特許第6357297号(P6357297)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6357297表示制御プログラム、表示制御方法、表示装置および印刷システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6357297
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】表示制御プログラム、表示制御方法、表示装置および印刷システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20180702BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20180702BHJP
   B41J 21/00 20060101ALI20180702BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20180702BHJP
   G09F 3/00 20060101ALI20180702BHJP
   H04N 1/387 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
   G06F3/12 356
   B41J3/36 T
   B41J21/00 Z
   B41J29/38 Z
   G09F3/00 G
   H04N1/387
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-81902(P2013-81902)
(22)【出願日】2013年4月10日
(65)【公開番号】特開2014-203423(P2014-203423A)
(43)【公開日】2014年10月27日
【審査請求日】2016年3月14日
【審判番号】不服2017-13681(P2017-13681/J1)
【審判請求日】2017年9月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000129437
【氏名又は名称】株式会社キングジム
(74)【代理人】
【識別番号】110001623
【氏名又は名称】特許業務法人真菱国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平林 尚史
(72)【発明者】
【氏名】笠原 実
(72)【発明者】
【氏名】渡部 純平
【合議体】
【審判長】 千葉 輝久
【審判官】 安久 司郎
【審判官】 松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−177931(JP,A)
【文献】 特開2012−163853(JP,A)
【文献】 特開2010−149465(JP,A)
【文献】 特開2007−166009(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/12,B41J29/00,H04N1/00,G03G15/00-21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルのサイズを設定するユーザーからの操作を受け付けるステップと、
印刷媒体に印刷画像が印刷された前記ラベルが貼付される貼付箇所の画像である貼付箇所画像と、前記ラベルのプレビュー画像と、を重ね合わせた合成画像を、表示部に表示する表示ステップと、
前記合成画像を前記表示部に表示した状態で、前記貼付箇所画像に対する前記プレビュー画像の相対サイズを変化させるユーザーからの操作を受け付ける操作ステップと、
前記操作ステップにおける前記相対サイズを変化させる操作に基づいて、変化した前記合成画像を前記表示部に表示する表示変化ステップと、
前記操作ステップにおける前記相対サイズを変化させる操作により前記ラベルのサイズの設定値を変更することなく、印刷データを作成するステップと、
をコンピューターに実行させることを特徴とする表示制御プログラム。
【請求項2】
前記操作ステップにおいて、前記印刷媒体が矩形状である場合に、前記合成画像の変化として、前記プレビュー画像を台形変化させるユーザーからの操作を受け付け
前記表示変化ステップにおいて、前記操作ステップにおける前記プレビュー画像を台形変化させる操作に基づいて、変化した前記合成画像を前記表示部に表示することを、前記コンピューターに実行させることを特徴とする請求項1に記載の表示制御プログラム。
【請求項3】
ラベルのサイズを設定するユーザーからの操作を受け付けるステップと、
印刷媒体に印刷画像が印刷された前記ラベルが貼付される貼付箇所の画像である貼付箇所画像と、前記ラベルのプレビュー画像と、を重ね合わせた合成画像を、表示部に表示する表示ステップと、
前記合成画像が前記表示部に表示された状態で、前記貼付箇所画像に対する前記プレビュー画像の相対サイズを変化させるユーザーからの操作を受け付ける操作ステップと、
受け付けた前記相対サイズを変化させる操作に基づいて、変化した前記合成画像を前記表示部に表示する表示変化ステップと、
前記操作ステップにおける前記相対サイズを変化させる操作により前記ラベルのサイズの設定値を変更することなく、印刷データを作成するステップと、
を実行することを特徴とする表示制御方法。
【請求項4】
表示部と、
印刷媒体に印刷画像が印刷されたラベルが貼付される貼付箇所の画像である貼付箇所画像と、前記ラベルのプレビュー画像と、を重ね合わせた合成画像を、前記表示部に表示する表示制御部と、
前記ラベルのサイズを設定するユーザーからの操作と、前記合成画像が前記表示部に表示された状態で、前記貼付箇所画像に対する前記プレビュー画像の相対サイズを変化させるユーザーからの操作と、を受け付ける操作部と、
前記操作部が受け付けた前記相対サイズを変化させる操作により前記ラベルのサイズの設定値を変更することなく、印刷データを作成する印刷データ作成部と、を備え、
前記表示制御部は、前記操作部が受け付けた前記相対サイズを変化させる操作に基づいて、変化した前記合成画像を前記表示部に表示することを特徴とする表示装置。
【請求項5】
成された前記印刷データを出力するデータ出力部、をさらに備えたことを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【請求項6】
請求項に記載の表示装置と、
出力された前記印刷データに基づいて、前記印刷媒体に前記印刷画像を印刷する印刷装置と、
を備えたことを特徴とする印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベルが貼付される貼付箇所の画像と、ラベルのプレビュー画像と、を重ね合わせた合成画像を表示部に表示するための表示制御プログラム、表示制御方法、表示装置および印刷システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、撮影部と、撮影部で撮影された画像を表示させるタッチパネル表示部とを備え、ラベルが貼付される貼付箇所の画像と印刷前のラベルのプレビュー画像とを合わせてタッチパネル表示部に表示させてラベルを作成する印字装置が知られている。この印字装置は、タッチパネル表示部に表示された貼付箇所画像の縮尺に合せてプレビュー画像を表示することで、ラベルの印刷前に、実際と同様のサイズバランスで、貼付箇所にラベルが貼付された貼付イメージをユーザーが確認可能とするものである(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−166511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユーザーが、貼付箇所とラベルとのサイズバランスをさほど考慮せずに、文字入力およびフォントサイズの設定等を行う場合もある。この場合、ユーザーが、従来の印字装置(印刷装置)を用いて、貼付箇所画像とプレビュー画像とをタッチパネル表示部に表示してみたら、貼付箇所画像とプレビュー画像とのサイズバランスが良くなかった、ということもあり得る。しかしながら、従来の印字装置では、貼付箇所画像に対するプレビュー画像の相対サイズを変更することができなかった。このため、タッチパネル表示部に表示された貼付箇所画像とプレビュー画像とのサイズバランスが良くない場合にも、改めて文字入力およびフォントサイズの設定等を行わない限り、貼付箇所画像とプレビュー画像とのサイズバランスを調整することができなかった。したがって、ユーザーは、ラベルの印刷前に、貼付箇所画像とプレビュー画像とのサイズバランスが調整された貼付イメージを確認することができなかった。
【0005】
本発明は、表示部に表示された貼付箇所画像とプレビュー画像とのサイズバランスを容易に調整可能とする表示制御プログラム、表示制御方法、表示装置および印刷システムを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の表示制御プログラムは、ラベルのサイズを設定するユーザーからの操作を受け付けるステップと、印刷媒体に印刷画像が印刷されたラベルが貼付される貼付箇所の画像である貼付箇所画像と、ラベルのプレビュー画像と、を重ね合わせた合成画像を、表示部に表示する表示ステップと、合成画像を表示部に表示した状態で、貼付箇所画像に対するプレビュー画像の相対サイズを変化させるユーザーからの操作を受け付ける操作ステップと、操作ステップにおける相対サイズを変化させる操作に基づいて、変化した合成画像を表示部に表示する表示変化ステップと、操作ステップにおける相対サイズを変化させる操作によりラベルのサイズの設定値を変更することなく、印刷データを作成するステップと、をコンピューターに実行させることを特徴とする。
【0007】
本発明の表示制御方法は、ラベルのサイズを設定するユーザーからの操作を受け付けるステップと、印刷媒体に印刷画像が印刷されたラベルが貼付される貼付箇所の画像である貼付箇所画像と、ラベルのプレビュー画像と、を重ね合わせた合成画像を、表示部に表示する表示ステップと、合成画像が表示部に表示された状態で、貼付箇所画像に対するプレビュー画像の相対サイズを変化させるユーザーからの操作を受け付ける操作ステップと、受け付けた相対サイズを変化させる操作に基づいて、変化した合成画像を表示部に表示する表示変化ステップと、操作ステップにおける相対サイズを変化させる操作によりラベルのサイズの設定値を変更することなく、印刷データを作成するステップと、を実行することを特徴とする。
【0008】
本発明の表示装置は、表示部と、印刷媒体に印刷画像が印刷されたラベルが貼付される貼付箇所の画像である貼付箇所画像と、ラベルのプレビュー画像と、を重ね合わせた合成画像を、表示部に表示する表示制御部と、ラベルのサイズを設定するユーザーからの操作と、合成画像が表示部に表示された状態で、貼付箇所画像に対するプレビュー画像の相対サイズを変化させるユーザーからの操作と、を受け付ける操作部と、操作部が受け付けた相対サイズを変化させる操作によりラベルのサイズの設定値を変更することなく、印刷データを作成する印刷データ作成部と、を備え、表示制御部は、操作部が受け付けた相対サイズを変化させる操作に基づいて、変化した合成画像を表示部に表示することを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、合成画像が表示部に表示された状態で、ユーザーが貼付箇所画像に対するプレビュー画像の相対サイズを変化させる操作を行うと、該相対サイズの変化した合成画像が表示部に表示される。このため、ユーザーは、表示部に表示された合成画像を確認しながら、貼付箇所画像とプレビュー画像とのサイズバランスを変化させることができる。したがって、ユーザーが、表示部に表示された貼付箇所画像とプレビュー画像とのサイズバランスを容易に調整することができる。これゆえ、ユーザーは、ラベルの印刷前に、貼付箇所画像とプレビュー画像とのサイズバランスが調整された貼付イメージを確認することができる。
【0010】
上記の表示制御プログラムにおいて、操作ステップにおいて、印刷媒体が矩形状である場合に、合成画像の変化として、プレビュー画像を台形変化させるユーザーからの操作を受け付け、表示変化ステップにおいて、操作ステップにおけるプレビュー画像を台形変化させる操作に基づいて、変化した合成画像を表示部に表示することを、コンピューターに実行させることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、合成画像が表示部に表示された状態で、ユーザーがプレビュー画像を台形変化させる操作を行うと、台形変化したプレビュー画像が表示部に表示される。このため、ユーザーは、表示部に表示された合成画像を確認しながら、プレビュー画像を台形変形させることができる。したがって、表示部に表示された貼付箇所画像の台形歪み量と、プレビュー画像の台形歪み量とが異なる場合にも、両者の台形歪み量が一致するように、プレビュー画像を台形変形することができ、合成画像を違和感のないものとすることができる。
【0013】
上記の表示装置において、作成された印刷データを出力するデータ出力部、をさらに備えたことが好ましい。
【0015】
本発明の印刷システムは、上記の表示装置と、出力された印刷データに基づいて、印刷媒体に印刷画像を印刷する印刷装置と、を備えたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る印刷システムの構成図である。
図2】印刷システムの制御構成を示すブロック図である。
図3】印刷システムを構成する携帯端末において専用アプリケーションを起動した際に、ディスプレイに表示されるメイン画面を示す図である。
図4】携帯端末のディスプレイに表示される印刷プレビュー画面を示す図である。
図5】(a)は、貼付箇所画像とプレビューが画像とを重ね合わせた合成画像の一例を示す図、(b)は、ユーザーが貼付箇所を撮像している様子を示す図である。
図6】(a)は、図5(a)からプレビュー画像を縮小させた合成画像の図であり、(b)は、図5(a)からプレビュー画像を等倍表示させた合成画像の図である。
図7】(a)は、貼付箇所画像とプレビューが画像とを重ね合わせた合成画像の他の例を示す図、(b)は、ユーザーが貼付箇所を撮像している様子を示す図である。
図8】(a)は、図7(a)からプレビュー画像を縮小させた合成画像の図であり、(b)は、図8(a)からプレビュー画像を台形変形させた合成画像の図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面を参照して、本発明の表示制御プログラム、表示制御方法、表示装置および印刷システムに係る一実施形態について説明する。
【0019】
図1に示すように、本実施形態の印刷システム1は、表示装置としての携帯端末2と、テープ印刷装置3とから構成されている。テープ印刷装置3は、例えばUSB(Universal Serial Bus)ケーブル4で接続された無線LAN(Local Area Network)ルーター5を介して、携帯端末2と通信可能に無線接続されている。すなわち、無線LANルーター5は、プリントサーバーとして機能している。もちろん、テープ印刷装置3と携帯端末2とを、無線LANルーター5を介さず、無線或いは有線で、直接接続可能な構成としてもよい。
【0020】
携帯端末2には、後述するテキスト編集から印刷データ出力までの一連の処理を行うための専用アプリケーションがインストールされている。携帯端末2は、ユーザーが専用アプリケーションを用いて編集した印刷画像の印刷データを、テープ印刷装置3に送信する。テープ印刷装置3は、携帯端末2から受信した印刷データに基づいて、テープ状部材6に印刷を行い、ラベルを作成する。専用アプリケーションは、所定のサーバー(Webサイト)からダウンロードされる。なお、専用アプリケーションを、各種記録媒体(CD−ROM、フラッシュメモリー等)に格納して提供することも可能である。
【0021】
携帯端末2は、タブレット端末やスマートフォンであり、タッチパネル式ディスプレイ7およびカメラモジュール15(撮像レンズ8)を備えている。詳細は後述するが、携帯端末2は、カメラモジュール15が撮像した画像(貼付箇所画像42)に、ラベルのプレビュー画像35を重ね合わせて、タッチパネル式ディスプレイ7に表示するようになっている(図5等参照)。
【0022】
テープ印刷装置3は、カートリッジ9が着脱可能に構成されている。カートリッジ9は、テープ状部材6と、図示しないインクリボンと、プラテンローラーと、これらを収容したカートリッジケースとで構成されている。テープ印刷装置3は、携帯端末2から受信した印刷データに基づいて、カートリッジ9からテープ状部材6をテープ排出口11に向けて繰り出しつつ、印刷処理を行う。テープ状部材6の印刷済み部分は、テープ印刷装置3に備えられたテープカッター19(図2参照)により、或いは、装置外のハサミ等により、切り離される。切り離されたテープ片は、ラベルとして用いられる。なお、カートリッジ9には、テープ状部材6のテープ幅等が異なる複数種のものが用意されている。また、テープ状部材6は、例えば、剥離紙付きの粘着テープである。
【0023】
次に、図2を参照し、印刷システム1の制御構成について説明する。携帯端末2は、上記のタッチパネル式ディスプレイ7を構成するディスプレイ13(表示部)およびタッチパネル14(操作部)と、カメラモジュール15と、端末側インターフェース16と、端末側制御部17とを備えている。
【0024】
ディスプレイ13は、端末側制御部17からの制御信号に基づいて、各種画像を表示する。タッチパネル14は、ディスプレイ13上に設けられ、ユーザーからの画面上に対するタッチ操作(いわゆる、タップ、フリップ、ピンチ、ドラッグなど)を検出し、検出結果を端末側制御部17に出力する。
【0025】
カメラモジュール15は、撮像レンズ8およびイメージセンサーなどから構成されており、静止画および動画を撮像(撮影)し、得られた画像信号を端末側制御部17に出力する。
【0026】
端末側インターフェース16(データ出力部)は、無線LANルーター5との間で無線通信を行うためのものであり、印刷データを出力するほか、各種コマンドやステータスの送受信を行う。
【0027】
端末側制御部17は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成されている。ROMには、制御プログラムや上記の専用アプリケーションが記憶されている。CPUは、ROMに記憶された制御プログラムや専用アプリケーションに従って、各種演算処理を行う。RAMは、CPUが各種演算処理を行う際のワークエリアとして用いられる。
【0028】
一方、テープ印刷装置3は、送りモーター20と、印刷ヘッド18と、テープカッター19と、カッターモーター21と、装置側インターフェース22と、装置側制御部23とを備えている。
【0029】
送りモーター20は、装着されたカートリッジ9のプラテンローラーを回転駆動する。印刷ヘッド18は、サーマル方式のものである。印刷ヘッド18およびプラテンローラーが協働して、相互間に挟み込んだテープ状部材6およびインクリボンを繰り出して送りつつ、テープ状部材6に印刷を行う。テープカッター19は、送られてきたテープ状部材6をテープ幅方向に切断する。カッターモーター21は、テープカッター19を切断動作させる。
【0030】
装置側インターフェース22は、USBインターフェースなどにより構成され、印刷データを受信するほか、各種コマンドやステータスの送受信を行う。装置側制御部23は、CPU、ROMおよびRAM等から成り、テープ印刷装置3の各部を制御する。
【0031】
以上のように構成された印刷システム1において、携帯端末2では、テキスト編集後、ユーザーが印刷実行を指示すると、端末側制御部17が印刷データを生成し、生成した印刷データが端末側インターフェース16から出力される。テープ印刷装置3では、装置側制御部23が、受信した印刷データに基づいて、送りモーター20および印刷ヘッド18を駆動制御する。これにより、テープ状部材6に対して印刷画像が印刷される。また、装置側制御部23は、印刷データに基づいて、カッターモーター21を駆動制御する。これにより、テープカッター19が、送られてきたテープ状部材6の印刷済み部分を切り離す。このようにして、テープ印刷装置3は、所望の印刷画像が印刷されたラベルを作成する。
【0032】
続いて、図3ないし図8を参照して、携帯端末2が実行するテキスト編集から印刷データ出力までの一連の処理について詳細に説明する。まず、ユーザーが専用アプリケーションを起動すると、端末側制御部17は、メイン画面24をディスプレイ13に表示する(図3参照)。
【0033】
メイン画面24には、テキスト編集領域25、テープ長設定領域26、テープ幅設定領域27、文字サイズ設定領域28、ツールバー29などが設けられている。
【0034】
テキスト編集領域25は、ユーザーが印刷しようとするテキストの編集を行うための領域である。例えば、ユーザーがテキスト編集領域25をタップすることで、ソフトウェアキーボード(図示省略)が表示され、テキスト編集が可能となる。ここでは、「Sample」と入力・編集されたものとする。
【0035】
テープ長設定領域26は、テープ長(ラベルの長さ)を設定するための領域であり、テキストの長さ(文字数)に応じてテープ長が変わる「自動」と、ユーザーが指定した長さにテープ長が固定される「固定」とが選択可能となっている。
【0036】
テープ幅設定領域27は、テープ幅(ラベルの幅)を設定するための領域であり、用意されている複数種のテープ幅のなかから、使用するテープ幅に合わせて選択可能となっている。
【0037】
文字サイズ設定領域28は、印刷される文字のサイズを設定するための領域であり、「大」「中」「小」の3種類から選択可能となっている。
【0038】
ツールバー29には、印刷実行を指示するための印刷アイコン31、プレビュー表示を行うためのプレビューアイコン32などが設けられている。
【0039】
ユーザーが、テキスト編集およびテープ長等の設定の後、プレビューアイコン32をタップすると、端末側制御部17は、印刷プレビュー画面33をディスプレイ13に表示する。印刷プレビュー画面33では、無地一色の背景画像34の中央に、ラベルのプレビュー画像35が表示される。
【0040】
また、印刷プレビュー画面33には、保存ボタン36、カメラON/OFFボタン37、色設定ボタン38、終了ボタン39が設けられている。保存ボタン36は、写真(静止画)を撮像・保存するためのものである。カメラON/OFFボタン37は、後述するように、カメラモジュール15を起動するためのものである。色設定ボタン38は、プレビュー画像35におけるテープ色および文字色を変更するためのものである。終了ボタン39は、印刷プレビュー画面33を閉じて、メイン画面24に戻るためのものである。
【0041】
ここで、端末側制御部17は、プレビュー画像35を、メイン画面24において設定されたテープ長およびテープ幅に基づいたサイズ、例えば実寸大に表示する(図4参照)。なお、テープ長設定領域26において、「自動」と設定された場合には、端末側制御部17が、テキスト編集領域25に入力されたテキストの長さと、文字サイズ設定領域28において設定された文字サイズとから、テープ長を算出する。
【0042】
続いて、ユーザーが、ラベルが貼付される貼付箇所41(例えば、ディスプレイ装置の表示面とは反対側の面)に、カメラモジュール15の撮像レンズ8を向けた状態(図5(b)参照)で、カメラON/OFFボタン37をタップすると、端末側制御部17は、カメラモジュール15を起動する。そして、端末側制御部17は、印刷プレビュー画面33において、背景画像34を、カメラモジュール15が撮像している貼付箇所画像42(リアルタイム画像)に切り換えると共に、等倍表示ボタン43を表示する(図5(a)参照)。すなわち、ディスプレイ13には、プレビュー画像35と、貼付箇所画像42とを重ね合わせた合成画像44が表示される。
なお、ユーザーは、以下の操作を、リアルタイム画像のまま行ってもよく、保存ボタン36をタップして撮像・保存した静止画上で行ってもよい。
【0043】
端末側制御部17は、合成画像44をディスプレイ13に表示した状態において、プレビュー画像35を変形させるためのタッチパネル14へのタッチ操作を受け付ける。そして、端末側制御部17は、タッチパネル14が検出したユーザーのタッチ操作に基づいて、変形させたプレビュー画像35をディスプレイ13に表示する。
【0044】
プレビュー画像35を変形させる操作としては、プレビュー画像35を拡大縮小させるためのプレビュー画像35に対するタッチ操作と、プレビュー画像35を等倍表示するための等倍表示ボタン43に対するタッチ操作と、プレビュー画像35を台形変形させるためのプレビュー画像35に対するタッチ操作とがある。
【0045】
ユーザーがプレビュー画像35を拡大縮小させるためのプレビュー画像35に対するタッチ操作(例えば、プレビュー画像35の角部や辺をグリッド等)を行うことで、例えば、合成画像44において、実寸大で表示されたプレビュー画像35が、貼付箇所画像42に対して大きすぎた場合にも(図5(a)参照)、プレビュー画像35を縮小させて表示することができる(図6(a)参照)。
【0046】
また、プレビュー画像35を等倍表示するための等倍表示ボタン43に対するタッチ操作(タップ等)を行うことで、貼付箇所画像42の表示倍率と同じ表示倍率で、プレビュー画像35を表示することができる。すなわち、ユーザーにより等倍表示ボタン43がタップされると、端末側制御部17は、貼付箇所画像42の表示倍率を算出する。そして、端末側制御部17は、算出した貼付箇所画像42の表示倍率と同じ表示倍率で、プレビュー画像35をディスプレイ13に表示する(図6(b)参照)。
なお、この表示倍率は、例えば、撮像レンズ8を構成するフォーカスレンズの位置から撮像距離を求め、求めた撮像距離と撮像画角とから、撮像距離における撮像範囲の寸法を求め、さらに、求めた撮像範囲の寸法とディスプレイ13の表示範囲の寸法との比を求めることで、算出することが可能である。
【0047】
ユーザーは、プレビュー画像35を等倍表示させた後においても、プレビュー画像35をさらに変形させることが可能である。例えば、等倍表示させたプレビュー画像35が、貼付箇所画像42に対して小さすぎた場合には(図6(b)参照)、ユーザーがプレビュー画像35を拡大させるタッチ操作することで、プレビュー画像35を拡大させて表示することができる(図6(a)参照)。
【0048】
このように、合成画像44がディスプレイ13に表示された状態で、ユーザーがプレビュー画像35を拡大縮小或いは等倍表示させる操作を行うことで、貼付箇所画像42に対するプレビュー画像35の相対サイズが変化した合成画像44をディスプレイ13に表示する。このため、ユーザーは、ディスプレイ13に表示された合成画像44を確認しながら、貼付箇所画像42とプレビュー画像35とのサイズバランスを変化させることができる。したがって、ユーザーが、ディスプレイ13に表示された貼付箇所画像42とプレビュー画像35とのサイズバランスを容易に調整することができる。これゆえ、ユーザーは、ラベルの印刷前に、貼付箇所画像42とプレビュー画像35とのサイズバランスが調整された貼付イメージを確認することができる。
なお、本実施形態では、プレビュー画像35を拡大縮小させたが、貼付箇所画像42を拡大縮小させることで、貼付箇所画像42に対するプレビュー画像35の相対サイズを変化させるようにしてもよい。
【0049】
サイズバランスの調整・確認後、ユーザーが、印刷プレビュー画面33において、終了ボタン39をタップすると、端末側制御部17は、印刷プレビュー画面33を閉じ、メイン画面24を再びディスプレイ13に表示する(図3参照)。続いて、ユーザーが、印刷アイコン31をタップすると、端末側制御部17は、印刷データを作成する。
【0050】
ここで、端末側制御部17は、印刷データを、メイン画面24において設定されたテープ長およびテープ幅に基づいたサイズで作成する。例えば、メイン画面24において設定されたテープ長が350mmでテープ幅が100mmの場合、ラベルのサイズもテープ長が350mmでテープ幅が100mmとなるように、印刷データを作成する。
【0051】
もっとも、端末側制御部17は、メイン画面24において設定されたテープ長およびテープ幅にかかわらず、貼付箇所41とラベルとのサイズ比が、相対サイズの変化後における貼付箇所画像42とプレビュー画像35とのサイズ比と等しくなるように、印刷データを作成してもよい。
【0052】
例えば、端末側制御部17は、貼付箇所画像42の表示倍率と、タッチ操作による拡大縮小直前のプレビュー画像35の表示倍率と、プレビュー画像35の拡大縮小率とに基づいて、ラベルサイズの変化率を算出し、算出したラベルサイズの変化率に基づいて印刷データを作成する。より具体的には、60%の表示倍率で表示されている貼付箇所画像42に対し、実寸表示(100%の表示倍率)で表示されているプレビュー画像35を、タッチ操作によりテープ長を90%のサイズに縮小した場合、端末側制御部17は、ラベルサイズ(テープ長)の変化率を150%(0.9/(0.6/1)=1.5)と算出する。この場合、メイン画面24において設定されたテープ長が350mmだとすると、端末側制御部17は、実際のテープ長が525mmとなるように、印刷データを作成する。これにより、貼付箇所画像42とプレビュー画像35とのサイズバランスの調整結果を反映したサイズのラベルを印刷することが可能となる。なお、テープ長に加えてテープ幅を最適なテープ幅に変更するようにしてもよい。
【0053】
さらに、プレビュー画像35を変形させる操作として、プレビュー画像35を台形変形させるためのプレビュー画像35に対するタッチ操作(例えば、プレビュー画像35の角部をドラッグ等)を行うことで、プレビュー画像35を台形変形させることも可能である。
【0054】
より具体的には、合成画像44において、プレビュー画像35が矩形状に表示されているのに対し、貼付箇所41を斜めから撮像したために(図7(b)参照)、貼付箇所画像42が台形に歪んでいる場合があり得る(図7(a)および図8(a)参照)。このような場合にも、プレビュー画像35が貼付箇所画像42と同等の台形歪み量となるように、ユーザーがプレビュー画像35を台形変形させるタッチ操作をすることで、プレビュー画像35を台形変形させて表示することができる(図8(b)参照)。
なお、印刷プレビュー画面33に、台形変形を行うためのボタン等を表示し、そのボタンをタップすることで、端末側制御部17が自動的にプレビュー画像35を台形変形するようにしてもよい。
【0055】
このように、合成画像44がディスプレイ13に表示された状態で、ユーザーがプレビュー画像35を台形変化させる操作を行うと、台形変化したプレビュー画像35がディスプレイ13に表示される。このため、ユーザーは、ディスプレイ13に表示された合成画像44を確認しながら、プレビュー画像35を台形変形させることができる。したがって、ディスプレイ13に表示された貼付箇所画像42の台形歪み量と、プレビュー画像35の台形歪み量とが異なる場合にも、両者の台形歪み量が一致するように、プレビュー画像35を台形変形することができ、合成画像44を違和感のないものとすることができる。
【0056】
以上のように、本実施形態の印刷システム1によれば、ディスプレイ13に表示された貼付箇所画像42とプレビュー画像35とのサイズバランスを容易に調整することができる。なお、印刷媒体としては、テープ状部材6に限らず、PPC(Plain Paper Copier)用紙など所定サイズのものであってもよい。また、貼付箇所画像42は、携帯端末2が備えたカメラモジュール15により撮像したものである必要はなく、他の撮像装置により撮像したものを携帯端末2のディスプレイ13に表示するようにしてもよい。さらに、表示装置としては、携帯端末2に限らず、ディスプレイ(表示部)を備えたパソコンなどであってもよい。また、本実施形態では、印刷システム1として、携帯端末2が生成した印刷データをテープ印刷装置3に送信する構成を採用したが、これに限定されるものではなく、スタンドアロンで画像編集から印刷/切断処理まで行うテープ印刷装置3により、印刷システム1を構成してもよい。
【符号の説明】
【0057】
1:印刷システム、2:携帯端末、3:テープ印刷装置、13:ディスプレイ、14:タッチパネル、15:カメラモジュール、35:プレビュー画像、42:貼付箇所画像、44:合成画像
図1
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図8