特許第6357235号(P6357235)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6357235分散型発電に基づく空調システム用監視システム及びそれを適用する空調システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6357235
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】分散型発電に基づく空調システム用監視システム及びそれを適用する空調システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/46 20180101AFI20180702BHJP
   F24F 11/54 20180101ALI20180702BHJP
   F24F 11/88 20180101ALI20180702BHJP
   F25B 1/053 20060101ALI20180702BHJP
   F25B 1/047 20060101ALI20180702BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20180702BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20180702BHJP
   F24F 140/60 20180101ALN20180702BHJP
【FI】
   F24F11/46
   F24F11/54
   F24F11/88
   F25B1/053 J
   F25B1/047 P
   H04Q9/00 301D
   H04Q9/00 311J
   H02J13/00 301A
   H02J13/00 311T
   F24F140:60
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-536835(P2016-536835)
(86)(22)【出願日】2014年9月12日
(65)【公表番号】特表2017-502240(P2017-502240A)
(43)【公表日】2017年1月19日
(86)【国際出願番号】CN2014086381
(87)【国際公開番号】WO2015081743
(87)【国際公開日】20150611
【審査請求日】2016年8月8日
(31)【優先権主張番号】201310656840.9
(32)【優先日】2013年12月6日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516164151
【氏名又は名称】珠海格力▲電▼器股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】GREE ELECTRIC APPLIANCES, INC. OF ZHUHAI
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120411
【弁理士】
【氏名又は名称】島野 公利
(72)【発明者】
【氏名】何玉雪
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼志▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】宋海川
(72)【発明者】
【氏名】林成霖
(72)【発明者】
【氏名】姜春苗
【審査官】 安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−331372(JP,A)
【文献】 特開2012−195988(JP,A)
【文献】 特開2013−106367(JP,A)
【文献】 特開2013−195000(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0138786(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0034023(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0276938(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0326511(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/46
F24F 11/54
F24F 11/88
F25B 1/047
F25B 1/053
H02J 13/00
H04Q 9/00
F24F 140/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散型発電デバイスと空調システム固有のデバイスを含み、前記空調システム固有のデバイスは、前記分散型発電デバイス、または、前記分散型発電デバイスと幹線給電によって給電され、前記空調システム固有のデバイスに電力を供給する分散型発電に基づく空調システムに適用される、分散型発電に基づく空調システム用監視システムであって、
前記分散型発電デバイスの発電状態情報を監視する分散型発電監視サブシステムと、
前記空調システム固有のデバイスの電力消費状態情報を監視し前記分散型発電デバイスの調整及び制御を行うHVACエネルギー管理サブシステムと、
前記発電状態情報と電力消費状態情報をそれぞれ取得し、前記発電状態情報と電力消費状態情報に応じて前記空調システムに総合的な監視を行う主監視システムと、
を含み、
前記主監視システムは、
前記発電状態情報を取得して記憶し、前記分散型発電監視サブシステムへ前記電力消費状態情報を送信する第1の主制御サブユニットと、
前記電力消費状態情報を取得して記憶し、前記HVACエネルギー管理サブシステムへ前記発電状態情報を送信する第2の主制御サブユニットと、
前記発電状態情報及び/又は電力消費状態情報に応じて、前記分散型発電デバイスの発電状態を制御する第1の主制御指令と、前記空調システム固有のデバイスの電力消費状態を制御する第2の主制御指令の、少なくとも1つを含む主制御指令を生成する第3の主制御サブユニットとを含み、
前記分散型発電監視サブシステムとHVACエネルギー管理サブシステムは、それぞれ第1の伝送プロトコルによって前記主監視システムとデータ交換を行う、ことを特徴とする分散型発電に基づく空調システム用監視システム。
【請求項2】
前記第1の伝送プロトコルはBACnet/IPプロトコルを含むことを特徴とする請求項1に記載の分散型発電に基づく空調システム用監視システム。
【請求項3】
前記分散型発電デバイスは太陽光発電デバイスであることを特徴とする請求項1に記載の分散型発電に基づく空調システム用監視システム。
【請求項4】
TCP/IPプロトコルによって前記主監視システムとデータ交換を行うリモート制御端末、及び/又は、RS485プロトコル、BACnetプロトコル、ModbusプロトコルまたはCANプロトコルによって前記主監視システムとデータ交換を行うシステムホストマンマシンインターフェースをさらに含むことを特徴とする請求項に記載の分散型発電に基づく空調システム用監視システム。
【請求項5】
前記分散型発電デバイスは、太陽光発電モジュールの発生した直流電力を集めて出力するコンバイナボックスと、交流負荷に電力を供給するインバーターとを含み、
前記発電状態情報は、前記分散型発電デバイスの発電量の大きさを表すコンバイナボックス出力電流、及び前記分散型発電デバイスの給電量の大きさを表すインバーター出力電流を含み、
前記分散型発電監視サブシステムは、前記コンバイナボックス出力電流とインバーター出力電流をそれぞれ取得し、前記第1の伝送プロトコルによって前記主監視システムとデータ交換を行うデータ収集器を含むことを特徴とする請求項に記載の分散型発電に基づく空調システム用監視システム。
【請求項6】
前記分散型発電監視サブシステムは、前記データ収集器に接続された、前記データ収集器による収集結果を表示する発電監視マンマシンインターフェースをさらに含むことを特徴とする請求項に記載の分散型発電に基づく空調システム用監視システム。
【請求項7】
前記空調システム固有のデバイスは、システムホストと、冷凍水ポンプと、冷却水ポンプと、冷却塔との少なくとも1つを含み、
前記HVACエネルギー管理サブシステムは、
前記第1の伝送プロトコルによって前記主監視システムとデータ交換を行う主制御器と、
前記電力消費状態情報が得られるように、前記空調システム固有のデバイスに対して一対一の検出を行い、前記電力消費状態情報を前記主制御器に出力する電力計と、
を含むことを特徴とする請求項に記載の分散型発電に基づく空調システム用監視システム。
【請求項8】
前記HVACエネルギー管理サブシステムは、
前記主制御器によって第2の制御指令を取得し、前記第2の制御指令に応じて前記空調システム固有のデバイスを連動制御する現場制御器をさらに含むことを特徴とする請求項に記載の分散型発電に基づく空調システム用監視システム。
【請求項9】
前記HVACエネルギー管理サブシステムは、
ユーザーの操作指令に応じて空気パラメータ制御指令を生成し、前記主制御器とデータ交換を行うエリア制御器と、
前記空気パラメータ制御指令に応じて室内空気パラメータを制御する末端制御器と、をさらに含み、
前記末端制御器は、温度制御器、新鮮な空気制御器、還気制御器の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項に記載の分散型発電に基づく空調システム用監視システム。
【請求項10】
分散型発電デバイスと空調システム固有のデバイスを含み、前記空調システム固有のデバイス前記分散型発電デバイス、または、前記分散型発電デバイスと幹線給電によって、前記空調システム固有のデバイスに電力を供給する、分散型発電に基づく空調システムであって、
請求項1〜のいずれか一項に記載の空調システム用監視システムをさらに含むことを特徴とする空調システム。
【請求項11】
前記空調システム固有のデバイスは、遠心冷凍機ユニット及び/又はスクリュー冷凍機ユニットを含むことを特徴とする請求項10に記載の空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、2013年12月6日に出願された、特許出願番号が201310656840.9であって、名称が「分散型発電に基づく空調システム用監視システム及びそれを適用する空調システム」である中国発明特許出願を基礎として優先権を主張するものであり、ここに全文を参考として取り込む。
【0002】
本出願は、空調機制御の技術分野に関し、特に、分散型発電に基づく空調システム用監視システム及びそれを適用する空調システムに関する。
【背景技術】
【0003】
分散型発電に基づく空調システムは、分散型発電デバイスを配置するインバーターエアコンシステムであり、前記分散型発電は太陽光発電、風力発電、風光相補発電、バイオマス発電等を含む。分散型発電デバイスの発生した電気エネルギーはこの空調システムに供給され、一部さらに全部は都市電力網による給電を替えて、都市電力網による給電の負担が減少され、かつ発電デバイスはすべて、自然やグリーンエネルギーを採用して、空調システムの運行コストが低下される。このため、分散型発電に基づく空調システムは広い適用前景を有している。
【0004】
一般的な空調システムと比べると、分散型発電に基づく空調システムは分散型発電デバイスを追加している。従来の技術において、この分散型発電デバイスの発電状況に対する監視と、システムホストなどの空調システム固有のデバイスの電力消費状況に対する監視は、それぞれ独立して行われるものであって、空調システムの運行状況によって合理的に電気エネルギーを配分することができず、空調システム全体の協調制御に不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑み、本出願の目的は、従来の分散型発電に基づく空調システムが、その分散型発電デバイスと他の固有のデバイスをそれぞれ独立して監視して、システム全体の協調制御能力が悪い問題を解決するように、分散型発電に基づく空調システム用監視システム及びそれを適用するシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本出願は以下のような技術方案を提供し、
分散型発電デバイスと空調システム固有のデバイスを含み、前記空調システム固有のデバイスは、前記分散型発電デバイス、または、前記分散型発電デバイスと幹線給電によって給電され、前記空調のシステム固有のデバイスに電力を供給する分散型発電に基づく空調システムに適用される分散型発電に基づく空調システム用監視システムであって、
前記分散型発電デバイスの発電状態情報を監視する分散型発電監視サブシステムと、
前記空調システム固有のデバイスの電力消費状態情報を監視するHVAC(Heating, Ventilation and Air Conditioning、暖房・換気・空調)エネルギー管理サブシステムと、
前記発電状態情報と電力消費状態情報をそれぞれ取得し、前記発電状態情報と電力消費状態情報に応じて前記空調システムに総合的な監視を行う主監視システムと、
を含み、
前記分散型発電監視サブシステムとHVACエネルギー管理サブシステムのそれぞれは、第1の伝送プロトコルによって前記主監視システムとデータ交換を行う。
【0007】
前記第1の伝送プロトコルはBACnet/IPプロトコルを含むことが好ましい。
【0008】
前記分散型発電デバイスは太陽光発電デバイスであることが好ましい。
【0009】
前記主監視システムは、
前記発電状態情報を取得して記憶し、前記分散型発電監視サブシステムへ前記電力消費状態情報を送信する第1の主制御サブユニットと、
前記電力消費状態情報を取得して記憶し、前記HVACエネルギー管理サブシステムへ前記発電状態情報を送信する第2の主制御サブユニットと、
前記発電状態情報及び/又は電力消費状態情報に応じて、前記分散型発電デバイスの発電状態を制御する第1の主制御指令と、前記空調システム固有のデバイスの電力消費状態を制御する第2の主制御指令との少なくとも1つを含む主制御指令を生成する第3の主制御サブユニットと、を含むことが好ましい。
【0010】
前記分散型発電に基づく空調システム用監視システムは、TCP/IPプロトコルによって前記主監視システムとデータ交換を行うリモート制御端末、及び/又は、RS485プロトコル、BACnetプロトコル、ModbusプロトコルまたはCANプロトコルによって前記主監視システムとデータ交換を行うシステムホストマンマシンインターフェースをさらに含むことが好ましい。
【0011】
前記分散型発電デバイスは、太陽光発電モジュールの発生した直流電力を集めて出力するコンバイナボックスと、交流負荷に電力を供給するインバーターを含み、
前記発電状態情報は、前記分散型発電デバイスの発電量の大きさを表すコンバイナボックス出力電流、及び前記分散型発電デバイスの給電量の大きさを表すインバーター出力電流を含み、
前記分散型発電監視サブシステムは、前記コンバイナボックス出力電流とインバーター出力電流をそれぞれ取得し、前記第1の伝送プロトコルによって前記主監視システムとデータ交換を行うデータ収集器を含むことが好ましい。
【0012】
前記分散型発電監視サブシステムは、前記データ収集器に接続された、前記データ収集器による収集結果を表示する発電監視マンマシンインターフェースをさらに含むことが好ましい。
【0013】
前記空調システム固有のデバイスはシステムホストと、冷凍水ポンプと、冷却水ポンプと、冷却塔との少なくとも1つを含み、
前記HVACエネルギー管理サブシステムは、
前記第1の伝送プロトコルによって前記主監視システムとデータ交換を行う主制御器と、
前記電力消費状態情報が得られるように、前記空調システム固有のデバイスに対して一対一の検出を行い、前記電力消費状態情報を前記主制御器に出力する電力計と、
を含むことが好ましい。
【0014】
前記HVACエネルギー管理サブシステムは、
前記主制御器によって前記第2の制御指令を取得し、前記第2の制御指令に応じて前記空調システム固有のデバイスを連動制御する現場制御器をさらに含むことが好ましい。
【0015】
前記HVACエネルギー管理サブシステムは、
ユーザーの操作指令に応じて空気パラメータ制御指令を生成し、前記主制御器とデータ交換を行うエリア制御器と、
前記空気パラメータ制御指令に応じて室内空気パラメータを制御する末端制御器と、をさらに含み、
前記末端制御器は、温度制御器、新鮮な空気制御器、還気制御器の少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0016】
分散型発電デバイスと空調システム固有のデバイスを含み、前記空調システム固有のデバイスは、前記分散型発電デバイス、または、前記分散型発電デバイスと幹線給電によって給電され、前記空調システム固有のデバイスに電力を供給する分散型発電に基づく空調システムであって、上述した空調システム用監視システムをさらに含む。
【0017】
前記空調システム固有のデバイスは遠心冷凍機ユニット(centrifugal water chiller)及び/又はスクリュー冷凍機ユニット(screw water chiller)を含むことが好ましい。
【0018】
上述した技術方案から見ると、本出願は、分散型発電監視サブシステムとHVACエネルギー管理サブシステムによって、分散型発電に基づく空調システムにおける分散型発電デバイスの発電状態情報とシステム固有のデバイスの電力消費状態情報に対する監視をそれぞれ実現するだけでなく、主監視システムが統一的な第1の伝送プロトコルを採用して上述の二つのサブシステムの監視データを取得することで、二つのサブシステムのシームレスな連携とデータ共有を実現し、空調システムの分散型発電デバイスと固有のデバイスに対する協調制御能力を向上させ、従来技術の問題を解決した。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明実施例または従来技術における技術方案をより明確に説明するために、以下、実施例または従来技術についての説明に使用される図面を簡単に紹介し、以下の説明における図面は本発明のいくつかの実施例にすぎず、当分野の普通の技術者にとって、創造的な労働をしない前提の下で、これらの図面によって他の図面を取得することもできるのは、自明なことである。
【0020】
図1】本発明実施例一による分散型発電に基づく空調システム用監視システムの構成ブロック図である。
図2】本発明実施例二による分散型発電に基づく空調システム用監視システムの構成ブロック図である。
図3】本発明実施例三による分散型発電に基づく空調システム用監視システムの構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明実施例における技術方案について、本発明の実施例における図面を組み合わせて、明確かつ完全に説明する。明らかなように、述べられる実施例は本発明の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づいて、当分野の普通の技術者が創造的な労働をしない前提の下で得られる全ての他の実施例はいずれも本出願の保護請求している範囲に属する。
【0022】
本発明実施例は、分散型発電に基づく空調システム用監視システムを開示して、従来の分散型発電に基づく空調システムが太陽光発電とデバイスの電力消費をそれぞれ監視して、システム全体の協調制御能力が悪い問題を解決する。
【0023】
本発明実施例一は、分散型発電に基づく空調システム用監視システムを提供し、前記分散型発電に基づく空調システムは、分散型発電デバイス001と空調システム固有のデバイス002を含み、分散型発電デバイス001の発電量が充分である場合に、例えば、分散型発電デバイス001の出力電力が、空調システム固有のデバイス002の運転電力よりも大きいか等しい場合に、完全的に分散型発電デバイス001によって空調システム固有のデバイス002に電力を供給することができ、分散型発電デバイス001の発電量が小さい場合に、例えば、分散型発電デバイス001の出力電力が空調システム固有のデバイス002の運転電力よりも小さい場合に、分散型発電デバイス001と幹線給電によって協同に空調システム固有のデバイス002に電力を供給し、または幹線給電のみを使用して電力を供給する。
【0024】
図1を参照すれば、この分散型発電に基づく空調システム用監視システムは、分散型発電監視サブシステム100と、HVACエネルギー管理サブシステム200と、主監視システム300と、を含む。
【0025】
ここで、分散型発電監視サブシステム100は、分散型発電デバイス001の発電状態情報を監視するためのものであり、HVACエネルギー管理サブシステム200は、前記空調システム固有のデバイス002の電力消費状態情報を監視するためのものであり、主監視システム300は、前記発電状態情報と電力消費状態情報をそれぞれ取得し、前記発電状態情報と電力消費状態情報に応じて前記空調システムに対して総合的な監視を行うためのものである。分散型発電監視サブシステム100とHVACエネルギー管理サブシステム200はそれぞれ、第1の伝送プロトコルによって主監視システム300とデータ交換を行う。
【0026】
上記の構成と機能により、本発明実施例は、分散型発電監視サブシステム及びHVACエネルギー管理サブシステムによってそれぞれ、分散型発電に基づく空調システムにおける分散型発電デバイスの発電状態情報と空調システム固有のデバイスの電力消費状態情報に対する監視を実現するだけでなく、主監視システムが統一的な第1の伝送プロトコルを採用して前記の二つのサブシステムの監視データを取得することで、二つのサブシステムのシームレスな連携及びデータ共有を実現して、分散型発電監視サブシステムが分散型発電デバイスを監視する際に、分散型発電デバイスの運行状態(即ち、前記発電状態情報)を基にするだけでなく、空調システム固有のデバイスの運行状態(即ち、前記電力消費状態情報)を同時に参考することができ、空調システム固有のデバイスのリアルタイムの電気需要に応じて、分散型発電デバイスの発電電力、異なる空調システム固有のデバイスに出力する電力量の比例等を調整するようにする。相応的に、HVACエネルギー管理サブシステムが空調システム固有のデバイスを監視する場合に、前記電力消費状態情報を基にするだけでなく、同時に前記発電状態情報を参考することができ、分散型発電デバイスのリアルタイムの発電量に応じて、関連する空調システム固有のデバイスの動作状態を調整し、分散型発電デバイスの出力する電気エネルギーを合理的に配分して、無駄な電気エネルギーの損失を減少するようにする。これにより、本発明実施例は、空調システムの分散型発電デバイスと固有のデバイスに対する協調制御能力を向上させ、エネルギー配分の最適化を実現し、空調システムの性能を向上し、従来技術の問題を解決した。
【0027】
具体的に、本発明実施例に記載の第1の伝送プロトコルは、HVAC空調業界における規格のBACnet/IPプロトコルである。前記空調システム固有のデバイスは、システムホストと、冷凍水ポンプと、冷却水ポンプと、冷却塔との少なくとも1つを含む。
【0028】
具体的に、システムホストは冷水ユニットであり、より具体的に、水冷式冷凍機ユニットであり、さらに具体的に、遠心水冷式冷凍機ユニットまたはスクリュー式水冷式冷凍機ユニットである。
【0029】
本発明実施例二は、別の分散型発電に基づく空調システム用監視システムを提供し、この分散型発電に基づく空調システムは、分散型発電デバイス001と空調システム固有のデバイス002を含み、分散型発電デバイス001の発電量が充分である場合に、完全的に分散型発電デバイス001によって空調システム固有のデバイス002に電力を供給することができ、分散型発電デバイス001の発電量が小さい場合に、分散型発電デバイス001と幹線給電によって協同に空調システム固有のデバイス002に電力を供給する。
【0030】
図2を参照すれば、この分散型発電に基づく空調システム用監視システムは、分散型発電監視サブシステム100と、HVACエネルギー管理サブシステム200と、主監視システム300とを含む。
【0031】
主監視システム300は、第1の主制御サブユニット310と、第2の主制御サブユニット320と、第3の主制御サブユニット330とを含むことが好ましい。
【0032】
第1の主制御サブユニット310は、第1の伝送プロトコルによって分散型発電監視サブシステム100とデータ交換を行い、第2の主制御サブユニット320は、第1の伝送プロトコルによってHVACエネルギー管理サブシステム200とデータ交換を行うと共に、第1の主制御サブユニット310と第2の主制御サブユニット320は、直接的にまたは第3の主制御サブユニット330を介してデータ交換を行う。
【0033】
上述した三つの主制御サブユニットの動作過程は以下のようなことを含む。
【0034】
第1の主制御サブユニット310は、分散型発電監視サブシステム100の収集した分散型発電デバイス001の発電状態情報を取得して記憶する。第2の主制御サブユニット320は、HVACエネルギー管理サブシステム200の収集した空調システム固有のデバイス002の電力消費状態情報を取得して記憶する。
【0035】
第3の主制御サブユニット330は、第1の主制御サブユニット310と第2の主制御サブユニット320によって、それぞれ前記発電状態情報と電力消費状態情報を取得し、前記発電状態情報及び/又は電力消費状態情報によって主制御指令を生成し、前記主制御指令を対応するサブシステム(分散型発電監視サブシステム100またはHVACエネルギー管理サブシステム200)に送信する。具体的に、前記主制御指令は、分散型発電監視サブシステム100に送信されて分散型発電デバイスの発電状態を制御する第1の主制御指令と、HVACエネルギー管理サブシステム200に送信されて空調システム固有のデバイス002の電力消費状態を制御する第2の主制御指令との少なくとも1つを含む。
【0036】
第1の主制御サブユニット310は、第2の主制御サブユニット320に記憶された前記電力消費状態情報を取得して、分散型発電監視サブシステム100に送信し、第2の主制御サブユニット320は、第1の主制御サブユニット310に記憶された前記電力消費状態情報を取得して、HVACエネルギー管理サブシステム200に送信することで、分散型発電監視サブシステム100とHVACエネルギー管理サブシステム200のシームレスな連携及びデータ共有が実現される。
【0037】
分散型発電デバイスは、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽光発電モジュールと、太陽光発電モジュールの発生した直流電力を集めて出力するコンバイナボックスとを含み、さらに、交流負荷に電力を供給するインバーターを含むことが好ましい。相応的に、分散型発電監視サブシステム100は分散型発電デバイス001の発電状態情報を収集し、BACnet/IPプロトコルによって前記発電状態情報を第1の主制御サブユニット310に伝送するためのデータ収集器110を含み、発電状態情報は、具体的に、コンバイナボックスに接続されたコンバイナボックス収集器120によって前記分散型発電デバイスの発電量の大きさを表すコンバイナボックス出力電流、及び前記分散型発電デバイスの給電量の大きさを表すインバーター出力電流を含む。具体的に、コンバイナボックス収集器120は、コンバイナボックス出力電流を収集し、現場バスによってデータ収集器110とデータ交換を行う。
【0038】
HVACエネルギー管理サブシステム200は、電力計210と主制御器220を含むことが好ましい。
【0039】
電力計210は、複数であって、空調システム固有のデバイス002(システムホスト、冷凍水ポンプ、冷却水ポンプ、冷却塔等を含む)に対応して、各種の空調システム固有のデバイス002の電力消費状態情報を検出するためのものである。
【0040】
主制御器220は、BACnet/IPプロトコルによって主監視システム300とデータ交換を行うためのものであって、電力計210の検出結果を取得して、第2の主制御サブユニット320に送信することを含む。実際の適用状況によって、主制御器220は1つまたは複数であってもよい。
【0041】
上記の構成及び機能により、本発明実施例は、分散型発電監視サブシステムにおけるデータ収集器によって、分散型発電デバイスの発電状態情報の収集及び主監視システムへのアップロードを実現すると共に、電力計によって空調システム固有のデバイスの電力消費状態情報の収集を実現し、主制御器によって前記電力消費状態情報も主監視システムにアップロードして、さらに、主監視システムは送信手段によって分散型発電監視サブシステムの収集した発電状態情報をHVACエネルギー管理サブシステムに送信し、また、HVACエネルギー管理サブシステムの収集した電力消費状態情報を分散型発電監視サブシステムに送信することで、分散型発電監視サブシステムとHVACエネルギー管理サブシステムの間のシームレスな連携及びデータ共有が実現され、空調システムの分散型発電デバイスと固有のデバイスに対する協調制御能力を向上させ、従来技術の問題を解決した。また、HVACエネルギー管理サブシステムは、HVACエネルギー管理サブシステム中に設けられた複数の電力計によって、複数の空調システム固有のデバイスに対して一対一の検出を行い、さらに、主制御器等は、全てのデバイスたは関連するデバイスの電力消費状態情報を総合的に分析することで、最適的な制御策略を得ることができ、空調システムの省エネの最大化が実現される。
【0042】
本発明実施例において、分散型発電監視サブシステムは、電気エネルギー質量調節器、コンバーター等をさらに含み、主監視システムの生成した第1の制御指令等によって分散型発電デバイスの発電功率、異なる空調システム固有のデバイスへ出力する電気エネルギーの配分比等を調節するためのものである。
【0043】
また、主制御器と電力計との間は、Modbus RTUプロトコルによってデータ交換を実現すると共に、主制御器は、当該Modbus RTUプロトコルによって空調システムの除湿機、ユニット等のデバイスへ対応する制御指令を送信してもよい。
【0044】
また、HVACエネルギー管理サブシステムにおいて、主制御器ごとに1つまたは複数の現場制御器がさらに配置されており、これらの現場制御器はその共通の主制御器によって主監視システムの生成した第2の制御指令を取得し、前記第2の制御指令に応じて前記空調システム固有のデバイスを連動制御し、それぞれの空調システム固有のデバイス同士の協調運行を実現する。
【0045】
図3に示すように、本発明実施例三において、分散型発電に基づく空調システム用監視システムは、分散型発電監視サブシステム100と、HVACエネルギー管理サブシステム200と、主監視システム300と、リモート制御端末400とを含む。
【0046】
本発明実施例は、マルチエージェント技術に基づいて空調システムの三レベル制御を実現し、「三レベル」とは、分散型発電監視サブシステム100とHVACエネルギー管理サブシステム200からなる現場レベルと、主監視システム300からなる監視レベルと、リモート制御端末400からなる管理レベルとを含み、現場レベルと監視レベルとの間は、BACnet/IPプロトコルによってデータ交換を行い、監視レベルと管理レベルとの間は、TCP/IPプロトコルによってデータ交換を行う。
【0047】
具体的に、主監視システム300は、第1の主制御サブユニット310と、第2の主制御サブユニット320と、第3の主制御サブユニット330とを含む。
【0048】
分散型発電デバイスの制御は、第1の主制御サブユニット310と、第3の主制御サブユニット330と、分散型発電監視サブシステム100とによって分散型発電マイクグリッド制御ネットワークが構成され、第1の主制御サブユニット310と第3の主制御サブユニット330はこのマイクグリッド制御ネットワークにおける上層のエージェント(即ち、マイクグリッド監視センターCCU)に相当し、電力網における各素子への監視を実現し、最適化アルゴリズムによって各分散型発電の出力を特定し、さらに、最適化の結果を下層のエージェントに発送する。分散型発電監視サブシステム100は下層のエージェントとして、ローカル監視センターに相当し、電力網にける各分散型発電の協調制御を実現し、CCUの制御を受けることもでき、独立して運行する能力も有している。
【0049】
空調システム固有のデバイスの制御は、第2の主制御サブユニット320、第3の主制御サブユニット330とHVACエネルギー管理サブシステム200とによって分散型制御システムが構成され、第2の主制御サブユニット320と第3の主制御サブユニット330はこの分散型制御システムの上層(具体的に、データ管理サーバー、即ち、ビルディングオートメーションシステム(BAS)、歴史文書及び配置データを管理するプラットフォーム、直観操作過程付きのユーザーインターフェースであってもよい)に相当し、BACnet/IPネットワークによって下層のHVACエネルギー管理サブシステム200と通信し、空調システムの無人自動運転を実現することもでき、システム上層によって画像化管理、データ展示、警報及びイベント管理等の機能を行うこともできる。
【0050】
特に説明する必要があることは、現場監視を便利にするために、分散型発電監視サブシステム100は、上記に記載のデータ収集器110、コンバイナボックス収集器120等のデバイスに加えて、発電デバイスマンマシンインターフェース130をさらに含む。発電デバイスマンマシンインターフェース130は、必要な場合に人工的な操作によって分散型発電デバイスを制御するように、データ収集器110に接続され、データ収集器110による収集結果を表示し、図形化した分散型発電デバイスの人工管理操作インターフェースを提供する。
【0051】
HVACエネルギー管理サブシステム200は、電力計210と、主制御器220と、現場制御器230とを含み、その具体的な機能は上記の実施例の説明を参照可能である。なお、HVACエネルギー管理サブシステム200は、空調システムの各制御エリアにおける空気パラメータに対して人工的な調節・制御を行うためのエリア制御器240をさらに含み、具体的に、エリア制御器240は、ユーザーの操作指令に応じて空気パラメータ制御指令を生成し、対応する末端制御器、例えば温度制御器、新鮮な空気制御器と還気制御器等に送信し、対応するエリアにおける空気温度等のパラメータに対する人工的な調節を実現する。また、エリア制御器240はさらに、対応する通信モジュールによって主制御器とデータ交換を行い、ユーザーの操作指令、空気パラメータ制御指令等の情報を主制御器にアップロードし、さらに、監視レベル、管理レベルにアップロードして、三レベルの同期監視を実現する。
【0052】
本発明実施例による空調システム用監視システムは、前記監視レベルに位置するシステムホストマンマシンインターフェース500をさらに含み、このシステムホストマンマシンインターフェース500は、RS485プロトコル、BACnetプロトコル、ModbusプロトコルまたはCANプロトコルによって主監視システム300とデータ交換を行い、現在の空調システムの運行状態、データ等を表示する一方で、人工操作インターフェースを提供して、必要な場合に、空調システムを人工的に制御するようにする。
【0053】
上記の構成と機能により、本発明の実施例は、分散型発電監視サブシステム及びHVACエネルギー管理サブシステムによって分散型発電に基づく空調システムにおける分散型発電デバイスの発電状態情報と空調システム固有のデバイスの電力消費状態情報に対する全面監視を実現するだけでなく、主監視システムが統一的な第1の伝送プロトコルを採用して上記の二つのサブシステムの監視データを取得することで、二つのサブシステムのシームレスな連携及びデータ共有が実現され、空調システムの分散型発電デバイスと固有のデバイスに対する協調制御能力を向上させ、電気エネルギーの発生から消費までの全過程かつリアルタイムの監視と、統計と、省エネ調節を実現すると共に、主監視システムは複数の種類の通信モジュールを提供して、リモートクライアントと空調システムの遠心機ホストのマンマシンインターフェースとの間のデータ交換をそれぞれ実現することで、空調システムに対する三レベルの監視が実現され、空調システムの監視方式を多様化にする。
【0054】
開示された実施例の上記の説明について、当業者に本出願を実現または使用することを可能にする。これらの実施例に対する様々な変更は、当業者にとって自明であって、本文において定義される一般的な原理は本出願の思想または範囲を逸脱しない場合に、他の実施例で実現することができる。そこで、本出願は本文に示されたこれらの実施例に限定されるものではなく、本文に開示された原理と新規な特徴と一致する最も広い範囲に該当するものである。
図1
図2
図3