(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6357203
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】電子機器のヒンジアセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16C 11/04 20060101AFI20180702BHJP
【FI】
F16C11/04 F
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-160629(P2016-160629)
(22)【出願日】2016年8月18日
(65)【公開番号】特開2017-161066(P2017-161066A)
(43)【公開日】2017年9月14日
【審査請求日】2016年8月18日
(31)【優先権主張番号】105203103
(32)【優先日】2016年3月7日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】516150084
【氏名又は名称】エイスーステック コンピューター インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】ASUSTeK COMPUTER INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100109634
【弁理士】
【氏名又は名称】舛谷 威志
(74)【代理人】
【識別番号】100129263
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100163991
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 慎司
(74)【代理人】
【識別番号】100153947
【弁理士】
【氏名又は名称】家成 隆彦
(72)【発明者】
【氏名】チェン, チエンシュン
(72)【発明者】
【氏名】チェン, エンチョン
(72)【発明者】
【氏名】リン, ユーカン
(72)【発明者】
【氏名】ホワン, チョンチエ
【審査官】
中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】
実開平02−035214(JP,U)
【文献】
特開2005−327918(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 11/00− 11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側板と2つの固定板とを含み、前記2つの固定板は前記側板の両端から一方向に延出する、固定部材と、円弧状のガイドレールが前記側板上に開設され、
回転部と連接部と組立部とを含み、前記回転部は第1挿通孔を含み、前記連接部と前記回転部が連接し、前記組立部が前記連接部から延出する回転部材と、
前記第1挿通孔及び円弧状のガイドレールを挿通し、中心軸の両端が各々前記回転部及び前記側板上に係着され、前記回転部を前記側板上に固定し、前記組立部を回転部を回転させて駆動する場合、中心軸が前記円弧状のガイドレールに沿って摺動するために駆動される中心軸と、を含む電子機器に適しているヒンジアセンブリにおいて、
前記中心軸は前記円弧状のガイドレールの第1位置にある場合、前記組立部が前記2つの固定板に平行となり、前記回転部が回転して前記中心軸を前記円弧状のガイドレールの第2位置に移動させた時、前記組立部と前記固定板が1つの角度で交わることを特徴とするヒンジアセンブリ。
【請求項2】
トルク装置を更に含み、前記トルク装置は、前記中心軸上に組み立てられて前記回転部に当接し、前記トルク装置は、第1弾性片と第1ナットとを含み、前記第1弾性片は前記中心軸を嵌設して前記回転部に当接し、前記第1ナットは前記中心軸を嵌設して前記第1弾性片を前記中心軸上に固定することを特徴とする請求項1に記載のヒンジアセンブリ。
【請求項3】
前記ヒンジアセンブリは、保護カバーを更に含み、前記保護カバーが前記回転部の一側に固定され、前記回転部及び前記中心軸を遮蔽することを特徴とする請求項1に記載のヒンジアセンブリ。
【請求項4】
前記ヒンジアセンブリは、移動制限部を更に含み、第1摺動ブロックが前記回転部上に設けられ、前記第1摺動ブロックは前記回転部から突出し、前記移動制限部は前記円弧状のガイドレールの内周側に設けられ、且つ前記側板の表面に位置し、前記摺動ブロックに対応することを特徴とする請求項1に記載のヒンジアセンブリ。
【請求項5】
前記側板は、当接部を更に含み、前記当接部は、前記移動制限部から延伸し、前記第2位置に近い前記円弧状のガイドレールの一端部に位置することを特徴とする請求項4に記載のヒンジアセンブリ。
【請求項6】
前記回転部材は、回転軸を更に含み、前記回転部は第2挿通孔を更に有し、前記回転部は前記連接部に貫通孔を含み、前記回転軸は第2挿通孔及び前記貫通孔を挿通し、且つ前記回転軸の両端は各々前記回転部及び前記連接部に係着し、前記連接部と前記回転部を連接させることを特徴とする請求項1に記載のヒンジアセンブリ。
【請求項7】
前記中心軸が前記円弧状のガイドレールの第2位置に移動した時、前記連接部と前記固定板とが直交となり、前記連接部が前記回転軸に沿って回転することを特徴とする請求項6に記載のヒンジアセンブリ。
【請求項8】
前記ヒンジアセンブリは、トルクアセンブリを更に含み、前記トルクアセンブリは、前記回転軸上に組み立てられ、前記トルクアセンブリは、ワッシャと第2弾性片と第2ナットとを含み、前記ワッシャは前記回転軸を嵌設して前記連接部に当接し、前記第2弾性片は前記回転軸を嵌設して前記ワッシャに当接し、前記第2ナットは前記回転軸を嵌設して前記ワッシャ及び前記第2弾性片を前記回転軸上に固定することを特徴とする請求項6に記載のヒンジアセンブリ。
【請求項9】
前記回転部は、2つの移動制限突起部を更に含み、前記2つの移動制限突起部は前記回転部の表面から突出し、前記2つの移動制限突起部の間に案内溝を形成し、前記連接部は第2摺動ブロックを更に含み、前記第2摺動ブロックは前記連接部の表面から突起し、前記案内溝に対応し、前記2つの移動制限突起部は、前記第2摺動ブロックが前記案内溝に沿って摺動することをガイド並びに制限できることを特徴とする請求項6に記載のヒンジアセンブリ。
【請求項10】
ケーシングと、
バックカバーと、
ケーシング及びバックカバーに連接するヒンジアセンブリとを含む電子機器であって、
前記ヒンジアセンブリは、側板及び2つの固定板を含む固定部材と、固定板は一方向から独立して前記側板の両端から延出するケーシング内部を固定し、
前記側板上に開設される円弧状のガイドレールと、
回転部と連接部と組立部とを含む回転部材と、前記回転部は第1挿通孔を含み、連接部は回転部に連接し、バックカバー上に固定した組立部は、連接部から延出し、
前記第1挿通孔及び円弧状のガイドレールを挿通し、中心軸の両端が各々前記回転部及び前記側板上に係着され、前記回転部を前記側板上に固定し、前記組立部は回転部を回転させて駆動させた場合、中心軸が前記円弧状のガイドレールに沿って摺動するために駆動される中心軸と、を含む電子機器に適しているヒンジアセンブリにおいて、
前記中心軸は前記円弧状のガイドレールの第1位置にある場合、前記組立部が前記2つの固定板に平行となり、前記回転部が回転して前記中心軸を前記円弧状のガイドレールの第2位置に移動させた時、前記組立部と前記固定板が1つの角度で交わる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒンジアセンブリに関し、特に、電子機器のヒンジアセンブリケーシングに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン、タブレット型コンピュータの流行に伴い、軽量・薄型化及び機能の強大によりノートブックコンピュータ、ポータブルDVDプレーヤー等に徐々に取って代わり、ポータブル電子機器となってきた。文章の閲覧、ビデオ番組或いは動画の鑑賞に用いる時、ユーザの鑑賞のため、通常スマートフォン、タブレット型コンピュータをテーブル上に置いてスタンドで電子機器を支える。
【0003】
現在のスタンド種類は、外付けタイプ又は直接電子機器に固着するタイプがある。外付けタイプは独立式、或いは電子機器の保護ケースに取り付けることもできる。一般的に見ると、保護ケースは皮革質又はプラスチックで、そのスタンドがその中に覆われた紙シート或いはプラスチックシートとなるため、機械的強度が低いため寿命が比較短くなる。独立式のスタンドは、比較的高い機械的強度を有することもできるが、携帯的には比較的不便である。直接電子機器に固着したスタンドは、通常枢軸でスタンドとケーシングを互いに突合せする。しかしながら、設計上の軽薄短の制限を受け、枢軸の突合せ方式は回転角度を制限している。同時に枢軸は、スタンドと組み立てるため、通常ケーシングの外部に露出する。これは、外観に影響を与える以外に、ケーシング及びスタンドの枢着が容易に衝突、外力衝撃により脱落、損傷し、枢着の安定性及びライフサイクルに影響を及ぼしてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、以下の発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、特に電子機器のケーシング及びバックカバーの組み立てに適しているヒンジアセンブリを提供する。ヒンジアセンブリは、固定部材と回転部材と中心軸とを含む。固定部材は側板と2つの固定板とを含む。2つの固定板は側板の両端から一方向に延出し、側板上に円弧状のガイドレールを開設する。回転部材は、回転部と連接部と組立部とを含む。回転部は挿通孔を含み、連接部と回転部材が連接し、組立部が連接部から延出する。中心軸は、挿通孔及び円弧状のガイドレールを挿通し、中心軸の両端が各々回転部及び側板上に係着され、回転部を側板上に固定する。組立部は力を受けて回転部を回転させる時、中心軸が連動して円弧状のガイドレール上に摺動する。中心軸は円弧状のガイドレールの第1位置にある時、組立部が2つの固定板に平行となり、組立部が力を受けて回転部を回転させて中心軸を円弧状のガイドレールの第2位置に移動させた時、組立部と固定板が1つの角度で交わる。
【発明の効果】
【0006】
上記説明において、本発明の各実施例で提供するヒンジアセンブリは、電子機器のケーシング及びバックカバーに取り付けられ、バックカバーがスタンドとして電子機器を支える。ヒンジアセンブリは、ケーシングの内部に取り付けて外部に露出しないことで、外力からの衝突を防止し、ヒンジアセンブリのライフサイクルを高め、且つヒンジアセンブリがケーシング及びバックカバーの境界線を仮想回転円心とし、こうすると、大角度の回転を提供してケーシング厚さの制限を受けないことができる。
【0007】
以下、実施形態において本発明の詳細な特徴及び利点を記述し、その内容は当業者に本発明の技術内容を理解させ、またこれをもって実施でき、且つ本明細書で開示されている内容、特許請求の範囲及び図面に基づいて、当業者は容易に本発明に関する目的及び利点を理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施例1に係るヒンジアセンブリの組立図である。
【
図2】本発明の実施例1に係るヒンジアセンブリの立体分解図である。
【
図3A】本発明の実施例1に係るヒンジアセンブリを実際に運用した場合の作動を示す模式図である。
【
図3B】本発明の実施例1に係るヒンジアセンブリを実際に運用した場合の作動を示す模式図である。
【
図3C】本発明の実施例1に係るヒンジアセンブリを実際に運用した場合の作動を示す模式図である。
【
図4A】本発明の実施例1に係るヒンジアセンブリの作動を示す模式図である。
【
図4B】本発明の実施例1に係るヒンジアセンブリの作動を示す模式図である。
【
図4C】本発明の実施例1に係るヒンジアセンブリの作動を示す模式図である。
【
図5】本発明の実施例2に係るヒンジアセンブリの組立図である。
【
図6】本発明の実施例2に係るヒンジアセンブリの立体分解図である。
【
図7A】本発明の実施例2に係るヒンジアセンブリを実際に運用した場合の作動を示す模式図である。
【
図7B】本発明の実施例2に係るヒンジアセンブリを実際に運用した場合の作動を示す模式図である。
【
図8A】本発明の実施例2に係るヒンジアセンブリの作動を示す模式図である。
【
図8B】本発明の実施例2に係るヒンジアセンブリの作動を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0009】
図1及び
図2を参照すると、本発明の実施例1に係るヒンジアセンブリの組立図及び立体分解図である。
図1及び
図2に示すように、ヒンジアセンブリ1は、固定部材10と回転部材20と中心軸30とを含む。固定部材10は、側板11と2つの固定板13とを含む。2つの固定板13は、側板11の両端から一方向に向かって延出し、2つの固定板13に略平行となり、且つ側板11と直交するが、実質上、ケーシングの設計を考慮し、ここで例示のみで、これに限られるものではない。側板11上に円弧状のガイドレール111を開設し、円弧状のガイドレール111が側板11を貫通する。
【0010】
回転部材20は、回転部21と連接部23と組立部25とを含む。回転部21は、挿通孔211を含み、連接部23と回転部材21が連接し、組立部25が連接部23から延出する。中心軸30は、挿通孔211及び円弧状のガイドレール111を挿通し、中心軸30の両端が回転部21及び側板11上に係着されて回転部21を側板11上に固定する。組立部25は、力を受けて回転部21を回転させる時、中心軸30が連動して円弧状のガイドレール111上で摺動する。
【0011】
ヒンジアセンブリ1は、トルク装置40を更に含み、トルク装置40が中心軸30上に組み立てられて回転部21と接触することが好ましい。トルク装置40は、
第1弾性片41と
第1ナット43とを含む。
第1弾性片41は、環状又はチューブ状で、中心軸30を嵌設して回転部21に当接する。
第1ナット43は、中心軸30を嵌設して
第1弾性片41を中心軸30上に固定する。
第1弾性片41は、回転部21回転のトルク源を提供し、
第1ナット43の締付具合が直接
第1弾性片41の圧縮量及びトルクの大きさに影響を及ぼす。
【0012】
ヒンジアセンブリ1は、保護カバー50を更に含み、保護カバー50がネジで回転部21の一側に締め付けて固定され、回転部21及び中心軸30を遮蔽することが好ましい。
【0013】
図3A乃至
図3C及び
図4A乃至
図4Cを参照すると、各々本発明の実施例1に係るヒンジアセンブリの作動を示す模式図及び各々本発明の実施例1に係るヒンジアセンブリの作動を示す模式図である。
図3A乃至
図3Cに示すように、ヒンジアセンブリ1は対になっていると共にミラーリング方式で電子機器500のケーシング510及びバックカバー520の両側に組立てられ、固定板13が電子機器500のケーシング510内部に締め付けて固定され、組立部25が電子機器500のバックカバー520上に締付けて固定される。ここで、
図4A乃至
図4Cに示すのは
図3A内の左側にあるヒンジアセンブリ1で説明を行い、これは
図2に示すヒンジアセンブリ1と鏡像対称性を呈し、且つ部材が略同一である。これを介して本発明の実施例1に係るヒンジアセンブリの作動を示す模式図は明確に記述できる。
【0014】
図3A及び
図4Aに示すように、初期状態の時、回転部21は初期位置にある時、ヒンジアセンブリ1全体はケーシング510の中に隠す。中心軸30は、円弧状のガイドレール111の第1位置P1に位置し、且つ組立部25が2つの固定板13に平行となり、バックカバー520がケーシング510の上に平坦するよう設けられる。
図3B、
図3C、
図4B及び
図4Cに示すように、組立部25に加力して回転部21を回転させる時、回転部21はケーシング510の外から露出し、またケーシング510とバックカバー520の境界線を仮想円心として回転する。つまり、円弧状のガイドレール111の仮想円心は、ケーシング510とバックカバー520の境界線である。この時、中心軸30は、第1位置P1から円弧状のガイドレール111の第2位置P2に移動した時、組立部25と固定板13が1つの角度θで交わる。
【0015】
ここで、同時に
図3A、
図4A及び
図1と
図2を参照すると、第2位置P2は円弧状のガイドレール111上の第1位置P1と異なる位置を指す。組立部25と固定板13が交わる角度θは、側板11の円弧状のガイドレール111を設けるゾーンの厚さT、円弧状のガイドレール111及びユーザの習慣によって調整できる。例えば、
図3B及び
図4Bに示すように、中心軸30が第2位置P2にある時、組立部25と固定板13が交わる角度θは、約90度とする。この時、ケーシング510とバックカバー520が交わる角度θは約90度とする。また例えば、
図3C及び
図4Cに示すように、中心軸が第2位置P2にある時、組立部25と固定板13が交わる角度θは、約120度とし、ケーシング510とバックカバー520が交わる角度θは約120度とする。以上は例示のみで、組立部25と固定板13が交わる角度θは、最大で180度に達することができる。つまり、バックカバー520とケーシング510が交わる角度θは、0〜180度とする。
【0016】
再度
図2を参照すると、側板11上には移動制限部113と当接部115とを含み、回転部21上に
第1摺動ブロック213を設ける。
第1摺動ブロック213は、回転部21の側板11に向かう表面に設けられる。移動制限部113は、円弧状のガイドレール111
の内周側に設けられ、且つ側板11の回転部21に対向する表面に位置し、また
第1摺動ブロック213の位置と形状に対応する。移動制限部113は、
第1摺動ブロック213の摺動軌跡をガイド及び制限するために用いられる。当接部115は、移動制限部113から延伸し、円弧状のガイドレール111の一端部に位置し、また第2位置P2に近い。特に、中心軸30は第2位置P2に移動した時,中心軸30と当接部115が接触する。これを介して当接部115は中心軸30の最大移動位置を制限する。
【実施例2】
【0017】
図5及び
図6を参照すると、各々本発明の実施例2に係るヒンジアセンブリの組立図及立体分解図である。
図5及び
図6に示すように、実施例2のヒンジアセンブリ2は、実施例1に基づいて変化したものである。実施例2のヒンジアセンブリ2は、実施例1と同じように固定部材10と回転部材20と中心軸30とを含み、固定部材10、中心軸30が実施例1と同一であるため、ここでは説明を省略する。このほかに、実施例2のヒンジアセンブリ2もトルク装置40と保護カバー50とを含むことができる。
【0018】
実施例2のヒンジアセンブリ2において、回転部材20は、回転部21、連接部23及び組立部25以外に、回転軸27を更に含む。実施例2において、回転部材20の回転部21と連接部23が分離し、組立部25と連接部23が連接することで、2つの分離する部材を形成する。回転部21は、第2挿通孔215を更に有し、連接部23に貫通孔231を開設しており、回転軸27が第2挿通孔215及び貫通孔231を挿通し、且つ回転軸27の両端は各々回転部21及び連接部23に係着し、連接部23と回転部21を連接させる。
【0019】
次に、実施例2のヒンジアセンブリ2は、トルクアセンブリ60を更に含み、トルクアセンブリ60が回転軸27上に組み立てられる。トルクアセンブリ60は、ワッシャ61と第2弾性片62と第2ナット63とを含む。ワッシャ61は、回転軸27を嵌設して連接部23に当接する。第2弾性片62が回転軸27を嵌設してワッシャ61に当接する。第2ナット63は、回転軸27を嵌設してワッシャ61及び第2弾性片62を回転軸27上に固定する。よって、調整時回転部21が対応するトルク装置40で提供するトルクを連接部23が対応するトルクアセンブリ60で提供するトルクより低くなるよう調整する。
【0020】
ここで、トルク装置40の
第1弾性片41及びトルクアセンブリ60の第2弾性片62は、回転部21及び連接部23の回転のトルク源を提供する。
第1ナット43及び第2ナット63の締付具合は、直接弾性片41及び第2弾性片62の圧縮量及びトルクの大きさに影響を及ぼす。この実施例において、回転部21の回転及び連接部23の回転の2段回転ストロークがあり、
第1弾性片41及び第2弾性片62の圧縮量及びトルクの大きさは、組立部25に加力した時、回転部21の回転が第1回転ストロークで、連接部23の回転が第2回転ストロークで、或いは連接部23の回転は第1回転ストロークであり、回転部21の回転が第2回転ストロークである。ここで、2段回転であるため、第1回転ストロークは先に回転する作動素子及び動作で、第2回転ストロークが第1回転ストロークの回転が完了してから回転する作動部材及び動作である。
【0021】
図7A、
図7B、
図8A及び
図8Bを参照すると、各々本発明の実施例2に係るヒンジアセンブリの作動を示す模式図である。
図7A及び
図7Bに示すように、ヒンジアセンブリ2は実施例1と同じで、対になっていると共にミラーリング方式で電子機器500のケーシング510及びバックカバー520の両側に組み立てられる。実施例2の初期状態は、実施例1と同一であるため、ここでは説明を省略させる。ここで、回転部21の回転を第1回転ストロークとし、連接部23の回転を第2回転ストロークとして例示したが、実際上、これに限られるものではない。
【0022】
図7A及び
図8Aに示すように、組立部25は回転部21及び連接部23を回転させて、中心軸30を円弧状のガイドレール111の第2位置P2に移動させた時、例えば連接部23と固定板13が交わる角度θは、90度に近い時、つまりバックカバー520とケーシング510は互いに垂直させ、その後
図7B及び
図8Bに示すように、組立部25は引き続き連接部23を回転させて回転角度θが90度を上回らせ、例えば角度θが150度に近い。この方式を介して設計する側板11の厚さが比較的薄く、円弧状のガイドレール111の長さが制限を受けた時、この方式を用いて2段回転を達成でき、且つ総回転角度θが180度に達することができる。
【0023】
再度
図6を参照すると、貫通孔231は、円弧状とすることができるが、これに限られるものではなく、連接部23が貫通孔231の移動制限下で移動する。例えば第2回転ストロークに入り、組立部25が連接部23を引き続き回転させた時、連接部23は貫通孔231の円弧状及び回転軸27の移動制限に基づいて、円弧状の回転を行うことができる。つまり回転軸27は、固定して動かず、連接部23が連動された時、回転軸27の制限下で、貫通孔231の形状に沿って移動或いは回転させることができる。
【0024】
このほかに、回転部21上には、2つの移動制限突起部217を更に含み、移動制限突起部217が回転部21の連接部23に向かう表面から突出し、2つの移動制限突起部217の間に案内溝219を形成する。連接部23上には、第2摺動ブロック233を更に含み、第2摺動ブロック233が連接部23から回転部21の表面に向かって突起され、案内溝219に対応する。中心軸30が円弧状のガイドレール111の第2位置P2に移動し、次に連接部23を引き続き移動させた時、移動制限突起部217は摺動ブロック23が案内溝219に沿って摺動することをガイド並びに制限できる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
上述の説明において、本発明の各実施例で提供するヒンジアセンブリは、その固定部材が電子機器のケーシングとバックカバーに組み立てられる。固定部材は、ケーシングの内部に取り付けられて外部に露出しないことで、電子機器の厚さの縮減設計に合わせ、同時に外力からの衝撃を減少してヒンジアセンブリのライフサイクルを高める効果を奏することができる。回転部材は、バックカバー及びケーシング境界線を仮想回転軸心線として回転し、同時に中心軸が連動して円弧状のガイドレールに摺動することで、大角度の回転に達することができ、容易にケーシングの制限を受けず、従ってより一層多くのスタンド角度をユーザに提供できる。
【0026】
上述の説明は、単に本発明の最良の実施例を挙げたまでであり、本発明を限定しない。その他本発明の開示する要旨を逸脱することなく完成された同等効果の修飾または置換はいずれも後述の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0027】
1 ヒンジアセンブリ
2 ヒンジアセンブリ
10 固定部材
11 側板
111 円弧状のガイドレール
113 移動制限部
115 当接部
13 固定板
20 回転部材
21 回転部
211 挿通孔
213
第1摺動ブロック
215 第2挿通孔
217 移動制限突起部
219 案内溝
23 連接部
231 貫通孔
233 第2摺動ブロック
25 組立部
27 回転軸
30 中心軸
40 トルク装置
41
第1弾性片
43
第1ナット
50 保護カバー
60 トルクアセンブリ
61 ワッシャ
62 第2弾性片
63 第2ナット
500 電子機器
510 ケーシング
520 バックカバー
P1 第1位置
P2 第2位置
T 厚さ
θ 角度