特許第6357286号(P6357286)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6357286
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】液状体の撹拌器
(51)【国際特許分類】
   B01F 11/00 20060101AFI20180702BHJP
   B01F 3/08 20060101ALI20180702BHJP
   B01F 3/12 20060101ALI20180702BHJP
   A47J 43/04 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
   B01F11/00 A
   B01F11/00 B
   B01F3/08 Z
   B01F3/12
   A47J43/04
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-17999(P2018-17999)
(22)【出願日】2018年2月5日
【審査請求日】2018年2月14日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518041940
【氏名又は名称】DDマシン西日本株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000073
【氏名又は名称】特許業務法人プロテック
(74)【代理人】
【識別番号】100167070
【弁理士】
【氏名又は名称】狹武 哲詩
(74)【代理人】
【識別番号】100108051
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 生央
(72)【発明者】
【氏名】増本 幹成
(72)【発明者】
【氏名】小谷 一
【審査官】 佐々木 典子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0290605(US,A1)
【文献】 実開平01−084730(JP,U)
【文献】 特表2014−509285(JP,A)
【文献】 特開2013−006629(JP,A)
【文献】 特開2015−212601(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0056850(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 9/00−13/10
B01F 1/00− 5/26
A47J 42/00−44/02
B65D 23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散させる物と液体とが混合された状態の液状体を収納し、振ることにより前記分散させる物を前記液体に分散させることを実現する液状体の撹拌器であって、
前記液状体を収納する上下に延びる収納部と、
前記液状体を出し入れすべく、前記収納部の上部に設けられた開閉部と、
前記収納部の内部であって、上部に固定され、振動及び揺動が可能なコイルばねと
を有し、
前記コイルばねの長さは、前記収納部の内側の高さの60パーセントから80パーセントであり、
前記コイルばねを構成する線と隣合う線との間隔の長さ、すなわちピッチが、上から順に、前記コイルばねを構成する線の直径の50パーセント、75パーセント、100パーセント、125パーセント、150パーセントと徐々に広がり、下部においては0パーセントの部分が3巻きから5巻きとなっていて、下部は固定されずに解放されている
ことを特徴とする液状体の撹拌器。
【請求項2】
分散させる物と液体とが混合された状態の液状体を収納し、振ることにより前記分散させる物を前記液体に分散させることを実現する液状体の撹拌器であって、
前記液状体を収納する上下に延びる収納部と、
前記液状体を出し入れすべく、前記収納部の上部に設けられた開閉部と、
前記収納部の内部であって、上部に固定され、振動及び揺動が可能なコイルばねと
を有し、
前記コイルばねの長さは、前記収納部の内側の高さの60パーセントから80パーセントであり、
前記コイルばねを構成する線と隣合う線との間隔の長さ、すなわちピッチが、上から順に、前記コイルばねを構成する線の直径の50パーセント、75パーセント、100パーセント、125パーセントと徐々に広がり、下部においては0パーセントの部分が3巻きから5巻きとなっていて、下部は固定されずに解放されている
ことを特徴とする液状体の撹拌器。
【請求項3】
分散させる物と液体とが混合された状態の液状体を収納し、振ることにより前記分散させる物を前記液体に分散させることを実現する液状体の撹拌器であって、
前記液状体を収納する上下に延びる収納部と、
前記液状体を出し入れすべく、前記収納部の上部に設けられた開閉部と、
前記収納部の内部であって、上部に固定され、振動及び揺動が可能なコイルばねと
を有し、
前記コイルばねの長さは、前記収納部の内側の高さの60パーセントから80パーセントであり、
前記コイルばねを構成する線と隣合う線との間隔の長さ、すなわちピッチが、上から順に、前記コイルばねを構成する線の直径の125パーセント、100パーセント、75パーセント、50パーセントと徐々に狭まり、さらに、50パーセント、75パーセント、100パーセント、125パーセントと徐々に広がり、下部においては0パーセントの部分が3巻きから5巻きとなっていて、下部は固定されずに解放されている
ことを特徴とする液状体の撹拌器。
【請求項4】
前記コイルバネの材質が、鉄、鋼、ステンレス、チタン、チタン合金、プラスチックのなかのいずれかからなることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載した液状体の撹拌器。
【請求項5】
前記コイルバネを構成する線の直径が2ミリメートルであることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の液状体の撹拌器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状体の撹拌器に関する。とりわけ、薄力粉などの小麦粉を水に溶くための撹拌器、水相と油相とに分離した液状の調味料、粒や沈殿物などを含む調理食材を使用前に撹拌する機能を有する撹拌器、容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、食材撹拌装置が提案されている。食酢と米飯とをドラムに入れて撹拌し、酢飯とする装置を提供するものである。
特許文献2には、薄力粉を含む生地の混練を、オゾンの存在下で行うことが提案されている。
特許文献3には、容器詰め液状調味料であって、食肉をジューシーでソフトな食感・繊維感・食味が得られるものにするものが提案されている。
特許文献4には、容器入り大根おろし含有液状調味料であって、フライ食品と和えるのに適したものが提案されている。
特許文献5には、容器入り分離液状調味料が開示されている。軽く振って油相を水相に分散させ、生野菜等の食材にかけて喫食した際に、水相に粉砕物として配合された野菜類そのものの風味がはっきりと認識でき、しかも、粉砕物が容器底部に沈殿しがたく、外観にすぐれたものが提案されている。
特許文献6には、液状調味料容器が開示されている。内容物が粘度の高い液状調味料であっても、ボトルがしなやかに変形することで排出しやすく、かつ内容物が少なくなっても容器本来の美観を損ないにくいものが提案されている。
特許文献7には、包装容器入り食用油脂類分離型ごま粒子含有液状調味料が開示されている。ゴマ粒子を含有し、食用油脂類、分散剤を含有するものであって、手に持って軽く振るだけで、ゴマ粒子が容易に分散するものである。
特許文献8には、ヒートポンプシステムにおける撹拌装置(液化促進装置)が開示されている。二つの鏡板に閉塞された円筒状の筐体の内部に螺旋バネ(スプリング)を上下動可能に設けたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−212889号公報
【特許文献2】特許第4724175号公報
【特許文献3】特開2014−124123号公報
【特許文献4】特開2013−111064号公報
【特許文献5】特開2011−109973号公報
【特許文献6】特開2017−019562号公報
【特許文献7】特開2002−369665号公報
【特許文献8】特開2015−212601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
食材を撹拌することが、食感や食味の提供のためになされている(特許文献1)。撹拌がどれだけ細かく、あるいは均一化されてなされるかが、食感や食味に影響すると考えられる。そして、その撹拌の度合いを高めるために、薄力粉を含む生地の混練をオゾンの存在下で行うことが提案されている(特許文献2)。
液状調味料には、食肉をジューシーでソフトなものにするためのもの(特許文献3)、フライ食品と和えるのに適したもの(特許文献4)、水相と油相からなるものであって容器を振ることで油相を水相に分散させるもの(特許文献5)、ゴマ粒子を含有するものであって、軽く振ることでゴマ粒子が分散するもの(特許文献7)が提案されている。
一方、液状調味料容器としては、しなやかに変形することで排出しやすいものが提案されている(特許文献6)。
また、ヒートポンプシステムにおける撹拌装置であって、円筒状の容器内部に、螺旋バネが設けられた構造を有する撹拌装置が提案されている(特許文献8)。
【0005】
液状調味料容器は、排出しやすい材質、形状、構造などが、提案されている(特許文献6)。しかし、分離している成分を分散させるための構造を有する容器については、見当たらない。
その理由としては、液状調味料には、分散剤を用いている(特許文献8など)からであると考えられる。
【0006】
一般家庭において、ドレッシングなどの調味料を自家製で作る場合には、分散剤を使わない場合があると考えられる。その場合でも、使用者が手で振ることにより、液状体の撹拌機能をもつ容器を提供できる可能性があるのではないか、と本発明の発明者は考えた。
また、そのような撹拌効果を有する構造をもつ液状調味料の容器を、量産タイプの調味料にもちいると、液状調味料の設計の際に分散剤を使わないという選択が可能になり、液状調味料の設計の自由度が増す。
さらにまた、そのような液状調味料の容器は、さまざまな液状体の撹拌をするための調理用の撹拌器として機能し得る。たとえば、薄力粉を水に溶くときに、細かく均一化してあわ立てることにより、お好み焼きなどのこな物の食感や、食味を独自のものにすることが可能になる。
また、建築材料などで、水に溶いて用いるものの撹拌にこの撹拌器を用いることが役立つ可能性もある。
【0007】
本発明の発明者は、この種の撹拌装置の内部構造について、改良を加えることにより、さらなる効果を挙げることができる可能性があると日夜、考えをめぐらし、実験をくり返した。そして、ついに有用な構造、すなわち振動及び揺動可能な螺旋バネを設ける構造を有する撹拌器、容器を見出した。
本発明の目的は、使用者が手で振ることにより、液状体の撹拌機能をもつ撹拌器、液状体容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明において、液状体とは、液体(たとえば、水)とそれに分散させる物(たとえば、油、粉、粒など)とが、混合された状態のものをいう。ここで、混合は、均一に混合してる状態である必要はなく、分離して存在していてもよいし、沈殿していてもよいものとする。
本発明に係る液状体の撹拌器は、分散させる物と液体とが混合された状態の液状体を収納し、振ることにより前記分散させる物を前記液体に分散させることを実現する液状体の撹拌器であって、前記液状体を収納する収納部と、前記液状体を出し入れする開閉部と、前記収納部の内部に設けられたコイルばねとを有し、前記コイルばねは、両端のうちの一端が前記収納部内に固定され、振動及び揺動が可能であるすることを特徴とする。これにより、使用者は、液状体をこの撹拌器に入れて手で振ることにより、コイルばねを振動及び揺動させることで、分散させる物を液体に分散させ、その直後に開閉部から取り出して用いることができる。
【0009】
また、前記コイルばねの前記一端に対する他端は、ほかの部分に比べてピッチが密であるとすることができる。これにより、コイルばねの自由に振動する端の部分が密な構造となるので、そこをおもりとして、振動及び揺動をさせやすいという効果をもたらす。
【0010】
本発明に係る液状体の撹拌器は、 分散させる物と液体とが混合された状態の液状体を収納し、振ることにより前記分散させる物を前記液体に分散させることを実現する液状体の撹拌器であって、前記液状体を収納する上下に延びる収納部と、前記液状体を出し入れすべく、前記収納部の上部に設けられた開閉部と、前記収納部の内部であって、上部に固定され、振動及び揺動が可能なコイルばねとを有し、前記コイルばねのピッチが、上から順に、狭い、広い、密巻となっていることを特徴とする。これにより、コイルばねの振動の効果を上げて、泡状況、溜状況をよくすることができる。
【0011】
本発明に係る液状体の撹拌器は、分散させる物と液体とが混合された状態の液状体を収納し、振ることにより前記分散させる物を前記液体に分散させることを実現する液状体の撹拌器であって、前記液状体を収納する上下に延びる収納部と、前記液状体を出し入れすべく、前記収納部の上部に設けられた開閉部と、前記収納部の内部であって、上部に固定され、振動及び揺動が可能なコイルばねとを有し、前記コイルばねのピッチが、上から順に、広い、狭い、広い、密巻となっていることを特徴とする分散させる物と液体とが混合された状態の液状体を収納し、振ることにより前記分散させる物を前記液体に分散させることを実現する液状体の容器であって、前記液状体を収納する収納部と、前記液状体を出し入れする開閉部と、前記収納部の内部に設けられたコイルばねとを有し、前記コイルばねは、両端のうちの一端が前記収納部内に固定され、振動及び揺動が可能であることを特徴とする。これにより、コイルばねの振動の効果を上げて、泡状況、溜状況をよくすることができる。
【0012】
本発明に係る液状体の撹拌器は、前記収納部を透明なものとしたことを特徴とする。これにより、使用者は、内部の液状体の分散状況、混合状況、あわ立ちの状況、沈殿物の状況を視認することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る液状体の撹拌器、調理用撹拌器、液状体の容器、調味料の容器は、使用者が液状体をこの撹拌器に入れて手で振ることにより、コイルばねを振動及び揺動させることで、分散させる物を液体に分散させ、その直後に開閉部から取り出して用いることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る液状体の撹拌器(調理用撹拌器、液状体の容器、調味料の容器)の外観を示す斜視図である。
図2】本発明の液状体の撹拌器(調理用撹拌器、液状体の容器、調味料の容器)の断面図である。
図3】本発明の液状体の撹拌器(調理用撹拌器、液状体の容器、調味料の容器)の組立図である。
図4】本発明の液状体の撹拌器に液状体を収納した状態を描いた図(図4(a))、及び液状体を収納した撹拌器にコイルばねと開閉部とを取り付けた状態を描いた図(図4(b))である。
図5】人力レベル1で上下運動したときの様子をコイルばねありのとき(図5(a))、コイルばねなしのとき(図5(b))について、それぞれ示したものである。
図6】人力レベル2で上下運動したときの様子をコイルばねありのとき(図6(a))、コイルばねなしのとき(図6(b))について、それぞれ示したものである。
図7】人力レベル3で上下運動したときの様子をコイルばねありのとき(図7(a))、コイルばねなしのとき(図7(b))について、それぞれ示したものである。
図8】人力レベル4で上下運動したときの様子をコイルばねありのとき(図8(a))、コイルばねなしのとき(図8(b))について、それぞれ示したものである。
図9】撹拌して1時間経過後の状態をコイルばねありのとき(図9(a))、コイルばねなしのとき(図9(b))について、それぞれ示したものである。
図10】コイルのピッチを変化させた5つの例を示す図である。
図11】コイルのピッチを変化させた5つの撹拌器についての実験結果を示す表である。
図12】開閉部を構成するねじ式のキャップを上部のみならず、下部にも設けた実施例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。図中の符号が同一のものは、同様の構成、機能を有する。
【0016】
<実施形態>
<構成>
図1は、本発明に係る液状体の撹拌器(調理用撹拌器、液状体の容器、調味料の容器)1の外観を示す斜視図である。収納部10は、液状体を収納することができる容器である。望ましくは、透明又は半透明の部材からなり、内容物の分離、沈殿、分散などの状況が視覚にて確認できるようになっている。また、望ましくは、収納部10は、自立可能な形状であり、たとえば冷蔵庫内に立てて置くことができるようになっている。
図1に描いた収納部10の形状は、円柱に近いものを描いたが、他の形状であってもよい。
【0017】
収納部10の上部には、開閉部11が設けられ、収納部10に液状体を出し入れ可能となっている。ここでは、ネジ式のキャップにて開閉部11を構成している。締めた状態で、手で振っても、内容物がこぼれないような密閉性を保持することができるものであることが望ましい。締めた状態における密閉性を保持できれば、ネジ式にかぎらず、嵌め込み式などの他の開閉部を用いることもできる。
【0018】
図1では、開閉部11を締めた状態を描いている。収納部10の内部であって、上部には、コイルばね20が設けられる。コイルばね20は、その上部を収納部10の内側に固定されて、下部は、固定されず自由に振動及び揺動が可能となっている。コイルばね20の材質は、たとえば、鉄(鋼)、ステンレス、チタン、チタン合金、プラスチックなどを用いることができる。コイルばね20を構成する線は、その表面がさまざまな面を有して凹凸を持つようにしてもよい。
【0019】
コイルばね20の径は、図1に示すように、収納部10の内側の水平方向の大きさよりも小さい大きさであって、液状体の撹拌器1を使用者が手に持って振るときに、コイルばね20が、振動及び揺動可能な空間的な余地があるようになっている。ここで、振動は、コイルばね20の伸び縮みの方向に動くことをいい、揺動は、伸び縮みの方向とは垂直の方向に揺れる動きをいうものとする。
コイルばね20の長さは、収納部20の内側の高さの60パーセントから80パーセントが望ましい。短すぎると、液状体全体の撹拌効率が望めない。長すぎると、振動及び揺動の自由度が狭くなる。
【0020】
コイルバネ20が、揺動及び振動し、液状体に対する剪断効果を奏する。また、コイルバネ20の表面がさまざまな面を有して、凹凸をもつようにする場合は、コイルばね20の表面形状によっても液状体に対する剪断効果を奏する。この結果、液状体が微細化、均一化され、分散を促進する。
【0021】
図2は、本発明の液状体の撹拌器(調理用撹拌器、液状体の容器、調味料の容器)を鉛直方向で切った断面図である。収納部10の上部には、ネジきりがなされて、開閉部11が、ネジの切られたキャップとして構成されている。そして、開閉部の内側には、内ぶた12が設けられて、収納部10の上部に嵌めこまれて、内ぶた12には、コイルばね20の上部が固定される。
内ぶた12は、着脱可能、すなわち、嵌めたり外したりすることが可能にすることが望ましい。収納部10の洗浄、コイルばね20の洗浄を容易にするためである。また、内ぶた12を嵌めて、開閉部11を締めた状態にあっては、内ぶた12がきつく固定されてコイルばね20の上部の固定が確実になされるように、開閉部11が内ぶた12を押し付ける構成にすることが望ましい。
また、内ぶた12は、液状体の出し入れがしやすい形状を有することが望ましい。液状体を入れる際に、入れやすいよう十分に広い空間の穴を有しており、液状体を出す際に注ぎやすいように、適量が淀みなく出ることのできる注ぎ口に適した形状を有することが望ましい。
【0022】
図3は、本発明の液状体の撹拌器(調理用撹拌器、液状体の容器、調味料の容器)1の組立図である。図3に描かれているように、内ぶた12は、その中央部が大きく開口しており、液状体を収納部10に注ぎ込む際に入れやすい形状となっている。また、内ぶた12は、その周辺部において、注ぎ出す際に液状体の流れを導きやすいように、外側から内側に向けて尖った形状を有している。
また、内ぶた12は、コイルばね20の上部を固定することができる形状、構造を有している。コイルばね20の上部を構成する線は、内ぶた12に固定できるように曲げられた形状を有しており、内ぶた12に嵌め合わせて固定できるようになっている。
図3に示すように、コイルばね20を内ぶた12に固定し、コイルばね20を収納部10に入れて、内ぶた12を収納部10の上部に嵌め合わせる。そして、開閉部11を収納部10にねじ込んで装着する。このようにして、本発明の液状体の撹拌器(調理用撹拌器、液状体の容器、調味料の容器)1は、組み立てられる。
収納部10の最上部の端が、開閉部11の内側に接する部分には、パッキンが設けられる。開閉部11を締めた際の密閉性を高めて、使用者が手で振っても液状体がしみ出ないようにするためである。
【0023】
≪水にサラダ油を分散させる≫
図4は、本発明の液状体の撹拌器に液状体を収納した状態を描いた図(図4(a))、及び液状体を収納した撹拌器にコイルばねと開閉部とを取り付けた状態を描いた図(図4(b))である。
ここでは、収納部10が、透明のボトルである。500mlの容量を有する。水300mlとサラダ油25mlを入れた状態を示している。油相が分離して、水の上に浮かんでいる状態が図4に示されている。
以下、使用者が撹拌器を持って振る力の入れ具合について、4つのレベルに分けて説明する。最も力を入れて強く振る状態を人力レベル4とし、最も弱く振る状態を人力レベル1とし、その中間に人力レベル2、人力レベル3を設定する。力の弱いほうから強いほうに向かって、人力レベル1、人力レベル2、人力レベル3、人力レベル4である。
【0024】
図5は、人力レベル1で上下運動したときの様子をコイルばねありのとき(図5(a))、コイルばねなしのとき(図5(b))について、それぞれ示したものである。
コイルばねありのときは、コイルばねの上下運動で弾性エネルギーが働き油が微細化され黄白色に変化し、微細化された油玉が水に少数溶け込んで(分散して)いる。
コイルばねなしのときは、油の揺れているのが確認できるが、油の微細化、油玉の水への溶け込み(分散)は認められない。
【0025】
図6は、人力レベル2で上下運動したときの様子をコイルばねありのとき(図6(a))、コイルばねなしのとき(図6(b))について、それぞれ示したものである。
コイルばねありのとき、レベル2の上下運動では、弾性エネルギーによる動きが大きくなり、油・水がコイルばねの機械的な仕事で上下に移動させられ、撹拌されている。微細化された油玉が水に多数溶け込んで(分散して)いる。
コイルばねなしのとき、レベル2の上下運動で油が跳ね上がり、下がる力で水中にはいる。水中に入った油は、かたまり状態のままであって、水への溶け込み(分散)はない。
【0026】
図7は、人力レベル3で上下運動したときの様子をコイルばねありのとき(図7(a))、コイルばねなしのとき(図7(b))について、それぞれ示したものである。
コイルばねありのとき、レベル3の上下運動では、コイルばねの機械的な仕事の動きが大きくなり油・水が撹拌しあい、微細化された油玉が水全体に均等に溶け込んで(分散して)いる。
コイルばねなしのとき、微細化された油玉が少数水に溶け込んで(分散して)いる。
【0027】
図8は、人力レベル4で上下運動したときの様子をコイルばねありのとき(図8(a))、コイルばねなしのとき(図8(b))について、それぞれ示したものである。
コイルばねありのとき、レベル4ではコイルばねの機械的な仕事と固有振動の動きが大きくなり油・水が撹拌しあい、超微細化油玉と超微細化水が全体に均等に溶け込んで(分散して)いる。油と水とが超微細化されることで、黄褐色であった油が黄白色に変化した。
コイルばねなしのとき、上部の跳ね上がりと下がる力で油と水が撹拌し細分化されている。水相の上部は撹拌した微細化した油玉が多数水に溶け込んで(分散して)いるが、水相の下部は溶け込んで(分散して)いない。
【0028】
図9は、撹拌して1時間経過後の状態をコイルばねありのとき(図9(a))、コイルばねなしのとき(図9(b))について、それぞれ示したものである。
コイルばねありのとき、油が超微細化されるので、水相に溶け込む溶解率(分散する度合い)が少なくなり水相に透明感がある。
コイルばねなしのとき、油が微細化程度なので、水相に溶け込む溶解率(分散する度合い)が多くなり水相に白濁感がある。
【0029】
コイルばねが振動・揺動すると、元に戻ろうとする復元力が働く。またコイルばねが変化するとき蓄えられた弾性エネルギーを放出させられ機械的な仕事を行う(エネルギーの蓄積と放出)。コイルばねを吊るし下に引っ張り放すと、一定の振動数で上下に震動する固有振動数により、油、水は撹拌され、超微細化することが確認できた。
【0030】
≪コイルばねのピッチを変化させた実験≫
図10は、コイルのピッチを変化させた5つの例、コイルばねA,B,C,D,Eを示す図である。5つのコイルばねは、いずれも長さを11センチ(110mm)としており、上部を内ぶたに固定して、本発明の撹拌器を構成するものである。図10においては、収納部や、開閉部、内ぶたを描くのを省略している。また、コイルばねを内ぶたにとりつける部分も描くのを省略している。
また、コイルばねの材質は、鋼を使用し、直径が2mmのものを用いている。
【0031】
コイルばねのピッチは、コイルばねを構成する鋼の線と隣り合う鋼の線との間隔の長さをいうものとする。すきまなく巻いている状態は、密巻と呼ぶ。また、ピッチが1mmの状態を小密と呼ぶこととする。
コイルばねAは、上部固定の位置から下に向かって15mmの部分はピッチが2.5mm、次の15mmはピッチが2.0mm、次の15mmはピッチが1.5mm、次の10mmはピッチが1.0mm(小密)、次の15mmはピッチが1.5mm、次の15mmはピッチが2.0mm、次の15mmはピッチが2.5mm、最後の10mmはピッチが0.0mm(密巻)としている。すなわち、広い→狭い→小密→狭い→広い→密巻となっており、下部は、解放されている(固定されていない)。
コイルばねBは、上部固定の位置から下に向かって25mmの部分はピッチが1.0mm(小密)、次の25mmはピッチが1.5mm、次の25mmはピッチが2.0mm、次の25mmはピッチが2.5mm、最後の10mmはピッチが0.0mm(密巻)としている。すなわち、小密→狭い→広い(2.5mm)→密巻となっており、下部は解放されている(固定されていない)。
【0032】
コイルばねCは、上部固定の位置から下に向かって10mmの部分はピッチが1.0mm(小密)、次の20mmはピッチが2.5mm、次の20mmはピッチが2.0mm、次の20mmはピッチが1.5mm、次の20mmはピッチが2.0mm、最後の20mmはピッチが2.5mm(密巻)としている。すなわち、密巻→広い→狭い→広い(2.5mm)となっており、下部は解放されている(固定されていない)。
コイルばねDは、上部固定の位置から下に向かって20mmの部分はピッチが1.0mm(小密)、次の20mmはピッチが1.5mm、次の20mmはピッチが2.0mm、次の20mmはピッチが2.5mm、次の20mmはピッチが3.0mm、最後の10mmはピッチが0mm(密巻)としている。すなわち、小密→狭い→広い(3.0mm)→密巻となっており、下部は解放されている(固定されていない)。
コイルばねEは、上部固定の位置から下に向かって25mmの部分はピッチが1.0mm(小密)、次の25mmはピッチが1.5mm、次の25mmはピッチが2.0mm、最後の25mmはピッチが2.5mmとしており、下部は、固定されている。すなわち、小密→狭い→広い→下部固定となっている。
【0033】
図11は、コイルばねA,B,C,D,Eをそれぞれ用いた撹拌器を用いて、撹拌の効果を比較する実験結果を示す表である。
手で振って振動した状況からみて、よく振動した順で並べると、D→B→A→C→Eであった。
20回振って5分後の様子、50回振って15分後の様子、80回振って20分後の様子、100回振って25分後の様子、130回振って30分後の様子を観察した。その結果を図11の表にしてある。
表の中で「泡状況」とあるのは、泡が立っている状況である。「溜状況」とあるのは、沈殿物の状況であり、数字が小さいのは、沈殿物が少ないことを意味している。表の中で、×は混合(分散)が十分になされていないことを示す。△は、混合(分散)が不十分であることを示す。〇は、混合(分散)が十分になされていることを示す。◎は、混合(分散)が優れていることを示す。
これらのデータを勘案して総合順位をつけると、D→A→B→C→Eという評価となる。
【0034】
図12は、開閉部を構成するねじ式のキャップを上部のみならず、下部にも設けた実施例を示す斜視図である。図12に描かれているように、下部開閉部31をも設ける。下部開閉部31は、ねじ式のキャップにより構成することができる。キャップの最下端の部分は、テーブルなどの水平な部分に立てることができるよう、広く、平らに形成することが望ましい。下部開閉部31の内側には、収納部10と接する部分にパッキンを設けて液状体の液漏れを防止する。
本明細書において、上部は、コイルばね20を固定する側をいい、下部は、その反対側をいう。下部開閉部のキャップの端を広く平らにするのと同様に、上部の開閉部側もねじ式のキャップの端を広く平らにすることにより、どちらを下にしておくこともできるようにする実施例も可能である。
【0035】
<作用・機序>
本発明に係る撹拌器の作用・機序は、二つの観点から説明できる。
第一に、コイルばねが振動・揺動することで、液状体をかき回すことである。これにより、油のかたまり、粒のかたまり、沈殿物のかたまりなどをせん断して小さくし、液状体に分散させる。
第二に、音の倍音共鳴(スケーリング共鳴)による作用・機序が考えられる。
本発明に係る撹拌器に、液状体を収納し、開閉部を締めて、使用者が手に持って振ると、コイルばねに衝撃が加わる。そして、その衝撃により、コイルばねが振動及び揺動する。その振動及び揺動が伝わっていくことで、音(可聴域のものに限らず、それよりも低い音、あるいはそれよりも高い音の可能性を含む)が生じる。使用者が複数回にわたって撹拌器を振ると、この音も持続的に生じ続ける。
一方、液状体に混在している油のかたまり、粒のかたまり、沈殿物のかたまりなどは、分子のクラスタとして存在していると考えられる。そして、それらがぶつかり合う際にも、音が生じる。
コイルばねの振動及び揺動により生じる音と、液状体に混在している分子のクラスタ同士がぶつかる際に生じる音とは、倍音(高調波)の関係になり得る。バネの振動、揺動により発生する音の倍音(高調波)が、液状体に混在している分子のクラスタのぶつかり合いに倍音共鳴(スケーリング共鳴)を起こすことがなされる。それにより液状体の混合撹拌、ひいては油、粒、沈殿物などの分散が促進される。
ここで、スケーリング共鳴は、数十オクターブ上の高調波(倍音)において、共鳴をする現象である。「タンパク質の音楽」(深川洋一著 ちくまプリマーブックス)に用いられている概念である。
共振と共鳴とは、似た概念であるが、本明細書においては、切り分けて考えることにする。たとえば、同じ金属枠(固体)に固定された二つの弦が、片方を振動させたときに、他方も振動する。この場合は、振動が木の金属枠という固体を通じて伝わるので、共振である。他方で、水や空気など(流体)をつたって音がつたわってその結果振動するのは、共鳴である。
本発明に係る撹拌器の場合、コイルばねから、油、粒、沈殿物などの分子に振動がつたわるのは、流体(液状体)を介してなされる。したがって、共鳴というべきである。そこで、音の倍音共鳴又はスケーリング共鳴が機能していると考えられる。
本発明に係る撹拌器において、液状体のマクロの挙動に着目すると、液状体は、使用者が振ることによって、動いて、コイルばねに衝撃を与えて、コイルばねを振動・揺動させる働きをする。一方、液状体のミクロの挙動に着目すると、液状体に含まれる油、粒、沈殿物などのクラスタ(分子がいくつかくっついたかたまり)が、倍音共鳴又はスケーリング共鳴により、そのクラスタの大きさを小さくするように力を受ける。これによりせん断効果を受けて、油、粒、沈殿物などがそのクラスタを小さくして、均一混合をする。
【0036】
≪建築材料への応用≫
液状体は、食材にかぎらない。たとえば、建築材料で水に分散させて(溶いて)用いるものにも用いることができる。
【0037】
≪出願当初の請求項≫
本出願について、補正により請求項に変更が加えられる際の便宜のために、出願当初の請求項を、ここに記載する。
≪請求項1≫
分散させる物と液体とが混合された状態の液状体を収納し、振ることにより前記分散させる物を前記液体に分散させることを実現する液状体の撹拌器であって、
前記液状体を収納する収納部と、
前記液状体を出し入れする開閉部と、
前記収納部の内部に設けられたコイルばねと
を有し、
前記コイルばねは、両端のうちの一端が前記収納部内に固定され、振動及び揺動が可能であることを特徴とする液状体の撹拌器。
≪請求項2≫
前記コイルばねの前記一端に対する他端は、ほかの部分に比べてピッチが密であることを特徴とする請求項1に記載の液状体の撹拌器。
≪請求項3≫
分散させる物と液体とが混合された状態の液状体を収納し、振ることにより前記分散させる物を前記液体に分散させることを実現する液状体の撹拌器であって、
前記液状体を収納する上下に延びる収納部と、
前記液状体を出し入れすべく、前記収納部の上部に設けられた開閉部と、
前記収納部の内部であって、上部に固定され、振動及び揺動が可能なコイルばねと
を有し、
前記コイルばねのピッチが、上から順に、狭い、広い、密巻となっていることを特徴とする液状体の撹拌器。
≪請求項4≫
分散させる物と液体とが混合された状態の液状体を収納し、振ることにより前記分散させる物を前記液体に分散させることを実現する液状体の撹拌器であって、
前記液状体を収納する上下に延びる収納部と、
前記液状体を出し入れすべく、前記収納部の上部に設けられた開閉部と、
前記収納部の内部であって、上部に固定され、振動及び揺動が可能なコイルばねと
を有し、
前記コイルばねのピッチが、上から順に、広い、狭い、広い、密巻となっていることを特徴とする液状体の撹拌器。
≪請求項5≫
前記収納部を透明なものとしたことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の液状体の撹拌器。
【0038】
≪補正又は分割により請求項に加える可能性のある発明事項≫
本出願について、審査が進んだ段階で、補正又は分割出願により請求項に加える可能性があると、出願時点で出願人が気づいている発明事項について、手続の便宜のためにここに記載する。
≪発明事項6≫
分散させる物と液体とが混合された状態の液状体を収納し、振ることにより前記分散させる物を前記液体に分散させることを実現する調理用撹拌器であって、
前記液状体を収納する収納部と、
前記液状体を出し入れする開閉部と、
前記収納部の内部に設けられたコイルばねと
を有し、
前記コイルばねは、両端のうちの一端が前記収納部内に固定され、振動及び揺動が可能であることを特徴とする調理用撹拌器。
≪発明事項7≫
分散させる物と液体とが混合された状態の液状体を収納し、振ることにより前記分散させる物を前記液体に分散させることを実現する液状体の容器であって、
前記液状体を収納する収納部と、
前記液状体を出し入れする開閉部と、
前記収納部の内部に設けられたコイルばねと
を有し、
前記コイルばねは、両端のうちの一端が前記収納部内に固定され、振動及び揺動が可能であることを特徴とする液状体の容器。
≪発明事項8≫
分散させる物と液体とが混合された状態の液状体調味料を収納し、振ることにより前記分散させる物を前記液体に分散させることを実現する調味料の容器であって、
前記液状体調味料を収納する収納部と、
前記液状体調味料を出し入れする開閉部と、
前記収納部の内部に設けられたコイルばねと
を有し、
前記コイルばねは、両端のうちの一端が前記収納部内に固定され、振動及び揺動が可能であることを特徴とする調味料の容器。
≪発明事項9≫
前記開閉部をねじ式キャップとし、前記収納部の上部に着脱可能な内ぶたを設けて、当該内ぶたは、前記コイルばねの上部を固定することができる形状及び構造を有している。これにより、内ぶたとともにコイルばねをはずして洗浄などのメンテナンスをすることができる。
≪発明事項10≫
前記内ぶたは、その中央部が大きく開口し、その周辺部は注ぎ出す際に液状体の流れを導きやすいように、外側から内側に向けて尖った形状を有している。これにより、前記内ぶた及び前記コイルばねを取り付けたままの状態で、液状体の出し入れが容易にできる。
≪発明事項11≫
前記開閉部を構成するねじ式キャップを締めることで、前記内ぶたが固定され、それにより前記コイルばねの固定がなされるような形状及び構造とすることができる。これにより、使用者は、液状体を収納部に収納した状態で撹拌器全体を手で振り、それによりコイルばねを振動及び揺動させることができる。
≪発明事項12≫
前記開閉部を構成するねじ式キャップの内側の上部と、前記収納部の上端とが接する部分にパッキンを設けることができる。これにより、撹拌器の密閉性を高めて、撹拌器全体を使用者が手に持って振っても、液漏れを防ぐことができる。
≪発明事項13≫
前記開閉部を前記収納部の上部のみならず下部にも設けることとしてもよい。これにより、液状体の出し入れをしやすくなる。
≪発明事項14≫
開閉部を構成するねじ式キャップの外側の端の部分は、広く平らにする。これにより開閉部の側を下にしてテーブルなどのうえに置くことができる。
【0039】
≪調理用撹拌器、液状体の容器、調味料容器への適用≫
発明事項6、発明事項7は、液状体の撹拌器として記述した。これらは、調理用撹拌器、液状体の容器、調味料容器への適用が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
油相を水相に分散させて用いるドレッシングタイプの調味料の撹拌器又は容器として利用可能である。また、薄力粉などの粉を水に分散させる(溶かす)際に用いる撹拌器又は容器として利用可能である。さらにまた、食材に限らず、建設用資材など、粉又は油を水に分散させて用いる際の撹拌器又は容器として利用可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 液状体の撹拌器(調理用撹拌器、液状体の容器、調味料容器)
10 収納部
11 開閉部
12 内ぶた
20 コイルバネ
31 下部開閉部
【要約】
【課題】使用者が手で振ることにより、液状体の撹拌機能をもつ撹拌器、液状体容器を提供する。
【解決手段】分散させる物と液体とが混合された状態の液状体を収納し、振ることにより前記分散させる物を前記液体に分散させることを実現する液状体の撹拌器または容器であって、液状体を収納する収納部と、液状体を出し入れする開閉部と、収納部の内部に設けられたコイルばねとを有し、コイルばねは、両端のうちの一端が収納部内に固定され、振動及び揺動が可能であることを特徴とする液状体の撹拌器。コイルばねを固定する一端に対して、自由振動可能な他端はほかの部分に比べてピッチを密にする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12