特許第6357532号(P6357532)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6357532中空室形材を切断するための方法ならびに装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6357532
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】中空室形材を切断するための方法ならびに装置
(51)【国際特許分類】
   B23D 23/00 20060101AFI20180702BHJP
【FI】
   B23D23/00 B
【請求項の数】7
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-513226(P2016-513226)
(86)(22)【出願日】2014年5月13日
(65)【公表番号】特表2016-520007(P2016-520007A)
(43)【公表日】2016年7月11日
(86)【国際出願番号】DE2014000245
(87)【国際公開番号】WO2014187441
(87)【国際公開日】20141127
【審査請求日】2017年1月13日
(31)【優先権主張番号】102013008632.9
(32)【優先日】2013年5月18日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515281824
【氏名又は名称】ブルーンケ・ウルリヒ
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】アンダーゼック・ラルフ
【審査官】 宮部 菜苗
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/043314(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0210592(US,A1)
【文献】 独国特許出願公開第19839727(DE,A1)
【文献】 特開昭57−190733(JP,A)
【文献】 特開昭57−181729(JP,A)
【文献】 特開平11−267768(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23D 23/00−23/04
B21D 28/02
B21D 28/10
B21D 28/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の幾何学形状の部材を製造するために中空室形材を切断するための装置において、
装置が基本的に、一つの抜き型(7)、一つあるいは複数の補助切断板(14)としてのスライダ、から成り、補助切断板(14)が、液圧シリンダ(13)を用いて中空室形材の中空室(4)内に挿入されることが可能であり、打抜き型(7)が、前側の打抜き縁部(8)と後側の打抜き縁部(9)を備えており、前側の打抜き縁部(8)が、まず補助切断版(14)の領域で上面(2)を切断し、そして打抜き型(7)が降りてくる間、上面(2)を、中空室の共に設けられるウェブ(5)の間で折れ曲げるので、二重ウェブ形材(1)の中空室が閉じられるように、後側の打抜き縁部(9)が、前側の打抜き縁部(8)に対して、後ろに置かれて形成されている
ることを特徴とする装置。
【請求項2】
抜き型(7)が、製造すべき幾何学形状に相応して形成されていることを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項3】
打抜き型(7)内において、ウェブ(5)、あるいは中空室形材の壁部の領域内に間隙部(10)が配置されており、これら間隙部が、ウェブ(5)の方向において、前側の打抜き縁部(8)から後ろ側の打抜き縁部(9)まで推移していることを特徴とする請求項1〜2のいずれか一つに記載の装置。
【請求項4】
間隙部(10)内に、中空室形材のウェブ(5)のための切断縁部(11)が配置されており、これらの切断縁部が前側の抜き縁部(8)と後側の抜き縁部(9)に対して後ろに置かれていることを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一つに記載の装置による中空室形材を押出し工程の後、切断するための方法において、所定の幾何学形状の部材を製造するための中空室形材の切断が、打抜き工程により行われることを特徴とする方法。
【請求項6】
打抜き工程を開始する前に、中空室形材の中空室(4)内に補助切断板(14)が入されることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項7】
打抜き工程の間に、中空室形材の上面(2)が抜き型により折り曲げられ、それにより中空室(4)を閉鎖することを特徴とする請求項またはに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押出し工程の後、打抜きにより好ましくは二重ウェブプレートの形態の中空室形材を切断するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属から成る中空室形材は、押出しプレスにより製造される。捩れの要求に対して中空室形材を補強するための、中空室形材の内側にある補強材は、押出し工程でプレスされてもよい。
【0003】
多くの分野において、中空室形材、いわゆる二重ウェブプレートは担持要素として使用される。特に自動車の構造において、形状は常に長方形あるいは正方形ではなく、その形状は組立状態に対応して合わせられる。多くの場合、これらの形状は一つの複雑な幾何学形状を備えている。
【0004】
成形部材を製造する際に、中空室形材は、適切な切断方法を用いて使用長さまでかつ適切に短くされねばならない。このことは、例えばレーザー切断あるいは水ジェット切断のようないわゆる噴射法を用いて行われるが、輪郭フライスによっても行われる。この方法は、打抜き作業に比べて基本的に費用がかさむ。中空室形材を形成するウェブは、この場合には、曲げられてはならないので、このような立体物の切断は問題がある。特にこの立体物がウェブの構造を横切って切断されねばならない場合に、切断力は切断箇所の領域を変形させる。これらの形材が相応するように曲げられていると、形材は変形状態を脱しているが、全周において張力あるいは支持力を受けねばならぬか、あるいは形材は接続箇所で中空室を通って与えられる抵抗モーメントを無駄に費やす。
【0005】
特許文献1からは押出された中空形材を切断するための方法と押出プレス装置が知られている。ここには、押出し工程に直接続いて、押出プレス中空形材の内側が、少なくとも一つのあるいは複数の切断箇所において、コア材料としての軽量構造の材料、例えば膨張性のある発泡材料で充填され、この発泡材料は中空室形材を短くするかあるいは切断する際に、切断性と安定性特性を改善する。
【0006】
ここでは、形材の内側に切断光を入射する際の切断光の広がりと拡散が短所である。さらに、コア材料を格納することにより、コア材料に締められる空間が、他の方法では技術的に使用可能ではなく、場合によっては断熱値への影響を受け、防火の基準値が影響を与えられる恐れがあり、コア材料は、中空室形材をさらに処理する際に不利に作用し、かつ最終的にコア材料の原料と原料を運び入れるための付加的コストが発生するだけである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許第19717066号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の根底を成す課題は、空洞部が切断工程により変形され、この方法に基づいて、空洞部により与えられる抵抗モーメントが不利に影響されることなく、この方法により空洞部を保持する際にコストをかけずに押出される中空室形材が、使用長さまでおよび適切な形状に短くされる、押出された中空室形材を切断するための方法および装置を提供することである。さらに、変形されたウェブにおける亀裂は回避される。亀裂は、亀裂の伝播より部品が故障するまで発達してしまう恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の課題は、本発明によれば請求項1と請求項4の特徴部分に記載された特徴を備えたことにより解決される。 本発明の他の構成は、従属請求項ならびに引続く実施例から明らかである。
【0010】
本発明による方法を用いて、200℃よりも高い温度範囲で、押出し工程の直後に理想的に、内抜き作業により中空室形材を切断することが可能にされる。
【0011】
しかし、本方法は室温範囲における特定の高延性の合金のためにも実施できる。
【0012】
所定の幾何学的な部材形状を作るための中空室形材の切断は、内抜き作業により行われる。内抜き作業の開始前に、中空室形材の個々の空洞部内には一つあるいは複数のスライダが補助切断板として走入される。内抜き作業の間、第一にウェブの間の上面は、補助切断板に沿って内抜き型の前側の内抜き縁部により切断され、かつ上面の高さで後ろに置かれた後側の内抜き縁部により折り曲げられ、それにより中空室形材の空洞部は閉鎖される。
【0013】
本方法を実施するための装置は、基本的に、頭部板、内抜き型、ひとつあるいは複数の補助切断板としてのスライダ、形材ワイパー、切断板あるいは底板から成り、前記補助切断板は、液圧シリンダを用いて中空室形材の空洞部内に走入されることができる。スライダも内抜き型も、製造すべき幾何学形状に相応するように形成されている。
【0014】
内抜き型は前側の内抜き縁部と後側の内抜き縁部を備えており、後側の内抜き縁部は前側の内抜き縁部に対して後ろにずれて形成されている。中空室形材のウェブあるいは壁部の領域には、間隙部が内抜き型に設けられている。間隙部には、中空室形材のウェブあるいは外壁部のための切断縁部が設けられており、切断縁部は前側および後側の切断縁部に対して後ろに置かれている。
【0015】
実施例に基づき、本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】二重ウェブ形材を示す。
図2】二重ウェブ形材の最終切断工程を示す。
図3】打抜き型の側面図を示す。
図4】二重ウェブ形材の挿入工程を示す位置Iである。
図5】打抜き工程1と屈曲工程を示す位置IIである。
図6】打抜き工程2を示す位置IIIである。
図7】取除き工程を示す位置IVである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は二重ウェブ形材の様式の中空室形材を示しており、この中空室形材は、打抜くべき上面2、打抜くべき下面3、これらの間にある空洞部4そしてウェブ5から成る。
【0018】
図2は二重ウェブ形材1の典型的最終切断部6を備えた二重ウェブ形材1の分解図を示す。
【0019】
図3は分解工具、内抜型7、これらと一緒に二重ウェブ形材1を打抜き、異なる平面内で各々平行な側面においてとがった打抜き縁部8,9を示し、前記内抜型は構成における輪郭線の使用長に応じて異なってもよい。打抜き型7は前側の切断縁部8と後側の切断縁部9を備えており、後側の切断縁部9は前側の切断縁部8に対して、前側の切断縁部8が最初に上面2を補助切断板14の領域で切断し、内抜型7が降りてくる間ずっと、上面2がウェブ5の間で折れ曲がるように、後ろに置かれているので、二重ウェブ形材1の空洞部は閉鎖される。
【0020】
ウェブの間で上面2が折れ曲がった後、前側の切断縁部8と後側の切断縁部9の間隙部10に設けられた内抜型7の切断縁部11による二重ウェブ形材1のウェブ5の切断と二重ウェブ形材1の下面3の切断が行われる(図5と6)。
【0021】
図4は二重ウェブ形材1を装置内に挿入する位置を示す。二重ウェブ形材1は、上面2および下面3でもって、ストリッパープレート12に抗して的確に押動かされ、かつ(図示していない)ホールドダウンクランプによりこの位置で固定される。次に、液圧シリンダ13により、二重ウェブ形材1の空洞部4内に長手方向に、補助切断板14の前側の垂直な面が、内抜き型7の前側の打抜き縁部8でもって垂直な想像線16を形成するまで、補助切断板14は挿入される。
【0022】
次いで、内抜き型7は二重ウェブ形材1の方向に動かされ、内抜き型7の前側の打抜き縁部8は、二重ウェブ形材1の上面内に侵入し、上面を切断する。可動で引込み可能な補助切断板14は、打抜き方向に及ぼされる打抜き圧力により、下方に向かって二重ウェブ形材1の上面が逃げるのを防ぐ。二重ウェブ形材1のウェブ5の間の打抜かれた領域は、上面2に対して角度をもって起立する打抜き型7の面15により打抜き方向に折り曲げられ、前記領域の全体あるいは一部は、所定のパラメータに依存して、二重ウェブ形材1の空洞部の開口部内にある(図5)。
【0023】
同時に、切断縁部11により、上面と下面の間に垂直に配置されたウェブ5が切断される。
【0024】
図6は、打抜き型が下面3をまず前側の打抜き縁部8でもって、かつその後で別の打抜き縁部9でもって切断した後に、下面3の方向にさらに動く打抜き型7を示している。
【0025】
図7は、ウェブ5のように上面2と下面3を切断した後に開始位置に戻される内抜き型7と開始位置に戻される補助切断板14を示している。
【符号の説明】
【0026】
1 二重ウェブ形材
2 上面
3 下面
4 空洞部
5 ウェブ
6 打抜き面の最終切断部
7 打抜き型
8 前側の内抜き縁部
9 後側の内抜き縁部
10 間隙部
11 切断縁部
12 ストリッパープレート
13 液圧シリンダ
14 補助切断板
15 面
16 垂直線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7