(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0017】
[実施形態1]
図1および
図2を参照して、本発明の実施形態1に係る固定具100について説明する。
図1および
図2は、本発明の実施形態1に係る固定具100の側面図である。
図1および
図2では、固定具100をY軸方向から見ている。X軸およびY軸は水平方向に沿っており、Z軸は鉛直方向に沿っており、X軸、Y軸、およびZ軸は互いに直交する。
【0018】
固定具100は、固定対象物としての照明器具を天井41(取付対象物)の取付位置Pに固定する。照明器具は、例えば、天井吊り下げ灯である。固定具100は、端子ユニット10と、コード30と、収納ユニット20とを備える。固定具100は、コード固定部60と、電線31と、カバー42とを備える。固定具100は、天井41に形成された開口44に挿入されて、照明器具を天井41に固定する。なお、天井41は取付対象物の一例であり、開口44の周辺は、取付位置の一例である。
【0019】
端子ユニット10は、端子部11と板状部材13と連結部70とを有する。端子部11は、板状部材13の下面に取り付けられ、板状部材13の先端領域に配置される。板状部材13の下面は、後述する倒伏位置で下方を向く(
図1の実線で示す端子ユニット10を参照)。したがって、端子ユニット10が倒伏位置に配置されるときに、端子部11に塵が溜まることを抑制できる。なお、板状部材13の上面は、倒伏位置で上方を向く。端子部11には、商用電源の電線が接続され電源電圧が印加される。電源電圧は、電線31を介して端子部11からコード30へ供給される。
【0020】
端子部11と照明器具とは、コード30を介して接続される。コード30は、電源電圧に基づく電力を照明器具に供給する。
【0021】
収納ユニット20は、コード30を収納する。収納ユニット20は、直方体の形状を有する筐体29を有する。筐体29は、互いに対向する一対の側壁部29aを有し、側壁部29aの各々には、開口部23と、楕円状の開口であるコード挿入口24とが形成される。筐体29の下面には、円状の開口であるコード出口25が形成される。コード30はコード挿入口24から挿入され、収納ユニット20内を通過し、コード出口25から引き出される。開口部23は、後述する挟持部材51が退避可能に形成される。挟持部材51の構成および回転については
図3〜
図7を参照して後述する。
【0022】
収納ユニット20は、回動軸22を有する。端子ユニット10は、回動軸22を介して収納ユニット20に対して回動可能である。端子ユニット10は、起立位置と倒伏位置との間を回動する。起立位置は、
図1および
図2において破線で示されるように、収納ユニット20に対して端子ユニット10が起立する位置を示す。また、倒伏位置は、
図1および
図2において実線で示されるように、収納ユニット20に対して端子ユニット10が略直交する位置を示す。倒伏位置において、端子ユニット10は収納ユニット20に対して倒れている。
【0023】
鉛直方向から見た場合、起立位置にある端子ユニット10の重心Gは、倒伏位置にある端子ユニット10の重心Gと回動軸22に対して同じ側に位置している。つまり、収納ユニット20を鉛直方向に平行に配置した状態で端子ユニット10を起立位置まで回動させると、端子ユニット10は、端子ユニット10の重心Gにより、起立位置から倒伏位置まで回動する。また、端子ユニット10は、起立位置において、鉛直方向に対して傾いた位置にある。具体的には、起立位置において、端子ユニット10が延びる方向が鉛直方向に対して起立位置から倒伏位置に回動する方向Rに傾くように、端子ユニット10の位置が規制されている。
【0024】
連結部70は、回動軸22に回動自在に支持される。連結部70は、回動軸22を介して端子ユニット10と収納ユニット20とを連結する。起立位置において、連結部70が収納ユニット20の筐体29の上面29bに当接する。したがって、連結部70は、端子ユニット10が起立位置にあるとき、端子ユニット10の倒伏位置から離れる方向への回動を規制する。
【0025】
また、端子ユニット10が倒伏位置にあるとき、収納ユニット20の筐体29の上面29bと端子ユニット10とは所定の隙間29cを有している。したがって、収納ユニット20内においてコード30から発生する熱を、隙間29cを介して外部へ逃がすことができる。
【0026】
固定具100を天井41に取り付ける際、端子ユニット10を起立位置に変位させて、固定具100を天井41の開口44に挿入する。端子ユニット10を起立位置に変位させることによって、固定具100は略直線状の形態になる。したがって、固定具100をその長手方向が鉛直方向(Z軸方向)に平行な姿勢で天井41の開口44に挿入できるため、天井41の開口44に挿入しやすい。
【0027】
鉛直方向から見た場合、起立位置にある端子ユニット10の重心Gは、倒伏位置にある端子ユニット10の重心Gと回動軸22に対して同じ側に位置している。したがって、固定具100が天井41の開口44に挿入される際に、端子ユニット10が開口44を通過した後に、端子ユニット10は自重で起立位置から方向Rに回動し、端子ユニット10は倒伏位置に変位する。さらに、起立位置において、鉛直方向に対して起立位置から倒伏位置に回動する方向Rに端子ユニット10が傾くように位置が規制されているため、端子ユニット10は自重で起立位置から方向Rにさらに回動しやすくなる。
【0028】
コード固定部60は、ナット61と、円筒状のコードクランプ62と、クランプナット63とを備える。コードクランプ62は、コード出口25に挿入され、ナット61によって収納ユニット20に固定される。コード30は、収納ユニット20のコード出口25を通って、コードクランプ62に挿通され、収納ユニット20から引き出される。また、カバー42は収納ユニット20の下面を覆う。そして、クランプナット63がカバー42を収納ユニット20に押し付け、カバー42が収納ユニット20に装着される。コード30は、カバー42に形成された開口44およびクランプナット63を通り、収納ユニット20から外部に引き出される。
【0029】
コードクランプ62の外表面にはネジ山が形成され、クランプナット63の内表面にはネジ溝が形成される。クランプナット63をコードクランプ62に螺合させ、コードクランプ62を締め付ける。その結果、コードクランプ62がコード30を締め付け、コード30が固定される。
【0030】
次にクランプナット63を緩めてクランプナット63をコードクランプ62から外すことにより、コードクランプ62が緩む。したがって、収納ユニット20に収納されたコード30を所望の長さだけ解いて、コード30を所望の長さだけ収納ユニット20から引き出したり、コード30を所望の長さだけ収納ユニット20に収納したりできる。そして、再び、クランプナット63によってコードクランプ62を締め付けて、コードクランプ62によってコード30を固定する。このようにコード30の収納ユニット20に収納される長さを調整すること、すなわちコード30の収納ユニット20から引き出す長さを調整することによって、天井41から照明器具までのコード30の長さを自在に調整できる。例えば、収納ユニット20からコード30を引き出すことによって、
図1に示す状態から
図2に示す状態へと変更し、天井41から照明器具までのコード30の長さを長くすることができる。
【0031】
以上、
図1および
図2を参照して説明したように、固定具100において、収納ユニット20は、コード30を収納する。端子ユニット10は、収納ユニット20に対して起立する起立位置と、収納ユニット20に対して略直交する倒伏位置との間を回動する。したがって、収納ユニット20にコード30の収納空間を確保しつつ、固定具100の高さを抑え、固定具100を天井41の開口44に容易に挿入することができる。
【0032】
また、鉛直方向から見た場合、起立位置にある端子ユニット10の重心Gは、倒伏位置にある端子ユニット10の重心Gと回動軸22に対して同じ側に位置している。したがって、固定具100が天井41の開口44に挿入された後、端子ユニット10は自重で起立位置から方向Rに回動し、固定具100の施工が容易になる。
【0033】
さらに、端子ユニット10は、起立位置において、鉛直方向に対して傾いた位置にある。したがって、固定具100が天井41の開口44に挿入された後、端子ユニット10は自重で起立位置から方向Rに回動し、固定具100の施工が容易になる。
【0034】
次に、
図3および
図4を参照して、照明器具を天井41に固定するための固定具100の構造について説明する。
図3は、固定具100の側面図である。
図3では、固定具100をX軸方向から見ている。固定具100は、開口44の形成された天井41に照明器具を固定する。
【0035】
固定具100の収納ユニット20は、筐体29、一対の鍔部21、一対の挟持部材51、一対のストッパー52、一対の雄ネジ54、および一対の突出部58を備える。筐体29は天井41の開口44に挿入される。鍔部21は、筐体29の端部に形成される。鍔部21は、筐体29の側壁部29aの下縁から筐体29の外部に向かって水平に延びる。鍔部21は、第1貫通孔21a、当接面21b、および当接面21bの反対面21cを有する。
【0036】
突出部58は、開口部23よりも上方に配置され、筐体29の側壁部29aから筐体29の外部に向かって突出する。突出部58は、第2貫通孔72を有する。雄ネジ54は、頭部53を有し、筐体29の側壁部29aに沿って延びる。実施形態1では、側壁部29aおよび雄ネジ54は鉛直線に沿っている。雄ネジ54は、鍔部21の反対面21cの側から第1貫通孔21aに挿入されている。さらに、雄ネジ54は、突出部58の第2貫通孔72に挿入されている。そして、ストッパー52は、第2貫通孔72に挿入された雄ネジ54の先端部に装着される。実施形態1では、ストッパー52は、ナットであり、雄ネジ54の先端部に螺合され、雄ネジ54の先端部に固定される。
【0037】
実施形態1によれば、雄ネジ54は、鍔部21の第1貫通孔21aに挿入される。つまり、雄ネジ54は、筐体29の外部に配置される。したがって、雄ネジ54が筐体29の内部に配置される場合よりも円滑に、筐体29に対してコード30を進退させることができる。
【0038】
挟持部材51は、雄ネジ54に螺合される。
図4(a)は、挟持部材51、ストッパー52、および雄ネジ54を示す斜視図である。
図4(b)は、挟持部材51を示す平面図である。挟持部材51は、平板状であり、第1当接部57、第2当接部80、およびネジ孔59を有する。ネジ孔59に雄ネジ54が螺合される。
【0039】
次に、
図3および
図4を参照して、固定具100の鍔部21および挟持部材51による照明器具の固定について説明する。固定具100は、開口44に挿入されている。鍔部21の当接面21bが天井41に当接させた状態から雄ネジ54を軸線の回りに回転させることによって、挟持部材51が下降し、天井41が挟持部材51と鍔部21とで挟まれる。つまり、天井41が挟持部材51と鍔部21とで締め付けられる。その結果、固定具100が天井41に取り付けられ、固定具100に保持された照明器具が天井41に固定される。
【0040】
実施形態1によれば、雄ネジ54を使用して挟持部材51と鍔部21とで天井41を締め付けることによって、照明器具を天井41に固定する。したがって、照明器具を天井41に強固に固定できる。また、天井41の材質および/または厚さに応じて、雄ネジ54によって挟持部材51と鍔部21とによる天井41の締付力を調整できるため、天井41の破損を抑制できる。
【0041】
次に、
図5〜
図7を参照して、挟持部材51と鍔部21とで天井41を挟む前の挟持部材51の動作について説明する。
図5(a)、
図6(a)、および
図7は、それぞれ、挟持部材51の退避位置を説明する斜視図、底面図、および側面図である。
図5(b)および
図6(b)は、それぞれ、挟持部材51の飛出位置を説明する斜視図および底面図である。
【0042】
挟持部材51は、突出部58と鍔部21との間に配置される。そして、挟持部材51は、雄ネジ54の軸線の回りの回転動作に連動して、開口部23を通って、雄ネジ54を軸として退避位置と飛出位置との間を回動可能である。
【0043】
実施形態1によれば、挟持部材51を退避位置に配置した状態(
図5(a)参照)で、固定具100を天井41の開口44に挿入できる。したがって、固定具100を天井41の開口44に挿入する際に挟持部材51が天井41に接触しにくくなるため、照明器具の天井41への固定作業の負担を軽減できる。
【0044】
図5(a)、
図6(a)、および
図7に示すように、挟持部材51の退避位置は、挟持部材51が筐体29の内部に進入した位置である。実施形態1では、退避位置では、挟持部材51の一部が、開口部23から筐体29の内部に進入しており、挟持部材51は、開口部23の下縁23bから離間している。挟持部材51が下縁23bから離間しているため、退避位置において、挟持部材51の自重により、挟持部材51と雄ネジ54との間の摩擦が大きくなる。したがって、挟持部材51が雄ネジ54の回転に伴って回転し易くなり、挟持部材51を容易に飛出位置に配置できる。
【0045】
退避位置において、挟持部材51の第2当接部80は、開口部23の側縁23aと当接する。第2当接部80を側縁23aに当接させることによって、挟持部材51の回動を簡易に規制でき、簡易な構造により、挟持部材51を容易に飛出位置に配置できる。
【0046】
図5(a)、
図6(a)、および
図7では、雄ネジ54の頭部53が鍔部21の反対面21cに当接しているときの挟持部材51が示される。雄ネジ54の頭部53が鍔部21の反対面21cに当接しているとき、ストッパー52は、突出部58から離間しており、退避位置の挟持部材51は、開口部23の下縁23bから離間している。
【0047】
実施形態1によれば、作業時にドライバー等の工具によって雄ネジ54を押し上げることによって、頭部53を反対面21cに当接させ、挟持部材51を開口部23の下縁23bから容易に離間させることができる。そして、雄ネジ54を回転させることによって、挟持部材51を飛出位置に配置して下降させ、挟持部材51と鍔部21とで天井41を締め付けることができる。このように、挟持部材51の飛出位置への配置から下降までの作業を円滑に実行できる。
【0048】
一方、図示は省略したが、雄ネジ54が押し上げられていない場合、ストッパー52は、突出部58に当接する。つまり、
図7において、雄ネジ54が下がって、ストッパー52が突出部58に当接する。したがって、ストッパー52および突出部58によって雄ネジ54が保持される。その結果、雄ネジ54の落下を防止できる。
【0049】
また、ストッパー52が突出部58に当接しているときに、雄ネジ54の基端部としての頭部53は、鍔部21の反対面21cから離間しており、退避位置の挟持部材51は、開口部23の下縁23bに当接している。
【0050】
実施形態1によれば、雄ネジ54が押し上げられていない作業前では、挟持部材51は、開口部23の下縁23bに当接しており、挟持部材51と雄ネジ54との間の摩擦が小さくなる。したがって、挟持部材51は回動し難い。その結果、作業前において、挟持部材51を退避位置に維持できる。
【0051】
図5(b)および
図6(b)に示すように、挟持部材51の飛出位置は、挟持部材51が筐体29の外部に飛び出した位置である。飛出位置において、挟持部材51の第1当接部57は、側壁部29aと当接する。第1当接部57を側壁部29aに当接させることによって、挟持部材51の回動を簡易に規制でき、簡易な構造により、挟持部材51を容易に退避位置に配置できる。
【0052】
固定具100が天井41の開口44に挿入された状態で、挟持部材51が飛出位置に配置されているときに、雄ネジ54を軸線の回りに回転させることにより、挟持部材51は、下降し、天井41を鍔部21と挟む(
図3)。
【0053】
図5(a)、
図5(b)、
図6(a)、および
図6(b)に示すように、退避位置および飛出位置の挟持部材51は、鍔部21の当接面21bに対向する。ただし、側壁部29aから飛出位置の挟持部材51の最先端までの距離は、側壁部29aから退避位置の挟持部材51の最先端までの距離よりも大きい。飛出位置において、一対の挟持部材51の最先端間の距離は、天井41の開口44の直径よりも大きい(
図3)。退避位置において、一対の挟持部材51の最先端間の距離は、天井41の開口44の直径よりも小さい。したがって、挟持部材51を退避位置に配置することにより、容易に固定具100を開口44に挿入できる。
【0054】
次に、
図3および
図5を参照して、固定具100によって照明器具を天井41に固定する固定方法について説明する。固定方法は、第1手順〜第4手順を含む。
図5(a)に示すように、第1手順において、挟持部材51を退避位置に配置する。図示を省略するが、第2手順において、挟持部材51を退避位置に配置した後、固定具100を天井41の開口44に挿入する。
図5(b)に示すように、第3手順において、雄ネジ54を軸線の回りに回転させて、挟持部材51を開口部23に通して飛出位置に配置する。
図3に示すように、第4手順において、挟持部材51を飛出位置に配置した後、雄ネジ54を軸線の回りに回転させて、挟持部材51と鍔部21とで天井41を挟む。
【0055】
以上、
図3〜
図7を参照して説明したように、実施形態1によれば、挟持部材51を退避位置に配置した状態で、固定具100を天井41の開口44に挿入できる。したがって、照明器具の天井41への固定作業の負担を軽減できる。
【0056】
図8を参照して、収納ユニット20の筐体29について説明する。
図8(a)は、分解された筐体29を示す模式的な斜視図である。
図8(b)は、筐体29を示す模式的な斜視図である。なお、
図8(a)および
図8(b)において、筐体29に形成される開口(開口部23、ネジ穴など)は省略している。
【0057】
図8(a)に示すように、筐体29は、第1部材26と、第2部材27と、第3部材28とを有する。第1部材26は、一対の上壁26aと、一対の側壁26bと、底壁26cとを有する。
【0058】
第2部材27と第3部材28とは同一の形状を有している。第2部材27は、上壁27aと、側壁27bと、側壁27bの端部に形成される接合部27cとを有する。側壁27bの端部には、鍔部21が形成される。同様に第3部材28は、上壁28aと、側壁28bと、側壁28bの端部に形成される接合部28cとを有する。側壁28bの端部には、鍔部21が形成される。第2部材27の側壁27bおよび第3部材28の側壁28bは、
図1〜
図7で示した一対の側壁部29aに対応する。
【0059】
第2部材27の上壁27aを第1部材26の一対の上壁26aの上に載置し、第2部材27の上壁27aを第1部材26の一対の上壁26aにネジで止めることによって、第2部材27は第1部材26に固定される。さらに、第2部材27の接合部27cを第1部材26の底壁26cにネジで止めることによって、第2部材27は第1部材26に固定される。
【0060】
同様に、第3部材28の上壁28aを第1部材26の一対の上壁26aの上に載置し、第3部材28の上壁28aを第1部材26の一対の上壁26aにネジで止めることによって、第3部材28は第1部材26に固定される。さらに、第3部材28の接合部28cを第1部材26の底壁26cにネジで止めることによって、第3部材28は第1部材26に固定される。このようにして、第2部材27および第3部材28は第1部材26に取り付けられ、
図8(b)に示すような直方体状の筐体29が形成される。
【0061】
[実施形態2]
実施形態1に係る固定具100は、点灯回路を備えていないため、点灯回路を備える照明器具に用いることができる。これに対して、実施形態2に係る固定具100は、点灯回路を備えるため、点灯回路を備えない照明器具に用いることができる。LEDモジュールを光源として用いる照明器具の場合は、点灯回路を照明器具に内蔵するか、点灯回路を外部接続する必要がある。実施形態2の固定具100は、点灯回路を備えるため、照明器具に点灯回路を備える必要がなく、照明器具を小型軽量化することができるとともに、照明器具のデザインの自由度が向上する。また、LED形電球を光源として用いる照明器具の場合は、LED形電球に点灯回路が内蔵されているため、実施形態2に係る固定具100を用いることができる。
【0062】
図9および
図10を参照して、本発明の実施形態2に係る固定具100について説明する。
図9は、本発明の実施形態2に係る固定具100の側面図である。
図10(a)は、本発明の実施形態2に係る固定具100の側面図である。
図10(b)は、本発明の実施形態2に係る固定具100の底面図である。実施形態2においては、端子ユニット10が電源部12をさらに有する点を除いて、実施形態1に係る固定具100と同様な構成を有するため、重複部分については説明を省略する。電源部12は、点灯回路の一例である。
【0063】
端子ユニット10は、電源部12をさらに有する。端子部11および電源部12は、板状部材13の下面に取り付けられる。したがって、端子ユニット10が倒伏位置に配置されるときに、端子部11および電源部12に塵が溜まることを抑制できる。端子部11は板状部材13の先端領域に配置され、電源部12は板状部材13の中央領域に配置される。端子部11と電源部12とは、電線31を介して接続されている。電源電圧は、電線31を介して端子部11から電源部12へ供給される。電源部12とコード30は、接続されている。電源部12は、コード30を介して照明器具に電力を供給する。
【0064】
照明器具の光源が単数または複数のLED(Light Emitting Diode)である場合は、例えば、電源部12は、変圧を行い、交流電源電圧を直流電源電圧に変換し、照明器具の光源に電流を供給する。電源部12は、必要に応じて、調光のために電流値を調整することが可能である。照明器具の光源が蛍光灯である場合は、例えば、電源部12は、変圧器およびインバーターを含み、低周波数の電源電圧を高周波数の電源電圧に変換して、交流電源電圧を照明器具の光源に供給する。
【0065】
以上、
図9および
図10を参照して説明したように、固定具100において、端子ユニット10は、電源部12をさらに有する。電源部12を端子ユニット10に配置することによって、固定具100の高さを抑えることができる。
【0066】
以上、図面(
図1〜
図10)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)〜(3))。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0067】
(1)本実施形態の固定具100は、照明器具の一例として吊下げ灯を天井に取り付ける構成としたが、照明器具の形態は吊下げ灯に限らず、取付対象物は天井に限らない。本実施形態の固定具100は、シーリングライト等の天井直付け灯、ダウンライト等の埋め込み灯、ブラケットライト等の壁直付け灯などにも応用が可能である。天井直付け灯の場合は、例えば本実施形態の固定具100をシーリングライト本体に取り付け、天井に設けられた開口に挿入し、シーリングライトを天井に固定することができる。また、固定具100が固定する固定対象物は、照明器具に限定されない、例えば、天井に取り付ける火災報知器、スピーカー、プロジェクターまたは監視カメラであってもよい。
【0068】
(2)
図3および
図4を参照して説明したように、本実施形態では、雄ネジ54は、筐体29の外側に設けられていたが、雄ネジ54は筐体29の内側に設けられていてもよい。
【0069】
(3)
図5等を参照して説明したように、本実施形態では、筐体29の形状は直方体状であったが、筐体29の形状は直方体状に限定されず、任意の形状でよい。例えば、円筒状であってもよい。