特許第6357483号(P6357483)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ニダ テック スウェーデン エービーの特許一覧

<>
  • 特許6357483-工具のロックのための方法 図000002
  • 特許6357483-工具のロックのための方法 図000003
  • 特許6357483-工具のロックのための方法 図000004
  • 特許6357483-工具のロックのための方法 図000005
  • 特許6357483-工具のロックのための方法 図000006
  • 特許6357483-工具のロックのための方法 図000007
  • 特許6357483-工具のロックのための方法 図000008
  • 特許6357483-工具のロックのための方法 図000009
  • 特許6357483-工具のロックのための方法 図000010
  • 特許6357483-工具のロックのための方法 図000011
  • 特許6357483-工具のロックのための方法 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6357483
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】工具のロックのための方法
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/00 20060101AFI20180702BHJP
   B23Q 11/00 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
   B25F5/00 C
   B23Q11/00 F
【請求項の数】25
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-549320(P2015-549320)
(86)(22)【出願日】2013年12月20日
(65)【公表番号】特表2016-508074(P2016-508074A)
(43)【公表日】2016年3月17日
(86)【国際出願番号】SE2013051595
(87)【国際公開番号】WO2014098760
(87)【国際公開日】20140626
【審査請求日】2016年12月19日
(31)【優先権主張番号】1251511-0
(32)【優先日】2012年12月21日
(33)【優先権主張国】SE
(31)【優先権主張番号】61/740,712
(32)【優先日】2012年12月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515005312
【氏名又は名称】ニダ テック スウェーデン エービー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダッケフヨルド、ホカン
【審査官】 亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0252675(US,A1)
【文献】 特表2008−517490(JP,A)
【文献】 特表2004−537884(JP,A)
【文献】 特表2001−520944(JP,A)
【文献】 特表平09−506500(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0238609(US,A1)
【文献】 特表平08−509181(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 5/00
B23Q 11/00
G08B 13/00
G08B 23/00 − 31/00
DWPI(Derwent Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無許可使用の防止のために動力工具(100)のロック解除及びロックを可能にする、動力工具における方法であって、
制御ユニット(210)への、前記動力工具(100)をロック解除する命令を含む、第1のロック解除メッセージを受信するステップ(S100)と、
アクチュエータ・ユニット(250)を用いて制御ユニット(210)により、命令に従って動力工具(100)をロック解除(S110)するステップであって、それによって遠隔ロック解除により、前記動力工具(100)の無許可使用の防止を可能にする、ステップと、
前記制御ユニット(210)への前記第1のロック解除メッセージの受信からの許可期間をカウンタ(240)によってカウントするステップ(S120)と、
前記許可期間の所定の閾値に達する前に第2のロック解除メッセージを受信したときは、前記動力工具(100)がロック解除されたままになるように、前記カウンタ(240を再起動するステップと
警告信号を含み、前記警告信号に対する応答として応答信号を繰り返して送信する命令を含み、それによって前記動力工具(100)の測位を可能にする位置メッセージを前記制御ユニット(210)によって受信するステップと
前記カウントされた許可期間の前記所定の閾値に達したときに、アクチュエータ・ユニット(250)を用いて前記制御ユニット(210)により、前記命令に従って前記動力工具(100)をロックするステップ(S130)と
を含む方法。
【請求項2】
前記アクチュエータ・ユニット(250)が、電気スイッチ、機械的ロック、及び半導体ベースのスイッチの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のロック解除メッセージは、前記第1のロック解除メッセージの許可のために前記制御ユニット(210)によって要求される第1のキーを含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
駆動ユニット(230)は、前記駆動ユニット(230)をイネーブルするために、工具制御ノード(110)から前記第1のキー又は第2のキーの少なくとも1つを要求する、
請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記動力工具(100)をロックする命令を含むロック・メッセージを前記制御ユニット(210)によって受信するステップを含み、
前記動力工具(100)は、前記アクチュエータ・ユニット(250)を用いて前記制御ユニット(210)によりロックされる、
請求項1から4までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
警告信号を含む警告メッセージ前記制御ユニット(210)によって受信するステップを含み
前記警告メッセージは、近くの存在ノードから応答信号を要求する信号を送信するように、制御ユニット(210)をトリガし、
近くの存在ノード(120:A、120:B、120:C)から前記制御ユニット(210)への応答信号を受信するステップであって、それによって前記動力工具(100)の測位を可能にする、ステップを含む、
請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記動力工具(100)との通信が暗号化される、
請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
無許可使用の防止のために工具のロック解除及びロックを可能にする、工具制御ノード(110)における方法であって、
前記動力工具(100)をロック解除する命令を含む第1のロック解除メッセージを前記動力工具(100)に送信するステップと
前記動力工具(100)への前記第1のロック解除メッセージの送信からの許可期間をカウントするステップと、
使用期間終了が前記許可期間終了を超えるときは、前記動力工具(100)がロック解除されたままになるように、前記所定の許可期間閾値に達する前に、前記動力工具(100)に第2のロック解除メッセージを送信するステップと、
前記動力工具(100)に、警告信号を含む位置メッセージを送信するステップと、
前記警告信号に対する応答として、繰り返して送信された応答信号を受信するステップであって、それによって前記工具制御ノード(110)において前記動力工具(100)の測位を可能にする、ステップと、
前記カウントされた許可期間が所定の閾値を超えたときに前記動力工具(100)をロックする命令を含むロック・メッセージを送信するステップであって、それによって遠隔ロック解除及びロックにより、前記動力工具(100)の無許可使用の防止を可能にする、ステップと
を含む方法。
【請求項9】
前記動力工具(100)をロック解除する命令を含む、指定された動力工具(100)にロック解除及びロック・メッセージを送信するための委譲された許可のメッセージを、存在ノード(120)に送信するステップをさらに含む
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記存在ノード(120)に前記委譲された許可の取り消しを送信するステップをさらに含む
請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
無許可使用の防止のために動力工具のロック解除及びロックを可能にする、存在ノード(120)における方法であって、
動力工具(100)に、前記動力工具(100)をロック解除する、工具制御ノード(110)からの命令を含むロック解除メッセージと、ロック・メッセージとを送信するための委譲された許可を受信するステップと、
前記動力工具(100)をロック解除する命令を含む、第1のロック解除メッセージを前記動力工具(100)に送信するステップと
前記動力工具(100)への前記第1のロック解除メッセージの送信からの許可期間をカウントするステップと、
使用期間終了が前記許可期間終了を超えるときは、前記動力工具(100)がロック解除されたままになるように、所定の許可期間閾値に達する前に、前記動力工具(100)に第2のロック解除メッセージを送信するステップと、
前記動力工具(100)に、警告信号を含む位置メッセージを送信するステップと、
前記警告信号に対する応答として、繰り返して送信された応答信号を受信するステップであって、それによって前記動力工具(100)の測位を可能にする、ステップと、
前記カウントされた許可期間が所定の閾値を超えたときに前記動力工具(100)をロックする命令を含むロック・メッセージを送信するステップであって、それによって遠隔ロック解除及びロックにより、前記動力工具(100)の無許可使用の防止を可能にする、ステップと
を含む方法。
【請求項12】
無許可使用の防止のためにロック解除及びロックを可能にするように構成された動力工具(100)であって、
制御ユニット(210)への、当該動力工具(100)をロック解除する又はロックする命令を含む第1のメッセージを受信し
アクチュエータ・ユニット(250)を用いて前記制御ユニット(210)により、前記命令に従って前記動力工具(100)をロック又はロック解除、それによって遠隔ロック解除及びロックにより、前記動力工具(100)の無許可使用の防止を可能にする
ようにさらに構成され、
前記制御ユニット(210)は、警告信号を含み、前記警告信号に対する応答として、応答信号を繰り返して送信する命令を含む位置メッセージを受信するように構成されそれによって当該動力工具(100)の測位を可能にする、
動力工具(100)。
【請求項13】
前記制御ユニット(210)への前記第1のメッセージの受信からの許可期間をカウンタ(240)によってカウントするように適合され、
前記カウントされた許可期間が所定の閾値を超えたときに、アクチュエータ・ユニット(250)を用いて前記制御ユニット(210)により、前記命令に従って前記動力工具(100)がロックされるように適合された、
請求項12に記載の動力工具(100)。
【請求項14】
前記アクチュエータ・ユニット(250)が、電気スイッチ、機械的ロック、及び半導体ベースのスイッチの少なくとも1つである、請求項12又は13に記載の動力工具(100)。
【請求項15】
前記所定の閾値に達する前に第2のロック解除メッセージを受信したときは、
前記動力工具(100)がロック解除されたままになるように、前記カウンタ(240)を再起動するように適合される、
請求項12から14までに記載の動力工具(100)。
【請求項16】
前記ロック解除メッセージは第1のキーを含み、
前記第1のキーは、前記第1のメッセージの許可のために前記制御ユニット(210)によって要求される、
請求項12から15までのいずれか一項に記載の動力工具(100)。
【請求項17】
駆動ユニット(230)は、当該駆動ユニット(230)をイネーブルするために、工具制御ノード(110)から前記第1のキー又は第2のキーの少なくとも1つを要求するように構成される、
請求項12から16までのいずれか一項に記載の動力工具(100)。
【請求項18】
前記制御ユニット(210)は、前記動力工具(100)をロックする命令を含むロック・メッセージを受信するように構成され、
前記アクチュエータ・ユニット(250)は、前記アクチュエータ・ユニット(250)を用いて前記制御ユニット(210)によりロックされるように構成される、
請求項12から17までのいずれか一項に記載の動力工具(100)。
【請求項19】
前記制御ユニット(210)は、警告信号を含む警告メッセージを受信するように構成され、
前記警告メッセージは、近くの存在ノードから応答信号を要求する信号を送信するように、前記制御ユニット(210)をトリガし、
前記制御ユニット(210)は、近くの存在ノード(120:A、120:B、120:C)から応答信号を受信するように構成され、それによって前記動力工具(100)の測位を可能にする、
請求項12から18までのいずれか一項に記載の動力工具(100)。
【請求項20】
暗号化された通信を用いる
ように構成された、請求項12から19までのいずれか一項に記載の動力工具(100)。
【請求項21】
前記動力工具(100)は、物理的改竄保護を有する、
請求項12から20までのいずれか一項に記載の動力工具(100)。
【請求項22】
無許可使用の防止のために工具のロック解除及びロックを可能にするように適合された工具制御ノード(110)であって、
前記動力工具(100)をロック解除する命令を含むロック解除メッセージを前記動力工具(100)に送信し
前記動力工具(100)への前記ロック解除メッセージの送信からの許可期間をカウントし
前記カウントされた許可期間が所定の閾値を超えたときに、前記動力工具(100)をロックする命令を含むロック・メッセージを送信し、それによって遠隔ロック解除及びロックにより、前記動力工具(100)の無許可使用の防止を可能にし、
請求項8から10までのいずれか一項に記載の方法を行う
ように適合された、工具制御ノード(110)。
【請求項23】
コンピュータ・プログラムであって、コンピュータ可読コード手段を備え、動力工具(100)において実行されたときに、請求項12から21までのいずれかに記載の前記動力工具(100)のロック解除及びロックを可能にするように構成され、前記動力工具(100)に、請求項1から7までのいずれか一項に記載の対応する方法を行わせる、コンピュータ・プログラム。
【請求項24】
コンピュータ・プログラムであって、コンピュータ可読コード手段を備え、工具制御ノード(110)において実行されたときに、請求項12から21までのいずれかに記載の動力工具(100)のロック解除及びロックを可能にするように構成され、前記工具制御ノード(110)に、請求項8から10までのいずれか一項に記載の対応する方法を行わせる、コンピュータ・プログラム。
【請求項25】
コンピュータ・プログラムであって、コンピュータ可読コード手段を備え、存在ノード(120)において実行されたときに、請求項12から21までのいずれか一項に記載の動力工具(100)のロック解除及びロックを可能にするように構成され、前記存在ノード(120)に、請求項11に記載の対応する方法を行わせる、コンピュータ・プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、無許可使用の防止のために動力工具のロック解除及びロックを可能にするための方法、ノード、コンピュータ・プログラム、及び動力工具に関する。
【背景技術】
【0002】
企業家及び建築会社は、建設現場で様々な機械及び工具を使用している。これは小さな家の改築を行う自営の大工から、新しい病院、地域、高速道路、橋、及び他の大規模プロジェクトを建設する大きな建築会社までに至る。建築を行う作業者は、鉛筆及びナイフから掘削機及びクレーンに至るすべての種類の工具を使用する。動力工具についてはまた、建築作業者によって頻繁に使用され、それはコンパクトな形式と共にかなりの価値を伴い得る。このような工具は電動工具、燃料/ガソリン駆動工具、空気圧力駆動工具、水圧駆動工具を含むことができ、同様な動力工具に限定しない。動力工具の例は、ねじ回し、ボルト銃、釘打ち機、振動ドリル、アングル・グラインダ、カッタ、のこぎり、往復のこぎり、非限定的に他のタイプの工具である。明らかにクレーンは大きな資本価値を表すが、単なる窃盗犯又は通常の犯罪組織がクレーンを盗むのは実用的ではない。しかし動力工具は運び去るのが容易であり、市場でかなりの価値を有する場合があり、又は他の犯罪行為のために用いられ得る。これは工具が盗まれる、又は単に建設現場から消失する建築会社にとって大きな問題である。失われた工具は、置き換えの金額は保険コストを上昇させ、計画された作業を遅延する。
【0003】
別の問題は工具の所有者、例えば工具レンタル会社が、時間通り又は契約に従って工具のレンタル返却を受ける場合である。
【0004】
別のかなり実際的な性質の問題は厄介になり得るものであり、大きな建設現場において広い区域又はスペースにわたって拡がった工具を見つけることである。
【0005】
米国特許出願公開第20120234058(A1)号は、リモート・アクセス装置を含む無線アクセス制御システムについて述べている。プラグイン装置はリモート・アクセス装置と通信し、ロックは、ロックが配置されたドアをロック及びロック解除する能力を制御する。プラグイン装置は、リモート・アクセス装置とロックの間の距離を決定し、リモート・アクセス装置がロックから所定の距離以下の距離にあるときは、ロックがロック解除されることを可能にするように、ロックにリモート・アクセス装置と通信させる。
【0006】
米国特許出願公開第20110289123(A1)号は、筐体のセキュリティを制御及び記録する方法について述べている。電子キーなどのモバイル電子制御装置は、器具、動力工具、出荷用コンテナその他などのフィールド装置にアクセスする又はその動作を制御するために用いられる。モバイル制御装置が有線又は無線通信を通じてフィールド装置と対話する制御イベントでは、制御装置は現在の場所及びフィールド装置IDを取得する。モバイル制御装置とフィールド装置の間の通信は、暗号化によって安全にされる。場所情報は、フィールド装置がアクセスされる又はイネーブルされるべきかどうかを判断するためにモバイル制御装置によって用いられる。代替として、場所情報は、場所検出装置内に別に記憶することができ、キーによって記録された制御イベントデータ、及び場所検出装置によって記録された場所情報は、後に監査のためにそれらが管理システム内にダウンロードされるときに組み合わされる。
【0007】
米国特許第6469615(B1)号は、手工具、電子又は燃料ポンプなどの機器上で用いることができる、動作制御装置について述べている。入力装置は、ユーザ・アクセス・コードの入力を可能にし、読み出しパネルは、機器ステータスを監視する。制御要素は、入力装置、読み出しパネル、電源、ドライバ要素及び活動化要素と通信して、ユーザ・コードの入力を要求することによって機器の動作を防止する。制御装置は、所定の期間、電力が電源からドライバ要素に流れることを可能にするように、制御要素と通信するためのプログラマブルタイマを含むことができる。クロックは、時間を追跡する、並びにタイマを活動化及び非活動化することができる。通信は、制御要素及び線材にアクセスできないようにするために固形物で包むことができる電線を通したものとすることができる。燃料ポンプ上で直接用いられるときは、制御要素は、適切なユーザ・コードの入力なしに燃料がエンジンに到達するのを防止する。代替として制御装置は、燃料が経路に沿って移動するのを防止するための、燃料経路遮断弁とすることができる。ガソリン・タンクからドライバへの燃料の流れを防止するために、遮断弁内にソレノイドを用いることができる。
【0008】
国際公開第2006021047(A1)号は、複数のユーザによって選択的にアクセスされる、2ドア・アクセス・ポイントのためのアクセス制御システムについて述べている。システムは、デジタル証明書及びトークン証明書変更リストを含むためのメモリを有するそれぞれのユーザのためのアクセス・トークンを含む。各トークンは、証明書から生じるトークン信号を発生するために、問い合わせ信号に応答する。コンピュータ・ネットワークは、システムに対する証明書を示す情報を含み、システムがこれらの証明書の1つ又は複数に対して要求される変化を示す中央部をもたらす。接続されたアクセス・リーダは、アクセス・ポイントに隣接して配置され、リアルタイムで中央部とマージされる第1のローカルを維持するためにネットワークと通信する。リーダは、問い合わせ信号を発生し、アクセス・ポイントが、ロック解除された構成にパルス送出されるかどうかを決定するための対応するトークン信号に応答する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第20120234058(A1)号
【特許文献2】米国特許出願公開第20110289123(A1)号
【特許文献3】米国特許第6469615(B1)号
【特許文献4】国際公開第2006021047(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、上記に概説された問題及び課題の少なくともいくつかに対処することである。これらの目的及びその他は、添付の独立請求項において定義される方法及び装置を用いることによって達成することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
1つの態様によれば、無許可使用の防止のために動力工具のロック解除及びロックを可能にするための、動力工具における方法が提供され、方法は制御ユニットへのロック解除メッセージを受信するステップであって、メッセージは工具をロック解除する命令を含む、ステップと、アクチュエータ・ユニットを用いて制御ユニットにより命令に従って動力工具をロック解除するステップと、カウンタによって、制御ユニットへの第1のメッセージの受信からの許可期間をカウントするステップとを含み、カウントされた許可期間が所定の閾値を超えたときは、アクチュエータ・ユニットを用いて制御ユニットにより動力工具をロックし、それによって遠隔ロック解除及びロックにより動力工具の無許可使用の防止を可能にする。
【0012】
別の態様によれば、無許可使用の防止のために工具のロック解除及びロックを可能にする、工具制御ノードにおける方法が提供され、方法は、ロック解除メッセージを工具に送信するステップであって、メッセージは工具をロック解除する命令を含む、ステップと、工具へのロック解除メッセージの送信からの許可期間をカウントするステップと、カウントされた許可期間が所定の閾値を超えたときに、工具をロックする命令を含むロック・メッセージを送信するステップであって、それによって遠隔ロック解除及びロックにより工具の無許可使用の防止を可能にする、ステップとを含む。
【0013】
別の態様によれば、無許可使用の防止のために動力工具のロック解除及びロックを可能にするように適合された動力工具が提供され、動力工具は制御ユニットへのロック解除メッセージを受信し、メッセージは工具をロック解除する命令を含み、アクチュエータ・ユニットを用いて制御ユニットにより命令に従って動力工具をロック解除し、カウンタによって、制御ユニットへの第1のメッセージの受信からの許可期間をカウントするように適合され、カウントされた許可期間が所定の閾値を超えたときは、アクチュエータ・ユニットを用いて制御ユニットにより動力工具をロックし、それによって遠隔ロック解除及びロックにより動力工具の無許可使用の防止を可能にする。
【0014】
上記の方法、工具制御ノード、及び動力工具は、種々の任意選択の実施例により構成され、実施され得る。1つの可能な実施例ではアクチュエータ・ユニットは、電気スイッチ、機械的ロック、及び半導体ベースのスイッチの少なくとも1つである。他の可能な実施例では、所定の閾値に達する前に第2のロック解除メッセージを受信したときは、動力工具がロック解除されたままになるように、カウンタは再起動される。他の可能な実施例では、ロック解除メッセージは第1のキーを含み、第1のキーはメッセージの許可のために制御ユニットによって要求される。他の可能な実施例では、駆動ユニットは、駆動ユニットをイネーブルするために、制御ユニットから第1のキー又は第2のキーの少なくとも1つを要求される。他の可能な実施例では、ロック・メッセージが制御ユニットによって受信され、ロック・メッセージは工具をロックする命令を含み、工具は、アクチュエータ・ユニットを用いて制御ユニットによりロックされる。他の可能な実施例では、警告信号を含む位置メッセージが制御ユニットによって受信され、位置メッセージは、警告信号に対する応答として、応答信号を繰り返して送信する命令を含み、それによって工具の測位を可能にする。他の可能な実施例では、工具との通信は暗号化される。他の可能な実施例では、工具は物理的改竄保護を有する。
【0015】
他の実施例では、代わりに工具制御ユニットによって工具の測位が行われる。これは例えば警告信号を含むメッセージが制御ユニットによって受信されることによって行われ得る。メッセージは、近くの存在ノードから応答信号を要求する信号を送信するように制御ユニットをトリガし、それに続いて近くの存在ノードから制御ユニットへの応答信号を受信し、それによって工具の測位を可能にする。これは1つの実施例では、工具が例えば工具制御ノードに、位置を含む応答を送出すること可能にするために、工具内で測位が行われることを可能にする。
【0016】
他の実施例では、無許可使用の防止のために工具のロック解除及びロックを可能にするように適合された動力工具制御ユニットは、
工具にロック解除メッセージを送信し、メッセージは工具をロック解除する命令を含み、
工具の位置を決定し、及び前記工具が所定の区域内にあるかどうかをチェックし、
工具が前記所定の区域から出た場合は、工具をロックする命令を含むロック・メッセージを送信し、それによって工具の無許可使用の防止を可能にするように適合される。
【0017】
動力工具制御ユニットはさらに、前記工具が所定の区域から出た場合に、警報を鳴らし送信するように構成される。
【0018】
この解決策のさらなる可能な特徴及び便益は、以下の「発明を実施するための形態」から明らかになるであろう。
【0019】
次に解決策について、例示的実施例により、及び添付の図面を参照して述べる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】解決策を示すブロック図である。
図2】動力工具を示すブロック図である。
図3】可能な実施例による、動力工具における手順を示すフロー・チャートである。
図4】他の可能な実施例による、解決策が用いられたときの委譲の一例を示す信号図である。
図5】他の可能な実施例による、解決策を示す通信シナリオを示す図である。
図6】可能な実施例による、工具制御ノードにおける手順を示すフロー・チャートである。
図7A】動力工具に対する測位シナリオを示す図である。
図7B】動力工具に対する測位シナリオを示す図である。
図7C】動力工具に対する測位シナリオを示す図である。
図8】コンピュータ実装形態の例を示す図である。
図9】存在ノードの再配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
簡潔に述べると、建設現場に関連する動力工具、及び他の大きな資本を必要とする機械の盗難を回避する解決策が提供される。動力工具上に、デフォルトはロック状態であるロックを有することによって、盗難を引き付けにくくすることができる。ロックは遠隔制御される。ユーザが工具の所有者によって許可されたときにのみ、工具はロック解除される。工具は特定の期間、ロック解除することができる。工具はさらに、特定の地理的、又は特定の容積内でロック解除され得る。ロック解除メッセージを工具制御ノードから送信することができ、これは動力工具がロック解除されるように指示する。次いで動力工具はロック解除され、一定期間の間は完全に使用可能となり、期間が過ぎる前に新しいロック解除メッセージが動力工具によって受信されなければならず、そうでなければさらなる使用に対してロックされることになる。したがって工具がロック解除メッセージを受信しなかった場合、又は工具が特定の区域の外側にある場合は、それは自動的にロックされて使用不可能となる。工具の所有者は何らかの理由により、例えば請求書が支払われない場合、ユーザから工具を使用する許可を取り消すことを望む場合がある。そのときは工具所有者は、工具にロック・メッセージを送信することができ、それによりそれは使用不可能になる。工具所有者は、ロック解除及びロック・メッセージを送信する権利を、介在する存在ノードに委譲することができる。一例は、工具レンタル会社が現場監督に委譲する場合である。このような権利も取り消すことができる。
【0022】
次に解決策についてより詳しく述べる。図1は、動力工具100、動力工具100を制御するための工具制御ノード110、及び動力工具100の委譲された制御を取り扱うための存在ノード120を有するブロック図である。
【0023】
図2は工具100のブロック図を示す。工具は、動力工具100のロック解除及びロックの制御、及び他の処置のための制御ユニット210を含む。動力工具100はさらに、時間をカウントするためのカウンタ240を含む。動力工具100はさらに、動力工具100をロック解除及びロックするためのアクチュエータ・ユニット250を含む。動力工具はさらに、エネルギー供給ユニット220、駆動ユニット230、及びメッセージの受信及び送信のための通信ユニット260を含むことができる。
【0024】
動力工具はまた、「装置」、器具、動力駆動の機械、非限定的に他の同様な適切な用語として示すことができる。器具は、洗浄機、乾燥機、食器洗浄機、ヒート・ポンプ、ストーブ、オーブン、マイクロ波、非限定的に家庭又は職場で用いられる他の器具を含むことができる。工具制御ノードはまた「遠隔ノード」、非限定的に他の同様な適切な用語として示すことができる。存在ノードも「モバイル・ノード」、非限定的に他の同様な適切な用語として示すことができる。工具制御ノード110のいくつかの例は、通信ネットワーク内のサーバ、通信ネットワーク内の仮想サーバ、携帯電話又は携帯電話にインストールされたアプリケーション、PDA(Personal Digital assistant:携帯情報端末)又はPDAにインストールされたアプリケーション、非限定的に他の同様なノードとすることができる。存在ノード120のいくつかの例は、携帯電話又は携帯電話にインストールされたアプリケーション、PDA(携帯情報端末)又はPDAにインストールされたアプリケーション、ゲートウェイ、アクセス・スイッチ、アクセス・ルータ、WLANアクセス・ポイント(Wireless Local Area Network:無線ローカル・エリア・ネットワーク)、非限定的に他の同様なノードとすることができる。「ロック解除」という用語はまた「イネーブル」として示すことができ、「ロック」という用語はまた「ディスエーブル」として示すことができる。
【0025】
図3は、無許可使用の防止のために動力工具のロック解除及びロックを可能にするための、動力工具100における方法を示す。方法は、制御ユニット210へのロック解除メッセージを受信するステップS100を含み、メッセージは工具100をロック解除する命令を含む。方法はさらに、アクチュエータ・ユニット250を用いて制御ユニット210により、命令に従って動力工具100をロック解除するステップS110を含む。方法はさらにカウンタ240により、制御ユニット210への第1のメッセージの受信からの許可期間をカウントするステップS120を含み、カウントされた許可期間が所定の閾値を超えたときは、動力工具100は、アクチュエータ・ユニット(250)を用いて制御ユニット(210)によりロックS130され、それによって遠隔ロック解除及びロックにより動力工具(100)の無許可使用の防止を可能にする。
【0026】
ロック解除メッセージは、工具制御ノード110から到来することができる。メッセージは、例えばIEEE802.11(Institute of Electrical and Electronics Engineers:米国電気電子技術者協会)によるWiFi、RFID(Radio−frequency identification:無線周波数識別)、ブルートゥース、非限定的に他の同様な通信方法などの、無線電波通信を通じて運ぶことができる。メッセージを運ぶために用いられるプロトコルは、イーサネット(登録商標)、TCP/UDP/IP(Transmission Control Protocol:伝送制御プロトコル、User Datagram Protocol:ユーザ・データグラム・プロトコル、Internet Protocol:インターネット・プロトコル)とすることができる。用いることができるプロトコルの他の例は、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol:簡易メール転送プロトコル)、SMS/MMS(Short Message Service:ショート・メッセージ・サービス/Multimedia Messaging Service:マルチメディア・メッセージング・サービス)、HTTP/HTTPS(Hypertext Transfer Protocol/Secure:ハイパーテキスト転送プロトコル/セキュア)、SIP/SIPS(Session Initiation Protocol/Secure:セッション初期化プロトコル/セキュア)、非限定的に動力工具100とのメッセージ又は通信のための他の適切なプロトコルとすることができる。ロック解除命令を含むメッセージはまた、タイム・スタンプ、又は許可期間の長さ、非限定的に他の情報などの、他の情報を含むことができる。許可期間は、動力工具100をロック解除することができ、正常な動作のために用意が調っている期間とすることができる。許可期間の間、動力工具100は、例えば工具制御ノード110との無線コンタクトの外側にある場合がある。カウンタ240は許可期間をカウントし、それにより許可期間が所定の閾値を超えたときは、動力工具100はロックされる。動力工具100は、ロックされたときは正常な動作のために使用することはできない。閾値は、例えば手動で別の値を設定することにより、又はロック解除メッセージ若しくはロック・メッセージを通じて別の値を受信することによって調整することができる。
【0027】
解決策の一例では、アクチュエータ・ユニット250は、電気スイッチ、機械的ロック、及び半導体ベースのスイッチの少なくとも1つとすることができる。動力工具100の推進力に応じて、異なる種類のロックがより適切であり又はそうでない場合がある。電気スイッチ、機械的ロック、及び半導体ベースのスイッチの組み合わせを、動力工具100をロックするために用いることができる。解決策の一例では、所定の閾値に達する前に第2のロック解除メッセージを受信したときは、動力工具100がロック解除されたままになるように、カウンタ240を再起動することができる。この処置によって動力工具100は、中断なしに正常な動作において用いることができる。もしカウンタ240が、例えば第2のロック解除メッセージによって再起動されなければ、動力工具100は正常な動作からロックされ得る。解決策の一例では、ロック解除メッセージは第1のキーを含むことができ、第1のキーは、ロック解除メッセージの許可のために、制御ユニット210によって要求され得る。第1のキーを用いることによって、工具100によって受信されるロック解除メッセージ又は任意の他のメッセージを許可することが可能となり得る。それによって動力工具100が、無許可のメッセージを受信する又はそれらに基づいて何らかの処置をとることからそれ自体を保護することが可能になり得る。
【0028】
解決策の一例では駆動ユニット230は、駆動ユニット230をイネーブルするために、制御ユニット110から第1のキー又は第2のキーの少なくとも1つを要求することができる。例えば動力工具が盗まれて、制御ユニットが、変更された制御ユニットと置き換えられた場合は、駆動ユニットは動力工具100の推進の前に正しいキーを待つことができるので、動力工具は無許可使用が防止され得る。解決策の一例では、ロック・メッセージは制御ユニット210によって受信することができ、ロック・メッセージは工具100をロックする命令を含むことができ、工具100はアクチュエータ・ユニット250を用いて制御ユニット210によりロックされ得る。
【0029】
解決策の一例では、警告信号を含む位置メッセージが制御ユニット(210)によって受信され、位置メッセージは、警告信号に対する応答として応答信号を繰り返して送信する命令を含み、それによって工具(100)の測位を可能にする。動力工具100が、紛失した/間違って置かれた又は盗まれたために見つからないときは、工具を測位することが可能になり得る。動力工具100が応答信号を送信することにより、動力工具100までの距離を決定することが可能となり得る。また動力工具100への方向を決定することが可能となり得る。また動力工具100の位置を決定することが可能となり得る。図4に示される解決策の一例では、動力工具100は、制御ノード110から警告信号を受信するように構成することができる。警告信号は、動力工具100の識別を含むことができ、受信した識別を動力工具100の予めプログラムされた識別と突き合わせることによって動力工具100に警告し、受信した識別と一致する動力工具100の識別を含む、警告信号に対する応答信号を送信し、それによって動力工具100の位置の決定を可能にする。一例では動力工具100は、警告信号に対する応答を繰り返して送信するように適合される。これによって例えば制御ノード110が、例えば動力工具100又は存在ノード120の位置から結果として生じる弱い信号強度/接続性により、応答を受信しないリスクが低減される。他の利点として、動力工具100の場所が変化した場合は、新しい位置を決定することが可能となり得る。
【0030】
図5は、複数の存在ノード120を備える、測位の観点からの解決策の概要を示す。解決策はさらに、例えば存在ノード120を備えた工具制御ノード110を備える。制御ノード110は、動力工具100の識別を含む測位要求メッセージを、複数の存在ノード110に送信するように構成される。このような複数の存在ノードは、特定のサービスを使用することに同意したユーザの閉じられたユーザ・グループ、制御ノード110の近傍に位置する存在ノード120のランダムなグループ、ユーザが加入することができるオープン・ユーザ・コミュニティ、アドホック・ネットワーク、又はメッシュ・ネットワーク、又は同様なものとすることができる。制御ノード110はさらに、存在ノード120から動力工具100までの計算された距離、及び存在ノード120の位置、並びに少なくとも1つの存在ノード100の位置との組み合わせにおける、存在ノード120からの動力工具100の距離の計算による動力工具100の位置の決定を含む、測位要求メッセージに対する応答を受信するように構成される。解決策の一例では制御ノード110は、複数の存在ノード120から位置要求メッセージに対する応答を受信するとすぐに、三角測量、多辺測量又は三辺測量のいずれかを用いて動力工具100の位置を計算するように構成することができる。一実施例によれば制御ノード110は、存在ノード120によってホストされ、すなわち制御ノード110自体を動力工具100の位置の決定に用いることができる。
【0031】
解決策の一例では、動力工具100との通信は暗号化することができる。動力工具100と他のノードの間の通信を暗号化することによって、動力工具100への無許可のアクセス、及び介入者タイプの攻撃を防止することができる。解決策の一例では、工具100は物理的改竄保護を有することができる。物理的改竄保護は、動力工具100への無許可の物理的アクセスのリスクを防止又は低減することができる。物理的改竄保護はまた、動力工具100の主要構成要素への無許可の物理的アクセスのリスクを防止又は低減することができる。
【0032】
図6は、無許可使用の防止のために工具のロック解除及びロックを可能にする、工具制御ノード110における方法のフロー・チャートを示す。方法は、ロック解除メッセージを工具100に送信するステップを含み、メッセージは工具100をロック解除する命令を含む。方法はさらに、工具100へのロック解除メッセージの送信からの許可期間をカウントするステップを含み、カウントされた許可期間が所定の閾値を超えたときは、方法はさらに工具(100)をロックする命令を含むロック・メッセージを送信するステップを含み、それによって遠隔ロック解除及びロックにより、工具100の無許可使用の防止を可能にする。
【0033】
解決策の一例では、使用期間終了が許可期間終了を過ぎ得るときは、動力工具100がロック解除されたままになるように、所定の許可期間閾値に達する前に、第2のロック解除メッセージを工具100に送信することができる。許可期間は例えば24時間とすることができ、すなわち動力工具100は24時間まで使用することができ、24時間の終了において動力工具100は、第2のロック解除メッセージが工具制御ノード110から動力工具100に送信されない限り、正常な動作からロックされ得る。許可期間は、実際の実装形態に応じて、数秒から数日又は数週間の範囲とすることができる。
【0034】
例えば使用期間は、建設現場での意図された使用期間の期間、例えば1カ月とすることができる。使用期間は、数時間から数カ月、さらには数年の範囲とすることができる。使用期間は、中断する、又はより短い又はより長い期間に変更になる可能性があり得る。一例は、賃借された動力工具100の顧客が、レンタル期間を延長することを望む場合、又は顧客が請書を支払っていないときは、使用期間は延長又は中断され得る。請求書のケースでは請求書が支払われたときは、レンタル顧客が正常な動作のもとで動力工具100を使用し続けることができるように、ロック解除メッセージを工具制御ノード110から動力工具100に送信することができる。
【0035】
例えば図4に示される解決策の一例では、警告信号を含む位置メッセージを動力工具100に送信することができ、それによって工具(100)の測位を可能にする。
【0036】
解決策の一例では、工具(100)をロック解除する命令を含む、指定された動力工具(100)にロック解除及びロック・メッセージを送信するための委譲された許可のメッセージを、存在ノード(120)に送信することができる。図5は、存在ノード120:1、120:B、120:Cの1つ又はすべてに委譲を送信することができる、工具制御ノード110を示す。図5はまた、見つからない動力工具100の測位のために、どのように存在ノード120:1、120:B、120:Cが協働できるかを示す。解決策の一例では、委譲された許可の取り消しを、存在ノード(120)に送信することができる。
【0037】
例えば図2に示される動力工具100は、無許可使用の防止のために動力工具100のロック解除及びロックを可能にするように適合される。動力工具100は、制御ユニット210へのロック解除メッセージを受信するように適合され、メッセージは工具100をロック解除する命令を含む。動力工具100はさらに、アクチュエータ・ユニット250を用いて制御ユニット210により、命令に従って動力工具100をロック解除するように適合される。動力工具100はさらに、カウンタ240によって、制御ユニット210への第1のメッセージの受信からの許可期間をカウントするように適合され、カウントされた許可期間が所定の閾値を超えたときは、動力工具100はアクチュエータ・ユニット250を用いて制御ユニット210によりロックされ、それによって遠隔ロック解除及びロックにより動力工具100の無許可使用の防止を可能にする。
【0038】
図1及び図5などは、無許可使用の防止のために工具のロック解除及びロックを可能にするように適合された工具制御ノード110を示す。工具制御ノード110は、ロック解除メッセージを工具100に送信するように適合され、メッセージは工具100をロック解除する命令を含む。工具制御ノード110はさらに、工具100へのロック解除メッセージの送信からの許可期間をカウントするように適合され、カウントされた許可期間が所定の閾値を超えたときは、工具制御ノード110は、工具100をロックする命令を含むロック・メッセージを送信するように適合され、それによって遠隔ロック解除及びロックにより工具100の無許可使用の防止を可能にする。
【0039】
図7Aは、動力工具100が地理的地点840からある距離に存在する状況でのブロック図を示す。工具制御ノード110は、動力工具100の位置が、地理的地点840から予め規定された距離D内であるか、又は動力工具100が所定の距離の外側にあるかどうかを判断するように構成することができる。7Bに示される1つの実施例によれば、工具制御ノード110は、動力工具100の位置を1組の地理的地点840と比較することによって位置を決定し、それらの間の距離を計算する。さらに図7Cに開示されるような他の実施例によれば、地理的地点840は存在ノード110の場所によって定義される。存在ノード110の位置は動的とすることができる。
【0040】
次に図8を参照する。上述の動力工具100及び工具制御ノード110は、プロセッサ「P」250によって実行されたときに、動力工具100及び工具制御ノード110に上述の処置を行わせるコード手段を備える、それぞれのコンピュータ・プログラムのプログラム・モジュールによって実施することができる。プロセッサP250は、単一の中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)を備えることができ、又は2つ以上の処理装置を備え得る。例えばプロセッサP250は、汎用マイクロプロセッサ、命令セットプロセッサ、及び/又は関連するチップセット、及び/又は特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)などの専用マイクロプロセッサを含むことができる。プロセッサP250はまた、キャッシュを目的とする記憶装置を備えることができる。
【0041】
各コンピュータ・プログラムは、図1、2、4、5などに示される動力工具100及び工具制御ノード110において、コンピュータ可読媒体を有しプロセッサPに接続されたメモリの形で、コンピュータ・プログラム製品「M」260によって維持され得る。したがって各コンピュータ・プログラム製品M260又はメモリは、例えばコンピュータ・プログラム・モジュール「m」の形でコンピュータ・プログラムがそれに記憶される、コンピュータ可読媒体を備える。例えばメモリM260は、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:Random−Access Memory)、リード・オンリ・メモリ(ROM:Read−Only Memory)、又は電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM:Electrically Erasable Programmable ROM)とすることができ、代替実施例ではプログラム・モジュールmは、動力工具100及び工具制御ノード110内のメモリの形で、異なるコンピュータ・プログラム製品上に分散され得る。
【0042】
解決策の実施例の一例では、技術は盗難防止以外の他の目的に関連する許可のために用いられ得る。一部の動力工具は、操作者の特別なスキルを必要とし、したがって任意のユーザによって取り扱われるべきではなく、1つの例は教育目的の木工クラスであり、教室内のいくつかの機械は教師によって所有される存在ノード110に対してロックされ、したがって教師が近傍にいない間に学生が機械を用いることを防止する。別の例は、ホーム・ユーザのためのドゥー・イット・ユアセルフ(DIY:do it yourself)工具において用いるためのものであり、例えば両親が、子供達がそれらを見つけ得る可能性がある区域に動力工具を保管することを可能にするチャイルド・ロックとして技術を適合させることができる。
【0043】
以下では、測位技法のいくつかの例について述べる。例は、どのように動力工具100が方向、距離及び/又は位置において決定され得るかを示すためのものである。これらの例は、他の用いられる技法を制限するものではない。
【0044】
最も近い存在ノード120。場所決定技法の最も基本は、動力工具100に最も近い存在ノード120に基づいて場所を特定することである。これは動力工具100と存在ノード120の間の関連に注目する、又は信号強度を測定することによって行うことができる。
【0045】
動力工具100と1つ又は複数の存在ノード120の間の概算距離の計算。この技法はラテレーションと呼ばれる。距離は、信号強度又はタイミング情報に基づいて計算することができる。
【0046】
受信信号強度表示(RSSI:Received Signal Strength Indication)−信号強度は、送信器から特定の距離において、送信された信号がどれだけ強く受信されているかの測定値である。信号強度は、距離、障害物、及び干渉無線周波数信号によって変化する。マルチパス・フェージングも信号強度に影響を及ぼす。Wi−Fiネットワークでは、信号強度は受信信号強度表示(RSSI)によって定義される。RSSIは存在ノード120によって測定することができる。リンク品質指標(LQI:Link Quality Indicator)は、受信信号の現在の品質の計量である。LQIは、同期ワードの直後の64シンボルにわたって、理想信号点配置と受信信号の間の誤差の大きさを累積することによって、どれだけ容易に受信信号を復調できるかの推定をもたらすことができる。
【0047】
到来時間差(TDoA:Time Difference of Arrival、また伝搬時間)−距離は信号伝播時間に基づいて計算することができる。電波は、無線媒体を通って知られている速度で移動する。したがって送信時間と信号到来時間が分かれば、距離を算出することができる。到来時間差(TDoA)はこのような技法の一例である。TDoAでは、位置は、異なる存在ノード120において信号が到来する時間の差に基づいて算出することができる。
【0048】
角度(AoA)−タイミング情報の代わりに、角度を用いて位置を計算することができる。各アクセス・ポイントにおいて、無線信号は一定の角度で到来する。2つの存在ノード120における到来角の間の幾何学的関係を用いることによって、推定される場所を算出することができる。
【0049】
三角測量と三辺測量−3つ以上の存在ノード120からの角度測定値に基づいて場所が推定されるときは、方法は三角測量と呼ばれる。またいくつかのアクセス・ポイントからの信号強度又はタイミング情報を一緒に用いて、カバー範囲円と交点を形成することができる。少なくとも3つの異なる存在ノード120からの距離が計算され得る場合は、この技法は三辺測量として知られる。アルゴリズムを用いることによって、異なる存在ノード120からの情報に基づいて、動力工具100の最も可能性が高い位置を指し示すことができる。場所の算出する寄与する存在ノード120が多いほど、正確な近似を得る可能性が高くなる。
【0050】
ロケーション・パターニング−上記の位置決定技法はいずれも、反射、減衰、及びマルチパス・フェージングなどの信号電波特性を考慮していない。しかしロケーション・パターニング技法を用いると、このような実際の無線媒体の特性が位置算出に考慮される。このロケーション・パターニング技法は、どのように無線信号が環境の至るところを伝播するかを記録するために、較正を必要とし得る。この較正段階の間に、RF特性、及びどのように障害物が伝播に影響するかについての実世界データを収集し、データベースに予め記憶することができる。次いでより正確な位置近似を得るために、この情報を、存在ノード120からのリアルタイム情報と比較することができる。
【0051】
アンドルー位置測定ユニット(LMU:Location Measurement Unit)と共に用いられる多重範囲推定ロケータMREL(Multiple Range Estimation Location)。MRELは、伝送時間及び信号の到来時間を用いて、動力工具100の場所を見つけることができる円形範囲リングを決定する。次いで場所は、多重範囲リングの最良交点によって推定することができる。反対にTDoAは、複数の受信器のペアの間のモバイル信号の到来時間の差を計算する。到来時間の差は、動力工具100が存在し得る、受信器の間の双曲線曲線を決定する。次いで場所は、複数の双曲線曲線の最良交点によって推定することができる。
【0052】
一実施例では、距離また位置は、述べられる解決策の任意の他のものとの組み合わせにおいて、関連性又は信号強度、タイミング情報、受信信号強度表示(RSSI)、リンク品質指標(LQI)、到来時間差/到来時間(TDoA/TOA)、角度(AoA)、三角測量及び/又は三辺測量、ロケーション・パターニング、多重範囲推定ロケータMRELの少なくとも1つを使用することによって決定することができる。
【0053】
図9は、解決策の一実施例を示す。存在ノード120は異なる位置に再配置することができる。種々の位置は座標系において表すことができる。一例では、存在ノード120の開始点が座標「0」として決定される。存在ノード120が再配置されたとき、及び動力工具100からの信号が受信される各地点において、新しい座標が決定される。そこでは存在ノード120を使用することによって、複数の存在ノード120をシミュレートすることができ、シミュレートされた複数の存在ノード120は、単一の存在ノード120より良好に動力工具100の位置を決定することができる。存在ノード120は、GPSなどを用いることによってその座標を決定することができる。存在ノード120はまた、例えばジャイロ、磁気コンパス、加速度計、傾きセンサ、ジャイロスコープ、高度計、非限定的に動き及び/又は相対位置を測定するための他のタイプのセンサの1つを使用することによって、相対座標を決定することができる。
【0054】
図9に示されない一実施例では、座標系は3次元座標系とすることができ、存在ノード120が再配置されるとき及び再配置の間は、動力工具100から受信される各信号の3次元座標を決定する。
【0055】
存在ノード120のユーザは、あちこち移動することによって、各ユーザが存在ノード120を有する一群のユーザをシミュレートすることができ、それによって1つの地点に静止している単一の存在ノード120よりも良好に、動力工具100の位置を決定することが可能となり得る。
【0056】
一実施例では到来時間差は、存在ノード120の代わりに動力工具100によって測定される。例示的な例では、少なくとも1つの存在ノード120は警告信号又は任意の他の信号などの信号を送信し、それにより動力工具100は、存在ノード120から動力工具100への伝搬時間を測定することができる。動力工具100は、警告信号に対する応答又は任意の他の信号を送信することができ、応答は動力工具100の識別、及びまた存在ノード120と動力工具100の間の測定された伝送時間を含む。動力工具100はさらに、存在ノード120と動力工具100の間の測定された伝送時間に基づいて、存在ノード120と動力工具100の間の距離を決定することができる。そのときに動力工具100によって送信される応答は、動力工具100の識別、存在ノード120と動力工具100の間の測定された伝送時間、及び存在ノード120と動力工具100の間の決定された距離を含むことができる。一実施例では時間は、マイクロ秒までの精度で測定することができる。他の実施例では時間は、ナノ秒までの精度で測定することができる。
【0057】
存在ノード120の代わりに動力工具100を用いて到来時間、到来時間差、又は伝搬時間を測定することによって利点を生じ得る。利点は、存在ノード120を時間を測定するために適合させるよりも、動力工具100を信号伝搬時間の測定のために適合させる方が容易であることである。他の利点は、動力工具100は、より良い精度で時間を測定するように適合され得ることである。他の利点は、装置内で測定を行うことによって、時間を測定するためのサポートを有する1つだけの存在ノード120よりも、良い精度を有してより多くの存在ノード120が動力工具100の測位に参加できることである。動力工具100において時間を測定する他の利点は、移動端末と動力工具100の間の距離決定のための複数の追加の発生源が、信号反射及び他の外乱の回避を可能にし得ることである。
【0058】
複数の存在ノード120があるという状況では、動力工具100は、動力工具100が有効な識別をそれから受信した各存在ノード120に、応答を送信することができる。応答は、識別、測定された伝送時間、及び決定された距離のいずれかを含むことができる。複数の存在ノード120は、動力工具100の位置をより良好に決定することができる。
【0059】
存在ノードはさらに、到来時間を通じて、工具の測位のために利用され得る。このような測位は、ピア・ツー・ピア・ネットワークに限定されず、したがって例えばアクセス・ポイントなどの他のネットワーク通信ユニットを備えた、任意の形のネットワーク通信とすることができる。
【0060】
本解決策の1つの態様によれば方法が提供され、通信ネットワーク内の2つのノードの間の距離を決定するための第1のノードは、IEEE802.11x標準などの複数の標準にあるメディアアクセス制御レイヤ(MAC:media access controlレイヤ)を利用する。
【0061】
より高位レベルの関わりを必要とせずにMACレイヤ内で行われるネットワーク通信は、比較的一定の処理時間をもたらすことが示されている。MACレイヤは、そのタスクの1つとして高レベルレイヤの情報を通信するように適合されるが、いくつかのフレームはMACレイヤによって独立に送信され得る。これらのフレームを利用することによって、及び/又は追加の機能を追加することにより無線通信ネットワークにおけるMACレイヤの挙動を変更することによって、信頼性のない変化しやすい時間要因から、ほぼ一定に処理時間を変えることができる。処理時間を概算できることで、処理時間を差し引き、到来時間/伝搬時間測定を利用することが可能になる。したがって以下で述べられる方法は、以前の方法の問題を大幅に軽減することによって、通信ネットワーク内の2つのノードの間の距離を決定するための強化されたシステムをもたらす。
【0062】
これは前述のような、オープン・ユーザ・コミュニティにおいて行うことができ、ユーザはアドホック・ネットワーク、又はメッシュ・ネットワーク、又は同様のものに加入する。このような方法は例えば、無線通信ネットワーク内の第1の存在ノードと第2の存在ノードの間の距離を決定するように適合された前記第1の存在ノードによって行うことができる。第1の存在ノードは、メディアアクセス制御レイヤ(MACレイヤ)を有するネットワーク通信ユニットを備え、第1の存在ノードは、
応答要求メッセージを送信するステップと、
前記応答要求メッセージの送信において第1のカウンタを起動するステップと、
前記応答要求メッセージに対する応答を受信するステップと、
前記応答要求メッセージに対する応答の受信においてカウンタを停止するステップと、
カウンタ結果に基づいて、前記第1及び第2の存在ノードの間の距離を決定するステップと
を含む方法を行い、
前記カウンタ結果は、前記応答要求メッセージの送信から、前記第1の存在ノード・ネットワーク通信ユニットのメディアアクセス制御レイヤ(MACレイヤ)における前記応答の到来までの期間である。
【0063】
測位もまた、メディアアクセス制御レイヤ(MACレイヤ)を有するネットワーク通信ユニットを備えた、無線通信ネットワークにおけるノードを通して達成することができ、前記ノードは、前記ノードのメディアアクセス制御レイヤにおける応答要求メッセージの送信から、前記ノードのメディアアクセス制御レイヤ(MACレイヤ)における前記応答要求メッセージに対する応答の対応する到来までのカウントされた時間に基づいて到来時間及び/又は伝搬時間を計算するように構成される。
【0064】
1つの実施例ではカウンタは、例えば中央処理装置クロック周波数に基づいて、プロセッササイクルをカウントすることができる。さらにカウンタは、経過した時間を決定するために直接又は間接に用いることができる、ノード又は付加されたハードウェア若しくはソフトウェアにおいて構成された、任意の手段とすることができることが理解される。
【0065】
MACレイヤ通信に基づいて到来時間を通して測位決定を可能にするために、標準のクロックより高いクロック周波数を用いる、無線通信ネットワーク内の少なくとも1つのノードに、追加のクロックを追加することができる。例えばIEEE802.11x無線通信ネットワーク・システムでは、1MHzクロック周波数は、距離決定のためにより良い分解能をもたらす、追加のクロックによって補完することができる。好ましい実施例ではこのような補完クロックは、30〜50MHz、50〜500MHz、100MHz以上、又はおよそ40MHzの周波数を有して構成される。
【0066】
RTS及びCTSメッセージは、ネットワーク通信ユニット構造のMACレイヤにおいて取り扱われ、それによって比較的安定な処理時間の利点を有する。これは同じノードの異なるバージョンの間だけでなく、携帯電話、アクセス・ポイント、Wi−Fiタグその他などの異なる種類のノードの間にも当てはまる。さらにRTS及びCTSメッセージは、いくつかの無線ネットワーク通信標準の一部であり、したがってそれらの標準に従う装置においては常に存在する。
【0067】
位置の決定のために、IEEE802.11x、ブルートゥース、ZigBeeなどの無線通信ネットワーク、又は任意の他の無線通信ネットワークを用いることができる。例えばデータが転送される前に、第1の存在ノードは送信要求メッセージ(RTS:Request−to−Send)を送信し、第2の存在ノードは送信可メッセージ(CTS:Clear−to−Send)で応答する。RTS及びCTSメッセージは、第1の存在ノード及び第2の存在ノード共に、MACレイヤにおいて取り扱うことができ、それによってノードのCPUにおける処理時間に影響されない。それによって距離決定及び測位のために、到来時間/伝搬時間を計算することができる。
【0068】
さらに種々の周波数を用い得ることが理解される。例えば好ましくは、本発明の異なる実施例において400MHzから5.5GHzまでの周波数を用いることができる。
【0069】
解決策について特定の例示的実施例に関連して述べてきたが、説明は一般に本発明の概念を示すことのみを意図し、解決策の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。例えば「動力工具」、「器具」、「存在ノード」、及び「工具制御ノード」という用語がこの説明を通して用いられたが、本明細書で述べられた特徴及び特性を有する、任意の他の対応するノード、機能、及び/又はパラメータを用いることもできる。解決策は、添付の「特許請求の範囲」によって定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9