特許第6357597号(P6357597)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6357597-擬木柵における支柱と横木の連結構造 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6357597
(24)【登録日】2018年6月22日
(45)【発行日】2018年7月11日
(54)【発明の名称】擬木柵における支柱と横木の連結構造
(51)【国際特許分類】
   E04H 17/14 20060101AFI20180702BHJP
【FI】
   E04H17/14 102A
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-11445(P2018-11445)
(22)【出願日】2018年1月26日
【審査請求日】2018年4月10日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000201490
【氏名又は名称】前田工繊株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(72)【発明者】
【氏名】今泉 仁
【審査官】 土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−320194(JP,A)
【文献】 特開2015−134995(JP,A)
【文献】 特許第2603785(JP,B2)
【文献】 特開平11−241528(JP,A)
【文献】 実用新案登録第2505820(JP,Y2)
【文献】 特許第2891849(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 17/00 − 17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側面に凹部が形成された中空構造の支柱と、両端部が開口され、隣り合う支柱の凹部に嵌入されて横架された横木と、支柱と横木の開口端部との間を連結ボルトで連結する連結装置とを具備する擬木柵であって、
前記連結装置が支柱に貫挿して固着された両ねじ構造の連結ボルトと、
前記支柱の側面から突出した連結ボルトの軸部の他方に螺着されたテーパナットと、
前記横木の一方の開口端部の側面に横木の中心部へ向けて螺着された調整ボルトとを具備し、
テーパナット付きの連結ボルトが横木の一方の開口端部に内挿された状態で、前記横木の一方の開口端部が支柱の凹部に嵌入され、
横木の側面に螺着された調整ボルトの先端部がテーパナットのテーパ面に当接して滑動するまで締め付けられることで、横木の一方の開口端部が支柱側へ引き寄せられて位置決めされていることを特徴とする、
擬木柵における支柱と横木の連結構造。
【請求項2】
前記連結ボルトに対してテーパナットの小径側が支柱側へ向けて螺着されていることを特徴とする、請求項1に記載の擬木柵における支柱と横木の連結構造。
【請求項3】
前記支柱の側面から突出した連結ボルトの軸部に連結ナットが螺着されて前記連結ボルトが支柱に固着されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の擬木柵における支柱と横木の連結構造。
【請求項4】
横木の他方の開口端に横木ナットが内蔵されていて、前記支柱を貫挿した連結ボルトの他側の軸部が横木ナットに螺着されていることを特徴とする、請求項3に記載の擬木柵における支柱と横木の連結構造。
【請求項5】
前記連結ボルトが単数または複数の支軸で枢支した中折れ式ボルトであり、前記連結ボルトの支軸が支柱の中心部の空洞内に位置することを特徴とする、請求項1乃至4の何れか一項に記載の擬木柵における支柱と横木の連結構造。
【請求項6】
前記支柱または横木が、中空の芯管と、該芯管の表面を被覆した被膜層とにより構成されていることを特徴とする、請求項1乃至5の何れか一項に記載の擬木柵における支柱と横木の連結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は隣り合う支柱間に横木を横架した擬木柵における支柱と横木の連結構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
芯材となる金属菅の外周を合成樹脂で擬木状に被覆して製作した擬木材を支柱や横木等として組み立てた擬木柵は遊歩道や公園等に設置されている。
支柱に対する横木の連結方法としては、先行して支柱に連結ボルトを取り付けた後に横木を回転操作して螺着する方法と、一方の横木の開口端部に内挿する筒状の取付金具と、一方の横木の側面からねじ込む側方ボルトとを組み合せ、横木と取付金具の間を側方ボルトで連結する方法(特許文献1)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−18654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の支柱と横木の連結技術にはつぎのような問題点を有する。
<1>横木を回転操作して支柱に連結する方法にあっては、重量の重たい横木を複数の作業員が手で持ち、所定の連結角度を保ちながら横木を回転操作しなければならないために、横木の連結に多くの時間と労力を要し、施工性に問題がある。
<2>特許文献1に開示された連結方法は、側方ボルトを横木の下部側面から上向きに差し込んだ後に、筒状の取付金具を貫通して形成した二つのねじ穴に位置合せをしてねじ込む必要があるため、施工性に問題がある。
<3>特許文献1に開示された連結方法は、横木を間に挟み込んで締め付けるため、側方ボルトが緩み易く、横木に径方向と軸方向の両方向へ向けたガタツキを生じ易い。
【0005】
本発明は以上の点に鑑みて成されたもので、その目的とするところは簡易な施工によりガタツキのない状態で横木を支柱へ連結できる、擬木柵における支柱と横木の連結構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、側面に凹部が形成された中空構造の支柱と、両端部が開口され、隣り合う支柱の凹部に嵌入されて横架された横木と、支柱と横木の開口端部との間を連結ボルトで連結する連結装置とを具備する擬木柵における支柱と横木の連結構造である。
前記連結装置は支柱に貫挿して固着された両ねじ構造の連結ボルトと、前記支柱の側面から突出した連結ボルトの軸部の他方に螺着されたテーパナットと、前記横木の一方の開口端部の側面に横木の中心部へ向けて螺着された調整ボルトとを少なくとも具備している。
テーパナット付きの連結ボルトは横木の一方の開口端部に内挿された状態で、前記横木の一方の開口端部が支柱の凹部に嵌入されている。
横木の側面に螺着された調整ボルトの先端部がテーパナットのテーパ面に当接して滑動するまで締め付けられることで、横木の一方の開口端部が支柱側へ引き寄せられて位置決めされている。
【0007】
本発明においては、連結ボルトに螺着したテーパナットのにテーパ面に、横木の側面に螺着した調整ボルトの先端部が当接するまで締め付けるだけの簡単な作業で以て、支柱と横木の連結を行えるだけでなく、横木を支柱側へ引き寄せて支柱と横木の連結部にガタつきのない状態で連結することができる。
本発明の他の形態において、前記連結ボルトに対してテーパナットの小径側が支柱側へ向けて螺着されている。
本発明の他の形態において、前記支柱の側面から突出した連結ボルトの軸部に連結ナットが螺着されて前記連結ボルトが支柱に固着されている。
本発明の他の形態において、横木の他方の開口端に横木ナットが内蔵されていて、前記支柱を貫挿した連結ボルトの他側の軸部が横木ナットに螺着されている。
本発明の他の形態において、前記連結ボルトは軸部の両端部におねじを形成した一本ものの両ねじボルトでもよいが、単数または複数の支軸で枢支した中折れ式ボルトであってもよい。この場合、連結ボルトの支軸は支柱の中心部の空洞内に位置させる。
本発明の他の形態において、前記支柱または横木が、中空の芯管と、該芯管の表面を被覆した被膜層とにより構成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明は少なくとも次の効果を得ることができる。
<1>テーパナット付きの連結ボルトを横木の一方の開口端部に内挿した状態で、横木の側面に螺着した調整ボルトを締め付けるだけの簡易な施工により、支柱と横木の連結を行えるだけでなく、横木を支柱側へ引き寄せて支柱と横木の連結部にガタつきのない状態で強固に連結することができる。
<2>テーパナットのテーパ面の形成範囲に亘って横木の引き寄せが可能であるため、連結ボルトに対するテーパナットの螺着位置が多少不正確であっても、支柱と横木の連結部のガタつきを解消することができる。
<3>何らかの原因で連結部が緩んでも調整ボルトを再度締付けするだけで連結部のガタツキを解消できる。
<4>横木に外力等が作用しても調整ボルトやテーパナットが緩まないので、長期間に亘って良好な連結状態を保持できる。
<5>連結ボルトに中折れ式ボルトを用いた場合は、支柱に対する横木の連結角度を任意に選択して連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る一部を破断した擬木柵の斜視図
図2】支柱と横木の連結部の水平断面図
図3】擬木柵の組立て方法の説明図であって、(A)は連結ボルトを用いて左方(一方)の横木と支柱の間を嵌合させるまでの擬木柵の組立て斜視図、(B)は連結ボルトを用いて左方(一方)の横木と支柱の間を嵌合させた嵌合部の水平断面図
図4】擬木柵の組立て方法の説明図であって、(A)は横木と支柱の間を連結した擬木柵の組立て斜視図、(B)はその連結部の水平断面図
図5】擬木柵の組立て方法の説明図であって、(A)は右方(他方)の横木に調整ボルトを螺着する擬木柵の組立て斜視図、(B)はその連結部の拡大水平断面図
図6】実施例2に係る支柱と横木の連結部の水平断面図
図7】実施例3に係る支柱と横木の連結部の水平断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明について説明する。
【0011】
[実施例1]
<1>防護柵の概要
図1,2に例示した擬木柵について説明すると、擬木柵は間隔を隔てて立設した複数の支柱10と、隣り合う支柱10の間に横架した複数の横木20と、支柱10と横木20の間を連結する連結装置30とを具備する。
【0012】
支柱10および横木20は、芯管10a,20aの外周を擬木状の被覆層10b,20bで被覆して一体化した公知の擬木材からなる。
芯管10a,20aは断面形状が円形を呈する公知の中空管体であり、例えば鋼管、アルミ管、樹脂管、紙管等を含む。
被覆層10b,20bは、例えば硬質樹脂、軟質樹脂、コンクリート等を含む。
【0013】
<2>支柱
支柱10の側面には横木20の取付け高さに合せて横木20の端部を収容可能な有底構造の凹部11が形成されていると共に、一対の凹部11,11間に挿通孔12が形成されている。
【0014】
<3>横木
横木20はその両端部が開放されている。
横木20の右方(一方)の開口端部20cには横木20の同心位置に横木ナット21が一体に固着してある。
横木20の左方(他方)の開口端部20dの側面には半径方向または軸芯へ向けて側部ボルト孔22が形成してあり、側部ボルト孔22は他方の開口端部20dの内空と連通している。
なお、隣り合う支柱10の間に横架する横木20の本数は図1で例示した2本に限定されず、1本または3本以上でもよい。
【0015】
<4>連結装置
本例で例示した連結装置30について説明すると、連結装置30は支柱10に貫挿可能な長さを有する連結ボルト31と、連結ボルト31の右方の軸部に螺着した連結ナット32と、連結ナット32の外方であって連結ボルト31の右方の軸部に螺着したテーパナット33と、テーパナット33のテーパ状の側面に当接可能な調整ボルト34とを具備する。
連結ナット32とテーパナット33は共に横木20の左方の開口端部20dに内挿可能な寸法関係にある。
【0016】
<4.1>連結ボルト
連結ボルト31は軸部の両側におねじを形成した一本ものの両ねじボルトであり、支柱10の挿通孔12に貫挿可能の全長を有している。
連結ボルト31はその左方(一方)の軸部に横木20の開口端部20cに固着して設けた横木ナット21に螺着可能なおねじが形成されていて、その右方(他方)の軸部に連結ナット32およびテーパナット33を螺着可能なおねじが形成されている。
【0017】
<4.2>連結ナット
連結ナット32は連結ボルト31に螺着可能なナットであり、連結ボルト31と連結ナット32との組み合わせにより左方の横木20と支柱10間のボルト連結が可能である。
【0018】
<4.3>テーパナット
テーパナット33は調整ボルト34と協働して支柱10と右方の横木20との間を連結するためのテーパ状のナットであり、その外周がテーパ面33aとして形成されている。テーパ面33aの勾配や軸長は適宜選択する。
【0019】
<4.4>調整ボルト
調整ボルト34は横木20の側部ボルト孔22に螺合可能なボルトであり、テーパナット33と協働して右方の横木20を支柱10の離隔方向へ向けて付勢するために機能する。
調整ボルト34は横木20の外部からねじ込んだときに調整ボルト34の先端部がテーパナット33のテーパ面33aに当接可能な全長を有している。
調整ボルト34としては景観性に優れた六角穴付きボルトが好適であるが、六角ボルト等の公知のボルトを適用してもよい。
また本例では調整ボルト34の先端部が円錐形を呈する形態について示しているが、調整ボルト34の先端部の形状は半球状やフラット形状でもよい。
【0020】
[支柱と横木の連結方法]
連結装置30を用いた支柱10と左右一対の横木20,20間の連結方法について説明する。本例では左方の横木20と支柱10間を先行して連結した後に、右方の横木20と支柱10間を連結する形態について説明する。
【0021】
1.左方の横木と支柱間の連結
左方の横木20と支柱10間の連結方法について説明する。
【0022】
<1>連結ボルトのねじ込みセット(図3
鉛直に立設した支柱10に対し左方の横木20を水平に向けて配置する。
この横木20の右方の開口端部20cを支柱10の対向する凹部11に嵌入させた後、挿通孔12を通じて支柱10の右方側から差し込んだ連結ボルト31の軸部を横木20の横木ナット21にねじ込む。
ねじ込みを終えた連結ボルト31の右方の軸部は支柱10の凹部11から突出している。
【0023】
<2>連結ナットの締付け(図4
支柱10から突出する連結ボルト31の右方の軸部に座金を介して連結ナット32を螺着して左方の横木20と支柱10の間を連結する。
連結ナット32を締め付けることで左方の横木20が支柱10に引き寄せられる。
左方の横木20の右方端が支柱10の凹部11の平らな底面に押し当たることで支柱10と左方の横木20との連結部にガタつきがなくなる。
【0024】
このように、支柱10に貫挿した連結ボルト31の先端を左方の横木20の横木ナット21にねじ込んだ後に、連結ナット32で締め付けるだけの簡単な操作で以て左方の横木20と支柱10との間をガタつきのない状態で連結することができる。
【0025】
2.右方の横木と支柱間の連結
つぎに右方の横木20と支柱10間の連結方法について説明する。
【0026】
<1>テーパナットの位置合わせ(図4
右方の横木20と支柱10間の連結準備として、支柱10の右方に突出する連結ボルト31の軸部にテーパナット33を螺着する。このとき、テーパ面33aの小径側を連結ナット32へ向けて螺着する。
テーパナット33の螺着にあたっては、横木20の左方の開口端部20dを支柱10の凹部11に嵌入させたときに、横木20の側部に螺着した調整ボルト34の先端部がテーパナット33のテーパ面33aと当接し得るように、連結ボルト31に対するテーパナット33の螺着位置を予め調整しておく。
【0027】
<2>右方の横木のセット(図4
テーパナット33付きの連結ボルト31を横木20の左方の開口端部20dに内挿しながら、横木20の左方の開口端部20dを支柱10の凹部11に嵌入する。
【0028】
<3>調整ボルトの螺着(図5
右方の横木20の側面に形成した側部ボルト孔22に調整ボルト34を螺着する。
調整ボルト34の先端部が横木20の中心部に突出してテーパナット33のテーパ面33aに当接するまで調整ボルト34をねじ込んで支柱10と右方の横木20の間を連結する。
調整ボルト34の先端部がテーパナット33のテーパ面33aに当接することで、右方の横木20が位置決めされて抜け出しが規制される。
【0029】
横木20の側部ボルト孔22を真横に向けると調整ボルト34の螺着作業を簡単に行えるが、側部ボルト孔22の向きに制約は特になく、現場に応じて側部ボルト孔22の向きを選択してもよい。
さらに調整ボルト34の螺着本数は1本に限定されず、等間隔に複数本の調整ボルト34を螺着するようにしてもよい。
【0030】
<4>ガタツキの解消(図5
調整ボルト34の先端部をテーパナット33に単に当接させただけでは、支柱10と右方の横木20の連結部にガタつきを生じ易い。
このガタツキをなくすために調整ボルト34を更にねじ込むと、調整ボルト34の先端部がテーパナット33の傾斜したテーパ面33aに沿って滑動し、調整ボルト34の先端部がテーパ面33aの大径側から縮径側へ向けて滑動することで横木20が支柱10側へ引き寄せられる。
右方の横木20の左方端が支柱10の凹部11の底面に押し当たることで、支柱10と右方の横木20との連結部にガタつきが解消される。
【0031】
調整ボルト34をねじ込むことでテーパナット33のテーパ面33aに押圧力が作用しても、調整ボルト34やテーパナット33が緩まないので、調整ボルト34に対するテーパナット33の螺着位置が変位しない。
したがって、横木20に外力等が作用しても支柱10と右方の横木20との連結部が緩むことがなく、長期間に亘って良好な連結状態を保持できる。
仮に何らかの原因で連結部が緩んでも調整ボルト34を再度締付けするだけで連結部のガタツキを解消できる。
【0032】
調整ボルト34が滑動し得るテーパ面33aの軸長の範囲に亘って右方の横木20の引き寄せが可能であるため、連結ボルト31に対するテーパナット33の螺着位置が多少不正確であっても支柱10と右方の横木20の連結部のガタつきを吸収することができる。
【0033】
このように調整ボルト34を締付けるだけの簡単な操作で以て、右方の横木20を支柱10に引き寄せして、ガタつきを解消した状態で強固に連結することができる。
【0034】
[実施例2]
以降に他の実施例について説明するが、その説明に際し、前記した実施例と同一の部位は同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0035】
<1>本実施例の構成
先の実施例1では支柱10に対する左右の各横木20,20の連結手段が異なる形態について説明したが、図6に示すように連結ボルト31の左右両側の軸部にそれぞれテーパナット33を設けると共に、左右両側の横木20,20にそれぞれ調整ボルト34,34を螺着して左右同一の連結構造としてもよい。
なお、本例にあっては、連結ボルト31に螺着予定の一対の連結ナット32,32のうちの何れか一方を省略して連結することも可能である。
【0036】
<2>本実施例の効果
本実施例にあっては、各調整ボルト34を締付けることで、1本の支柱10に対して左右両側の横木20,20の間をガタつきのない状態で連結することができる。
【0037】
[実施例3]
図7を参照して、連結装置30の構成部材のひとつである連結ボルト31が中折れ式ボルトで構成して、支柱10に対して左右の横木20,20を屈曲させて連結しえるようにした他の実施例について説明する。
連結装置30の基本構成と連結装置30の使用方法については、既述した実施例と同様であるので詳しい説明を省略する。
【0038】
<1>連結ボルト
本例の連結ボルト31はその軸部が二分されていて、軸部の突き合せ端が支軸35を介して回動自在に連結されている。二分された各軸部にはそれぞれおねじが形成されている。
連結ボルト31の枢支構造は本例で例示した構造に限定されるものではなく、支軸35を中心として軸部の屈曲角度を任意に調整できる構造であればよい。
本例では連結ボルト31の支軸35が1つの形態について例示するが、複数の支軸35を設けたボルトを使用してもよい。
【0039】
<2>支柱
支柱10の側面には横木20,20の連結角度に合せた有底構造の凹部11,11が形成されていると共に、一対の凹部11,11間に屈曲した挿通孔12が形成されている。
連結ボルト31は屈曲した挿通孔12に対して挿通可能であり、連結ボルト31の支軸35を支柱10の中心部の内空に位置させる。
連結ボルト31は支軸35を中心として軸部の屈曲角度を任意に調整して設置することができる。
連結ボルト31の設置に際し、支軸35は鉛直に向けて配置する以外に連結ボルト31全体を回動させることで鉛直以外の方向に向けて配置することも可能である。
支軸35を鉛直以外の方向に向けて配置した場合には隣り合う一対の横木20,20に対して水平方向に屈曲させるだけでなく、高さ方向の勾配を付与することも可能となる。
【0040】
<3>本実施例の効果
本実施例にあっては先の実施例1,2の効果にくわえて、支柱10に対する横木20の連結角度を任意に選択して連結することができる。
【符号の説明】
【0041】
10・・・・・支柱
10a・・・・芯管
10b・・・・被覆層
11・・・・・凹部
12・・・・・挿通孔
20・・・・・横木
20a・・・・芯管
20b・・・・被覆層
20c・・・・横木の右方(一方)の開口端部
20d・・・・横木の左方(他方)の開口端部被覆層
21・・・・・横木ナット
22・・・・・側部ボルト孔
30・・・・・連結装置
31・・・・・連結ボルト
32・・・・・連結ナット
33・・・・・テーパナット
33a・・・・テーパナットのテーパ面
34・・・・・調整ボルト
35・・・・・支軸
【要約】
【課題】簡易な施工によりガタツキのない状態で横木を支柱へ連結できる、擬木柵における支柱と横木の連結構造を提供すること。
【解決手段】連結装置30を使用して支柱10の凹部11に嵌合させた横木20と支柱の間を連結する擬木柵の連結構造であって、連結装置30は支柱10に貫挿して固着された両ねじ構造の連結ボルト31と、支柱10の側面から突出した連結ボルト31の軸部の他方に螺着されたテーパナット33と、横木20の一方の開口端部の側面に横木20の中心部へ向けて螺着された調整ボルト34とを具備し、横木20の側面に螺着された調整ボルト34の先端部がテーパナット33のテーパ面33aに当接して滑動するまで締め付けられる。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7