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特許6357417金融情報を検索するための電子情報カード
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6357417
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】金融情報を検索するための電子情報カード
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/00 20060101AFI20180702BHJP
   B42D 25/305 20140101ALI20180702BHJP
   G06Q 40/02 20120101ALI20180702BHJP
   G07D 9/00 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
   G06K19/00
   B42D15/10 307
   G06Q40/02
   G07D9/00 436Z
   G07D9/00 451Z
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-527315(P2014-527315)
(86)(22)【出願日】2012年8月23日
(65)【公表番号】特表2014-531630(P2014-531630A)
(43)【公表日】2014年11月27日
(86)【国際出願番号】US2012052165
(87)【国際公開番号】WO2013028930
(87)【国際公開日】20130228
【審査請求日】2015年5月22日
【審判番号】不服2017-2878(P2017-2878/J1)
【審判請求日】2017年2月28日
(31)【優先権主張番号】13/216,510
(32)【優先日】2011年8月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515027978
【氏名又は名称】ナグラビジョン エス.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100085372
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 正義
(72)【発明者】
【氏名】ギヨー,フィリップ
【合議体】
【審判長】 安久 司郎
【審判官】 千葉 輝久
【審判官】 稲葉 和生
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−68683(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0124246(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0242698(US,A1)
【文献】 特表2003−523586(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K7/00-7/14
G06K17/00
G06K19/00-19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの預金口座に関する情報を検索するための電子情報カードであり、
前面及び裏面を有するケースと、
前記ケース内に設置される決済チップであって、前記前面で有効にアクセス可能であり、前記ユーザと取引端末の間で取引を開始するように構成される決済チップと、
前記前面に設置されるタッチキーパッドであって、複数のタッチボタンを含むタッチキーパッドと、
前記ケース内に設置されるメモリチップであって、前記預金口座に関する前記情報を格納するよう構成されるメモリチップと、
前記前面に設置されるディスプレイ画面であって、前記メモリチップに格納される前記情報を表示するように構成されるディスプレイ画面と、
前記前面に設置される始動ボタンであって、前記電子情報カードを始動させるように構成される始動ボタンと、
を備える電子情報カードであって、
前記ユーザが前記タッチキーパッドによってナビゲートするときに、前記ディスプレイ画面は前記預金口座に関する情報を表示し、前記複数のタッチボタンが第1の機能及び第2の機能を含み、前記第1の機能は暗証番号を入力することを含み、前記第2の機能はワンタイムパスワード(OTP)を検索することを含み、前記第1の機能により前記第2の機能にアクセスでき、前記ワンタイムパスワード(OTP)が、前記電子情報カードを使用するオンライン取引に適用可能である、電子情報カード。
【請求項2】
クレジット/デビットカードを含む請求項1記載の電子情報カード。
【請求項3】
前記預金口座に関する前記情報が、更に、残高、出費、取引情報、ピン・トライ・カウンター(PTC)、アプリケーション取引カウンター(ATC)、及び前記ユーザへのメッセージを含む請求項1記載の電子情報カード。
【請求項4】
前記メモリチップが、前記決済チップと前記取引端末の間の前記取引情報をリッスンして、対応する取引情報を選別して前記メモリチップのメモリ内に格納するよう構成される請求項1記載の電子情報カード。
【請求項5】
前記メモリチップが、前記タッチキーパッド及び前記ディスプレイ画面を管理するよう構成される請求項1記載の電子情報カード。
【請求項6】
前記タッチキーパッドによってナビゲートすることによって、口座残高のチェック、毎月の出費のチェック、取引情報のチェック、オンライン取引の実行、及び資金振替の実行を含む群から選択される金融サービスにアクセスするようメモリチップが構成されている請求項1記載の電子情報カード。
【請求項7】
前記決済チップがユーロペイ・マスターカード・ビザ(EMV)・チップを含む請求項1記載の電子情報カード。
【請求項8】
前記ディスプレイ画面が、金融情報、取引情報、ワンタイムパスワード(OTP)、及びユーザへのメッセージを表示するよう構成される請求項1記載の電子情報カード。
【請求項9】
前記ケースがプラスチックでできている請求項1記載の電子情報カード。
【請求項10】
携帯可能である請求項1記載の電子情報カード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子情報カード、より詳細には金融情報及びメッセージをユーザに提供できる改良型の電子情報カードに関する。
【背景技術】
【0002】
電子決済カードは、金融取引を行うために人々によって広く使われている。これらのカードは、インターネットによる購入を含む、金融取引及び購入を行うために便利に用いることができるクレジットカード又はデビットカードでもよい。それらはユーザに都合がいいだけでなくて、金融機関及び商店も、ユーザがこれらの決済カードで金融取引を行うのを好む。大部分の既存のカードは、ユーザの預金口座と関連したパスワードのような情報を格納するために、それらの裏側の磁気ストリップを使用する。これらのカードのいくつかは、パスワード及び取引情報を格納するために、集積回路チップ(ICチップ)技術を利用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願第2011/0047038号明細書
【特許文献2】米国特許第7533828号明細書
【特許文献3】米国特許第5857079号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらのカードの使用と関連する主要な問題は、決済、毎月の出費、及びオンライン取引に関する情報を検索することの困難さである。現在、ユーザは、オンライン預金口座にログインすることによって、取引情報を検索するか、あるいは郵便、電子メール、又はテキストメッセージによって届けられる取引明細書を待たなければならない。現在の電子決済カードは、金融情報及び非同期転送モード(ATM)アプリケーションを単一カードに組み込まない。
【0005】
2011年2月24日にハレヴィ(Halevi)に権利が与えられた特許文献1は、その所有者が信用取引を安全に行うことができるスマートクレジットカード装置を記載している。このスマートクレジットカードは、ディスプレイ画面、永続データを装置に格納するためのメモリ、間近に迫った特定の取引に関する一時データの固有の格納、店舗販売時点情報管理によってクレジットカード会社とデータ通信を行うための無線トランシーバー、所有者が取引を実行するために必須のデータを入力することを可能にするための入力構成要素、カード装置の動作を制御するためのプロセッサ、及びDC電力をカード装置に供給するための電源を備える。しかしながら、スマートクレジットカード装置は、ユーザが取引毎に一時的コード番号を要求することを必要とする。更に、カードは、ユーザが必要に応じていつでも参照するための貯金残高または出費のような取引情報を提供しない。
【0006】
2009年5月19日にオング(Ong)に交付された特許文献2において教示される1つの従来技術は、端末局(TS)を経由してホストコンピュータに出入りするデータ及び/又はデジタル情報の送信/受信を可能にする電子クレジットカード(ECC)を開示している。ECCは、ユーザ検証手段、固有の取引識別子を生成するための手段、ユーザの口座の詳細を格納するための手段、視覚情報を提供するディスプレイ装置、及びユーザに口座の詳細を提供するために取引局と通信するための手段を備える。取引局は、残高を含む最新の金融情報をその情報ディスプレイ装置で提供する。ユーザ検証手段は、暗証番号(PIN)の入力のためのキーパッドを含む。電子クレジットカードはまた、入力/確認ボタンと、電話を介して金融取引を始動させるために可聴音を提供するための音声変換器とを含む。しかしながら、この電子クレジットカードは、カード発行会社からユーザへの販売促進のようなメッセージを提供することができない。更に、カードは、オンライン取引を容易にするためのパスワードを提供する機能を有しない。
【0007】
1999年1月5日にクラウス(Claus)に交付された特許文献3において教示される別の従来技術は、出費が生じる時の出費の分類ならびに取引の日付、支払先。及び金額に関する情報の自動的な生成及び格納を可能にするスマートカードを開示している。このスマートカードは、取引が取引アイデンティティによって生じるときに取引を記録して、分類するために利用される。これらの取引アイデンティティは、事業又は個人分類、現金、小切手、又はクレジットカードタイプの取引、及び出費カテゴリーである。このスマートカードは、英数字ディスプレイならびにクラス、タイプ、及びカテゴリーを選択するためのキーボードを備えている。これらの項目はキーボード上の数字の入力により選択され、そして文字情報は、入力された数字に応答してこれらの項目を識別するために表示される。パーソナル・コンピュータのプログラムは、スマートカード読取り装置によるスマートカードの文字情報に加えて、クラス、タイプ、及びカテゴリーを特定するために用いられる。しかしながら、スマートカードは、ユーザにとって時間がかかることがありえるスマートカードの情報を読込み及び書込みを行うために、スマートカード読取り装置を必要とする。この種のカードは、オンライン取引を保護するために、ユーザにパスワードを与える機能を有していない。
【0008】
従って、広範囲にわたる金融サービス、例えば、預金残高、毎月の出費情報のチェックをオフラインモードでユーザに指先のタッチで提供できる装置の必要性がある。この種の必要とされる装置は、オンライン取引を行う間、強化されたセキュリティをユーザに提供することが可能である。装置は、データをカードに読込み又は書込みを行うためのカード読取り装置を必要としない。更に、この種のカードはカード発行会社からメッセージを受け取ることができる。本発明はこれらの目的を達成する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ユーザの預金口座に関する情報を検索するための電子情報カードである。電子情報カードは、前面及び裏面を有するケースと、ケース内に設置されて、前面で有効にアクセスできる決済チップと、ケース内に設置されるメモリチップと、前面の左下部分に設置されるタッチキーパッドと、前面の右上部分に設置されるディスプレイ画面と、前面の右下部分に設置される始動ボタンとを備える。ユーザがタッチキーパッドによってナビゲートするときに、ディスプレイ画面は預金口座に関する情報を表示し、前記複数のタッチボタンが第1の機能及び第2の機能を含み、前記第1の機能は暗証番号を入力することを含み、前記第2の機能は預金口座に関するワンタイムパスワード(OTP)を検索することを含み、前記第1の機能により前記第2の機能にアクセスでき、前記ワンタイムパスワード(OTP)が、前記電子情報カードを使用するオンライン取引に適用可能である
【0010】
電子情報カードはクレジット/デビットカードでありえる。決済チップはユーザと取引端末の間の取引を開始する。メモリチップは、決済チップと取引端末の間の取引をリッスンして、選別して、関連する取引情報をメモリに保存する。電子情報カードは、オフラインで使用するときに始動ボタンでスイッチを入れることによって始動できる。メモリチップによって、ユーザが、タッチキーパッドによってナビゲートすることによって、金融サービス、例えば、口座残高のチェック、毎月の出費のチェック、取引情報のチェック、オンライン取引の実行、及び資金振替の実行にアクセスすることができる。
【0011】
タッチキーパッドは複数のタッチボタンを含む。複数のタッチボタンの各々は、金融情報、例えば、残高、出費、取引情報、ワンタイムパスワード(OTP)、ピン・トライ・カウンター(PTC)、アプリケーション取引カウンター(ATC)、及びメッセージをユーザへ提供することができる。メモリチップは、タッチキーパッド及びディスプレイ画面を管理することができる。ディスプレイ画面は、金融情報、取引情報、OTP、及びメッセージをユーザに表示する。ユーザは、オンライン預金口座にアクセスしている間、ユーザ名及びパスワードとともにディスプレイ画面に表示されるOTPを使用することができる。
【0012】
本発明は、ユーザの預金口座に関する情報を格納して、表示するための改良型の情報カードを提供する。この種のカードは、オンライン取引を行うと共に、強化されたセキュリティをユーザに提供する。更に、カードは携帯可能である。本発明の他の特徴及び利点は、例証として、本発明の原理を例示する添付図面に関連してなされる以下のより詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】電子情報カードの絵画図である。
図2】電子情報カードにより実行される取引の流れを例示する図面である。
図3】電子情報カードの機能ブロック線図である。
図4】電子情報カードを利用するユーザによって金融取引を実行する方法を例示するフローチャートである。
図5】電子情報カードを利用してオフラインモードでユーザの預金口座に関する金融情報を検索する方法を例示するオペレーショナル・フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、ユーザ(図示せず)の預金口座に関する情報を検索するための電子情報カード10の絵画図である。電子情報カード10は、前面14及び裏面(図示せず)を有するケース12と、ケース12内に設置されて、前面14で有効にアクセスできる決済チップ15と、ケース12内に設置されるメモリチップ(図示せず)と、前面14の左下部分18に設置されるタッチキーパッド16と、前面14の右上部分22に設置されるディスプレイ画面20と、前面14の右下部分26に設置される始動ボタン24とを備える。ユーザがタッチキーパッド16によってナビゲートするときに、ディスプレイ画面20は預金口座に関する情報を表示する。預金口座に関連する情報は、取引情報、金融情報、及びメッセージを含むことができる。
【0015】
電子情報カード10はクレジット/デビットカードでありえる。電子情報カード10は、ユーザの預金口座と関連した暗証番号(PIN)を使用してアクセスすることができる。電子情報カード10は、オフラインモードで使用しているときに、始動ボタンのスイッチを入れることによって始動することができる。メモリチップ(図示せず)によって、ユーザが、タッチキーパッド16によってナビゲートすることによって、金融サービス、例えば、口座残高のチェック、毎月の出費のチェック、取引情報のチェック、オンライン取引の実行、及び資金振替の実行にアクセスすることができる。タッチキーパッド16は複数のタッチボタン28を含む。複数のタッチボタン28は総計で12であることがありえる。複数のタッチボタン28は、「BAL」ボタン(1)、「TRANS」ボタン(2)、「EXP」ボタン(3)、「MSG」ボタン(4)、「OTP」ボタン(6)、「PTC」ボタン(7)、「ATC」ボタン(8)、「C/MODE」ボタン、「OK」ボタンなどのようなボタンを含む。「C/MODE」ボタンは、選択ボタンとして作用する。「C/MODE」ボタンは、ユーザに複数のタッチボタン28の各々により提供される少なくとも1つの機能を選ぶことを促す。ユーザが「C/MODE」ボタンを押すと、「SELECT」メッセージがディスプレイ画面に表示される。ユーザは、3秒以内に複数のタッチボタン28の各々により提供される少なくとも1つの機能を選択することができる。
【0016】
「BAL」ボタン(1)は、口座の現残高をチェックするために、ユーザにより操作される。「BAL」ボタン(1)を押すことによって、「BAL」メッセージが1秒間ディスプレイ画面20に表示される。そして「BAL」メッセージの後に、5秒間表示されることができる残高が続く。「TRANS」ボタン(2)は、電子情報カード10により実行される各取引の詳細を提供する。まず、 「TRANS」メッセージは、1秒間ディスプレイ画面20に出力される。それから、各取引は、取引番号、取引金額、購入日、及び取引の種類によって1秒間表示され、そして取引の結果はディスプレイ画面20に5秒間表示される。ユーザは、「TRANS」ボタン(2)を使用して多くとも5つの取引の詳細を検索することができる。経常取引の詳細をチェックした後に、ユーザは、次のフィールドに行くために、「OK」のボタンを押すことができる。上の矢印30は、ユーザが次の取引へ行くことを可能にし、そして下の矢印32は、ユーザが実行された前の取引をスクロールすることを可能にする。
【0017】
「EXP」ボタン(3)は、ユーザの毎月の出費を提供する。「EXP」ボタン(3)を選択することによって、その後に出費金額が続く「EXP」メッセージは、電子情報カード10のディスプレイ画面に5秒間表示される。「MSG」ボタン(4)は、電子情報カード10に含まれるメッセージをユーザ(図示せず)に提供する。メッセージは、ユーザによってカード発行会社から受け取ることが可能である。ユーザが「MSG」ボタン(4)を選択すると、メッセージ「MSG」はディスプレイ画面20に1秒間表示されることができて、メッセージはディスプレイ画面全体に2秒間スクロールされる。さもなければ、メッセージ「NO MSG」がディスプレイ画面20に5秒間出力される。メモリチップ(図示せず)は、多くとも5つのメッセージをメモリに格納することができる。ユーザは、「OK」ボタンを押すことによって、次のメッセージを検索できる。ユーザは、上の矢印30を使用して次のメッセージにスクロールして、下の矢印32を使用して前のメッセージにスクロールすることもできる。
【0018】
「OTP」ボタン(6)は、オンライン取引を実行するためにワンタイムパスワードを検索するために、ユーザ(図示せず)により作動される。OTPは、PINを電子情報カード10に入力した後に、ユーザに提供されることができる。ユーザは、オンライン取引を行う間、ユーザ名及びパスワードとともにOTPを使用することができる。OTPは6つの数字でもよい。「PTC」ボタン(7)はPIN取引カウンターを提供する。すなわち、ユーザが間違ったPINをカードに入力した場合は、「PTC」機能は、電子情報カード10がブロックされる前に誤ったPINが許される回数を示す。「PTC」メッセージは1秒間表示され、そして「金額」メッセージはディスプレイ画面20に5秒間表示される。「ATC」ボタン(8)は、アプリケーション取引カウンターをユーザに提供する。アプリケーション取引カウンターは、電子情報カード10により実行された取引の数を示す。ATCはOTPの生成ごとに1つだけ増加する。「ATC」ボタンを選択することによって、「ATC」メッセージはディスプレイ画面に1秒間表示され、そして「金額」メッセージは5秒間表示される。ユーザがこれらの動作を実行する間にその他の機能を選択したい場合、ユーザは「C/MODE」ボタンを押して、所望の機能を選択することができる。要求された機能の各々を表示した後、メモリチップ(図示せず)はスリープ・モードになって、それによってオフラインモードで電子情報カード10により実行される機能を終了できる。ユーザが上記の特筆された機能のいずれかを実行したい場合、ユーザは、始動ボタン24を押すことによって電子情報カード10を再び始動させなければならないことがありえる。
【0019】
図2は、電子情報カード10により実行される取引34の流れを例示する図面である。電子情報カード10が取引端末36において用いられるたびに、取引許可要求は取引端末36によってアクワイアラ38に送信される。取引端末36は、非同期転送モード(ATM)端末及び店頭(POS)端末から成るグループから選択することができる。アクワイアラ38は、小売商、販売アクワイアラ、又は端末ドライバでもよい。決済チップ15はユーザと取引端末36の間で取引を開始する。決済チップ15はユーロペイ・マスターカード(登録商標)・ビザ(登録商標)・チップでもよい。取引許可要求は、その場合、アクワイアラ38からカードネットワーク40を経由して発行者42へ送られる。発行者42は要求を受け取って、許可応答メッセージの一部としてEMVスクリプトを送ることによって取引端末36へ返答する。発行者42は、電子情報カード10をユーザに発行する金融機関でありえる。許可応答メッセージのEMVスクリプトは、それから、取引端末36によって受け取られて、実行され、取引端末36は、関連した情報を電子情報カード10のメモリチップ(図示せず)にアップロードする。電子情報カード10がオンラインで許可されるたびに、標準EMVチップ技術は情報を更新するために用いられる。
【0020】
図3は、電子情報カード10の機能ブロック線図である。ユーザは、電子情報カード10を取引端末36に挿入することができる。決済チップ15は、ユーザ(図示せず)と取引端末36の間で取引を開始する。メモリチップ46は、それから、決済チップ15と取引端末36の間の取引をリッスンして、選別して、関連した取引情報をメモリに保存する。メモリチップ46は、タッチキーパッド16及びディスプレイ画面20を管理することもできる。
【0021】
メモリチップ46は、ユーザの預金口座に関する情報を格納するように構成される。情報は、タッチキーパッド16によってナビゲートすることによって、いつでもユーザが利用することができる。メモリチップ46によって、ユーザが、タッチキーパッド16によってナビゲートすることによって、口座残高のチェック、毎月の出費のチェック、取引情報のチェック、オンライン取引の実行、及び資金振替の実行から成る群から選択される金融サービスにアクセスすることができる。メモリチップ46は、電子情報カード10の電池48を充電するようにも構成される。ディスプレイ画面20は、金融情報、取引情報、OTP、及びメッセージをユーザに表示することができる。ディスプレイ画面20は、高コントラスト数値液晶ディスプレイ(LCD)画面でありえる。
【0022】
電子情報カード10は、サイズが標準的なクレジット/デビットカードと類似している。電子情報カード10のケース12は、プラスチックでできていることがありえる。電子情報カード10は、オンライン取引をする間、強化されたセキュリティをユーザに提供する。ユーザは、オンライン預金口座にアクセスするときに、ユーザ名及びパスワードとともにディスプレイ画面に表示されるOTPを使用することができる。パスワードが脆弱化した場合であっても、電子情報カード10はユーザを無事に保つ。OTPが常に変化するので、預金口座にアクセスしようとしている誰でも、電子情報カード10を物理的に所有している必要がある。カードを紛失した場合であっても、ユーザ名及びパスワードがアクセスのために依然として必要とされるので、ユーザは依然として保護されている。電子情報カード10はまた、ユーザフレンドリーで且つ携帯可能であり、ユーザの財布に容易にぴったり収まる。セキュリティ及び便宜の向上したレベルによって、ユーザが、指先のタッチで、広範囲にわたる金融サービス、例えば、彼らの口座残高のチェック、オンライン取引の実行、及び予め指定されない口座への転送にアクセスすることができる。コンテキスト固有のアラート及びマーケティング・メッセージは、カード発行会社からユーザに非常に費用対効果が高い状態で、且つ容易に届けられることが可能である。
【0023】
図4を参照すると、電子情報カード10を使用してユーザによって金融取引を実行する方法を例示するフローチャートが例示されている。最初に、電子情報カードは、ブロック50で示されるようにユーザに提供される。電子情報カードは、それから、ブロック52に示すように取引端末に挿入される。取引端末と電子情報カードの決済チップの間の金融取引は、それから、ブロック54に示すように開始される。金融取引は、それから、ブロック56に示すようにユーザにより実行される。メモリチップは、その時、ブロック58に示すように金融取引をリッスンすることができる。ブロック60に示すように、金融取引はメモリチップによって選別される。金融取引は、それから、ブロック62に示すようにメモリチップのメモリに格納される。金融取引は、それから、ブロック64に示すように、ユーザによって取引端末から電子情報カードを取り外すことにより終了する。
【0024】
図5は、オフラインモードで電子情報カード10を使用してユーザの預金口座に関する金融情報を検索する方法を例示するオペレーショナル・フローチャートである。電子情報カード10は、ブロック66に示すように、ユーザによって始動ボタンのスイッチを入れることによって始動する。タッチキーパッドの複数のボタンにより提供される少なくとも1つの機能は、それから、ブロック68に示すようにユーザにより選択される。必要な情報は、それから、ブロック70に示すように、ユーザによってタッチキーパッドによってナビゲートすることにより検索される。ブロック72に示すように、要求された情報は電子情報カードのディスプレイ画面に表示される。
【0025】
本発明の特定の形が例示されて、説明されたが、さまざまな変更態様が本発明の精神と範囲から逸脱することなく行われ得ることは明らかである。例えば、タッチキーパッド16、ディスプレイ画面20、及び始動ボタン24は、より良好な外観を電子情報カード10に提供するように前面14のどこにでも設置することができる。同様に、電子情報カード10は、強化されたセキュリティをユーザに提供するために電子署名機能を更に含むことができる。したがって、本発明が添付の請求の範囲による場合を除いて制限されることは意図されない。
図1
図2
図3
図4
図5