(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施例について詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施例の部品積載装置(3)が装着された電子部品の包装システムの構成を概略的に示す斜視図である。
【0016】
図1に示された実施例の電子部品包装システム(100)は、個々の単位で製造が完了した大量の電子部品の供給を受け、不良品を検出し、品質が良好な電子部品(良品)のみを選別した後、選別された電子部品を正確に配置された姿勢でトレイに積載する機能を実行する装置である。
【0017】
電子部品の包装システム(100)は、制御用ソフトウェアを備えたコンピュータや、一つの半導体チップに製作された中央処理装置(CPU)や、各種半導体チップを有するプリント回路基板のような制御部によって制御されることにより、様々な構成要素を動作させることができる。以下で説明される電子部品の包装システム(100)の各構成要素の動作の制御は、制御部によって行われる。
【0018】
電子部品の包装システム(100)の基板部(101)には、Y軸に平行な方向に延長する第1ガイド(102)が配置される。第1ガイド(102)には、部品積載装置(3)が第1ガイド(102)に沿って移動可能に配置される。部品積載装置(3)は、第1ガイド(102)に設けられた駆動部(103)から供給される動力により第1ガイド(102)に沿って移動することができる。
【0019】
部品積載装置(3)は、部品供給ロボット(107)から供給された電子部品が積載される積載板(320)を備える。部品供給部(108)は、製造が完了した複数の電子部品を一時的に収納する機能を有する。部品供給部(108)には、作業者が手動で電子部品を供給することがあり、別個の電源装置(ロボット)によって電子部品が供給されることもある。
【0020】
図2は
図1の電子部品の包装システムの動作状態を示した斜視図である。
【0021】
部品供給ロボット(107)が部品供給部(108)に収納された電子部品を吸着して部品積載装置(3)の積載板(320)に供給すると、部品積載装置(3)が第1ガイド(102)に沿って、第1のカメラ(110)の位置に移動する。
【0022】
第1のカメラ(110)は、積載板(320)の表面に置かれている複数の電子部品の画像を撮影する。電子部品の包装システム(100)の制御部は、第1のカメラ(110)の撮影画像を利用して、複数の電子部品のそれぞれのX軸とY軸の位置と、回転した角度(θ)を算出することができる。第1のカメラ(110)は、第4ガイド(150)に沿ってX軸に平行な方向に移動することができる。
【0023】
図3は
図1の電子部品の包装システムの他の動作状態を示した斜視図である。
【0024】
第1のカメラ(110)によって撮影された画像から積載板(320)上の複数の電子部品の位置が確認されれば、第2のカメラ(111)が第2ガイド(120)に沿って積載板(320)上の電子部品の位置に移動する。第2のカメラ(111)は、それぞれの電子部品の上面を撮影して、電子部品の上面の外観検査を実施する。第2のカメラ(111)は、電子部品に向けて光を照射する照明部(111a)を備える。
【0025】
第2ガイド(120)は、X軸に平行な方向に沿って延長するように配置され、第2のカメラ(111)とロータリーヘッド(130)を第2ガイド(120)に沿って移動させる機能を実行する。
【0026】
第2のカメラ(111)を利用することにより、それぞれの電子部品の外観検査を実施するとともに、それぞれの電子部品の中心位置を算出することができる。
【0027】
ロータリーヘッド(130)は、第2ガイド(120)に沿ってX軸に平行な位置に移動することができる。また、第2ガイド(120)は、図面に表さなかったが、Y軸に平行な位置に移動することができる。したがって、ロータリーヘッド130は、X軸とY軸のそれぞれに平行に移動することにより、算出されたそれぞれの電子部品の位置に対応する位置に移動することができる。
【0028】
ロータリーヘッド(130)は、電子部品の位置に対応する位置に移動した後、ロータリーヘッド(130)のノズル(131)を下降させて、圧縮空気の吸引力を利用することで、部品積載装置(3)の積載板(320)に置かれている電子部品を吸着(ピックアップ)する。ロータリーヘッド(130)は、円周方向に沿って配置される複数のノズル(131)を備える。ロータリーヘッド(130)が所定角度回転した後にノズル(131)が下降して電子部品を吸着することにより、ロータリーヘッド(130)の全ノズル(131)のそれぞれが電子部品を吸着することができる。
【0029】
第2のカメラ(111)によって実施された外観検査に基づいて、不良品と判定された電子部品は、ノズル(131)によって吸着されない。ロータリーヘッド(130)による電子部品の吸着が完了した後に、不良品回収部(109)が不良品と判定され、積載板(320)に残っている電子部品を吸着して回収することができる。
【0030】
ロータリーヘッド(130)のノズル(131)が電子部品を吸着した後に、ロータリーヘッド130は、X軸に平行な方向に第2ガイド(120)に沿って移動することにより、第3のカメラ(112)の上に移動する。第3のカメラ(112)は、ロータリーヘッド(130)のノズル(131)に吸着された電子部品の下面を撮影して、電子部品の外観検査を行うことができる。ロータリーヘッド(130)を回転させながら、第3のカメラ(112)によって撮影することにより、全ノズル(131)のそれぞれに吸着された電子部品の外観検査を行うことができる。
【0031】
全ての電子部品の外観検査(スキャン)が完了した後に、ロータリーヘッド(130)をX軸とY軸に対して平行な方向に移動させる。具体的には、ロータリーヘッド(130)をトレイホルダー組立体(170)の電子部品が積載されるトレイ(171)に対応する位置に移動させた後、ロータリーヘッド(130)のノズル(131)を下降させて圧縮空気をオフにすることにより、トレイ(171)のポケットに電子部品を挿入することができる。
【0032】
ロータリーヘッド(130)を回転させると同時に、ロータリーヘッド(130)をX軸とY軸方向に移動させて、次のノズル(131)の電子部品をトレイ(171)の次のポケットに挿入させる動作を繰り返すことで、複数の電子部品をトレイ(171)の複数のポケットのそれぞれに挿入することができる。
【0033】
トレイ(171)には、検査の結果、良品と判定された電子部品のみを挿入し、検査の結果、不良品と判定された電子部品はダンプボックス(190)に移動させる。ロータリーヘッド(130)は、ダンプボックス(190)の位置に対応する位置に移動した後に不良品である電子部品をダンプボックス(190)に落下させることができる。
【0034】
トレイ(171)が一杯になると、トレイ(171)を第3ガイド(140)に沿ってY軸に平行な方向に移動させる。第3ガイド(140)は、駆動部(141)の駆動力によって、トレイ(171)をY軸に平行な方向に移動させることができる。一方、第4のカメラ(113)は、第4ガイド(150)に沿ってX軸に平行な方向に移動することができる。
【0035】
トレイ(171)を
図2に示された第4のカメラ(113)の位置まで移動させた後に、第4のカメラ(113)がトレイ(171)に積載された全ての電子部品を撮影する。具体的には、トレイ(171)を第3ガイド(140)に沿って移動させながら、第4のカメラ(113)をX軸に平行な一方向に移動させることで、トレイ(171)の全てのポケットの画像を撮影することができる。
【0036】
第4のカメラ(113)によって撮影された画像を合成することで、トレイ(171)の全体のポケットに挿入された電子部品の完全な画像を獲得することができ、ポケットに挿入された電子部品の積載状態が不良である不良品が存在する場合には、検査結果を出力して警告を行うことができる。
【0037】
上述した構成の電子部品の包装システム(100)は、ロータリーヘッド(130)のノズル(131)に吸着される電子部品の上面の外観検査と下面の外観検査を一連の処理過程中に連続して高速に行うことができる。したがって、電子部品をトレイ(171)に移す動作を実行するとともに、電子部品の上面と下面の外観検査を高精度に行うので、電子部品包装工程の迅速性と信頼性が向上する。
【0038】
また、第1のカメラ(110)から取得した画像から、それぞれの電子部品の位置を正確に認識した後、ロータリーヘッド(130)がそれぞれの電子部品を迅速に吸着することができ、電子部品を吸着したロータリーヘッド(130)は、第3のカメラ(112)の検査工程を通過した後、トレイ(171)の上に移動して部品積載工程を迅速に実行することができる。
【0039】
上述のような構成により、ロータリーヘッド(130)のX軸に平行な一方向の移動距離が最小化され、トレイ(171)に部品を高速に積載(ロード)することができ、電子部品の包装システム(100)の全体的なサイズを最小限に抑えることができる。
【0040】
図4は、本発明の一実施形態に係る
図1の部品積載装置(3)の構成を概略的に示す断面図、
図6は、本発明の一実施例に係る支持部(330)の構成を概略的に示す平面図である。
【0041】
図4を参照すると、部品積載装置(3)は、ベース(310)、支持部(330)、積載板(320)、拡張部(340)、及び駆動部(350)を含むことができる。
【0042】
ベース310は、内部に駆動部(350)を備えており、拡張部(340)が運動できるように支持台の役割を果たすことができる。
【0043】
支持部(330)は、ベース(310)の上面に結合され、その上面から上方に突出している。支持部(330)は、固定部(333)、回転軸(332)、及びローラ(331)を含むことができる。
【0044】
固定部(333)は、ベース(310)に固定することができる。固定部(333)は、複数個形成され、複数個形成された固定部(333)が、全体的に円形を形成するように配列することができる。固定部(333)の上に溝(3331)が形成されることができる。
【0045】
回転軸(332)は固定部(333)に回転可能に結合することができる。そして、この回転軸(332)がローラ(331)と結合することができる。すなわち、回転軸(332)は、ローラ(331)に挿入することができる。回転軸(332)は固定部(333)の上部に形成された溝(3331)に配置され、ローラ(331)に挿入された回転軸(332)が回転することにより、ローラ(331)が回転することができる。
【0046】
ローラ(331)は支持部(330)の上部に配置することができ、積載板(320)と接触することができる。ローラ(331)の回転軸(332)が挿入され、回転軸(332)が回転するにつれて、ローラ(331)が回転することができる。ローラ(331)は、積載板(320)の張力の変化により、回転することができる。また、ローラ(331)は、積載板(320)の面積が拡大するにつれて回転することができる。
図4には、シリンダー形のローラ(331)が示されているが、ローラ(331)は球形などの様々な形で支持部(330)の上部に配置することができる。
【0047】
図6を参照すると、固定部(333)、回転軸(332)及びローラ(331)がそれぞれ複数個設けられ、複数個設けられた固定部(333)における、回転軸(332)とローラ(331)が、全体的に円形をなすように配列されることができる。また、複数のローラ(331)が積載板(320)と接触することができる。例えば積載板の(320)の面積が拡大するにつれて、複数のローラ(331)が回転することができる。
【0048】
再び
図4を参照すると、積載板(320)は支持部(330)によって支持されることができる。また、積載板(320)は支持部(330)のローラ(331)と接触することができる。積載板(320)は、弾性(伸縮性)を持つことができ、これによって積載板(320)の張力が調整されることができる。積載板(320)は、弾性(伸縮性)を有するゴム、合成樹脂などの物質で形成することができる。積載板(320)の表面は非粘着性とすることができ、また、高い摩擦係数を持つようにすることができる。これにより、部品積載装置(3)の移動時に積載板(320)に配置される部品(10)の移動(ずれ)を防止することができる。
【0049】
拡張部(340)は、積載板(320)の端部に結合された状態で移動して、積載板(320)の張力を調整することができる。また、拡張部(340)は積載板(320)の面積を拡大させることができる。拡張部(340)は、ベース(310)から突出して上下方向(M方向)に移動することができる。
【0050】
拡張部(340)は、グリップ部(341)、第1プレート(342)、スライダー(343)、第2プレート(344)及びナット(345)を含むことができる。
【0051】
グリップ部(341)は、積載板(320)の端部と結合することができる。第1プレート(342)は、グリップ部(341)を上から押すことができる。スライダー(343)は、第1プレート(342)と接続され、ベース(310)の一面(上面)を貫通することができる。スライダー(343)とベース(310)の間にガイド部(360)が具備されてスライダー(343)の上下移動を案内することができる。第2プレート(344)はスライダー(343)と結合することができる。ナット(345)は、第2プレート(344)に固定することができる。
【0052】
駆動部(350)は、拡張部(340)を移動(駆動)させることができる。駆動部(350)は、ベース(310)の内部に配置することができる。駆動部(350)は、モータであることができる。駆動部(350)は、カップリング(380)によってネジ(370)と接続することができる。ネジ(370)は、拡張部(340)のナット(345)と接続することができる。
【0053】
駆動部(350)によってネジ(370)が回転することができ、ネジ(370)に接続されたナット(345)が上下に移動することにより、拡張部(340)が上下に移動することができる。図面には、ネジとナットによって上下に移動させる方法を示したが、これに限定されず、さまざまな方法で拡張部(340)を上下に移動させることができる。
【0054】
積載板(320)の表面には、部品(10)が積載される。積載板(320)の表面には複数の部品(10)を積載することができる。部品(10)どうしの間隔は、所定の間隔(L1)であることができる。
【0055】
図5は、本発明の一実施例に係る積載板(320)が拡張された状態の部品積載装置(3)の構成を概略的に示す断面図である。
【0056】
図5を参照すると、駆動部(350)によってネジ(370)が回転することができ、ネジ(370)に接続されたナット(345)が下方向(D方向)に移動するにつれて、拡張部(340)が下方向に移動することができる。このとき、拡張部(340)のグリップ部(341)が積載板(320)の端部に結合された状態で下方向に移動するので、積載板(320)の張力が増加する。拡張部(340)が積載板(320)の端部を持ち、下方向に移動するにつれて積載板(320)の面積が拡大する。
【0057】
積載板(320)は、支持部(330)のローラ(331)と接触した状態で、面積が拡大することができる。積載板(320)の面積が拡大するにつれてローラ(331)が回転することができる。これにより、積載板(320)を全体的に均一に拡張することができる。
【0058】
積載板(320)の面積が拡大するにつれて積載板(320)の表面に配置された部品(10)どうしの間隔(L2)が拡張される前の間隔(L1)よりも拡大される。これにより、カメラによる積載板(320)の表面に置かれている複数の部品(10)の撮影時に、それぞれの部品(10)の位置算出及び外観検査が容易になる。
【0059】
本発明について、図面に示された実施例を参考にして説明したが、これは例示的的なものに過ぎず、当該分野における通常の知識を有する者であれば、このことから多様な変形及び実施形態の変形が可能である。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、添付された特許請求の範囲の技術的思想によって定められなければならない。