特許第6357573号(P6357573)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6357573口腔デバイス、口腔内の空気空間を除去するためのシステム及び口腔デバイスの作動方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6357573
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】口腔デバイス、口腔内の空気空間を除去するためのシステム及び口腔デバイスの作動方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/56 20060101AFI20180702BHJP
【FI】
   A61F5/56
【請求項の数】27
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-160181(P2017-160181)
(22)【出願日】2017年8月23日
(62)【分割の表示】特願2015-552829(P2015-552829)の分割
【原出願日】2014年1月10日
(65)【公開番号】特開2017-202366(P2017-202366A)
(43)【公開日】2017年11月16日
【審査請求日】2017年8月23日
(31)【優先権主張番号】61/751,559
(32)【優先日】2013年1月11日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515189841
【氏名又は名称】ソムニクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SOMNICS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】チェン、チュン−チュー
(72)【発明者】
【氏名】チェン、イン−ルエイ
(72)【発明者】
【氏名】ユー、ミン−ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ファン、ウェン−イェン
【審査官】 井出 和水
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−183388(JP,A)
【文献】 特開2007−319680(JP,A)
【文献】 特表2011−502715(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔デバイスであって、
使用者の唇と前歯との間に挿入するように適合され、且つ、前方側及び後方側を有するシールドと、
前記シールドの前方側から後方側を通って該シールドを貫通するチューブであって、該チューブに沿って延びる長手方向の内腔を画定し、前記長手方向の内腔を介して使用者の口腔に負圧を送達するために、使用者の口腔を負圧源と連通させるように構成されているチューブと、を含み、
前記チューブが、前記シールドの前方側から前方へ延び、且つ、該チューブの前端部を含む前方側長手部分を有しており、
前記チューブが、前記シールドの後方側から後方へ延び、且つ、該チューブの後端部を含む可撓性後方側長手部分を有しており、
前記シールドが使用者の唇と前歯との間に挿入されて、負圧が前記チューブを介して使用者の口腔内に送達されると、前記チューブの可撓性後方側長手部分及び後端部が、使用者の上口蓋と舌との間に配置され、且つ、使用者の上口蓋の輪郭に沿って曲がるように構成されており、
前記シールドが、使用者の唇と前歯との間に挿入されると、使用者の口腔をシールするように構成されている、口腔デバイス。
【請求項2】
前記シールドが、使用者の前歯と唇の形状に沿って曲げられる構成を含んでいる、請求項1に記載の口腔デバイス。
【請求項3】
前記シールドが、使用者の唇と前歯との間に挿入されると、使用中に使用者の口腔を使用者の外部と連通するように構成されている少なくとも1つの空気孔を有している、請求項1に記載の口腔デバイス。
【請求項4】
前記シールドが使用者の唇と前歯との間に挿入されると、使用者の唇の少なくとも一方が前記少なくとも1つの空気孔を覆うように、前記少なくとも1つの空気孔が前記シールドに配置されている、請求項に記載の口腔デバイス。
【請求項5】
前記少なくとも1つの空気孔が一方向弁を含んでいる、請求項に記載の口腔デバイス。
【請求項6】
前記チューブの前端部が、前記負圧源に連結されたチューブに連結されている、請求項1に記載の口腔デバイス。
【請求項7】
前記チューブの前端部と連通する前記負圧源と組み合わされる、請求項に記載の口腔デバイス。
【請求項8】
当該口腔デバイスが、使用者の舌の先端に歯が直に当たることを防止するための舌保護部を更に含んでいる、請求項1に記載の口腔デバイス。
【請求項9】
前記舌保護部が、使用者の舌の先端の下部と下前歯の裏側との間に配置されるように構成されている、請求項に記載の口腔デバイス。
【請求項10】
前記舌保護部が、使用者の舌小帯の形状に適応するためのくぼみを更に含んでいる、請求項に記載の口腔デバイス。
【請求項11】
前記チューブが、前記シールドと該チューブの後端部との間の距離を調節するために、前記シールドに対して前方方向および後方方向に選択的に移動可能である、請求項1に記載の口腔デバイス。
【請求項12】
前記シールドが、歯の向き及び形状に順応し且つ合致できるように複数の折線を有する、請求項1に記載の口腔デバイス。
【請求項13】
前記シールドが、前記チューブが貫通して前記チューブを自由に曲げられるようにする接合部近傍に複数の凹部を有している、請求項1に記載の口腔デバイス。
【請求項14】
前記可撓性後方側長手部分が、前記シールドに近接する第1の長手部分と、前記チューブの後端部に近接する第2の長手部分とを有しており、前記第2の長手部分が前記第1の長手部分の幅よりも広い幅を有している、請求項1に記載の口腔デバイス。
【請求項15】
前記可撓性後方側長手部分が、該可撓性後方側長手部分に沿って延在する対向する左側外表面及び右側外表面、並びに、該可撓性後方側長手部分に沿って延在する対向する上外表面及び下外表面を有しており、前記可撓性後方側長手部分が、前記左側外表面と右側外表面との間に幅を有し、且つ、前記上外表面と下外表面との間に厚さを有している、請求項1に記載の口腔デバイス。
【請求項16】
前記可撓性後方側長手部分が、前記シールドに近接する第1の長手部分と、前記チューブの後端部に近接する第2の長手部分とを有しており、前記第2の長手部分における前記可撓性後方側長手部分の幅が、前記第1の長手部分における該可撓性後方側長手部分の幅よりも大きい、請求項1に記載の口腔デバイス。
【請求項17】
前記可撓性後方側長手部分が、前記シールドに近接する第1の長手部分と、前記チューブの後端部に近接する第2の長手部分とを有しており、前記第2の長手部分における前記可撓性後方側長手部分の厚さが、前記第1の長手部分における該可撓性後方側長手部分の厚さよりも大きい、請求項1に記載の口腔デバイス。
【請求項18】
前記第1の長手部分が前記第2の長手部分よりも高い可撓性を有している、請求項1、1及び1のいずれか一項に記載の口腔デバイス。
【請求項19】
前記第2の長手部分における前記可撓性後方側長手部分の幅が、前記第1の長手部分における該可撓性後方側長手部分の幅よりも大きい、請求項1に記載の口腔デバイス。
【請求項20】
前記左側外表面及び右側外表面の少なくとも一方が、前記可撓性後方側長手部分に沿って長手方向に延び、且つ、前記チューブの後端部を通って延びる溝を画定する、請求項1に記載の口腔デバイス。
【請求項21】
前記左側外表面が、前記可撓性後方側長手部分に沿って長手方向に延び、且つ、前記チューブの後端部を通って延びる左側溝を画定し、前記右側外表面が、該可撓性後方側長手部分に沿って長手方向に延び、且つ、該チューブの後端部を通って延びる右側溝を画定する、請求項1に記載の口腔デバイス。
【請求項22】
前記チューブの後端部が、該チューブの後端部において前記左側溝を前記長手方向の内腔と連通させる左側くぼみを画定し、前記チューブの後端部が、該チューブの後端部において前記右側溝を前記長手方向の内腔と連通させる右側くぼみを画定する、請求項2に記載の口腔デバイス。
【請求項23】
前記可撓性後方側長手部分が、該可撓性後方側長手部分に沿って長手方向に延びる少なくとも1つの溝を画定する外表面を有している、請求項1に記載の口腔デバイス。
【請求項24】
前記チューブの後端部が、該チューブの後端部において前記溝を前記長手方向の内腔と連通させるくぼみを画定する、請求項2又は2に記載の口腔デバイス。
【請求項25】
前記可撓性後方側長手部分が、前記シールドに近接する第1の長手部分と、前記チューブの後端部に近接する第2の長手部分とを有しており、前記第1の長手部分が前記第2の長手部分よりも高い可撓性を有している、請求項1に記載の口腔デバイス。
【請求項26】
口腔内の空気空間を除去するためのシステムであって、
請求項1に記載の口腔デバイスと、
負圧源を有する負圧制御システムと、を含み、前記チューブの前端部が前記負圧源に連通している、システム。
【請求項27】
使用者の口腔内の空気空間を除去するための口腔デバイスの作動方法であって、
使用者の口に取り付けた請求項1に記載の口腔デバイスを用いて、前記チューブを介して使用者の口腔に負圧を印加して使用者の舌と上口蓋との間の空気空間を除去するように、負圧制御システムを作動するステップを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器に関し、より詳細には、口腔に印加される負圧を適切に制御し、呼吸を容易にし、睡眠時無呼吸及びいびきを治療するためのデバイス及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA:obstructive sleep apnea)、呼吸低下及び上気道抵抗症候群(UARS:upper airway resistance syndrome)は、睡眠中、麻酔中又は麻酔後等の完全又は部分的上気道閉塞の症状発現を特徴とする種々の周知の疾患の例である。OSA、呼吸低下及びUARSは睡眠時の断続的な呼吸停止を引き起こし、場合によっては酸化ヘモグロビンの著しい不飽和化を招く結果となる。一般に、OSA、呼吸低下及び/又はUARSに罹患する者は酸素欠乏に応じて睡眠からの頻繁な覚醒を繰り返す。覚醒により、睡眠断片化及び乏しい睡眠連続性を生じることとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
いくつかの理論を用いた睡眠時無呼吸及びいびき治療用の口腔及び外部デバイスについては複数の刊行物に開示されている。舌の後部を持ち上げて気道の奥から離すため、患者の口の前端部、通常、唇又は唇の真裏に負圧を印加し、舌を前方に引っ張ることが提案されている。例えば、閉塞性睡眠障害治療用の口腔デバイスは、デバイスの使用時、舌を歯から保護し且つ分離することを特徴とする(例えば、米国特許第4304227号明細書を参照のこと)。口腔デバイスは舌を受けるための舌形状の空洞を更に含み、この場合、空洞内に舌を保持するため舌の軟組織に負圧が直接印加される。しかしながら、このような負圧は舌の軟組織を損傷する原因となりうる。
【0004】
口腔負圧(oral negative pressure)を用いることによる、OSA、呼吸低下又はUARSに罹患している者の呼吸を容易にするための種々のデバイスが開発されてきたが、口腔に印加される負圧の適切な制御には依然問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、口腔に印加される負圧を適切に制御し、呼吸を容易にし且つ睡眠時無呼吸及びいびきを治療するためのデバイス及びシステムを提供する。
本明細書中の一態様においては、唇と前歯との間に配置されたシールドと、シールドを貫通するチューブと、シールド又はチューブに連結された負圧送達可能部分と、を含む、口腔内の空気空間を除去するための口腔デバイスを提供する。負圧送達可能部分が舌と上口蓋との間の空間に配置され、上口蓋の輪郭に適合し、それにより、口腔デバイスが負圧送達可能部分を介して口腔に負圧を送達し、舌と上口蓋との間の空気空間を除去する。
【0006】
いくつかの実施形態では、シールドは可撓性である。いくつかの実施形態においては、シールドは、前歯及び唇の形状に適合する曲げられる構造を含む。いくつかの実施形態では、シールドはシールとして更に機能する。いくつかの実施形態では、シールドは少なくとも1つの空気孔を更に含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの空気孔は、唇により空気孔を覆うことが可能な位置に配置される。特定の実施形態においては、空気孔は一方向弁を含む。特定の実施形態においては、可撓性チューブは1〜20個の中間開口部を含む。特定の実施形態においては、可撓性チューブは2つの中間開口部を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、負圧送達可能部分は可撓性チューブを含む。いくつかの実施形態では、可撓性チューブは、真空源に連結するための前端部を含む。特定の実施形態においては、真空源は負圧制御システムによって送達される。いくつかの実施形態では、可撓性チューブは、上口蓋及び舌の輪郭に適合する、曲げられる中間部分を含む。いくつかの実施形態では、中間部分はチューブの残り部分よりも細い。いくつかの実施形態では、可撓性チューブは、チューブの剛性を付与するため後端部近傍により広い構造を有する。特定の実施形態においては、後端部近傍のより広い構造は湾曲した縁端を有する。いくつかの実施形態では、口腔デバイスは、舌の先端に歯が直に当たることを防止するための舌保護部を更に含む。特定の実施形態においては、舌保護部は舌先端の下部と下前歯の裏側との間に配置される。特定の実施形態においては、舌保護部は、舌小帯の形状に適応するためのくぼみを更に含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、可撓性チューブ及びシールドは着脱式である。いくつかの実施形態では、着脱式シールド部分は、着脱式可撓性チューブ部分の曲げられる中間部分の一部を収容するための内部チャンバを有する。特定の実施形態においては、着脱式チューブ部分は、着脱式シールド部分の内部表面と接触し、密閉界面を形成して口腔内の負圧環境を維持する外部表面を有する。特定の実施形態においては、着脱式チューブ部分及び着脱式シールド部分は様々なサイズを有し、且つ、患者の異なる解剖学的構造に適応させるために交換可能である。いくつかの実施形態では、可撓性チューブは摺動可能である。特定の実施形態においては、口腔デバイスは、様々な位置に複数のアンカー停止部を備えたシールドを更に含む。特定の実施形態においては、可撓性チューブは、可撓性チューブに沿って開きょ(open channels)を更に含む。いくつかの実施形態では、開きょの数は可撓性チューブ上の中間開口部の数に一致する。特定の実施形態においては、可撓性チューブは可撓性チューブ上に2つの開きょを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、可撓性チューブは曲げられる中間部分を含む。いくつかの実施形態では、曲げられる中間部分はチューブの残り部分よりも細い。いくつかの実施形態では、チューブは、チューブの残部よりも後端部近傍により広い構造を有する。特定の実施形態においては、後端部近傍の構造は湾曲した縁端を有する。特定の実施形態においては、開きょは可撓性チューブの後端部まで延在する。特定の実施形態においては、前記開きょを有する可撓性チューブの部分は中実である。特定の実施形態においては、可撓性チューブは、負圧の印加時に開きょが潰れないように支持するための1〜20個、1〜15個、1〜10個又は1〜7個の支持手段を更に含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、負圧送達可能部分は、上口蓋の輪郭に適合し、且つ、シールドに連結される拡張舌保護部を含む。いくつかの実施形態では、拡張舌保護部は少なくとも1つの開きょを含む。いくつかの実施形態では、拡張舌保護部は上口蓋の形状に適合するように予め成形される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの開きょは少なくとも1つの中間開口部に連結される。いくつかの実施形態では、舌保護部は負圧送達可能部分に組み込まれる。
【0011】
本明細書中の別の態様においては、唇と前歯との間に配置されるシールドと、シールドを貫通するチューブと、を含む、口腔内の空気空間を除去するための口腔デバイスを提供する。チューブは、舌と上口蓋との間の空間に配置され、上口蓋の輪郭に適合する可撓性負圧送達可能部分を含み、それにより、口腔デバイスは負圧送達可能部分を介して口腔に負圧を送達し、舌と上口蓋との間の空気空間を除去する。いくつかの実施形態では、可撓性負圧送達可能部分は、可撓性負圧送達可能部分に沿って少なくとも1つの開きょを更に含み、それにより、口腔デバイスが負圧送達可能部分及び少なくとも1つの開きょを通じて口腔の前部及び後部に負圧を送達し、舌と上口蓋との間の空気空間を除去する。いくつかの実施形態では、シールドは、シールドが歯の向き及び形状に順応し且つ合致することを可能にする折線を有する。いくつかの実施形態では、シールドはチューブが貫通する接合部近傍に凹部を有し、チューブが自由に曲がることを可能にする。
【0012】
本明細書中の別の態様においては、本発明の口腔デバイスと、真空源を提供する負圧制御システムと、を含む、口腔内の空気空間を除去するためのシステムが提供される。いくつかの実施形態では、シールドは可撓性である。いくつかの実施形態では、シールドは、前歯及び唇の形状に適合する曲げられる構造を含む。いくつかの実施形態では、シールドはシールとして更に機能する。いくつかの実施形態では、シールドは少なくとも1つの空気孔を更に含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの空気孔は、唇により空気孔を覆うことが可能な位置に配置される。特定の実施形態においては、空気孔は一方向弁を含む。特定の実施形態においては、可撓性チューブは、1〜20個の中間開口部を含む。特定の実施形態においては、可撓性チューブは2つの中間開口部を含む。いくつかの実施形態では、負圧送達可能部分は可撓性チューブを含む。いくつかの実施形態では、可撓性チューブは、真空源に連結するための前端部を含む。特定の実施形態においては、真空源は負圧制御システムによって送達される。いくつかの実施形態では,可撓性チューブは、上口蓋及び舌の輪郭に適合する、曲げられる中間部分を含む。いくつかの実施形態では、中間部分はチューブの残り部分よりも細い。いくつかの実施形態では、可撓性チューブは、チューブの剛性を付与するため後端部近傍により広い構造を有する。特定の実施形態においては、後端部近傍のより広い構造は湾曲した縁端を有する。いくつかの実施形態では、口腔デバイスは、舌の先端に歯が直に当たることを防止するための舌保護部を更に含む。特定の実施形態においては、舌保護部は舌先端の下部と下前歯の裏側との間に配置される。特定の実施形態においては、舌保護部は、舌小帯の形状に適応するためのくぼみを更に含む。いくつかの実施形態では、可撓性チューブ及びシールドは着脱式である。いくつかの実施形態では、着脱式シールド部分は、着脱式可撓性チューブ部分の曲げられる中間部分の一部を収容するための内部チャンバを有する。特定の実施形態においては、着脱式チューブ部分は、着脱式シールド部分の内部表面と接触し、密閉界面を形成して口腔内の負圧環境を維持する外部表面を有する。特定の実施形態においては、着脱式チューブ部分及び着脱式シールド部分は様々なサイズを有し、且つ、患者の異なる解剖学的構造に適応させるために交換可能である。いくつかの実施形態では、可撓性チューブは摺動可能である。特定の実施形態においては、口腔デバイスは、様々な位置に複数のアンカー停止部を備えたシールドを更に含む。特定の実施形態においては、可撓性チューブは、可撓性チューブに沿って開きょを更に含む。いくつかの実施形態では、開きょの数は可撓性チューブ上の中間開口部の数に一致する。特定の実施形態においては、可撓性チューブは可撓性チューブ上に2つの開きょを含む。いくつかの実施形態では、可撓性チューブは曲げられる中間部分を含む。いくつかの実施形態では、曲げられる中間部分はチューブの残り部分よりも細い。いくつかの実施形態では、チューブは、チューブの残部よりも後端部近傍により広い構造を有する。特定の実施形態においては、後端部近傍の構造は湾曲した縁端を有する。特定の実施形態においては、開きょは、可撓性チューブの後端部まで延在する。特定の実施形態においては、前記開きょを有する可撓性チューブの部分は中実である。特定の実施形態においては、可撓性チューブは、負圧の印加時に開きょが潰れないように支持するための1〜20個、1〜15個、1〜10個又は1〜7個の支持手段を更に含む。いくつかの実施形態では、負圧送達可能部分は、上口蓋の輪郭に適合し、且つ、シールドに連結される拡張舌保護部を含む。いくつかの実施形態では、拡張舌保護部は少なくとも1つの開きょを含む。いくつかの実施形態では、拡張舌保護部は上口蓋の形状に適合するように予め成形される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの開きょは少なくとも1つの中間開口部に連結される。いくつかの実施形態では、舌保護部は負圧送達可能部分に組み込まれる。
【0013】
本明細書中の別の態様においては、本発明の口腔デバイスを患者の口に取り付けるステップと、可撓性チューブの中間開口部及び/又は後端部の負圧制御システムによって患者の口腔の前部及び後部の両方に負圧を印加し、舌と上口蓋との間の空気空間を除去するステップと、を含む、口腔内の空気空間を除去するための方法が提供される。いくつかの実施形態では、シールドは可撓性である。いくつかの実施形態では、シールドは、前歯及び唇の形状に適合する曲げられる構造を含む。いくつかの実施形態では、シールドはシールとして更に機能する。いくつかの実施形態では、シールドは少なくとも1つの空気孔を更に含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの空気孔は、唇により空気孔を覆うことが可能な位置に配置される。特定の実施形態においては、空気孔は一方向弁を含む。特定の実施形態においては、可撓性チューブは、1〜20個の中間開口部を含む。特定の実施形態においては、可撓性チューブは2つの中間開口部を含む。いくつかの実施形態では、負圧送達可能部分は可撓性チューブを含む。いくつかの実施形態では、可撓性チューブは、真空源に連結するための前端部を含む。特定の実施形態においては、真空源は負圧制御システムによって送達される。いくつかの実施形態では、可撓性チューブは、上口蓋及び舌の輪郭に適合する、曲げられる中間部分を含む。いくつかの実施形態では、中間部分はチューブの残り部分よりも細い。いくつかの実施形態では、可撓性チューブは、チューブの剛性を付与するため後端部近傍により広い構造を有する。特定の実施形態においては、後端部近傍のより広い構造は湾曲した縁端を有する。いくつかの実施形態では、口腔デバイスは、舌の先端に歯が直に当たることを防止するための舌保護部を更に含む。特定の実施形態においては、舌保護部は舌先端の下部と下前歯の裏側との間に配置される。特定の実施形態においては、舌保護部は、舌小帯の形状に適応するためのくぼみを更に含む。いくつかの実施形態では、可撓性チューブ及びシールドは着脱式である。いくつかの実施形態では、着脱式シールド部分は、着脱式可撓性チューブ部分の曲げられる中間部分の一部を収容するための内部チャンバを有する。特定の実施形態においては、着脱式チューブ部分は、着脱式シールド部分の内部表面と接触し、密閉界面を形成して口腔内の負圧環境を維持する外部表面を有する。特定の実施形態においては、着脱式チューブ部分及び着脱式シールド部分は様々なサイズを有し、且つ、患者の異なる解剖学的構造に適応させるために交換可能である。いくつかの実施形態では、可撓性チューブは摺動可能である。特定の実施形態においては、口腔デバイスは、様々な位置に複数のアンカー停止部を備えたシールドを更に含む。特定の実施形態においては、可撓性チューブは、可撓性チューブに沿って開きょを更に含む。いくつかの実施形態では、開きょの数は可撓性チューブ上の中間開口部の数に一致する。特定の実施形態においては、可撓性チューブは可撓性チューブ上に2つの開きょを含む。いくつかの実施形態では、可撓性チューブは曲げられる中間部分を含む。いくつかの実施形態では、曲げられる中間部分はチューブの残り部分よりも細い。いくつかの実施形態では、チューブは、チューブの残部よりも後端部近傍により広い構造を有する。特定の実施形態においては、後端部近傍の構造は湾曲した縁端を有する。特定の実施形態においては、開きょは可撓性チューブの後端部まで延在する。特定の実施形態においては、前記開きょを有する可撓性チューブの部分は中実である。特定の実施形態においては、可撓性チューブは、負圧の印加時に開きょが潰れないように支持するための1〜20個、1〜15個、1〜10個又は1〜7個の支持手段を更に含む。いくつかの実施形態では、負圧送達可能部分は、上口蓋の輪郭に適合し、且つ、シールドに連結される拡張舌保護部を含む。いくつかの実施形態では、拡張舌保護部は少なくとも1つの開きょを含む。いくつかの実施形態では、拡張舌保護部は上口蓋の形状に適合するように予め成形される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの開きょは少なくとも1つの中間開口部に連結される。いくつかの実施形態では、舌保護部は負圧送達可能部分に組み込まれる。
(参照による援用)
本明細書中に本明細書中で言及した全ての刊行物、特許及び特許出願は、各個々の刊行物、特許又は特許出願が参照により援用されると具体的且つ個々に示す程度と同程度参照により援用される。
【0014】
添付の特許請求の範囲に記載する本発明の新規な特徴を詳細に説明する。本発明の特徴及び利点の一層の理解は、本発明の原理が用いられた例証的な実施形態及び添付の図面を説明する以下の詳細な説明を参照することにより得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一態様であって、上口蓋の輪郭に適合し睡眠時における患者の口腔内の空気空間を除去する負圧送達可能部分(例えば可撓性チューブ)を含む口腔デバイスを備えた例示的システムの概略図を示す。
図2A】上口蓋の輪郭に適合し睡眠時における患者の口腔内の空気空間を除去する可撓性チューブを有する例示的口腔デバイスの等角図を示す。
図2B】上口蓋の輪郭に適合し睡眠時における患者の口腔内の空気空間を除去する可撓性チューブを有する例示的口腔デバイスの上面図を示す。
図3A】例示的口腔デバイスを示す本発明の別の態様であって、負圧を印加していない可撓性チューブを有する口腔デバイスの側面図を示す。
図3B】例示的口腔デバイスを示す本発明の別の態様であって、負圧を印加した可撓性チューブを有する口腔デバイスの側面図を示す。
図3C】例示的口腔デバイスを示す本発明の別の態様であって、舌と軟口蓋との間の空気空間が除去された、上口蓋の輪郭に適合する可撓性チューブを有する口腔デバイスの前部断面図を示す。
図3D】例示的口腔デバイスを示す本発明の別の態様であって、舌と軟口蓋との間の空気空間が除去された、より平らな上口蓋に適合する可撓性チューブを有する口腔デバイスの側面図を示す。
図4A】舌と軟口蓋との間の空気空間が除去された、下顎直列(inline lower jaw)に適合する可撓性シールドを有する例示的な口腔デバイスの側面図を示す。
図4B】舌と軟口蓋との間の空気空間が除去された、下顎後退に適合する可撓性シールドを有する例示的な口腔デバイスの側面図を示す。
図4C】舌と軟口蓋との間の空気空間が除去された、下顎前突に適合する可撓性シールドを有する例示的な口腔デバイスの側面図を示す。
図5A】本発明の別の態様であって、可撓性チューブ及びシールドを有する口腔デバイスの上部断面図を示す。
図5B】本発明の別の態様であって、可撓性チューブ及びシールドを有する口腔デバイスの後部断面図を示す。
図5C】本発明の別の態様であって、可撓性チューブ及びシールドを有する口腔デバイスの側部断面図を示す。
図6A】着脱式可撓性チューブ及び着脱式シールドを有する例示的な口腔デバイスを示す。
図6B】着脱式可撓性チューブ及び着脱式シールドを有する例示的な口腔デバイスを示す。
図6C】着脱式可撓性チューブ及び着脱式シールドを有する例示的な口腔デバイスを示す。
図6D】着脱式可撓性チューブ及び着脱式シールドを有する例示的な口腔デバイスを示す。
図7A】本発明の別の態様であって、舌保護部を備えた例示的な着脱式シールドを示す。
図7B】本発明の別の態様であって、舌保護部を備えた例示的な着脱式シールドを示す。
図7C】本発明の別の態様であって、舌保護部を備えた例示的な着脱式シールドを示す。
図7D】本発明の別の態様であって、舌保護部を備えた例示的な着脱式シールドを示す。
図8】本発明の別の態様であって、空気孔を備えた着脱式シールドの側部断面図を示す。
図9A】初期位置にある摺動可能な可撓性チューブを有する口腔デバイスの側部断面図を示す。
図9B】前方位置にある摺動可能な可撓性チューブを有する口腔デバイスの側部断面図を示す。
図10A】舌と軟口蓋との間の空気空間が除去された、初期位置にある摺動可能な可撓性チューブを有する口腔デバイスの側部断面図を示す。
図10B】舌と軟口蓋との間の空気空間が除去された、前方位置にある摺動可能な可撓性チューブを有する口腔デバイスの側部断面図を示す。
図11A】様々な位置にアンカー点を有する摺動可能な可撓性チューブを有する口腔デバイスの側部断面図を示す。
図11B】様々な位置にアンカー点を有する摺動可能な可撓性チューブを有する口腔デバイスの側部断面図を示す。
図11C】様々な位置にアンカー点を有する摺動可能な可撓性チューブを有する口腔デバイスの側部断面図を示す。
図12A】開きょを備えた着脱式可撓性チューブを示す。
図12B】開きょを備えた着脱式可撓性チューブを示す。
図13A】後端部に開口部がなく、種々の開きょを有するチューブを含む可撓性チューブの変形形態を示す。
図13B】後端部に開口部がなく、種々の開きょを有するチューブを含む可撓性チューブの変形形態を示す。
図13C】後端部に開口部がなく、種々の開きょを有するチューブを含む可撓性チューブの変形形態を示す。
図13D】後端部に開口部がなく、種々の開きょを有するチューブを含む可撓性チューブの変形形態を示す。
図13E】後端部に開口部がなく、種々の開きょを有するチューブを含む可撓性チューブの変形形態を示す。
図14A】本発明の別の態様であって、口腔の後部から前部に負圧を送達するための中間開口部のない、後端部と連結された開きょを含む例示的口腔デバイスを示す。
図14B】本発明の別の態様であって、口腔の後部から前部に負圧を送達するための中間開口部のない、後端部と連結された開きょを含む例示的口腔デバイスを示す。
図14C】本発明の別の態様であって、口腔の後部から前部に負圧を送達するための中間開口部のない、後端部と連結された開きょを含む例示的口腔デバイスを示す。
図14D】本発明の別の態様であって、口腔の後部から前部に負圧を送達するための中間開口部のない、後端部と連結された開きょを含む例示的口腔デバイスを示す。
図14E】本発明の別の態様であって、口腔の後部から前部に負圧を送達するための中間開口部のない、後端部と連結された開きょを含む例示的口腔デバイスを示す。
図14F】本発明の別の態様であって、腔の後部から前部に負圧を送達するための中間開口部のない、後端部と連結された開きょを含む例示的口腔デバイスを示す。
図15A】本発明の別の態様であって、本明細書中に記載される舌保護部と、予め成形され且つ上口蓋の形状に適合する可撓性チューブの機能とを併せ持つ拡張舌保護部を備えた例示的な口腔デバイスを示す。
図15B】本発明の別の態様であって、本明細書中に記載される舌保護部と、予め成形され且つ上口蓋の形状に適合する可撓性チューブの機能とを併せ持つ拡張舌保護部を備えた例示的な口腔デバイスを示す。
図15C】本発明の別の態様であって、本明細書中に記載される舌保護部と、予め成形され且つ上口蓋の形状に適合する可撓性チューブの機能とを併せ持つ拡張舌保護部を備えた例示的な口腔デバイスを示す。
図15D】本発明の別の態様であって、本明細書中に記載される舌保護部と、予め成形され且つ上口蓋の形状に適合する可撓性チューブの機能とを併せ持つ拡張舌保護部を備えた例示的な口腔デバイスを示す。
図15E】本発明の別の態様であって、本明細書中に記載される舌保護部と、予め成形され且つ上口蓋の形状に適合する可撓性チューブの機能とを併せ持つ拡張舌保護部を備えた例示的な口腔デバイスを示す。
図16A】本発明の更に別の態様であって、可撓性チューブ及び舌保護部を含み、舌保護部が可撓性チューブに組み込まれている例示的口腔デバイスを示す。
図16B】本発明の更に別の態様であって、可撓性チューブ及び舌保護部を含み、舌保護部が可撓性チューブに組み込まれている例示的口腔デバイスを示す。
図16C】本発明の更に別の態様であって、可撓性チューブ及び舌保護部を含み、舌保護部が可撓性チューブに組み込まれている例示的口腔デバイスを示す。
図16D】本発明の更に別の態様であって、可撓性チューブ及び舌保護部を含み、舌保護部が可撓性チューブに組み込まれている例示的口腔デバイスを示す。
図16E】本発明の更に別の態様であって、可撓性チューブ及び舌保護部を含み、舌保護部が可撓性チューブに組み込まれている例示的口腔デバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここで、本例示的実施形態について詳細に述べる。これら実施例は添付の図面に示される。可能であれば、図面及び明細書中では同じ又は同一部分の参照のために同じ参照符号が使用される。
【0017】
図1を参照すると、負圧送達可能部分(例えば可撓性チューブ110)と、任意選択の舌保護部160と、シールド150と、を含む口腔デバイス100と、負圧制御システム190と、を含む例示的な発明システムの概略図が示される。患者の口腔内に配置するための口腔デバイス100は、唇と前歯との間に配置されるシールド150を含み、チューブ110がシールドを貫通する箇所は、可撓性があり且つ上口蓋の輪郭に適合する部分(すなわち負圧送達可能部分)に連結される。可撓性チューブ110は、真空源を提供する負圧制御システム190に連結された前端部120と、舌と上口蓋との間に配置される後端部130と、を有する。可撓性チューブ110は、更に、任意選択的に、シールド150近傍に少なくとも1つの中間開口部140を有する。いくつかの実施形態では、可撓性チューブ110は、1〜20個、1〜15個、1〜10個、1〜5個、1〜3個又は1〜2個の中間開口部を有する。図1に示すように、いくつかの実施形態では、中間開口部140の位置は、チューブの、患者の口腔内の軟組織によって塞がれる可能性が低い側面である。特定の実施形態においては、可撓性チューブ110は、チューブの側面に配置された2つの中間開口部140を有する。可撓性チューブ110は、負圧を口腔の前部及び後部の両方に送達して舌と上口蓋との間の空気空間を除去する。当業者であれば、真空源を提供する適切な負圧制御システムを容易に適用するであろう(例えば、参照により本明細書中に援用する米国特許出願公開第2009/0288660号明細書に開示される電子ポンプ等によって)。
【0018】
いくつかの実施形態では、シールド150は、また、口腔に印加される負圧の適切な制御を容易にするためのシールとして機能する。当業者であれば、後端部130の開口部及びチューブの少なくとも1つの中間開口部140により、並びに任意選択的に、シールとして機能するシールドにより、口腔に印加される負圧の適切な制御が得られることを容易に理解するであろう。
【0019】
図2A及び図2Bは、図1による例示的な口腔デバイスを更に示す。図2Aは、シールド150を貫通する可撓性チューブ110を含む口腔デバイス100の等角図を示す。いくつかの実施形態では、シールド150は、患者の前歯及び唇の形状に適合する、曲げられる構造151を含む。特定の実施形態においては、可撓性チューブ110は、上口蓋及び舌の輪郭に適合する、曲げられる中間部分111を有する。いくつかの実施形態では、中間部分111はチューブの残り部分よりも細い。可撓性チューブ110は、(例えば、負圧制御ユニットを介して)真空源に連結するための前端部120と、舌と上口蓋との間の空間に配置される後端部130と、を有する。図2Aでは、任意選択の中間開口部140はシールド150の中心近傍に示される。図2Bは、図1に示される実施形態による例示的な口腔デバイスの頂面図を示す。シールド150は前歯と唇との間に配置され、いくつかの実施形態では、可撓性チューブ110は舌の中心線に沿って配置される。いくつかの実施形態では、可撓性チューブ110は、チューブの剛性を付与するために後端部130近傍により広い構造131を有し、これにより、舌及び上口蓋によって圧迫されることによる潰れを防止する。
【0020】
図3A〜3Dを参照すると、本発明を用いた例示的方法及びシステムが記載されている。図3Aは、負圧を印加していない可撓性チューブを含む例示的な口腔デバイスの側面図を示す。口腔デバイス100は患者の口腔内に配置されている。口腔デバイス100は、舌と上口蓋との間に配置された負圧送達可能部分(すなわち可撓性チューブ110)を有する。シールド150は前歯と唇との間に配置されている。口腔デバイス100の前端部120は真空源に連結されている。口腔デバイス100の後端部130及び任意選択的に少なくとも1つの中間開口部140は、それぞれ、舌と上口蓋との間、及びシールド150の中間部分近傍に配置されている。口腔デバイス内に負圧を印加すると、舌と上口蓋との間の空気空間が徐々に減少する。当業者であれば、負圧送達可能部分として機能するチューブ110が可撓性であり、患者の上口蓋のあらゆる輪郭に適合することを容易に理解するであろう。図3Bは、任意選択的に少なくとも1つの中間開口部140及び舌と軟口蓋との間の空気空間を更に除去する後端部130を通じた負圧の印加によって舌が前方及び上方に引き込まれ、上口蓋の輪郭に適合するように可撓性チューブ110を押して、変形させることを示す。図3Cは、舌と軟口蓋との間の空気空間が減少した、図3Bによる上口蓋の輪郭に適合する可撓性チューブを有する口腔デバイスの前部断面図を示す。可撓性チューブ110は最小断面を有し、口腔内の非常にわずかな空間を占める。図3Dは、舌と軟口蓋との間の空気空間が除去された、(図3Bに示されるものと比較して)より平らな上口蓋に適合する可撓性チューブを有する口腔デバイスの側面図を示す。いくつかの実施形態では、可撓性チューブ110は、種々の患者の上口蓋の異なる解剖学的構造に適応するために更に曲げられる部分111(図3Bを参照)を更に含む。当業者であれば、曲げられる部分111は図3Bに示される特定の部分に限定されず、上口蓋の輪郭に適合する任意選択の部分であることは容易に理解するであろう。
【0021】
図4A〜4Cは、口腔デバイス100の更なる変形形態を示す。図4Aは、(上顎に対する)下顎直列(inline lower jaw)に適合する可撓性シールドを含む口腔デバイス100の側面図を示す。シールド150は可撓性であり、更に、種々の患者、下顎後退(例えば図4Bに示すような)及び下顎前突(例えば図4Cに示すような)をそれぞれ有する患者の前歯及び唇の異なる解剖学的構造に適応しうる曲げられる構造(不図示)を有してもよい。
【0022】
図5A〜5Cは、可撓性チューブ210がシールド250を貫通する、可撓性チューブ210及びシールド250を含む口腔デバイス200の上部、後部及び側部断面図を示す本発明の口腔デバイスの別の変形形態を示す。いくつかの実施形態では、シールド250は、前歯及び唇の形状に適合する、曲げられる構造251を有する。いくつかの実施形態では、可撓性チューブ210は、更に、上口蓋及び舌の輪郭に適合する、曲げられる中間部分211(すなわち負圧送達可能部分)を有する。したがって、いくつかの実施形態では、シールドを貫通するチューブは本明細書中に記載される可撓性チューブの一部であるか、可撓性チューブに直接連結される。この場合、可撓性チューブは負圧送達可能部分として機能する。特定の実施形態においては、中間部分211はチューブの残り部分よりも細く、一層の可撓性を付与する。特定の実施形態においては、中間部分211は、チューブの残り部分と同じ太さのままであるが、なお所望の柔軟性を維持する。当業者であれば、構造設計(例えば、強化コーティング(reinforced coating)によって)又は使用される材料(例えば、より剛性のある製造材料)により容易にこれを実施するであろう。いくつかの実施形態では、中間部分がチューブの残部よりも細い場合、中間部分211を作製するのに使用される材料はチューブの残部と同じである。特定の実施形態においては、中間部分211を作製するのに使用される材料はチューブの残部と同じではなく、より可撓性の特性を付与する。可撓性チューブ210は、いくつかの実施形態では、チューブの剛性を付与するために後端部230近傍により広い構造を有し、この構造は、舌及び上口蓋によって圧迫されることによる潰れを防止する。特定の実施形態においては、後端部230近傍のより広い構造は湾曲した縁端を有する。可撓性チューブ210は、真空源に連結するための前端部220と、舌と上口蓋との間の空間に配置される後端部230と、を有する。可撓性チューブ210は、更に任意選択的に、シールド250の中心近傍に少なくとも1つの中間開口部240を有する。いくつかの実施形態では、可撓性チューブ210は前端部220から後端部230まで一体の部品である。いくつかの実施形態では、可撓性チューブ210は、シールドを貫通するチューブに連結されている。いくつかの実施形態では、口腔デバイス200は、舌の先端に歯が直に当たることを防止するための舌保護部260を更に有する。舌保護部260は、舌先端の下部と下前歯の裏側との間に配置される。特定の実施形態においては、舌保護部260は、更に、舌小帯の形状に適応するためのくぼみ261を有する。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態においては、図6A〜6Dの種々の図に示される着脱式チューブ部分301及び着脱式シールド部分302を含む口腔デバイス300が提供される。図6Aは、上口蓋及び舌の輪郭に適合する可撓性チューブ310を有する例示的な着脱式チューブ部分301を示す。いくつかの実施形態では、可撓性チューブ310は曲げられる中間部分311を含む。特定の実施形態においては、中間部分311はチューブの残り部分よりも細い。特定の実施形態においては、中間部分311はチューブの残り部分と同じ太さのままであるが、なお所望の柔軟性を維持する。同様の可撓性を異なる厚みの中間部分311によって実現するためには、使用する材料、中間部分311の形状及び/又は長さをそれに応じて調整する必要があることを当業者であれば容易に理解するであろう。可撓性チューブ310は、いくつかの実施形態では、チューブの剛性を付与するため後端部330近傍により広い構造を有し、この構造は、舌及び上口蓋によって圧迫されることによる潰れを防止する。特定の実施形態においては、後端部330近傍のより広い構造は湾曲した縁端を有する。可撓性チューブ310は、真空源に連結するための前端部320と、舌と上口蓋との間の空間に配置される後端部330と、を有する。可撓性チューブ310は、更に任意選択的に、シールド350の中心近傍に少なくとも1つの中間開口部340(図6A及び図6Dを参照)を有する。図6Bは、前歯及び唇の形状に適合する曲げられる構造351を含むシールド350を有する着脱式シールド部分302を示す。着脱式シールド部分302は、可撓性チューブ310の曲げられる中間部分311(図6Aを参照)の一部を収容するための内部チャンバ33(図6Bを参照)を有する。着脱式チューブ部分301及び着脱式シールド部分302は様々なサイズを有してもよく、且つ、患者の異なる解剖学的構造に適応させるために交換可能であってもよい。いくつかの実施形態では、着脱式チューブ部分301は、着脱式シールド部分302の内部表面32(図6B/6Cを参照)と接触し、密閉界面を形成して口腔内の負圧環境を維持する外部表面31(図6Aを参照)を有する。良好なフィット性を確保するため、直径D1は直径D2に一致すべきである。完成アセンブリは図6Dに示される。
【0024】
図7A〜7Dは、舌保護部460を備えた着脱式シールド部分402の種々の図を示す本発明の別の実施形態を示す。この場合、舌保護部460は舌先端の下部と下前歯の裏側との間に配置される。図7A/Bは、曲げられる中間部分451と、シールド450と、舌保護部460と、を含む着脱式シールド部分402の側部断面図を示す。いくつかの実施形態では、着脱式シールド部分402は、着脱式チューブ部分に適応して密閉界面を形成する内部表面42(図7B及び図7Dを参照)を更に含む。特定の実施形態においては、舌保護部460は、舌小帯の形状に適応するためのくぼみ461(例えば図6Cを参照)を更に含む。
【0025】
図8を参照すると、舌保護部560と、シールド550と、空気孔570と、を含む着脱式シールド部分502の側部断面図を示す。着脱式シールド部分は曲げられる中間部分551を含む。着脱式シールド部分は、着脱式チューブ部分に適応して密閉界面を形成する内部表面52を更に含む。空気孔570は、患者が口を開けようとする際又は口から息を吐く際に患者がより自由に呼吸することを可能にする。いくつかの実施形態では、空気孔は、着脱式シールドのシール機能を維持するための一方向弁を含む。一方向弁は、外部から入る空気を制限するが、空気が口腔から出ることは可能にする。いくつかの実施形態では、空気孔は唇により空気孔を覆うことが可能な位置にある。例えば、空気孔は切縁面のわずかに上又は下に配置され、この場合、空気孔は、上前歯又は下前歯の前、且つ、唇の裏側にある。
【0026】
ここで図9A〜9Bを参照すると、それぞれ初期位置(W1、図9A)及び前方位置(W2、図9B)にある摺動可能な可撓性チューブ610を含む口腔デバイス600を示す本発明の別の態様を示す。口腔デバイスは、可撓性チューブ610と、可撓性チューブ610がシールド650を貫通する、曲げられる中間部分651を含むシールド650と、を含む。可撓性チューブ610は、更に任意選択的に、少なくとも1つの中間開口部640を含む。可撓性チューブ610は、真空源に連結するための前端部620と、舌と上口蓋との間の空間に配置される後端部630と、を有する。摺動可能な可撓性チューブ610は、舌と上口蓋との間に負圧を送達するのにより快適な又は効果的な位置を提供するために、後端部630の位置を患者が調整することを可能にする。
【0027】
図10A〜10Bは、舌と軟口蓋との間の空気空間が除去された、それぞれ初期位置(W1、図10A)及び前方位置(W2、図10B)にある摺動可能な可撓性チューブ710を含む口腔デバイス700の側部断面図を示す。口腔デバイス700は患者の口腔内に配置されている。口腔デバイス700は、舌と上口蓋との間に配置された摺動可能な可撓性チューブ710を有する。シールド750は前歯と唇との間に配置されている。口腔デバイス700の前端部720は真空源に連結されている(不図示)。口腔デバイス700の後端部730及び少なくとも1つの中間開口部740は、舌と上口蓋との間に、及びシールド750の中間部分近傍にそれぞれ配置されている。患者の異なる解剖学的構造に適応させるため、着脱式チューブ部分701は着脱式シールド部分702から取り外すことができ、これにより、後端部730の位置も前方に移動する。特定の実施形態においては、後部開端部730は硬口蓋と軟口蓋との間の境界の前側に位置するため、軟口蓋の軟組織が後部開端部730を遮蔽すること、又は後部開端部730内に吸引されることが防止される。口腔デバイス700は、更に、舌の先端に歯が直に当たることを防止するための舌保護部760を有しうる。
【0028】
ここで図11A〜11Cを参照すると、口腔デバイス800が、異なる位置にアンカー点880を有する摺動可能な可撓性チューブ810を含む本発明の別の態様を示す。口腔デバイス800は、患者が摺動チューブ810を異なる位置(例えば、W1、W2、W3)に調整することを可能にする複数のアンカー停止部870を備えたシールド850を更に含む。口腔デバイスは、摺動可能な可撓性チューブ810と、可撓性チューブ810がシールド850を貫通する、曲げられる中間部分851を含むシールド850と、を含む。可撓性チューブ810は、少なくとも1つの中間開口部840を更に含む。可撓性チューブ810は、真空源に連結するための前端部820と、舌と上口蓋との間の空間に配置される後端部830と、を有する。摺動可能な可撓性チューブ810は、異なる位置にあるアンカー点880によって患者が後端部830の位置を異なる位置(例えば、W1、W2、W3)に調整することを可能にし、舌と上口蓋との間に負圧を送達するのにより快適な又は効果的な位置を提供する。可撓性チューブ810は、いくつかの実施形態では、開きょ841(例えば、可撓性チューブの両側に示される)を更に含む。可撓性チューブ810に沿う開きょ841は、負圧分配を可能にし、且つ、中間開口部840の軟組織又は舌による閉塞を防止する。
【0029】
図12A〜12Bを参照すると、開きょ941を備えた可撓性チューブ910を有する着脱式チューブ部分901の異なる図が記載されている。いくつかの実施形態では、可撓性チューブ910は曲げられる中間部分911を含む。特定の実施形態においては、中間部分911はチューブの残り部分よりも細い。特定の実施形態においては、中間部分911は、チューブの残り部分と同じ太さのままであるが、なお所望の柔軟性を維持する。可撓性チューブ910は、真空源に連結するための前端部920と、舌と上口蓋との間の空間に配置される後端部930と、を有する。いくつかの実施形態では、可撓性チューブ910は、チューブの剛性を付与するため後端部930近傍により広い構造を有し、この構造は、舌及び上口蓋によって圧迫されることによる潰れを防止する。いくつかの実施形態では、後端部930は、軟組織又は舌による完全な閉塞のリスクを低減する湾曲した縁端を有する。可撓性チューブ910はアンカー停止部980近傍に少なくとも1つの中間開口部940を更に含む。いくつかの実施形態では、着脱式チューブ部分901は、着脱式シールド部分の内部表面と接触し、密閉界面を形成して口腔内の負圧環境を維持する外部表面91(図12Aを参照)を有する。開きょ941は、可撓性チューブ910の上面と下面との間で、その可撓性チューブの対向側面に沿って配設されている。開きょ941はそれぞれ、可撓性チューブ910の長手方向に沿って延在する長さと、可撓性チューブ910の対向側面の一方から側方内側に延在する深さとを有する溝を画定する。開きょ941は、負圧分配を可能にし、且つ、中間開口部940の軟組織又は舌による閉塞を防止するように、中間開口部940と連通している。いくつかの実施形態では、可撓性チューブ910は、少なくとも1つの開きょ、2つの開きょ、3つの開きょ、4つの開きょ、又はこれを超える数の開きょを含む。開きょの数は可撓性チューブ上の中間開口部の数に一致する。特定の実施形態においては、可撓性チューブ910は、可撓性チューブ910の両側の中間開口部940を連結する2つの開きょ941を含む。
【0030】
図13Aを参照すると、少なくとも1つの中間開口部1040を含む可撓性チューブ1010が側面図及び上部断面図にて示される。図13B〜13Eは、それぞれ種々の設計の開きょ1141、1241、1341及び1441を備えた可撓性チューブ1110(図13B)、1210(図13C)、1310(図13D)及び1410(図13E)を示す本発明の種々の実施形態を更に示す。開きょ1141、1241、1341及び1441はそれぞれ、対応する可撓性チューブ1210,1310及び1410の上面と下面との間で、その可撓性チューブの対向側面に沿って配設されている。開きょ1141、1241、1341及び1441はそれぞれ、対応する可撓性チューブ1210,1310及び1410の長手方向に沿って延在する長さと、その可撓性チューブの対向側面の一方から側方内側に延在する深さとを有する溝を画定する。開きょ1141、1241、1341及び1441はそれぞれ、負圧分配を可能にし、且つ、中間開口部1140,1240,1340及び1440の軟組織又は舌による閉塞を防止するように、中間開口部1140,1240,1340及び1440と連通している。図13Bは、開きょ1141が曲げられる部分の範囲内にあり、後端部まで延在しないことを示す。特定の実施形態においては、開きょは可撓性チューブの後端部まで延在する(例えば、可撓性チューブ1210,1310及び1410の後端部まで延在する開きょ1241、1341及び1441を参照のこと)。この場合、可撓性チューブのこれらの部分は中実であり、したがって、舌と上口蓋との間に負圧を送達する(例えば図13C〜13Eを参照)後端部(1030及び1130)の機能に取って代わるものとなる。いくつかの実施形態では、図13D及び図13Eに示されるように、可撓性チューブは、可撓性チューブ内に、負圧の印加時に開きょが潰れないように支持するいくつかの支持手段1342又は1442を更に含む。いくつかの実施形態では、可撓性チューブは、1〜20個、1〜15個、1〜10個、1〜7個、1〜6個、1〜5個、1〜4個、1〜2個、又は1個の支持手段を含む。支持手段のサイズ及び位置は開きょの長さ次第である。当業者であれば、適切な位置及びサイズとともに、可撓性チューブに負圧を印加する際に開きょが潰れないように支持するための適切な数を容易に認識するであろう。
【0031】
図14A〜Fを参照すると、口腔の後部から前部に負圧を送達するための、中間開口部のない、後端部と連結された開きょを含む本発明の口腔デバイスの別の変形形態が種々の図にて示される。示される口腔デバイスは、唇と前歯との間に配置されるシールド1450と、シールドを貫通するチューブと、負圧送達可能部分(すなわち可撓性チューブ1410であり、シールドを貫通するチューブの一部であるか、シールドを貫通するチューブと連結している)と、くぼみを有する後端部1430と連結するいくつかの開きょ1441(例えば、図では2つが示される)と、舌保護部1460と、を含む。図14Cは口腔デバイスの側面図であり、図14Dは口腔デバイスの側断面図である。図14C及び図14Dに示されるように、開きょ1441は、可撓性チューブ1410の上面と下面との間で、その可撓性チューブの対向側面に沿って配設されている。開きょ1441はそれぞれ、可撓性チューブ1410の長手方向に沿って延在する長さと、可撓性チューブ1410の対向側面の一方から側方内側に延在する深さを有する溝を画定する。いくつかの実施形態では、図14D及び図14Eに示されるように、当該可撓性チューブは、可撓性チューブ内に、負圧の印加時に開きょが潰れないように支持するいくつかの支持手段を更に含む。いくつかの実施形態では,可撓性チューブは、1〜20個、1〜15個、1〜10個、1〜7個、1〜6個、1〜5個、1〜4個、1〜2個又は1個の支持手段を含む。支持手段のサイズ及び位置は開きょの長さ次第である。当業者であれば、適切な位置及びサイズとともに、可撓性チューブに負圧を印加する際に開きょが潰れないように支持するための適切な数を容易に認識するであろう。
【0032】
患者の上口蓋の異なる輪郭に適応する可撓性チューブ以外に、口腔デバイスは、デバイスが様々な患者の顎、前歯及び唇の異なる解剖学的構造に適合することを可能にするための(曲げられる)折線1454及び凹部1453を有する。シールド上の折線1454は、シールドが歯の向き及び形状に順応し且つ合致することを可能にする。チューブが貫通する接合部近傍の凹部1453は、可撓性チューブ1410が自由に曲がることを可能にする。後端部にあるくぼみは、後端部開口部が軟組織により完全に塞がれることを防止する。この実施形態においては、中間開口部はないが、尚、負圧は口腔の後部から前部に開きょを通じて送達される。
【0033】
図15A〜15Eを参照すると、舌保護の機能と可撓性負圧送達可能部分とを併せ持つ拡張舌保護部を含む本発明の口腔デバイスの別の変形形態が、種々の図にて示される。示される口腔デバイスは、(前歯と唇との間に配置される)シールド1550と、シールドを貫通するチューブ1542と、拡張舌保護部1560と、シールド1550の中心近傍の1つ又は複数の中間開口部1540(例えば1つが示される)と、を含み、この場合、中間開口部はいくつかの開きょ1541(例えば、3つの開きょが示される)に連結される。図15A図15B及び図15Cは、口腔デバイスの上面図、正面図及び背面図をそれぞれ示す。図15Aに示されるように、複数の開きょ1541が可撓性チューブの上面に位置している。さらに、図15B及び図15Cは、口腔デバイスの詳細を示す。開きょ1541はそれぞれ、可撓性チューブ1510の長手方向に沿って延在する長さと、可撓性チューブ1510の対向側面の一方から側方内側に延在する深さを有する溝を画定する。可撓性拡張舌保護部は舌の前領域及び上領域の両方を覆う。当該可撓性拡張舌保護部は上口蓋の形状に適応する(適合する)ように予め成形され(舌形状のより良好なフィット性を提供する)、したがって、患者が口腔デバイスを容易に装着することを可能にする。拡張舌保護部の開きょは口腔の前部から後部に負圧を送達するために中間開口部に連結されている(後端部開口部はない)。複数の開きょが負圧をより一様に分配する。
【0034】
図16A〜16Eを参照すると、一体型舌保護部を有する予め曲げられた可撓性チューブを含む本発明の口腔デバイスの別の変形形態が種々の図にて示される。これら図は、舌保護部が可撓性チューブと連結されているが、前述のようにシールドとは連結されていない別の実施形態を示す。示される口腔デバイスは、シールド1650(前歯と唇との間に配置される)と、シールドを貫通する負圧送達可能部分(すなわち予め曲げられた可撓性チューブ1610)と、舌保護部1660と、を含み、この場合、舌保護部は予め曲げられたチューブと一体化されている。予め曲げられたチューブは上口蓋の形状に適応する(適合する)ように成形され、患者が口腔デバイスを容易に装着することを可能にする。予め曲げられたチューブ上の一体型舌保護部は舌形状に適応し(適合し)、適切な舌保護を可能にする。
【0035】
本明細書中に本発明の好適な実施形態を示し且つ記載してきたが、このような実施形態が単に例として提供されていることは当業者には明らかであろう。本発明から逸脱することなく多くの変形形態、変更形態及び交換形態が当業者には想起されよう。本発明の実施にあたり本明細書中に記載される本発明の実施形態の種々の代替形態を用いてもよいことは理解すべきである。以下の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義することを意図するものであり、これによりこれら特許請求の範囲の範囲内の方法及び構造並びにこれらの均等物は包含される。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図14F
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E