特許第6357225号(P6357225)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6357225少なくとも2組のLEDを有する照明装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6357225
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】少なくとも2組のLEDを有する照明装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/50 20100101AFI20180702BHJP
   H05B 37/02 20060101ALI20180702BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20180702BHJP
【FI】
   H01L33/50
   H05B37/02 L
   F21Y115:10
【請求項の数】14
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-520387(P2016-520387)
(86)(22)【出願日】2014年6月12日
(65)【公表番号】特表2016-529692(P2016-529692A)
(43)【公表日】2016年9月23日
(86)【国際出願番号】EP2014062238
(87)【国際公開番号】WO2014202456
(87)【国際公開日】20141224
【審査請求日】2017年6月8日
(31)【優先権主張番号】13172960.0
(32)【優先日】2013年6月20日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ピータース マルチヌス ペトルス ヨセフ
(72)【発明者】
【氏名】ウェグ レネ テオドルス
(72)【発明者】
【氏名】デュモリン レイモンド ルイス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デア ルッベ マルケルス ヤコブス ヨハネス
【審査官】 皆藤 彰吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−069787(JP,A)
【文献】 特開2008−235824(JP,A)
【文献】 特表2012−521086(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0075769(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
H05B 37/02
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
380nm〜490nmの青色の波長範囲内の第1部分範囲の光を放出する第1組の発光ダイオードと、
380nm〜490nmの青色の波長範囲内の第2部分範囲の光を放出する第2組の発光ダイオードと、
前記第1組及び第2組の発光ダイオードに放射線的に結合されると共に、前記第1部分範囲の光の少なくとも一部及び前記第2部分範囲の光の少なくとも一部を第1発光エレメント光に変換する第1発光エレメントと、
前記第2組の発光ダイオードの少なくとも部分組に放射線的に結合されると共に、前記第2部分範囲の光の少なくとも一部を第2発光エレメント光に変換する第2発光エレメントと、
を有する照明装置であって、
前記第1部分範囲は、前記第2部分範囲とは異なり、
前記第2発光エレメントは、前記第1発光エレメントの下流に配置される複数の別個の発光エレメントであって、前記第2組の発光ダイオードのうちの発光ダイオードの少なくとも部分組に位置合わせされる当該複数の別個の発光エレメントを有し、
動作の間において、前記第1組の発光ダイオードにより放出される光の輝度レベル及び前記第2組の発光ダイオードにより放出される光の輝度レベルは各々互いに独立に制御することができ、白色の照明装置光を発生し、当該照明装置の動作の間において、前記照明装置光が黒体軌跡から15等色標準偏差内である、照明装置。
【請求項2】
前記第1組の発光ダイオード及び前記第2組の発光ダイオードが、当該照明装置を駆動するための電気的接続を提供する基板上に取り付けられる、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
当該照明装置の動作の間において、前記照明装置光が黒体軌跡から10等色標準偏差内である、請求項1又は請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
当該照明装置の動作の間において、前記照明装置光が2100K〜4500Kの相関色温度の範囲内の白色である、請求項2又は請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1発光エレメントが、黄色光放出発光材料、緑色光放出発光材料及び黄色/緑色光放出発光材料の群からの少なくとも1つの発光材料を有する、請求項1又は請求項2に記載の照明装置。
【請求項6】
前記第2発光エレメントが、赤色光放出発光材料、橙色光放出発光材料及び橙色/赤色光放出発光材料の群からの少なくとも1つの発光材料を有する、請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記第1発光エレメントが、赤色光放出発光材料、橙色光放出発光材料及び橙色/赤色光放出発光材料の群からの更なる発光材料を有する、請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
前記第1発光エレメントが、前記少なくとも1つの発光材料を有すると共に前記第1組及び第2組の発光ダイオードを覆う層を有する、請求項6に記載の照明装置。
【請求項9】
前記第2発光エレメントの前記別個の発光エレメントが、前記少なくとも1つの発光材料が分散された母材を有する、請求項8に記載の照明装置。
【請求項10】
前記層が、前記少なくとも1つの発光材料を含む母材を有する、請求項8に記載の照明装置。
【請求項11】
請求項1ないし10の何れか一項に記載の照明装置を有する、照明モジュール。
【請求項12】
請求項1ないし10の何れか一項に記載の照明装置を有する、ランプ。
【請求項13】
請求項1ないし10の何れか一項に記載の照明装置、請求項11に記載の照明モジュール及び請求項12に記載のランプからなる群のうちの1以上を有する、照明器具。
【請求項14】
380nm〜490nmの青色の波長範囲内の第1部分範囲の光を放出する第1組の発光ダイオードを基板上に配置するステップと、
380nm〜490nmの青色の波長範囲内の第2部分範囲の光を放出する第2組の発光ダイオードを前記基板上に配置するステップであって、第2組の発光ダイオードが前記第1組の発光ダイオードとは独立に制御可能であるステップと、
前記第1組及び第2組の発光ダイオード上に第1発光層を堆積し、これにより第1発光エレメントを設けるステップであって、前記層が前記第1部分範囲の光の少なくとも一部及び前記第2部分範囲の光の少なくとも一部を第1発光エレメント光に変換するための少なくとも1つの発光材料を有するステップと、
前記第1発光層の下流に複数の別個の発光エレメントを堆積し、これにより第2発光エレメントを設けるステップであって、前記別個の発光エレメントは少なくとも1つの発光材料が分散された母材を有し、これら別個の発光エレメントが前記第2組の発光ダイオードの少なくとも部分組に放射線的に結合されると共に前記第2部分範囲の光の少なくとも一部を第2発光エレメント光に変換するステップと、
を有する照明装置を製造する方法であって、
前記第1部分範囲が、前記第2部分範囲とは異なり、
前記第1発光エレメント及び前記第2発光エレメントが、これら第1発光エレメント及び第2発光エレメントとの組み合わせにおいて全輝度で動作する前記第1組及び第2組の発光ダイオードにより発生される前記照明装置の光の相関色温度が、前記照明装置の動作の間において、黒体軌跡から15等色標準偏差内であるように選択される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2組の発光ダイオードを有する照明装置に関する。本発明は、更に、上記照明装置を有する照明モジュールにも関する。本発明は、更に、このような照明装置を有するランプにも関する。本発明は、更に、上記照明装置又は上記照明モジュールを有する照明器具にも関する。本発明は、更に、上記照明装置を製造する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は多くの用途のために使用されている。LEDの相対的に少ない電力消費及び相対的に長い寿命は、LEDを、白熱電球又は蛍光管等の従来の光源に対する非常に有効な代替品にさせている。従って、新たに設計される照明装置は、しばしば、LEDを用いるのみならず、多くの市場においてLED製品は、例えば白熱又はハロゲン光源等の他の光源を置換するために使用されている。これらの、所謂、改良置換(レトロフィット)製品は、既存の照明/電力供給システムと互換的でなければならない。
【0003】
多くの照明応用分野においては、調光される照明が必要とされる。従来の白熱及びハロゲンランプは、調光された場合に、光の色温度が黒体軌跡(BBL)を辿る効果(“BBL調光効果”と称される)を有する。BBL調光効果は、調光された場合に当該ランプにより、最大電力(即ち、最大光出力レベル)で動作された場合よりも暖かい光が発生されるという視覚的効果をもたらす。この効果は、例えばレストラン、ラウンジ、居間等における環境(アンビエント)照明状況において心地よい柔らかい照明を提供するために使用される。
【0004】
BBL調光効果は、LED型照明装置を使用する場合にも望ましい。しかしながら、LED光源は、光出力レベルに無関係に実質的に同一の相関色温度の光を供給する。従って、BBL調光効果をもたらすために、当該LED型照明装置内に、より暖かい色温度の光を供給する琥珀(アンバ)色LEDを設けることができる。通常のLED光源が最大光出力レベルに設定される場合、該琥珀色LED光源はオフされる。このことは、例えば2700Kの相関色温度の光を供給することができる。当該照明装置を調光する場合、上記通常のLED光源の光出力レベルは減少され、同時に、琥珀色LED光源の光出力レベルが増加される。当該装置の最小光出力レベルにおいて、上記通常のLED光源はオフされ、琥珀色LED光源は最大光出力レベルとされる。当該光は、この場合、約2200Kの相関色温度を有し得る。
【0005】
既知のLED型照明装置の欠点は、BBL調光効果を実現するために、通常のLED光源の光出力レベル及び琥珀色LED光源の光出力レベルを制御するために相対的に複雑なコントローラが必要とされることである。これは、BBL調光効果を達成するために必要とされる出力レベルがどの程度であるかを決定する必要があるからである。既知のLED型照明装置の他の欠点は、琥珀色LED光源の光出力が該LEDの温度が上昇すると相対的に大きな減少を示すことであり、このことは、高輝度の光が必要とされる用途、例えばスポットライト用途において特に不利である。既知のLED型照明装置の更なる欠点は、発生される光のCRI(“演色評価数”)が約2200Kの色温度において相対的に低いということである。
【0006】
米国特許出願公開第2013/0093362号公報は、第1組のLED、第2組のLED、及び異なる蛍光体の2以上の領域を備えた遠隔波長変換要素を含む調整可能な発光装置を開示している。該装置は、更に、調光器及び制御回路を有している。該調光器は当該調整可能な発光装置に使用されるべき連続した一連の出力電力を発生するように構成される一方、上記制御回路は該発生された出力電力をLEDのための調整可能な電力設定に変換するように構成される。
【0007】
米国特許出願公開第2010/0207521号公報は、基板上の複数のLED及び該LEDを覆う第1蛍光体層を含む発光装置を開示している。該蛍光体層上には、第2蛍光体材料がドットの形態で設けられる。該第2蛍光体材料は細かなカラー調整を行うことを可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の第1態様は、上述した欠点を少なくとも部分的に除去する照明装置であって、当該照明装置の調光の間に、調光の間に達成される相関色温度の範囲の少なくとも一部にわたり実質的にBBLを辿る相関色温度を持つ光を供給するような照明装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1態様において、本発明は照明装置を提供するもので、該照明装置は、440nm〜465nmの青色の第1波長範囲の光を放出するように構成された第1組の発光ダイオードと、465nm〜490nmの青色の第2波長範囲の光を放出するように構成された第2組の発光ダイオードと、前記第1組及び第2組の発光ダイオードに放射線的に結合されると共に前記第1波長範囲の光の少なくとも一部及び前記第2波長範囲の光の少なくとも一部を第1発光エレメント光に変換するよう構成された第1発光エレメントと、前記第2組の発光ダイオードの少なくとも部分組に放射線的に結合されると共に前記第2波長範囲の光の少なくとも一部を第2発光エレメント光に変換するように構成された第2発光エレメントとを有し、動作の間において、前記第1組の発光ダイオードにより放出される光の輝度レベル(即ち、光出力レベル)及び前記第2組の発光ダイオードにより放出される光の輝度レベルは各々互いに独立に制御可能であり、当該照明装置は白色の照明装置光を発生するように構成される。前記第1組の発光ダイオードにより及び前記第2組の発光ダイオードにより放出される光は、各々、前記第1波長範囲及び第2波長範囲の同一の部分的範囲におけるもの、例えば共に青色波長範囲におけるものとすることができる。他の例として、上記部分的範囲は相違し、例えば、当該照明装置の動作の間において、第1組の発光ダイオードは青色波長範囲内の光を放出する一方、第2組の発光ダイオードは紫色波長範囲内の光を放出する。
【0010】
本明細書における“白色照明装置光”なる用語は、当業者により既知のものである。該光は、約2000〜20000K、特には2700〜20000Kの間、一般照明のためには特に約2200K〜6500Kの範囲内、背面照明(バックライティング)のためには約7000K〜20000Kの範囲内であって、BBLから約15SDCM(等色標準偏差:standard deviation of color matching)内、特にはBBLから約10SDCM内、更に特別にはBBLから約5SDCM内の相関色温度(CCT)を持つ光に関するものである。
【0011】
一実施態様において、当該照明装置は、白色を維持する、即ちCCT範囲の少なくとも一部にわたり実質的にBBL上にある光(“照明装置光”)を供給することを可能にする。“実質的にBBL上”とは、当該照明装置の動作の間においてBBLから15SDCM(等色標準偏差)内、より特別には10SDCM内、更に特別には5SDCM内を意味する。特定の実施態様において、前記第1及び第2発光エレメントは、前記照明装置光を、2100K〜4500KのCCTの範囲内、より特別には2100K〜3500KのCCTの範囲内、更に特別には2100K〜2700KのCCTの範囲内、更に一層特別には2400K〜2700KのCCTの範囲内において白色(特にはBBLから15SDCM内、より特別には10SDCM内、更に特別には5SDCM内)に維持するように構成される。
【0012】
前記第1及び第2発光エレメントは、当該照明装置を調光する場合にCCT(“相関色温度”)がCCT範囲の少なくとも一部に関してBBL(“黒体軌跡”)を辿るように選択される。前記第1発光エレメントは、該第1発光エレメントのみと組み合わされた場合に全輝度で動作する第1組及び第2組のLEDにより発生される光の相関色温度が、実質的にBBL上の相関色温度を持つ光を供給するように選択することができる。前記第2波長範囲の光の少なくとも一部を変換するために前記第2組のLEDの少なくとも部分組に放射線的に結合された第2発光エレメントを用いることにより、単に第1組のLEDを調光することにより、即ち第1組のLEDにより発生される光の輝度レベルを減少させることにより、前記BBL調光効果が達成される。複雑な制御アルゴリズムは必要とされない。本発明の第1態様による照明装置は、少なくとも第1及び第2発光エレメントを有し、これらの発光エレメントのうち、第1発光エレメントは前記第1組及び第2組のLEDに放射線的に結合され、第2発光エレメントは前記第2組のLED及び第1発光エレメントの1以上に少なくとも放射線的に結合される。
【0013】
公開された米国特許出願第2010/0207521号公報は、LEDを覆う第1蛍光体材料を含む層、及び第1蛍光体材料を備える該層上にパターンとして形成される第2蛍光体の層を具備するLED装置を開示していることに注意されたい。しかしながら、輝度レベルが独立に制御可能な2組のLEDを該LED装置が含むこと、及び該LED装置を調光する場合に該LED装置がBBL調光効果を有することを可能にすることは開示されていない。
【0014】
“放射線的に結合される”なる用語は、1以上のLED及び発光エレメント(又は複数の発光エレメント)が、LEDにより放出される光の少なくとも一部が発光エレメント(又は複数の発光エレメント)により受光され(そして、該発光エレメント(又は複数の発光エレメント)により少なくとも部分的にルミネッセント光に変換される)ように互いに組み合わされることを特に意味している。この場合において、第2発光エレメントも第1発光エレメントに放射線的に結合され得、このことは、第1発光エレメントの放射の少なくとも一部は第2発光エレメントにより受光され(そして、該第2発光エレメントにより少なくとも部分的にルミネッセント光に変換され得る)ことを示す。
【0015】
前記発光ダイオードは、任意の発光ダイオードとすることもできるが、特には光スペクトルの実質的にUV(“紫外”)、紫色又は青色部分で発光することができる発光ダイオードとする。従って、一実施態様において前記第1組及び第2組の発光ダイオードは青色光放出LEDを有する。上記実施態様と組み合わせることができる更に他の実施態様において、当該発光ダイオードはUV光放出LEDを有する。好ましくは、当該発光ダイオードは300nm〜490nm、特には380nm〜490nmの範囲から選択される波長で少なくとも光を放出する。この光は、前記第1及び/又は第2発光エレメントにより異なる波長範囲を持つ光に特別に変換され得る。“発光ダイオードの組”なる用語は、1つの発光ダイオード又は例えば2〜20のLED等の複数の発光ダイオードに関係し得るものである。
【0016】
一実施態様において、前記第1発光エレメントは、黄色光放出発光材料、緑色光放出発光材料及び黄色/緑色光放出発光材料の群からの1以上の発光材料を有する。他の実施態様において、前記第2発光エレメントは、赤色光放出発光材料、橙色光放出発光材料及び橙色/赤色光放出発光材料の群からの1以上の発光材料を有する。更に他の実施態様において、前記第1発光エレメントは、赤色光放出発光材料、橙色光放出発光材料及び橙色/赤色光放出発光材料の群からの更なる発光材料を有する。第1発光エレメントは、例えば、緑色光及び赤色光放出発光材料の組み合わせ、又は黄色光及び赤色光放出発光材料の組み合わせ、等を有することができる。例えば青色LEDの場合、当該照明装置の動作の間において、白色の照明装置光は前記第1及び/又は第2組の発光ダイオードにより発生される未変換光、第1発光エレメント光及び第2発光エレメント光の組み合わせに基づくものであり得る。(主に)UV光を発生する発光ダイオードが適用される場合、第1発光エレメントは、青色、緑色及び赤色光放出発光材料の組み合わせ、又は代わりに青色、黄色及び赤色光放出発光材料の組み合わせを有する。第1組及び第2組のUV LEDを有する照明装置の動作の間において、前記白色照明装置光は、第1発光エレメント光及び第2発光エレメント光の組み合わせに基づくものであり得る。
【0017】
“UV光”、“UV放射”又は“UV波長範囲”なる用語は、特に、約200nm〜420nmの範囲内の波長を持つ光に関するものである。UV光は、約200nm〜280nmの範囲内の波長を持つ光に特に関係する“UV−C光”、 約280nm〜315nmの範囲内の波長を持つ光に特に関係する“UV−B光”及び 約315nm〜420nmの範囲内の波長を持つ光に特に関係する“UV−A光”に分割することができる。“紫色光”、“紫色放射”又は“紫色波長範囲”なる用語は、特に、約380nm〜440nmの範囲内の波長を持つ光に関するものである。“青色光”、“青色放射”又は“青色波長範囲”なる用語は、特に、約440nm〜490nmの範囲内の波長を持つ光(幾らかの紫色及びシアン色相を含む)に関するものである。“緑色光”、“緑色放射”又は“緑色波長範囲”なる用語は、特に、約490nm〜560nmの範囲内の波長を持つ光に関するものである。“黄色光”、“黄色放射”又は“黄色波長範囲”なる用語は、特に、約560nm〜590nmの範囲内の波長を持つ光に関するものである。“橙色光”、“橙色放射”又は“橙色波長範囲”なる用語は、特に、約590nm〜620nmの範囲内の波長を持つ光に関するものである。“赤色光”、“赤色放射”又は“赤色波長範囲”なる用語は、特に、約620nm〜750nm、特には620nm〜650nmの範囲内の波長を持つ光に関するものである。“可視”、“可視光”、“可視放射”又は“可視波長範囲”なる用語は、約380nm〜750nmの範囲内の波長を持つ光を示す。
【0018】
前記第1及び/又は第2発光エレメントは、1以上の無機発光材料を有することができる。他の実施態様において、該無機発光材料は二価ユーロピウム含有酸窒化物発光材料、二価ユーロピウム含有硫化物発光材料及び二価ユーロピウム含有セレン化物(及び硫化物)発光材料からなる群から選択される。赤色発光材料は、一実施態様において、(Ba,Sr,Ca)S:Eu, Ca(S,Se):Eu, (Ba,Sr,Ca)AlSiN3:Eu及び(Ba,Sr,Ca)2Si5N8:Euからなる群から選択される1以上の材料を有することができる。これらの化合物において、ユーロピウム(Eu)は実質的に又は唯一二価であり、示された二価のカチオンの1以上を置換する。一般的に、Euは、該Euが置換するカチオンに対して、カチオンの10%、特には約0.5〜10%の範囲、より特別には約0.5〜5%の範囲より多い量では存在しない。“:Eu”又は“:Eu2+”なる用語は、金属イオンの一部がEuにより(これらの例では、Eu2+により)置換されることを示す。例えば、CaAlSiN3:Euにおいて2%のEuを仮定すると、正しい式は(Ca0.98Eu0.02)AlSiN3であり得る。二価ユーロピウムは、一般的に、上述した二価アルカリ土類カチオン、特にCa,Sr又はBa等の二価カチオンを置換する。材料(Ba,Sr,Ca)S:EuはMS:Euと示すこともでき、ここで、Mはバリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)からなる群から選択される1以上の元素であり;特に、Mは、この化合物においてカルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、更に特別にはカルシウムを有する。ここで、Euが導入され、Mの少なくとも一部(即ち、Ba,Sr及びCaの1以上)を置換する。更に、材料(Ba,Sr,Ca)2Si5N8:EuはM2Si5N8:Euと示すこともでき、ここで、Mはバリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)からなる群から選択される1以上の元素であり;特に、Mは、この化合物においてSr及び/又はBaを有する。他の特定の実施態様において、MはSr及び/又はBaからなり(Euの存在を考慮に入れないで)、特にBa1.5Sr0.5Si5N8:Eu(即ち、75%Ba;25%Sr)等の、50〜100%、特には50〜90%のBa及び50〜0%、特には50〜10%のSrである。ここで、Euが導入され、Mの少なくとも一部(即ち、Ba,Sr及びCaの1以上)を置換する。同様に、材料(Ba,Sr,Ca)AlSiN3:EuはMAlSiN3:Euと示すこともでき、ここで、Mはバリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)からなる群から選択される1以上の元素であり;特に、Mは、この化合物においてカルシウム若しくはストロンチウム、又はカルシウム及びストロンチウム、更に特別にはカルシウムを有する。ここで、Euが導入され、Mの少なくとも一部(即ち、Ba,Sr及びCaの1以上)を置換する。好ましくは、一実施態様において、前記無機発光材料は(Ca,Sr,Ba)AlSiN3:Eu、好ましくはCaAlSiN3:Euを有する。更に、前者と組み合わせることができる他の実施態様において、前記無機発光材料は(Ca,Sr,Ba)2Si5N8:Eu、好ましくは(Sr,Ba)2Si5N8:Euを有する。“(Ca,Sr,Ba)”なる用語は、対応するカチオンがカルシウム、ストロンチウム又はバリウムにより占められ得ることを示す。該用語は、このような材料において、対応するカチオン位置がカルシウム、ストロンチウム及びバリウムからなる群から選択されるカチオンにより占有され得ることも示す。このように、当該材料は、例えば、カルシウム及びストロンチウム、又はストロンチウムのみ、等を有することができる。同様の原理が“(S,Se)”なる用語にも関係する。
【0019】
他の実施態様において、前記第1及び/又は第2発光材料は、三価セリウム含有ガーネット、三価セリウム含有酸窒化物及び三価セリウム含有窒化物からなる群から選択される1以上の無機発光材料を有することができる。特に、該発光材料はM3A5O12:Ce3+発光材料を更に有することができ、ここで、MはSc,Y,Tb,Gd及びLuからなる群から選択され、AはAl及びGaからなる群から選択される。好ましくは、MはY及びLuの1以上を少なくとも有し、その場合、AはAlを少なくとも有する。これらのタイプの材料は最高の効率を提供し得る。特定の実施態様において、前記第1発光エレメントはM3A5O12:Ce3+のタイプの少なくとも2つの発光材料を有し、ここで、MはY及びLuからなる群から選択され、その場合、AはAlからなる群から選択され、比Y:Luは該少なくとも2つの発光材料に関しては相違する。例えば、これらのうちの一方はY3Al5O12:Ce3+等のように純粋にYに基づくものであり得、これらのうちの一方は(Y0.5Lu0.5)3Al5O12:Ce3+等のようにY,Luベースの系であり得る。ガーネットの実施態様は特にM3A5O12ガーネットを含み、ここで、Mは少なくともイットリウム又はルテチウムを有し、Aは少なくともアルミニウムを有する。このようなガーネットは、セリウム(Ce)により、プラセオジム(Pr)又はセリウム及びプラセオジムの組み合わせによりドーピングすることができるが、特にはCeによりドーピングされる。特に、Aはアルミニウム(Al)を有することができるが、Aは部分的にガリウム(Ga)、スカンジウム(Sc)及び/又はインジウム(In)を、特にAlの約20%まで、更に特別にはAlの約10%まで有することもできる(即ち、Aイオンは本質的に90モル%以上のAl及び10モル%以下のGa,Sc及びInの1以上からなる)。Aは特には約10%までのガリウムを有することができる。他の変形例において、A及びOはSi及びNにより少なくとも部分的に置換することができる。要素Mは、特に、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)及びルテチウム(Lu)からなる群から選択することができる。更に、Gd及び/又はTbは、特に、Mの約20%の量までだけ存在する。特定の実施態様において、ガーネット発光材料は(Y1-xLux)3B5O12:Ceを有し、ここで、xは0以上で、1以下である。“:Ce”又は“:Ce3+”なる用語は、当該発光材料における金属イオンの一部(即ち、当該ガーネットにおいて、“M”イオンの一部)がCeにより置換されることを示す。例えば、(Y1-xLux)3Al5O12:Ceを仮定すると、Y及び/又はLuの一部がCeにより置換される。この表記法は当業者により既知である。一般的に、CeはMを10%以下だけ置換する。一般的に、Ce濃度は0.1〜4%、特には0.1〜2%(Mに対して)の範囲内である。1%のCe及び10%のYを仮定すると、完全な正しい式は(Y0.1Lu0.89Ce0.01)3Al5O12となり得る。ガーネット内のCeは、当業者により知られているように、実質的に又は唯一、三価状態である。
【0020】
更に他の実施態様において、前記第1及び/又は第2発光エレメントは1以上の有機発光材料を有することができる。殆ど限りのない種類の斯様な有機発光材料又は染料(色素)が存在する。関連のある例は、多数の業者から入手可能なペリレン(BASF社、Ludwigshafen, Germanyからの商品名ルモゲンで知られている染料:Lumogen F240 Orange, Lumogen F300 Red,Lumogen F305 Red, Lumogen F083 Yellow, Lumogen F170 Yellow, Lumogen F850 Green)、Neelikon Food Dyes & Chemical Ltd.社, Mumbai, India, India からのYellow 172、クマリン等の染料(例えば、Coumarin 6, Coumarin 7, Coumarin 30, Coumarin 153, Basic Yellow 51)、ナフタルイミド(例えばSolvent Yellow 11, Solvent Yellow 116)、Fluorol 7GA、ピリジン(例えば、pyridine 1)、ピロメテン(Pyrromethene 546, Pyrromethene 567等)、ウラニン、ローダミン(例えば、Rhodamine 110, Rhodamine B, Rhodamine 6G, Rhodamine 3B, Rhodamine 101, Sulphorhodamine 101, Sulphorhodamine 640, Basic Violet 11, Basic Red 2)、シアニン(例えば、phthalocyanine, DCM)、スチルベン(例えば、Bis-MSB, DPS)等である。酸性染料、塩基性染料、直接染料及び分散染料等の幾つかの他の染料も、意図する用途に対して十分に高い蛍光量子収率を示す限りにおいて、使用することができる。適用することが可能な特別に関心がある有機発光材料は、例えば、緑色発光のためのBASF Lumogen 850、黄色発光のためのBASF Lumogen F083又はF170、橙色発光のためのBASF Lumogen F240、及び赤色発光のためのBASF Lumogen F305又はF305を含む。従って、前記第1及び/又は第2発光エレメントは、例えば上述した有機発光材料の少なくとも2つ、及びオプションとして上述した有機発光材料から選択することができる1以上の他の有機発光材料を有することができる。
【0021】
上記第1及び/又は第2発光エレメントの発光材料は、透光性膜又はプレート等の、可視光及び/又はUV光に対して透過性の材料中に埋め込むことができる。該透光性材料は、例えば、前記第1組及び第2組のLEDを封入するために、及び基板上の電気ワイヤを保護するために使用することができる。更に、該透光性材料は、前記第2発光エレメントのための母材として使用することもできる。特に、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PEN(ポリエチレン・ナフタレート)、PC(ポリカーボネート)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)(Plexiglas又はPerspex)、セルロース・アセテート・ブチレート(CAB)、シリコーン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、(PETG)(グリコール修飾ポリエチレンテレフタレート)、PDMS(ポリジメチルシロキサン)及びCOC(シクロ・オレフィン・コポリマ)からなる群から選択されるような透光性有機材料を適用することができる。例えば高輝度応用例等の動作中に相対的に熱くなり得る照明装置においては、例えばシリコーン等の可撓性透光材料が好ましい。というのは、これら装置は相対的に高い機械的応力を受けるからである。
【0022】
前記第2発光エレメントは複数の別個の(離散的)発光エレメントを有することができ、その場合において、別個の各発光エレメントは前記第2組のLEDにおける対応するLEDに放射線的に結合される。他の例として、第2組のLEDにおける部分組のみが、個別の各発光エレメントに放射線的に結合される(第2組のLEDのうちの他のLEDは個別の発光エレメントには放射線的に結合されない)。これら別個の発光エレメントは、例えば、固体の小片(particles)、パッチ、ドット若しくは粒体等とすることができ、又はオプションとしてポリマ組成物の硬化される液滴とすることができる(液体又は半液体状態で塗布することができる)。別個の発光エレメントは、典型的に、高分子母材中に溶解又は分散された発光材料を有する。該高分子母材は、典型的に、当該発光材料により受光(変換)されて放出される波長の光に対して透明又は少なくとも半透明である。オプションとして、上記別個の発光エレメントは、該発光エレメントを支持体に付着させるように作用し得る接着剤(典型的には、バインダ)を含むことができる。該別個の発光エレメントは、前記第1発光エレメントを形成する層の表面上に配置することができ、又は他の例として該層に部分的に埋め込まれると共に該層から部分的に突出するようにすることができる。
【0023】
前記第1組の発光ダイオードは440nm〜465nmの波長範囲内の青色光を放出するように構成される一方、前記第2組の発光ダイオードは465nm〜490nmの波長範囲内の青色光を放出するように構成される。この実施態様の利点は、第2組のLEDにより発生された青色光の第1発光エレメントによる吸収を、斯かる青色光の一層多くが第2発光エレメントにより変換され得るように減少させることができることである。更に、相対的に長い波長を持つ青色光を使用することにより、前記照明装置光のCRIを改善することができる。
【0024】
当該照明装置の一実施態様において、前記第1組の発光ダイオードは440nm〜465nmの波長範囲内の青色光を放出するように構成される一方、前記第2組の発光ダイオードは400nm〜440nmの波長範囲内の紫色光を放出するように構成される。この実施態様の利点は、相対的に小さな波長を持つ紫色光を使用することにより、青色光放出LEDのみを使用する照明装置と比較して、白い物体(例えば、紙又は布)が人により一層白色として知覚されることである。
【0025】
独立に制御可能な第1組及び第2組の発光ダイオードを備える一方、均一に混合されると共に上記第1組及び第2組の両方のLEDを覆う2つの発光材料(例えば、黄色光放出及び赤色放出発光材料)の混合物(例えば、単一の層の)を有する照明装置に関しては、前記BBL調光効果を得ることは相対的に困難である。このような照明装置の場合、上記2つの組のLEDの各々により得られる光のCCTは、個々に、非常に正確に制御されねばならない。さもなければ、斯かる照明装置は、該照明装置を調光する場合に白色光ではなく薄く色の付いた光として知覚されるような光を発生する。第2発光エレメントが第2組のLEDにおけるLEDの少なくとも部分組に放射線的に結合される本発明による照明装置によれば、BBL調光効果を相対的に簡単に達成することができる。第1発光エレメント及び第2発光エレメントは、これら第1発光エレメント及び第2発光エレメントとの組み合わせにおいて全輝度で動作する第1組及び第2組のLEDにより発生される照明装置光の相関色温度が実質的にBBL上に位置するように選択される。第2発光エレメントは、第2組のLEDにおけるLED(の少なくとも部分組)に位置合わせされると共に、第1発光エレメントに対して例えば下流に設けられる。当該照明装置を調光する場合に到達され得る光の相関色温度は、第1発光エレメントの厚さ、第2発光エレメントのために使用される発光材料、及び第2組のLEDのうちの第2発光エレメントに放射線的に結合されるLEDの数により決定され得る。例えば、第1発光エレメント上に第2発光エレメントの小片(particles)を堆積するために印刷技術を用いることにより、第1発光エレメント上に均一に分布され得る相対的に小さな片を形成することができ、結果として、当該照明装置により動作の間において供給される光のカラー混合が改善される。更に、第1組のLED及び第2組のLEDのLED間に障壁を設ける必要がなく、LEDの一層密な離隔配置が可能となり、このことは、相対的に高い輝度の光が必要とされる用途(例えば、スポットライト用途又は自動車照明用途)にとり有利である。上記第2発光エレメントの小片は、第2組のLEDの各LEDが斯かる小片と位置合わせされ(従って、放射線的に結合され)るか、又は第2組のLEDにおけるLEDの一部のみが第2発光エレメントの小片と位置合わせされるように、分散(分布)させることができる。第1発光エレメント及び/又は第2発光エレメントのために使用される特定の発光材料(又は複数の発光材料)の選択も、当該照明装置を調光する場合に達成することができる当該照明装置光のCCT(“相関色温度”)の範囲及び/又はCRI(“演色評価数”)の範囲を制御するために使用することができる。
【0026】
“上流”及び“下流”なる用語は、光発生手段(ここでは、特に光源)からの光の伝搬に対する物品又はフィーチャの配置に関するものであり、光発生手段からの光のビーム内の第1位置に対して該光のビームにおける当該光発生手段に一層近い第2位置は“上流”であり、該光のビームにおける当該光発生手段から一層遠い第3位置は“下流”である。
【0027】
当該照明装置の一実施態様において、前記第1及び/又は第2発光エレメントは、量子ドットを有することができる。ここで、量子ドットとは、ルミネッセント量子ドット、即ちUV及び/又は青色光により励起され、当該スペクトルの可視波長範囲内の少なくとも何処かで発光することができる量子ドットを指す。
【0028】
第2態様において、本発明は、本発明の第1態様による照明装置を有する照明モジュールを提供する。
【0029】
第3態様において、本発明は、本発明の第1態様による照明装置を有するランプを提供する。
【0030】
第4態様において、本発明は、本発明の第1態様による照明装置又は本発明の第2態様による照明モジュールを有する照明器具を提供する。
【0031】
このような照明モジュール、ランプ又は照明器具の利点は、BBL調光効果を有する調光可能な照明装置を提供することを可能にすることである。
【0032】
第5態様において、本発明は照明装置を製造する方法を提供し、該方法は、440nm〜465nmの青色の第1波長範囲の光を放出するように構成された第1組の発光ダイオードを基板上に配置するステップと、465nm〜490nmの青色の第2波長範囲の光を放出するように構成された第2組の発光ダイオードを前記基板上に配置するステップであって、該第2組の発光ダイオードが前記第1組の発光ダイオードとは独立に制御可能となるように構成されたステップと、前記第1組及び第2組の発光ダイオード上に第1発光層を堆積し、これにより第1発光エレメントを設けるステップであって、前記層が前記第1波長範囲の光の少なくとも一部及び前記第2波長範囲の光の少なくとも一部を第1発光エレメント光に変換するための少なくとも1つの発光材料を有するステップと、前記層上に複数の個別の発光エレメントを堆積し、これにより第2発光エレメントを設けるステップであって、前記個別の発光エレメントは少なくとも1つの発光材料が分散された母材を有し、これら別個の発光エレメントが前記第2組の発光ダイオードの少なくとも部分組に放射線的に結合されると共に前記第2波長範囲の光の少なくとも一部を第2発光エレメント光に変換するステップと、を有する。この方法は、第2発光エレメントを封入層上に相対的に小さな蛍光体小片として堆積することを可能にし、結果として、当該照明装置により発生される光の相対的に良好なカラー混合が得られる。更に、第1組及び第2組のLEDにおけるLED間の追加の障壁は必要とされず、各LEDの一層近い間隔が可能となり、このことは例えばスポットライト用途にとり望ましい。
【0033】
本明細書において、“実質的に全ての放射”又は“実質的になる”等における“実質的に”なる用語は、当業者により理解されるものである。“実質的に”なる用語は、“全体的に”、“完全に”、“全て”等による実施態様も含み得る。従って、実施態様において、実質的なる形容詞は削除することもできる。当てはまる場合、“実質的に”なる用語は、95%以上、特には99%以上、更に特別には100%を含み99.5%以上等の90%以上に関するものでもあり得る。“有する”なる用語は、“有する”なる用語が“からなる”を意味する実施態様も含む。
【0034】
更に、詳細な説明及び請求項における第1、第2及び第3等の用語は同様の要素の間を区別するために使用されるものであり、必ずしも連続した又は時間的順序を説明するためのものではない。斯様に使用された用語は適切な状況下では入れ替え可能であり、ここに説明される本発明の実施態様は、ここに記載又は図示されたもの以外の順序で動作することができると理解されるべきである。
【0035】
本明細書における装置は、とりわけ、動作中で説明されている。当業者にとり明らかなように、本発明は動作中の装置及び動作方法に限定されるものではない。
【0036】
上述した実施態様は本発明を限定するというよりは解説するものであり、当業者であれば添付請求項の範囲から逸脱することなしに多数の代替実施態様を設計することができることに注意すべきである。尚、請求項において、括弧内の如何なる符号も当該請求項を限定するものと見なしてはならない。また、“有する”なる動詞及びその活用形の使用は、請求項に記載されたもの以外の構成要素又はステップの存在を排除するものではない。また、単数形の構成要素は複数の斯様な構成要素の存在を排除するものではない。また、幾つかの手段を列挙する装置の請求項において、これら手段の幾つかは1つの同一のハードウェアにより具現化することができる。また、特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせを有利に使用することができないということを示すものではない。
【0037】
本特許出願において説明される種々の態様は、更なる利点を提供するために組み合わせることができる。更に、フィーチャの幾つかは、1以上の分割出願のための基礎を形成することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1a図1aは、本発明の第1態様による照明装置の第1実施態様を概略的に示す。
図1b図1bは、本発明の第1態様による照明装置の第1実施態様を概略的に示す。
図2a図2aは、実験結果を示す。
図2b図2bは、実験結果を示す。
図2c図2cは、実験結果を示す。
図2d図2dは、実験結果を示す。
図3図3は、本発明の第2態様による照明モジュールを概略的に示す。
図4a図4aは、本発明の第3態様によるランプを概略的に示す。
図4b図4bは、本発明の第3態様によるランプを概略的に示す。
図5a図5aは、本発明の第4態様による照明器具を概略的に示す。
図5b図5bは、本発明の第4態様による照明器具を概略的に示す。
図6図6は、本発明の第5態様による照明装置を製造する方法を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施態様を、添付概略図面を参照して例示としてのみ説明するが、各図において対応する符号は対応する部分を示している。また、これらの図面は必ずしも実寸通りではない。
【0040】
図1aは、第1組のLED10、第2組のLED11、並びに第1及び第2発光(ルミネッセント)エレメント12及び13を有する照明装置100を概略的に示す。第1組及び第2組のLED10及び11は基板16上に取り付けられている。第1組のLED10は、当該照明装置100の動作の間において、440nm〜490nmの波長範囲内の青色光14(図1a)を発生するように構成されている。第2組のLED11は、当該照明装置100の動作の間において、440nm〜490nmの波長範囲内の青色光15(図1a)を発生するように構成されている。代替実施態様において、青色光14は440〜465nmの波長範囲内であり、青色光15は465〜490nmの波長範囲内である。当該照明装置の他の代替実施態様において、第1組の発光ダイオードは440nm〜465nmの波長範囲内の青色光を放出するように構成され、第2組の発光ダイオードは400nm〜440nmの波長範囲内の紫色光を放出するように構成される。青色光14,15は、第1組及び第2組のLED10及び11に放射線的に結合された第1発光エレメント12により励起光として使用される。光15は、第2組のLED11に放射線的に結合された第2発光エレメント13により励起光として使用される。第1発光エレメント12は、層130内に設けられた無機発光材料(例えば、黄色/緑色光を放出する発光材料)120を有し、当該層は該発光材料120を埋め込むためのポリマ材料を有している。層130は、更に、第1組及び第2組のLED10及び11の封入のためにも使用することができ、これらLEDの劣化を生じさせ得る水分及び空気の影響から保護する。他の実施態様において、発光エレメント12は、更に、例えば赤色光を放出する発光材料等の第2無機発光材料121(図1a)も有する。発光材料120,121は、1つの層130内で混合することができるか、又は他の例として互いに重ねられた2つの別個の層内に埋め込むこともできる(図1aには図示されていない)。第2発光エレメント13は、小片(particles)131の形態の1以上の別個の発光エレメント内に設けられた無機発光材料(例えば、赤色光を放出する発光材料)122を有し、当該小片は発光材料122を埋め込むためのポリマ材料を有する。小片131は層130上に、即ち第1発光エレメント12と比較すると前記第2組のLEDの下流側に配置され、かくして、発光エレメント13は当該照明装置100の動作の間において主に光15により励起される。小片131は、第1発光エレメント12上に印刷技術により堆積させることができると共に、例えば円形、卵形、正方形、長方形又は長尺形状等の異なる形状を有することができる。小片131は、有機溶媒内に発光材料及び溶解性バインダを有する液体組成物として供給することができ、該組成物は支持体の表面上に印刷することができる。印刷後に、上記溶媒は蒸発して、バインダの層により覆われた小片を別個の発光エレメントとして残存させる。好ましくは、小片131の位置は、第2組のLED11における対応するLEDの位置に整列される。小片131の表面積は第2組のLED11におけるLEDの表面積に合致する。他の実施態様において、小片131の表面積は、上記LEDの表面積より例えば2倍まで又は3倍まで大きくする。他の実施態様において、第1発光エレメント12は、層130内に埋め込まれた1以上の有機発光材料、又は層130に埋め込まれた1以上の量子ドット材料を有することができる。他の実施態様において、第2発光エレメント13は小片13内に埋め込まれた有機発光材料又は量子ドット材料を有することができる。第1組のLED10におけるLEDは第1ワイヤボンド41(図1a)により接続されて第1列(ストリング)のLEDを形成する一方、第2組のLED11におけるLEDはワイヤボンド42(図1a)により接続されて第2ストリングのLEDを形成する。斯かるワイヤボンドによる設計は、第1組のLED10を第2組のLED11とは独立に給電及び制御することを可能にする。照明装置100は(該照明装置の)動作の間において発光照明装置光101(図1a)を発生するように構成され、該発光照明装置光101の相関色温度は、第1組のLED10を調光する場合に、結果としてのCCTの少なくとも或る範囲にわたり実質的にBBLを辿りながら変化する。照明装置100は単一の制御ボタン(図1a,1bには図示されていない)を有することができ、このボタンを押す又は回転することにより、当該照明装置100を調光(即ち、光出力レベルを減少)すべく第1組及び第2組のLED10及び11の相対輝度レベルが変化される。他の実施態様においては、第2組のLED11におけるLEDの部分組のみが、発光材料122を有する小片131により覆われる(例えば、第2組のLED11におけるLEDのうちの半分が小片131により覆われる)。好ましくは、小片131は第1発光エレメント12上に均一に分散される。他の実施態様において、小片131は第1発光エレメント12上に不均一に分散される。前記基板16(図1a)は、第1組及び第2組のLED10及び11が上部に取り付けられる任意の材料とすることもできる。他の実施態様において、第1組及び第2組のLED10及び11は、例えば金属コア印刷回路基板又はセラミック基板である基板125(図1b)上に取り付けられる。基板125は、当該照明装置100に電力を供給するためのパッド127を有する。該基板125における第1組及び第2組のLED10及び11を有する部分のみが、第1発光エレメントにより覆われる。このような照明装置は、COB(“チップオンボード”)モジュールと称すことができる。他の実施態様において、第1組及び第2組のLEDは基板16上に例えば市松模様等の異なるパターンで配置される。
【0041】
図2a〜図2dは実験結果を示す。図2aは、第1組のLED10として9個の青色光放出LEDの第1ストリング及び第2組のLED11として9個の青色光放出LEDの第2ストリングを備えた図1a、図1bに示す実施態様による照明装置100により動作中に発生される照明装置光101の相関色温度の変化を示す。上記18個のLED(各々は1mm)は円形基板(直径10mm)上に配置される一方、第1発光エレメント12はシリコーン層中に緑色/黄色発光YAG:Ce蛍光体(85重量%)及び赤色発光CaAlSiN:Eu蛍光体(15重量%)の組み合わせを有する。第2発光エレメント13は、シリコーン母材中に赤色発光CaAlSiN:Eu蛍光体を有する。該第2発光エレメント13は上記第1発光エレメント12上に9個の小片131として付着される。これら小片131の位置は第2ストリングのLEDにおける9個のLEDの位置に合わされる。即ち、各小片131は第1発光エレメント12上に配置されると共に、対応するLED(第2組の)に最短距離で放射線的に結合される。小片131の寸法は約1mmである。他の実施態様において、小片131は1〜3mmの範囲内の又は1〜2mmの範囲内の異なる寸法を有する。第1組及び第2組(ストリング)の両方のLED10及び11が自身の最大電流まで駆動される場合、当該照明装置光101の相関色温度は図2aに符号Aにより示されるように約2700Kとなる(CRIは88に達する)。第2ストリングのLEDのみが給電される場合、当該照明装置光のCCTは、図2aに符号Fにより示されるように約2100Kとなる(CRIは87となる)。図2aにおいて両ストリングのLEDが最大電流で駆動される照明装置(符号A)で開始し、続いて、第1ストリングのLEDを調光する(即ち、輝度レベルを減少させる)と、当該照明装置光の結果的CCTは減少し(符号B、C、D及びEにより各々示されるように)、最終的に該第1ストリングのLEDが完全に調光されると、約2100KのCCT(符号F)に到達する。符号X及びXは、3000K及び2725Kの各CCTに関するBBLから5 SDCMの範囲を示している。図2aから分かるように、第1ストリングのLEDの調光の間において、照明装置光101の結果的CCTは実質的に黒体軌跡(“BBL”)を辿る。従って、照明装置光101は当該照明装置の調光の間において白色光として知覚される一方、第1ストリングのLED及び第2ストリングのLEDに対する電流供給を調整することにより、2100Kと2700Kとの間の如何なる相関色温度も、実質的にBBL上に保ちながら、80なる値より高いCRIで発生させることができる。
【0042】
図2bは、第1組のLED10として9個の青色光放出LEDの第1ストリング及び第2組のLED11として9個の青色光放出LEDの第2ストリングを備えた図1a,1bに示す実施態様による照明装置100により動作中に発生される照明装置光101の相関色温度の変化を示す。上記18個のLED(各々は1mm)は円形基板(直径10mm)上に配置される一方、第1発光エレメント12はシリコーン層中に緑色/黄色発光YAG:Ce蛍光体(85重量%)及び赤色発光CaAlSiN:Eu蛍光体(15重量%)の組み合わせを有する。発光エレメント13は、シリコーン母材中に橙色/赤色発光(Sr,Ca)AlSiN:Eu蛍光体を有し、該発光エレメントは上記第1発光エレメント12上に9個の小片131として付着される。これら小片131の位置は第2ストリングのLEDにおける9個のLEDの位置に合わされる。小片131の寸法は約1mmである。他の実施態様において、小片131は1〜3mmの範囲内の又は1〜2mmの範囲内の異なる寸法を有する。第1及び第2ストリングの両方のLED10及び11が自身の最大電流まで駆動される場合、当該照明装置光101の相関色温度は図2bに符号Aにより示されるように約4000Kとなる(CRIは87に達する)。第2ストリングのLEDのみが給電される場合、当該照明装置光のCCTは、図2bに符号Fにより示されるように約2350Kとなる(CRIは77となる)。図2bにおいて両ストリングのLEDが自身の最大電流まで駆動される照明装置(符号A)で開始し、続いて、第1ストリングのLEDを調光する(即ち、輝度レベルを減少させる)と、当該照明装置光の結果的CCTは減少し(符号B、C、D及びEにより各々示されるように)、最終的に該第1ストリングのLEDが完全に調光されると、約2350KのCCT(符号F)に到達する。符号X、X、X及びXは、4000K、3500K、3000K及び2725Kの各CCTに関するBBLから5 SDCMの範囲を示している。図2bから分かるように、第1ストリングのLEDの調光の間において、照明装置光101の結果的CCTは実質的に黒体軌跡(“BBL”)を辿る。従って、照明装置光101は当該照明装置の調光の間において白色光として知覚される一方、第1ストリングのLED及び第2ストリングのLEDに対する電流供給を調整することにより、2350Kと4000Kとの間の如何なる相関色温度も、実質的にBBL上に保ちながら、約80となるCRIの光を含んで発生させることができる(結果的に、図2aに関連する実施態様と比較して高い光出力が得られる)。発光エレメント13において、赤色発光CaAlSiN:Eu蛍光体(図2aに関する照明装置の実施態様で使用されるような)を、橙色/赤色発光(Sr,Ca)AlSiN:Eu蛍光体(図2bに関する照明装置の実施態様で使用されるような)と混合することにより、当該照明装置光のCRIを所望のレベルに調整することができる。
【0043】
図2cは、第1組のLED10として9個の青色光放出LEDの第1ストリング及び第2組のLED11として9個の青色光放出LEDの第2ストリングを備えた図1a,1bに示す実施態様による照明装置100により動作中に発生される照明装置光101の相関色温度の変化を示す。上記18個のLED(各々は1mm)は円形基板(直径10mm)上に配置される一方、第1発光エレメント12はシリコーン層中に緑色/黄色発光YAG:Ce蛍光体、赤色発光CaAlSiN:Eu蛍光体及び橙色/赤色発光(Sr,Ca)AlSiN:Eu蛍光体の組み合わせを有する。発光エレメント13は、シリコーン母材中に赤色発光CaAlSiN:Eu蛍光体を有し、該発光エレメントは上記第1発光エレメント12上に9個の小片131として付着される。これら小片131の位置は第2ストリングのLED11における9個のLEDの位置に合わされる。小片131の寸法は約1mmである。他の実施態様において、小片131は1〜3mmの範囲内の又は1〜2mmの範囲内の異なる寸法を有する。第1及び第2ストリングの両方のLEDが自身の最大電流まで駆動される場合、当該照明装置光の相関色温度は図2cに符号Aにより示されるように約4000Kとなる(CRIは90に達する)。第2ストリングのLEDのみが給電される場合、当該照明装置光のCCTは、図2cに符号Eにより示されるように約2200Kとなる(CRIは94となる)。図2cにおいて両ストリングが自身の最大電流まで駆動される照明装置(符号A)で開始し、続いて、第1ストリングのLEDを調光する(即ち、輝度レベルを減少させる)と、当該照明装置光の結果的CCTは減少し(符号B、C及びDにより各々示されるように)、最終的に該第1ストリングのLEDが完全に調光されると、約2200KのCCT(符号E)に到達する。符号X、X、X及びXは、4000K、3500K、3000K及び2725Kの各CCTに関するBBLから5 SDCMの範囲を示している。図2cから分かるように、第1ストリングのLEDの調光の間において、照明装置光101の結果的CCTは実質的に黒体軌跡(“BBL”)を辿る。従って、照明装置光101は当該照明装置の調光の間において白色光として知覚される一方、第1ストリングのLED及び第2ストリングのLEDに対する電流供給を調整することにより、2200Kと4000Kとの間の如何なる相関色温度も、実質的にBBL上に保ちながら、90以上のCRIで発生させることができる。
【0044】
図2dは、第1ストリングの青色LED、第2ストリングの青色LED及び第3ストリングの青色LEDを備えた照明装置により動作中に発生される照明装置光の相関色温度の変化を示す。第1発光エレメントは、上記3つのストリングのLED上に堆積され、シリコーン層中に混合された緑色発光LuAG:Ce蛍光体を有する。第2発光エレメントは、シリコーン材料中に混合されたLuAG:Ce蛍光体を有し、上記第1発光エレメント上に小片として付着されると共に第2ストリングのLEDにおけるLEDに整列される。第3発光エレメントは、シリコーン母材中に赤色発光CaAlSiN:Eu蛍光体を有し、上記第1発光エレメント上に小片として付着されると共に第3ストリングのLEDにおけるLEDに整列される。3つの全ストリングのLEDが自身の最大電流まで駆動される場合、当該照明装置光の相関色温度(CCT)は図2dに符号Aにより示されるように約4000Kとなる(CRIは86に達する)。第3ストリングのLEDのみが給電される場合、当該照明装置光のCCTは、図2dに符号Dにより示されるように約2200Kとなる(CRIは79となる)。図2dにおいて全ストリングのLEDが自身の最大電流まで駆動される照明装置(符号A)で開始し、続いて、該第1及び第2ストリングのLEDを調光する(即ち、輝度レベルを減少させる)と、当該照明装置光の結果的CCTは減少し(符号B及びCにより各々示されるように)、最終的に第1ストリングのLEDが完全に調光されると、約2200KのCCT(符号D)に到達する。符号X、X、X及びXは、4000K、3500K、3000K及び2725Kの各CCTに関するBBLから5 SDCMの範囲を示している。図2dから分かるように、第1及び第2ストリングのLEDの調光の間において、照明装置光の結果的CCTは実質的に黒体軌跡(“BBL”)を辿る。従って、該照明装置光は当該照明装置の調光の間において白色光として知覚される一方、第1ストリングのLED及び第2ストリングのLEDに対する電流供給を調整することにより、2200Kと4000Kとの間の如何なるカラー点も、実質的にBBL上に保ちながら、79以上のCRIで発生させることができる。第2発光エレメント13に代わりの発光材料(又は複数の発光材料)を適用することにより、CRIを一層高い範囲に調整することができる。
【0045】
図3は、本発明による照明装置301を有する照明モジュール300を概略的に示す。照明装置301はモジュール300の面302上に取り付けられている。該モジュール300は反射性側壁303及び光出射窓304を有している。モジュール300の動作の間において、照明装置301により発生された照明装置光305は該モジュールから光出射窓304を介して出射する。モジュール300は、例えば円柱状、長方形状等の任意の形状を有することもできる。
【0046】
図4aは、従来の白熱電球の置換のためのランプを概略的に示す。該ランプ400は、従来の電球ソケットに適合された基部(口金)401及び電球形状又はドーム形状の透明カバー部材402を備えたLED型ランプである。本発明の第1態様による照明装置は、上記基部の平らな上面(図4aには図示されていない)上に配置され、従って上記透光性カバー部材により覆われており、照明装置光はランプ400の動作の間において該透光性カバー部材を介して出射する。基部401は、当該照明装置を制御するための電子部品を有し、更にヒートシンクとして作用する。
【0047】
図4bは、従来の蛍光管の置換のためのランプを概略的に示す。該ランプ405は長尺のチューブ409を有している。該チューブ409は、横方向に、本発明の第1態様による複数の照明装置406,407を有する。他の実施態様において、ランプ405は、複数の照明装置406,407の代わりに、本発明の第1態様による1つの長尺の照明装置を有する。照明装置406,407はピン408を介して制御され、これらピンは該ランプ405の動作の間においてドライバ(図4bには図示されていない)に接続される。照明装置406,407により発生される照明装置光は、チューブ409を介して当該ランプ405から出射する。
【0048】
図5aは、本発明の第4態様による照明器具500を概略的に示す。該照明器具は、本発明の第1態様による1以上の照明装置を有するか、本発明の第2態様による1以上のモジュールを有するか、又は本発明の第3態様による1以上のランプを有する。
【0049】
図5bは、相対的に高輝度の光ビームを発生するための照明器具502を概略的に示す。該照明器具502はプレート503を介して構造体の壁又は天井に取り付けることができる。本発明の第1態様による照明装置505は、コネクタ504を介してプレート503に接続される反射器506内に取り付けられる。コネクタ504内には、該照明装置505を電源(図5bには示されていない)に接続するための電気ワイヤが配置されている。動作の間において照明装置505により発生され該照明器具502から直接出射しない光は反射器506により反射され、結果として、相対的に高い輝度の光ビームが得られる。他の実施態様においては、本発明の第2態様によるモジュール505が反射器506内に取り付けられる。該モジュール505は、自身の光出射窓に又は光出射窓内にビーム形成のための追加の光学系を有することができる。
【0050】
図6は、本発明による照明装置を製造する方法600を示す。第1ステップ601において、300nm〜490nmの第1波長範囲内の光14を放出するように構成された第1組の発光ダイオード10が基板16上に配置される。第2ステップ603において、300nm〜490nmの第2波長範囲内の光15を放出するように構成されると共に上記第1組の発光ダイオードとは独立に制御可能である第2組の発光ダイオード11が基板16上に配置される。第3ステップ605において、上記第1組及び第2組の発光ダイオード10及び11上に第1発光エレメント12が層130として堆積され、該層130は上記第1波長範囲の光の少なくとも一部及び上記第2波長範囲の光の少なくとも一部を第1発光エレメント光に変換する発光材料120を有する。オプションとして、該層130は2以上の発光材料120,121を有することができる。オプションとして、該2以上の発光材料120,121は互いに重なり合う2つの別個の層に適用することができる(図6には図示されていない)。第4ステップ607において、第2発光エレメント13が、印刷技術により、上記層130上に発光材料122を有する母材の小片131として堆積される。該第2発光エレメントは、前記第2組の発光ダイオード11におけるLEDの少なくとも部分組に放射線的に結合されると共に前記第2波長範囲の光15の少なくとも一部を第2発光エレメント光に変換するよう構成される。第1発光エレメント及び第2発光エレメントは、該第1発光エレメント及び第2発光エレメントと組み合わされた場合に全輝度において動作される第1組及び第2組のLEDにより発生される当該照明装置光の相関色温度が、実質的にBBL上に位置するように選択される。他の実施態様において、上記第1発光エレメントは、例えば緑色/黄色光を放出する発光材料及びオプションとして赤色光放出発光材料等の、1以上の無機発光材料を有することができる。他の実施態様において、上記第2発光エレメントは、例えば赤色光放出発光材料等の、1以上の無機発光材料を有することができる。他の実施態様において、第2発光エレメント13の小片131は第2組のLEDの各LEDが1つの小片に関連されるように層130上に分散させることができ、又は他の実施態様において、第2組のLEDの一部のみが第2発光エレメントの小片に放射線的に結合される。
図1a
図1b
図2a
図2b
図2c
図2d
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6