(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6357478
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】連続流分離チャンバ
(51)【国際特許分類】
A61M 1/02 20060101AFI20180709BHJP
【FI】
A61M1/02 125
【請求項の数】22
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-540860(P2015-540860)
(86)(22)【出願日】2013年11月5日
(65)【公表番号】特表2015-533338(P2015-533338A)
(43)【公表日】2015年11月24日
(86)【国際出願番号】US2013068478
(87)【国際公開番号】WO2014071365
(87)【国際公開日】20140508
【審査請求日】2016年10月14日
(31)【優先権主張番号】61/722,506
(32)【優先日】2012年11月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594202615
【氏名又は名称】ヘモネティクス・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Haemonetics Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100121061
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 清春
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ウールマン,ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】パワーズ,エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ラグサ,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】パージュ,エティエンヌ
【審査官】
宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2012/137086(WO,A1)
【文献】
特開2006−020756(JP,A)
【文献】
米国特許第04859333(US,A)
【文献】
特開平09−104631(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/02
B04B 7/08 − B04B 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全血の連続分離のための遠心分離ボウルであって、
前記遠心分離ボウルの縦軸に対して回転可能な外側本体であって、内部空洞を画定する主本体部、前記主本体部の近位に延在する首部、及び前記主本体部及び前記首部を接続する肩部を有する外側本体;
前記外側本体内に位置し、前記外側本体と共に回転可能な上部コアであって、前記外側本体と同軸で、また前記上部コアを通じて前記遠心分離ボウルの前記縦軸に沿って延在するチムニーを含む上部コア;
前記上部コアと前記外側本体との間に位置する分離領域、ここで前記分離領域内において、前記遠心分離ボウルの回転により全血を第1の血液成分及び第2の血液成分に分離しており;
全血を前記遠心分離ボウルに導入するための流入口;
前記流入口と流体接続され、また前記チムニーを通じて前記流入口から遠位に延在している流入管であって、前記全血を導入領域に導入するように構成されている流入管;
第1の血液成分を前記遠心分離ボウルから引き出すための第1の血液成分流出口;
前記第1の血液成分流出口から第1の血液成分抽出領域まで延在している第1の血液成分抽出管;
前記分離領域に流体接続しており、前記遠心分離ボウルから第2の血液成分を引き出すための第2の血液成分流出口;
前記外側本体の前記首部から内側に延在している堰ディスク、ここで前記第2の血液成分は、前記第2の血液成分流出口を介して前記遠心分離ボウルから出る前に、前記堰ディスクを越えて前記外側本体の前記首部へと流れ;並びに、
前記外側本体に取り付けられ、また、前記流入口、前記第1の血液成分流出口及び前記第2の血液成分流出口を前記外側本体に流体的に連結する、遠心分離ボウル回転シールを含む、遠心分離ボウル。
【請求項2】
前記堰ディスクの底面及び前記上部コアの上面によって画定される第2の血液成分チャネルをさらに含み、ここで前記第2の血液成分チャネルは、前記分離領域と前記第2の血液成分流出口とを流体接続している、請求項1に記載の遠心分離ボウル。
【請求項3】
前記外側本体内に位置し、前記外側本体と共に回転可能な下部コアをさらに含み、ここで前記下部コアは、前記外側本体の底と前記上部コアとの間に位置し、前記第1の血液成分抽出領域は、前記下部コアの底壁と前記外側本体の前記底との間に位置し、前記第1の血液成分抽出領域は、前記第1の血液成分抽出管と前記分離領域とを流体接続している、請求項1または2に記載の遠心分離ボウル。
【請求項4】
前記第1の血液成分抽出管が前記下部コアを通って延在する、請求項3記載の遠心分離ボウル。
【請求項5】
前記第1の血液成分抽出管と前記下部コアとの間に位置するシール部材をさらに含み、ここで前記シール部材は、前記第1の血液成分抽出管と前記下部コアとの間の漏出を防止する、請求項4に記載の遠心分離ボウル。
【請求項6】
前記分離領域は、前記第2の血液成分流出口と流体連通している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の遠心分離ボウル。
【請求項7】
前記外側本体の前記肩部に位置する光学センサをさらに含み、ここで前記光学センサは、前記分離領域内の前記第1の血液成分と前記第2の血液成分との間の界面をモニタするように構成されており、前記光学センサは、前記界面の位置に基づいて第1の血液成分ポンプの動作を制御するように構成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の遠心分離ボウル。
【請求項8】
前記第1の血液成分ポンプは、前記遠心分離ボウルから前記第1の血液成分を引き出すように構成されている、請求項7に記載の遠心分離ボウル。
【請求項9】
前記第1の血液成分は赤血球であり、前記第2の血液成分は血漿である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の遠心分離ボウル。
【請求項10】
底壁及び前記底壁から延在する近位に延在する壁を有する下部コアをさらに含み、ここで前記近位に延在する壁は、前記上部コアの少なくとも一部から半径方向外側にある、請求項1〜2および6〜9のいずれか一項に記載の遠心分離ボウル。
【請求項11】
前記近位に延在する壁及び前記上部コアの少なくとも一部によって画定される第1の分離領域をさらに含む、請求項10に記載の遠心分離ボウル。
【請求項12】
前記第1の分離領域は、前記分離領域に流体接続している、請求項11に記載の遠心分離ボウル。
【請求項13】
前記流入管と前記第1の分離領域とを流体接続している流体経路をさらに含む、請求項11に記載の遠心分離ボウル。
【請求項14】
前記流体経路は、前記上部コアの底壁と前記下部コアの前記底壁との間に延在する、請求項13に記載の遠心分離ボウル。
【請求項15】
前記第1の血液成分抽出領域は、前記下部コアの前記底壁と前記外側本体の底との間に位置し、前記第1の血液成分抽出管は、前記第1の血液成分抽出領域へと延在している、請求項10に記載の遠心分離ボウル。
【請求項16】
前記近位に延在する壁は、全血が前記第1の血液成分抽出領域に入るのを防止する、請求項10に記載の遠心分離ボウル。
【請求項17】
前記第1の血液成分抽出管は、前記流入管と同軸である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の遠心分離ボウル。
【請求項18】
前記流入管及び前記第1の血液成分抽出管は、前記チムニーを通って延在する、請求項1〜17のいずれか一項に記載の遠心分離ボウル。
【請求項19】
前記流入管の外径と前記チムニーの内径との間にあるバイパスシールをさらに含み、ここで前記バイパスシールは、前記導入領域を前記チムニーから分離している、請求項1〜18のいずれか一項に記載の遠心分離ボウル。
【請求項20】
前記バイパスシールは回転シールである、請求項19に記載の遠心分離ボウル。
【請求項21】
前記堰ディスクと前記上部コアの上面との間に少なくとも部分的に延在する流体チャネルをさらに含み、前記流体チャネルは前記分離領域と前記堰ディスクの開口部とを流体接続しており、前記第2の血液成分は、前記外側本体の前記首部へと流れるようにして、前記流体チャネルを通じて、前記開口部に入りそして前記堰ディスクを超えて流れる、請求項1〜20のいずれか一項に記載の遠心分離ボウル。
【請求項22】
前記首部内に位置する流出スカートをさらに含み、前記第2の血液成分は、前記第2の血液成分流出口を介して前記遠心分離ボウルから出る前に、前記堰ディスクを超えてそして前記流出スカートへと流れ、前記流出スカートは第1の直径を有しており、
ここで前記堰ディスクは前記堰ディスクを通じて延在する開口部を含み、そして第2の直径を有しており、前記第2の直径は前記第1の直径よりも小さい、請求項1〜21のいずれか一項に記載の遠心分離ボウル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本特許出願は、「連続流分離チャンバ」と題され、シュー・マーフィー、ドミニク・ウルマン、エドワード・パワーズ、マイケル・ラグーザ及びエティエンヌ・パージェを発明者とする、2012年11月5日付け出願の米国仮特許出願第61/722,506号に基づいて優先権を主張するものである。該米国出願の開示は、参照によりその全てがここに援用される。
【0002】
本願発明は、全血分離チャンバに関し、より詳細には連続流分離チャンバ及びこれを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
アフェレーシスは、対象者(対象)から引き出された全血から個々の血液成分を分離し、収集することができる処置である。典型的には、全血は、対象者の腕の静脈に挿入した針を介して、細胞分離装置、例えば遠心分離ボウルへと引き出される。全血がその様々な成分に分離されると、1以上の成分を遠心分離ボウルから取り出すことができる。残りの成分は、対象者に戻すことができる。いくつかの例では、残りの成分は、取り出された成分の量を補うために、任意の補償流体と共に対象者へと戻すことができる。引き出し(ドロー)及び戻し(リターン)の処理は、所望の成分の量が収集される時まで続けられ、その時に該処理が停止することになる。アフェレーシス・システムの中心的な特徴は、処理後の求められていない成分がドナーに戻されるということである。分離された血液成分は、例えば、赤血球のような高密度成分、血小板又は白血球のような中間密度成分、及び血漿のような低密度成分を含むことができる。
【0004】
上述したように、多くの従来技術のアフェレーシス・システムは、個々の血液成分を分離し、収集するために、遠心分離ボウルを使用する。このようなシステムでは、全血は、ボウルに引き入れられ、(例えば、分離領域内で)各種成分に分離される。ボウルを全血で満たし続けると、赤血球はボウルの外径方向へと沈殿し、血漿界面(例えば、赤血球と血漿との間の界面)がボウルの中心へと移動することを引き起こす。血漿界面が特定の位置に到達すると、血漿はボウルから引き出されて、1以上の収集バッグに収集されることができる。血漿界面が特定の位置に到達する時まで、血液はボウルを満たし続けることになる。この時に、ボウルへの全血の導入は停止する。
【0005】
全血の導入が停止した後、収集した血漿は、ボウル内で形成された血小板の層を取り出すために、ボウルへと再循環させることができる。血小板が収集されると、多くの従来技術システムは、続いてボウルの残りの中身を収集し、及び/又はその患者に戻している。血液成分(例えば、赤血球、血小板、血漿、その他)の目標量が収集される時まで、その処理はバッチ的/断続的方法により繰り返される。
【発明の概要】
【0006】
本発明の一態様によれば、全血の(例えば、赤血球及び血漿への)連続分離のための遠心分離ボウルは、遠心分離ボウルの縦軸に対し回転可能な外側本体を含むことができる。外側本体内で、ボウルは、上部コア及び下部コアを有することができる。上部コアは、外側本体と共に回転可能で、同軸でもよい。下部コアは、底壁、及び底壁から延在し、上部コアの少なくとも一部から半径方向外側にある、近位に延在する壁を有することができる。近位に延在する壁及び上部コアの一部は、全血の分離が始まる第1の分離領域を画定することができる。ボウルは、上部コアと外側本体との間に位置する第2の分離領域を有することもできる。
【0007】
いくつかの態様において、ボウルは、全血を遠心分離ボウルに導入するための流入口、及び流入口に流体接続されて、流入口から遠位に延在する流入管を有することができる。流入管は、全血を(上部コアと下部コアとの間の)導入領域に導入することができる。加えて、ボウルは、第1の血液成分流出口及び第2の血液成分流出口を有することができる。第1の血液成分流出口は、第1の血液成分を遠心分離ボウルから引き出すためのものであってもよい。第1の血液成分抽出管は、第1の血液成分流出口から、下部コアを通じ、下部コアの下の領域まで延在することができる。第2の血液成分流出口は、第2の分離領域に流体接続させることができ、第2の血液成分が遠心分離ボウルを出ることができるように構成することができる。遠心分離ボウル回転シールは、外側本体に取り付けられることができ、流入口、第1の血液成分流出口及び第2の血液成分流出口を外側本体に連結することができる。
【0008】
第1の分離領域は、第2の分離領域に流体接続させることができ、また、下部コアの底壁と外側本体の底との間に位置する第1の血液成分抽出領域があってよい。第1の血液成分抽出管は、第1の血液成分抽出領域に到達することができる。加えて、近位に延在する壁は、全血が第1の血液成分抽出領域に入るのを防止するように構成されることができる。ボウルは、(1)導入領域から第1の分離領域まで延在し、(2)流入管及び第1の分離領域を流体接続し、そして(3)上部コアの底壁と下部コアの上側表面との間に位置する、流体経路を含むこともできる。
【0009】
ボウルは、第1の血液成分抽出管と下部コアとの間に位置するシール、及びバイパスシール(例えば、回転シール)を含むこともできる。上部コアは、上部コアを通り遠心分離ボウルの縦軸に沿って延在しているチムニー(chimney)を含むことができる。流入管及び第1の血液成分抽出管は、チムニーを通じて延在することができる。バイパスシールは、流入管の外径とチムニーの内径との間に位置することができ、導入領域をチムニーから分離することができる。第1の血液成分抽出管は、流入管と同軸でもよい。
【0010】
ボウルは、ボウル/外側本体の肩部に、第1の血液成分と第2の血液成分との間の界面をモニタする光学センサを有することができる。光学センサは、界面の位置に基づいて第1の血液成分ポンプの動作を制御することができる。第1の血液成分ポンプは、ボウルから第1の血液成分を引き出すことができる。
【0011】
ボウルはまた、外側本体の首部から内側に延在している堰ディスク(weir disk)を有することもできる。第2の血液成分は、第2の血液成分流出口を介して遠心分離ボウルから出ていく前に、堰ディスクを越えて、外側本体の首部へと流れることができる。堰ディスクの底面及び上部コアの上面は、第2の分離領域と第2の血液成分流出口とを流体接続する第2の血液成分チャネルを画定することができる。
【0012】
更なる態様によれば、全血の連続分離のための遠心分離ボウルは、遠心分離ボウルの縦軸に対して回転可能な外側本体、上部コア及び分離領域を含むことができる。上部コアは、外側本体内に位置し、外側本体と共に回転可能でもよい。上部コアは、外側本体と同軸でもよく、またそれを通じ遠心分離ボウルの縦軸に沿って延在するチムニーを有してもよい。分離領域は、上部コアと外側本体との間に位置することができ、また遠心分離ボウルの回転は、分離領域内の全血を、第1の血液成分(例えば、赤血球)及び第2の血液成分(例えば、血漿)へと分離することができる。
【0013】
遠心分離ボウルは、全血を遠心分離ボウルに導入するための流入口を有することもできる。流入口は、チムニーを通じて流入口から遠位に延在する流入管に、流体接続させることができる。流入管は、全血を導入領域に導入することができる。導入領域をチムニーから分離するために、バイパスシール(例えば、回転シール)が、流入管の外径とチムニーとの内径との間にあってもよい。(例えば、分離領域と流体連通している)第1の血液成分流出口は、第1の血液成分を遠心分離ボウルから引き出すために用いることができる。第1の血液成分抽出管は、流入管と同軸でもよく、第1の血液成分流出口から第1の血液成分抽出領域まで延在してもよい。加えて、ボウルは、分離領域に流体接続しており、また遠心分離ボウルから第2の血液成分を引き出すように構成された第2の血液成分流出口を含むことができる。外側本体に取り付けた遠心分離ボウル回転シールは、流入口、第1の血液成分流出口、及び第2の血液成分流出口を外側本体に連結することができる。
【0014】
上部コアに加え、いくつかの態様において、ボウルは、外側本体内に位置し、また外側本体と共に回転可能な下部コアを含むこともできる。下部コアは、外側本体の底面と上部コアとの間に位置することができる。第1の血液成分抽出領域は、下部コアの底壁と外側本体の底との間に位置することができ、第1の血液成分抽出管と分離領域とを流体接続することができる。第1の血液成分抽出管は、下部コアを通じて第1の血液成分抽出領域へと延在することができる。加えて、第1の血液成分抽出管と下部コアとの間での漏出を防止するため、第1の血液成分抽出管と下部コアとの間に位置するシール部材があってもよい。
【0015】
いくつかの態様において、ボウルは、外側本体の肩部に設置された光学センサを含むことができる。光学センサは、分離領域内の第1の血液成分と第2の血液成分との間の界面をモニタすることができ、界面の位置に基づいて第1の血液成分ポンプの動作を制御することができる。第1の血液成分ポンプは、遠心分離ボウルから第1の血液成分を引き出すことができる。
【0016】
加えて、ボウルは、外側本体の首部から内側に延在する堰ディスクを有することができる。第2の血液成分は、第2の血液成分流出口を介して遠心分離ボウルから出る前に、堰ディスクを越えて外側本体の首部へと流れることができる。堰ディスク及び上部コアの上面は、分離領域と第2の血液成分流出口とを流体接続する第2の血液成分チャネルを画定することができる。
【0017】
遠心分離ボウルは、底壁及び下部コアから延在している近位に延在する壁を有する下部コアを有することもできる。近位に延在する壁は、上部コアの少なくとも一部から半径方向外側であってもよい。近位に延在する壁及び上部コアの一部は、第2の分離領域に流体接続している第1の分離領域を画定することができる。ボウルは、上部コアの底壁と下部コアの上側表面との間に延在し、流入管と第1の分離領域とを流体接続する流体経路を有することもできる。(下部コアの底壁と外側本体の底との間に位置する)第1の血液成分抽出領域は、第1の血液成分抽出管と分離領域とを流体接続することができる。近位に延在する壁は、全血が第1の血液成分抽出領域に入るのを防止することができる。導入領域は、上部コアと下部コアとの間に位置することができる。
【0018】
更なる態様によれば、全血の連続分離のための遠心分離ボウルは、外側本体、上部コア及び分離領域を含むことができる。外側本体は、遠心分離ボウルの縦軸に対して回転可能でもよく、また内部空洞を画定する主本体部、主本体部の近位に延在する首部並びに主本体部及び首部を接続している肩部を有することができる。上部コアは、外側本体内に位置することができ、また外側本体と共に回転可能となることができる。上部コアは、外側本体と同軸とし、またそれを通じて遠心分離ボウルの縦軸に沿って延在するチムニーを含むことができる。分離領域は上部コアと外側本体との間に位置することができ、また、遠心分離ボウルの回転により、分離領域内で全血を第1の血液成分及び第2の血液成分に分離することができる。
【0019】
ボウルは、流入口、第1の血液成分流出口及び第2の血液成分流出口を含むこともできる。流入口は、全血を遠心分離ボウルに導入することができ、全血を導入領域に導入するために流入口からチムニーを通じて遠位に延在する流入管に、流体接続することができる。第1の血液成分流出口は、遠心分離ボウルから第1の血液成分を引き出すことができ、また、第1の血液成分流出口から第1の血液成分抽出領域まで延在する第1の血液成分抽出管を有することができる。第2の血液成分流出口は、分離領域に流体接続することができ、遠心分離ボウルから第2の血液成分を引き出すように構成することができる。ボウルは、外側本体に取り付けられ、また、流入口、第1の血液成分流出口及び第2の血液成分流出口を外側本体に流体的に連結する回転シールを有することもできる。
【0020】
加えて、ボウルは、外側本体の首部から内側に延在する堰ディスクを有することもできる。このような態様では、第2の血液成分は、第2の血液成分流出口を介して遠心分離ボウルから出る前に、堰ディスクを越えて外側本体の首部へと流れることができる。堰ディスク及び上部コアの上面は、分離領域と第2の血液成分流出口とを流体接続する第2の血液成分チャネルを画定することができる。
【0021】
外側本体の底面と上部コアとの間に位置させることにより、ボウルは、外側本体と共に回転可能な下部コアを有することもできる。第1の血液成分抽出領域は、下部コアの底壁と外側本体の底との間に位置することができ、また、第1の血液成分流出口管と分離領域とを流体接続することができる。第1の血液成分抽出管は、下部コアを通じ、第1の血液成分抽出領域へと延在することができ、そして、第1の血液成分抽出管と下部コアとの間に位置するシール部材は、第1の血液成分抽出管と下部コアとの間の漏出を防止することができる。
【0022】
下部コアは、底壁、及び上部コアの少なくとも一部から半径方向外側にある近位に延在する壁を有することができる。近位に延在する壁及び上部コアの少なくとも一部は、第2の分離領域に流体接続する第1の分離領域を画定することができる。ボウルは、流入管と第1の分離領域とを流体接続する流体経路を有することもできる。流体経路は、上部コアの底壁と下部コアの上側表面との間に延在することができる。近位に延在する壁は、全血が第1の血液成分抽出領域に入るのを防止することができる。
【0023】
外側本体は(1)分離領域内の第1の血液成分と第2の血液成分との間の界面をモニタし、そして(2)界面の位置に基づいて第1の血液成分ポンプの動作を制御する、光学センサを含むことができる。第1の血液成分ポンプは、遠心分離ボウルから第1の血液成分を引き出すことができる。流入管及び第1の血液成分抽出管は、チムニーを通じて延在し、また同軸でもよい。ボウルは、流入管の外径とチムニーの内径との間に、導入領域をチムニーから分離するバイパスシール(例えば、回転シール)を含むこともできる。
【0024】
付加的な態様によれば、全血の連続分離のための遠心分離ボウルは、ボウルの縦軸に対して回転可能な外側本体、外側本体内に位置し、外側本体と共に回転可能な上部コア、及び上部コアと外側本体との間に位置する分離領域を含むことができる。外側本体は、内部空洞を画定する主本体部、主本体部の近位に延在する首部、並びに主本体部及び首部を接続している肩部を有することができる。上部コアは、外側本体と同軸でもよく、それを通じて遠心分離ボウルの縦軸に沿って延在するチムニーを含むことができる。遠心分離ボウルの回転によって、分離領域内で全血を第1の血液成分及び第2の血液成分に分離することができる。
【0025】
ボウルは、外側本体に取り付けられ、また流入口、第1の血液成分流出口及び第2の血液成分流出口を外側本体に流体的に連結している、回転シールを有することもできる。流入口は、全血を遠心分離ボウルに導入するために使用することができ、また、流入管に流動的に接続することができる。流入管は、全血を導入領域に導入するために、流入口からチムニーを通じて遠位に延在することができる。第1の血液成分流出口は、第1の血液成分を遠心分離ボウルから引き出すために使用することができ、第1の血液成分流出口から第1の血液成分抽出領域まで延在する第1の血液成分抽出管を含むことができる。第2の血液成分流出口は、分離領域に流体接続することができ、また遠心分離ボウルから第2の血液成分を引き出すために使用することができる。
【0026】
さらに、ボウルは、外側本体の肩に位置する光学センサを有することもできる。光学センサは、分離領域内の第1の血液成分と第2の血液成分との間の界面をモニタすることができ、界面の位置に基づいて第1の血液成分ポンプの動作を制御することができる。第1の血液成分ポンプは、遠心分離ボウルから第1の血液成分を引き出すことができる。
【0027】
上部コアの下に位置する下部コアは、底壁及び近位に延在する壁を有することができる。第1の血液成分抽出領域は、下部コアの底壁と外側本体の底との間に位置することができ、第1の血液成分流出口管と分離領域とを流体接続することができる。第1の血液成分抽出管は、下部コアの底壁を通って延在することができ、そしてボウルは第1の血液成分抽出管と下部コアの底壁との間に位置するシール部材を含むことができる。シール部材は、第1の血液成分抽出管と下部コアとの間の漏出を防止することができる。
【0028】
近位に延在する壁は、上部コアの少なくとも一部から半径方向外側であり、上部コアの少なくとも一部とともに第1の分離領域を画定することができる。第1の分離領域は、第2の分離領域に流体接続することができ、またボウルは、流入管と第1の分離領域とを流体接続する流体経路(例えば、上部コアの底壁と下部コアの上側表面との間に延在)を含むことができる。分離チャンバは、第2の血液成分流出口と流体接続することができる。
【0029】
第1の血液成分抽出管及び流入管は、同軸でもよく、またチムニーを通じて延在することができる。ボウルは、流入管の外径とチムニーの内径との間に、導入領域をチムニーから分離するバイパスシール(例えば、回転シール)を含むことができる。加えて、外側本体の首部から内側へ延在する堰ディスクは、上部コアの上面とともに第2の血液成分チャネルを画定することができる。第2の血液成分チャネルは、第2の分離領域と第2の血液成分流出口とを流体接続することができる。第2の血液成分は、第2の血液成分流出口を介して遠心分離ボウルから出る前に、堰ディスクを越えて外側本体の首部へと流れることができる。
【0030】
上述した態様の特徴は、添付の図面を照合し、以下の詳細な説明を参照することにより、さらに容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、本発明の例示的態様による連続流遠心分離ボウルの断面図を概略的に示している。
【0032】
【
図2】
図2は、本発明の例示的態様による別の下部コアを有する
図1に示す遠心分離ボウルの下部の断面図を概略的に示している。
【0033】
【
図3】
図3は、本発明の例示的態様による
図1に示す遠心分離ボウル内のバイパスシールの断面図を概略的に示している。
【0034】
【
図4】
図4は、本発明の例示的態様による
図1に示す遠心分離ボウルの上部の断面図を概略的に示している。
【0035】
【
図5】
図5は、本発明の例示的態様による
図1に示す遠心分離ボウルを用いた連続流血液処理システムの概略図である。
【0036】
【
図6】
図6は、本発明の例示的態様による別の連続流遠心分離ボウルの断面図を概略的に示している。
【0037】
【
図7】
図7は、本発明の例示的態様による
図6に示す遠心分離ボウルの下部の断面図を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0038】
具体的態様の詳細な説明
例示的態様において、連続流分離チャンバは、全血を処理して様々な成分に分離することができ、そして分離チャンバが回転するのと同時及び間に、複数の血液成分(例えば、赤血球、血漿、その他)を抽出することができる。このようにして、本発明の様々な態様は、連続的に全血を処理し、上記のバッチ/断続的処理の欠点を回避することが可能となる。
【0039】
図1は、本発明のいくつかの実施例による連続流分離チャンバ(例えば、遠心分離ボウル110)の横断面を概略的に示している。ボウル110は、ボウル110の構造を定める外側本体120及び全血が処理のために導入されることになる内容積を有する。外側本体120は、そして、主壁122、首部126、並びに主壁122及び首部126を接続する肩部124を含んでいる。以下に詳述するように、ボウル110は、全血をその様々な成分に分離するよう、軸130に対して回転可能である。
【0040】
外側本体120の内部において、ボウルは、外側本体120内で容積の一部を置換するいくつかのコアを含むことができ、全血が分離する分離領域をつくることができ、またボウル110内で多くの流体経路/チャネルをつくることができる。例えば、ボウル110は、内容積のかなりの部分を占め、また円錐台形の形状でもよい上部コア140を含むことができる。上部コア140は、上面144、底壁146、及び上面144と底壁146との間に延在する側壁142を含む。上部コア140の側壁142と外側本体120の主壁122との間に分離領域(例えば、第2の分離領域115)をつくるために、側壁142は、主壁122から間隔を置いてもよい。加えて、上部コア140は、上面144から底壁146まで中心を通って延在するチムニー(chimney)148を有することができる。より詳細が述べられるが、チムニー148は多くの管(例えば、流入管及び抽出管)が通過しうるチャネルとしての役割を果たすことができる。
【0041】
ボウル110はまた、上部コア130の下(例えば、上部コア130の末端)に位置する下部コア160(
図2)を含むことができる。下部コア160は、(例えば、円形壁162の中心の近くで)底円形壁を貫いて延在する開口部166を有する底円形壁162を含むことができる。下部コア160はまた、底円形壁162から(例えば、近位に)上方へ延在する垂直壁164を有することができる。
図1及び
図2に示すように、垂直壁164は底円形壁162の外径の近くに位置しており、上部コア140の側壁142から半径方向外側となるようにして上方に延在してもよい。上部コア140の側壁142と垂直壁164との間の環状空間は、全血の分離が始まる第1の分離領域170(さらに詳細を後述する)をつくる。類似しているものの、
図2に示される下部コア160は、
図1に示される下部コア160とは別の態様である点(例えば、それは
図1に示される下部コアより薄い)に留意することは重要である。
【0042】
図4にて最もよく示されるように、外側本体120の首部126内で、遠心分離ボウル110は、ボウル110の中央から半径方向外側へと両方ともに延在している上スカート182及び下スカート184を含むことができる。併せて、上スカート182及び下スカート184は、流出スカート180を形成することができ、それを通じて分離された1以上の血液成分が流れ、ボウル110(例えば、更に詳細に後述する、第2の血液成分流出口230を介して)から出ることができる。そのためには、流出チャネル186がスカート182/184の間に形成されるように、上スカート182及び下スカート184は互いに間隔を置くことができる。出ていく血液成分は、第2の血液成分流出口230に到達するために、流出チャネル186を通じて流れることができる。
【0043】
遠心分離ボウル110の内外に流体(例えば、全血及び血液成分)が移動するのを容易にするために、ボウル110は、流入口及び1以上の流出口を有することができる。例えば、ボウル110は、全血をボウル110に導入するために用いることができる流入口190を含むことができる。多くの血液処理手順において、全血をボウル110の底の近くの領域に導入することは望ましい。そのため、本発明のいくつかの態様はまた、流入口190から、上部コア140のチムニー148を通じて、そして上部コア140と下部コア160との間に位置する導入領域200へと下方に延在する流入管195を含むことができる。加えて、導入領域200から第1の分離領域170まで延在するチャネル205をつくるために、下部コア160(例えば、円形壁162)は、上部コア140の底146から間隔を置くことができる。ボウル110の回転によって生じる遠心力により、導入領域200に入った全血が、チャネル205を通じて第1の分離領域170に流入するようにすることができる。
【0044】
ボウル110(例えば、導入領域200)に導入された全血又は他の流体が、(例えば、ボウル110の外径方向へと流れて分離領域に移動する代わりに)チムニー148へと戻って流れる場合、問題が生じうることに留意することは重要である。例えば、ボウル110が満たされる間にこの「バイパス」が発生する場合、分離されてない赤血球がチムニー148の上に流れることがあり、ボウル110から出ていく流出血漿を汚染することになりえる。(例えば、更に詳細に後述するが、ボウル110から血小板を取り出す)サージステップの間にバイパスが発生する場合、血小板を運び去る代わりに、血漿がチムニー148の上に移動することになりえる。この「バイパス」を回避し、導入領域200を上部コア130のチムニー148から分離するために、本発明のいくつかの態様は、流入管195の外径とチムニー148の内径との間に位置するバイパスシール210(
図3)を含むことができる。バイパスシール210は、上部コア130(及びボウル110)が(ボウル動作の間に回転しない)流入管195に対して回転することができる回転シールでありえる。
【0045】
流入口190に加えて、ボウル110は、第1の血液成分流出口220及び第2の血液成分流出口230を含むこともできる。その名前が示すように、第1の血液成分流出口220はボウル110から第1の血液成分(例えば、赤血球)を取り出すために用いることができる。加えて、流入口190と類似の方法で、第1の血液成分流出口220は、第1の血液成分流出口220から、チムニー148を通じ、下部コア160の(例えば、底円形壁162内の)開口部166を通じ、そして下部コア160の下(例えば、下部コア160とボウル110の底との間)に位置する第1の血液成分抽出領域240へと下方に延在する管(例えば、第1の血液成分抽出管225)に、流体接続してもよい。(例えば、開口部166を通じて)下部コア160を通過する漏出を防止するために、ボウル110はまた、第1の血液成分抽出管225と開口部166との間にシール222(例えば、回転シール)を有することもできる。更に詳しく後述するように、ポンプは、第1の血液成分抽出領域240から、第1の血液成分抽出管225を通じ、そして第1の血液成分流出口220の外へと第1の血液成分を引き出すことができる。
【0046】
第2の血液成分流出口230は、ボウル110から第2の(また、場合によっては第3の)血液成分を取り出すために用いることができる。そのために、第2の血液成分流出口230は、流出スカート180を通じて流出チャンネル186に、流体接続することができる。従って、(例えば、更に詳しく後述するように)第2の血液成分が首部126の方へ引き出されると、第2の血液成分は流出チャンネル186を通じて第2の血液成分流出口230の外に流出することができる。
【0047】
図1及び
図4に最も良く示されているように、遠心分離ボウル110は、ポート(例えば、流入口190、第1の血液成分流出口220及び第2の血液成分流出口230)をボウル110の外側本体120に接続する回転シール250を含むことができる。回転シール250によって、流入口190、第1の血液成分流出口220、及び第2の血液成分流出口230が静止しながらも、ボウル110(並びに上部コア140及び下部コア160)が回転することができる。
【0048】
いくつかの適用においては、第1の血液成分(例えば、赤血球)をボウル110から(例えば、第1の血液成分抽出領域240から)抽出する目的において、ボウル110が回転することにより生じる遠心力を上回る、大きな陰圧を必要とするかもしれない点に留意することは重要である。例えば、流出スカート180(例えば、流出スカート180の下の筒状空気)の直径182によって定まる筒状空気(air cylinder)の半径により、第1の血液成分を抽出するのに必要とされる負の力を引き起こすことが見出されている。いくつかの適用においては、第1の血液成分を引き出すのに必要とされる圧力は500mmHG(P= ρgr、ここでρは液体の密度であり、gは遠心力であり、rは筒状空気の半径である)より大きくなりえるが、それは利用可能なポンプ技術のいかなる形式においても有効ではない。
【0049】
第1の血液成分を引き出すのに必要とされる圧力を減らすため、本発明のいくつかの態様は、外側本体120の首部126の底から半径方向内側に延在する堰ディスク260(
図4)を含むことができる。堰ディスク260は、基本的に壁をつくり、この壁により、堰ディスク260を貫く開口部264の内径262により定まるより小さな直径となったボウルから流体が移るようにさせることになる。このようにして、堰ディスク260は基本的に流出スカート180の直径から筒状空気の半径を無関係にし、そして筒状空気の半径(ここでは堰ディスク260の開口部264の直径262によって定められる)を減らし、またボウル110から第1の血液成分を引き出すのに必要とされる圧力を減らすことになる。
【0050】
図4に示すように、堰ディスク260は、堰ディスク260と上部コア140の上面144との間に流体チャネル270をつくる。ボウル110が流体で充填されると、流体が堰ディスク260の開口部264に達するまで、流体は堰ディスク260と上部コア140の上面144との間の流体チャネル270の中を流れることになる。流体はそれから(例えば、ダムのオーバフローと同様に)堰ディスク260を「乗り越え」て、そして流体が流出スカート180に接触するまで、堰ディスク260(例えば、ボウル110の首部126)より上の領域を充填する。流体(例えば、第2の血液成分)は、それからボウル110から流出チャンネル186へと、そして第2の血液成分流出口230へと引き出されることができる。
【0051】
血液処理の間、ボウル110がどれくらい充填されるかだけでなく、第2の分離チャンバ115内の赤血球/血漿界面の位置を知ることも重要である。そのためには、いくつかの態様は、外側本体120の肩部124に置かれる光学システム280を含むことができる。光学システム280は、肩部124の小領域を照射する光線(例えば、約1−2mmの直径)を発するLED(例えば、赤色LED)を含むことができる。加えて、光学システム280は、ボウル肩部280の照射された領域に焦点を合わせた光学センサを含むこともできる。
【0052】
血漿/細胞界面がこの照射された領域に侵入すると、センサにて受信する信号は減少する。光学システム180は、血液処理デバイスの制御システムと通信してもよく、そしてこの信号がある所定の量(例えば10%)減少したのを光学システム280が確認すると、制御システムは、ある所定の量(例えば5ml/分)だけ、ボウルから第1の血液成分を引いているポンプ(例えば、更に詳細を後述する赤血球ポンプ)の速度を上げることができる。光学センサからの表示が減少し続ける場合、制御システムはそのポンプの速度を上げ続けることができる。光学センサから出る出力がプラトーに達し始め、もはや変化しないようになると、制御システムはポンプの速度を維持することになる。逆に、出力信号が増加し始めると、制御システムはそのポンプを遅くすることになり、そして照明の領域の方へと界面を引き上げるようにする。このようにして、本発明の様々な態様は、界面がボウル110内で最適位置に留まることを確実にするように血漿/細胞界面の位置をモニタし、制御することが可能となる。
【0053】
図5は、上述した
図1に示される遠心分離ボウル110を利用した、例示的な血液処理システム510を概略的に示す。
図5は、例示的な血液処理方法と関連して述べられる。第1に、全血は、ドナーポンプ540を使用して、供給源(例えば、患者、血液貯蔵バッグ、その他)から、ドローライン520を通じて、そして保管容器(例えば、ドローバッグ530)へと引き出されることができる。このドローステップの間、ドナーポンプ540は時計回り方向に動き、そして、弁V1及び弁V3は全血がドローバッグ530に流れるように開いていてもよく、そして弁V2及び弁V4は全血がリターンライン550に入るのを防止するために閉じることができる。また、全血が供給源から引き出される間に、抗凝固剤ポンプ560は抗凝固剤供給源から抗凝固剤ライン565により抗凝固剤を引き出すことができる(図示せず)。抗凝固剤は、ドローバッグ530に到達する前に、引き出された全血と混合することができる。いくつかの態様において、ドナーポンプ540は、この最初のドロー相の間に、約120mL/分にて、約75−80mLの全血を引き出すことができる。
【0054】
最初のドローステップが開始され、そして抗凝固処理された全血の充分な量がドローバッグ530に収集されると、ボウルポンプ570はライン575を介してドローバッグ530から抗凝固処理された全血を引き出し始めることができる。ボウルポンプ570がバッグ530から抗凝固処理された全血を引き出すと、弁V4は抗凝固処理された全血がライン575内に流入することができるように開かれ、そして弁V5及び弁V9は、抗凝固処理された全血が、血漿再循環ライン585を介して血漿バッグ580に、及び/又は血小板ライン595を介して血小板バッグ590に流れ込むのを防止するために閉じることができる。抗凝固処理された全血の充分な量がドローバッグ530内に残留することを確実にするために(例えば、ボウル110への抗凝固処理された全血の連続流を維持するため)、ボウルポンプ570は、ドナーポンプ540よりも遅い速度でバッグから抗凝固処理された全血を引き出すことができる。例えば、120mL/分のドナーポンプの速度に対して、ボウルポンプ570は、60mL/分の速度にて引き出すことができる。光学システム280が血漿/細胞界面の存在を検出するまで、ボウル110は充填し続ける。
【0055】
抗凝固処理された全血が流入口190を通じてボウル110に入ると、それは流入管195を下って、そして導入領域200へと流れることになる。導入領域200に入ると、ボウル110の回転による遠心力が、抗凝固処理された全血を、上部コア140と下部コア160との間にあるチャネル205を通じ、そして(例えば、上部コア140の側壁142と下部コアの近位に延在する壁164との間の)第1の分離領域170へと流れさせることになり、ここにおいて、抗凝固処理された全血がその個々の成分(例えば、血漿、血小板、赤血球)へと分離することが始まる。
【0056】
さらに抗凝固処理された全血がボウル110に導入されると、その全血は、抗凝固処理された全血が分離を継続する第2の分離領域115へと流れ込むことになる。例えば、全血がボウル110の第2の分離領域115に入ると、遠心力は血液のより軽い血漿成分から血液のより重い細胞成分を沈降させることを引き起こす。これは、結果的に上述した細胞/血漿界面を生じさせる。赤血球は、最も多量な血液の細胞成分であり、最も密度が高く、結果としてボウル110の最も外径にある濃厚赤血球の層となる。充填し続けるにつれて、血液の他の細胞成分が現れ始める。これらの細胞成分は、主に血小板、白血球及び末梢造血前駆幹細胞である。これらの細胞は、赤血球と血漿との間の密度範囲を有することがありえる。従って、それらは赤血球層と血漿層との間に層として沈降する傾向がある。この層が発達するにつれて、それはバフィコートとして知られる固体の白層として視覚的に現れる。
【0057】
ボウル110を全血で充填し続けるにつれて、赤血球は最も外径へと沈降し続け、下部コア160上の近位に延在する壁164を越えて流れ、下部コア160とボウル110の底との間の領域を充填し始めることになる。加えて、バフィコートにおける中間の細胞は赤血球/血漿界面で蓄積し続け、そして血漿界面はボウル110の中心の内側方向へ移動することになる。ボウル110が充填されると、血漿は堰ディスク260と上部コア140の上面144との間の流体チャネル270を通り、堰ディスク260を越えて流れ、流出チャンネル186及び第2の血液成分流出口230を介してボウル110から出ていくことになる。
【0058】
血漿がボウル110から出ると、大部分の血漿はライン610、弁V8、ライン630を通じて、リターンバッグ640へと移ることができる。しかしながら、血漿の小量(例えば、処置の範囲を越える175−200mL)は、血漿バッグ580内に分離することができる。この血漿を血漿バッグ580に分離するために、オペレータ又は制御システムは、血漿の一部がボウル110から出てライン650に入って血漿バッグ580に流れ込むように、弁V7を開くことができる。さらに詳しく後述するように、血漿バッグ580に分離された血漿は、サージ水簸(elutriation)処理の間に、ボウル110から血小板を取り出すために使用される。
【0059】
上述したように、ボウル110は、断続的に停止することを要さずに全血の連続処理をさせることができる連続流ボウルである。そのために、さらなる全血が導入される際に(例えば、同時に血漿を抽出する際に)、本発明の様々な態様ではまた、赤血球がボウル110から抽出される。例えば、赤血球が下部コア160下で(例えば、第1の血液成分抽出領域240で)収集されると、赤血球ポンプ660は、筒状空気の直径(例えば、備えられている場合、流出スカート180又は堰ディスク180を貫く開口部264の直径に相当する)の内側方向へ向かい、第1の血液成分抽出領域240に入り、第1の血液成分抽出管225を上り、そして第1の血液成分流出口220から出ることにより、赤血球を引き出すことがでる。赤血球がボウル110におかれると、それはライン670を通じ、そしてリターンバッグ640へと移る。赤血球ポンプ660が赤血球を抽出する間、光学システム280は血漿/細胞界面の位置をモニタして、必要に応じて界面の位置を調整するように赤血球ポンプ660の流量を制御することになる(例えば、センサ出力が減少する場合、ポンプ660の速度を遅くして、またセンサ出力が増加する場合、ポンプ660の速度を上げることになる)。
【0060】
ドナーポンプ540が供給源から所定の量の全血(例えば、80mL)を引き出すと、システム510はドローステップを停止し、リターンバッグ640において収集された血液成分(例えば、赤血球及び血漿)の一部を戻し始める。例えば、システム510は、ドナーポンプ540の方向を逆転させて、弁V1及び弁V3を閉じて、弁V2及び弁V10を開く。これにより、リターンバッグ640内の血漿及び赤血球を、ライン680、弁V10及び弁V2を通じ、リターンライン550を通じ、そして、供給源(例えば、患者)へ戻すよう、ドナーポンプ540により(例えば、120mL/分にて)引き始めさせる。このリターン相は、赤血球及び血漿の所定の量が、例えば80mLが対象に戻されるまで継続することになる。処置が完了するまで、システム510はそれからドロー相とリターン相を交替させることができる。
【0061】
これは連続システムであるため、抗凝固処理された全血は、リターン相の間であってもドローバッグ530からボウル110へと連続的に引き出される点に留意することは重要である。上述したように、これは、最初に対象から一まとまりの量の全血を引き出し、ドローバッグ530内にその一まとまりの全血を収集し、ドロー及びリターン・ステップよりも遅い速度でドローバッグから全血を引き出すことにより(例えば、ボウルポンプ570は60mL/分で抗凝固処理された全血を引き出し、そしてドナーポンプ540は120mL/分で対象から全血を引き出し、また対象者に赤血球及び血漿を戻すことにより)、達成することができる。従ってドローバッグは、ボウルポンプ570が引き出すことができる充分な量の抗凝固処理された全血を常に有する。
【0062】
所望の量の血小板がボウル110内に蓄積するまで、全ての血液処理を継続することができる。血液処理が終了すると、システム510はそれから高濃厚血小板製品を抽出するために分離された血漿を用いたサージ水簸処理を実行することができる。例えば、ボウルポンプ570は、血漿バッグ580内の血漿を、血漿再循環ライン585及び弁V9を通じて、そして(例えば、流入口190を介して)ボウル110へと引き出すことができる。血小板を水簸するために、血漿の流量は段階的に増加する。流量が増加すると、流出血漿はボウル110から出ていく流体をモニタする(ライン610にある)ラインセンサ620を通過する。血漿流量の中でこの逓増しているある点にて、血漿の流れによってつくられる牽引力は、ボウル回転によって生じる遠心力に勝り、そして、血小板はバフィコートから流れている血漿に移送される。そしてラインセンサ620は、細胞の存在を検出することができ(例えば、ボウル110から出ている流体は、血漿から血小板に変化する)、そしてシステム510(又はユーザ)は血小板が血小板ライン595へ、また血小板バッグ590へと流れるように、弁V7を閉じそして弁V6を開くことができる。
【0063】
水簸処理の後、及び血小板が血小板バッグ590内に収集された後、システム510は、ボウル110を停止することができ、またドナーにボウル110の中身を戻すことができる。例えばシステム510は、ボウル110の中身を(ライン670を介して)リターンバッグ640に引き入れるために、赤血球ポンプ660を回すことができる。ドナーポンプ540は、それからライン680を通じてリターンバッグ640の中身を引き出すができ、そしてリターンライン550を介してその成分を戻すことができる。
【0064】
上述した血液処理方法はドナーから全血を引き出し、そしてボウルの中身をドナーに戻しているものの、いくつかの態様では、ドナーから引き出す及び/又はドナーに戻すことができないことに留意する必要がある。それよりもいくつかの態様においては、全血を全血保管容器から引き出すことができ、そしてボウル110の中身を全血保管容器(又は異なる血液保管容器)に戻すことができる。
【0065】
上述した
図1に示される遠心分離ボウル110が、上部コア140に傾斜する壁142(例えば、上部コア140の直径が上面144から底146へ増加するように傾斜している)を有しているものの、他の態様では、異なる構成を有することができることに留意することも重要である。例えば、
図6及び
図7に示すように、ボウル710のいつくかの態様は、直線区間724及び角度を付けた/傾斜した区間726を有する側壁722を持つ上部コア720を有することができる。直線壁区間724は、上部コア720の底728からある距離にて延在することができ、下部コア160の近位の壁164から、半径方向内側に位置することができる。第1の分離領域730は、第上部コア720の直線壁区間724と下部コア160の近位に延在する壁164との間に位置する(及びそれらによって画定される)ことができる。角度を付けた/傾斜した壁区間726は、直線壁区間724の上から上部コア720の上面740まで延在することができる。
【0066】
上述したの本発明の態様は、単に例示的であることを目的としており、多数の変形及び変更は、当業者にとって明らかである。すべてのこの様な変形及び変更は、添付の請求の範囲に記載された本願発明の範囲内であることを目的としている。