特許第6357576号(P6357576)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 華邦電子股▲ふん▼有限公司の特許一覧

特許6357576揮発性メモリデバイス及びそのセルフリフレッシュ方法
<>
  • 特許6357576-揮発性メモリデバイス及びそのセルフリフレッシュ方法 図000002
  • 特許6357576-揮発性メモリデバイス及びそのセルフリフレッシュ方法 図000003
  • 特許6357576-揮発性メモリデバイス及びそのセルフリフレッシュ方法 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6357576
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】揮発性メモリデバイス及びそのセルフリフレッシュ方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 12/00 20060101AFI20180702BHJP
   G11C 11/406 20060101ALI20180702BHJP
【FI】
   G06F12/00 550E
   G06F12/00 550B
   G11C11/406 350
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-222389(P2017-222389)
(22)【出願日】2017年11月20日
【審査請求日】2017年11月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】512167426
【氏名又は名称】華邦電子股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Winbond Electronics Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100180655
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】中岡 裕司
【審査官】 後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−218749(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/046481(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 12/00
G11C 11/406
G06F 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイナミックメモリアレイを有する揮発性メモリデバイスに適用するセルフリフレッシュ方法であって、
省電力モードに入るとき、セルフリフレッシュ要求信号を送信するステップと、
前記セルフリフレッシュ要求信号に基づいて、電圧プルアップ信号を周期的に有効にするステップと、
前記電圧プルアップ信号が有効にされていることを検知したとき、セルフリフレッシュ動作を駆動するための動作電圧をセルフリフレッシュレベルまでプルアップするステップと、
前記動作電圧が前記セルフリフレッシュレベルまでプルアップされた後、前記ダイナミックメモリアレイに対して前記セルフリフレッシュ動作を行うステップと、
前記セルフリフレッシュ動作が終了した後に、前記動作電圧をフローティングするステップと
を含む、セルフリフレッシュ方法。
【請求項2】
前記セルフリフレッシュ動作を駆動するための前記動作電圧を前記セルフリフレッシュレベルまでプルアップするステップの後に、
電圧レディ信号を有効にして、前記セルフリフレッシュ動作を開始することができることを通知するステップをさらに含む、請求項1に記載のセルフリフレッシュ方法。
【請求項3】
前記ダイナミックメモリアレイに対して前記セルフリフレッシュ動作を行うステップが、
前記電圧レディ信号が有効にされていることを検知したとき、リフレッシュ信号を生成するステップと、
前記リフレッシュ信号に基づいて、セルフリフレッシュアドレスを生成するステップと、
前記ダイナミックメモリアレイにおける前記セルフリフレッシュアドレスに対応するデータをリフレッシュするステップと
を含む請求項2に記載のセルフリフレッシュ方法。
【請求項4】
前記セルフリフレッシュ動作を完成した後に、前記電圧プルアップ信号を無効にするステップをさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のセルフリフレッシュ方法。
【請求項5】
フローティング状態にある前記動作電圧を前記セルフリフレッシュレベルまでプルアップする時間間隔が100〜200ナノ秒である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセルフリフレッシュ方法。
【請求項6】
ダイナミックメモリアレイと、
前記ダイナミックメモリアレイに結合され、省電力モードに入るとき、セルフリフレッシュ要求信号を送信する、コントローラと、
前記コントローラに結合され、前記セルフリフレッシュ要求信号に基づいて、電圧プルアップ信号を周期的に有効にする、リフレッシュ信号発生器と、
前記リフレッシュ信号発生器に結合され、前記電圧プルアップ信号が有効にされていることを検知したとき、セルフリフレッシュ動作を駆動するための動作電圧をセルフリフレッシュレベルまでプルアップする、プルアップ回路と、
前記ダイナミックメモリアレイ及び前記コントローラに結合される、入出力回路と
を含み、前記動作電圧が前記セルフリフレッシュレベルまでプルアップされた後、前記コントローラが前記ダイナミックメモリアレイに対して前記セルフリフレッシュ動作を行い、
前記セルフリフレッシュ動作が終了した後、前記プルアップ回路が前記動作電圧をフローティングする、揮発性メモリデバイス。
【請求項7】
前記プルアップ回路が前記動作電圧を前記セルフリフレッシュレベルまでプルアップした後、前記プルアック回路が電圧レディ信号を有効にして、前記セルフリフレッシュ動作を開始することができることを前記リフレッシュ信号発生器に通知する、請求項6に記載の揮発性メモリデバイス。
【請求項8】
前記リフレッシュ信号発生器が、
前記電圧レディ信号が有効にされていることを検知したとき、リフレッシュ信号を発生する、タイマーと、
前記リフレッシュ信号に基づいてセルフリフレッシュアドレスを生成し、かつ前記コントローラに提供して、前記ダイナミックメモリアレイにおける前記セルフリフレッシュアドレスに対応するデータをリフレッシュする、リフレッシュアドレス発生器と
を含む、請求項7に記載の揮発性メモリデバイス。
【請求項9】
前記セルフリフレッシュ動作を完成した後、前記リフレッシュ信号発生器が前記電圧プルアップ信号を無効にする、請求項6〜8のいずれか一項に記載の揮発性メモリデバイス。
【請求項10】
前記コントローラが、
ベースクロック信号及びクロック有効信号を受信する、制御論理回路と、
前記制御論理回路及び前記ダイナミックメモリアレイに結合され、アドレス信号を生成する、アドレスデコーダと、
前記アドレスデコーダ及び前記制御論理回路に結合される、複数のステータスレジスタと
を含む、請求項6〜9のいずれか一項に記載の揮発性メモリデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリデバイス及びその操作方法に関し、特に揮発性メモリデバイス及びそのセルフリフレッシュ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、ノートブックコンピュータなどのモバイルデバイスがますます普及している。モバイルデバイスの電池の寿命は可能な限り長いほどよいため、そのうちの電子部品の消費電力は可能な限り小さいほどよい。揮発性メモリ(例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(Dynamic Random Access Memory,DRAM))の観点からみると、スリープモード(例えば、アドバンスドコンフィグレーションアンドパワーインターフェイス(Advanced Configuration and Power Interface,ACPI)が規定するS3/S4モード)において、セルフリフレッシュ(Self−refresh)を行う消費電力は、モバイルデバイスの必要に符合するために、十分に小さくなければならない。
【0003】
従来技術において、既に多くのセルフリフレッシュの消費電力を低下させる技術案が提出されている。例えば、スリープモードにおいて、セルフリフレッシュ動作が行われていないとき、動作電圧のレベルを一時的に低下させることができ(例えば、2.6ボルトから1.8ボルトまで低下させる)、セルフリフレッシュ動作を開始しようとするときに動作電圧を上昇させて、電力の消費を減少させる。
【0004】
しかしながら、上記の従来方案は、セルフリフレッシュの時間間隔が長い(例えば、10ミリ秒よりも長い)セルフリフレッシュ方法にしか適用されず、セルフリフレッシュの時間間隔が短い場合(例えば、300マイクロ秒よりも短い)、動作電圧を頻繁に低下、上昇させることは、消費電力を増加させ、消費電力を有効に低下させる効果を失うことを招く。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、動作電圧をフローティング状態にさせることによって、スリープモードにおいて、セルフリフレッシュの消費電力を低下させる効果を達成することができる、揮発性メモリデバイス及びそのセルフリフレッシュ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のセルフリフレッシュ方法は、ダイナミックメモリアレイを有する揮発性メモリデバイスに適用する。セルフリフレッシュ方法は、省電力モードに入るとき、セルフリフレッシュ要求信号を送信するステップと、セルフリフレッシュ要求信号に基づいて、電圧プルアップ信号を周期的に有効にするステップと、電圧プルアップ信号が有効にされていることを検知したとき、セルフリフレッシュ動作を駆動するための動作電圧をセルフリフレッシュレベルまでプルアップするステップと、動作電圧がセルフリフレッシュレベルまでプルアップされた後、ダイナミックメモリアレイに対してセルフリフレッシュ動作を行うステップと、セルフリフレッシュ動作が終了した後に、動作電圧をフローティングするステップとを含む。
【0007】
本発明の揮発性メモリデバイスは、ダイナミックメモリアレイと、コントローラと、リフレッシュ信号発生器と、プルアップ回路と、入出力回路とを含む。ダイナミックメモリアレイはコントローラに結合される。省電力モードに入るとき、コントローラはセルフリフレッシュ要求信号を送信する。リフレッシュ信号発生器はコントローラに結合され、セルフリフレッシュ要求信号に基づいて、電圧プルアップ信号を周期的に有効にする。プルアップ回路はリフレッシュ信号発生器に結合され、電圧プルアップ信号が有効にされていることを検知したとき、セルフリフレッシュ動作を駆動するための動作電圧をセルフリフレッシュレベルまでプルアップする。入出力回路はダイナミックメモリアレイ及びコントローラに結合される。そのうち、動作電圧がセルフリフレッシュレベルまでプルアップされた後、コントローラは前記ダイナミックメモリアレイに対してセルフリフレッシュ動作を行う。セルフリフレッシュ動作が終了した後、プルアップ回路は動作電圧をフローティングする。
【0008】
上記に基づき、本発明のセルフリフレッシュ方法はスリープモード(省電力モード)において、セルフリフレッシュ動作が終了した後、動作電圧をフローティング状態(フローティング)にしてそれを徐々に低下させ、次のセルフリフレッシュ動作を開始しようとするときに初めて動作電圧をセルフリフレッシュが必要とするレベルまでプルアップする。このようにして、セルフリフレッシュ動作を行っていないときに動作電圧を低下させることができるだけではなく、動作電圧を頻繁に低下、上昇させることによる余計な消費電力の発生も防止できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のセルフリフレッシュ方法は、スリープモードにおいて、セルフリフレッシュの消費電力を低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例に基づく揮発性メモリデバイスを説明する回路図である。
図2】本発明の実施例に基づく揮発性メモリデバイスのセルフリフレッシュ方法を説明する波形図である。
図3】本発明の実施例に基づく揮発性メモリデバイスのセルフリフレッシュ方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の上記特徴および長所をより分かりやすくするために、以下では、実施例と図面を合わせて詳しく説明を行う。
【0012】
まず図1を参照し、図1は本発明の実施例に基づく揮発性メモリデバイスを説明する回路図である。揮発性メモリデバイス100は、例えば、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、携帯情報端末(Personal Digital Assistant,PDA)などのモバイルデバイスに用いられることができ、揮発性メモリデバイス100は、ダイナミックメモリアレイ110と、コントローラ120と、リフレッシュ信号発生器130と、プルアップ回路140と、入出力回路150とを含む。本実施例において、ダイナミックメモリアレイ110はコントローラ120に結合され、複数のメモリブロックを含んでもよく、書き込みデータを記憶することに用いられる。コントローラ120は、セルフリフレッシュ要求信号RQを送信することに用いられる。リフレッシュ信号発生器130はコントローラ120に結合され、スリープモード(省電力モード)において電圧プルアップ信号DC_ENを周期的に有効にすることに用いられる。プルアップ回路140はリフレッシュ信号発生器130に結合され、揮発性メモリデバイス100がスリープモードにおいてセルフリフレッシュ動作を実行できるように、セルフリフレッシュ動作を駆動するための動作電圧VPPをセルフリフレッシュレベルRLVまでプルアップすることに用いられる。そのうち、本実施例の動作電圧VPPは、プルアップされていないとき、例えば高インピーダンス状態を現すようなフローティング状態(フローティング)にあり、動作電圧VPPのセルフリフレッシュ動作を行う必要がないときのレベルを徐々に低下させることができ、消費電力を節約することができる。
【0013】
本実施例において、コントローラ120は制御論理回路122と、アドレスデコーダ124と、複数のステータスレジスタ126_0〜126_N(Nは1以上の正の整数である)とをさらに含む。本実施例において、制御論理回路122は、信号発生器(図示せず)が提供するベースクロック信号CLK及びクロック有効信号CKEを受信することに用いられる。アドレスデコーダ124はダイナミックメモリアレイ110と制御論理回路122との間に結合され、アドレス信号ADDを生成することに用いられる。ステータスレジスタ126_0〜126_Nは制御論理回路122とアドレスデコーダ124との間に結合され、揮発性メモリデバイス100のステータス情報の記憶に用いられる。
【0014】
そのほか、リフレッシュ信号発生器130は、タイマー132と、リフレッシュアドレス発生器134とをさらに含む。本実施例において、タイマー132は、電圧プルアップ信号DC_ENを周期的に有効にし、動作電圧VPPがレディ状態であるときにリフレッシュ信号REFを生成することに用いられる。タイマー132はリフレッシュアドレス発生器134に結合される。そのうち、リフレッシュアドレス発生器134は、リフレッシュ信号REFに基づいてセルフリフレッシュアドレスREFADDを生成し、コントローラ120におけるアドレスデコーダ124に提供することに用いられる。これに基づき、ダイナミックメモリアレイ110は、メモリブロックにおけるセルフリフレッシュアドレスREFADDに対応するデータをリフレッシュすることができる。
【0015】
本実施例において、タイマー132は、従来のカウント機能を有し、かつ発振器を含むカウンタ回路であってもよい(但し、これに限らない)。制御論理回路122は複数の論理ゲートからなる論理回路であってもよい(但し、これに限らない)。ダイナミックメモリアレイ110は従来のダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)であってもよく、但し、これに限らない。アドレスデコーダ124、ステータスレジスタ126_0〜126_N、リフレッシュアドレス発生器134、プルアップ回路140及び入出力回路150は、いずれも、集積回路分野において当業者が熟知するアプリケーションメモリ回路の構造により実行されることができる。
【0016】
図2は、本発明の実施例に基づく揮発性メモリデバイスのセルフリフレッシュ方法を説明する波形図である。以下は図1及び図2を同時に参照して、本願のセルフリフレッシュ方法を説明する。例えば、スリープモードに入っていないとき、制御論理回路122は、ベースクロック信号CLKに基づいてダイナミックメモリアレイ110の一般的な読み書き操作を行うことができる。制御論理回路122が、クロック有効信号CKEが無効にされていることを検知したとき、揮発性メモリデバイス100はスリープモードに入り始め、制御論理回路122はセルフリフレッシュ要求信号RQをタイマー132に送信することができる。
【0017】
セルフリフレッシュ要求信号RQを受信したタイマー132は、ダイナミックメモリアレイ110が周期的にセルフリフレッシュ動作を行うように、電圧プルアップ信号DC_ENを周期的に有効にすることができる。即ち、スリープモードにおいて、電圧プルアップ信号DC_ENは、特定の時間間隔(例えば、10〜250マイクロ秒)を経過する度に低論理レベルから高論理レベルまでプルアップされる。本願の図2に示すように、電圧プルアップ信号DC_ENは、それぞれ時点t1及びt4のときに、周期的に低論理レベルから高論理レベルまでプルアップされ、プルアップ回路140がセルフリフレッシュ動作を駆動するための動作電圧VPPをプルアップし始めるように通知する。
【0018】
プルアップ回路140が、電圧プルアップ信号DC_ENが有効にされていることを検知したとき、プルアップ回路140は、フローティング状態である動作電圧VPPをセルフリフレッシュレベルRLVまでプルアップし始めることができる。セルフリフレッシュレベルRLVは例えば2.6ボルトであり、ダイナミックメモリアレイ110におけるワード線を駆動するための電圧レベルである。
【0019】
動作電圧VPPをセルフリフレッシュレベルRLVまでプルアップする時間間隔は、例えば100〜200ナノ秒である。プルアップ回路140は、例えばセルフリフレッシュレベルRLVまでプルアップされた動作電圧VPPをダイナミックメモリアレイ110におけるワード線ドライブ(図示されていない)に送信し、ダイナミックメモリアレイ110をセルフリフレッシュ動作を行うように駆動することができる。
【0020】
時点t2において、プルアップ回路140が動作電圧VPPをセルフリフレッシュレベルRLVまでプルアップした後、プルアップ回路140は電圧レディ信号DC_RDを有効にして、リフレッシュ信号発生器130に、動作電圧VPPがセルフリフレッシュレベルRLVに達し、セルフリフレッシュ動作を開始することができることを通知することができる。従って、タイマー132が電圧レディ信号DC_RDが有効にされていることを検知したとき、リフレッシュアドレス発生器134にリフレッシュ信号REF(低論理レベルから高低論理レベルまでプルアップする)を生成することができる。
【0021】
リフレッシュアドレス発生器134は、リフレッシュ信号REFに基づいてセルフリフレッシュアドレスREFADDを生成して、コントローラ120におけるアドレスデコーダ124に提供することができる。アドレスデコーダ124は、セルフリフレッシュアドレスREFADD(例えば、デコードを行う)に基づいてダイナミックメモリアレイ110にアドレス信号ADDを生成することができる。従って、ダイナミックメモリアレイ110は、動作電圧VPPの駆動を通じて、メモリブロックにおけるセルフリフレッシュアドレスREFADDに対応するデータをリフレッシュし、セルフリフレッシュ動作を完成することができる。
【0022】
時点t3において、今回のセルフリフレッシュ動作を完成した後(リフレッシュ信号REFが高論理レベルから低論理レベルまで低下する)、タイマー132は電圧プルアップ信号DC_ENを無効にすることができる。電圧プルアップ信号DC_ENが無効にされていることを検知したプルアップ回路140は、再度、動作電圧VPPをフローティングし、かつ電圧レディ信号DC_RDを無効にし、次の時点t4から開始するセルフリフレッシュ動作を待つ。
【0023】
時点t3と時点t4との間において、フローティング状態である動作電圧VPPのレベルは徐々に低下され、消費電力を減少する効果を達成する。
【0024】
説明すべきこととして、本願の図2に示すように、本実施例において、電圧プルアップ信号DC_EN、電圧レディ信号DC_RD及びリフレッシュ信号REFは、いずれも、ハイアクティブ(high active)の信号であり、即ち、上記信号が有効状態であるとき、高論理レベルである。当然ながら、本発明の他の実施例において、上記信号はローアクティブ(low active)であってもよく、絶対的な制限はない。
【0025】
図3は、本発明の実施例に基づく揮発性メモリデバイスのセルフリフレッシュ方法を説明するフローチャートである。図1及び図3を同時に参照し、ステップS310において、省電力モードに入るとき、コントローラ120はセルフリフレッシュ要求信号RQを送信する。ステップS320において、リフレッシュ信号発生器130はセルフリフレッシュ要求信号RQに基づいて、電圧プルアップ信号DC_ENを周期的に有効にする。ステップ330において、電圧プルアップ信号DC_ENが有効にされていることを検知したとき、プルアップ回路140はセルフリフレッシュ動作を駆動するための動作電圧VPPをセルフリフレッシュレベルRLVまでプルアップする。ステップ340において、動作電圧VPPがセルフリフレッシュレベルRLVまでプルアップされた後、コントローラ120はダイナミックメモリアレイ110に対してセルフリフレッシュ動作を行う。ステップS350において、セルフリフレッシュ動作が終了した後、プルアップ回路140は動作電圧VPPをフローティングする。各ステップの実施の詳細は、前記の実施例及び実施方法において詳しく説明したため、再度説明しない。
【0026】
上記のように、本発明のセルフリフレッシュ方法は、セルフリフレッシュ動作が終了した後に動作電圧をフローティング状態(フローティング)にして、それを徐々に低下させ、次のセルフリフレッシュ動作を開始しようとするときに、動作電圧をセルフリフレッシュが必要とするレベルまでプルアップする。従って、セルフリフレッシュが相対的に頻繁(リフレッシュの時間間隔が短い)な操作方法において、動作電圧を頻繁に低下、上昇させることによる消費電力の消耗を大いに減少させて、それをモバイルデバイスの省電力の要求に符合させることができる。
【0027】
本発明は実施例で以上のことを開示しているが、それは本発明を限定するものではなく、当業者は、本発明の主旨および範囲を逸脱しない条件において、些細な変動および修飾をしてもよいため、本発明の保護範囲は後の特許請求の範囲に限定した内容を基準とする。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明の揮発性メモリデバイス及びそのセルフリフレッシュ方法は、セルフリフレッシュ動作が終了した後に動作電圧をフローティング状態にさせることによって、セルフリフレッシュの消費電力を低下させることに利用できる。
【符号の説明】
【0029】
100 揮発性メモリデバイス
110 ダイナミックメモリアレイ
120 コントローラ
122 制御論理回路
124 アドレスデコーダ
126_0、126_N ステータスレジスタ
130 リフレッシュ信号発生器
132 タイマー
134 リフレッシュアドレス発生器
140 プルアップ回路
150 入出力回路
ADD アドレス信号
DC_EN 電圧プルアップ信号
DC_RD 電圧レディ信号
CKE クロック有効信号
CLK ベースクロック信号
REF リフレッシュ信号
REFADD セルフリフレッシュアドレス
RLV セルフリフレッシュレベル
RQ セルフリフレッシュ要求信号
t1〜t4 時点
VPP 動作電圧
S310〜S350 ステップ
【要約】
【課題】セルフリフレッシュの消費電力を低下させる効果を達成することができる、揮発性メモリデバイス及びそのセルフリフレッシュ方法を提供する。
【解決手段】揮発性メモリデバイスはダイナミックメモリアレイを有する。セルフリフレッシュ方法は、省電力モードに入るとき、セルフリフレッシュ要求信号を送信するステップと、セルフリフレッシュ要求信号に基づいて、電圧プルアップ信号を周期的に有効にするステップと、電圧プルアップ信号が有効にされていることを検知したとき、セルフリフレッシュ動作を駆動するための動作電圧をセルフリフレッシュレベルまでプルアップするステップと、動作電圧がセルフリフレッシュレベルまでプルアップされた後、ダイナミックメモリアレイに対してセルフリフレッシュ動作を行うステップと、セルフリフレッシュが終了した後に、動作電圧をフローティングするステップとを含む。
【選択図】図3
図1
図2
図3