【課題を解決するための手段】
【0009】
第1態様において、本発明は照明装置を提供するもので、該照明装置は、440nm〜465nmの青色の第1波長範囲の光を放出するように構成された第1組の発光ダイオードと、465nm〜490nmの青色の第2波長範囲の光を放出するように構成された第2組の発光ダイオードと、前記第1組及び第2組の発光ダイオードに放射線的に結合されると共に前記第1波長範囲の光の少なくとも一部及び前記第2波長範囲の光の少なくとも一部を第1発光エレメント光に変換するよう構成された第1発光エレメントと、前記第2組の発光ダイオードの少なくとも部分組に放射線的に結合されると共に前記第2波長範囲の光の少なくとも一部を第2発光エレメント光に変換するように構成された第2発光エレメントとを有し、動作の間において、前記第1組の発光ダイオードにより放出される光の輝度レベル(即ち、光出力レベル)及び前記第2組の発光ダイオードにより放出される光の輝度レベルは各々互いに独立に制御可能であり、当該照明装置は白色の照明装置光を発生するように構成される。前記第1組の発光ダイオードにより及び前記第2組の発光ダイオードにより放出される光は、各々、前記第1波長範囲及び第2波長範囲の同一の部分的範囲におけるもの、例えば共に青色波長範囲におけるものとすることができる。他の例として、上記部分的範囲は相違し、例えば、当該照明装置の動作の間において、第1組の発光ダイオードは青色波長範囲内の光を放出する一方、第2組の発光ダイオードは紫色波長範囲内の光を放出する。
【0010】
本明細書における“白色照明装置光”なる用語は、当業者により既知のものである。該光は、約2000〜20000K、特には2700〜20000Kの間、一般照明のためには特に約2200K〜6500Kの範囲内、背面照明(バックライティング)のためには約7000K〜20000Kの範囲内であって、BBLから約15SDCM(等色標準偏差:standard deviation of color matching)内、特にはBBLから約10SDCM内、更に特別にはBBLから約5SDCM内の相関色温度(CCT)を持つ光に関するものである。
【0011】
一実施態様において、当該照明装置は、白色を維持する、即ちCCT範囲の少なくとも一部にわたり実質的にBBL上にある光(“照明装置光”)を供給することを可能にする。“実質的にBBL上”とは、当該照明装置の動作の間においてBBLから15SDCM(等色標準偏差)内、より特別には10SDCM内、更に特別には5SDCM内を意味する。特定の実施態様において、前記第1及び第2発光エレメントは、前記照明装置光を、2100K〜4500KのCCTの範囲内、より特別には2100K〜3500KのCCTの範囲内、更に特別には2100K〜2700KのCCTの範囲内、更に一層特別には2400K〜2700KのCCTの範囲内において白色(特にはBBLから15SDCM内、より特別には10SDCM内、更に特別には5SDCM内)に維持するように構成される。
【0012】
前記第1及び第2発光エレメントは、当該照明装置を調光する場合にCCT(“相関色温度”)がCCT範囲の少なくとも一部に関してBBL(“黒体軌跡”)を辿るように選択される。前記第1発光エレメントは、該第1発光エレメントのみと組み合わされた場合に全輝度で動作する第1組及び第2組のLEDにより発生される光の相関色温度が、実質的にBBL上の相関色温度を持つ光を供給するように選択することができる。前記第2波長範囲の光の少なくとも一部を変換するために前記第2組のLEDの少なくとも部分組に放射線的に結合された第2発光エレメントを用いることにより、単に第1組のLEDを調光することにより、即ち第1組のLEDにより発生される光の輝度レベルを減少させることにより、前記BBL調光効果が達成される。複雑な制御アルゴリズムは必要とされない。本発明の第1態様による照明装置は、少なくとも第1及び第2発光エレメントを有し、これらの発光エレメントのうち、第1発光エレメントは前記第1組及び第2組のLEDに放射線的に結合され、第2発光エレメントは前記第2組のLED及び第1発光エレメントの1以上に少なくとも放射線的に結合される。
【0013】
公開された米国特許出願第2010/0207521号公報は、LEDを覆う第1蛍光体材料を含む層、及び第1蛍光体材料を備える該層上にパターンとして形成される第2蛍光体の層を具備するLED装置を開示していることに注意されたい。しかしながら、輝度レベルが独立に制御可能な2組のLEDを該LED装置が含むこと、及び該LED装置を調光する場合に該LED装置がBBL調光効果を有することを可能にすることは開示されていない。
【0014】
“放射線的に結合される”なる用語は、1以上のLED及び発光エレメント(又は複数の発光エレメント)が、LEDにより放出される光の少なくとも一部が発光エレメント(又は複数の発光エレメント)により受光され(そして、該発光エレメント(又は複数の発光エレメント)により少なくとも部分的にルミネッセント光に変換される)ように互いに組み合わされることを特に意味している。この場合において、第2発光エレメントも第1発光エレメントに放射線的に結合され得、このことは、第1発光エレメントの放射の少なくとも一部は第2発光エレメントにより受光され(そして、該第2発光エレメントにより少なくとも部分的にルミネッセント光に変換され得る)ことを示す。
【0015】
前記発光ダイオードは、任意の発光ダイオードとすることもできるが、特には光スペクトルの実質的にUV(“紫外”)、紫色又は青色部分で発光することができる発光ダイオードとする。従って、一実施態様において前記第1組及び第2組の発光ダイオードは青色光放出LEDを有する。上記実施態様と組み合わせることができる更に他の実施態様において、当該発光ダイオードはUV光放出LEDを有する。好ましくは、当該発光ダイオードは300nm〜490nm、特には380nm〜490nmの範囲から選択される波長で少なくとも光を放出する。この光は、前記第1及び/又は第2発光エレメントにより異なる波長範囲を持つ光に特別に変換され得る。“発光ダイオードの組”なる用語は、1つの発光ダイオード又は例えば2〜20のLED等の複数の発光ダイオードに関係し得るものである。
【0016】
一実施態様において、前記第1発光エレメントは、黄色光放出発光材料、緑色光放出発光材料及び黄色/緑色光放出発光材料の群からの1以上の発光材料を有する。他の実施態様において、前記第2発光エレメントは、赤色光放出発光材料、橙色光放出発光材料及び橙色/赤色光放出発光材料の群からの1以上の発光材料を有する。更に他の実施態様において、前記第1発光エレメントは、赤色光放出発光材料、橙色光放出発光材料及び橙色/赤色光放出発光材料の群からの更なる発光材料を有する。第1発光エレメントは、例えば、緑色光及び赤色光放出発光材料の組み合わせ、又は黄色光及び赤色光放出発光材料の組み合わせ、等を有することができる。例えば青色LEDの場合、当該照明装置の動作の間において、白色の照明装置光は前記第1及び/又は第2組の発光ダイオードにより発生される未変換光、第1発光エレメント光及び第2発光エレメント光の組み合わせに基づくものであり得る。(主に)UV光を発生する発光ダイオードが適用される場合、第1発光エレメントは、青色、緑色及び赤色光放出発光材料の組み合わせ、又は代わりに青色、黄色及び赤色光放出発光材料の組み合わせを有する。第1組及び第2組のUV LEDを有する照明装置の動作の間において、前記白色照明装置光は、第1発光エレメント光及び第2発光エレメント光の組み合わせに基づくものであり得る。
【0017】
“UV光”、“UV放射”又は“UV波長範囲”なる用語は、特に、約200nm〜420nmの範囲内の波長を持つ光に関するものである。UV光は、約200nm〜280nmの範囲内の波長を持つ光に特に関係する“UV−C光”、 約280nm〜315nmの範囲内の波長を持つ光に特に関係する“UV−B光”及び 約315nm〜420nmの範囲内の波長を持つ光に特に関係する“UV−A光”に分割することができる。“紫色光”、“紫色放射”又は“紫色波長範囲”なる用語は、特に、約380nm〜440nmの範囲内の波長を持つ光に関するものである。“青色光”、“青色放射”又は“青色波長範囲”なる用語は、特に、約440nm〜490nmの範囲内の波長を持つ光(幾らかの紫色及びシアン色相を含む)に関するものである。“緑色光”、“緑色放射”又は“緑色波長範囲”なる用語は、特に、約490nm〜560nmの範囲内の波長を持つ光に関するものである。“黄色光”、“黄色放射”又は“黄色波長範囲”なる用語は、特に、約560nm〜590nmの範囲内の波長を持つ光に関するものである。“橙色光”、“橙色放射”又は“橙色波長範囲”なる用語は、特に、約590nm〜620nmの範囲内の波長を持つ光に関するものである。“赤色光”、“赤色放射”又は“赤色波長範囲”なる用語は、特に、約620nm〜750nm、特には620nm〜650nmの範囲内の波長を持つ光に関するものである。“可視”、“可視光”、“可視放射”又は“可視波長範囲”なる用語は、約380nm〜750nmの範囲内の波長を持つ光を示す。
【0018】
前記第1及び/又は第2発光エレメントは、1以上の無機発光材料を有することができる。他の実施態様において、該無機発光材料は二価ユーロピウム含有酸窒化物発光材料、二価ユーロピウム含有硫化物発光材料及び二価ユーロピウム含有セレン化物(及び硫化物)発光材料からなる群から選択される。赤色発光材料は、一実施態様において、(Ba,Sr,Ca)S:Eu, Ca(S,Se):Eu, (Ba,Sr,Ca)AlSiN
3:Eu及び(Ba,Sr,Ca)
2Si
5N
8:Euからなる群から選択される1以上の材料を有することができる。これらの化合物において、ユーロピウム(Eu)は実質的に又は唯一二価であり、示された二価のカチオンの1以上を置換する。一般的に、Euは、該Euが置換するカチオンに対して、カチオンの10%、特には約0.5〜10%の範囲、より特別には約0.5〜5%の範囲より多い量では存在しない。“:Eu”又は“:Eu
2+”なる用語は、金属イオンの一部がEuにより(これらの例では、Eu
2+により)置換されることを示す。例えば、CaAlSiN
3:Euにおいて2%のEuを仮定すると、正しい式は(Ca
0.98Eu
0.02)AlSiN
3であり得る。二価ユーロピウムは、一般的に、上述した二価アルカリ土類カチオン、特にCa,Sr又はBa等の二価カチオンを置換する。材料(Ba,Sr,Ca)S:EuはMS:Euと示すこともでき、ここで、Mはバリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)からなる群から選択される1以上の元素であり;特に、Mは、この化合物においてカルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、更に特別にはカルシウムを有する。ここで、Euが導入され、Mの少なくとも一部(即ち、Ba,Sr及びCaの1以上)を置換する。更に、材料(Ba,Sr,Ca)
2Si
5N
8:EuはM
2Si
5N
8:Euと示すこともでき、ここで、Mはバリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)からなる群から選択される1以上の元素であり;特に、Mは、この化合物においてSr及び/又はBaを有する。他の特定の実施態様において、MはSr及び/又はBaからなり(Euの存在を考慮に入れないで)、特にBa
1.5Sr
0.5Si
5N
8:Eu(即ち、75%Ba;25%Sr)等の、50〜100%、特には50〜90%のBa及び50〜0%、特には50〜10%のSrである。ここで、Euが導入され、Mの少なくとも一部(即ち、Ba,Sr及びCaの1以上)を置換する。同様に、材料(Ba,Sr,Ca)AlSiN
3:EuはMAlSiN
3:Euと示すこともでき、ここで、Mはバリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)からなる群から選択される1以上の元素であり;特に、Mは、この化合物においてカルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、更に特別にはカルシウムを有する。ここで、Euが導入され、Mの少なくとも一部(即ち、Ba,Sr及びCaの1以上)を置換する。好ましくは、一実施態様において、前記無機発光材料は(Ca,Sr,Ba)AlSiN
3:Eu、好ましくはCaAlSiN
3:Euを有する。更に、前者と組み合わせることができる他の実施態様において、前記無機発光材料は(Ca,Sr,Ba)
2Si
5N
8:Eu、好ましくは(Sr,Ba)
2Si
5N
8:Euを有する。“(Ca,Sr,Ba)”なる用語は、対応するカチオンがカルシウム、ストロンチウム又はバリウムにより占められ得ることを示す。該用語は、このような材料において、対応するカチオン位置がカルシウム、ストロンチウム及びバリウムからなる群から選択されるカチオンにより占有され得ることも示す。このように、当該材料は、例えば、カルシウム及びストロンチウム、又はストロンチウムのみ、等を有することができる。同様の原理が“(S,Se)”なる用語にも関係する。
【0019】
他の実施態様において、前記第1及び/又は第2発光材料は、三価セリウム含有ガーネット、三価セリウム含有酸窒化物及び三価セリウム含有窒化物からなる群から選択される1以上の無機発光材料を有することができる。特に、該発光材料はM
3A
5O
12:Ce
3+発光材料を更に有することができ、ここで、MはSc,Y,Tb,Gd及びLuからなる群から選択され、AはAl及びGaからなる群から選択される。好ましくは、MはY及びLuの1以上を少なくとも有し、その場合、AはAlを少なくとも有する。これらのタイプの材料は最高の効率を提供し得る。特定の実施態様において、前記第1発光エレメントはM
3A
5O
12:Ce
3+のタイプの少なくとも2つの発光材料を有し、ここで、MはY及びLuからなる群から選択され、その場合、AはAlからなる群から選択され、比Y:Luは該少なくとも2つの発光材料に関しては相違する。例えば、これらのうちの一方はY
3Al
5O
12:Ce
3+等のように純粋にYに基づくものであり得、これらのうちの一方は(Y
0.5Lu
0.5)
3Al
5O
12:Ce
3+等のようにY,Luベースの系であり得る。ガーネットの実施態様は特にM
3A
5O
12ガーネットを含み、ここで、Mは少なくともイットリウム又はルテチウムを有し、Aは少なくともアルミニウムを有する。このようなガーネットは、セリウム(Ce)により、プラセオジム(Pr)又はセリウム及びプラセオジムの組み合わせによりドーピングすることができるが、特にはCeによりドーピングされる。特に、Aはアルミニウム(Al)を有することができるが、Aは部分的にガリウム(Ga)、スカンジウム(Sc)及び/又はインジウム(In)を、特にAlの約20%まで、更に特別にはAlの約10%まで有することもできる(即ち、Aイオンは本質的に90モル%以上のAl及び10モル%以下のGa,Sc及びInの1以上からなる)。Aは特には約10%までのガリウムを有することができる。他の変形例において、A及びOはSi及びNにより少なくとも部分的に置換することができる。要素Mは、特に、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)及びルテチウム(Lu)からなる群から選択することができる。更に、Gd及び/又はTbは、特に、Mの約20%の量までだけ存在する。特定の実施態様において、ガーネット発光材料は(Y
1-xLu
x)
3B
5O
12:Ceを有し、ここで、xは0以上で、1以下である。“:Ce”又は“:Ce
3+”なる用語は、当該発光材料における金属イオンの一部(即ち、当該ガーネットにおいて、“M”イオンの一部)がCeにより置換されることを示す。例えば、(Y
1-xLu
x)
3Al
5O
12:Ceを仮定すると、Y及び/又はLuの一部がCeにより置換される。この表記法は当業者により既知である。一般的に、CeはMを10%以下だけ置換する。一般的に、Ce濃度は0.1〜4%、特には0.1〜2%(Mに対して)の範囲内である。1%のCe及び10%のYを仮定すると、完全な正しい式は(Y
0.1Lu
0.89Ce
0.01)
3Al
5O
12となり得る。ガーネット内のCeは、当業者により知られているように、実質的に又は唯一、三価状態である。
【0020】
更に他の実施態様において、前記第1及び/又は第2発光エレメントは1以上の有機発光材料を有することができる。殆ど限りのない種類の斯様な有機発光材料又は染料(色素)が存在する。関連のある例は、多数の業者から入手可能なペリレン(BASF社、Ludwigshafen, Germanyからの商品名ルモゲンで知られている染料:Lumogen F240 Orange, Lumogen F300 Red,Lumogen F305 Red, Lumogen F083 Yellow, Lumogen F170 Yellow, Lumogen F850 Green)、Neelikon Food Dyes & Chemical Ltd.社, Mumbai, India, India からのYellow 172、クマリン等の染料(例えば、Coumarin 6, Coumarin 7, Coumarin 30, Coumarin 153, Basic Yellow 51)、ナフタルイミド(例えばSolvent Yellow 11, Solvent Yellow 116)、Fluorol 7GA、ピリジン(例えば、pyridine 1)、ピロメテン(Pyrromethene 546, Pyrromethene 567等)、ウラニン、ローダミン(例えば、Rhodamine 110, Rhodamine B, Rhodamine 6G, Rhodamine 3B, Rhodamine 101, Sulphorhodamine 101, Sulphorhodamine 640, Basic Violet 11, Basic Red 2)、シアニン(例えば、phthalocyanine, DCM)、スチルベン(例えば、Bis-MSB, DPS)等である。酸性染料、塩基性染料、直接染料及び分散染料等の幾つかの他の染料も、意図する用途に対して十分に高い蛍光量子収率を示す限りにおいて、使用することができる。適用することが可能な特別に関心がある有機発光材料は、例えば、緑色発光のためのBASF Lumogen 850、黄色発光のためのBASF Lumogen F083又はF170、橙色発光のためのBASF Lumogen F240、及び赤色発光のためのBASF Lumogen F305又はF305を含む。従って、前記第1及び/又は第2発光エレメントは、例えば上述した有機発光材料の少なくとも2つ、及びオプションとして上述した有機発光材料から選択することができる1以上の他の有機発光材料を有することができる。
【0021】
上記第1及び/又は第2発光エレメントの発光材料は、透光性膜又はプレート等の、可視光及び/又はUV光に対して透過性の材料中に埋め込むことができる。該透光性材料は、例えば、前記第1組及び第2組のLEDを封入するために、及び基板上の電気ワイヤを保護するために使用することができる。更に、該透光性材料は、前記第2発光エレメントのための母材として使用することもできる。特に、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PEN(ポリエチレン・ナフタレート)、PC(ポリカーボネート)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)(Plexiglas又はPerspex)、セルロース・アセテート・ブチレート(CAB)、シリコーン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、(PETG)(グリコール修飾ポリエチレンテレフタレート)、PDMS(ポリジメチルシロキサン)及びCOC(シクロ・オレフィン・コポリマ)からなる群から選択されるような透光性有機材料を適用することができる。例えば高輝度応用例等の動作中に相対的に熱くなり得る照明装置においては、例えばシリコーン等の可撓性透光材料が好ましい。というのは、これら装置は相対的に高い機械的応力を受けるからである。
【0022】
前記第2発光エレメントは複数の別個の(離散的)発光エレメントを有することができ、その場合において、別個の各発光エレメントは前記第2組のLEDにおける対応するLEDに放射線的に結合される。他の例として、第2組のLEDにおける部分組のみが、個別の各発光エレメントに放射線的に結合される(第2組のLEDのうちの他のLEDは個別の発光エレメントには放射線的に結合されない)。これら別個の発光エレメントは、例えば、固体の小片(particles)、パッチ、ドット若しくは粒体等とすることができ、又はオプションとしてポリマ組成物の硬化される液滴とすることができる(液体又は半液体状態で塗布することができる)。別個の発光エレメントは、典型的に、高分子母材中に溶解又は分散された発光材料を有する。該高分子母材は、典型的に、当該発光材料により受光(変換)されて放出される波長の光に対して透明又は少なくとも半透明である。オプションとして、上記別個の発光エレメントは、該発光エレメントを支持体に付着させるように作用し得る接着剤(典型的には、バインダ)を含むことができる。該別個の発光エレメントは、前記第1発光エレメントを形成する層の表面上に配置することができ、又は他の例として該層に部分的に埋め込まれると共に該層から部分的に突出するようにすることができる。
【0023】
前記第1組の発光ダイオードは440nm〜465nmの波長範囲内の青色光を放出するように構成される一方、前記第2組の発光ダイオードは465nm〜490nmの波長範囲内の青色光を放出するように構成される。この実施態様の利点は、第2組のLEDにより発生された青色光の第1発光エレメントによる吸収を、斯かる青色光の一層多くが第2発光エレメントにより変換され得るように減少させることができることである。更に、相対的に長い波長を持つ青色光を使用することにより、前記照明装置光のCRIを改善することができる。
【0024】
当該照明装置の一実施態様において、前記第1組の発光ダイオードは440nm〜465nmの波長範囲内の青色光を放出するように構成される一方、前記第2組の発光ダイオードは400nm〜440nmの波長範囲内の紫色光を放出するように構成される。この実施態様の利点は、相対的に小さな波長を持つ紫色光を使用することにより、青色光放出LEDのみを使用する照明装置と比較して、白い物体(例えば、紙又は布)が人により一層白色として知覚されることである。
【0025】
独立に制御可能な第1組及び第2組の発光ダイオードを備える一方、均一に混合されると共に上記第1組及び第2組の両方のLEDを覆う2つの発光材料(例えば、黄色光放出及び赤色放出発光材料)の混合物(例えば、単一の層の)を有する照明装置に関しては、前記BBL調光効果を得ることは相対的に困難である。このような照明装置の場合、上記2つの組のLEDの各々により得られる光のCCTは、個々に、非常に正確に制御されねばならない。さもなければ、斯かる照明装置は、該照明装置を調光する場合に白色光ではなく薄く色の付いた光として知覚されるような光を発生する。第2発光エレメントが第2組のLEDにおけるLEDの少なくとも部分組に放射線的に結合される本発明による照明装置によれば、BBL調光効果を相対的に簡単に達成することができる。第1発光エレメント及び第2発光エレメントは、これら第1発光エレメント及び第2発光エレメントとの組み合わせにおいて全輝度で動作する第1組及び第2組のLEDにより発生される照明装置光の相関色温度が実質的にBBL上に位置するように選択される。第2発光エレメントは、第2組のLEDにおけるLED(の少なくとも部分組)に位置合わせされると共に、第1発光エレメントに対して例えば下流に設けられる。当該照明装置を調光する場合に到達され得る光の相関色温度は、第1発光エレメントの厚さ、第2発光エレメントのために使用される発光材料、及び第2組のLEDのうちの第2発光エレメントに放射線的に結合されるLEDの数により決定され得る。例えば、第1発光エレメント上に第2発光エレメントの小片(particles)を堆積するために印刷技術を用いることにより、第1発光エレメント上に均一に分布され得る相対的に小さな片を形成することができ、結果として、当該照明装置により動作の間において供給される光のカラー混合が改善される。更に、第1組のLED及び第2組のLEDのLED間に障壁を設ける必要がなく、LEDの一層密な離隔配置が可能となり、このことは、相対的に高い輝度の光が必要とされる用途(例えば、スポットライト用途又は自動車照明用途)にとり有利である。上記第2発光エレメントの小片は、第2組のLEDの各LEDが斯かる小片と位置合わせされ(従って、放射線的に結合され)るか、又は第2組のLEDにおけるLEDの一部のみが第2発光エレメントの小片と位置合わせされるように、分散(分布)させることができる。第1発光エレメント及び/又は第2発光エレメントのために使用される特定の発光材料(又は複数の発光材料)の選択も、当該照明装置を調光する場合に達成することができる当該照明装置光のCCT(“相関色温度”)の範囲及び/又はCRI(“演色評価数”)の範囲を制御するために使用することができる。
【0026】
“上流”及び“下流”なる用語は、光発生手段(ここでは、特に光源)からの光の伝搬に対する物品又はフィーチャの配置に関するものであり、光発生手段からの光のビーム内の第1位置に対して該光のビームにおける当該光発生手段に一層近い第2位置は“上流”であり、該光のビームにおける当該光発生手段から一層遠い第3位置は“下流”である。
【0027】
当該照明装置の一実施態様において、前記第1及び/又は第2発光エレメントは、量子ドットを有することができる。ここで、量子ドットとは、ルミネッセント量子ドット、即ちUV及び/又は青色光により励起され、当該スペクトルの可視波長範囲内の少なくとも何処かで発光することができる量子ドットを指す。
【0028】
第2態様において、本発明は、本発明の第1態様による照明装置を有する照明モジュールを提供する。
【0029】
第3態様において、本発明は、本発明の第1態様による照明装置を有するランプを提供する。
【0030】
第4態様において、本発明は、本発明の第1態様による照明装置又は本発明の第2態様による照明モジュールを有する照明器具を提供する。
【0031】
このような照明モジュール、ランプ又は照明器具の利点は、BBL調光効果を有する調光可能な照明装置を提供することを可能にすることである。
【0032】
第5態様において、本発明は照明装置を製造する方法を提供し、該方法は、440nm〜465nmの青色の第1波長範囲の光を放出するように構成された第1組の発光ダイオードを基板上に配置するステップと、465nm〜490nmの青色の第2波長範囲の光を放出するように構成された第2組の発光ダイオードを前記基板上に配置するステップであって、該第2組の発光ダイオードが前記第1組の発光ダイオードとは独立に制御可能となるように構成されたステップと、前記第1組及び第2組の発光ダイオード上に第1発光層を堆積し、これにより第1発光エレメントを設けるステップであって、前記層が前記第1波長範囲の光の少なくとも一部及び前記第2波長範囲の光の少なくとも一部を第1発光エレメント光に変換するための少なくとも1つの発光材料を有するステップと、前記層上に複数の個別の発光エレメントを堆積し、これにより第2発光エレメントを設けるステップであって、前記個別の発光エレメントは少なくとも1つの発光材料が分散された母材を有し、これら別個の発光エレメントが前記第2組の発光ダイオードの少なくとも部分組に放射線的に結合されると共に前記第2波長範囲の光の少なくとも一部を第2発光エレメント光に変換するステップと、を有する。この方法は、第2発光エレメントを封入層上に相対的に小さな蛍光体小片として堆積することを可能にし、結果として、当該照明装置により発生される光の相対的に良好なカラー混合が得られる。更に、第1組及び第2組のLEDにおけるLED間の追加の障壁は必要とされず、各LEDの一層近い間隔が可能となり、このことは例えばスポットライト用途にとり望ましい。
【0033】
本明細書において、“実質的に全ての放射”又は“実質的になる”等における“実質的に”なる用語は、当業者により理解されるものである。“実質的に”なる用語は、“全体的に”、“完全に”、“全て”等による実施態様も含み得る。従って、実施態様において、実質的なる形容詞は削除することもできる。当てはまる場合、“実質的に”なる用語は、95%以上、特には99%以上、更に特別には100%を含み99.5%以上等の90%以上に関するものでもあり得る。“有する”なる用語は、“有する”なる用語が“からなる”を意味する実施態様も含む。
【0034】
更に、詳細な説明及び請求項における第1、第2及び第3等の用語は同様の要素の間を区別するために使用されるものであり、必ずしも連続した又は時間的順序を説明するためのものではない。斯様に使用された用語は適切な状況下では入れ替え可能であり、ここに説明される本発明の実施態様は、ここに記載又は図示されたもの以外の順序で動作することができると理解されるべきである。
【0035】
本明細書における装置は、とりわけ、動作中で説明されている。当業者にとり明らかなように、本発明は動作中の装置及び動作方法に限定されるものではない。
【0036】
上述した実施態様は本発明を限定するというよりは解説するものであり、当業者であれば添付請求項の範囲から逸脱することなしに多数の代替実施態様を設計することができることに注意すべきである。尚、請求項において、括弧内の如何なる符号も当該請求項を限定するものと見なしてはならない。また、“有する”なる動詞及びその活用形の使用は、請求項に記載されたもの以外の構成要素又はステップの存在を排除するものではない。また、単数形の構成要素は複数の斯様な構成要素の存在を排除するものではない。また、幾つかの手段を列挙する装置の請求項において、これら手段の幾つかは1つの同一のハードウェアにより具現化することができる。また、特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせを有利に使用することができないということを示すものではない。
【0037】
本特許出願において説明される種々の態様は、更なる利点を提供するために組み合わせることができる。更に、フィーチャの幾つかは、1以上の分割出願のための基礎を形成することができるものである。