変化するようにP
csおよびP
cs'を有する技術的特徴29記載のゴルフボール製造方法。
[技術的特徴35]
T
hmplは非均一な厚さT'を有し、P
c:P
c'の重量%比がT'に渡って変化するようにP
cおよびP
c'を有する技術的特徴29記載のゴルフボール製造方法。
【符号の説明】
【0092】
2 システム
3、5 塗布機
4、6 加熱混合物
8 ゴルフボール部分組立体10の外側表面
10 ゴルフボール部分組立体
12 ユニット14の軸
14 ユニット
16、18 ポリマー粒子
20、22 加熱流体
24、26 チャネル
30、32 区画