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特許6357434シート搬送装置及びこれを備えたシート集積装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6357434
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】シート搬送装置及びこれを備えたシート集積装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/36 20060101AFI20180702BHJP
   B65H 37/00 20060101ALI20180702BHJP
   B65H 5/02 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
   B65H31/36
   B65H37/00
   B65H5/02 Q
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-38281(P2015-38281)
(22)【出願日】2015年2月27日
(65)【公開番号】特開2016-160014(P2016-160014A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2017年7月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 善章
(74)【代理人】
【識別番号】100098062
【弁理士】
【氏名又は名称】梅田 明彦
(72)【発明者】
【氏名】津金 信
【審査官】 西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−241025(JP,A)
【文献】 特開2001−348155(JP,A)
【文献】 特開2002−266885(JP,A)
【文献】 特開平08−059052(JP,A)
【文献】 特開平07−187434(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/02− 5/22
B65H 29/12−29/32
B65H 31/00−31/40
B65H 37/00−37/06
B65H 41/00
B65H 45/00−47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに搬送力を付与する無端ベルトと、
前記無端ベルトの外周部と当接し前記無端ベルトとともに回転する回転部材と、
を備え、
前記無端ベルトの外周部は、
前記無端ベルトの幅方向に延びる第1凸部を、前記無端ベルトの周方向に複数有し、
前記幅方向は、前記回転部材の回転方向と交差する方向であり、
前記回転部材は、前記回転部材の周方向に延び前記無端ベルトの前記外周当接する第2凸部を複数複数の前記第2凸部は、前記幅方向に並んで配置されている、ことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記無端ベルトの内周部と接触する内周部回転部材と、
前記回転部材と前記内周部回転部材との少なくとも一方に駆動力を付与する駆動手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
複数の前記第2凸部は、前記回転部材の外周を形成していることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記無端ベルトの外周部は、複数の前記第2凸部よりも軟質の材料で形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記回転部材と前記内周部回転部材とは、前記無端ベルトを挟んで対向する位置に配置されていることを特徴とする請求項に記載のシート搬送装置。
【請求項6】
搬送部により搬送されたシートを積載するシート積載部と、
前記シート積載部に搬送されたシートを搬送するシート搬送装置と、
前記シート搬送装置に搬送されたシートの端部を規制するシート端規制部材と、を備え、
前記シート搬送装置は、請求項1から5のいずれか1項に記載のシート搬送装置であることを特徴とするシート集積装置。
【請求項7】
前記無端ベルトは、
前記シート積載部の上方に配置され、
シートの積載量に応じて歪曲変形する素材で形成されていることを特徴とする請求項6に記載のシート集積装置。
【請求項8】
前記無端ベルトは、
前記搬送部がシートを搬送する搬送方向の逆方向にシートを搬送することを特徴とする請求項6または7に記載のシート集積装置。
【請求項9】
シートに所定の処理を施すシート処理手段を備えることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載のシート集積装置。
【請求項10】
前記シート処理手段は、シート束を綴じ処理する綴じ処理手段、シートにファイル穴を穿孔する穿孔手段、シートに捺印するスタンプ手段、シートを折り処理する折り処理手段、シートをトリミング処理する断裁手段、から選択される1つの手段であることを特徴とする請求項9に記載のシート集積装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排紙口に送られるシートを積載して集積するシート集積装置に係わり、排紙口から送られたシートを所定位置に搬送する搬送機構の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、画像形成装置などで画像形成されたシートを排紙口の下流側に配置されている積載面上に集積する装置は種々の機構が知られている。例えば特許文献1には画像形成装置の排紙口に連結され、画像形成されたシートを所定の後処理トレイに案内して集積し、後処理したのちに下流側のスタックトレイに収納する後処理装置が開示されている。
【0003】
同文献には、排紙口の下流側に処理トレイを配置し、この処理トレイにはシート端を突き当て規制するシート端規制手段と、この規制手段にシートを搬送する無端ベルト機構が開示されている。
【0004】
この無端ベルト機構は、可撓性のベルトをトレイ上方から最上シートの上に垂下し、ベルトを搬送方向に回転している。そして、このベルトの表面にシートの搬送力の調整のために、搬送方向に断面V字形状の凸面を複数形成したものが一般的に知られている。この場合、ベルト表面に形成する凸面により接触するシートとの摩擦を大きくし、ベルトをシートに押圧する押圧力を弱くすることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−35417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のような無端ベルトを回転させるとき、ベルト表面の凸部が回転体の表面を叩く騒音(衝突音)が発生する。本発明は、無端ベルトを用いたシート搬送装置の騒音低減を課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するため本発明のシート搬送装置は、シートに搬送力を付与する無端ベルトと、前記無端ベルトの外周部と当接し前記無端ベルトとともに回転する回転部材と、を備え、前記無端ベルトの外周部は、前記無端ベルトの幅方向に延びる第1凸部を、前記無端ベルトの周方向に複数有し、前記幅方向は、前記回転部材の回転方向と交差する方向であり、前記回転部材は、前記回転部材の周方向に延び前記無端ベルトの前記外周当接する第2凸部を複数し、複数の前記第2凸部は、前記幅方向に並んで配置されていることを特徴とする
【発明の効果】
【0008】
搬送ベルトと当接する従動回転部材の外周面に、搬送ベルトの凸面と接する当接部と、凸面と接しない非当接部を形成することで、搬送ベルト外周の凸面を乗り越える際の騒音が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る後処理装置の説明図。
図2図1の装置に於けるシート搬入機構の説明図。
図3】シート搬入機構の動作説明であり、(a)は待機状態を示し、(b)は作動状態を示す。
図4】シート搬送機構の部分拡大図であり、(a)は正面図を示し、(b)は斜視図を示す。
図5】ベルトと従動回転部材の係合状態の説明図であり、従動回転部材にスリット溝を設けた場合の断面図を示す。
図6】従来の構造を示す。(スリットなし)
図7】第2実施例の説明図であり、(a)は斜視図を示し、(b)は係合部の拡大説明図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下図示の実施の形態に基づいて本発明を詳述する。図1には、画像形成装置の下流側に配置され画像形成されたシートを部揃えして綴じ処理する後処理装置Bを示す。この後処理装置Bに本発明に係わるシート集積装置Cが内蔵されている。
【0011】
[後処理装置]
図1に示す後処理装置Bについて説明する。図示の後処理装置Bにはシート集積装置C(処理トレイ機構)が内蔵され、画像形成システムの端末装置として構成されている。図1において後処理装置Bは装置ハウジング10と、このハウジングに配置されたシート搬送経路12と、その排紙口13の下流側に配置され、シート積載面14a(後述の紙載面)を有する処理トレイ14(シート支持手段)と、その下流側に配置されたスタックトレイ23で構成されている。
【0012】
上記装置ハウジング10には、図1に示すように搬入口11と排紙口13を有するシート搬送経路12が配置され、図示のものは水平方向からシートSを受け取って略水平方向に搬送して排紙口13から搬出するように構成されている。このシート搬送経路12にはシートSを搬送するフィーダ機構(搬送ローラ18,19など)が内蔵されている。
【0013】
上記フィーダ機構は、経路長に応じて所定間隔の搬送ローラ対で構成され、搬入口11の近傍に搬入ローラ対18が、排紙口13の近傍に排紙ローラ対19が配置されている。上記搬入ローラ対18と排紙ローラ対19とは、同一の駆動モータ(不図示)に連結され、同一周速度でシートSを搬送する。
【0014】
またシート搬送経路12にはシートSの先端と後端との少なくとも一方を検出するシートセンサSe1と、排紙センサSe2が配置されている。排紙センサSe2は排紙口13に配置され、排紙口13から搬出されるシートの先端と後端を検出し、その後のシート搬送のタイミング信号の基準を形成する。
【0015】
「処理トレイ」
図1に示すシート搬送経路12の排紙口13には、その下流側に段差dを形成して処理トレイ14が配置されている。この処理トレイ14は排紙口13から送られたシートSを上方に積み重ねて束状に集積するため、シートSの少なくとも一部を支持する紙載面14a(シート積載面;以下同様)を備えている。上記処理トレイ14は排紙口13から送られたシートSを束状に集積して、所定姿勢に整合したのちに綴じ処理を施し、処理後のシート束を下流側のスタックトレイ23に搬出するように構成されている。
【0016】
「パドル搬送機構」
上記排紙口13の下流側にはシート搬入手段24(パドル搬送機構)が配置され、排紙口13から送られたシートを処理トレイ14の紙載面14aに搬送する。図示のシート搬入手段24は、パドル搬送機構で構成されている。図示しない駆動モータに連結された回転軸24xに複数の弾性羽根が円周方向に配置されたパドル部材24aでシートを搬送する。図示のパドル部材24aは揺動ブラケット24bにマウントされ、シートを搬送するタイミングで処理トレイ14上に降下してシートを図1において排紙反対方向に反転搬送する。
【0017】
このパドル搬送機構の制御は前述した排紙センサSe2のシート後端検知信号を基準に制御する。また処理トレイ14上にはパドル搬送機構24で送られたシートを所定の処理位置に送る掻き込み搬送機構(シート搬入機構)25が配置されている。その構造は後述する。
【0018】
「シート規制及び整合」
図1に従って処理トレイ14の構成を説明する。処理トレイ14の先端部(図示のものは排紙方向後端部)には、シートSを位置決めするシート端規制部材16が設けられている。そして、排紙口13から掻き込み搬送機構(シート搬入機構)25で搬入されたシートSを突き当て規制する。このシート端規制部材16は処理トレイ上に集積されたシートSを所定の処理位置に整合する。
【0019】
また処理トレイ14には、シート端規制部材16に位置決めされたシートSの幅方向を基準ラインに位置決めする側縁整合部材17が配置されている。図示の側縁整合部材17は、排紙口13から送られシート端規制部材16に位置決めされたシートSを排紙直交方向に幅寄せ整合する。この側縁整合部材17は、左右一対の整合板で構成され、所定の基準ライン(センタ基準又はサイド基準)にシートSを位置決めする。
【0020】
図示の処理トレイ14には、集積したシートSに後処理を施す後処理手段21(22)が配置されている。処理トレイ上に集積したシートSに後処理をする装置としては、綴じ処理手段、折り処理手段、パンチ穿孔手段、スタンプ捺印手段、トリミング断裁手段などの装置が採用される。図示のものは処理トレイ上に集積されたシートSに後処理するステープル綴じ処理手段21と圧着綴じ手段22が選択的に処理するように配置されている。これらの綴じ処理装置21(22)は種々の機構が知られているのでその説明を省く。
【0021】
[処理トレイのシート搬入機構]
本発明は、処理トレイ14上に排紙口13から送られたシートを所定のシート端規制部材16に案内するシート搬入機構25に関する。このシート搬入機構25は、紙載面14a上に積載されて最上シートの上に排紙口13から送られたシートを搬入する。このためシートの積載量が変化しても搬入されたシートに係合する押圧力を均一にし、同時にカールしたシートを適度の押圧力で矯正してシート端規制部材16に突き当て搬送する必要が生ずる。
【0022】
そこでシート搬入機構25を次のように構成する。図2に示すように、リング形状の無端ベルトである搬送ベルト26と、搬送ベルトの内周面26aと係合する駆動回転部材27と、搬送ベルトの外周面26bと係合する従動回転部材30と、駆動回転部材27に回転力を付与する駆動手段M(駆動モータ)で構成する。
【0023】
本実施形態においては、駆動手段Mによって駆動回転部材27させることによって搬送ベルト26を回転させているが、本発明はこれに限らず、30の回転部材に対して駆動手段により駆動力を付与してもよいし、27及び30のそれぞれの回転部材に対して直接、駆動手段により駆動力を付与してもよい。
【0024】
「搬送ベルト」
上記搬送ベルト26は、紙載面14aの上方に無端ベルト状(リング形状)の可撓性に富んだベルト部材で構成する。これは、例えば強化繊維を含有したゴム質材料等で構成する。この搬送ベルト26はシートの搬送方向と交差する方向(シート幅方向)に所定のベルト幅26wで、適宜のベルト厚さ26tに形成する。そしてベルト表面(外周面(外周部))26bには後述する逆V字形状の凸面26b(凸部)が、内周面にはベルトの位置ずれをふせぐためのリブ26rが形成されている。なお、前記リブ26rには搬送と交差する方向(本実施形態においては直交方向)に延びる凸面が、ベルトの周方向に複数形成されている。
【0025】
「駆動回転部材」
上記駆動回転部材27は、プーリ形状、フランジ付きロール形状などの断面凹形状の回転体で構成され左右対向するフランジ部27fとその中央に位置するドラム部27dで構成されており、金属や合成樹脂などの材料で形成する。そしてドラム部27dは前述の搬送ベルト26の内周面に形成されているリブ26r(その形状は後述する)と嵌合する寸法に形成されている。
【0026】
図2に示す駆動回転部材27は、搬送ベルト26に回転を付与する複数の回転部材で構成され、第1駆動回転部材27aと第2駆動回転部材27bと第3駆動回転部材27cがベルト部材26の周面に所定間隔(図示の実施形態では約45度間隔)で係合するように配置されている。
【0027】
上記第1第2第3駆動回転部材27a、27b、27cは、各回転軸27xを図示しないホイール形状のフレーム(以下「ホイール」と云う)に軸支持されている。そして各回転部材27には図示のように噛合する伝動歯車27yが一体に形成してある。
【0028】
上記第1、第2、第3の伝動歯車27yには、中間歯車28が噛合する位置でホイールに回転可能に軸支持され、この中間歯車28には駆動モータMに連結された駆動歯車29が連結されている。
【0029】
上記駆動モータM(図2にその出力軸を示す)は、処理トレイ14を取り付けている装置フレームに支持(マウント)され、その回転が駆動歯車29に伝達されている。駆動モータMの回転は図2に示す搬送ベルト26に反時計方向の回転を付与する
【0030】
また上述の各回転部材27をマウントしているホイール(不図示)は、紙載面14aから所定距離上方に退避した待機位置(図3(a)に示す待機状態)と作動位置(図3(b)に示す作動状態)とに位置移動可能にリフト機構が設けられている。このリフト機構は、装置フレームに揺動可能に支持したアーム部材の先端部にホイールを連結し、このアーム部材の基端部をモータ、ソレノイドなどの揺動手段で回転する機構を採用すれば良い。
【0031】
「従動回転部材」
上記従動回転部材30は、搬送ベルト26の外周面26bと係合してその走行方向に従動回転し、ベルト内周面26aに配置されている前記駆動回転部材27との間でベルトを挟持する。図2の装置は第1駆動回転部材27aと対向する位置でベルト間周面と係合して従動回転するロール構造で従動回転部材30が形成されている。
【0032】
この従動回転部材30は硬質合成樹脂あるいは金属ロール部材で構成されている。従ってベルト部材26はゴム質などの軟質素材で構成され、従動回転部材30はベルト部材より硬度の高い素材で形成されている。
【0033】
図示の従動回転部材30は、ベルト幅26wとほぼ等しい幅に形成され、ベルトを嵌合するフランジ部は備えていない。
【0034】
図4(a)に示すように上記搬送ベルトの外周面26bには周方向に所定ピッチで、ベルト幅方向(走行直行方向)に延びる凸面が形成され、シートを搬送する際のベルトとシートの過度な接触、擦れ等を防止し確実に搬送することが可能となる。なお、この凸面の断面は、逆V字状、逆U字状、四角形、台形など種々の形状で良い。
【0035】
そして、従動回転部材30には、搬送ベルト26の外周面26bに設けられる凸面と接する外径部と、係合する範囲にあっても凸面と接しない外径部が設けられる。つまり接触圧力の異なる箇所を設ける。なお、この当接部と非当接部は単一の部材に形成する構成として説明するが、別体で構成することも可能であり、また、非当接部は完全に非接触の状態でなくてもよい。
【0036】
「第1実施例」
図4(b)の斜視図に示すように、従動回転部材30の搬送ベルト26と係合する係合面には、円筒状の従動回転部材30の周面に沿って凹溝30aが形成されている。つまり、従動回転部材30のうち凹溝30a(非当接部)は他の周面(当接部)よりも小さい外形で構成されているため搬送ベルト26の凸面と接することがない。
【0037】
当接部30bにおいて、搬送ベルト26の幅方向に関して凸面26bと当接する長さが、凸面26bの、搬送ベルト26の幅方向における長さよりも小さい。これにより、搬送ベルト26の幅方向において搬送ベルト26の凸面26bは、一の部分(本実施例においては当接部30bが当接する部分)については従動回転部材30により圧を受け、該一の部分と異なる他の部分(凸面26bにおける、凹溝30aと対向する部分)については該一の部分よりも弱い圧(本実施例においては従動回転部材30により圧を受けない(圧力が0)が、該一の部分が受ける圧よりも弱い圧であって0を超える圧を受けるようにしてもよい)を受ける。なお、本発明においては、該一の部分よりも弱い圧として、圧力が0のものも含むものとする。
【0038】
駆動回転部材27と従動回転部材30は、搬送ベルト26を挟んで対向する位置に配置され、所定の圧力で搬送ベルト26をニップしている。これにより、駆動手段Mにより駆動回転部材27が駆動力を受けると、駆動回転部材27は、従動回転部材30と協働して搬送ベルト26を回転させる。
【0039】
図5は上述の搬送ベルト26が、駆動回転部材27と従動回転部材30とにより、所定の圧力が付与されてニップされた状態を示している。この時、搬送ベルト26の外周面26bは従動回転部材30に形成された複数の当接部30bにより変形した状態となる。
【0040】
上述のように搬送ベルト26の凸面が、従動回転部材30の凹溝30aに合せて変形し撓んだ状態となることにより搬送ベルト26の凸面を従動回転部材30が乗り越える際のバタつきを抑え、騒音を低減することが可能となる。
【0041】
つまり、搬送ベルト26の幅方向における、搬送ベルト26の凸面26bは、一の部分(本実施例においては当接部30bが当接する部分)については従動回転部材30により圧を受けることにより搬送ベルト26の厚み方向に変形し、該一の部分と異なる他の部分(凸面26bにおける、凹溝30aと対向する部分)については厚み方向の変形量が該一の部分よりも小さい(本実施例においては従動回転部材30により圧を受けないため変形量は0であるが、該一の部分の変形量よりも小さい変形量であって0を超える変形量になるようにしてもよい)。なお、本発明においては、該一の部分よりも小さい変形量として、変形量が0のものも含むものとする。また、凹溝30aは凸面を変形させる構成であればよく、単一であっても複数であっても良い。
【0042】
「第2実施例」
次に図7に従い第2実施例について説明する。図7(a)の斜視図に示すように、従動回転部材30の搬送ベルト26と係合する係合面を従動回転部材30に沿って形成された凸部30cで構成する。つまり従動回転部材30の搬送ベルト26と接する当接部は、凸部30cのみとなり、凸部30c以外の周面(非当接部30d)は前記搬送ベルト26と接することがない。
【0043】
当接部30cにおいて、搬送ベルト26の幅方向に関して凸面26bと当接する長さが、凸面26bの、搬送ベルト26の幅方向における長さよりも小さい。これにより、搬送ベルト26の幅方向において搬送ベルト26の凸面26bは、一の部分(本実施例においては当接部30cが当接する部分)については従動回転部材30により圧を受け、該一の部分と異なる他の部分(凸面26bにおける、非当接部30dと対向する部分)については該一の部分よりも弱い圧(本実施例においては従動回転部材30により圧を受けない(圧力が0)が、該一の部分が受ける圧よりも弱い圧であって0を超える圧を受けるようにしてもよい)を受ける。なお、本発明においては、該一の部分よりも弱い圧として、圧力が0のものも含むものとする。
【0044】
駆動回転部材27と従動回転部材30は搬送ベルト26を挟んで対向する位置に配置され、所定の圧力で搬送ベルト26をニップさせた状態で駆動回転部材27を回転させることで搬送ベルト26に駆動力を伝達している。
【0045】
図7(b)は上述の搬送ベルト26をニップした駆動回転部材27と従動回転部材30とで所定の圧力が付与された状態を示している。この時、搬送ベルト26の外周面26bは従動回転部材30に形成された凸部30cに合せて変形した状態となる。
【0046】
上述のように搬送ベルト26の凸面が、従動回転部材30の凸部30bに合わせて変形し撓んだ状態となることにより搬送ベルト26の凸面を従動回転部材30が乗り越える際のバタつきを抑え、騒音を低減することが可能となる。搬送ベルト26の幅方向における、搬送ベルト26の凸面26bは、一の部分(本実施例においては当接部30cが当接する部分)については従動回転部材30により圧を受けることにより搬送ベルト26の厚み方向に変形し、該一の部分と異なる他の部分(凸面26bにおける、非当接部30dと対向する部分)については厚み方向の変形量が該一の部分よりも小さい(本実施例においては従動回転部材30により圧を受けないため変形量は0であるが、該一の部分の変形量よりも小さい変形量であって0を超える変形量になるようにしてもよい)。
【0047】
なお、本発明においては、該一の部分よりも小さい変形量として、変形量が0のものも含むものとする。また、凸部30cは凸面を変形させる構成であればよく、単一であっても複数であっても良い。
【符号の説明】
【0048】
B 後処理装置
C シート集積装置
10 装置ハウジング
11 搬入口
12 シート搬送経路
13 排紙口
14 処理トレイ(シート支持手段)
14a シート積載面(紙載面)
16 シート端規制部材
17 側縁整合部材
18 搬入ローラ対
19 排紙ローラ対
21 後処理手段(ステープル綴じ処理手段)
22 後処理手段(圧着綴じ手段)
23 スタックトレイ
24 シート搬入手段(パドル搬送機構)
24a パドル部材
24b 揺動ブラケット
24x 回転軸
25 掻き込み搬送機構(シート搬入機構)
26 搬送ベルト
26a 内周面
26b 外周面(ベルト表面)(凸部)
26r リブ
26w ベルト幅
26t ベルト厚さ
27 駆動回転部材
27a 第1駆動回転部材
27b 第2駆動回転部材
27c 第3駆動回転部材
27f フランジ部
27d ドラム部
27y 伝動歯車
30 従動回転部材
30a 凹溝部(非当接部)
30b 当接部
30c 凸部(当接部)
30d 非当接部
M 駆動手段(駆動モータ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7