(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
  硬質植物性バターが、カカオバター、イリッペバター、ムルムルバター、コクムバター及びそれらの混合物から選択される、請求項1〜3のいずれかに記載の固形化粧品組成物。
  軟質植物性バターが、アロエバター、アボカドバター、クプアスバター、マカダミアナッツバター、マンゴーバター、オリーブバター、シアバター、ココナッツバター、パンプキンシードバター、ピーナッツバター及びアーモンドバター、コーヒービーンバター、精製バター、ヘンプシードバター、モカチーノバター、ピスタチオナッツバター、シェイローバター並びにそれらの混合物から選択される、請求項1〜5のいずれかに記載の固形化粧品組成物。
  軟質植物性バターが、アロエバター、アボカドバター、クプアスバター、マカダミアナッツバター、マンゴーバター、オリーブバター、シアバター、ココナッツバター、パンプキンシードバター、ピーナッツバター及びアーモンドバター、コーヒービーンバター、精製バター、ヘンプシードバター、モカチーノバター、ピスタチオナッツバター、シェイローバター並びにそれらの混合物から選択される、請求項13に記載の固形化粧品組成物。
【発明を実施するための形態】
【0013】
  組成物
  本明細書中で論じる通り、本発明の一態様において、
  (i)(a)外部層に対して10〜45重量%の量の硬質植物性バター、及び
        (b)外部層に対して55〜80重量%の量の軟質植物性バター
を含む外部層と、
  (ii)(a)軟質植物性バター組成物、
        (b)フォンダン、又は
        (c)液体化粧品
である内部コアと
を含む固形化粧品組成物が提供される。
 
【0014】
  当業者ならば、化粧製品の性質が、化粧製品が食用に適さないことを意味することがわかるであろう。したがって、さらなる態様において、本発明は、
  (i)(a)外部層に対して10〜45重量%の量の硬質植物性バター、及び
        (b)外部層に対して55〜80重量%の量の軟質植物性バター
を含む外部層と、
  (ii)(a)軟質植物性バター組成物、
        (b)フォンダン、又は
        (c)液体化粧品
である内部コアと
を含む非食用の固形化粧品組成物を提供する。
 
【0015】
  本発明の固形製品は、外部手段、例えば、包装などによって支持されていない場合でも物理的形状を実質的に持続できる組成物である。したがって、それらは、室温において固体である、固体様である、固体形態である又は固体様形態であるとみなされる。誤解を避けるために記すと、固形製品は、30℃以下で実質的に固体であり続けなければならない。
 
【0016】
  「固体様」とは、ある材料が、日単位では固体とみなされるが、極めて長期間にわたった場合、形状が変化し得る、例えば、ガラスなどの非晶質材料であることを意味する。しかし、それらは、それらが果たす目的のためには固体であるので、固体様であるとみなされる。
 
【0017】
  本発明の組成物は固体形態であるため、組成物の形状を維持するのに外部包装は必要ない。
 
【0018】
  本発明において使用する植物性バターは、通常の使用温度で固体(前述の固体様を含む)であることがわかっているトリグリセリドである。誤解を避けるために記すと、植物性バターは、30℃以下で実質的に固体であり続けるトリグリセリドである。しかし、植物性バターが通常の使用温度で100%の固形脂肪含有量を有することは必要条件ではないことはわかるであろう。好ましい一態様において、固形脂肪は、25℃において少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、好ましくは少なくとも99%の固形脂肪含有量を有する。
 
【0019】
  本発明は、固体である化粧製品を提供する。固形製品に組み込まれる植物性バターは典型的には、マッサージにおいて作用剤として使用される。しかし、本発明の固形化粧製品は、エンドユーザーが適当と思う任意の方法で使用し得る。例えば、化粧製品は、以下の用途の1又は2以上で使用できる:歯用製剤(tooth preparation)、リップクリーム、固形バスソルト、モイスチャライザー、スキンケア、ボディローション、シャンプー、固形コンディショナー、整髪料、フェイスマスク、バスメルト、バスオイル、シャワーゲル、シャワージェリー、固形フレグランス、固形ヘンナ毛髪染料、シェービング剤、デオドラント及び風呂用気泡剤。しかし、好ましい一態様において、本発明の固形化粧品組成物は、マッサージバーである。
 
【0020】
  本発明の組成物は典型的には、製品を成形することによって作る。典型的な方法において、外部層を形成し、型中に配置する。この組成物を固化させて、外部層から形成された金型形状を生成する。この固化された外部層中に、内部コアを配置する。内部コアの完全な封入又は被包が必要とされる場合、さらなる量のこの外部層を適用して、内部コアの包み込みを完全なものにする。
 
【0021】
  好ましい一態様において、外部層は内部コアを完全に被包する。
 
【0022】
  用語「植物性バター」は、当業者に理解されるものであり、バターの稠度を有する植物源から得ることができるトリグリセリドを意味する。
 
【0023】
  外部層
  本明細書中で論じる通り、外部層は、
  (a)外部層に対して10〜45重量%の量の硬質植物性バター、及び
  (b)外部層に対して55〜80重量%の量の軟質植物性バター
を含む。
 
【0024】
  一態様において、外部層は、第1の植物性バター組成物であって、
  (a)1又は2以上の高飽和植物性バターであり、高飽和植物性バターの総脂肪酸に対して60重量%超の飽和脂肪酸を有する植物性バターから選択され、総量が第1の植物性バター組成物に対して10〜45重量%である、高飽和植物性バター、及び
  (b)1又は2以上の低飽和植物性バターであり、低飽和植物性バターの総脂肪酸に対して60重量%未満の飽和脂肪酸を有する植物性バターから選択され、総量が第1の植物性バター組成物に対して55〜80重量%である、低飽和植物性バター
を含む、第1の植物性バター組成物である。
 
【0025】
  用語「植物性バター」は、当業者に理解されるものであり、バターの稠度を有する植物源から得ることができるトリグリセリドを意味する。
 
【0026】
  1又は2以上の硬質植物性バター(高飽和植物性バターとしても知られ、そのように称される)は好ましくは、カカオバター、イリッペバター(Illipe butter)、ムルムルバター(Murumuru butter)、コクムバター(Kokum butter)及びそれらの混合物から選択される。非常に好ましい態様において、1又は2以上の硬質植物性バターはカカオバターである。
 
【0027】
  1、又は1若しくは2以上の軟質植物性バター(低飽和植物性バターとしても知られ、そのように称される)は好ましくは、アロエバター、アボカドバター、クプアスバター(Cupuacu butter)、マカダミアナッツバター、マンゴーバター、オリーブバター、シアバター、ココナッツバター、パンプキンシードバター、ピーナッツバター及びアーモンドバター(Almond butter)、コーヒービーンバター、精製バター、ヘンプシードバター、モカチーノ(Mochacchino)バター、ピスタチオナッツバター、シェイローバター(Shealoe butter)並びにそれらの混合物から選択される。非常に好ましい一態様において、1又は2以上の軟質植物性バターはシアバターである。
 
【0028】
  好ましい一態様において、外部層は、(a)外部層に対して10〜45重量%の量の1又は2以上の硬質植物性バター、及び(b)外部層に対して55〜80重量%の量の1又は2以上の軟質植物性バターを含む。好ましい一態様において、外部層は、(a)外部層に対して10〜35重量%の量の1又は2以上の硬質植物性バター、及び(b)外部層に対して60〜80重量%の量の1又は2以上の軟質植物性バターを含む。好ましい一態様において、外部層は、(a)外部層に対して10〜30重量%の量の1又は2以上の硬質植物性バター、及び(b)外部層に対して60〜80重量%の量の1又は2以上の軟質植物性バターを含む。好ましい一態様において、外部層は、(a)外部層に対して15〜35重量%の量の1又は2以上の硬質植物性バター、及び(b)外部層に対して65〜75重量%の量の1又は2以上の軟質植物性バターを含む。好ましい一態様において、外部層は、(a)外部層に対して15〜25重量%の量の1又は2以上の硬質植物性バター、及び(b)外部層に対して65〜75重量%の量の1又は2以上の軟質植物性バターを含む。
 
【0029】
  したがって、好ましい一態様において、外部層は、(a)外部層に対して15〜25重量%の量の、カカオバター、イリッペバター、ムルムルバター、コクムバター及びそれらの混合物から選択される植物性バター、及び(b)外部層に対して65〜75重量%の量の、アロエバター、アボカドバター、クプアスバター、マカダミアナッツバター、マンゴーバター、オリーブバター、シアバター、ココナッツバター、パンプキンシードバター、ピーナッツバター及びアーモンドバター、コーヒービーンバター、精製バター、ヘンプシードバター、モカチーノバター、ピスタチオナッツバター、シェイローバター並びにそれらの混合物から選択される植物性バターを含む。
 
【0030】
  好ましい一態様において、外部層は、(a)外部層に対して10〜45重量%の量のカカオバター、及び(b)外部層に対して55〜80重量%の量のシアバターを含む。好ましい一態様において、外部層は、(a)外部層に対して10〜35重量%の量のカカオバター、及び(b)外部層に対して55〜80重量%の量のシアバターを含む。好ましい一態様において、外部層は、(a)外部層に対して10〜30重量%の量のカカオバター、及び(b)外部層に対して55〜80重量%の量のシアバターを含む。好ましい一態様において、外部層は、(a)外部層に対して10〜35重量%の量のカカオバター、及び(b)外部層に対して60〜80重量%の量のシアバターを含む。好ましい一態様において、外部層は、(a)外部層に対して10〜30重量%の量のカカオバター、及び(b)外部層に対して60〜80重量%の量のシアバターを含む。より好ましい一態様において、外部層は、(a)外部層に対して15〜35重量%の量のカカオバター、及び(b)外部層に対して65〜75重量%の量のシアバターを含む。より好ましい一態様において、外部層は、(a)外部層に対して15〜25重量%の量のカカオバター、及び(b)外部層に対して65〜75重量%の量のシアバターを含む。
 
【0031】
  外部層の必須成分は、本明細書中で定義される。また一方、組成物は、さらなる追加成分を含有していてもよい。例えば、外部層は、本明細書中に明記していない1又は2以上の追加の植物性バターを含有していてもよい。
 
【0032】
  一態様において、外部層は、油、例えば、植物性油、ナッツ油又は植物油をさらに含む。好ましくは、外部層は、外部層に対して1〜10重量%の量の油を含む。したがって、好ましい一態様において、本発明は、
  (i)(a)外部層に対して10〜45重量%の量の硬質植物性バター、及び
        (b)外部層に対して55〜80重量%の量の軟質植物性バター、
        (c)外部層に対して1〜10重量%の量で存在する、植物性油、ナッツ油及び植物油から選択される油
を含む外部層と、
  (ii)(a)軟質植物性バター組成物、
        (b)フォンダン、又は
        (c)液体化粧品
である内部コアと
を含む固形化粧品組成物を提供する。
 
【0033】
  内部コア
  本明細書中で論じる通り、内部コアは、
  (a)軟質植物性バター組成物、
  (b)フォンダン、又は
  (c)液体化粧品
から選択される。
 
【0034】
  一態様において、内部コアは、
  (a)1又は2以上の植物性バターを含む第2の植物性バター組成物であり、1又は2以上の植物性バターが、第2の植物性バター組成物に対して10重量%未満の量の、植物性バターの総脂肪酸に対して60重量%超の飽和脂肪酸を有する植物性バターを含有する、第2の植物性バター組成物、
  (b)シロップ及びグリセリンを含む化粧品、並びに
  (c)液体化粧品
から選択される化粧品組成物であり得る。
 
【0035】
  一態様において、内部コアは軟質植物性バターである。一態様において、内部コアは、シロップ及びグリセリンを含む化粧品である。一態様において、内部コアは、液体化粧品である。
 
【0036】
  好ましくは、液体化粧品は、植物油、ナッツ油及びそれらの混合物から選択される。一態様において、液体油は植物油である。一態様において、液体油はナッツ油である。
 
【0037】
  好ましい一態様において、軟質植物性バター組成物は、1又は2以上の植物性バターであって、
  (i)軟質植物性バターに対して10重量%未満の量の硬質植物性バター、及び
  (ii)軟質植物性バター組成物に対して20〜60重量%の量の、1又は2以上の軟質植物性バター
を含有する1又は2以上の植物性バターを含む。
 
【0038】
  好ましくは、第2の植物性バター組成物の1又は2以上の軟質植物性バターは、アロエバター、アボカドバター、クプアスバター、マカダミアナッツバター、マンゴーバター、オリーブバター、シアバター、ココナッツバター、パンプキンシードバター、ピーナッツバター及びアーモンドバター、コーヒービーンバター、精製バター、ヘンプシードバター、モカチーノバター、ピスタチオナッツバター、シェイローバター並びにそれらの混合物から選択される。
 
【0039】
  好ましい一態様において、軟質植物性バター組成物の植物性バターは、1又は2以上の植物性バターであって、
  (i)軟質植物性バター組成物に対して10重量%未満の量の硬質植物性バター、及び
  (ii)第2の植物性バター組成物に対して20〜60重量%の量の、1又は2以上の軟質植物性バターであり、アロエバター、アボカドバター、クプアスバター、マカダミアナッツバター、マンゴーバター、オリーブバター、シアバター、ココナッツバター、パンプキンシードバター、ピーナッツバター及びアーモンドバター、コーヒービーンバター、精製バター、ヘンプシードバター、モカチーノバター、ピスタチオナッツバター、シェイローバター並びにそれらの混合物から選択される、1又は2以上の軟質植物性バター
を含有する、1又は2以上の植物性バターを含む。
 
【0040】
  好ましい一態様において、1又は2以上の軟質植物性バターは、軟質植物性バター組成物に対して20〜60重量%の量で、例えば、軟質植物性バター組成物に対して25〜55重量%の量で、例えば、軟質植物性バター組成物に対して30〜50重量%の量で、例えば、軟質植物性バター組成物に対して35〜45重量%の量で存在する。
 
【0041】
  好ましい一態様において、軟質植物性バター組成物は、(b)油、例えば、植物性油、ナッツ油又は植物油をさらに含む。好ましくは、軟質植物性バター組成物は、軟質植物性バター組成物に対して10〜50重量%の量の油を含む。好ましくは、軟質植物性バター組成物は、軟質植物性バター組成物に対して15〜45重量%の量の油を含む。好ましくは、軟質植物性バター組成物は、軟質植物性バター組成物に対して20〜40重量%の量の油を含む。好ましくは、軟質植物性バター組成物は、軟質植物性バター組成物に対して25〜35重量%の量の油を含む。
 
【0042】
  内部コアはフォンダンであり得る。シロップ及びグリセリンを含む化粧品は典型的には、当技術分野で化粧品フォンダンとして知られている。フォンダンは、シロップ(典型的には1重量%〜30重量%の範囲であり、約20重量%で有利な結果が得られる)、油/バター(典型的には20重量%〜90重量%の範囲であり、約60重量%で有利な結果が得られる)及びグリセリン(典型的には1重量%〜20重量%の範囲であり、約12重量%で有利な結果が得られる)のブレンドである。シロップは、大量の溶解した糖を含有するが結晶を沈着させる傾向をほとんど示さない糖の水溶液から主になる、濃厚で粘稠な液体のブレンドである。化粧品フォンダンはまた、果物ピューレ、野菜ピューレ又はそれらの混合物を含み得る。一態様において、フォンダンは、(a)シロップとグリセリンの混合物、(b)果物ピューレ、(c)野菜ピューレ及び(d)それらの混合物から選択される。
 
【0043】
  内部コアの必須成分は、本明細書中で定義される。また一方、組成物は、さらなる追加成分を含有していてもよい。例えば、軟質植物性バター組成物は、本明細書中に明記していない1又は2以上の追加の植物性バターを含有していてもよい。
 
【0044】
  外部層及び内部コア
  カカオバターを本発明において使用する場合、カカオバターは場合によってカカオ固形物と組合せてもよい。カカオバターは、カカオ固形物と組合せる場合、チョコレート型製品の外観を呈することができる。
 
【0045】
  外部層及び内部層は、製品に望ましい性質を提供するのに適当な妥当な量で存在し得る。一態様において、外部層は、内部コアと外部層の合計重量に対して60〜85重量%であり、内部コアは、内部コアと外部層の合計重量に対して15〜40重量%である。
 
【0046】
  植物性バターの合計量は、固形化粧製品の望ましい物理的特性を提供する任意の量で存在し得る。好ましくは、植物性バターは、総組成物の約10重量%〜約99重量%の量で固形化粧製品中に存在する。好ましくは、植物性バターは、総組成物の約20重量%〜約99重量%の量で固形化粧製品中に存在する。好ましくは、植物性バターは、総組成物の約30重量%〜約99重量%の量で固形化粧製品中に存在する。好ましくは、植物性バターは、総組成物の約40重量%〜約99重量%の量で固形化粧製品中に存在する。好ましくは、植物性バターは、総組成物の約50重量%〜約99重量%の量で固形化粧製品中に存在する。好ましくは、植物性バターは、総組成物の約60重量%〜約99重量%の量で固形化粧製品中に存在する。好ましくは、植物性バターは、総組成物の約70重量%〜約99重量%の量で固形化粧製品中に存在する。
 
【0047】
  外部層と内部コアの合計量は、固形化粧製品の望ましい物理的特性を提供する任意の量である。好ましくは、外部層と内部コアの合計量は、総組成物の約10重量%〜約100重量%である。好ましくは、外部層と内部コアの合計量は、総組成物の約20重量%〜約100重量%である。好ましくは、外部層と内部コアの合計量は、総組成物の約30重量%〜約100重量%である。好ましくは、外部層と内部コアの合計量は、総組成物の約40重量%〜約100重量%である。好ましくは、外部層と内部コアの合計量は、総組成物の約50重量%〜約100重量%である。好ましくは、外部層と内部コアの合計量は、総組成物の約60重量%〜約100重量%である。好ましくは、外部層と内部コアの合計量は、総組成物の約70重量%〜約100重量%である。好ましくは、外部層と内部コアの合計量は、総組成物の約80重量%〜約100重量%である。好ましくは、外部層と内部コアの合計量は、総組成物の約85重量%〜約100重量%である。好ましくは、外部層と内部コアの合計量は、総組成物の約90重量%〜約100重量%である。好ましくは、外部層と内部コアの合計量は、総組成物の約95重量%〜約100重量%である。好ましくは、外部層と内部コアの合計量は、総組成物の100重量%である。
 
【0048】
  追加成分
  本発明の固形製品はまた、1又は2以上の化粧品として許容される添加剤を含んでいてもよい。当業者ならば、このような組成物に組み込むのに好適な化粧品として許容されるさまざまな添加剤を知っている。例えば、結合剤、充填剤、不透明剤、パフューム、フレグランス、装飾的アイテム及びそれらの混合物。
 
【0049】
  本発明の組成物はフレグランスをさらに含むことが、特に好ましい。好ましくは、フレグランスはエッセンシャルオイルから選択される。好ましくはフレグランスが、より好ましくはエッセンシャルオイルが、総組成物の約0.5重量%〜約10重量%の量で存在する。より好ましい量は、総組成物の約1重量%〜約8重量%、例えば、総組成物の約2重量%〜約8重量%、例えば、総組成物の約3重量%〜約7重量%、例えば、総組成物の約4重量%〜約6重量%、例えば、総組成物の約5重量%である。
 
【0050】
  一態様において、外部層は、外部層に対して1〜10重量%の量のフレグランスを含み、内部コアは、内部コアに対して1〜10重量%の量のフレグランスを含む。
 
【0051】
  果物及びハーブのエキス及びジュース、植物性油並びにエッセンシャルオイルは全て、組成物と適合する。色素は、天然由来及び合成のいずれであっても、製品の着色に使用できる。
 
【0052】
  一実施形態において、化粧品として許容される添加剤は、エッセンシャルオイル、ビタミン、フレグランス、着色剤、クレイ、装飾用品及びそれらの混合物からなる群から選択される。
 
【0053】
  エッセンシャルオイルは、望ましいフレグランス、処置される肌質、及びエッセンシャルオイルの周知の性質に基づく望ましい他の効果に基づいて選択し得る。エッセンシャルオイルが鼻に入る場合には、その添加は気分を変えることが知られている。例えば、エッセンシャルオイルは、眠気を誘う効果及び感覚を刺激する効果を引き起こすことが知られている。多くの十分に裏付けられた効果を、エッセンシャルオイルを用いて達成できる。
 
【0054】
  一実施形態において、固形製品中に存在する1又は2以上のエッセンシャルオイルは、タラゴン、レモンマートル、ジャスミン、イランイラン、ラブダナム(Labdunum)、レモングラス、ローズオットー、グレープフルーツ、パチョリ、ローズマリー、アルモワーズ、レモン、ネロリ、ニオイスミレ、ラベンダー、オレンジ50倍、バニラ、ペパーミント、ベンゾイン、アジサイ(Hydrangia)、リツェアクベバ、カルダモン、トンカ及びカモミールブルーから選択される。一実施形態において、固形製品中に存在する1又は2以上のエッセンシャルオイルは、タラゴン、レモンマートル、ラブダナム及びレモンから選択される。
 
【0055】
  ビタミン、特にビタミンB、C及びEは、皮膚に対して非常に有益である。ビタミンの豊富な成分、例えば、小麦胚芽油も、皮膚にビタミンを送達するのに使用できる。一実施形態において、ビタミンは、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE及びそれらの混合物から選択される。当業者ならば、ビタミンを任意の好適な供給源から提供できることがわかるであろう。例えば、ビタミン(1又は2以上)は、合成源から提供してもよいし、又は高ビタミン含有量を有する材料、例えば、天然材料の固形製品への組み込みにより提供してもよい。
 
【0056】
  本発明における成分は、化粧品保存剤を必要としない。化粧品保存剤の使用は、皮膚を刺激する可能性を増すおそれがある。
 
【0057】
  固形製品中に存在し得る装飾的アイテムとしては、グリッター、ペーパー、例えば、ライスペーパー、シークイン、ドライフラワー若しくは生花、ハーブ、野菜、それらの部分又はそれらの混合物などのアイテムが挙げられる。他の改良材料をまた、組み込んでもよい。
 
【0058】
  さらなる好ましい添加材料としては、植物性油、チョコレート、ハーブ及びスパイス、化粧品色素(例えば、パプリカ、クチナシエキス、D&C  Red  no.30)、豆(例えば、小豆)、生の果物又はドライフルーツ(例えば、バナナ、アボカド、マンゴー、パパイア、キーウィ、ラズベリー、イチゴ、ブルーベリー、ブドウ、トマト、アスパラガス又はキュウリ)、蜂蜜、グリセリン、化粧品用グリッター、他の植物性バター(例えば、マンゴー、アボカド)、クレイ(例えば、カオリン)、澱粉(例えば、コーンスターチ)並びにそれらの混合物が挙げられる。
 
【0059】
  前記範囲は、成分のそれぞれの好ましい量を示す。これらの範囲のそれぞれは、本発明の好ましい態様を提供するように、単独で採用してもよいし、又は1若しくは2以上の他の成分範囲と組合せて採用してもよい。
 
【0060】
  製造方法
  本明細書中で論じる通り、本発明は、
  i)外部層及び内部コアを調製するステップと、
  ii)内部コアを外部層で被包するステップと
を含む、本明細書中に記載する固形組成物の製造方法を提供する。
 
【0061】
  本発明の固形製品の形状は限定しない。固形製品に、審美性に優れるであろう及び/又は製品の使用に役立つ形状を与えることが可能である。例えば、固形製品は、使用者に人間工学的に許容される形状で固化するような方法で製造することが可能である。したがって、本発明の方法の一実施形態において、ステップi)及び/又はステップii)の混合物を型中に圧入し、固化させ、次いで外に出して、固形製品を製造する。
 
【0062】
  本明細書中で記載する通り、固形製品は、1又は2以上の化粧品として許容される添加剤をさらに含んでいてもよい。一実施形態において、方法は、本明細書中で定義する1若しくは2以上の化粧品として許容される添加剤及び/又は本明細書中で定義する分散剤を、ステップi)及び/若しくはステップii)の混合物と合わせるステップをさらに含む。
 
【0063】
  本発明はまた、本明細書に記載する方法によって得られた又は得ることができる製品を提供する。
 
【0064】
  方法
  本発明の一態様において、使用者の皮膚を本製品と接触させるステップを含む方法が提供される。製品は、使用者が自分で適用することもできるし、又は別の個人が適用することもできる。
 
【実施例】
【0065】
  本発明をこれから、以下の非限定的な実施例に関して記載する。
【0066】
  本発明に従って組成物を調製するための一般的な方法は、以下の通りである:
  1.外部層の植物性バターを、50〜70℃の温度まで加熱して融解させる。
  2.バターミックスを22〜32℃まで冷却し、次いで33〜45℃まで再加熱する。
  3.任意の追加成分、例えば、装飾材料、フレグランス及び着色剤。
  4.次いで、混合物を型に注入し、4〜20℃の温度で固化させる。
  5.内部コアの成分を、ステップ1と同様にして加熱する。
  6.適当な場合、シロップ及びグリセリンを加え、混合物を30〜50℃の温度にする。
  7.任意の追加成分、例えば、装飾材料、フレグランス及び着色剤を添加する。
  8.内部コアを、外部層のシェルに加える。
  9.これを場合によって、さらなる量の外部層でシールする。
  10.組成物を4℃まで冷却して、凝固させる。
【0067】
  以下の組成を有する外部層を調製した。
【0068】
【表1】
【0069】
  製品を、以下のようにして調製した:
  1.Aを68℃まで加温して融解させる。
  2.バターミックスを30℃まで冷却し、次いで40℃まで再加熱する。
  3.バターミックスを27℃まで冷却し、Bを加える。
【0070】
  以下の組成を有する軟質植物性バター組成物を調製した。
【0071】
【表2】
【0072】
  製品は、以下のようにして調製した:
  1.Aを68℃まで加温して融解させる。
  2.Aを45℃まで冷却し、次いでB+Cに入れて撹拌し、
  3.8℃まで冷却して、凝固させる。
【0073】
  内部及び外部を、以下のようにして合わせる。
  1.調製した外部層136gのうち58%を型に充填する。
  2.内型を加え、次いで8℃まで冷却して、凝固させる。外部層136gのうちの残りの42%は元通りにしておき、25℃に維持する。
  3.シェルが固化したら、内型を取り除き、
  4.第2の植物性バター組成物64gを加え、
  5.外部層136gのうちの残りの32%で被覆する。
  6.8℃まで冷却して、凝固させる。
【0074】
  調製した試料は、外部層の不当な流出油汚染を伴わずに扱えることがわかった。次いで、試料を押しつぶして、外部の組成物と内部の組成物とを混合した。次に、これらをマッサージにおいて適用し、心地よく滑らかな質感を有することがわかった。
【0075】
  さらなる態様において、本発明は、以下の番号付きパラグラフ中に記載する組成物、製造方法及び方法を提供する:
【0076】
  本明細書中における外部層への全ての言及は、第1の植物性バター組成物を指し、第1の植物性バター組成物を包含し、第1の植物性バター組成物と同等と読み取ることができ、第1の植物性バター組成物は、
  (a)1又は2以上の高飽和植物性バターであり、高飽和植物性バターの総脂肪酸に対して60重量%超の飽和脂肪酸を有する植物性バターから選択され、総量が第1の植物性バター組成物に対して10〜45重量%である、高飽和植物性バター、及び
  (b)1又は2以上の低飽和植物性バターであり、低飽和植物性バターの総脂肪酸に対して60重量%未満の飽和脂肪酸を有する植物性バターから選択され、総量が第1の植物性バター組成物に対して55〜80重量%である、低飽和植物性バター
を含む。
【0077】
  本明細書中における内部コアへの全ての言及は、化粧品材料を指し、化粧品材料を包含し、化粧品材料と同等と読み取ることができ、化粧品材料は、
  (a)1又は2以上の植物性バターを含む第2の植物性バター組成物であり、1又は2以上の植物性バターが第2の植物性バター組成物に対して10重量%未満の量の、植物性バターの総脂肪酸に対して60重量%超の飽和脂肪酸を有する植物性バターを含有する、第2の植物性バター組成物、
  (b)シロップ及びグリセリンを含む化粧品、並びに
  (c)液体化粧品、
から選択される。
【0078】
  1.(i)第1の植物性バター組成物であって、
  (a)1又は2以上の高飽和植物性バターであり、高飽和植物性バターの総脂肪酸に対して60重量%超の飽和脂肪酸を有する植物性バターから選択され、総量が第1の植物性バター組成物に対して10〜45重量%である、高飽和植物性バター、及び
  (b)1又は2以上の低飽和植物性バターであり、低飽和植物性バターの総脂肪酸に対して60重量%未満の飽和脂肪酸を有する植物性バターから選択され、総量が第1の植物性バター組成物に対して55〜80重量%である、低飽和植物性バター
を含む、第1の植物性バター組成物と、
(ii)化粧品材料であって、
  (a)1又は2以上の植物性バターを含む第2の植物性バター組成物であり、1又は2以上の植物性バターが第2の植物性バター組成物に対して10重量%未満の量の、植物性バターの総脂肪酸に対して60重量%超の飽和脂肪酸を有する植物性バターを含有する、第2の植物性バター組成物、
  (b)シロップ及びグリセリンを含む化粧品、並びに
  (c)液体化粧品
から選択される化粧品材料と
を含み、第1の植物性バター組成物と化粧品材料が互いに異なり、第1の植物性バター組成物が化粧品材料を被包している、固形化粧品組成物。
【0079】
  2.第1の植物性バター組成物が化粧品材料を完全に被包している、パラグラフ1に記載の固形化粧品組成物。
【0080】
  3.第1の植物性バター組成物が、
  (a)第1の植物性バター組成物に対して15〜35重量%の量の1又は2以上の高飽和植物性バター、及び
  (b)第1の植物性バター組成物に対して65〜75重量%の量の1又は2以上の低飽和植物性バター
を含む、パラグラフ1又は2に記載の固形化粧品組成物。
【0081】
  4.1又は2以上の高飽和植物性バターが、カカオバター、イリッペバター、ムルムルバター、コクムバター及びそれらの混合物から選択される、パラグラフ1〜3のいずれかに記載の固形化粧品組成物。
【0082】
  5.1又は2以上の高飽和植物性バターがカカオバターである、パラグラフ1〜4のいずれかに記載の固形化粧品組成物。
【0083】
  6.1、又は1若しくは2以上の低飽和植物性バターが、アロエバター、アボカドバター、クプアスバター、マカダミアナッツバター、マンゴーバター、オリーブバター、シアバター、ココナッツバター、パンプキンシードバター、ピーナッツバター及びアーモンドバター、コーヒービーンバター、精製バター、ヘンプシードバター、モカチーノバター、ピスタチオナッツバター、シェイローバター並びにそれらの混合物から選択される、パラグラフ1〜5のいずれかに記載の固形化粧品組成物。
【0084】
  7.1又は2以上の低飽和植物性バターがシアバターである、パラグラフ1〜6のいずれかに記載の固形化粧品組成物。
【0085】
  8.第1の植物性バター組成物が、
  (a)第1の植物性バター組成物に対して10〜45重量%の量のカカオバター、及び
  (b)第1の植物性バター組成物に対して55〜80重量%の量のシアバター
を含む、パラグラフ1〜7のいずれかに記載の固形化粧品組成物。
【0086】
  9.第1の植物性バター組成物が、
  (a)第1の植物性バター組成物に対して15〜35重量%の量のカカオバター、及び
  (b)第1の植物性バター組成物に対して65〜75重量%の量のシアバター
を含む、パラグラフ1〜7のいずれかに記載の固形化粧品組成物。
【0087】
  10.第1の植物性バター組成物が、油、例えば、植物性油、ナッツ油又は植物油をさらに含む、パラグラフ1〜9のいずれかに記載の固形化粧品組成物。
【0088】
  11.第1の植物性バター組成物が、第1の植物性バター組成物に対して1〜10重量%の量の油を含む、パラグラフ10に記載の固形化粧品組成物。
【0089】
  12.化粧品材料が、第2の植物性バター組成物である、パラグラフ1〜11のいずれかに記載の固形化粧品組成物。
【0090】
  13.第2の植物性バター組成物が1又は2以上の植物性バターを含み、1又は2以上の植物性バターが、
  (i)第2の植物性バター組成物に対して10重量%未満の量の、植物性バターの総脂肪酸に対して60重量%超の飽和脂肪酸を有する高飽和植物性バター、及び
  (ii)1又は2以上の低飽和植物性バターであって、低飽和植物性バターの総脂肪酸に対して60重量%未満の飽和脂肪酸を有する植物性バターから選択され、総量が第2の植物性バター組成物に対して20〜60重量%である、1又は2以上の低飽和植物性バター
を含有する、パラグラフ12に記載の固形化粧品組成物。
【0091】
  14.第2の植物性バター組成物の1又は2以上の低飽和植物性バターが、アロエバター、アボカドバター、クプアスバター、マカダミアナッツバター、マンゴーバター、オリーブバター、シアバター、ココナッツバター、パンプキンシードバター、ピーナッツバター及びアーモンドバター、コーヒービーンバター、精製バター、ヘンプシードバター、モカチーノバター、ピスタチオナッツバター、シェイローバター並びにそれらの混合物から選択される、パラグラフ13に記載の固形化粧品組成物。
【0092】
  15.第2の植物性バター組成物の1又は2以上の低飽和植物性バターが、アロエバター、アボカドバター、クプアスバター、マカダミアナッツバター、マンゴーバター、オリーブバター、シアバター、ココナッツバター、パンプキンシードバター、ピーナッツバター及びアーモンドバター、コーヒービーンバター、精製バター、ヘンプシードバター、モカチーノバター、ピスタチオナッツバター、シェイローバター並びにそれらの混合物から選択され、20〜60重量%の量である、パラグラフ13又は14に記載の固形化粧品組成物。
【0093】
  16.第2の植物性バター組成物が、油、例えば、植物性油、ナッツ油又は植物油をさらに含む、パラグラフ12〜15のいずれかに記載の固形化粧品組成物。
【0094】
  17.第2の植物性バター組成物が、第2の植物性バター組成物に対して10〜50重量%の量の油を含む、パラグラフ16に記載の固形化粧品組成物。
【0095】
  18.化粧品材料が、シロップ及びグリセリンを含む化粧品である、パラグラフ1〜11のいずれかに記載の固形化粧品組成物。
【0096】
  19.第1の植物性バター組成物及び/又は化粧品材料が、結合剤、充填剤、不透明剤、パフューム、フレグランス、装飾的アイテム及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つの追加成分をさらに含む、パラグラフ1〜18のいずれかに記載の固形化粧品組成物。
【0097】
  20.第1の植物性バター組成物及び/又は化粧品材料が、フレグランスをさらに含む、パラグラフ1〜19のいずれかに記載の固形化粧品組成物。
【0098】
  21.フレグランスがエッセンシャルオイルから選択される、パラグラフ20に記載の固形化粧品組成物。
【0099】
  22.第1の植物性バター組成物が、第1の植物性バター組成物に対して1〜10重量%の量のフレグランスを含み、化粧品材料が、化粧品材料に対して1〜10重量%の量のフレグランスを含む、パラグラフ20又は21に記載の固形化粧品組成物。
【0100】
  23.マッサージバーである、パラグラフ1〜22のいずれかに記載の固形化粧品組成物。
【0101】
  24.i)第1の植物性バター組成物及び化粧品材料を調製するステップと、
ii)化粧品材料を第1の植物性バター組成物で被包するステップと
を含む、パラグラフ1〜23のいずれかに定義される固形化粧品組成物の製造方法。
【0102】
  25.パラグラフ24の方法によって得られた又は得ることができる製品。
【0103】
  26.使用者の皮膚を、パラグラフ1〜23のいずれかに定義される固形化粧品組成物と接触させるステップを含む美容方法。
【0104】
  本発明の種々の変更形態及び変形形態は、本発明の範囲及び精神を逸脱することなく、当業者には明らかであろう。本発明を特定の好ましい実施形態に関連して記載したが、特許請求の範囲に記載する本発明は、このような特定の実施形態に不当に限定されるものではないことを理解すべきである。実際に、化学、生物学又は関連分野における当業者には明らかである、本発明を実施するための記載した方法の種々の変更形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内であることを意図するものである。