(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6357246
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】多機能フライングプラットフォーム
(51)【国際特許分類】
B64D 9/00 20060101AFI20180702BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20180702BHJP
B64D 47/00 20060101ALI20180702BHJP
B64D 47/02 20060101ALI20180702BHJP
B64D 27/26 20060101ALI20180702BHJP
B64D 33/08 20060101ALI20180702BHJP
B64C 27/08 20060101ALI20180702BHJP
B64D 27/24 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
B64D9/00
B64C39/02
B64D47/00
B64D47/02
B64D27/26
B64D33/08
B64C27/08
B64D27/24
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-563420(P2016-563420)
(86)(22)【出願日】2016年1月27日
(65)【公表番号】特表2017-518216(P2017-518216A)
(43)【公表日】2017年7月6日
(86)【国際出願番号】CN2016000055
(87)【国際公開番号】WO2016155400
(87)【国際公開日】20161006
【審査請求日】2016年12月15日
(31)【優先権主張番号】201520730921.3
(32)【優先日】2015年9月21日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201520187840.3
(32)【優先日】2015年3月31日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516311537
【氏名又は名称】珠海羽人農業航空有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】陳博
【審査官】
伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−001450(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 9/00
B64C 39/02
B64D 1/02
B64D 1/16
B64D 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多機能フライングプラットフォームであって、
ローターアームシステムと積載プレート(1)とを含み、前記積載プレート(1)上に均一に配置されている若干の固定装置(2)を有し、前記積載プレート(1)が前記固定装置(2)を通じて前記ローターアームシステム上のローターアーム(3)と固結し、前記積載プレート(1)の下側に異なる設備を積載するための積載部位(4)を備え、
前記固定装置(2)は、前記積載プレート(1)上に設けられた円弧形溝(5)と一端が前記円弧形溝(5)の縁端とヒンジ連結する係止ブロック(6)とを含み、前記係止ブロック(6)の非ヒンジ連結端にカム付きハンドル(7)及びコーン状係止具(8)付きのテンションロッド(9)を可動自在に設け、前記カム付きハンドル(7)が前記テンションロッド(9)の上端とヒンジ連結し、前記円弧形溝(5)の他側に係止溝(10)を備え、前記円弧形溝(5)と前記係止ブロック(6)を嵌合した後で形成した嵌合孔が前記ローターアーム(3)とマッチする
ことを特徴とする多機能フライングプラットフォーム。
【請求項2】
多機能フライングプラットフォームであって、
ローターアームシステムと積載プレート(1)とを含み、前記積載プレート(1)上に均一に配置されている若干の固定装置(2)を有し、前記積載プレート(1)が前記固定装置(2)を通じて前記ローターアームシステム上のローターアーム(3)と固結し、前記積載プレート(1)の下側に異なる設備を積載するための積載部位(4)を備え、
前記積載プレート(1)上に対称でかつ前記ローターアーム(3)と合わせる若干のL字形スロット(18)を備え、若干の前記固定装置(2)と若干の前記L字形スロット(18)が前記積載プレート(1)上に均一かつ対称的に分布され、また前記ローターアームシステム上のローターアーム(3)とマッチする
ことを特徴とする多機能フライングプラットフォーム。
【請求項3】
多機能フライングプラットフォームであって、
ローターアームシステムと積載プレート(1)とを含み、前記積載プレート(1)上に均一に配置されている若干の固定装置(2)を有し、前記積載プレート(1)が前記固定装置(2)を通じて前記ローターアームシステム上のローターアーム(3)と固結し、前記積載プレート(1)の下側に異なる設備を積載するための積載部位(4)を備え、
前記ローターアームシステムは、前記ローターアーム(3)と、前記ローターアーム(3)上に設けた若干の回転翼(12)と、前記ローターアーム(3)の中心位置に設けたコントローラ(13)とを含み、前記回転翼(12)が前記ローターアーム(3)上に対称に設けられると共に前記ローターアーム(3)の外側に位置し、
雲台と測距装置とを含み、前記測距装置が前記雲台上に設けられ、マイクロ波レーダ、超音波或いはレーザー測距装置とし、前記コントローラ(13)の上方にLED灯柱を立てて設けられ、前記ローターアーム(3)上にLEDテープライト(35)を設け、前記測距装置、前記LEDテープライト(35)及前記LED灯柱はいずれも前記コントローラ(13)と電気的に接続する
ことを特徴とする多機能フライングプラットフォーム。
【請求項4】
多機能フライングプラットフォームであって、
ローターアームシステムと積載プレート(1)とを含み、前記積載プレート(1)上に均一に配置されている若干の固定装置(2)を有し、前記積載プレート(1)が前記固定装置(2)を通じて前記ローターアームシステム上のローターアーム(3)と固結し、前記積載プレート(1)の下側に異なる設備を積載するための積載部位(4)を備え、
前記ローターアームシステムは、前記ローターアーム(3)と、前記ローターアーム(3)上に設けた若干の回転翼(12)と、前記ローターアーム(3)の中心位置に設けたコントローラ(13)とを含み、前記回転翼(12)が前記ローターアーム(3)上に対称に設けられると共に前記ローターアーム(3)の外側に位置し、
前記ローターアーム(3)は、管材で、前記ローターアーム(3)内に電子ガバナー(29)を設け、前記回転翼(12)の台座内にある電動機に前記ローターアーム(3)内部と連通する空気穴を備え、前記ローターアーム(3)の中部位置に通風孔を設け、前記電子ガバナーが前記空気穴と前記通風孔の間のローターアーム(3)内に位置し、前記回転翼(12)の電動機回転により空気を前記通風孔から前記ローターアーム(3)内に入り込ませると共に、前記電子ガバナー(29)及び電動機を冷却し、熱風が前記空気穴から排出し、前記電子ガバナー(29)の周囲に放熱フィン(30)を備え、前記放熱フィン(30)の全体外形と前記ローターアーム(3)内の管路キャビティ部の形状とがマッチし、前記放熱フィン(30)の方向が前記電子ガバナー(29)を設けたローターアーム管路の方向と一致する
ことを特徴とする多機能フライングプラットフォーム。
【請求項5】
前記積載プレート(1)上の前記積載部位(4)を設けた水平位置は、前記固定装置(2)を設けた水平位置より低く、前記積載プレート(1)上に若干の中空穴(11)を備える
請求項1に記載の多機能フライングプラットフォーム。
【請求項6】
前記積載部位(4)上に、農業用噴霧器、農業用散粒機(14)、スペクトロスコープ(15)、映像システム、圃場用運搬機(16)を積載可能である
請求項3または4に記載の多機能フライングプラットフォーム。
【請求項7】
前記積載プレート(1)は、前記ローターアームシステムの上側面、下側面又は前記ローターアームシステムのローターアームとローターアームの間に設けられる
請求項1ないし6のいずれかに記載の多機能フライングプラットフォーム。
【請求項8】
前記積載プレート(1)及び前記ローターアーム(3)は、いずれも炭素繊維製である
請求項1ないし6のいずれかに記載の多機能フライングプラットフォーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機、特に、多機能フライングプラットフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展に伴い、農業機械化の程度が益々高くなっている。大面積栽培の発展に伴い、航空機で圃場作業を行うことは益々多くなり、例えば飛行散粒機で圃場に対し種子を散布或いは農作物の生育期間に肥料を散布し、農薬散布用ドローンを用いて圃場の農薬散布を行って農業被害を除去すること等がある。ただし、これには1つの問題が存在し、つまり異なる作業を行う時、異なるドローン機種を起動して各々作業を行う必要がある。農家にとって、異なるドローン機種を置く十分なスペースの必要があり、また大量の資金を投入してドローンを購入する必要もあり、またメンテナンス費用も多く投入しなければならない。これでは、農家のコストが大幅に増えてしまう。機能の異なる各種設備を積載できるフライングプラットフォームを設計し、農家がこのプラットフォーム1台のみ購入することで、随時積載する設備を交換して異なる作業を行うこともでき、農作物の生育を守ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来の技術的問題を克服して、構造が簡単で、操作も便利で、機能の異なる設備の積載を実現できる多機能フライングプラットフォームを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明が用いる実施形態としては、ローターアームシステムと積載プレートとを含み、前記積載プレート上に均一に配置されている若干の固定装置を設け、前記積載プレートが前記固定装置を通じて前記ローターアームシステム上のローターアームと固結し、前記積載プレートの下側に異なる設備を積載するための積載部位を更に設ける。
【0005】
上記実施形態から分かるように、ローターアームシステムと積載プレートの結合により、ローターアームシステムと積載プレートの間が固定装置で連接し、利用者の異なる作業ニーズに応じて積載部位上に、例えば農業用噴霧器、農業用散粒機、スペクトロスコープ、映像システム及び圃場用運搬機等といった所要の機能設備を積載でき、随時前記積載部位を通じて安易に積載及び取り外し、極めて農家の操作に便利で、専門家の現場での指導を必要とせず、多目的機として使用もでき、コストを大きく削減する。
【0006】
好ましくは、前記固定装置は前記積載プレート上に設けられた円弧形溝と一端が該円弧形溝の縁端とヒンジ連結する係止ブロックとを含み、前記係止ブロックの非ヒンジ連結端にカム付きハンドル及びコーン状係止具付きのテンションロッドを可動自在に設け、前記カム付きハンドルが前記テンションロッドの上端とヒンジ連結し、前記円弧形溝の他側に係止溝を設けていて、前記円弧形溝と前記係止ブロックを嵌合した後で形成した嵌合孔が前記ローターアームとマッチする。
【0007】
上記実施形態から分かるように、固定装置はカム付きハンドル方式を用いると、迅速な脱着を可能にし、積載を必要とする設備の交換に便利で、ローターアームシステムの脱着も便利となり、プラットフォームの収納と展開する便宜が図れる。
【0008】
好適には、前記積載プレートは前記ローターアームシステムの上側面、下側面又は前記ローターアームシステムのローターアームとローターアームの間に設けられる。
【0009】
上記実施形態から分かるように、積載プレートの設置方式は、様々で、ニーズに応じて設置することができる。
【0010】
好ましくは、前記積載プレート上の前記積載部位を設けた水平位置は、前記固定装置を設けた水平位置より低く、前記積載プレート上に若干の中空穴を設ける。
【0011】
上記実施形態から分かるように、非平面型の積載設備について、設備のニーズに応じて非平面構造の積載プレート上に積載し、積載部位を利用して異なる様々なニーズを満たすことができ、積載に便利である。利用者の異なる作業ニーズに応じて積載部位上に、例えば農業用噴霧器、農業用散粒機、スペクトロスコープ、映像システム及び圃場用運搬機等といった所要の機能設備を積載でき、必要があれば、随時前記積載部位を通じて安易に積載及び取り外ことができ、極めて農家の操作に便利で、専門家の現場での指導を必要とせず、多目的機として使用もでき、コストを大きく削減する。このほかに、積載部位の水平位置が比較的低く設置し、プラットフォーム飛行の安定性及び積載設備取り付けの利便性を保証でき、同時にも積載プレートの加工に便利であり;中空穴の設置は、強度を保証する状況下で、積載プレートの重量を効果的に下げ、フライングプラットフォームの積載能力を高める。
【0012】
好ましくは、前記積載プレート上に対称でかつ前記ローターアームと合わせる若干のL字形スロットを設けていて、若干の前記固定装置と若干の前記L字形スロットが前記積載プレート上に均一、かつ対称的に分布され、また前記ローターアームシステム上のローターアームとマッチする。
【0013】
上記実施形態から分かるように、L字形スロット及び固定装置を用いて積載プレートとローターアームの間の連接を共同で実現し、1つ目は固定装置の利用を減らしてコストを下げ;2つ目はL字形スロットとローターアームの合わせ方式が脱着効率を加速し;3つ目は、固定装置の使用を減らすと同時に、積載プレートの製作がより一層簡単になり、間接的にコストを下げる。
【0014】
好ましくは、前記積載プレート及び前記ローターアームは、いずれも炭素繊維で製造される。
【0015】
上記実施形態から分かるように、炭素繊維を用いてプラットフォームを製作するのは、その強度を保証し、その重量を大きく下げることで、積載可能な重量をアップする。
【0016】
好ましくは、前記ローターアームシステムは前記ローターアームと、前記ローターアーム上に設けた若干の回転翼と、前記ローターアームの中心位置に設けたコントローラとを含み、前記回転翼が前記ローターアーム上に対称に設けられると共に前記ローターアームの外側に位置する。
【0017】
上記実施形態から分かるように、該ローターアームシステムの構造は簡単で、重量が軽く、飛行に便利である。
【0018】
好ましくは、前記積載部位上に農業用噴霧器、農業用散粒機、スペクトロスコープ、映像システム及び圃場用運搬機を積載できるが、これに限定されない。
【0019】
上記実施形態から分かるように、積載可能な設備タイプは様々で、ニーズに応じて設置できる。
【0020】
好ましくは、前記多機能フライングプラットフォームは、雲台と測距装置とを更に含み、前記測距装置が前記雲台上に設けられ、マイクロ波レーダ、超音波或いはレーザー測距装置とし、前記コントローラの上方にLED灯柱を立てて設けていて、前記ローターアーム上にLEDテープライトを設け、前記測距装置、前記LEDテープライト及前記LED灯柱はいずれも前記コントローラと電気的に接続する。
【0021】
上記実施形態から分かるように、前記コントローラを通じて無人飛行を実現し、マイクロ波レーダ、超音波或いはレーザー測距装置の設計が地形追随飛行及び障害物回避を実現でき、多障害物の地塊での使用に便利で、フライングプラットフォームの安全飛行を保証でき;前記LEDテープライト及び前記LED灯柱の設計はその点滅状態によってフライングプラットフォーム上の農薬薬液の残量、バッテリー残量及び飛行方位を確認でき、操縦者のフライングプラットフォーム全体状況に対する把握を高め、安全な飛行を実現する。
【0022】
好適には、前記ローターアームは管材で、前記ローターアーム内に電子ガバナーを設け、前記回転翼の台座内にある電動機に前記ローターアーム内部と連通する空気穴を備え、前記ローターアームの中部位置に通風孔を設け、前記電子ガバナーが前記空気穴と前記通風孔の間のローターアーム内に位置し、前記回転翼の電動機回転により空気を前記通風孔から前記ローターアーム内に入り込ませると共に、前記電子ガバナー及び電動機を冷却し、熱風が前記空気穴から排出し、前記電子ガバナーの周囲に放熱フィンを設けていて、前記放熱フィンの全体外形と前記ローターアーム内の管路キャビティ部の形状とがマッチし、前記放熱フィンの方向が前記電子ガバナーを設けたローターアーム管路の方向と一致する。
【0023】
上記実施形態から分かるように、電子ガバナーをローターアーム内に設けたのは、全体がより一層美観させ、回転翼の作用を十分利用し、スペースを節約し、電子ガバナーをローターアーム外部に露出する時電子ガバナーに与える損耗も避け;且つ管路内での取付に適した放熱フィンの構造設計は、電子ガバナー上に放熱ファンを取り付ける必要がなく、全体的にコストを下げ、且つその構造も簡単となる。
【発明の効果】
【0024】
農家の異なる作業ニーズに応じて積載部位上に、例えば農業用噴霧器、農業用散粒機、スペクトロスコープ、映像システム及び圃場用運搬機等といった所要の機能設備を積載でき、随時前記積載部位を通じて安易に積載及び取り外し、極めて農家の操作に便利で、専門家の現場での指導を必要とせず、多目的機として使用もでき、コストを大きく削減する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の第1種構造の簡単な構造を示す模式図
【
図2】本発明の第1種構造の簡単な構造を示す上面図
【
図5】実施例2における第1種構造の簡単な構造を示す模式図
【
図6】実施例3における第1種構造の簡単な構造を示す模式図
【
図7】実施例5における第1種構造の簡単な構造を示す模式図
【
図8】本発明の第2種構造の簡単な構造を示す模式図
【
図11】実施例2における第2種構造的簡単な構造を示す模式図
【
図12】実施例3における第2種構造の簡単な構造を示す模式図
【
図13】実施例5における第2種構造の簡単な構造を示す模式図
【
図14】実施例1における第2種構造の簡単な構造を示す模式図
【
図15】前記固定装置の第2種構造の簡単な構造を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1〜4に示すように、本発明は、ローターアームシステムと積載プレート1とを含み、前記積載プレート上に均一に配置されている若干の固定装置2を設け、前記積載プレー1トが前記固定装置2を通じて前記ローターアームシステム上のローターアーム3と固結し、前記積載プレート1の下側に異なる設備を積載するための積載部位4を更に設ける。本発明において、2つの回転翼が交差して設置してからなる4つの回転翼のローターアームシステムを用い、当然ニーズに応じて6つの回転翼のローターアームシステム、8つの回転翼のローターアームシステムとして設置することもでき、これはニーズによって決まる。前記積載プレート上にある固定装置2の数量は、ローターアームの数量と一致する。
【0027】
別の態様としては、
図8〜10、15に示すように、前記積載プレート1上に対称でかつ前記ローターアーム3と合わせる若干のL字形スロット18を設けていて、若干の前記固定装置2と若干の前記L字形スロット18が前記積載プレート1上に均一、かつ対称的に分布され、また前記ローターアームシステム上のローターアーム3とマッチする。同一のローターアームにおいて、積載プレート1上に対称に設けられた2個の固定装置2で固結し;隣り合う別のローターアームにおいて、積載プレート1上に対称に設けられた2個のL字形スロット18で嵌合して連接する。前記ローターアームシステムは、2つの回転翼が交差して設置してからなる4つの回転翼のローターアームシステムの場合、いずれか1つのローターアーム上に固定装置2で固定し、もう1つのローターアーム上にL字形スロット18で固定し;前記ローターアームシステムは、3つの回転翼が交差して設置してからなる6つの回転翼のローターアームシステムの場合、いずれか2つのローターアーム上に固定装置2で固定し、もう1つのローターアーム上にL字形スロット18で固定し;前記ローターアームシステムは、4つの回転翼が交差して設置してからなる8つの回転翼のローターアームシステムの場合、いずれか2つのローターアーム上に固定装置2で固定し、もう2つのローターアーム上にL字形スロット18で固定する。これは、ニーズに応じて設置できる。前記積載プレート1は前記ローターアームシステムの上側面、下側面又は前記ローターアームシステムのローターアームとローターアームの間に設けられる。積載プレート1の設置方式は、様々で、ニーズに応じて設置することができる。
【0028】
前記固定装置2は、前記積載プレート1上に設けられた円弧形溝5と一端が該円弧形溝5の縁端とヒンジ連結する係止ブロック6とを含み、前記係止ブロック6の非ヒンジ連結端にカム付きハンドル7及びコーン状係止具8付きのテンションロッド9を可動自在に設け、前記カム付きハンドル7が前記テンションロッド9の上端とヒンジ連結し、前記円弧形溝5の他側に係止溝10を設けていて、前記円弧形溝5と前記係止ブロック6を嵌合した後で形成した嵌合孔が前記ローターアーム3とマッチする。前記円弧形溝5は、第1溝51と第2溝52で構成され、前記第1溝51が前記係止ブロック6とヒンジ連結し、前記第2溝52が前記固定装置のベースとヒンジ連結し、前記係止溝10が前記第2溝52の端部に設けられる。
【0029】
前記積載プレート1において、前記積載部位4を設けた水平位置は前記固定装置2を設けた水平位置より低い。つまり前記積載プレート1の中間位置が外側位置より低く、これは積載設備の脱着の便宜が図るためのである。且つ積載プレート1上に若干の中空穴11を設けていて、中空穴の設置がフライングプラットフォームの正味重量を下げてプラットフォームの飛行とエネルギー節約の便宜を図るためである。前記積載プレート1及び前記ローターアーム3は、いずれも炭素繊維で製造される。前記ローターアームシステムは前記ローターアーム3と、前記ローターアーム3上に設けた若干の回転翼12と、前記ローターアーム3の中心位置に設けたコントローラ13とを含み、前記回転翼12が前記ローターアーム3上に対称に設けられると共に前記ローターアーム3の外側に位置する。前記ローターアーム3上に支持脚17を更に設ける。
図8〜15に示すように、前記支持脚17は、ポール式斜め支持脚を用いることができ、緩衝機能を有する湾曲部付き支持脚も用いることもよい。前記L字形スロット18と前記支持脚17が折りたたんだ後前記ローターアーム3と互いに固定する。
【0030】
前記フライングプラットフォームは、雲台と測距装置とを更に含み、前記測距装置が前記雲台上に設けられ、マイクロ波レーダ、超音波或いはレーザー測距装置とし、前記コントローラ13の上方にLED灯柱を立てて設けていて、前記ローターアーム3上にLEDテープライト35を設け、前記測距装置、前記LEDテープライト35及前記LED灯柱はいずれも前記コントローラ13と電気的に接続する。前記LEDテープライト35はフルカラーのLEDテープライトで、前記LED灯柱及び前記LEDテープライト35の点滅変化或いは色の変更を通じて薬液の残量、バッテリー13の残量及び電子ガバナーの環境温度等を知らせることができ、同時に前記LED灯柱及び前記LEDテープライト35を通じて飛行姿勢及び散布データを識別することもできる。
【0031】
前記ローターアーム3は、管材で、前記ローターアーム3内に電子ガバナー29を設け、前記回転翼12の台座内にある電動機に前記ローターアーム3内部と連通する空気穴を備え、前記ローターアーム3の中部位置に通風孔を設け、前記電子ガバナーが前記空気穴と前記通風孔の間のローターアーム3内に位置し、前記回転翼12の電動機回転により空気を前記通風孔から前記ローターアーム3内に入り込ませると共に、前記電子ガバナー29及び電動機を冷却し、熱風が前記空気穴から排出し、前記電子ガバナー29の周囲に放熱フィン30を設けていて、前記放熱フィン30の全体外形と前記ローターアーム3内の管路キャビティ部の形状とがマッチし、前記放熱フィン30の方向が前記電子ガバナー29を設けたローターアーム管路の方向と一致する。従って前記回転翼内の電動機の回転で発生した遠心力が働いた風により前記管材内に設けられた電子ガバナーを放熱する。且つ前記電子ガバナーが前記管材内に設けられたのもスペースを節約でき、作業を終えた後直接水で洗浄できる。
【0032】
図16〜17に示すように、前記電子ガバナー29上に電源線31、制御線32、コンデンサ33及び出力線34を更に設けていて、前記電源線31、前記制御線32及び前記コンデンサ33が前記電子ガバナー29の同じ側に位置し、前記出力線34が前記電子ガバナー29の他端に位置する。この種の分離設計構造は、取り付け時誤接続が発生しないことで、電子ガバナー29の使用安全を保証する。新しい形態において、フライングプラットフォームの電子ガバナー29が管路内に設け、前記放熱フィン30の構造を利用して放熱機能を保証できる。電子ガバナー29が管路内に取り付けた後、フライングプラットフォーム全体をより一層美観させ、重量が軽くなり、且つ直接防水、防食及び耐衝突が可能で、保護作用に役に立つ。
【0033】
作業を終えた後、前記積載プレート1を前記ローターアームシステムから取り外すことにも便利で、取り外した前記ローターアームシステムが前記ローターアームを折りたたませることができる。
図4及び10に示すように、折りたたんだ後機械全体がスペースを節約し、農家のために空間利用率を高める。
【0034】
以下、具体的実施例で本発明を更に説明する。
【0035】
実施例1
図14に示すように、前記積載部位4上に農業用噴霧器19を積載し、これは圃場での農薬散布に用い、農家が手作業で圃場に散布することを避けることができる。この場合、前記農業用噴霧器19と連通するノズル20は、前記ローターアーム3上の回転翼12下方に設けられ、農薬散布を行う時、前記回転翼12の回転時に発生する気流を利用してノズル20から噴出された農薬により大きな運動エネルギーを持たせ、透過性がより良好で、農薬が農作物の下層中に浸透して害虫を殺し、農作物を守ることができる。
【0036】
実施例2
図5及び11に示すように、積載部位4上に農業用散粒機14を積載し、種子或いは肥料の散布に用いることができる。
【0037】
実施例3
図6及び12に示すように、前記積載部位4上にスペクトロスコープ15を積載でき、スペクトロスコープを通じて圃場作物の生育状況をキャプチャーできる。
【0038】
実施例4
前記積載部位4上に映像システムを積載し、圃場の実況を入手することができる。
【0039】
実施例5
図7及び13に示すように、前記積載部位4上に圃場用運搬機16を積載でき、前記圃場用運搬機を利用して圃場運搬を行うことで、作業員の労働密度を軽減できる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明によると、ローターアームシステム及び積載プレートを利用し、前記積載プレート上に均一に分布する若干の固定装置を設け、或いは固定装置及びL字形スロットが同時に設けられ、前記積載プレートが前記固定装置及び/或いは前記L字形スロットを通じて前記ローターアームシステム上のローターアーと固結し、前記積載プレートの下側に異なる設備を積載するための若干の積載部位を設けることによって、農家の異なる作業ニーズに応じて積載部位上に、例えば農業用噴霧器、農業用散粒機、スペクトロスコープ、映像システム及び圃場用運搬機等といった所要の機能設備を積載でき、随時前記積載部位を通じて安易に積載及び取り外し、極めて農家の操作に便利で、専門家の現場での指導を必要とせず、多目的機として使用もでき、コストを大きく削減する。
【0041】
本発明は、農業用航空機分野に有用に運用できる。