(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
定期的な洗浄が必要となるため、洗浄作業は可能な限り容易に行えることが好ましい。作業が複雑であると洗浄の手間がかかるため、店舗などにおいて定期的な洗浄がなされないことが懸念される。
【0007】
この点、特許文献1に開示される構成においては、専用の洗浄容器の準備や、ディスペンスヘッドの付け替えが必要とされるなど、作業に手間がかかるため、より作業性に優れた洗浄を実現できることが望まれる。
【0008】
他方、洗浄作業に用いる装置構成は、故障が少なく、安価で製造できることが好ましい。
【0009】
この点、特許文献2に開示される構成においては、制御装置を用いて電磁弁を制御するため、電気的な故障が発生することも想定される。特に、ビール樽などの飲料容器は厨房などの水気が多いところで使用されることが一般的であり、電気的な故障が発生しやすい雰囲気であるといえ、さらに、電源コードの取り回しなども考慮する必要がある。加えて、制御装置や電磁弁を用いた装置は製造コストも嵩み、また、耐用年数が短くなってしまうことや、高額なメンテナンス費用が発生することも懸念される。
【0010】
そこで、本発明は以上の問題に鑑み、優れた作業性を有し、電源を用いずに洗浄流路の洗浄を実現できる新規な構成の洗浄機能付きディスペンスヘッドを提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0012】
即ち、請求項1に記載のごとく、
ビールなどが充填された飲料容器に接続され、外部の飲料流路に飲料を送出するためのディスペンスヘッドであって、
ディスペンスヘッドには、
飲料容器内の飲料が流入するヘッド内注出流路と、
外部から洗浄水が流入する洗浄水流路と、
外部から炭酸ガスが流入するパージガス流路と、
流路切替により前記洗浄水流路と前記パージガス流路のいずれか一方を前記ヘッド内注出流路と連通させる流路切替機構が設けられ、
前記流路切替機構には、流路切替を行うための機械式開閉弁が設けられる、ディスペンスヘッドとする。
【0013】
また、請求項2に記載のごとく、
前記ディスペンスヘッドには洗浄ロック機構が設けられ、
前記洗浄ロック機構によるロックが解除された際に、前記流路切替機構の流路切替の操作が許容される、こととする。
【0014】
また、請求項3に記載のごとく、
前記ディスペンスヘッドにはヘッド内注出流路と飲料容器の連通/非連通を切替える容器連通切替機構が設けられ、
前記容器連通切替機構により前記ヘッド内注出流路と前記飲料容器が連通する状態において、前記ヘッド内注出流路と前記洗浄水流路の連通が遮断される、こととする。
【0015】
また、請求項4に記載のごとく、
前記容器連通切替機構が規定の位置にあって、
前記ヘッド内注出流路と飲料容器が非連通である場合に、
洗浄ロック機構によるロック解除が許容されることとする。
【0016】
また、請求項5に記載のごとく、
前記ディスペンスヘッドは、前記飲料容器の注出口に取り付けられるものであり、
前記容器連通切替機構によりヘッド内注出流路が連通しない状態において、ヘッド内注出流路と注出口の間に密閉空間が形成されることとする。
【0017】
また、請求項6に記載のごとく、
前記流路切替機構は、機械式タイマーを備え、機械式タイマーと連動する機械式機構によって前記機械式開閉弁が操作されることとする。
【0018】
また、請求項7に記載のごとく、
前記機械式タイマーは、ゼンマイバネを用いたバネ機構で構成され、機械式タイマーと連動する前記機械式機構はカム機構で構成され、回転するカムの角度に応じて前記機械式開閉弁が操作されることとする。
【0019】
また、請求項8に記載のごとく、
前記機械式タイマーによる流路切替により、少なくとも洗浄ステップ、水切りステップが実施されるものであり、洗浄ステップでは、飲料流路の水洗浄が実施され、水切りステップでは炭酸ガスによる飲料流路のパージが行われることとする。
【0020】
また、請求項9に記載のごとく、
前記流路切替機構は、前記水切りステップの終了後、ヘッド内注出流路に対する洗浄水流路及びパージガス流路の連通を遮断することとする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0022】
即ち、請求項1に記載の発明においては、
例えば、水道の蛇口から供給される洗浄水をそのままディスペンスヘッドのヘッド内注出流路を通じて、飲料流路へ供給し洗浄を実施することができ、また、流路切替を行うことで、炭酸ガスによるガスパージを実施することができる。このため、専用の洗浄容器を用いることが不要となり、ディスペンスヘッドの付け替えも不要となることから、作業の簡易化、短時間化を図ることができる。
また、機械式開閉弁による流路切替が行われるため、電気的な故障が発生することもなく、電気的な制御装置が不要であって装置を安価に構成することもできる。特に、厨房などの水気が多い環境においても、故障の発生確率を低く抑えることができ、耐用年数の長期化も図ることができる。
【0023】
また、請求項2に記載の発明においては、
意図せぬ流路切替による洗浄の実施が規制される。特に、本願発明の構成では、洗浄水が常時ディスペンスヘッドに供給される運用がなされることも想定されるため、誤操作がされると飲料流路に洗浄水が混入してしまうことが懸念される。洗浄ロック機構を備えることにより、このような誤操作を確実に防止できる。
【0024】
また、請求項3に記載の発明においては、
ヘッド内注出流路を介して洗浄水が飲料容器内に流入してしまうことが防止され、飲料に洗浄水が混入することを防止することができる。例えば、本明細書中に記載される実施例のように、ディスペンスヘッドの飲料容器に対する固定を行うための本体レバーの操作によって、ヘッド内注出流路と飲料容器の連通がなされる構成の場合には、洗浄時には、本体レバーを上げてヘッド内注出流路と飲料容器を非連通としなければならないが、この操作を忘れるなどした場合であっても、飲料容器内への洗浄水の混入を防止することができ、いわゆるフェイルセーフ機能を実現することができる。
【0025】
また、請求項4に記載の発明においては、
ヘッド内注出流路と飲料容器(ビール樽)が連通された状態で、洗浄が開始され、洗浄水が飲料容器に混入してしまうことを防止できる。
【0026】
また、請求項5に記載の発明においては、
洗浄時においては、密閉空間内の洗浄やガスパージを同時に実施することができる。
【0027】
また、請求項6に記載の発明においては、
流路切替を自動的に行うことができ、優れた作業性を実現できる。また、機械式タイマーを使用することで構造がシンプルであり、製作コストやメンテナンス費用を低く抑えることができる。
【0028】
また、請求項7に記載の発明においては、
時間経過に伴ってカムの角度や形状(プロファイル)に応じた流路切替を実現させることができ、また、カムの角度や形状の設定、設計により、流路切替のタイミングの設定が容易に行える。
【0029】
また、請求項8に記載の発明においては、
水洗浄と炭酸ガスによるガスパージを自動に切替えて実施することができる。
【0030】
また、請求項9に記載の発明においては、
水切りステップの終了後は、洗浄水流路及びパージガス流路を通じたヘッド内注出流路への洗浄水及び炭酸ガスの供給が停止され、洗浄作業を自動的に終了することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、ビール等の炭酸ガス飲料のサーバー(ディスペンサ)のディスペンスヘッドに関するものであり、以下では、ビール樽にディスペンスヘッドを取り付けてビールの飲料流路を洗浄する例を用いて説明する。
【0033】
まず、
図1(A)(B)を用いてディスペンスヘッド1の概要について説明する。
【0034】
図1(A)(B)に示すように、洗浄機能付きディスペンスヘッド1はビール樽3の上部に取り付けられる。ディスペンスヘッド1は、ビール樽3の上部に設けられる注出口5(樽口金)に接続され、注出口5からビールをビールホース98(飲料流路)へと送出するものである。
【0035】
ディスペンスヘッド1は、外装カバー10を有しており、外装カバー10から本体レバー12が突出されている。この本体レバー12を操作することで、注出口5に対するディスペンスヘッド1の着脱が可能となっている。
【0036】
具体的には、本体レバー12を上げた状態で注出口5に対してヘッド本体20(
図3参照)下部を係合させ、ディスペンスヘッド1を回転させることで、注出口5とディスペンスヘッド1が捻じ込み嵌合される。捻じ込み嵌合した状態においても、本体レバー12を上げられたままの状態では、ビール樽3内部とディスペンスヘッド1内部の流路は遮断されている。
【0037】
そして、捻じ込み嵌合した状態において、本体レバー12を下げると嵌合状態がロックされるとともに、注出口5が開かれて、ビール樽3内部とディスペンスヘッド1内部の流路(ヘッド内注出流路)が連通し、ビールが送出され得る状況となる。
【0038】
また、外装カバー10からは、洗浄レバー14が突出されている。この洗浄レバー14は、飲料流路の洗浄を行う場合に押し下げ操作される。この洗浄レバー14は、本体レバー12が上げられた状態でビール樽3内部とディスペンスヘッド1内部の流路が閉鎖されている場合にのみ、押し下げられるようになっている。
【0039】
また、外装カバー10の上部の位置には、タイマーツマミ16が配置されている。このタイマーツマミ16は、洗浄レバー14が押し下げられた場合にのみ回転操作が可能とされ、タイマーツマミ16を所定の角度に回転させることで、洗浄が開始される。
【0040】
また、外装カバー10の後部の位置には取っ手10aが付いており、この取っ手10aを用いてディスペンスヘッド1全体を持ち上げることなどが可能であり、操作が行いやすい構成となっている。
【0041】
また、外装カバー10の下部の位置には、ビール樽3の上部の円環状縁部3a内に収められる脚部10bが設けられ、ディスペンスヘッド1を取り外して卓上などに置いた際に自立できると共にヘッドの樽との接続部(接液部)であるヘッド本体20の下部が卓上に接触しないので衛生的である。
【0042】
また、
図2に示すように、ディスペンスヘッド1は給水ホース90を介して水道の蛇口92などの水源と接続され、ディスペンスヘッド1に洗浄水が供給されるようになっている。
【0043】
また、ディスペンスヘッド1はガスホース94を介して炭酸ガスボンベ96などの圧力源と接続され、ディスペンスヘッド1に炭酸ガスが供給される。
【0044】
また、ディスペンスヘッド1はビールホース98を介してビールサーバー100と接続されている。炭酸ガスの圧力によりビール樽3から押し出されたビールは、ビールホース98を介してビールサーバー100へと供給され、コック102からビールを図示せぬビールジョッキ等に注ぐことができる。
【0045】
次に、
図2を用いて洗浄作業の概要について説明する。
図2において、飲料流路の洗浄が行われる際には、ディスペンスヘッド1の内部の流路の設定により、給水ホース90を通じてディスペンスヘッド1に供給された洗浄水がビールホース98を介してビールサーバー100へと供給される。
【0046】
ビールサーバー100から洗浄水を排出することで、ビールホース98やビールサーバー100の内部のビールの流路、つまりは、飲料流路の洗浄が行われる。洗浄水は、ビールサーバー100のコック102に捕捉容器104を取り付けるなどして捕捉される。
【0047】
また、洗浄水による洗浄後には、ディスペンスヘッド1の内部の流路が切り替わり、炭酸ガスがビールホース98を介してビールサーバー100へと供給され、ビールサーバー100から炭酸ガスを排出するガスパージが行われる。
【0048】
このガスパージにより一連の洗浄作業は完了し、再び、本体レバー12を押し下げてビール樽3内部とディスペンスヘッド1内部の流路を連通させることで、ビールサーバー100からのビールの注ぎ出しが可能な状態となる。
【0049】
次にディスペンスヘッドの構成について詳細に説明する。
図3乃至
図5は、ディスペンスヘッドの内部装置構成の外観について示す図である。
図6は、ディスペンスヘッドの内部の装置構成の概要について示す図である。
図7は、本体レバー12の位置による洗浄レバー14操作の規制について説明する図である。
図8は、ディスペンスヘッドを用いた洗浄のシステム構成について示す図である。
【0050】
図3乃至
図6に示すごとく、ディスペンスヘッド1は、ヘッド本体20と、流路切替機構30とを一体化してなる構成としている。
【0051】
ヘッド本体20には、本体レバー12が上下に回動可能に設けられている。本体レバー12を下げるとヘッド本体20に対して上下移動可能に設けた吐出管21が下方へと移動し、ビール樽の注出口の弁部材を押し下げて、ビール樽内部とディスペンスヘッド1内部の流路(ヘッド内注出流路)が連通され、吐出管21の吐出口21aからビールの送出が可能となる。
【0052】
流路切替機構30には、上下に回動可能な洗浄レバー14と、機械式タイマー32が設けられる。本実施例の機械式タイマー32はゼンマイバネを用いたバネ機構にて構成され、タイマーツマミ16の回動量に応じた時間設定、つまりは、タイマーでカウントする時間設定が可能となっている。
【0053】
また、機械式タイマー32のタイマーツマミ16の回動操作は、洗浄レバー14を押し下げた場合にのみ可能となっている。
【0054】
具体的には、タイマーツマミ16の下方には、円盤状のロックピース33が配設され、機械式タイマーのカウントがゼロの場合に、ロックピース33の側面に形設したロック孔にロックピン34が挿入され、タイマーツマミ16の回動が規制される。
【0055】
また、ロックピン34は、洗浄レバー14とリンク39を介して連動するようになっており、洗浄レバー14を押し下げた際に、ロックピン34がバネ35に抗してロックピース33のロック孔から抜け出すことで、タイマーツマミ16の回動操作が可能となる。
【0056】
以上の構成により、洗浄レバー14を押し下げない場合には、バネ35によってロックピン34がロックピース33のロック孔に挿入された状態となり、タイマーツマミ16の回動操作が規制される。このように、洗浄レバー14とロックピン34を組み合わせた構成により、洗浄ロック機構が構成されるようになっている。
【0057】
なお、洗浄ロック機構については特に限定するものではなく、本実施例の構成の他、ロックピン34を直接操作する構成なども考えられ、タイマーツマミ16の回動の規制/許容を設定する機械的機構であれば特に限定されるものではない。
【0058】
また、機械式タイマー32において、ゼンマイ機構を収容するボックス37から下方に向けて回転軸36が突出されており、機械式タイマー32の時間の経過に従って回転軸36が回転するようになっている。この回転軸36の回転速度は、ゼンマイ機構の調整により設定することが可能となっている。
【0059】
回転軸36には、軸方向に3つの第一カム41,第二カム42,第三カム43が配設されている。これらのカム41,42,43は、それぞれ、流路切替機構30のマニホールド31から一端が突出される第一操作ロッド51,第二操作ロッド52,第三操作ロッド53の端部に接触し、各カム41,42,43の回動角度とプロファイルに応じて各ロッドが進退される。
【0060】
各ロッド51,52,53は、図示せぬスプリングによってマニホールド31から突出する方向に付勢されており、各カム41,42,43は、この付勢力に抗して各ロッド51,52,53を押圧するように機能する。
【0061】
図6に示すように、各ロッド51,52,53は、同じくマニホールド31に進退可能に設けられた第一バルブ軸61,第二バルブ軸62,第三バルブ軸63の進退の許容/規制を行うためのものであり、各カム41,42,43の回転角度に応じた各ロッド51,52,53の位置に応じ、各バルブ軸61,62,63の位置が規定される。
【0062】
また、
図7(A)(B)に示すように、本体レバー12には溝12bが形成されたプレート12aが設けられており、溝12bには洗浄レバー14側に設けられるピン14aが挿入されている。
【0063】
そして、
図7(A)に示すように、本体レバー12が下げられた状態では、溝12bにピン14aが付き当たり、ピン14aが矢印L1方向へと移動できず、洗浄レバー14の回動操作が規制される。
【0064】
他方、
図7(B)に示すように、本体レバー12が上げられた状態では、ピン14aは溝12b内において元の位置14mから矢印L2の方向に移動することで、洗浄レバー14の回動操作が許容される。
【0065】
以上のようにして、本体レバー12が上げられた状態、つまりは、ビール樽3内部とディスペンスヘッド1内部の流路(ヘッド内注出流路)が閉鎖されている場合にのみ、洗浄レバー14の押し下げが可能となる洗浄レバー14のロック機構が形成される。
【0066】
これにより、本来は本体レバー12を上げて洗浄作業をすべきところ、本体レバー12を上げずに洗浄作業が開始されてしまうことを防止することができる。また、洗浄レバー14が押し下げなければ、機械式タイマー32の操作ができない構成となっているため、機械式タイマー32による自動の洗浄が開始されてしまうことがない。
【0067】
また、
図8に示すように、流路切替機構30のマニホールド31内においては、第一バルブ軸61,第二バルブ軸62,第三バルブ軸63と連動する第一開閉弁71,第二開閉弁72,第三開閉弁73が構成される。
【0068】
そして、各カム41,42,43の回転角度に応じた各ロッド51,52,53が動作すると、この動作に第一バルブ軸61,第二バルブ軸62,第三バルブ軸63が連動し、開閉弁71,72,73の開閉が行われるようになっている。
【0069】
第一バルブ軸61に連動する第一開閉弁71の一次側は、給水ホース90を介して水道の蛇口92に接続され、第一開閉弁71の二次側は、ヘッド本体20の洗浄流路25へと接続される。
【0070】
第二バルブ軸62に連動する第二開閉弁72の一次側は、ガスホース94を介して炭酸ガスボンベ96に接続され、第二開閉弁72の二次側は、第三開閉弁73の一次側に接続される。
【0071】
第三バルブ軸63に連動する第三開閉弁73の一次側は、第二開閉弁72の二次側に接続され、第三開閉弁73の二次側は、ヘッド本体20の洗浄流路25へと接続される。
【0072】
次に、
図9及び
図10に示すヘッド本体20の構成について説明する。ヘッド本体20は、図において上下方向に貫通する筒孔部22を有し、その内壁面に対し密接して長手方向摺動可能な吐出管21が筒孔部22に挿入されている。吐出管21は、ヘッド本体20に設けた本体レバー12(
図5)によって図において上下方向に移動する。
【0073】
筒孔部22には、洗浄流路25(
図8)及びガス流路26(
図8)と通じる連通孔25a,26aがそれぞれ形成されており、吐出管21の上下位置に応じて、連通孔25a,26aの開閉が行われる。
【0074】
なお、洗浄流路25及びガス流路26は、
図8に示されており、洗浄流路25は、マニホールド31側に形成される洗浄流路31fに連通し、ガス流路26は、ガスホース94の分岐経路94aに連通される。
【0075】
また、
図9及び
図10に示すように、ヘッド本体20の下端部には、円環状のシールリング部38が設けられる一方、ビール樽3の注出口5には弁部材45を取り囲むように円環状のシールリング部48が形成されている。そして、ヘッド本体20のシールリング部38を、注出口5のシールリング部48に圧着させた状態において、両シールリング部38,48によって閉じられる密閉空間55が形成される。
【0076】
図9(A)(B)に示すように、ビールの注出が行なわれる通常時では、本体レバーの押し下げにより吐出管21が下方へ移動した状態となり、吐出管21の下端部にてビール樽3側の弁部材45がスプリング46に抗して下方へと押し下げられて、弁部材45によるビール樽3の密閉状態が開放されるとともに、吐出管21の流入口21bがビール樽3の内部と連通する。
【0077】
同時に、ガス流路と通じる連通孔26aが開放され、炭酸ガスがビール樽3の内部へと送り込まれる。この炭酸ガスのガス圧により、ビールが吐出管21の流入口21bへと圧送され、吐出管21に形成されるヘッド内注出流路41a、さらには、ビールホースを通じてビールサーバーへと送られる。
【0078】
また、この際、洗浄流路25と通じる連通孔25aは吐出管21の周面により閉鎖された状態となる。これにより、洗浄水などがビール樽3内や、ヘッド内注出流路41aに流入することを防止できるようになっている。
【0079】
このようにして、仮に本体レバーが下げられた状態において洗浄水が洗浄流路25に供給されてしまった場合においても、洗浄水が連通孔25aの部位からさらに下方へ移動してビール樽3内に混入してしまうことを防止できる。
【0080】
ここで、ビールの注出が行なわれる通常時では、本来洗浄水が供給されるものではないが、以上の構成であれば、本体レバーが下げられた状態にもかかわらず、何らかの原因で洗浄水がヘッド本体20側に供給される事態が生じてしまった場合であっても、ビール樽3内への洗浄水の混入を防止できることになる。
【0081】
このような防止の機能は、いわゆる「フェイルセーフ」機能を実現するものであり、作業ミスに伴うビール樽3内部への影響を防ぐ上で極めて有効な効果を発揮するものである。
【0082】
加えて、
図2に示す実施態様において、常時洗浄水が給水ホース90から供給される使い方がされる場合において、
図8に示される流路切替機構30の第一カムなどが損傷し、ヘッド本体20側に洗浄水が意図せずに供給された場合であっても、ビール樽内への洗浄水の混入を防止できる点で、優れた効果を発揮することになる。
【0083】
他方、洗浄水を用いた洗浄を行う洗浄時では、
図10(A)(B)に示すように、本体レバーが上げられて吐出管21が上方へ移動した状態では、吐出管21の下端部にてビール樽3側の弁部材45がスプリング46の付勢力にて上方へと押し下げられ、弁部材45によるビール樽3の密閉状態が確立される。
【0084】
同時に、洗浄流路と通じる連通孔25aが開放され、洗浄水が吐出管21と筒孔部22の間の隙間を通じて密閉空間55、及び、密閉空間55に位置する吐出管21の流入口21bへと案内され、吐出管21のヘッド内注出流路41a、さらには、ビールホースを通じてビールサーバーへと送られる。
【0085】
この際、ガス流路26と通じる連通孔26aは吐出管21の周面により閉鎖された状態となり、ヘッド内注出流路41a内に炭酸ガスが流入してしまうことがない。
【0086】
次に、
図11(A)乃至(D)に示す流路切替機構30の構成について説明する。
図11(A)乃至(D)の各図では、マニホールド31における縦方向の三位置における水平断面図が表されており、それぞれ、カム41,42,43、ロッド51,52,53、バルブ軸61,62,63が現れており、左から順に第一開閉弁71,第二開閉弁72,第三開閉弁73が示されている。
【0087】
第一開閉弁71は、第一バルブ軸61を摺動させることにより、マニホールド31に形成された洗浄水流路31a(一時側)と洗浄水流路31b(二時側)の流路の開閉を行う。
図8にも示されるように、洗浄水流路31aは給水ホースを介して水道の蛇口に接続され、洗浄水流路31bはヘッド本体20の洗浄流路25へと接続される。
【0088】
第一開閉弁71に対応する位置に配置される第一カム41は、凸面41aと凹面41bを有しており、第一カム41の回転角度に応じて凸面41aと凹面41bのいずれかがマニホールド31から突出される第一ロッド51に当接される。
【0089】
第一ロッド51は、ロッドスプリングにより図において左方向に付勢されており、第一カム41の凸面41aにより第一ロッド51がロッドスプリングに抗して押し込まれるようになっている。
【0090】
また、第一バルブ軸61は、バルブスプリングにより図において下方に付勢されており、第一ロッド51の先端部のボールが第一バルブ軸61の周溝部に押し込まれることで、バルブスプリングに抗して、第一バルブ軸61が上方位置に移動する。
【0091】
図11(A)に示すように、第一バルブ軸61が上方へ移動すると、洗浄水流路31aと洗浄水流路31bの流路が連通し、第一開閉弁71が開状態となる。
【0092】
他方、
図11(B),(C),(D)に示すように、第一カム41の角度が変更され凹面41bに第一ロッド51が当接すると、第一ロッド51の先端部のボールが第一バルブ軸61の周溝部から抜け出され、バルブスプリングによって第一バルブ軸61が下方位置に移動する。
【0093】
第一バルブ軸61が下方へ移動すると、洗浄水流路31aと洗浄水流路31bの流路の連通が遮断され、第一開閉弁71が閉状態となる(
図11(B),(C),(D))。
【0094】
第二開閉弁72は、第二バルブ軸62を摺動させることにより、マニホールド31に形成されたパージガス流路31c(一次側)と通じる流路の開閉を行う。パージガス流路31cはガスホースを介してガスボンベに接続される(
図8)。
【0095】
図11(A)に示すように、第二開閉弁72に対応する位置に配置される第二カム42は、凸面42aと凹面42bを有しており、第二カム42の回転角度に応じて凸面42aと凹面42bのいずれかがマニホールド31から突出される第二ロッド52に当接される。
【0096】
第二ロッド52は、ロッドスプリングにより図において左方向に付勢されており、第二カム42の凸面42aにより第二ロッド52がロッドスプリングに抗して押し込まれるようになっている。
【0097】
また、第二バルブ軸62は、バルブスプリングにより図において下方に付勢されており、第二ロッド52の先端部のボールが第二バルブ軸62の周溝部に押し込まれることで、バルブスプリングに抗して、第二バルブ軸62が上方位置に移動する。
【0098】
第二バルブ軸62が上方へ移動すると、パージガス流路31cに通じる流路が閉鎖され、第二開閉弁72が閉状態となる(
図11(A),(B))。
【0099】
他方、第二カム42の角度が変更され凹面42bに第二ロッド52が当接すると、第二ロッド52の先端部のボールが第二バルブ軸62の周溝部から抜け出され、バルブスプリングによって第二バルブ軸62が下方位置に移動する(
図11(C))。
【0100】
第二バルブ軸62が下方へ移動すると、パージガス流路31cに通じる流路が開放され、第二開閉弁72が開状態となる(
図11(C),(D))。
【0101】
第三開閉弁73は、第三バルブ軸63を摺動させることにより、マニホールド31に形成されたパージガス流路31d(二次側)と通じる流路の開閉を行う。パージガス流路31dはヘッド本体20の洗浄流路25に接続される(
図8)。
【0102】
第三開閉弁73に対応する位置に配置される第三カム43は、凸面43aと凹面43bを有しており、第三カム43の回転角度に応じて凸面43aと凹面43bのいずれかがマニホールド31から突出される第三ロッド53に当接される。
【0103】
第三ロッド53は、ロッドスプリングにより図において左方向に付勢されており、第三カム43の凸面43aにより第三ロッド53がロッドスプリングに抗して押し込まれるようになっている。
【0104】
また、第三バルブ軸63は、バルブスプリングにより図において下方に付勢されており、第三ロッド53の先端部のボールが第三バルブ軸63の周溝部に押し込まれることで、バルブスプリングに抗して、第三バルブ軸63が上方位置に移動する。
【0105】
第三バルブ軸63が上方へ移動すると、パージガス流路31dに通じる流路が開放され、第三開閉弁73が開状態となる(
図11(A),(B),(C))。
【0106】
他方、第三カム43の角度が変更され凹面43bに第三ロッド53が当接すると、第三ロッド53の先端部のボールが第三バルブ軸63の周溝部から抜け出され、バルブスプリングによって第三バルブ軸63が下方位置に移動する。
【0107】
第三バルブ軸63が下方へ移動すると、パージガス流路31dに通じる流路が閉鎖され、第三開閉弁73が閉状態となる(
図11(D))。
【0108】
また、第二開閉弁72と第三開閉弁73は、一連のガス供給流路を形成するものであり、マニホールド31において、第二開閉弁72と第三開閉弁73を連通させる流路31eが形成されており、マニホールド31のパージガス流路31cとパージガス流路31dが、第二開閉弁72、流路31e、第三開閉弁73を介して連通される。
【0109】
次に、
図12に示される洗浄作業の流れについて説明する。説明中の符号については適宜図面を参照することとする。
【0110】
前提として、
図8に示される構成において、ディスペンスヘッド1には、炭酸ガスボンベ96から炭酸ガスが供給され、給水ホース90からは洗浄水が供給された状態としている。また、ディスペンスヘッド1の本体レバー12は下げられた状態となっており、通常のビールの注出が可能な状態となっている。
【0111】
店舗営業終了後などに洗浄を行う場合には、まず、ディスペンスヘッド1の本体レバー12を上げる(ステップS1)。
【0112】
次いで、ディスペンスヘッド1の洗浄レバー14を下げつつ(ステップS2)、タイマーツマミ16を回転させる(ステップS3)ことで、洗浄工程が開始される。
【0113】
この洗浄は、
図13に示すように、各開閉弁71,72,73の開閉を機械式タイマー32にて切替えることで、洗浄ステップS4、切替ステップS5、水切りステップS6が順次行われる。
【0114】
機械式タイマー32は、
図13に示されるように、タイマーツマミ16を摘んで回転させて内部のゼンマイ機構を巻き上げることで起動され、時間の経過とともにタイマーツマミ16が水洗浄ダイアル位置16a、切替ダイアル位置16b、水切りダイアル位置16c、の順に回動し、洗浄の進行状況が目視できるようになっている。
【0115】
まず、洗浄ステップS4では、
図11(A)に示すように、各カム41,42,43の角度に応じて各開閉弁71,72,73の開閉が設定され、
図14(A)に示されるように、洗浄水Wが第一開閉弁71を通過し、ディスペンスヘッド1を通過し、ビールサーバー100へと供給される。また、第二開閉弁72が閉じられることで炭酸ガスGのディスペンスヘッド1への供給が停止される。また、第三開閉弁73については開かれた状態としている。
【0116】
これにより、ディスペンスヘッド1からビールサーバー100のコックにいたるまでの一連の飲料流路を洗浄水Wにより洗浄することができる。
【0117】
さらに、ディスペンスヘッド1を洗浄水Wが通過する際には、
図10(A)(B)に示すように、密閉空間55内にも洗浄水が供給されることで、この密閉空間55の洗浄も実施することができ、弁部材45の表面や、注出口5の内側表面も同時に洗浄することができる。
【0118】
以上の洗浄ステップS4は、例えば、150秒実施することが考えられる。機械式タイマー32の巻き量により、さらに長い時間、或いは、より短い時間実施することも可能である。つまり、任意に洗浄時間を設定することができる。
【0119】
次いで、機械式タイマー32のカウントが進行すると、洗浄ステップS4から切替ステップS5に自動的に切り替わる。この切替ステップS5では、
図11(B)に示すように、各カム41,42,43の角度に応じて各開閉弁71,72,73の開閉が設定され、
図14(B)に示されるように、第一開閉弁71が閉じられることで洗浄水Wのディスペンスヘッド1への供給が停止される。また、第二開閉弁72が閉じられることで炭酸ガスGのディスペンスヘッド1への供給が停止される。また、第三開閉弁73については開かれた状態としている。
【0120】
さらに、機械式タイマー32のカウントが進行すると、切替ステップS5から水切りステップS6に自動的に切り替わる。この水切りステップS6では、
図11(C)に示すように、各カム41,42,43の角度に応じて各開閉弁71,72,73の開閉が設定され、
図14(C)に示されるように、第一開閉弁71が閉じられることで洗浄水Wのディスペンスヘッド1への供給が停止されたままとなる。また、第二開閉弁72が開かれることで、第二開閉弁72を通じて炭酸ガスGが第三開閉弁73へ供給され、さらに、第三開閉弁73が開かれることで、炭酸ガスGがディスペンスヘッド1へと供給され、ビールサーバー100へと供給される。
【0121】
これにより、ディスペンスヘッド1からビールサーバー100のコックにいたるまでの一連の飲料流路について、炭酸ガスGによるガスパージがなされ、洗浄水を取り除く水切りが行われる。
【0122】
以上の水切りステップS6は、例えば、15秒実施することが考えられる。機械式タイマー32を指で摘んでカウントを早く進めることで、任意に時間実施を変更することも可能である。
【0123】
次いで、機械式タイマー32のカウントが進行すると、水切りステップS6が終了し、待機状態(ステップS7)に自動的に切り替わる。この待機状態では、
図11(D)に示すように、各カム41,42,43の角度に応じて各開閉弁71,72,73の開閉が設定され、
図14(D)に示されるように、第三開閉弁73が閉じられることで、炭酸ガスのディスペンスヘッド1への供給が停止される。また、第一開閉弁71が閉じられることで洗浄水のディスペンスヘッド1への供給が停止されたままとなる。
【0124】
以上のようにして、一連の洗浄作業を終了することができる。そして、再びビールの注出を行う際には、待機状態(ステップS7)から、ディスペンスヘッド1の本体レバー12を下げる(ステップS8)により、通常のビールの注出を行うことができるビール注出可能状態となる(ステップS9)。
【0125】
以上のように本発明を実施することができる。
即ち、
図1、
図3及び
図8に示すごとく、
ビールなどが充填された飲料容器に接続され、外部の飲料流路に飲料を送出するためのディスペンスヘッド1であって、
ディスペンスヘッド1には、
飲料容器内の飲料が流入するヘッド内注出流路41aと、
外部から洗浄水が流入する洗浄水流路31aと、
外部から炭酸ガスが流入するパージガス流路31cと、
流路切替により洗浄水流路31aとパージガス流路31cのいずれか一方をヘッド内注出流路41aと連通させる流路切替機構30が設けられ、
流路切替機構30には、流路切替を行うための機械式開閉弁(開閉弁71〜73)が設けられる、構成とするものである。
【0126】
これにより、例えば、水道の蛇口から供給される洗浄水をそのままディスペンスヘッド1のヘッド内注出流路41aを通じて、飲料流路へ供給し洗浄を実施することができ、また、流路切替を行うことで、炭酸ガスによるガスパージを実施することができる。このため、専用の洗浄容器を用いることが不要となり、ディスペンスヘッドの付け替えも不要となることから、作業の簡易化、短時間化を図ることができる。
【0127】
また、機械式開閉弁による流路切替が行われるため、電気的な故障が発生することもなく、電気的な制御装置が不要であって装置を安価に構成することもできる。特に、厨房などの水気が多い環境においても、故障の発生確率を低く抑えることができ、耐用年数の長期化も図ることができる。
【0128】
また、
図3及び
図4に示すように、ディスペンスヘッド1には洗浄ロック機構(洗浄レバー14、ロックピン34)が設けられ、
洗浄ロック機構によるロックが解除された際に、流路切替機構30の流路切替の操作が許容される、こととするものである。
【0129】
これにより、意図せぬ流路切替による洗浄の実施が規制される。特に、本願発明の構成では、洗浄水が常時ディスペンスヘッド1に供給される運用がなされることも想定されるため、誤操作がされると飲料流路に洗浄水が混入してしまうことが懸念される。洗浄ロック機構を備えることにより、このような誤操作を確実に防止できる。
【0130】
また、
図9(A)(B)に示すように、ディスペンスヘッド1にはヘッド内注出流路41aと飲料容器(ビール樽3)の連通/非連通を切替える容器連通切替機構となる本体レバー12が設けられ、
容器連通切替機構によりヘッド内注出流路41aと飲料容器が連通する状態において、ヘッド内注出流路41aと洗浄水流路31aの連通が遮断される、こととするものである。
【0131】
これにより、ヘッド内注出流路41aを介して洗浄水が飲料容器内に流入してしまうことが防止され、飲料に洗浄水が混入することを防止することができる。例えば、本明細書中に記載される実施例のように、ディスペンスヘッド1の飲料容器に対する固定を行うための本体レバー12の操作によって、ヘッド内注出流路41aと飲料容器の連通がなされる構成の場合には、洗浄時には、本体レバー12を上げてヘッド内注出流路41aと飲料容器を非連通としなければならないが、この操作を忘れるなどした場合であっても、飲料容器内への洗浄水の混入を防止することができ、いわゆるフェイルセーフ機能を実現することができる。
【0132】
また、
図7に示すように、容器連通切替機構となる本体レバー12が規定の位置にあって(上げられた状態)、ヘッド内注出流路41aと飲料容器(ビール樽3)が非連通である場合に、洗浄ロック機構(洗浄レバー14)によるロック解除が許容される、こととするものである。
【0133】
これにより、ヘッド内注出流路41aと飲料容器(ビール樽3)が連通された状態で、洗浄が開始され、洗浄水が飲料容器に混入してしまうことを防止できる。
【0134】
また、
図10(A)(B)に示すように、
ディスペンスヘッド1は、飲料容器の注出口5に取り付けられるものであり、
容器連通切替機構によりヘッド内注出流路41aが連通しない状態において、ヘッド内注出流路41aと注出口5の間に密閉空間55が形成される、こととするものである。
【0135】
これにより、洗浄時においては、密閉空間55内の洗浄やガスパージを同時に実施することができる。
【0136】
また、
図6及び
図8に示すように、流路切替機構30は、機械式タイマー32を備え、機械式タイマー32と連動する機械式機構によって機械式開閉弁(開閉弁71〜73)が操作される、こととするものである。
【0137】
これにより、流路切替を自動的に行うことができ、優れた作業性を実現できる。また、機械式タイマー32を使用することで構造がシンプルであり、製作コストやメンテナンス費用を低く抑えることができる。
【0138】
また、
図6及び
図8に示すように、機械式タイマー32は、ゼンマイバネを用いたバネ機構で構成され、機械式タイマー32と連動する機械式機構はカム機構で構成され、回転するカムの角度に応じて機械式開閉弁(開閉弁71〜73)が操作される、こととするものである。
【0139】
これにより、時間経過に伴ってカムの角度や形状(プロファイル)に応じた流路切替を実現させることができ、また、カムの角度や形状(プロファイル)の設定、設計により、流路切替のタイミングの設定が容易に行える。
【0140】
また、
図12乃至
図14に示すように、機械式タイマー32による流路切替により、少なくとも洗浄ステップ、水切りステップが実施されるものであり、洗浄ステップでは、飲料流路の水洗浄が実施され、水切りステップでは炭酸ガスによる飲料流路のパージが行われる、こととするものである。
【0141】
これにより、水洗浄と炭酸ガスによるガスパージを自動に切替えて実施することができる。
【0142】
図14(D)に示すように、流路切替機構30は、水切りステップの終了後、ヘッド内注出流路41aに対する洗浄水流路31a及びパージガス流路31cの連通を遮断する、こととするものである。
【0143】
これにより、水切りステップの終了後は、洗浄水流路31a及びパージガス流路31cを通じたヘッド内注出流路41aへの洗浄水及び炭酸ガスの供給が停止され、洗浄作業を自動的に終了することができる。