(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6357281
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】凹面拡大鏡
(51)【国際特許分類】
G02B 25/00 20060101AFI20180702BHJP
G02B 17/06 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
G02B25/00
G02B17/06
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-538565(P2017-538565)
(86)(22)【出願日】2015年9月16日
(65)【公表番号】特表2017-531215(P2017-531215A)
(43)【公表日】2017年10月19日
(86)【国際出願番号】KR2015009729
(87)【国際公開番号】WO2016056766
(87)【国際公開日】20160414
【審査請求日】2017年4月7日
(31)【優先権主張番号】20-2014-0007359
(32)【優先日】2014年10月10日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517123265
【氏名又は名称】シン、チュン ヒ
【氏名又は名称原語表記】SHIN,Choong Hee
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】シン、チュン ヒ
【審査官】
岡田 弘
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第06955329(US,B1)
【文献】
中国実用新案公告第2050697(CN,U)
【文献】
実開昭51−088232(JP,U)
【文献】
実公昭12−003423(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44B 1/00−9/20
A45D 33/00−40/30
B43K 29/00−31/00
F21L 2/00−27/00
G01K 1/00−19/00
G02B 1/00−1/08
G02B 3/00−3/14
G02B 5/00−5/136
G02B 7/00
G02B 7/18−7/24
G02B 9/00−17/08
G02B 21/02−21/04
G02B 25/00−25/04
G02C 1/00−13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鏡に映る物体の像を拡大して見えるようにしながら、鏡が着脱可能な凹面拡大鏡において、
中心部(C)が平面(P)から0.5〜1.5mmに凹むように屈曲されてなる凹み面が形成された凹面鏡(10)と、
把手(23)と、縁に設置溝(24)が形成され、前記把手(23)と一体型になった設置部(25)からなり、前記設置部(25)に前記凹面鏡(10)が嵌着されるようにする本体(20)と、
前記凹面鏡(10)と前記本体(20)の設置部(25)との間に設けられ、前記凹み面の屈曲状態によって対応して前記凹面鏡(10)を支持してくれる複数個の支持部材(30)と、を含んで構成され、
前記本体(20)は、互いに対向されるように形成された第1本体(21)と第2本体(22)が結合されて形成されるが、結合時に締め付け部材(40)を介して結合される構成において、
前記締め付け部材(40)は、
前記第1本体(21)に形成された嵌合孔(41)と、
前記第2本体(21)に備えられて前記嵌合孔(41)に挿入され、前記第1本体(21)と前記第2本体(22)が結合されるようにするフック状の突部(42)からなることを特徴とする凹面拡大鏡。
【請求項2】
鏡に映る物体の像を拡大して見えるようにしながら、鏡が着脱可能な凹面拡大鏡において、
中心部(C)が平面(P)から0.5〜1.5mmに凹むように屈曲されてなる凹み面が形成された凹面鏡(10)と、
把手(23)と、縁に設置溝(24)が形成され、前記把手(23)と一体型になった設置部(25)からなり、前記設置部(25)に前記凹面鏡(10)が嵌着されるようにする本体(20)と、
前記凹面鏡(10)と前記本体(20)の設置部(25)との間に設けられ、前記凹み面の屈曲状態によって対応して前記凹面鏡(10)を支持してくれる複数個の支持部材(30)と、を含んで構成され、
前記本体(20)は、互いに対向されるように形成された第1本体(21)と第2本体(22)が結合されて形成されるが、結合時に締め付け部材(40)を介して結合される構成において、
前記締め付け部材(40)は、
前記第1本体(21)の設置部(25)と前記第2本体(22)の設置部(25)のそれぞれの上端部に備えられて互いに回動自在に結合されるようにするヒンジ部(43)と、
前記第1本体(21)の把手(23)に形成されたナット孔(44)と、
前記第2本体(22)の把手(23)に備えられるが、下部に阻止顎(45−1)が備えられたガイド孔(45)と、
前記ガイド孔(45)へガイドされて前記ナット孔(44)に挿入締め付けられ、前記第1本体(21)の把手(23)と前記第2本体(22)の把手(23)が互いに結合されるようにするボルト(46)と、からなることを特徴とする凹面拡大鏡。
【請求項3】
前記凹面鏡(10)の中心部(C)は、直径13〜15cmに対して、平面(P)から0.5〜1.5mmに凹むように屈曲されてなる凹み面から形成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の凹面拡大鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凹面拡大鏡に関し、より詳細には、鏡に映る物体の像を拡大して見えるようにするのはもちろん、鏡と物体との離隔距離に関わらず、常に一定のレベルの鮮明度を有することができるようにし、鏡を容易に着脱できるようにする凹面拡大鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、大韓民国公開実用新案公報第1998−022608号に示されたような、現在に利用されている凹面鏡は、球の一部分を利用して作った反射面が凹んでいる鏡をいう。
【0003】
前記のように反射面が凹んでいる球面鏡は、光を集める性質があり、焦点は実焦点であり、像は、物体の位置によって正立像と倒立像が生じる。
【0004】
すなわち、像の性質が焦点と求心に対する物体が置かれた位置によって異なるようになるが、物体が焦点よりも鏡の近くに置かれると、正立形態の虚像(正立虚像)が拡大されて表れ、物体が焦点と求心との間に置かれるときには、倒立形態の実像(倒立実像)が拡大されて表れる。
【0005】
そして、物体が求心よりも遠いところに置かれると、倒立実像が縮小されて表れるようになり、物体が焦点に位置する場合には、像が形成されない。
【0006】
最後に、物体が鏡面から無限に遠いところに置かれると、像は、焦点に一点として生じる。
【0007】
前記のように凹面鏡は、その前に置かれた物体に対して拡大して見えるようにする役割と、物体が置かれた位置によって小さく見えるとか、大きく見えるなどに変化した大きさを示す役割を果たすが、これは鏡から所定の距離を外れて位置している場合、その物体を映す鏡の鮮明度が落ちてかすかに見える場合が発生することになる。
【0008】
従って、物体が遠くセッティング(setting)されるべき状況で、凹面鏡を通して物体または人体の姿を見ようとするときは、あまりもかすかに見えるようになって鏡の実体を失ってしまう場合が発生することになる。
【0009】
また、前記凹面鏡を取り付ける本体に対しては、一体型からなっているので、凹面鏡を本体に取り付ける際には、難しくて苦労な作業を伴わなければならず、特に表裏に鏡が取り付けられる場合においては、その作業工程の難しさが倍になって製造者にとって製造コストを高める問題点を有していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本願は、前記したような従来技術の諸般の問題点を鑑みて案出されたものであって、本発明の目的は、鏡に映る物体の像が拡大されて映るようにするのはもちろん、鏡から物体が近くにあっても、それとも遠く離れていたとしても鏡を通して映る物体の鮮明度が一定のレベルに維持され得るようにし、また、鏡を本体に着脱するにあたって、容易に実行できるようにする凹面拡大鏡を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記のような目的を成就するための本発明において開示される技術は、鏡に映る物体の像を拡大して見えるようにしながら、前記鏡と物体との離隔距離に関わらず、常に一定のレベルの鮮明度を有することができるようにする凹面拡大鏡は、中心部が直径13〜15cmに対して、平面から0.5〜1.5mmに凹むように屈曲されてなる凹み面が形成された凹面鏡と、凹面鏡が把持される把手部と、縁に設置溝が形成され、前記把手部と一体型になった設置部からなり、前記設置部に前記凹面鏡が嵌着されるようにする本体と、前記凹面鏡と前記本体の設置部との間に設けられ、前記凹み面の屈曲状態によって対応して前記凹面鏡を支持してくれる複数個の支持部材を含んで構成され、前記本体は、互いに対向されるように形成された第1本体と第2本体が結合されて形成されるが、結合時に締め付け部材を介して結合されることを特徴とする。
【0012】
本発明の実施例によれば、前記凹面鏡の中心部は、直径13〜15cmに対して、平面から1.3mmに凹むように屈曲されてなる凹み面から形成されることを特徴とする。
【0013】
本発明の技術思想が適用される一実施例によれば、前記締め付け部材は、前記第1本体に形成された嵌合孔と、前記第2本体に備えられて前記嵌合孔に挿入され、前記第1本体と前記第2本体が結合されるようにするフック状の突部からなることを特徴とする。
【0014】
本発明の一実施例によれば、前記締め付け部材は、前記第1本体の設置部と前記第2本体の設置部のそれぞれの上端部に備えられて互いに回動自在に結合されるようにするヒンジ部と、前記第1本体の把手に形成されたナット孔と、前記第2本体の把手に備えられるが、下部に阻止顎が備えられたガイド孔と、前記ガイド孔へガイドされて前記ナット孔に挿入締め付けられ、前記第1本体の把手と前記第2本体の把手が互いに結合されるようにするボルトからなる結合構造を特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
前記したような本発明による凹面拡大鏡は、鏡に映る物体の像が拡大されて映るようにするのはもちろん、鏡から物体が近くにあっても、それとも遠く離れていたとしても鏡を通して映る物体の鮮明度が一定のレベルに維持され得るようにしてユーザーに便利さを提供し、また、本体を2つに互いに自由自在に分離及び結合させ得るようにすることにより、鏡を本体に着脱するにあたって、容易に実行できるようにする効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施例による凹面拡大鏡を示した正面図。
【
図3】前記凹面拡大鏡に支持部材が備えられた状態を示した断面図。
【
図4】前記凹面拡大鏡の本体部の結合状態の一例を示した平面図。
【
図5】前記凹面拡大鏡の本体部の結合状態の他の一例を示した平面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本願は、鏡に映る物体の像が拡大されて映るようにするのはもちろん、鏡から物体が近くにあっても、それとも遠く離れていたとしても鏡を通して映る物体の鮮明度が一定のレベルに維持され得るようにし、鏡を容易に着脱できるようにする凹面拡大鏡の構造において、中心部Cが平面Pから0.5〜1.5mmに凹むように屈曲されてなる凹み面が形成された凹面鏡10と、把手23と、縁に設置溝24が形成され、前記把手23と一体型になった設置部25からなり、前記設置部25に前記凹面鏡10が嵌着されるようにする本体20と、前記凹面鏡10と前記本体20の設置部25との間に設けられ、前記凹み面の屈曲状態によって対応して前記凹面鏡10を支持してくれる複数個の支持部材30と、を含む構成を有し、前記本体20は、互いに対向されるように形成された第1本体21と第2本体22が結合されて形成されるが、結合時に締め付け部材40を利用して結合される構造を有する凹面拡大鏡を介して本願の目的を達成することができる。
【0018】
前記構成の凹面拡大鏡において、凹面鏡10の中心部Cは、直径13〜15cmに対して、平面Pから0.5〜1.5mmに凹むように屈曲されてなる凹み面から形成される構造を有するように適用されるのが好ましい。
【0019】
以下、本発明による凹面拡大鏡に対する好ましい実施態様について、添付された図面などを参照して詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施例による凹面拡大鏡を示した正面図であり、
図2は、
図1のA−A部分に対する断面図であり、
図3は、前記凹面拡大鏡に支持部材が備えられた状態を示した断面図であり、
図4は、前記凹面拡大鏡の本体部の結合状態の一例を示した平面図であり、
図5は、前記凹面拡大鏡の本体部の結合状態の他の一例を示した平面図である。
【0021】
先ず、図面などのうち、同一の構成要素または部品などは、可能な同一の参照符号で示しており、また、本発明を説明するにあたって、係わる公知の機能あるいは構成に対する具体的な説明は、本発明の要旨を曖昧でないようにするために省略することにする。
【0022】
本願において凹面鏡に映る物体の像を拡大して見えるようにしながら、凹面鏡と物体との離隔距離に関わらず、常に一定のレベルの鮮明度を有することができるようにし、また、凹面鏡を容易に着脱できるようにする本発明の一実施例による凹面拡大鏡は、
図1、
図3及び
図4に示されたように、凹面鏡10、本体20、支持部材30及び締め付け部材40から構成され、凹面鏡10の前に置かれた物体との距離に関わらず、常に一定の鮮明度を有するようにするために、凹み面の屈曲部位を複数回物体を映す実験を通して精密に調節したし、後述される本発明でのような同じ効果を得ることができた。
【0023】
すなわち、前記凹面鏡10は、
図2に示されたように、中心部Cが直径13〜15cmに対して、平面Pから0.5〜1.5mmに凹むように屈曲されてなる凹み面が形成される。
【0024】
好ましくは、前記凹面鏡10の中心部Cは、直径13〜15cmに対して、平面Pから1.3mmに凹むように屈曲されてなる凹み面から形成されるようにし、これは物体に対する凹面鏡の焦点が最もよく合わせられ、物体を鏡に映したとき、最も高い鮮明度を示す事実を確認することができた。
【0025】
前記のような凹面鏡10の凹み面に対する屈曲の範囲である0.5〜1.5mmの範囲に設定したのは、前記範囲を様々な形態で変位させて実行した複数回の実験を通して凹面鏡10の前に立ったとき、最も鮮明度が高いレベルのものなどを採択適用させたものである。
【0026】
前記本体20は、手であげて鏡に映すことができるようにする把手23と、縁に設置溝24が形成され、前記把手23と一体型になった設置部25からなり、設置部25に凹面鏡10が嵌着されるようにする手段として適用され得るところ、この際には、前記設置溝24に嵌合された凹面鏡が離脱されるとか、搖れないように嵌合させるのが好ましい。
【0027】
前記本体20は、
図3に示されたように、表裏両方に鏡を取り付けることができるようにするが、いずれか一方には、凹面鏡10を、そして、他の一方には、平面鏡50を設けることができるようにすることにより、ユーザーが必要に応じて様々な形態の鏡を利用することができるようにした。
【0028】
そして、前記本体20は、互いに分離されて凹面鏡10が容易に着脱され得るようにするために、互いに対向されるように形成された第1本体21と第2本体22が結合されて形成されるが、結合時に締め付け部材40を介して結合され、次に記述される一例などの以外に、第1本体21と第2本体22とを結合させることができる方式なら、どのようなものでも適用可能なものとして理解されるべきであろう。
【0029】
前記締め付け部材40の一例を窺って見ると、
図4に示されたように、第1本体21に複数個形成された嵌合孔41と、第2本体22に備えられて嵌合孔41に挿入され、第1本体21と結合されるようにするフック状の突部42からなる。
【0030】
従って、前記凹面鏡10を第1本体21と第2本体22の設置溝24に挿入させた後に、第1本体21の嵌合孔41に第2本体22に備えられたフック状の突部42を抑止嵌合式で押し込めて挿入されるように適用されることができ、前記のように突部42が嵌合孔41に嵌合された後には、突部42がフック状でなっているので、容易に抜けなくなる。
【0031】
前記締め付け部材40の他の一例を窺って見ると、
図5に示されたように、第1本体21の設置部25と第2本体22の設置部25のそれぞれの上端部に備えられ、互いに回動自在に結合されるようにするヒンジ部43と、前記第1本体21の把手23に形成されたナット孔44と、前記第2本体22に備えられるが、下部に阻止顎45−1が備えられたガイド孔45と、前記ガイド孔45へガイドされてナット孔44に挿入締め付けられ、第1本体21の把手23と第2本体22の把手23が互いに結合されるようにするボルト46が使用され、締め付けられるように適用され得る。
【0032】
従って、前記凹面鏡10を第1本体21と第2本体22の設置溝24に挿入させた後に、第2本体22に備えられたガイド孔45にボルト46をガイドし、第1本体21のナット孔44に締め付けられるように適用され得る。
【0033】
前記支持部材30は、凹面鏡10と本体20の設置部25との間に設けられ、凹み面の屈曲状態によって対応して凹面鏡10を支持してくれる役割を果たし、凹み面の屈曲状態によって設けられ得るように複数個が備えられる。
【0034】
すなわち、例えば、前記本体20に形成された設置溝24が凹面鏡10の1.5mm凹み面に対応して1.5mmの深さからなる状態で1.3mmの凹面鏡10を設けようとするなら、凹面鏡10と本体20との間に1つまたは2つの必要なだけに支持部材30を挿入させて設け、設けられた凹面鏡10がぐらぐらせずに、堅固に維持されるように適用するのが好ましい。
【0035】
ここで、前記支持部材30の材質は、紙材質の板材や繊維やゴム材質からなり、僅かの弾性を有することができるようにし、凹面鏡10が外部から衝撃を受けるとしても、その衝撃を吸収できることによって破損されることを防止できるようにする。
【0036】
前述したように、本発明は、たとえ限定された図面に提示された実施例などによって説明されたが、本発明は、これに限定されず、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者により、本発明の技術思想と以下に記載される特許請求の範囲の均等範囲内で様々な修正及び変形が可能であるといえるだろう。
【符号の説明】
【0037】
10 凹面鏡
20 本体
21 第1本体
22 第2本体
23 把手
24 設置溝
25 設置部
30 支持部材
40 締め付け部材
41 嵌合孔
42 突部
43 ヒンジ部
44 ナット孔
45 ガイド孔
45−1 阻止顎
46 ボルト
50 平面鏡
C 中心部
P 平面