【課題を解決するための手段】
【0013】
したがって、本発明は、発熱反応からの熱を除去する方法であって、
(a)反応物質供給ストリームを、少なくとも2つの別個の反応物質サブストリームに分割するステップと、
(b)反応器を含む別個の反応列内に各反応物質サブストリームを供給するステップと、
(c)共通冷却剤リザーバから各反応器内に冷却剤ストリームを供給するステップと、
(d)反応器内で発熱反応を実行して、反応生成物と、熱が伝わった冷却剤とを生成するステップと、
(e)各反応列からの熱が伝わった冷却剤を単一の共通リザーバに供給して冷却剤から熱を除去するステップと、
(f)ステップ(e)において熱が除去された冷却剤をステップ(c)に戻すステップと、
を含み、
ステップ(b)における各反応器は、同じ温度及び圧力で動作し、
各反応器における発熱反応の進行は、反応器が一部を成す反応列を通る反応物質サブストリームの流量を調整することによって、及び/又は各反応列内に供給される反応物質サブストリームの組成を調整することによって制御される、
方法を提供する。
【0014】
したがって、このプロセスでは複数の反応列を使用するが、各反応列からの熱が伝わった冷却剤が単一の共通冷却剤リザーバに送られることが明らかである。各反応器における発熱反応の進行は、主要制御手段として温度を使用する代わりに、反応列の流量を調整することによって、又は各反応器に供給される反応物質サブストリームの組成を調整することによって制御される。本発明のプロセスは、必要な設備の量を低減し、したがって関連するコストを削減するという利点をもたらす。
【0015】
本発明の方法のさらなる利点は、少なくとも3つの反応列が存在する場合、残りの反応列の動作条件に対する影響を最小限に抑えたまま、反応列のうちの1つをプロセスから分離した後に再導入できる点である。このことは、プロセス全体を停止する必要なく、触媒再生又は再装填のために反応列を分離できることを意味する。これにも同様に大きな経済的利点がある。
【0016】
ステップ(a)〜(f)
ステップ(a)
本発明の方法の第1のステップ(ステップ(a))では、反応物質供給ストリームを少なくとも2つの反応物質サブストリームに分割し、各サブストリームを別個の反応列に供給する。このように反応物質供給ストリームを分離すると、生じる反応の規模が最大になることが保証される。
【0017】
1つの実施形態では、反応物質供給ストリームが、少なくとも3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個などの供給ストリームに分割される。この点、結果として得られる装置の複雑性(及びコスト)は、反応物質供給ストリームの分割先であるサブストリームの数の制限のみである。反応物質サブストリームの数、したがって反応列の数が多くなればなるほど、動作中に残りの反応列に対する影響を最小限に抑えながら反応列のうちの1つを分離することが容易になる。通常、反応物質供給ストリームは、2〜8個の供給ストリームに分割される。
【0018】
反応物質供給ストリームの性質は、発熱反応の性質に依存するようになる。「発熱反応」という用語は、熱を生成する化学反応を意味するために使用するものである。特に、本発明の方法は、冷却剤に熱を伝えることによって反応熱を制御できるあらゆる発熱反応にとって有用である。好適な発熱反応の例としては、フィッシャートロプシュプロセス、メタノール生成、エチレンオキシド生成、ジメチルエーテル(DME)生成、酢酸ビニル(VAM)生成、水素処理を含む水素化処理、水素化分解、部分酸化を含む酸化、酸化カップリング、アルカン酸化、アルキル化、異性化、アンモニア合成、水性ガスシフト及び水素化が挙げられる。本発明が関連する発熱反応は周知であり、十分に文書化されているので、当業者であれば、好適な反応物質及び反応条件を熟知していると思われる。
【0019】
本発明の方法は、時間と共に触媒の活性が低下する不均一系触媒反応に特に適用される。従来、このような反応では、温度を上昇させて出力を維持する必要があったが、本発明の方法は、これを回避できる方法を提供する。
【0020】
発熱反応がフィッシャートロプシュ反応である場合、反応物質供給ストリームは、CO及びH
2を含むガス状混合物を含む。この混合物は、「合成ガス」又は「シンガス」と呼ばれることが多い。反応物質供給ストリームに含まれるH
2及びCOのH
2対COのモル比は、約1:1〜約4:1、より好ましくは1.4:1〜約2.1:1、又は約1.5:1〜約2.1:1、又は約1.6:1〜約2:1、又は約1.6:1〜約1.9:1とすることができる。反応物質供給ストリームは、完全に新鮮な合成ガスで構成することも、或いは新鮮な合成ガスと(やはりCO及びH
2を含む)再循環排ガスとの混合物を含むこともできる。1つの実施形態では、反応物質供給ストリームが、0〜50重量%、又は4〜15重量%の不活性成分(すなわち、CO及びH
2でない成分)を含むことができる。
【0021】
同様に、発熱反応がメタノール生成である場合、反応物質供給ストリームは合成ガスを含む。この場合、反応物質供給ストリームに含まれるH
2及びCOのCOに対するH
2のモル比は、0.5〜4、又は1〜2.5とすることができる。反応物質供給ストリームは、完全に新鮮な合成ガスで構成することも、或いは新鮮な合成ガスと(やはりCO及びH
2を含む)再循環排ガスとの混合物を含むこともできる。1つの実施形態では、反応物質供給ストリームが、0〜50重量%、又は4〜15重量%の不活性成分(すなわち、CO及びH
2でない成分、例えばN
2、CO
2など)を含むことができる。
【0022】
本明細書で使用する「排ガス」という用語は、発熱反応後に反応器から排出されるガス流を意味する。例えば、発熱反応がフィッシャートロプシュ反応である場合、排ガスは、未変換シンガス、フィッシャートロプシュ反応の蒸気相副産物、及び不活性成分を含む。
【0023】
発熱反応がエチレンオキシド生成である場合、一般にエチレンオキシドは、触媒(通常は、銀触媒)上での酸素を用いたエチレンの酸化によって生成され、反応物質供給ストリームは、エチレンと酸素との混合物を含む。反応物質供給ストリームに含まれるエチレン及び酸素のエチレン対酸素のモル比は、約4:1未満とすることができ、1つの実施形態では約3:1未満とすることができる。エチレン対酸素のモル比は、0.2:1〜約4:1、又は約0.5:1〜約3:1、又は約1:1〜約3:1とすることができる。
【0024】
発熱反応が、DMEにシンガスを直接反応させることによって、又は脱水触媒上でメタノールを脱水させることによってDMEを生成するジメチルエーテルDME生成である実施形態では、反応物質供給ストリームがメタノールを含む。或いは、DMEは、メタノール合成と脱水とを単一の反応器内に統合するプロセスによって生成することもでき、この場合、反応物質供給ストリームは合成ガスを含む。
【0025】
1つの実施形態では、発熱反応が水素化分解反応である。水素化分解は、水素と1又は2以上の炭化水素反応物質との間の反応を必要とする。炭化水素は、飽和脂肪族化合物(例えば、アルカン)、不飽和脂肪族化合物(例えば、アルケン、アルキン)、ヒドロカルビル(例えば、アルキル)置換芳香族化合物、及びヒドロカルビレン(例えば、アルキレン)置換芳香族化合物などを含む、水素化分解できるあらゆる炭化水素を含むことができる。この場合、反応物質供給ストリームは、ナフサから重質原油残留分まで様々とすることができる1又は2以上の炭化水素反応物質を含むことができる。この点、供給組成の5体積%の沸点が約175℃を上回り、1つの実施形態では約205℃を上回ることができる。1つの実施形態では、供給組成の少なくとも約90体積%が、約150℃〜約570℃の、1つの実施形態では約320℃〜約540℃の沸点範囲内に収まることができる。供給組成は、常圧軽油及び真空軽油(AGO及びVGO)などの1又は2以上の石油留分を含むことができる。供給組成は、1又は2以上の鉱油又は合成油、或いはこれらの1又は2以上の留分の混合物を含むこともできる。供給組成は、1又は2以上の直留軽油、真空軽油、脱金属油、脱アスファルト化真空残油、コークス蒸留物、接触分解蒸留物、シェール油、タールサンド油、石炭液化油、又はこれらの2又は3以上の混合物などを含むこともできる。反応列に供給される反応物質サブストリーム内の水素と炭化水素反応物質との比率は、1立法センチメートル(ccm)の炭化水素反応物質当たり約10〜約1000標準立法センチメートル(sccm)の水素、又は約100〜約500sccm/cmとすることができる。
【0026】
発熱反応がVAM生成である場合、反応物質供給ストリームは、エチレン、酢酸及び二酸素を含むことができる。1つの実施形態では、反応物質供給ストリーム内のエチレン対酢酸対二酸素の比率を、約6:3:1〜約2:2:1とすることができる。
【0027】
発熱反応が、酸素化又はニトリルに対する炭化水素反応物質の酸化である場合、反応物質供給ストリームは、炭化水素反応物質、酸素又は酸素源、及び任意にアンモニアを含むことができる。「炭化水素反応物質」という用語は、酸化反応又はアンモ酸化反応を受けることができる、反応器の動作温度及び圧力において流体であるあらゆる炭化水素化合物を意味する。例としては、置換芳香族化合物(例えば、アルカン)、不飽和脂肪族化合物(例えば、モノエン、ポリエン)、アルデヒド、アルキル置換芳香族化合物、アルキレン置換芳香族化合物が挙げられる。「酸素化」という用語は、少なくとも1つの酸素原子(CO及びCO
2を除く)を含む炭化水素生成を意味する。例としては、アルコール(例えば、メタノール、エチルアルコール)、エポキシド(例えば、エチレンオキシド)、アルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、アクロレイン)、カルボン酸(例えば、酢酸、アクリル酸)、カルボン酸無水物(例えば、無水マレイン酸)、エステル(例えば、酢酸ビニル)が挙げられる。炭化水素反応物質対酸素のモル比は、約0.2:1〜約8:1、又は約0.5:1〜約4:1、又は約1:1〜約3:1とすることができる。アンモニアは、あらゆるソースから取得することができる。アンモニアが存在する場合、炭化水素反応物質対アンモニアのモル比は、約0.5:1〜約5:1、又は約0.5:1〜約2:1に及ぶことができる。
【0028】
1つの実施形態では、発熱反応が、メタノールのホルムアルデヒドへの酸化である。この実施形態では、反応物質供給ストリームが、メタノール及び酸素を含む。
【0029】
ステップ(b)
本発明の方法のステップ(b)では、各反応物質サブストリームが別個の反応列内に供給される。各反応列は、少なくとも1つの反応器を含む。反応度を最大化するには、各反応列が複数の反応器を含むことが有利になり得る。複数の反応器が存在する場合には、これらを直列又は並列に配置することができる。複数の反応器は、並列に配置されることが好ましい。いくつかの実施形態では、例えば発熱反応がFT反応である場合、複数の反応器が並列に配置される。
【0030】
反応器の性質に制限はない。1つの実施形態では、反応器を、従来の固定床反応器、流動床反応器、スラリー相反応器及びマイクロリアクタから成る群から選択することができる。
【0031】
当業者であれば、好適な従来の固定床反応器を熟知していると思われる。商業用の従来の流動床反応器は、「管板」上に溶接され、触媒を含む充填材料で満たされ、したがって反応物質サブストリームが流れる触媒の床を形成する複数の、場合によっては数百又は数千の(最大10メートルの)長く細い反応器管で構成される。これらの管は、20〜50mmの直径を有することができる。触媒は、1〜5mmの直径を有するペレットの形を取ることができる。触媒粒子は、反応器管内における触媒粒子の充填効率を低減して過度の圧力低下を防ぐために、不均一な形状であるように設計することができる。反応器管が長いと、反応物質サブストリームが長時間にわたって触媒と接触するので、発熱反応の変換が最大化されることを意味する。
【0032】
当業者であれば、流動床反応器も熟知していると思われる。流動床反応器には2つのタイプがある。固定流動床反応器(FFB)では、触媒床が反応容器内に収容される。循環流動床(CFB)では、触媒がガス流に同伴してループの形で運ばれる。
【0033】
固定流動床反応器では、反応物質サブストリームが、床を流動化させるのに十分な速度で(触媒粒子で構成された)触媒床を通過する。通常、触媒粒子は、妥当なガス速度で流動化できるように、固定床反応器で使用されるものよりもはるかに小さい。反応器の上部では、サイクロンが触媒粒子を解放して床に戻す一方で、生成物ストリームは凝縮列を流れる。反応器と共に冷却コイルを配置して熱を除去する。懸濁粒子は、ガスストリーム及び冷却コイルに密着する。固定流動床反応器では、触媒粒子が高速で移動し、規則的に衝突して物理的に粉末に分解される。このことは、触媒粒子を継続的に交換する必要があることを意味する。
【0034】
当業者であれば認識するように、スラリー相反応器では、反応物質サブストリームが、粉末担持触媒で構成されたスラリーを通過する。通常、触媒は、0.05〜0.3mmの直径を有する固体触媒粒子を含む。反応物質ストリームが、反応器の底部に導入されてスラリー内を上昇するガスである場合、この反応器は、気泡塔反応器として知られている。スラリー相反応器は、優れた温度制御を行って温度勾配のない等温動作に近づくので有利である。しかしながら、反応器内で形成された液体生成物は、全ての触媒粒子が確実に除去されるように、スラリー床から除去した後に濾過しなければならない。
【0035】
1つの実施形態では、反応器がマイクロチャネルリアクタである。「マイクロチャネルリアクタ」という用語は、反応プロセスが行われる1又は2以上のプロセスマイクロチャネルを含む装置を意味する。具体的には、マイクロチャネルリアクタは、少なくとも1つの、好ましくは複数の熱交換チャネルに熱的に接触する少なくとも1つの、好ましくは複数のプロセスマイクロチャネルを含むことができる。触媒が存在する場合は、プロセスマイクロチャネル内に収容される。好適なマイクロチャネルリアクタの例は、国際公開第2014/026204号に記載されており、この文献の内容は引用により本明細書に組み入れられる。
【0036】
具体的に言えば、このマイクロチャネルリアクタは、1又は2以上の触媒インサート(例えば、1又は2以上のフィン又はフィンアセンブリ、1又は2以上の波形インサートなど)を受け取るための1又は2以上のスロットを含むことができ、スロットを含むプロセスマイクロチャネルが、触媒インサート内に位置し、及び/又はスロットの壁とインサートとによって形成された開口部を含む。2又は3以上のプロセスマイクロチャネルを使用する場合、これらのプロセスマイクロチャネルは並行して動作することができる。マイクロチャネルリアクタは、1又は2以上のプロセスマイクロチャネル内への流体流をもたらすヘッダ又はマニホールドアセンブリと、1又は2以上のプロセスマイクロチャネルから外への流体流をもたらすフッタ又はマニホールドアセンブリとを含むことができる。マイクロチャネルリアクタは、1又は2以上のプロセスマイクロチャネルに隣接する、及び/又はこれらと熱的に接触する1又は2以上の熱交換チャネルを含むことができる。熱交換チャネルは、プロセスマイクロチャネル内の流体を冷却することができる。熱交換チャネルは、マイクロチャネルとすることができる。マイクロチャネルリアクタは、熱交換チャネル内への熱交換流体の流れをもたらすヘッダ又はマニホールドアセンブリと、熱交換チャネルから外への熱交換流体の流れをもたらすフッタ又はマニホールドアセンブリとを含むことができる。
【0037】
「マイクロチャネル」という用語は、高さ又は幅の少なくとも一方の内部寸法が最大約10ミリメートル(mm)の、1つの実施形態では最大約5mmの、1つの実施形態では最大約2mmの、1つの実施形態では最大約1mmのチャネルを意味する。マイクロチャネルは、少なくとも1つの入口と、少なくとも1つの入口とは異なる少なくとも1つの出口とを含むことができる。マイクロチャネルは、単なるオリフィスではないこともある。マイクロチャネルは、単なるゼオライト材料又はメソ多孔性材料内のチャネルではないこともある。マイクロチャネルの長さは、高さ又は幅の少なくとも約2倍とすることができ、1つの実施形態では、高さ又は幅の少なくとも約5倍、1つの実施形態では、高さ又は幅の少なくとも約10倍とすることができる。マイクロチャネルの内部高さ又は幅は、約0.05〜約10mm、又は約0.05〜約5mm、又は約0.05〜約2mm、又は約0.05〜1.5mm、又は約0.05〜約1mm、又は約0.05〜約0.75mm、又は約0.05〜約0.5mm、又は約1〜約10mm、又は約2〜約8mm、又は約3〜約7mmとすることができる。高さ又は幅の他の内部寸法は、例えば最大約3メートル、又は約0.01〜約3メートル、1つの実施形態では約0.1〜約3メートル、又は約1〜約10mm、又は約2〜約8mm、又は約3〜7mmのあらゆる寸法とすることができる。マイクロチャネルの長さは、例えば最大約10メートル、1つの実施形態では約0.1〜約10メートル、1つの実施形態では約0.2〜約10メートル、1つの実施形態では約0.2〜約6メートル、1つの実施形態では0.2〜約3メートルのあらゆる寸法とすることができる。マイクロチャネルは、例えば、正方形、矩形、円形、半円形、台形などのあらゆる形状の断面を有することができる。マイクロチャネルの断面の形状及び/又はサイズは、その長さ全体にわたって異なることができる。例えば、高さ又は幅は、マイクロチャネルの長さにわたって相対的に大きな寸法から相対的に小さな寸法にテーパ付けすることができ、この逆もまた同様である。
【0038】
別のチャネルの位置に対する1つのチャネルの位置について言及する際の「隣接」という用語は、1又は複数の壁が2つのチャネルを分離するような直接的な隣接を意味することができる。1つの実施形態では、2つのチャネルが共通の壁を有することができる。共通の壁は、厚みが異なることもある。しかしながら、「隣接」するチャネルは、チャネル間の熱伝達に干渉し得る介在するチャネルによって分離されていないこともある。1つのチャネルが、別のチャネルの寸法の一部のみにわたって別のチャネルに隣接することもできる。例えば、プロセスマイクロチャネルは、1又は2以上の隣接する熱交換チャネルよりも長く、これらを超えて延びることもできる。
【0039】
「熱的接触」という用語は、例えば互いに物理的に接触又は隣接していても、或いはしていなくてもよいが、依然として互いに熱を交換できる2つのチャネルなどの2つの物体を意味する。別の物体と熱的に接触している一方の物体は、他方の物体を加熱又は冷却することができる。
【0040】
「流体」という用語は、気体、液体、気体と液体の混合物、或いは分散固体を含む気体又は液体、液滴及び/又は気泡を意味する。液滴及び/又は気泡は、不規則な又は規則的な形状とすることができ、同様の又は異なるサイズとすることができる。
【0041】
触媒
反応器は、触媒を含むことができる。触媒は、不均一系触媒であることが好ましい。1つの実施形態では、触媒が粒子状固体の形を取ることができる。
【0042】
反応器が、上述したようなマイクロチャネルリアクタである場合、プロセスチャネル内に装填された、又はプロセスマイクロチャネルの内壁にコーティングされた、又はプロセスマイクロチャネルの内壁で成長させた粒子状固体としての触媒を使用することができる。触媒は、フローバイ構成、貫流構成又は蛇行構成を有する支持体上に支持することができる。触媒は、泡、フェルト、束、フィン又はこれらの2又は3以上を組み合わせた構成を有する支持体上に支持することができる。或いは、触媒は、反応器内の好適なスロットに収まることができるインサートの形を取ることもできる。
【0043】
当業者であれば、異なる発熱反応を実行するのに適した触媒を熟知していると思われる。
【0044】
具体的には、発熱反応がフィッシャートロプシュプロセスである場合、触媒は、コバルト、Pd、Pt、Rh、Ru、Re、Ir、Au、Ag及び/又はOsなどの促進剤、及び支持体の表面がシリカ、チタン、ジルコニア、マグネシア、クロム、アルミナ又はこれらの2又は3以上の混合物も用いて処理されることによって修飾された表面修飾支持体を含む触媒前駆体から導出できることが好ましい。1つの実施形態では、触媒前駆体が、酸化コバルト、具体的にはCo
3O
4を含むことができる。好適な支持金属は、耐熱性金属の酸化物、カーバイド、炭素、窒化物、又はこれらの2又は3以上の混合物を含む。支持体は、アルミナ、ジルコニア、シリカ、チタン、又はこれらの2又は3以上の混合物を含むことができる。1つの実施形態では、支持体が、少なくとも約11重量%のTiO
2、又は約11〜約30重量%のTiO
2、又は約15〜約17重量%のTiO
2、1つの実施形態では約16重量%のTiO
2を含むTiO
2修飾シリカ支持体を含むことができる。表面修飾支持体の表面は、非晶質とすることができる。
【0045】
発熱反応がメタノール生成である実施形態では、触媒が、例えばCu/ZuO/Al
2O
3などの銅ベースの触媒であることが好ましい。
【0046】
発熱反応がエチレンオキシド生成である実施形態では、触媒が、金属、金属酸化物又はMo、W、V、Nb、Sb、Sn、Pt、Pd、Cs、Zr、Cr、Mg、Mn、Ni、Co、Ce又はこれらの2又は3以上の混合物から選択された金属の混合金属酸化物を含むことが好ましい。これらの触媒は、1又は2以上のアルカリ金属、又はアルカリ土類金属、又はその他の遷移金属、希土類金属又はランタニドを含むこともできる。P及びBiなどの原子が存在することもできる。触媒を支持できる場合、有用な支持金属は、金属酸化物(例えば、アルミナ、チタン、ジルコニア)、シリカ、メソ多孔性材料、ゼオライト、耐熱材料、又はこれらの2又は3以上の組み合わせを含む。具体的に言えば、触媒は、米国特許第5,597,773号、米国特許第5,703,253号、米国特許第5,705,661号、米国特許第6,762,311号及び欧州特許第0266015号に開示されている触媒のいずれか1つとすることができ、これらの文献の内容は引用により本明細書に組み入れられる。
【0047】
発熱反応がDME生成である実施形態では、触媒を、例えばCu/ZuO/Al
2O
3などのメタノール合成触媒と、g−Al
2O
3などの脱水触媒とのブレンドとすることができる。
【0048】
発熱反応が水素化分解である実施形態では、触媒が、ベータゼオライト、オメガゼオライト、L−ゼオライト、ZSM−5ゼオライト及びY型ゼオライトを含むゼオライト触媒を含むことができる。水素化分解触媒は、1又は2以上の柱状粘土、MCM−41、MCM−48、HMS、又はこれらの2又は3以上の組み合わせを含むことができる。水素化分解触媒は、Pt、Pd、Ni、Co、Mo、W、又はこれらの2又は3以上の組み合わせを含むことができる。水素化分解触媒は、アルミナ、マグネシア、シリカ、チタン、ジルコニア及びシリカ−アルミナなどの耐熱性無機酸化物を含むことができる。水素化分解触媒は、水素化成分を含むことができる。好適な水素化成分の例としては、「周期律表」のグループIVB及びグループVIIIの金属及びこのような金属の化合物が挙げられる。モリブデン、タングステン、クロミウム、鉄、コバルト、ニッケル、プラチナ、パラジウム、イリジウム、オスミウム、ロジウム及びルテニウムは、水素化成分として使用することができる。これらの触媒は、米国特許第6,312,586号に記載されており、この文献は引用により本明細書に組み入れられる。
【0049】
発熱反応が水素化処理である実施形態では、あらゆる水素化処理触媒を水素化処理触媒とすることができる。水素化処理触媒は、アルミナ上に支持されたNi、Mo、Co、W、又はこれらの2又は3以上の組み合わせを含むことができる。触媒は、Mo−W/Al
2O
3を含むこともできる。
【0050】
発熱反応がVAMの生成である実施形態では、触媒が、Pd、Auを含むことができ、いくつかの実施形態では酢酸カリウム(KOA)を含むことができる。好適な触媒の例は、米国特許第3,743,607号、米国特許第3,775,342号、米国特許第5,557,014号、米国特許第5,990,334号、米国特許第5,998,659号、米国特許第6,022,823号、米国特許第6,057,260号及び米国特許第6,472,556号に記載されており、これらの文献は全て引用により本明細書に組み入れられる。使用する触媒は、耐熱性支持体を含み、好ましくはシリカ、シリカ−アルミナ、チタン又はジルコニアなどの金属酸化物を含むことが好ましい。1つの実施形態では、触媒が、2wt%よりも多くのPd、4wt%よりも多くのPd、10wt%よりも多くのPdを含み、いくつかの実施形態では少なくとも12wt%のPdを含む。
【0051】
発熱反応が炭化水素酸化である実施形態では、触媒が、金属、金属酸化物、或いはMo、W、V、Nb、Sb、Sn、Pt、Pd、Cs、Zr、Cr、Mg、Mn、Ni、Co、Ce、又はこれらの2又は3以上の混合物から選択された金属の混合金属酸化物を含むことができる。これらの触媒は、1又は2以上のアルカリ金属、又はアルカリ土類金属、又はその他の遷移金属、希土類金属又はランタニドを含むこともできる。P及びBiなどの原子が存在することもできる。触媒を支持できる場合、有用な支持金属は、金属酸化物(例えば、アルミナ、チタン、ジルコニア)、シリカ、メソ多孔性材料、ゼオライト、耐熱材料、又はこれらの2又は3以上の組み合わせを含む。
【0052】
発熱反応がホルムアルデヒドを形成するメタノールの酸化である実施形態では、触媒をFe−Mo−Ox触媒とすることができる。
【0053】
ステップ(c)
本発明の方法のステップ(c)では、各反応列の反応器内に冷却剤が供給される。各反応列内に供給される冷却剤は、共通冷却剤リザーバからのものである。この点、全ての反応列内に供給を行う単一の冷却剤循環ネットワークが存在する。冷却剤は、新鮮な冷却剤と、ステップ(e)において蒸気ドラムから再循環される冷却剤とで構成される。
【0054】
或いは、3又は4以上の反応列が存在する場合、反応列のうちの少なくとも2つには、ステップ(c)において単一の冷却剤循環ネットワークから冷却剤を供給することができ、残りの反応列には、1又は2以上の異なる冷却剤循環ネットワークから冷却剤を供給することができる。このような実施形態では、複数の冷却剤リザーバが存在する。しかしながら、冷却剤リザーバの総数は、常に反応列の総数よりも少なくなる。
【0055】
冷却剤は、反応器及び熱油において生じる発熱反応からの熱が伝わった結果として少なくとも部分的に蒸発する流体から成る群から選択することができる。当業者であれば認識するように、冷却剤の選択は、発熱反応に依存し、特に発熱反応が行われる反応器内で到達する温度に依存する。
【0056】
部分的に蒸発する流体は、水、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、アンモニア、アルコール又は高級炭化水素などの、単一成分の冷却剤流体とすることができる。或いは、部分的に蒸発する流体は、1又は2以上の単一成分の流体を含む冷却剤混合物とすることもできる。冷却剤混合物の例としては、アンモニア水又は混合溶媒が挙げられる。
【0057】
1つの実施形態では、冷却剤が、反応器内で行われる発熱反応からの熱が伝わった結果として少なくとも部分的に蒸発する流体である。この場合、冷却剤は、反応器内で到達する温度よりも低い沸点を有する。冷却剤は、水であることが好ましい。冷却剤が水である場合、発熱反応から伝わる熱が水を少なくとも部分的に蒸発させ、したがって蒸気を発生させる。この蒸気を回収して、プロセス内の他のどこかで使用し、又は電気を生成することができる。発熱反応の温度が80℃〜450℃、又はさらに好ましくは100℃〜300℃である場合には、冷却剤として水を使用することが特に好ましい。このグループに含まれる、すなわちプロセス中に少なくとも部分的に蒸発する好適な冷却剤の別の例には、国際公開第2013/055864号に記載されているような有機溶媒があり、この文献の内容は引用により本明細書に組み入れられる。
【0058】
反応器に供給される冷却剤は、約40℃〜約400℃の、好ましくは約100℃〜約250℃の温度にすることができる。
【0059】
冷却剤は、一定の流れで反応器に供給することも、或いは反応物質供給ストリームを(単複の)反応器に供給する速度に依存する熱の放出に応じて流れを調整することもできる。
【0060】
冷却剤は、所望のCO変換率又は生成物選択性を維持するように、直接的(混合)又は間接的熱交換のいずれかによって過冷却することができる。
【0061】
反応器が、上述したようなマイクロチャネルリアクタである場合、冷却剤は、プロセスチャネルと熱的に接触する熱交換チャネル内に供給される。
【0062】
ステップ(d)
反応物質サブストリームは、反応列に沿って1又は2以上の反応器を流れると、触媒に接触して発熱反応が生じる(ステップ(d))。発熱反応によって発生する熱は冷却剤に伝わり、したがって反応から熱が除去される。したがって、ステップ(d)では、反応生成物と、熱が伝わった冷却剤とが生じる。冷却剤が熱油である場合、蒸発ではなく膨張によって熱を吸収する。冷却剤が、発熱反応によって発生する熱よりも低い沸点を有する流体である場合、部分的相変化を受けることによって反応から熱を除去し、例えば、水が冷却剤である場合には蒸気が発生する。
【0063】
反応生成物
発熱反応がフィッシャートロプシュプロセスである場合、反応生成物は、(主に脂肪族である)炭化水素及び水を含む。「脂肪族炭化水素」という用語は、2又は3以上の炭素原子、又は3又は4以上の炭素原子、又は4又は5以上の炭素原子、又は5又は6以上の炭素原子、又は6又は7以上の炭素原子を有する脂肪族炭化水素を意味するために使用するものである。高分子量の脂肪族炭化水素は、最大約200個の炭素原子、最大約150個の炭素原子、最大約100個の炭素原子、最大約90個の炭素原子、最大約80個の炭素原子、最大約70個の炭素原子、最大約60個の炭素原子、最大約50個の炭素原子、最大約40個の炭素原子又は最大約30個の炭素原子を有することができる。例としては、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン及びドデカンなどを挙げることができる。
【0064】
発熱反応がメタノール生成である実施形態では、反応生成物が、メタノール、水素及び水を含む。
【0065】
発熱反応がエチレンオキシド生成である実施形態では、反応生成物が、エチレンオキシド、二酸化炭素及び水を含む。
【0066】
発熱反応がDME生成である実施形態では、反応生成物が、DME及び二酸化炭素を含む。
【0067】
発熱反応が水素化分解である実施形態では、反応生成物が、炭化水素反応物質よりも分子量の低い2又は3以上の炭化水素生成物を含む。
【0068】
発熱反応がVAMの生成である実施形態では、反応生成物が、酢酸ビニルモノマー及び水を含む。
【0069】
発熱反応が炭化水素酸化である実施形態では、反応生成物が、酸素化生成物を含む。
【0070】
発熱反応がホルムアルデヒド生成である実施形態では、反応生成物が、ホルムアルデヒドを含む。
【0071】
ステップ(e)
ステップ(e)では、各反応列からの熱が伝わった冷却剤が、共通の単一冷却剤リザーバに供給される。このリザーバでは、発熱反応からの吸収熱を除去し、冷却剤を元の状態に戻す。その後、冷却剤を再循環させてステップ(c)に戻すことができる。
【0072】
当業者であれば、好適なリザーバを熟知していると思われる。具体的には、冷却剤の性質にもよるが、例えば冷却剤が熱油である場合、リザーバは熱交換器とすることができる。或いは、冷却剤が少なくとも部分的に蒸発したものである場合、リザーバは、熱を蒸気の形で除去するための相分離器を含むことができる。このようなリザーバの例には、蒸気ドラムがある。
【0073】
ステップ(d)において冷却剤の部分的蒸発によって発熱反応の熱が除去された場合、リザーバ内で蒸気相と液相が分離され、蒸気は除去され、液体は再循環されて冷却剤としてステップ(c)に戻される。この状況では、ステップ(c)に戻される蒸気に新鮮な冷却剤を加えて、蒸気として失われた冷却剤を補償する必要があり得る。例えば、冷却剤が水である場合、リザーバは、蒸気と水を分離する蒸気ドラムである。回収された水は、再循環されて冷却剤としてステップ(c)に戻され、蒸気の形で失われた水を補償するように新鮮な水をつぎ足される。蒸気は、凝縮して冷却剤システムに戻すことができる。
【0074】
この単一の共通冷却剤リザーバが動作する条件、特に圧力は、後に冷却剤として反応器に再循環される液体の飽和温度を決定付け、したがって各反応列の動作温度及び動作圧を決定付ける。冷却剤が、発熱反応からの熱が伝わったことに応答して蒸発ではなく膨張する熱油である場合、この条件は、各反応列の動作温度を決定付ける、単一の共通冷却剤リザーバが動作する温度である。したがって、本発明の方法における全ての反応器は、同じ温度及び圧力で動作する。
【0075】
1つの実施形態では、冷却剤が、発熱反応からの熱が伝わった結果として部分的に蒸発する流体、好ましくは水であり、リザーバが蒸気ドラムである。
【0076】
単一の共通冷却剤リザーバは、約25〜約300℃、約100〜約300℃、又は約200〜約250℃、又は約200〜約220℃、又は約205℃の温度で動作することができる。単一の共通冷却剤リザーバは、約100〜約15,000kPa、又は約100〜約86,00kPa、又は約450〜約4100kPa、又は約450〜約3400kPa、又は約1200〜約2600kPa、又は約1200〜約2100kPa、又は約1200〜約1900kPaの圧力で動作することができる。
【0077】
1つの実施形態では、単一の共通蒸気ドラムが、100〜300℃の温度、(例えば、発熱反応がFTプロセスである)1つの実施形態では200〜225℃、又は200〜220℃、又は約205℃の温度、並びに約100〜約86,00kPa、約100〜約3400kPaの圧力、1つの実施形態では約1200〜約2600kPa、又は約1200〜約2100kPa、又は約1200〜約1900kPa、又は約1700〜約1900kPaの圧力で動作する。
【0078】
発熱反応の進行制御
単一の共通冷却剤リザーバを使用するということは、(使用する通常の変数である)個々の反応列の温度を用いて、各反応器で生じている発熱反応の性能を制御することができないことを意味する。この場合、驚くべきことに、本発明者らは、各反応列を通る反応物質サブストリームの流量(又は毎時ガス空間速度(GHSV))を制御することによって異なる反応列を容認可能な程度に制御できることを発見した。
【0079】
従来、反応物質サブストリームのGHSVは、通常の圧力及び温度における反応物質の体積流量を、流れている触媒のかさ容積で除算したものとして定められる。反応物質サブストリームのGHSVは、従来の技術によって、具体的には反応器への反応物質サブストリームの流量を測定した後に、この値を触媒の体積で除算することによって測定することができる。
【0080】
反応列のうちの少なくとも1つには、反応物質サブストリームの流量を調整する手段を設けることができる。好ましくは、各反応物質サブストリームの流量を単独で調整できるように、各反応列に反応物質サブストリームの流量を調整する別個の手段が設けられる。この流量調整手段は、例えば自動制御弁などの弁、好ましくは自動流量調整弁とすることができる。
【0081】
反応物質サブストリームの流量は、その反応列に存在する反応器内の触媒の不活性化などの因子を考慮するように調整することができる。触媒の不活性化は、時間に伴う触媒活性の低下を招く。このような触媒の不活性化を補償するように変換を上方調整して、各反応列が確実に所望のCO変換率又は生成物選択性を満たすようにするために、本発明の方法を用いて、触媒の不活性化にしたがって特定の反応器への反応物質の流量を減少させることができる。異なる反応列の触媒は、異なる不活性化段階にあり得る。各反応列内の反応物質サブストリームの流量を単独で調整する能力は、各反応列が触媒の不活性化段階の相違に関わらず所望のCO変換率又は生成物選択性で動作していることを保証する手段を提供する。
【0082】
反応物質サブストリームの流量は、触媒に対する反応物質の所望の接触時間を参照することによって決定することができる。「接触時間」という用語は、反応ゾーンの体積、すなわち発熱反応が生じる反応器内の空間を、0℃の温度及び1気圧の圧力における反応物質サブストリームの体積流量で除算したものを意味する。
【0083】
反応器内における、具体的にはマイクロチャネルリアクタ内における一定の反応を維持するために、特定の反応物質サブストリームの流量調整は、触媒と反応物質との接触時間が約10〜約2000ミリ秒(ms)、又は約10ms〜約1000ms、又は約20ms〜約500ms、又は約200ms〜約400ms、又は約240ms〜約350msであることを保証すべきである。
【0084】
これとは別に、又はこれに加えて、本発明者らは、各反応列への反応物質サブストリームの組成を変化させることによって発熱反応の程度を制御できることも発見した。いくつかの実施形態では、反応物質サブストリームを、異なるソースから得られた反応物質で構成することができる。例えば、1つの実施形態では、反応物質サブストリームが、新鮮な反応物質及び再循環反応物質の両方を含むことができる。反応物質サブストリームの再循環部分は、具体的には存在する不活性物の量に関して、新鮮な供給物とは異なる組成を有することができる。したがって、反応物質サブストリームの組成を変化させることができる1つの方法は、反応物質サブストリームのうちの再循環反応物質で構成される割合を変化させることである。異なる実施形態では、反応物質サブストリームを、新鮮な反応物質と、上流のプロセスから得られた反応物質とで構成することができる。例えば、発熱反応がFTプロセスである場合、反応物質サブストリームは、新鮮なシンガスと、上流のシンガス変換の慣習からの供給物とを含むことができ、この場合、上流のプロセスからの供給物は、異なる割合の不活性成分を含む。
【0085】
反応列のうちの少なくとも1つには、反応物質サブストリームの組成を調整する手段を設けることができる。好ましくは、反応物質サブストリームの組成を単独で調整できるように、各反応列に反応物質サブストリームの組成を調整する別個の手段が設けられる。反応物質サブストリームの組成を調整する手段は、反応物質サブストリーム内に再循環反応物質を導入することを含むことができる。反応物質サブストリームのうちの再循環反応物質で構成される割合は、例えば弁を、好ましくは自動流量調整弁などの自動制御弁を使用することにより、反応物質サブストリーム内への再循環反応物質の流れを調整することによって制御することができる。これとは別に、又はこれに加えて、弁を、好ましくは自動流量調整弁などの自動制御弁を使用することによって、再循環反応物質を加える前の反応物質サブストリームの流量を調整することもできる。これとは別に、又はこれに加えて、弁を、好ましくは自動流量調整弁などの自動制御弁を使用することによって、再循環反応物質の追加後の反応物質サブストリーム(すなわち、新鮮な反応物質と再循環反応物質との組み合わせ)の流量を調整することもできる。再循環反応物質の流量と、(i)再循環反応物質の追加前の反応物質サブストリーム、及び(ii)再循環反応物質の追加後の反応物質サブストリーム、の少なくとも一方の流量とを制御することにより、反応器を通る反応物質の流量を制御することが可能になり、これによって各反応列が所望のCO変換率又は生成物選択性を満たすことが保証される。
【0086】
1つの実施形態では、反応器が一部を成す反応列を通る反応物質サブストリームの流量を調整し、この同じ反応列内に供給される反応物質サブストリームの組成を調整することにより、反応器内の発熱反応の進行を制御することができる。
【0087】
さらなる実施形態では、少なくとも1つの反応器が一部を成す反応列を通る反応物質サブストリームの流量を調整することによって少なくとも1つの反応器内の発熱反応の進行が制御されるとともに、少なくとも1つのさらなる反応器が一部を成す反応列を通る反応物質サブストリームの組成を調整することによって少なくとも1つのさらなる反応器内の発熱反応の進行が制御される。
【0088】
本発明の方法は、現在のプロセスの性能と少なくともと同等の性能を提供するという利点をもたらす。具体的には、発熱反応がフィッシャートロプシュプロセスである場合、反応物質供給ストリームにおける合成ガスからのCOの変換は、約70%以上、好ましくは約75%以上、好ましくは約80%以上、好ましくは約85%以上、好ましくは約90%以上、好ましくは約91%以上、好ましくは約92%以上とすることができる。いくつかの実施形態では、この変換を、約88%〜約95%、又は約90%〜約94%、又は約91%〜約93%とすることができる。反応生成物内のメタンの選択性は、約0.01%〜約15%、又は約0.01%〜約10%、又は約1%〜約5%、又は約3%〜約9%、又は約4%〜約8%とすることができる。
【0089】
個々の反応列の分離
上述したように、本発明の方法の利点は、特に反応物質供給ストリームが少なくとも3つの反応物質サブストリームに分割される場合、個々の反応列をシステムから分離すると同時に残りの反応列を動作状態に維持し、これらの動作に対する影響を最小化できる点である。このことは、発熱プロセスにおいて不均一系触媒が使用され、この触媒の性能が時間と共に低下して何らかの時点で再生が必要になる場合に特に有利である。触媒の再装填が必要な場合にも有用となり得る。
【0090】
具体的には、反応列の分離は、(i)第2の冷却剤リザーバに関連する第2の冷却剤循環システムを準備し、(ii)分離すべき反応列からの熱が伝わった冷却剤を第2の冷却剤リザーバに向け直し、(iii)ステップ(c)における分離すべき反応列への冷却剤の供給を停止すると同時に、第2の冷却剤リザーバから分離すべき反応列へ第2の冷却剤の供給を開始する、ことによって行うことができる。
【0091】
ステップ(iii)後には、プロセスから分離された反応列の動作条件を変更して触媒の再生を可能にすることができる。これとは別に、又はこれに加えて、反応列を分離しながら触媒を再装填することもできる。
【0092】
触媒の再生(又は再装填)が完了し、分離された反応列をオンラインに戻す場合には、反応列を分離する際に行ったステップを確実に逆に実行することが重要である。この点、分離された反応列の再導入は、(iv)ステップ(c)における冷却剤ストリームを分離された反応列に再導入すると同時に、第2のリザーバから分離された反応列へ第2の冷却剤の供給を停止し、(v)分離された反応列内の反応器の動作条件が分離されなかった反応器の動作条件に一致するまでプロセスを実行し、(vi)分離された反応列からの熱が伝わった冷却剤を単一の共通リザーバに向け直す、ことによって行うことができる。
【0093】
この順序でステップを実行することにより、プロセス全体を通じてオンラインのままである反応列の動作に対する影響を最小限に抑えながら、分離された反応列が確実にオンラインに戻れるようになる。
【0094】
第2の冷却剤は、ステップ(c)において反応列に供給される冷却剤と同じもの又は異なるものとすることができる。
【0095】
したがって、1つの態様では、本発明は、共通する第1の冷却剤リザーバから第1の冷却剤が供給される複数の反応列を含む発熱反応プロセス回路から反応列を分離する方法であって、各反応列は、反応物質サブストリームが供給される反応器を含み、
反応器内で発熱反応を実行して、反応生成物と、熱が伝わった第1の冷却剤とを生成するステップと、
第2の冷却剤リザーバに関連する第2の冷却剤循環システムを準備するステップと、
分離すべき反応列からの熱が伝わった第1の冷却剤を第2の冷却剤リザーバに向け直すステップと、
分離すべき反応列への第1の冷却剤の供給を停止すると同時に、第2の冷却剤リザーバから分離すべき反応列に第2の冷却剤の供給を開始するステップと、
を含む方法を提供する。
【0096】
異なる時点に異なる反応列を全体的なプロセスから分離し、したがって特に触媒の再生に関して異なる「履歴」を有する反応列を有することができる能力は、本発明の方法に特有のものである。
【0097】
さらなる態様では、本発明は、共通冷却剤リザーバから第1の冷却剤が供給される複数の反応列を含む発熱反応プロセス回路から分離された反応列を再導入する方法であって、各反応列は、反応物質サブストリームが供給される反応器を含み、
各反応列の反応器内で発熱反応が実行されて、反応生成物と、熱が伝わった第1の冷却剤とが生成され、
分離された反応列に、第2の冷却剤リザーバから第2の冷却剤が供給され、上記方法は、
分離された反応列への第2の冷却剤の供給を停止すると同時に、分離された反応列への第1の冷却剤の供給を開始するステップと、
分離された反応列の反応器の動作条件が分離されなかった反応器の動作条件に一致するまでプロセスを実行するステップと、
分離された反応列からの熱が伝わった第1の冷却剤を共通冷却剤リザーバに向け直すステップと、
を含む方法を提供する。
【0098】
単一の共通冷却剤循環システムを複数の反応列と共に使用することにより、効率的かつ容易に発熱プロセスを開始できるようにもなる。
【0099】
発熱反応の開始
したがって、1つの態様では、本発明は、発熱反応を開始する方法であって、
(a)それぞれが少なくとも1つの反応器を含む少なくとも2つの別個の反応列を準備するステップと、
(b)各反応列内に供給される冷却剤を含む単一の共通リザーバを含む共通冷却剤循環システムを準備するステップと、
(c)各反応列への冷却剤の循環を開始するステップと、
(d)反応器の圧力を所望の反応圧に上昇させるステップと、
(e)各反応列内に反応物質供給ストリームを供給するステップと、
(f)単一の共通リザーバの温度を上昇させる一方で、各反応列を通る反応物質供給ストリームのGHSVを、所望の範囲の発熱反応が得られるように調整するステップと、
を含む方法を提供する。
【0100】
第1の冷却剤と第2の冷却剤は、同じもの又は異なるものとすることができる。
【0101】
別の態様では、本発明は、反応列に含まれる開始反応器において発熱反応を開始する方法であって、
(a)それぞれが少なくとも1つの反応器を含む複数の反応列を準備するステップと、
(b)発熱反応を開始すべき開始反応器を含む反応列を除く各反応列内に供給される第1の冷却剤を含む単一の共通リザーバを含む共通冷却剤循環システムを準備するステップと、
(c)開始反応器を含む反応列内に供給される第2の冷却剤を含む第2の冷却剤リザーバに関連する第2の冷却剤循環システムを準備するステップと、
(d)開始反応器内の圧力を所望の反応圧に上昇させるステップと、
(e)開始反応器を含む反応列内に反応物質供給ストリームを供給するステップと、
(f)開始反応器の動作条件が、開始反応器から排出された冷却剤を共通冷却剤循環システムに再導入できるようになるまでプロセスを実行するステップと、
(g)開始反応器を含む反応列への第1の冷却剤の供給を開始すると同時に、開始反応器を含む反応列への第2の冷却剤の供給を停止するステップと、
(h)開始反応器を含む反応列から単一の共通リザーバに第1の冷却剤を向け直すステップと、
を含む方法を提供する。
【0102】
発熱反応によっては、最初に非常に高速で進行して大量の熱を放出するものもある。このような発熱反応は、発熱反応の開始中及び開始後に、個別分離制御下にある反応器内で実行されることによって恩恵を受けることができる。この個別分離制御は、共通冷却剤循環システムとは異なる第2の冷却剤循環システムを使用して行うことができる。開始反応器に個別分離制御をもたらす方法を使用すると、開始反応器の動作条件を分離制御することができ、発熱反応の初期段階中における熱暴走を防ぐのに役立つことができる。
【0103】
この開始反応器の個別分離制御を行う方法は、開始反応器及び共通冷却剤循環システムによる供給を受ける反応器の両方における発熱反応からの生成物の損失を避けるために、開始反応器の動作条件又は発熱放出が、開始ループ内に存在せずに共通冷却剤循環システムによる供給を受ける反応器の動作条件又は発熱放出にさらに密接に一致するようになるまで維持することができる。この段階に達すると、生成に対する影響を最小限に抑えた状態で開始反応器を共通冷却剤循環システムに再導入することができる。
【0104】
冷却剤が二相冷却剤である場合には、開始反応器の動作条件が、開始反応器から排出された冷却剤の圧力が共通冷却剤循環システム内の圧力以上になり、任意に共通冷却剤システム内の圧力よりも最大で100psi高くなった時に、開始反応器から排出された冷却剤を共通冷却剤循環システムに再導入することができる。
【0105】
この分離的開始方法は、後述する
図1に示すシステム上で実行することができる。
【0106】
本明細書で使用する「開始反応器」という用語は、発熱反応が始動又は開始される時間中の反応器を意味するために使用するものである。
【0107】
第1の冷却剤と第2の冷却剤は、同じもの又は異なるものとすることができる。使用する冷却剤のタイプは、上述した冷却剤と同じものとすることができる。
【0108】
第2の冷却剤リザーバは、約25〜約300℃、約100〜約300℃、又は約200〜約225℃、又は約200〜約220℃、又は約205℃の温度で動作することができる。第2の冷却剤リザーバは、約100〜約15,000kPa、又は約100〜約8600kPa、又は約450〜約4100kPa、又は約450〜約3400kPa、又は約1200〜約2600kPa、又は約1200〜約2100kPa、又は約1200〜約1900kPaの圧力で動作することができる。
【0109】
1つの実施形態では、冷却剤が水である場合、第2の冷却剤リザーバは、100〜300℃の、(例えば、発熱反応がFTプロセスである)1つの実施形態では200〜225℃、又は200〜220℃、又は約205℃の温度、及び約100〜約8600kPa、約100〜約3400kPaの、1つの実施形態では約1200〜約2600kPa、又は約1200〜約2100kPa、又は約1200〜約1900kPa、又は約1700〜約1900kPaの圧力で動作する第2の蒸気ドラムとすることができる。
【0110】
この分離的開始方法では、第2の冷却剤リザーバが、約180psi〜約250psi(約1240kPa〜約1725kPa)の圧力で動作することができる。この圧力は、発熱反応がフィッシャートロプシュ反応である場合に特に有用である。
【0111】
この分離的開始方法では、開始反応器を温度勾配に曝して反応を開始することができる。第2の冷却剤リザーバを用いて、12〜24時間にわたって温度勾配をもたらす。この温度勾配は、温度を周囲温度から約170℃〜約214℃に、例えば約205℃〜約214℃に上昇させることができるものである。これらの温度は、発熱反応がフィッシャートロプシュ反応である場合に特に有用である。
【0112】
冷却剤が、発熱反応によって生じる熱よりも低い沸点を有する流体(例えば、液体)である場合、部分的相変化を受けることによって反応から熱を除去して二相冷却剤をもたらす。温度勾配中、反応器から排出される際の二相冷却剤の温度及び圧力は、開始温度及び開始圧から約205℃及び250psiに上昇する。この温度及び圧力の上昇は、発熱反応がフィッシャートロプシュ反応である場合に見られることが多い。
【0113】
反応器温度の制御
別の実施形態では、本明細書で説明する単一の共通冷却剤リザーバ方法を、各反応列における冷却剤温度を個別に制御することが可能なシステム内に提供することができる。この実施形態は、規模の経済性を活用して生産単価を最小化するために反応列の生産能力を最大化する能力などの、上述した単一の共通冷却剤リザーバ方法に関連する利点を全てもたらす。しかしながら、この実施形態は、これに加えて反応列内の個々の反応器の個別温度制御も可能にする。
【0114】
したがって、本発明は、発熱反応からの熱を除去する方法であって、
(a)反応物質供給ストリームを少なくとも2つの別個の反応物質サブストリームに分割するステップと、
(b)反応器を含む別個の反応列内に各反応物質サブストリームを供給するステップと、
(c)共通冷却剤リザーバから各反応器内に冷却剤ストリームを供給するステップと、
(d)反応器内で発熱反応を実行して、反応生成物と、熱が伝わった冷却剤とを生成するステップと、
(e)各反応列からの熱が伝わった冷却剤を、単一の共通リザーバに供給して冷却剤から熱を除去するステップと、
(f)ステップ(e)において熱が除去された冷却剤をステップ(c)に戻すステップと、
を含み、
冷却剤は、発熱反応温度よりも低い沸点を有する流体であり、
ステップ(d)及び(e)における熱が伝わった冷却剤は二相冷却剤であり、
各反応器における発熱反応の進行が、二相冷却剤の圧力を調整することによって制御される、
方法を提供する。
【0115】
この実施形態のステップ(a)〜(f)は、上述したものと同じであり、この実施形態には、上述のステップについて説明した詳細が等しく当てはまる。この実施形態は、各反応器における発熱反応の進行の制御方法のみが異なる。
【0116】
上述したように、反応物質サブストリームは、反応列に沿って1又は2以上の反応器を通じて流れ、これが触媒に接触して発熱反応が生じる(ステップ(d))。発熱反応によって生じた熱は冷却剤に伝わり、したがって反応からの熱を除去する。したがって、ステップ(d)では、反応生成物と、熱が伝わった冷却剤とが生成される。
【0117】
冷却剤は、発熱反応温度よりも低い沸点を有する流体(例えば、液体)である。この冷却剤は、部分的相変化を受けることによって反応からの熱を除去して二相冷却剤をもたらす。したがって、ステップ(d)及び(e)において熱が伝わった冷却剤は二相冷却剤である。水が冷却剤である場合、蒸気が発生する。
【0118】
各反応器における発熱反応の進行は、二相冷却剤の圧力を調整することによって制御することができる。二相冷却剤の圧力を調整できると、二相冷却剤の沸点がさらに調整される。この圧力調整は、二相冷却剤が依然として反応列内に存在する間に、すなわち各反応列からの二相冷却剤が単一の共通リザーバ内に供給されるステップ(e)よりも前に反応器の下流で行われる。このように、圧力を用いて各反応列における発熱反応の進行を個別に制御することができる。二相冷却剤の圧力の上昇は、冷却剤の沸点の上昇をもたらす。これにより、十分な冷却を維持しながらさらに高い温度で発熱反応を行えるようになる。一方、二相冷却剤の圧力の低下は、冷却剤の沸点の低下を招く。この結果、より低い温度で発熱反応を行うことができる。このように、二相冷却剤の圧力を用いて、発熱反応の適切な温度制御を行うことができる。
【0119】
二相冷却剤の圧力は、弁を使用して、例えば背圧二相流制御又は前方流制御によって制御することができる。
【0120】
1つの実施形態では、反応器における発熱反応の進行を、二相冷却剤の圧力を調整するとともに、反応器が一部を成す反応列を通る反応物質サブストリームの流量を調整することによって制御することができる。
【0121】
1つの実施形態では、反応器における発熱反応の進行を、二相冷却剤の圧力を調整するとともに、同じ反応列内に供給される反応物質サブストリームの組成を調整することによって制御することができる。
【0122】
1つの実施形態では、反応器における発熱反応の進行を、二相冷却剤の圧力を調整するとともに、反応器が一部を成す反応列を通る反応物質サブストリームの流量を調整し、同じ反応列内に供給される反応物質サブストリームの組成を調整することによって制御することができる。
【0123】
1つの実施形態では、少なくとも1つの反応器における発熱反応の進行が、この少なくとも1つの反応器に関連する二相冷却剤の圧力を調整することによって制御される一方で、少なくとも1つのさらなる反応器における発熱反応の進行を、この少なくとも1つのさらなる反応器が一部を成す反応列を通る反応物質サブストリームの流量を調整することによって制御することができる。
【0124】
1つの実施形態では、少なくとも1つの反応器における発熱反応の進行が、この少なくとも1つの反応器に関連する二相冷却剤の圧力を調整することによって制御される一方で、少なくとも1つのさらなる反応器における発熱反応の進行を、この少なくとも1つのさらなる反応器が一部を成す反応列を通る反応物質サブストリームの組成を調整することによって制御することができる。
【0125】
1つの実施形態では、少なくとも1つの反応器における発熱反応の進行が、少なくとも1つの反応器に関連する二相冷却剤の圧力を調整することによって制御される一方で、少なくとも1つのさらなる反応器における発熱反応の進行を、この少なくとも1つのさらなる反応器が一部を成す反応列を通る反応物質サブストリームの流量を調整することによって制御できるとともに、少なくとも1つのさらに別の反応器における発熱反応の進行を、この少なくとも1つのさらに別の反応器が一部を成す反応列を通る反応物質サブストリームの組成を調整することによって制御することができる。
【0126】
この実施形態は、(上述した
図1に示す)個々の反応列を分離する方法と共に使用することもできる。
【0127】
以下、決して特許請求の範囲を限定するものではない以下の図及び実施例を参照しながら本発明をさらに説明する。