(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記溝の開口は、前記支持ボールの直径よりも大きく形成され、前記中間支持部は、前記溝に対応する位置に形成されて前記支持ボールの一部を上部に露出させる露出孔を有し、かつ前記カバー部の上面に結合された弾性板をさらに備え、前記弾性板は、前記支持ボールに加わる圧力によって弾性的に変形することができる、請求項1に記載の幅の調整が可能なトレイホルダーアセンブリ。
【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化、高性能化が加速されていることから、高性能の超小型電子部品の製造技術が非常に重要となっている。大量に生産された電子部品は、部品単位で包装されて販売されることもあるが、電子機器を製造するメーカーでは部品装着装置に大量の電子部品を投入する工程を実施するため、多数の電子部品をトレイに包装(パッケージング)して販売されることもある。
【0003】
多数の電子部品をトレイに包装する工程では、電子部品の不良品を取り出してトレイに正確に整列させた状態で包装することが必要であるため、自動化された電子部品の包装装置が使用される。電子部品の包装装置では、不良品以外の良品のみを選別した後、選別された電子部品をトレイに積載する。
【0004】
トレイは、電子部品の最終包装工程で使用される付属品であり、多数の電子部品を正しい姿勢に整列させた状態で収容することができなければならない。トレイは手動又は自動で電子部品の包装装置に設置されたトレイホルダーに配置される。
【0005】
電子部品の包装装置が動作している間、振動が発生するので、トレイに積載された電子部品の位置がずれないようにするには、トレイがトレイホルダーによって安定的に支持されなければならない。
【0006】
図9は、従来のトレイホルダーアセンブリの斜視図である。
【0007】
図9に示された従来のトレイホルダーアセンブリは、トレイ(3)が配置されているトレイホルダー(5)を有する。トレイホルダー(5)は、ガイドレール(2)に移動可能に装着された可動板(7)に結合される。すなわち、トレイ(3)を支持するトレイホルダー(5)は、ガイドレール(2)に沿って移動することができる。
【0008】
トレイホルダー(5)に配置されるトレイ(3)の一側の端は、トレイホルダー(5)に固定的に設置されたあご部(4)によって支持される。トレイホルダー(5)には、トレイ(3)の他側の端を支持するトレイ支持バー(6)が設置される。トレイ支持バー(6)は、トレイホルダー(5)に配置されたトレイ(3)の端部領域の上下左右の幅(Xd、Yd)に対応する位置にボルト(6a)によってトレイホルダー(5)に固定される。
【0009】
しかし、
図9のようなトレイホルダーアセンブリの構成では、トレイ(1)とはサイズが変更されたトレイ(3b)を支持するためには、そのサイズが変更されたトレイ(3b)を安定的に支持するためのボルト(8a)により、異なる幅(Xd’、Yd’)を形成するように固定されたトレイ支持バー(8)を持つ他のトレイホルダー(5b)を使用しなければならない。このように従来は、トレイのサイズの変更に合わせて異なるサイズを有するトレイホルダーを備えなければならないので、トレイホルダーの管理が難しく、トレイホルダーを交換する作業に時間と作業人員が必要となる不便さが存在する。
【0010】
また、従来、
図9のトレイホルダーアセンブリの改良として、別々の異なるサイズを有するトレイホルダーを備える不便さを克服するために、トレイ支持バー(6)を固定しているボルト(6a)を移動させることができるようにトレイホルダー(5)にボルト(6a)が通過可能な長孔を配置する方法も考案された。この方法を使用すると、トレイ(3)のサイズが変更されているものに合わせてトレイ支持バー(6)の固定位置を変更することができるが、
図9の場合と同様にボルト(6a)を外し、トレイ支持バー(6)の固定位置を移動させた後、ボルト(6a)を再締結しなければならないなど、不便な作業を行わなければならない。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るトレイホルダーアセンブリの構成と作用を詳細に説明する
【0021】
図1は、本発明の要部を含むトレイホルダーアセンブリが装着された電子部品の包装装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【0022】
図1に示された実施例の電子部品の包装装置(100)は、個々の単位で製造が完了した大量の電子部品の供給を受け、不良品を検出し、品質が良好な電子部品(良品)のみを選別した後、選別された電子部品を正確に配置(整列)された姿勢でトレイに積載する機能を実行する装置である。
【0023】
電子部品の包装装置(100)は、制御用ソフトウェアを備えたコンピュータや、一つの半導体チップに製作された中央処理装置(CPU)や、各種半導体チップを有するプリント回路基板のような制御部によって制御されることにより、様々な構成要素を動作させることができる。以下で説明される電子部品の包装装置(100)の各構成要素の動作の制御は、制御部によって行われる。
【0024】
電子部品の包装装置(100)のベース(101)には、Y軸に平行な方向に延長する第1ガイド(102)が配置される。第1ガイド(102)には、部品積載部(104)が第1ガイド(102)に沿って移動可能に配置される。部品積載部(104)は、第1ガイド(102)に設けられた駆動部(103)から供給される動力により第1ガイド(102)に沿って移動することができる。
【0025】
部品積載部(104)は、部品供給ロボット(107)から供給された電子部品が積載される積載板(105)を備える。部品供給部(108)は、製造が完了した複数の電子部品を一時的に収納する機能を有する。部品供給部(108)には、作業者が手動で電子部品を供給することがあり、別個の電源装置(ロボット)によって電子部品が供給されることもある。
【0026】
図2は
図1の電子部品の包装装置(100)の一動作状態を示した斜視図である。
【0027】
部品供給ロボット(107)が部品供給部(108)に収納された電子部品を吸着して部品積載部(104)の積載板(105)に供給すると、部品積載部(104)が第1ガイド(102)に沿って、第1のカメラ(110)の位置に移動する。
【0028】
第1のカメラ(110)は、積載板(105)の表面に置かれている複数の電子部品の画像を撮影する。電子部品の包装装置(100)の制御部は、第1のカメラ(110)の撮影画像を利用して、複数の電子部品のそれぞれのX軸とY軸の位置と、回転した角度(θ)を算出することができる。第1のカメラ(110)は、第4ガイド(150)に沿ってX軸に平行な方向に移動することができる。
【0029】
図3は
図1の電子部品の包装装置(100)の他の動作状態を示した斜視図である。
【0030】
第1のカメラ(110)によって撮影された画像から積載板(105)上の複数の電子部品の位置が確認されれば、第2のカメラ(111)が第2ガイド(120)に沿って積載板(105)上の電子部品の位置に移動する。第2のカメラ(111)は、それぞれの電子部品の上面を撮影して、電子部品の上面の外観検査を実施する。第2のカメラ(111)は、電子部品に向けて光を照射する照明部(111a)を備える。
【0031】
第2ガイド(120)は、X軸に平行な方向に沿って延長するように配置され、第2のカメラ(111)とロータリーヘッド(130)を第2ガイド(120)に沿って移動させる機能を実行する。
【0032】
第2のカメラ(111)を利用することにより、それぞれの電子部品の外観検査を実施するとともに、それぞれの電子部品の中心位置を算出することができる。
【0033】
ロータリーヘッド(130)は、第2ガイド(120)に沿ってX軸に平行な位置に移動することができる。また、第2ガイド(120)は、図面に表さなかったが、Y軸に平行な位置に移動することができる。したがって、ロータリーヘッド130は、X軸とY軸のそれぞれに平行に移動することにより、算出されたそれぞれの電子部品の位置に対応する位置に移動することができる。
【0034】
ロータリーヘッド(130)は、電子部品の位置に対応する位置に移動した後、ロータリーヘッド(130)のノズル(131)を下降させて、圧縮空気の吸引力を利用することで、部品積載部(104)の積載板(105)に置かれている電子部品を吸着(ピックアップ)する。ロータリーヘッド(130)は、円周方向に沿って配置される複数のノズル(131)を備える。ロータリーヘッド(130)が所定角度回転した後にノズル(131)が下降して電子部品を吸着することにより、ロータリーヘッド(130)の全ノズル(131)のそれぞれが電子部品を吸着することができる。
【0035】
第2のカメラ(111)によって実施された外観検査に基づいて、不良品と判定された電子部品は、ノズル(131)によって吸着されない。ロータリーヘッド(130)による電子部品の吸着が完了した後に、不良品回収部(109)が不良品と判定され、積載板(105)に残っている電子部品を吸着して回収することができる。
【0036】
ロータリーヘッド(130)のノズル(131)が電子部品を吸着した後に、ロータリーヘッド130は、X軸に平行な方向に第2ガイド(120)に沿って移動することにより、第3のカメラ(112)の上に移動する。第3のカメラ(112)は、ロータリーヘッド(130)のノズル(131)に吸着された電子部品の下面を撮影して、電子部品の外観検査を行うことができる。ロータリーヘッド(130)を回転させながら、第3のカメラ(112)によって撮影することにより、全ノズル(131)のそれぞれに吸着された電子部品の外観検査を行うことができる。
【0037】
全ての電子部品の外観検査(スキャン)が完了した後に、ロータリーヘッド(130)をX軸とY軸に対して平行な方向に移動させる。具体的には、ロータリーヘッド(130)をトレイホルダーアセンブリ(170)の電子部品が積載されるトレイ(171)に対応する位置に移動させた後、ロータリーヘッド(130)のノズル(131)を下降させて圧縮空気をオフにすることにより、トレイ(171)のポケットに電子部品を挿入することができる。
【0038】
ロータリーヘッド(130)を回転させると同時に、ロータリーヘッド(130)をX軸とY軸方向に移動させて、次のノズル(131)の電子部品をトレイ(171)の次のポケットに挿入させる動作を繰り返すことで、複数の電子部品をトレイ(171)の複数のポケットのそれぞれに挿入することができる。
【0039】
トレイ(171)には、検査の結果、良品と判定された電子部品のみを挿入し、検査の結果、不良品と判定された電子部品はダンプボックス(190)に移動させる。ロータリーヘッド(130)は、ダンプボックス(190)の位置に対応する位置に移動した後に不良品である電子部品をダンプボックス(190)に落下させることができる。
【0040】
トレイ(171)が一杯になると、トレイ(171)を第3ガイド(140)に沿ってY軸に平行な方向に移動させる。第3ガイド(140)は、駆動部(141)の駆動力によって、トレイ(171)をY軸に平行な方向に移動させることができる。一方、第4のカメラ(113)は、第4ガイド(150)に沿ってX軸に平行な方向に移動することができる。
【0041】
トレイ(171)を
図2に示された第4のカメラ(113)の位置まで移動させた後に、第4のカメラ(113)がトレイ(171)に積載された全ての電子部品を撮影する。具体的には、トレイ(171)を第3ガイド(140)に沿って移動させながら、第4のカメラ(113)をX軸に平行な一方向に移動させることで、トレイ(171)の全てのポケットの画像を撮影することができる。
【0042】
第4のカメラ(113)によって撮影された画像を合成することで、トレイ(171)の全体のポケットに挿入された電子部品の完全な画像を獲得することができ、ポケットに挿入された電子部品の積載状態が不良である不良品が存在する場合には、検査結果を出力して警告を行うことができる。
【0043】
上述した構成の電子部品の包装装置(100)は、ロータリーヘッド(130)のノズル(131)に吸着された電子部品の上面の外観検査と下面の外観検査を一連の処理過程中に連続して高速に行うことができる。したがって、電子部品をトレイ(171)に移す動作を実行するとともに、電子部品の上面と下面の外観検査を高精度に行うので、電子部品包装工程の迅速性と信頼性が向上する。
【0044】
また、第1のカメラ(110)から取得した画像から、それぞれの電子部品の位置を正確に認識した後、ロータリーヘッド(130)がそれぞれの電子部品を迅速に吸着することができ、電子部品を吸着したロータリーヘッド(130)は、第3のカメラ(112)の検査工程を通過した後、トレイ(171)の上に移動して部品積載工程を迅速に実行することができる。
【0045】
上述のような構成により、ロータリーヘッド(130)のX軸に平行な一方向の移動距離が最小化され、トレイ(171)に部品を高速に積載(ロード)することができ、電子部品の包装装置(100)の全体的なサイズを最小限に抑えることができる。
【0046】
図4は
図1のトレイホルダーアセンブリの構成を概略的に示す斜視図である。
【0047】
トレイホルダーアセンブリ(170)は、複数の電子部品を積載することができるトレイ(171)と、トレイ(171)を上面に複数配置することができるトレイホルダー(175)と、トレイホルダー(175)に取り付けられてトレイ(171)の端を支持するトレイ支持部(177)とを備える。
【0048】
トレイ(171)は、複数の電子部品が挿入される複数のポケット(171a)を備える。トレイ(171)は四角形の形状を有する。そして、複数のトレイ(171)が、全体として四角形状のトレイセット(179)を形成するようにトレイホルダー(175)の上面に配置される。実施例においてトレイセット(179)は、4つの端(辺)を有する正方形の形状をなす。
【0049】
トレイホルダー(175)は全体的に平らな板状の形状を有し、少なくとも一部が磁性体を含む。すなわち、トレイホルダー(175)は、その全体を磁石が付く磁性体(金属素材)で形成することができるし、トレイ支持部(177)に取り付けられる位置の一部だけを、磁石が付く磁性体で形成することもできる。
【0050】
トレイホルダー(175)の下部には、トレイホルダー(175)を支持する移動プレート(174)が結合される。移動プレート(174)の下部には、レール部(176)が結合される。レール部(176)は、第3ガイド(140)に沿って移動するように、第3ガイド(140)に接続される。レール部(176)は、駆動部(141)の駆動力により、第3ガイド(140)に沿ってスライド移動することができる。したがって、トレイホルダー(175)は、レール部(176)及び移動プレート(174)と一緒に第3ガイド(140)に沿ってスライド移動することができる。
【0051】
駆動部(141)は、トレイホルダー(175)を直線的に移動させるために、例えば直線モーター(リニアモーター)や、ボールスクリューと電気モーターの組立体などで実現できる。
【0052】
トレイホルダー(175)には、トレイセット(179)を支持するための固定支持部(178)と、トレイ支持部(177)が設置されている。トレイ支持部(177)は、トレイホルダー(175)に磁力を作用させる磁性を有し、トレイホルダー(175)に付着することができるとともに、トレイホルダー(175)から分離することもできる。例えばトレイ支持部(177)は、その全体を永久磁石で形成するか、あるいはトレイホルダー(175)と接する底面部分に永久磁石を配置することで製作することができる。
【0053】
トレイ支持部(177)は、トレイセット(179)の4つの端のうち互いにつながる第1の端(179a)と第2の端(179b)をそれぞれ支持する第1トレイ支持部(177a)と第2トレイ支持部(177b)を備える。第1トレイ支持部(177a)と第2トレイ支持部(177b)のそれぞれは、トレイ(171)の縁に沿って延長する長方形の形状を有する。
【0054】
固定支持部(178)は、トレイホルダー(175)に固定され、トレイ支持部(177)が支持するトレイセット(179)の端の反対側の端を支持する。固定支持部(178)は、例えば、ボルトやリベットなどの締結手段や接着剤によりトレイホルダー(175)に固定することができる。
【0055】
固定支持部(178)は、トレイセット(179)の第1の端(179a)と第2の端(179b)のそれぞれの反対側の第3の端(179c)と第4の端(179d)をそれぞれ支持する第1の固定支持部(178a)と第2の固定支持部(178b)を備える。
【0056】
上述した構成のトレイホルダーアセンブリ(170)によれば、固定支持部(178)とトレイ支持部(177)とによってトレイセット(179)を安定的に支持することができる。トレイ支持部(177)は、トレイホルダー(175)に磁力を作用させる磁性を有するので、一旦、トレイホルダー(175)に装着された後は、トレイ支持部(177)の位置は安定的に維持される。したがって、トレイホルダーアセンブリ(170)が、第3ガイド(140)に沿って移動する間や電子部品の包装装置(100)の動作中に発生する振動がトレイホルダーアセンブリ(170)に伝達されても、トレイ(171)はトレーホルダー(175)の上面に安定的に維持される。
【0057】
また、上述した構成のトレイホルダーアセンブリ(170)によれば、使用されるトレイ(171)のサイズが変更されたり、トレイ(171)の数が変更されたりして、トレーセット(179)の全体的なサイズが変更された場合でも、効率的に対応することができる。すなわち、トレイセット(179)のサイズが増減した場合には、それに合わせてトレイ支持部(177)の取り付け位置を簡単に調整することができる。具体的には、作業者がトレイ支持部(177)をトレイホルダー(175)から分離した後に、新しいサイズのトレイセット(179)の端に対応する位置にトレイ支持部(177)を設置することができる。
【0058】
図5は、本発明の実施例に係るトレイホルダーアセンブリの要部の構成要素を概略的に示す斜視図である。
【0059】
図5に示されたトレイホルダーアセンブリのトレイ支持部(270)は、
図4に示されたトレイ支持部(170)の変形例である。トレイ支持部(270)は、トレイの端に接する接触支持部(277)と、接触支持部(277)に開けられた複数個の取付穴(277a)に挿入される磁石部(278)とを備える。
【0060】
接触支持部(277)は磁性を有する必要がなく、例えば、プラスチックやゴム、あるいはアルミニウムなどの非磁性金属材料で形成することができる。磁石部(278)は、トレイホルダーと直接接触し、トレイホルダーに磁着する。最終的には、トレイ支持部(270)は、磁石部(278)の作用により、トレイホルダーに確実に取り付けることができるとともに、作業者がトレイホルダーからトレイ支持部(270)を外して位置を調整することもできる。
【0061】
図6は、本発明の実施例に係るトレイホルダーアセンブリの全体構成を概略的に示す斜視図、
図7は、
図6のトレイホルダーアセンブリの断面を示す断面図、
図8は、
図6のトレイホルダーアセンブリの構成要素の結合関係を示した分解斜視図である。
【0062】
図6から
図8に示された実施例のトレイホルダーアセンブリ(370)は、複数の電子部品が積載することができるトレイ(371)と、トレイ(371)を上面に配置することができるトレイホルダー(375)と、トレイホルダー(375)に付着してトレイ(371)の端を支持するトレイ支持部(377)と、隣接するトレイ(371)の端部を支持する中間支持部(380)とを備える。
【0063】
トレイ(371)は、複数の電子部品が挿入される複数のポケット(371a)を備え、全体的に長方形状のトレイセット(379)を形成するようにトレイホルダー(375)の上面に配置される。
【0064】
トレイホルダー(375)は全体的に平らな板状の形状を有し、少なくとも一部が磁性体を含む。すなわち、トレイホルダー(375)は、その全体を磁石が付く磁性体(金属素材)で形成することができるし、例えばトレイ支持部(377)に取り付けられる位置の一部だけを、磁石が付く磁性体で形成することもできる。
【0065】
トレイホルダー(375)は、第3ガイド(340)に沿って移動するように、第3ガイド(340)に接続され、駆動部(341)の駆動力により、第3ガイド(340)に沿ってスライド移動することができる。
【0066】
トレイホルダー(375)には、トレイセット(379)を支持するための固定支持部(378)と、トレイ支持部(377)が設置されている。トレイ支持部(377)は、トレイホルダー(375)に磁力を作用させる磁性を有し、トレイホルダー(375)に付着することができるとともに、トレイホルダー(375)から分離することもできる。例えばトレイ支持部(377)は、その全体を永久磁石で形成するか、あるいはトレイホルダー(375)と接する底面部分に永久磁石を配置することで製作することができる。
【0067】
トレイ支持部(377)は、トレイセット(379)の4つの端のうち互いにつながる一側の端を支持する第1トレイ支持部(377a、377c)と、他側の端を支持する第2トレイ支持部(377b)とを備える。トレイ支持部(377)は、トレイ(371)の縁に沿って延長する長方形の形状を有する。
【0068】
固定支持部(378)は、トレイホルダー(375)に固定され、トレイ支持部(377)が支持するトレイセット(379)の端の反対側の端を支持する。固定支持部(378)は、例えば、ボルトやリベットなどの締結手段や接着剤によりトレイホルダー(375)に固定することができる。固定支持部(378)は、トレイセット(379)の反対側の端をそれぞれ支持する第1の固定支持部(378a)と第2の固定支持部(378b)とを備える。
【0069】
隣接するトレイ(371)の間には、中間支持部(380)が配置される。
図7を参照すると、中間支持部(380)は、隣接するトレイ(371)の間でトレイホルダー(375)に取り付けられる磁性取付部(381)と、磁性取付部(381)の上面に結合され、磁性取付部(381)の外側にトレイ(371)に向かって突出したカバー部(382)と、カバー部(382)に形成された溝(382a)に配置され、トレイ(371)の端部(371b)の上面(371d)に接触する複数の支持ボール(383)とを備える。
【0070】
図8を参照すると、磁性取付部(381)の本体は、プラスチックやゴム、あるいはアルミニウムなどの非磁性金属材料で形成することができ、磁性取付部(381)に開けられた取付穴(381d)のそれぞれに磁石部(389)が挿入される。したがって、磁性取付部(381)(中間支持部(380))は、トレイ支持部(377)と同様に、トレイホルダー(375)に磁力により付着できるとともに、作業者の力によってトレイホルダー(375)から分離することもできる。
【0071】
磁性取付部(381)の上面には、カバー部(382)が設置されている。カバー部(382)は、ボルト(385)が通過する孔(382f)を有している。また、カバー部(382)は、磁性取付部(381)よりも外側に突出した部分に、磁性取付部(381)に沿って延長するように形成される溝(382a)を備える。カバー部(382)の溝(382a)には、複数の支持ボール(383)が配置される。溝(382a)は、支持ボール(383)が回転するように支持ボール(383)を支持することができる程度の大きさを有する。
【0072】
カバー部(382)の上面には、弾性板(384)を配置することができる。弾性板(384)もボルト(385)が通過する孔(384d)を備えるので、ボルト(385)が弾性板(384)の孔(384d)とカバー部(382)の孔(382f)を貫通して磁性取付部(381)のネジ溝(381f)に結合する。すなわち、ボルト(385)によって弾性板(384)とカバー部(382)が磁性取付部(381)に結合する。
【0073】
弾性板(384)は、カバー部(382)の溝(382a)に対応する位置に形成されて支持ボール(383)の一部を上部に露出させる露出孔(384a)を備える。弾性板(384)は、ボルト(385)によってカバー部(382)に結合された状態で支持ボール(383)の加圧力によってバネのように変形することで支持ボール(383)によって伝達される加圧力を緩衝することができる。
【0074】
図7を参照すると、カバー部(382)の溝(382a)の上端開口(382c)は、支持ボール(383)の直径よりも大きく形成される。一方、カバー部(382)の上面の弾性板(384)の露出孔(384a)の大きさは、支持ボール(383)の直径よりも小さく形成される。
【0075】
また、カバー部(382)の溝(382a)の下端開口(382b)は、支持ボール(383)の直径よりも小さく形成されるので、カバー部(382)の溝(382a)に支持ボール(383)が挿入されると、重力の作用により、支持ボール(383)の一部が溝(382a)の下端開口(382b)から下側に所定長さだけ突出する。したがって、カバー部(382)の上面に弾性板(384)がなければ、支持ボール(383)は溝(382a)の上端開口(382c)を介してカバー部(382)の上側に離脱する。
【0076】
しかし、
図7に示されているような状態では、トレイ(371)の端部(371b)の上面(371d)が上側に押し上げる支持ボール(383)の一部のみが、弾性板(384)の露出孔(384a)によって上側に突出し、弾性板(384)を上側に加圧する。
【0077】
上述した構成の中間支持部(380)は、隣接するトレイ(371)の端部(371b)を安定的に支持することができる。すなわち、複数のトレイ(371)のそれぞれには、製造公差が存在したり、トレイ(371)の長年の使用で磨耗や変形が発生したりすることにより、隣接するトレイ(371)の端部(371b)の高さが正確に一致しないことがある。このような場合、トレイ(371)がトレイホルダ(375)に配置された状態が不安定になる。
【0078】
しかし、上述した構成のトレイホルダーアセンブリ(370)では、中間支持部(380)の支持ボール(383)がトレイ(371)の端部(371b)を下方向に加圧するので、トレイ(371)間の寸法の違いに起因する不安定さを解消することができる。
【0079】
例えば、トレイ(371)の変形等に起因して隣接するトレイ(371)の端部(371b)の高さが異なる場合、トレイ(371)の端部(371b)のいずれかが上側に突出して支持ボール(383)を加圧する。この場合、中間支持部(380)の弾性板(384)が弾性的に変形し、上側に突出する支持ボール(383)の加圧力を緩衝することができるので、隣接するトレイ(371)の端部(371b)が互いに高さが異なる場合にも、安定的に支持することができる。
【0080】
上述した実施例の構成と効果についての説明は、例示的なものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、そこから多様な変形及び均等な他の実施例が実現可能であることを理解するべきである。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、添付された特許請求の範囲によって定められなければならない。