(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾル−3−イル]−2−メチル−N−[(2,2,2−トリフルオロ−エチルカルバモイル)−メチル]−ベンズアミドを含むものである、請求項1〜3のいずれかに記載の経表面局所製剤。
液状担体ビヒクルが溶媒としてグリコフロールを含むものであり、経表面局所製剤中の有機共溶媒がアセトン、エチル−L−ラクテート、ジメチルスルホキシドおよびジメチルアセトアミドの少なくとも2種類の混合物である、請求項1〜4のいずれかに記載の経表面局所製剤。
経表面局所製剤において共溶媒/溶媒の重量/重量比が存在し、該共溶媒/溶媒の重量/重量比が4/1〜1/5である、請求項1〜5のいずれかに記載の経表面局所製剤。
さらに、有効量で、モキシデクチン、ミルベマイシンオキシム、セラメクチン、エマメクチン、ラチデクチンおよびレピメクチンもしくはその塩から選択される大環状ラクトン化合物、および/または、フェノキシカルブ、ルフェヌロン、ジフルベンズロン、ノバルロン、トリフルムロン、フルアズロ、シロマジン、メトプレンおよびピリプロキシフェンから選択される昆虫成長制御剤化合物を含むものである、請求項1〜6のいずれかに記載の経表面局所製剤。
式Iのイソオキサゾリン化合物が4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾル−3−イル]−2−メチル−N−[(2,2,2−トリフルオロ−エチルカルバモイル)−メチル]−ベンズアミドである、請求項9に記載の方法。
獣医用の許容され得る液状担体が、アセトン、エチル−L−ラクテート、ジメチルスルホキシドおよびジメチルアセトアミドの少なくとも2種類の共溶媒を含むものである、請求項9または10に記載の方法。
経表面局所製剤が、さらに有効量のモキシデクチン、ミルベマイシンオキシム、セラメクチン、エマメクチン、ラチデクチンおよびレピメクチンまたはその塩から選択される大環状ラクトン化合物、および/または、フェノキシカルブ、ルフェヌロン、ジフルベンズロン、ノバルロン、トリフルムロン、フルアズロ、シロマジン、メトプレンおよびピリプロキシフェンから選択される昆虫成長制御剤化合物を含むものである、請求項9から11のいずれかに記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明による経表面局所製剤は、式(I)
【0022】
【化4】
(式中
R
1=ハロゲン、CF
3、OCF
3、CN、
n=0〜3の整数、好ましくは、1、2または3、
R
2=C
1〜C
3−ハロアルキル、好ましくは、CF
3またはCF
2Cl、
T=5または6員環、これは1つ以上の基Yによって置換されていてもよい、
Y=メチル、ハロメチル、ハロゲン、CN、NO
2、NH
2−C=S、または2つの隣接している基Yが一体となって、鎖CH−CH=CH−CH、N−CH=CH−CH、CH−N=CH−CH、CH−CH=N−CH、もしくはCH−CH=CH−N、HC=HC−CH、CH−CH=CH、CH=CH−N、N−CH=CHを形成している;
Q=X
2−NR
3R
4、または5員N−ヘテロアリール環、これは1つ以上の基Z
A、Z
B Z
Dによって置換されていてもよい;
X=CH
2、CH(CH
3)、CH(CN)、CO、CS、
R
3=水素、メチル、ハロエチル、ハロプロピル、ハロブチル、メトキシメチル,メトキシエチル、ハロメトキシメチル、エトキシメチル、ハロエトキシメチル、プロポキシメチル、エチルアミノカルボニルメチル、エチルアミノカルボニルエチル、ジメトキシエチル、プロピニルアミノカルボニルメチル、N−フェニル−N−メチル−アミノ、ハロエチルアミノカルボニルメチル、ハロエチルアミノカルボニルエチル、テトラヒドロフリル、メチルアミノカルボニルメチル、(N,N−ジメチルアミノ)−カルボニルメチル、プロピルアミノカルボニルメチル、シクロプロピルアミノカルボニルメチル、プロペニルアミノカルボニルメチル、ハロエチルアミノカルボニルシクロプロピル、
【0023】
【化5】
R
4=水素、エチル、メトキシメチル、ハロメトキシメチル、エトキシメチル、ハロエトキシメチル、プロポキシメチル、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、シクロプロピルカルボニル、メトキシカルボニル、メトキシメチルカルボニル、アミノカルボニル、エチルアミノカルボニルメチル、エチルアミノカルボニルエチル、ジメトキシエチル、プロピニルアミノカルボニルメチル、ハロエチルアミノカルボニルメチル、シアノメチルアミノカルボニルメチル、またはハロエチルアミノカルボニルエチル;あるいは
R
3とR
4が一体となって、
【0024】
【化6】
(式中、Z
A=水素、ハロゲン、シアノ、ハロメチル(CF
3))
からなる群より選択される置換基を形成している)
のイソオキサゾリン化合物;
ならびに獣医用の許容され得る液状担体ビヒクルを含むものであり、
該液状担体ビヒクルは溶媒としてグリコフロールを含むものである。
【0025】
式(I)の好ましい一実施形態において、Tは、
【0026】
【化7】
から選択され、式中、T−1、T−3およびT−4において基Yは、水素、ハロゲン、メチル、ハロメチル、エチル、ハロエチルである。
【0027】
式(I)の好ましい一実施形態において、Qは、
【0028】
【化8】
から選択され、式中、R
3、R
4、XおよびZ
Aは上記に規定のとおりである。
Z
B=
【0030】
【化10】
式(I)の好ましい化合物は:
【0035】
【化11】
を有するものであり、
式中、
R
1a、R
1b、R
1cは互いに独立して、水素、ClまたはCF
3であり、好ましくは、R
1aとR
1cがClであり、R
1bが水素であり、
Tが
【0036】
【化12】
(式中、Yはメチル、臭素、Cl、F、CNまたはC(S)NH
2である)
であり、
Qが上記のとおりである。
【0037】
別の好ましい実施形態(embodiment in)では、R
3がHであり、R
4が−CH
2−C(O)−NH−CH
2−CF
3、−CH
2−C(O)−NH−CH
2−CH
3、−CH
2−CH
2−CF
3または−CH
2−CF
3である。
【0038】
一実施形態において、式(I)の化合物は、4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾル−3−イル]−2−メチル−N−[(2,2,2−トリフルオロ−エチルカルバモイル)−メチル]−ベンズアミド(CAS RN[864731−61−3])である。
【0039】
別の実施形態では、式(I)の化合物は、(Z)−4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾル−3−イル]−N−[(メトキシイミノ)メチル]−2−メチルベンズアミド(CAS RN[928789−76−8])である。
【0044】
イソオキサゾリン化合物は当該技術分野で知られており、この化合物および殺寄生虫薬としてのその使用は、例えば、米国特許出願公開第2007/0066617号明細書、または国際公開第2007/079162号パンフレット、同第2009/002809号パンフレット、同第2009/024541号パンフレット、同第2009/003075号パンフレット、同第2010/070068号パンフレット、同第2010/079077号パンフレット、同第2011/075591号パンフレットおよび同第2011/124998号パンフレット(その開示、ならびにそこに挙げられた参考文献は、引用により組み込まれる)に記載されている。この類型の化合物は、マダニおよびノミなどの外部寄生虫に対して優れた活性を有することが知られている。
【0045】
イソオキサゾリン化合物は種々の異性体形態で存在し得る。イソオキサゾリン化合物に対する言及は、常に、かかる化合物の考えられ得るすべての異性体形態を包含している。
【0046】
特に記載のない限り、具体的なコンホメーションを示していない化合物構造は、該化合物の考えられ得るあらゆる配座異性体の組成物、ならびに考えられ得るあらゆるものより少ない配座異性体を含む組成物を包含していることを意図する。一部の実施形態では、該化合物はキラル化合物である。一部の実施形態では、該化合物は非キラル化合物である。
【0047】
式(I)のイソオキサゾリン化合物は、例えば、米国特許出願公開第2007/0066617号明細書、国際公開第2007/079162号パンフレット、同第2009/002809、同第2010/070068号パンフレットおよび同第2010/079077号パンフレットに記載の1つまたは他の方法あるいは化学合成のエキスパートである当業者の能力の範囲内である任意の他の方法に従って調製され得る。本発明の製剤品の化学的調製では、当業者は、とりわけ、「Chemical Abstracts」およびそこに挙げられた文献の全内容を自由に使いこなせる者であるとみなす。
【0048】
本発明による製剤は、哺乳動物の外部寄生虫、特に、イヌおよびネコなどの小型の哺乳動物のノミおよびマダニの処置において長時間有効である。好都合には、本発明の製剤は、活性剤の効力を失うことなく所望の物性を経時的に保持している。さらに、本発明の製剤は充分な粘度を示し、これにより、動物の皮膚または毛に経表面投与したときに前記組成物の保持が可能となる。
【0049】
さらに、本発明の製剤は有利な製剤品特性を有する、すなわち、安定しており、美容的に許容され得るものである。
【0050】
美容的許容性としては、毛および皮膚の臭い(の非存在)、適用部位の毛および皮膚の湿り、イヌの毛の全体的な外観、特に、乾燥、針金のような見た目、脆さ、つやのなさ、脱毛および投与部位の近傍の残りの毛の外観などの徴候が挙げられる。
【0051】
かかる美容的許容性は、投与後にペットの毛の外観の変化が長期間持続していることはペットの飼い主には許容され得ないであろうため、イヌおよびネコなどの愛玩動物に対する経表面局所投与のための製剤品にとって非常に重要である。
【0052】
本発明による製剤により、美容的に許容され得るとともに、マダニおよびノミに対して長期持続性の有効性のためのイソオキサゾリン化合物の投与が可能な経表面局所製剤を同定することが可能となった。
【0053】
経表面局所製剤は、スポットオン、ポアオンまたはスプレーオン製剤の形態の使用準備済の製剤を示すと理解されたい。スポットオンまたはポアオン法という表現は、動物に経表面および局所適用されることが意図された使用準備済の濃縮液を示すと理解されたい。この種の製剤は、動物の比較的小さい領域に、好ましくは、動物の背中および臀部または背中および臀部のラインに沿った1つもしくはいくつかの点に直接適用されることが意図されたものである。
【0054】
スポットオン投与は、濃縮液剤、懸濁剤、マイクロエマルジョン剤または乳剤を動物のある点に、一般的には両肩間の1、2、3、4または5箇所(点)、1点より多い場合は好ましくは動物の背中の下方に間欠適用する経表面局所投与である。あるいはまた、該製剤品はラインに投与することにより投与される。
【0055】
ポアオン製剤は、典型的には、動物の背面中線(背中)または肩に沿って1本もしくは数本のラインまたはスポットオンで注入することにより適用される。より典型的には、該製剤は、脊柱をなぞるように動物の背中に沿って注入することにより適用される。ポアオン製剤の方は、家畜動物(例えば、ウシ、ブタ、ヒツジおよびウマなど)の寄生虫の防除に、より一般的である。本発明のポアオン製剤は、液状剤、乳剤、フォーム剤、ペースト剤、エーロゾル剤、軟膏、膏薬またはゲル剤の形態であり得る。典型的には、ポアオン製剤は液状剤である。
【0056】
また、該製剤を動物に他の慣用的な方法によって、例えば、含浸させた物質で動物の少なくとも小領域を拭くことにより、またはシリンジ、噴霧もしくはスプレーレース(spray race)の使用による市販のアプリケータを用いて適用することにより適用してもよい。
【0057】
ポアオンまたはスポットオン製剤は一般的に、好都合には約1〜約50%、約10〜約45%、15〜40%、20〜35%、25〜30% 約20%、25%、28%、30%、33%、50%、(パーセンテージは重量対容量=W/V)の割合の式(I)のイソオキサゾリン化合物を含むものであり得る。
【0058】
経表面局所製剤により、イソオキサゾリン化合物が皮膚に浸透して他の身体部分(例えば、全身)に作用することが可能になる、または助長される。かかるポアオンまたはスポットオン製剤は、イソオキサゾリンを適当な獣医学的に許容され得る担体に溶解、懸濁または乳化させることにより調製され得る。
【0059】
一実施形態において、経表面局所製剤は、単独溶媒としてグリコフロールを含む担体を含むものである。一実施形態では、少なくとも1種類のさらなる獣医用の許容され得る共溶媒を存在させる。
【0060】
グリコフロールはよく知られた化学物質化合物である。その調製のための種々の合成は当該技術分野でよく知られている。グリコフロール(CAS No.9004−−76−6または31692−85−0)は、テトラヒドロフルフリルアルコールポリエチレングリコールエーテルまたはα−(テトラヒドロフラニル)−ω−ヒドロキシポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)としても知られており、約190の平均分子量;約80〜100℃の沸点、約1.070〜1.090g/cm3の密度(20℃);約300〜400のヒドロキシル価;約1.4545の屈折率(ナトリウムD線,589mm)(40℃);および約8〜18mPa・sの粘度(20℃)を有する(「Handbook of Pharmaceutical Excipients,American Pharmaceutical Association/The Pharmaceutical Society of Great Britain出版(1986),第127頁およびFiedler,「Lexikon der Hilfstoffe」,第3版(1989),第577頁参照)
グリコフロールの厳密な割合は組成および純度に応じて異なる。したがって、低品質等級のものは、相当な量のテトラヒドロフルフリルアルコールおよび他の不純物を含む。グリコフロールの同義的名称は:グリコフロール75;テトラグリコール;ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)、α−(テトラヒドロフラニル)−ω−ヒドロキシ−(9CI)である。また、テトラグリコールは、異なる化学物質化合物テトラヒドロフルフリルアルコールの同意語としても使用される。
【0061】
ポアオンまたはスポットオン製剤は一般的に、好都合には、約1〜約50%、好ましくは約5〜約35%、8〜25%、10〜23%、15〜20% 約10%、15%、17%、20%、21%、25%(パーセンテージは重量対容量=W/V)の割合のグリコフロールを含むものであり得る。
【0062】
液状担体の共溶媒としては、製剤分野で知られた薬学的に許容され得る溶媒が挙げられる。
【0063】
このような溶媒としては、例えば、アセトン ジクロロメタン、アセトニトリル、n−ブチルエーテル、モノメチルアセトアミド、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、フタル酸ジエチル 脂肪酸エステル、例えば、ジエチルエステルまたはアジピン酸ジイソブチル、水、アルカノール、安息香酸ベンジル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、シリコーン、ジメチルアセトアミド、2,2−ジメチル−4−オキシ−メチレン−1,3−ジオキソランが挙げられる。N,N−ジメチルアルカンアミド(例えば、N,Nジメチルホルムアミド)、リモネン、ユーカリプトール、ジメチルスルホキシド、アルキルピロリドン(例えば、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン)、液状ポリオキシエチレングリコール、メチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチルジグリコール、ジプロピレングリコール、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、パラフィン(例えば、白色鉱油、直鎖パラフィン、イソパラフィン)、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、グリセリン、三酢酸グリセロール、ソルビトール、トリアセチン、芳香族炭化水素、脱芳香族化脂肪族、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ケトン、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、イソホロンおよび4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、アセテート、例えば、酢酸エチル、酢酸ベンジル、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、酢酸ヘプチル、酢酸オクチル、酢酸ノニル、酢酸トリデシルおよび酢酸イソボルニル、他のエステル、例えば、アルキル化乳酸エステル、二塩基性エステルおよびγ−ブチロラクトン、ならびにアルコール(これは、線状であっても分枝であっても飽和であっても不飽和であってもよい)、例えば、フェニルエチルアルコール、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブチルアルコール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−オクタノール、デカノール、イソデシルアルコール、イソオクタデカノール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、オレイルアルコール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジアセトンアルコールおよびベンジルアルコール。
【0064】
また、かかる溶媒としては、飽和および不飽和脂肪酸(典型的には、C
6〜C
22)、例えば、植物種子油および果実油(例えば、オリーブ、ヒマシ、アマニ、ゴマ、コーン(トウモロコシ)、ピーナッツ、ヒマワリ、グレープシード、サフラワー、綿実、ダイズ、ナタネ、ココナッツおよびパーム核油ならびにその混合物、例えば、ポリエトキシル化ヒマシ油のグリセロールエステルも挙げられる。また、かかる溶媒としては、アルキル化脂肪酸(例えば、メチル化、エチル化、ブチル化)も挙げられ、該脂肪酸は、植物源および動物源由来のグリセロールエステルの加水分解によって得られ得、蒸留によって精製してもよい。
【0065】
一実施形態において、溶媒はグリコフロールであり;共溶媒は、アセトン、アセトニトリル、ベンジルアルコール、ブチルジグリコール、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチル−3−メチルベンズアミド(DEET)、ジプロピレングリコール n−ブチルエーテル、エチルアルコール、イソプロパノール、メタノール、フェニルエチルアルコール、イソプロパノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、モノメチルアセトアミド(monomethylaceamide)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、液状ポリオキシエチレングリコール、プロピレングリコール、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン、リモネン、ユーカリプトール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール、フタル酸ジエチル、ポリエトキシル化ヒマシ油、メチルエチルケトン、グリコフロール、エチル−L−ラクテート、およびこれらの共溶媒の少なくとも2種類の混合物からなる群より選択される。
【0066】
別の実施形態では、共溶媒は、ジメチルスルホキシド、アセトン、ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチル−3−メチルベンズアミド エチルアルコール(DEET)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルエチルケトン、エチル−L−ラクテート、およびこれらの共溶媒の少なくとも2種類の混合物からなる群より選択される。
【0067】
別の実施形態では、局所経表面製剤の有機溶媒がグリコフロールであり、有機共溶媒が、アセトン、エチル−L−ラクテート、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミドおよびN,N−ジエチル−3−メチルベンズアミド(DEET)から選択され、好ましくは、アセトン、エチル−L−ラクテート、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミドおよびN,N−ジエチル−3−メチルベンズアミド(DEET)の少なくとも2種類の混合物である。
【0068】
共溶媒は該組成物中に、好都合には、グリコフロールに対する容量/容量(V/V)比で約4/1〜約1/4の分率で存在させるのがよい。
【0069】
ポアオンまたはスポットオン製剤は一般的に、好都合には、約0〜約50%、好ましくは約4〜約35%、約4%、8%、12%(パーセンテージは容量対容量=V/V)の割合のアセトンを含むものであり得る。
【0070】
ポアオンまたはスポットオン製剤は一般的に、好都合には、約0〜約70%、好ましくは約5〜約60%、約32%、35%、36%、38%,40%、42%、45%、60%(パーセンテージは容量対容量=V/V)の割合のジメチルアセトアミドを含むものであり得る。
【0071】
ポアオンまたはスポットオン製剤は一般的に、好都合には、約0〜約50%、好ましくは約10〜約45%、約35%、40%(パーセンテージは容量対容量=V/V)の割合のジメチルアセトアミドを含むものであり得る。
【0072】
ポアオンまたはスポットオン製剤は一般的に、好都合には、約0〜約30%、好ましくは約1〜約25%、約5%、9%、10%、14%、15%、17%(パーセンテージは容量対容量=V/V)の割合のN,N−ジエチル−3−メチルベンズアミドを含むものであり得る。
【0073】
また、経表面局所製剤に1種類以上のさらなる成分を含めてもよい。好適なさらなる成分の例は、浸透促進剤、拡展剤、安定剤、例えば、抗酸化剤/保存料、密着性促進剤および粘度調整剤、晶出抑制剤、UV遮断剤または吸収剤、水分スカベンジャー(scavenger)ならびに着色料である。また、表面活性剤、例えば、アニオン性、カチオン性、非イオン性および両性表面活性剤をこの製剤に含めてもよい。
【0074】
一部の実施形態では、経表面製剤(特に、ポアオンまたはスポットオン製剤)に、皮膚を介して血流中、他の体液(リンパ)中および/または体組織(脂肪組織)内へのイソオキサゾリンの吸収または浸透を促進させる担体を含める。想定される経皮浸透促進剤の例としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ミリスチン酸イソプロピル、ジプロピレングリコールペラルゴネート、シリコーン油、脂肪族エステル、トリグリセリド、および脂肪族アルコールが挙げられる。
【0075】
また、経表面局所製剤に(あるいは択一的に)例えば1種類以上の拡展剤を含めてもよい。このような物質は、動物レシピエントの毛または皮膚全体への活性成分の分布を補助する担体としての機能を果たす。該物質としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ジプロピレングリコールペラルゴネート、シリコーン油、脂肪酸エステル、トリグリセリドおよび/または脂肪族アルコールが挙げられ得る。
【0076】
また、種々の拡展油/溶媒の組合せ、例えば、油性溶液、アルコール性およびイソプロパノール性溶液(例えば、2−オクチルドデカノールもしくはオレイルアルコールの溶液)、モノカルボン酸エステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸シュウ酸エステル、オレイン酸オレイルエステル、オレイン酸デシルエステル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、および12〜18個の炭素の炭素鎖を有する飽和脂肪族アルコールのカプロン酸エステル)の溶液、ジカルボン酸のエステル(例えば、フタル酸ジブチル、イソフタル酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソプロピルエステル、およびアジピン酸ジ−n−ブチル)の溶液、または脂肪酸のエステル(例えば、グリコール)の溶液なども好適であり得る。製剤に拡展剤を含める場合はまた、分散剤、例えば、ピロリジン−2−オン、N−アルキルピロリジン−2−オン、アセトン、ポリエチレングリコール、またはそのエーテルもしくはエステル、プロピレングリコール、または合成トリグリセリドなども含めることが好都合であり得る。
【0077】
アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、アミン塩、両性界面活性剤またはポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、酢酸ビニルとビニルピロリドンのコポリマー、ポリエチレングリコール、ベンジルアルコール、マンニトール、グリセロール、ソルビトール、ポリオキシエチレン化ソルビタンエステル;レシチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、およびアクリル酸誘導体からなる群より選択される晶出抑制剤、またはこのような晶出抑制剤の混合物を存在させてもよい。
【0078】
また、製剤に空気による酸化を抑止することを意図した酸化防止剤を含めてもよい。特に好ましい酸化防止剤は当該技術分野で慣用的なものであり、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、没食子酸プロピル、チオ硫酸ナトリウムまたはこれらの混合物が挙げられる。
【0079】
ゲル化および/または密着のための本発明の組成物に使用され得る好適な例示的ポリマー(「高分子薬剤」)としては、限定されないが、コロイド状二酸化ケイ素(silicone)、エチルセルロース、メチルセルロース、メタクリル酸エステルコポリマー、カルボキシル化酢酸ビニル、ならびにポリビニルプロピレン(PVP)/酢酸ビニルコポリマー、ポロキサマー124、ポビドンK17 ポリソルベート80およびポビドンK90が挙げられる。
【0080】
上記に論考したさらなる成分は当業者によく知られており、市販品として入手してもよく、既知の手法によって取得してもよい。
【0081】
経表面局所製剤は、標的の種にもよるが約0.01〜1ml/kg、好ましくは約0.05〜0.1ml/kgという低容量で、0.3〜100ml/動物の総容量(好ましくは最大約50mlに制限される)で適用される。
【0082】
イヌおよびネコなどの小型の愛玩動物では、適用される容量は、動物の体重にもよるが約0.3〜約6ml程度、好ましくは、ネコでは投与1回あたり約0.4〜2.0ml程度、イヌでは約0.4〜約5.0ml程度であり得る。
【0083】
温血動物に対する経表面投与のための例示的な組成物は、典型的には、容量に対する重量基準で約1%〜50%w/vの式Iのイソオキサゾリン化合物;約15〜20%w/vのグリコフロール;約5%〜95%w/vの共溶媒または溶媒混合物、例えば、DMAを単独または約10〜20%w/vのアセトンおよび約5〜25%w/vのN,N−ジエチル−3−メチルベンズアミドとの組合せで含むものである。
【0084】
温血動物に対する経表面投与のための例示的な組成物は、典型的には、容量に対する重量基準で約1%〜50%w/vの式Iのイソオキサゾリン化合物;約5〜25%w/vのグリコフロール;約5%〜95%v/vの共溶媒もしくは溶媒混合物、例えば、N,N−ジエチル−3−メチルベンズアミドを単独または約10〜50%v/vのDMA、および/または約10〜20%w/vの共溶媒との組合せで含むものである。
【0085】
温血動物に対する経表面投与のための例示的な組成物は、典型的には、容量に対する重量基準で約1%〜50%w/vの式Iのイソオキサゾリン化合物;約5〜25%w/vのグリコフロール;約5%〜95%v/vの共溶媒もしくは溶媒混合物、例えば、DMAを単独または約10〜50%v/vのアセトン、および/または約10〜20%v/vの共溶媒との組合せで含むものである。
【0086】
本発明の一実施形態において、経表面局所製剤は、式Iの少なくとも1種類のイソオキサゾリン化合物と、アベルメクチンまたはミルベマイシン類型の化合物である大環状ラクトン化合物とを含むものである。大環状ラクトン化合物は、天然産物またはその半合成誘導体のいずれかである。少なくとも一部の特定の大環状ラクトン化合物の構造は、例えば、複雑な16員大環状ラクトン環を共有していることにより密接に関連している。
【0087】
本発明の範囲に含まれる使用のための化合物の一例はイベルメクチンである。別の大環状ラクトンはモキシデクチンである。モキシデクチンはLL−F28249αとしても知られており、米国特許第4,916,154号明細書により既知である。別の大環状(macocyclic)ラクトンはセラメクチンである。セラメクチンは、25−シクロヘキシル−25−デ(l−メチルプロピル)−5−デオキシ−22,23−ジヒドロ−5−(ヒドロキシイミノ)−アベルメクチンB1単糖である。
【0088】
別の好ましい化合物はミルベマイシン、特にミルベマイシンオキシムである。ミルベマイシンあるいはB41は、ミルベマイシン生成ストレプトミセス株の発酵ブロスから単離される物質である。微生物、発酵条件および単離手順は米国特許第3,950,360号明細書および同第3,984,564号明細書に記載されている。
【0089】
エマメクチン(4”−デオキシ−4”−エピ−メチルアミノアベルメクチンB1)は、米国特許第5,288,710号明細書および同第5,399,717号明細書に記載のようにして調製され得、2つの同族体4”−デオキシ−4”−エピ−メチルアミノアベルメクチンBlaと4”−デオキシ−4”−エピ−メチルアミノアベルメクチンB1の混合物である。エプリノメクチンは、化学的には4”−エピ−アセチルアミノ−4”−デオキシ−アベルメクチンB1として知られている。
【0090】
ラチデクチンについて、情報は、「International Nonproprietary Names for Pharmaceutical Substances(INN)」.World Health Organization(WHO)Drug Information,第17巻,4号,第278〜279頁(2003)において知得され得る。
【0091】
レピメクチンは、(6R,13R,25R)−5−O−デメチル−28−デオキシ−6,28−エポキシ−25−エチル−13−[(Z)−[(メトキシイミノ)フェニルアセチル]オキシ]ミルベマイシンBとの(6R,13R,25R)−5−O−デメチル−28−デオキシ−6,28−エポキシ−13−[(Z)−[(メトキシイミノ)フェニルアセチル]オキシ]−25−メチルミルベマイシンB混合物である。
【0092】
特に最も好ましいのは、組成物が化合物Aとモキシデクチン;または化合物A;とセラメクチン、または化合物Aとミルベマイシン、または化合物Aとエプリノメクチンを含むものである経表面局所製剤である。
【0093】
大環状ラクトン化合物は当業者によく知られており、市販または当該技術分野で知られた手法のいずれかによって容易に得られる。
【0094】
大環状ラクトン化合物の有効量は、好ましくは約0.001mg/kg体重、優先的には約0.005mg、および約10mg/kgである。式(I)のイソオキサゾリン化合物と大環状ラクトン化合物の重量基準の割合は、好ましくは約5/1〜約1/0.0001である。
【0095】
本発明の製剤に有用な他の生体活性化合物は、昆虫成長制御剤(IGR)、例えば、フェノキシカルブ、ルフェヌロン、ジフルベンズロン、ノバルロン、トリフルムロン、フルアズロ、シロマジン、メトプレン、ピリプロキシフェンなどから選択され得るものであり、それにより、動物被検体に対して、ならびに動物被検体の環境において寄生虫の初期防除と持続防除(卵を含む昆虫の全発生段階)の両方がもたらされる。
【0096】
特に最も好ましいのは、組成物が化合物Aとジフルベンズロンまたは化合物Aとメトプレン、または化合物Aとピリプロキシフェン、または化合物Aとフェノキシカルブ、または化合物Aとフルアズロを含むものである経表面局所製剤である。
【0097】
IGR化合物の有効量は、優先的には約0.1mg/kg体重、好ましくは約1mg、および約10mgである。式(I)のイソオキサゾリン化合物とIGR化合物の重量基準の割合は、好ましくは約5/1〜約0.000/1である。
【0098】
本発明の一態様は、経表面局所製剤の投与が毎日の投与よりもかなり少ない頻度である、動物が強い寄生中の苦痛に供される環境における寄生虫に永続的に対処するための方法である。例えば、本発明による処置は、特にイヌ、ネコまたは反芻動物(例えば、ウシまたはヒツジ)に対して毎月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月または6ヶ月毎に行われることが好ましい。
【0099】
処置間の期間間隔は、処置対象の寄生虫(1種類または複数種)、感染の度合い、哺乳動物または鳥類の型および生息環境などの要素に依存する。具体的な状況で具体的な投与期間を決定することは、充分に当業者の技能レベルの範囲内である。
【0100】
本発明の一部の実施形態では、式(I)のイソオキサゾリンの経表面局所製剤は、動物の奇生虫症を処置する(または動物の奇生虫症を処置するための医薬を作製する)ために投与される。用語「奇生虫症」は、1種類以上の外部寄生虫と直接関連している、または該寄生虫によって引き起こされる病的状態および疾患、例えば、貧血およびノミアレルギー皮膚炎などを包含している。また、媒体によって伝染する1種類以上の病原体と関連している、該病原体によって引き起こされる病的状態または疾患、例えば、ライム病、エールリヒア症(特に、イヌのエールリヒア症)、および媒体マダニによるロッキー山紅斑熱なども包含している。語句「奇生虫症の処置」は、奇生虫症に易罹患性の動物の奇生虫症の発症を一部もしくは完全に抑止すること、奇生虫症を有する動物の奇生虫症の症状を低減または完全に解消すること、および/または奇生虫症を有する動物の奇生虫症を一部もしくは完全に治癒させることを意味する。一般に、奇生虫症の処置は、式(I)のイソオキサゾリンを含む本発明による製剤を投与し、外部寄生虫感染を防除することにより行われる。
【0101】
また、本発明は、動物体内および/または動物体表の外部寄生虫を防除することの少なくとも付随な目的が、該動物が(定期的もしくは継続的に)占有している環境で外部寄生虫感染を防除することである処置方法に関する。一部のかかる実施形態では、例えば、動物は愛玩動物(例えば、ネコまたはイヌ)である。環境は、例えば、家屋または他の保護施設;室内;おり、小屋または他の閉じ込め手段;寝わら;などであり得る。
【0102】
本発明の経表面局所製剤は、哺乳動物(例えば、ヒト)に感染する寄生虫の対処に特に好適である。哺乳動物被検体としては、霊長類(例えば、サル)、ウシ亜科(例えば、ウシまたは乳牛)、ブタ類(例えば、ホッグまたはブタ)、ヒツジ類(ovine)(例えば、ヤギまたはヒツジ)、ウマ科(例えば、ウマ)、イヌ科(例えば、イヌ)、ネコ科(例えば、飼い猫)、ラクダ、シカ、ロバ、バッファロー、アンテロープ、ウサギ、ならびに齧歯類(例えば、モルモット、リス、ラット、マウス、アレチネズミ、およびハムスター)が挙げられる。保護対象の動物が飼養化されたイヌ(すなわち、Canis lupus familiaris)および飼育用の飼い猫(すなわち、Felis catus)である実施形態に特に注目されたい。
【0103】
保護対象の動物に本発明の経表面局所製剤を投与することにより防除される無脊椎動物の寄生害虫の例としては、外部寄生虫(節足動物、ダニなど)および内部寄生虫(蠕虫、例えば、線虫、吸虫、多節条虫類、鈎頭虫など)が挙げられる。
【0104】
特に、本発明の製剤は、外部寄生虫、例えば:ハエ、例えば、Haematobia(Lyperosia)irritans(ツノサシバエ)、Stomoxys calcitrans(サシバエ)、Simulium属種(ブヨ)、Glossina属種(ツェツェバエ)、Hydrotaea irritans(刺咬性バエ)、Musca autumnalis(非刺咬性バエ)、Musca domestica(イエバエ)、Morellia simplex(スウェットフライ(sweat fly))、アブ属種(ウシアブ)、Hypoderma bovis、Hypoderma lineatum、Lucilia sericata、Lucilia cuprina(緑色のクロバエ)、Calliphora属種(クロバエ)、Protophormia属種、Oestrus ovis(鼻(nasal)ウマバエ)、Culicoides属種(ユスリカ)、Hippobosca equine、Gastrophilus instestinalis、Gastrophilus haemorrhoidalisおよびGastrophilus naslis;シラミ、例えば、Bovicola(Damalinia)bovis、Bovicola equi、Haematopinus asini、Felicola subrostratus、Heterodoxus spiniger、Lignonathus setosus and Trichodectes canis;ヒツジシラミバエ、例えば、Melophagus ovinus;ダニ、例えば、Psoroptes属種、Sarcoptes scabei、Chorioptes bovis、Demodex equi、Cheyletiella属種、Notoedres cati、Trombicula属種およびOtodectes cyanotis(ミミダニ);マダニ、例えば、Ixodes属種、Boophilus属種、Rhipicephalus属種、Amblyomma属種、Dermacentor属種、Hyalomma属種およびHaemaphysalis属種;ならびにノミ、例えば、Ctenocephalides felis(ネコノミ)およびCtenocephalides canis(イヌノミ)に対して有効である。
【0105】
また、本発明は、例えば、上記の処置方法の実施における使用に適したキットに関する。一般に、かかるキットは、治療有効量の式(I)のイソオキサゾリンを含む本発明による経表面局所製剤と、さらなる構成要素とを備えている。該さらなる構成要素は、例えば、以下:診断ツール、該組成物を投与するための使用説明書、該組成物を投与するための装置、該組成物と混合もしくは併用投与される賦形剤もしくは他の活性成分を内包している容器、または記憶補助(例えば、動物の飼い主に次の用量の該組成物を投与する時期を気付かせるためにカレンダーに押すスタンプ)のうちの1種類以上であり得る。
【0106】
本明細書および特許請求の範囲で用いる場合、用語「約」および「およそ」は、値が統計学的に有意な範囲内であることを示している。かかる範囲は、所与の値または範囲の典型的には20%以内、より典型的にはさらに10%以内、さらにより典型的には5%以内であり得る。用語「約」および「およそ」に包含される許容変動量は、試験下の具体的な系に依存し、当業者に容易に認識され得る。
【0107】
本明細書で用いる場合、用語「w/w」は重量/重量を示しており、用語「w/v」は重量/容量を示しており、用語「mg/kg」は体重1キログラムあたりのミリグラム数を示している。
【0108】
本発明の他の利点および特徴は、非限定的な実施例によって示した以下の説明を読むと自明となろう。
【実施例】
【0109】
実施例1
本発明による組成物Aの調製
計算値の量、例えば、6.25グラムの4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾル−3−イル]−2−メチル−N−[(2,2,2−トリフルオロ−エチルカルバモイル)−メチル]−ベンズアミド(化合物A)をフラスコ内に量り入れて充填した。必要容量の賦形剤、例えば、10mLのDMAと5mLのグリコフロールを添加した。化合物Aを穏やかな攪拌または振盪下で溶解させた。この溶液をアセトンで最終容量25mLにした。
【0110】
組成物Aについて本明細書において上記のものと本質的に同じ手順を使用し、表2の組成物B〜Kおよび表3の製剤を調製した。択一的な調製アプローチは賦形剤を量り入れるものとした。各製剤品の密度を基にして必要重量を計算した。あるいは添加順序を変えた、例えば、賦形剤をブレンドし、後の段階で化合物Aを導入した。
【0111】
経表面局所(例えば、スポットオン)投与に対する製剤の好適性を示す物理化学的パラメータを評価した。表2の組成物A〜Kを以下の手順を用いて試験した。
【0112】
粘度:ニュートン粘度(η)を、ダブルギャップカップ/ローターシステム(double gap cup and rotor system)内の回転式粘度計によって20℃にて求めた。
【0113】
蒸散:蒸散は、通風室内に置いた重量記録天秤で調べた。試料パンを50℃まで4時間にわたって加熱し、重量減少を記録した。
【0114】
拡展直径:拡展直径は、プラスチックシート上の3箇所の20μLの試験製剤品スポットの直径を測定することにより求めた。
【0115】
水分吸収:水分吸収は、25℃の温度の周囲雰囲気と接触している試験製剤品の水分濃度を1日後に求めることによって求めた。また、試験製剤品の物理的状態、例えば、透明な溶液であるかどうかも記録した。
【0116】
溶解度:飽和溶液、すなわち、試験化合物の非溶解粒子と接触している試験化合物の溶液を調製し、連続的に振盪し、温度を記録した。溶媒相中の該化合物の含有量をおよそ24時間後にHPLCによって求めた。含有量の結果を溶解度とみなした。場合によっては、含有量を再度48時間後に求め、2つの結果の小さい方を溶解度とみなした。
【0117】
適合性:試験化合物と賦形剤の二元混合物を調製し、規定の保存条件下、例えば、40℃、75%相対湿度で保存した。試験開始時および規定の保存期間後、試料を外観、含有量および分解生成物について解析した。
【0118】
表2の製剤の物理化学的パラメータを表2aにまとめる。
【0119】
表2aおよび製剤をイヌに投与したインビボ実験の結果は、試験した製剤が、動物に対するイソオキサゾリン化合物の局所経表面投与に適していることを示す。
実施例2
インビボ治験−イヌへの製剤のスポットオン投与
表2の製剤をスポットオンとしてイヌに、4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾル−3−イル]−2−メチル−N−[(2,2,2−トリフルオロ−エチルカルバモイル)−メチル]−ベンズアミド(化合物A)投与量を25mg/kg体重で投与した。イヌを処置の局所および全身耐容性について観察し、投与部位の美容的外観を評価した。すべてのイヌの血漿試料を、投与前および投与の2、4、8時間後、1日目、3日目、7日目、14日目、続いて56日目まで毎週採取した。血漿を化合物AについてHPLC−MS/MSによって解析した。
【0120】
結果:イヌ血漿中の化合物Aの平均濃度を
図1および
図2に示す。
【0121】
局所または全身性の有害反応は観察されなかった。製剤の美容的外観は、短期間で外観に対する影響は軽微しか検出されなかったため許容され得るものであった。
実施例3
インビボ治験−化合物Aとモキシデクチンを含む製剤のイヌへのスポットオン投与
表2の製剤Nをスポットオンとしてイヌに、化合物Aの供与量を25mg/kg体重およびモキシデクチン投薬量を2.5mg/kg体重で投与した。イヌを処置の局所および全身耐容性について観察し、投与部位の美容的外観を評価した。すべてのイヌの血漿試料を、投与前 投与の2、4、8時間後、0日目、1日目、3日目、7日目および14日目、続いて56日目まで毎週採取した。血漿を化合物Aとモキシデクチンの濃度について解析した。
【0122】
結果:イヌの化合物Aとモキシデクチンの平均血漿濃度を
図3に示す。
【0123】
局所または全身性の有害反応は観察されなかった。美容的外観は許容され得るものであった。
実施例4
イヌのマダニに対する試験製剤の有効性の評価
この評価では、性別混合のビーグル犬を使用し、処置群と対照群に割り当てた。−2日目、各イヌを50匹の食物を与えていない成体マダニRhipicephalus sanguineus(R.sanguineus)(クリイロコイタマダニ)に感染させた。
【0124】
0日目、イヌに、25mg/kg体重の投薬量の化合物Aの処置(表1に示した製剤)を施した。製剤は使い捨てのピペットを用いて投与した。該用量を頭蓋の基部の首の背側にラインで適用した。
【0125】
1つの群は未処置とした。イヌを処置に対する即時反応(あれば)について観察し、処置後の有害反応、皮膚刺激、および処置時の試験製剤の挙動について、およそ2、4および8時間後、ならびに処置の施与後の1日目、2日目および7日目に観察した。その後は、イヌを試験の残り期間中1日1回観察した。
【0126】
処置の48時間後、マダニはすべて除去された。除去されたマダニを以下のカテゴリー:有効性なし:解放状態で生存、付着して生存−吸血状態/非吸血状態で生存、および吸血状態で死滅の場合、有効性あり:死滅、解放状態で、吸血状態でなく付着して死滅の場合に従って評価した。
【0127】
マダニ計数を変換し、幾何平均を用いて処置の有効性割合を計算した。結果を表1に示す。
【0128】
【表4】
【0129】
【表5】
【0130】
【表6】
【0131】
【表7】