【課題を解決するための手段】
【0047】
<<第一発明>>
第一発明は(請求項1:
図6参照)、複数の負荷群に電源から給電する負荷群への給電装置であって、該給電装置が、電源から受電してなる電源ラインと、複数の、一端が前記電源ラインに接続されたコードであって、該コードの他端にコンセントをもち、かつ、該コードに伸縮手段が当接されている、または、複数の、一端が前記電源ラインに接続されたコードであって、該コードの他端にコンセントをもち、かつ、該コードが巻取り回転力の付与手段をもつ巻取りボビンに巻き取られている延長コンセント群を具備し、該延長コンセント群は、前記伸縮手段の縮小力による縮み状態、または、前記巻取りボビンの巻取り回転力による巻取り状態で該給電装置内に収容される収容状態となる一方、他端のコンセントを引っ張ることによって、前記伸縮手段が伸び状態となり、縮小力が徐々に増されつつ延長される、または、他端のコンセントを引っ張ることによって、前記巻取りボビンが繰り出し回転して巻取り回転力が徐々に増されつつ延長される漸次収容力増強の緊張状態となるものであり、前記複数の延長コンセント群を隣接させ、該隣接部位にて延長コンセント群のコード同士が絡み合わないように分離する分離手段が配設されている、ことを特徴とした負荷群への給電装置である。
【0048】
第一発明の主たる要素は、「電源ライン」「延長コンセント群」「延長コンセントの自在引出/収納手段」「コンセント群のコード同士の分離手段」である。第一発明の給電装置「1」を
図6に例示した。
この例は、電源ライン(図示されず)をパナソニックのファクトライン(登録商標)という電線ダクト型の電源ラインを利用している。(ファクトライン(登録商標)について、および、電源ラインに関する補足は後述する)
【0049】
<第一発明の「延長コンセント群」>
「延長コンセント群」は、コンセント「C0」を延長させる仕組みであり、第一発明の装置はそれを複数もっている。すなわち、
図6のコンセント「C0」は、延長コンセント「CL」として延長できる。より具体的にはリーラコンセント型の延長コンセント「CX」として、負荷である「6」(複数スマホ・複数タブレットを一斉充電するマルチ充電スタンド(クレードル))に給電すべく延長でき、普段は収納されている。
【0050】
この延長と収納の仕組みは
図6には明示されていないので、
図21に示す。すなわち、コードに伸縮手段が当接されている、または、複数の、一端が前記電源ラインに接続されたコードであって、該コードの他端にコンセントをもち、かつ、該コードが巻取り回転力の付与手段をもつ巻取りボビンに巻き取られている。これが、「延長コンセントの自在引出/収納手段」である。
【0051】
「延長コンセント群」は、前記伸縮手段の縮小力による縮み状態、または、前記巻取りボビンの巻取り回転力による巻取り状態で給電装置内に収容される収容状態となる一方、他端のコンセントを引っ張ることによって、前記伸縮手段が伸び状態となり、縮小力が徐々に増されつつ延長される、または、他端のコンセントを引っ張ることによって、前記巻取りボビンが繰り出し回転して巻取り回転力が徐々に増されつつ延長される漸次収容力増強の緊張状態となる。
【0052】
<第一発明の「分離手段」>
「コンセント群のコード同士の分離手段」は、
図9(a)の「SP」として示されるように、コードが隣接する部位の境界に板状のもの、とくに材質は絶縁性が高く軽量なプラスチック材を用いて成形したものを配設するのが望ましい。このコードの延長部位が絡み合わないように分離する分離手段「SP」は、
図10、
図22(a)、
図23(a)、
図24、および、
図27(a)(b)にも示されている。
【0053】
分離手段「SP」の機能である、「隣接した複数の延長コンセント群(または延長プラグ群)の該隣接部位にて延長コンセント群(または延長プラグ群)のコード同士が絡み合わないように分離する」機能は、これらの
図10、
図22(a)、
図23(a)、
図24、および、
図27(a)(b)で示されている態様すべてにおいて同様である。
【0054】
<第一発明の「伸縮手段」「巻取り回転力による巻取り」>
図21(a)が、リーラコンセント型の延長コンセント「CX」のA0の延長部位「AL(図示せず)」に当接された伸縮手段「B1」の説明である。「AL」は「A0」の一部であって、引き出され離隔部位へ給電する、または、離隔部位にて受電する部位である。延長コンセント「CX」は、
図21(a)の収納状態では、「B1」の縮小力による縮み状態である一方、
図21(b)のようにコンセントが引っ張られることによって、伸縮手段「B1」が伸び状態となり、縮小力が徐々に増されつつ延長される。
このとき、伸縮手段「B1」は伸び状態となり、縮小力が徐々に増されつつ延長される漸次収容力増強の緊張状態である。
【0055】
図21(c)(d)は、巻取りボビン(ドラム)型の延長コンセント「CZ」の巻取りボビン「B2」と巻取り回転力を付与する手段「B3」を図示している。
図21(c)に示す収納状態では、巻取りボビン「B2」の巻取り回転力による巻取り状態で給電装置内に収容される収容状態となる一方、
図21(d)のようにコンセントを引っ張ることによって、巻取りボビンが繰り出し回転して巻取り回転力が巻取り回転力を付与する手段「B3」によって徐々に増されつつ、A0の延長部位「AL(図示せず)」が延長され、かつ、漸次収容力増強の緊張状態となる。
【0056】
ここで、延長コンセントのAL (A0の延長部位であって、引き出され離隔部位へ給電する、または、離隔部位にて受電する部位)、すなわちコードを、「カールコード」(あるいは「コイルドケーブル」)としてもよい(非特許文献5参照)。
【0057】
この場合、カールコードの製法時に高温状態でコードを被覆するプラスチック材/ゴム材に与えられた巻取り(カールもしくはコイルド)テンションが冷却後にも残留して、前記の伸縮手段「B1」あるいは前記の巻取り回転力を付与する手段「B3」と同様に、コンセントを引っ張ることによって、巻取り(カールもしくはコイルド)テンションが増し、漸次収容力増強の緊張状態となる。
このことは「コードに伸縮手段が当接されている」ということと同義であって、この場合コード被覆材のプラスチック材/ゴム材自体が伸縮手段となっている。
【0058】
<第一発明の「防水機能付き自在開閉手段」>
次に、給電装置の防水機能付き自在開閉手段を説明する。
図6に例示した第一発明の給電装置「1」に防水機能付き自在開閉手段(フタ)「Y」が配設されていて、
図6にては、4本の延長コンセントが引き出された状態で開閉手段(フタ)は、やや半開きの開状態「YO」を示している。
これは延長作業の途中を示すものでわかりにくいので以下に別図を用いて防水機能付き自在開閉手段を詳しく説明する。
【0059】
防水機能付き自在開閉手段(フタ)について、
図9(b)に「4つすべてが開状態「YO」」を示す。そして
図9(c)に、「4つのうち2つが閉状態「YC」」を示す。このように、延長コンセントを引き出す際には、開状態としてコンセント「C0」を引き出して所望の位置にコンセント「C0」を移動すれば良い。
【0060】
図11が、防滴防水機能付き自在開閉手段(フタ)のコード引出部を示したものである。コード引出部には、「yc」「yo」で示される「Y」にてA0を通線する部位をカバーする大きさの、さらに小さな「コード引出部自在開閉手段(子ブタ)」が配設されている。「yc」はその閉状態、「yo」はその開状態である(
図11(a)(b)参照)
【0061】
コード引出部自在開閉手段(子ブタ)には、
図11(a)(b)の図中に「yx」で示す、A0を弾力と可塑性ある材料で覆い密着し防滴防水効果を得るための帽子ツバ状構造が配設されるのが好ましい。この帽子ツバ状構造が弾力と可塑性でA0を覆うので、顕著な防滴防水効果が得られる。
すなわち、
図12(b)(c)のように、「子ブタ」を開けた状態でコード「A0」を出し入れし、
図12(a)のように「子ブタ」を閉じて密閉する。なお、このとき、自在開閉手段(フタ)「Y」は閉状態でもコードA0を出し入れできるので作業しやすく便利である。
【0062】
図9(b)(c)、および、
図11・
図12で説明した「Y」「yc」「yo」「yx」によって、延長コンセントが避難所などの屋外で展開されるときに良好な防水防滴効果が得られる。このような効果は、従来のマルチコネクタや電工ドラムでは得られないもので、しばしば発生する屋外でのタコ足配線のための短絡事故やコード発火による火災発生を未然に防ぐ効果が得られる。
【0063】
<第一発明の効果>
第一発明によれば、
図4が
図7のようになる。すなわち、
図7は第一発明を
図4の条件で適用した際の、(a)コード展開(b) コード収容状態を示す図である。ここで、
図4と
図7(a)を対比する限りにては、単に従来のマルチコネクタを「給電装置」なるものに置換しただけで大差ないと誤解されるが、大きな違いから来る効果がある。
【0064】
第一の相違は、
図7(b) コード収容状態として、コード展開する前に給電装置を所望の位置に簡便にスタンバイできるということである。これに対して、従来の
図4の場合は、マルチコネクタに加えて、種々の長さのコードをそれぞれのマルチコネクタ位置に持っていかなくてはならず、これは実際には非常に手間の食う煩わしい作業である。そして、各長さコードを個別に負荷と接続していくのだが、緊急時にこのような作業を行うことは好ましいことではない。
これに対して、第一発明の給電装置をもちいれば、
図7(b) コード収容状態として、各コードの長さを気にすることなく所望の位置に並べ、その上で個々の給電装置から延長コンセントを展開していけばよく、作業負荷としてはより軽減されたものになる。
【0065】
第二の相違は、避難所などの屋外でこのような延長コード展開がなされるとき、良好な防水防滴効果を維持できることである。これについては、
図9(b)(c)、および、
図11・
図12で説明した「Y」「yc」「yo」「yx」によるもので、従来のマルチコネクタ等では得られない効果である。
【0066】
第三の相違は、従来
図5のように備蓄困難だった長物延長コードおよび複数のケーブル長物を備蓄する長物ケーブル懸架台「Z」が不要になるばかりか、
図8に示すようにコンパクトな積上げ備蓄も可能で、スペース節約が重要である備蓄倉庫にとって非常に有効である。
【0067】
<第一発明:二次電池に対する態様>
第一発明の態様として、次のようなものがある。すなわち(請求項2)、第一発明の負荷群への給電装置が、前記の延長コンセント群とともに、ひとつ以上の、一端が前記電源ラインに接続されたコードであって、該コードの他端にプラグをもち、かつ、該コードが巻取り回転力の付与手段をもつ巻取りボビンに巻き取られている延長プラグまたは延長プラグ群を兼備し、該延長プラグまたは該延長プラグ群は、前記伸縮手段の縮小力による縮み状態、または、前記巻取りボビンの巻取り回転力による巻取り状態で収容箱に収容される収容状態となる一方、他端のプラグを引っ張ることによって、前記伸縮手段が伸び状態となり、縮小力が徐々に増されつつ延長される、または、他端のプラグを引っ張ることによって、前記巻取りボビンが繰り出し回転して巻取り回転力が徐々に増されつつ延長される漸次収容力が増強される緊張状態となるものであり、該延長プラグまたは該延長プラグ群は、負荷として充電される二次電池に接続されているものである、第一発明の給電装置である。
【0068】
この態様は、前述の二次電池が負荷でもあり電源でもあるために、第一発明の給電装置が二次電池を負荷として充電する際に、二次電池側の端末が「コンセント」である場合に対応した態様である。充電対象の二次電池の端末が「プラグ」であれば、この態様は必要ない。
【0069】
ここで、「延長プラグ」は、前述の「延長コンセント」のコンセント部分を「プラグ」に置換したものである。そして、負荷として充電する二次電池側の端末が「コンセント」である二次電池が1台の場合もあるので、「ひとつ以上の」という記述をもちいるとともに、端末が「コンセント」である二次電池に対応する延長プラグが1台または複数台であるので、「延長プラグまたは延長プラグ群」という記述となっている。
【0070】
その他の態様は第一発明の「コンセント」を「プラグ」に置換したもので、基本的に同様ある。すなわち、プラグを引っ張ることによって伸縮手段で漸次収容力が増強される緊張状態となりながら延長させ、その伸縮手段が伸び状態となり、縮小力が徐々に増されつつ延長される。これは
図21(a)の「コンセント」を「プラグ」に置換したものである。
【0071】
または、他端のプラグを引っ張ることによって、前記巻取りボビンが繰り出し回転して巻取り回転力が徐々に増されつつ延長される。これは
図21(b)の「コンセント」を「プラグ」に置換したものである。「伸縮手段」も「巻取りボビンの繰り出し回転」も、ともに、そのことで漸次収容力が増強される緊張状態となるものである。
【0072】
<第一発明:「電線ダクト型の電源ライン」による態様>
第一発明の具体的な実施態様としては(請求項3)、電源ライン「EL」が、電線ダクト型の電源ラインであって、該電線ダクトが、給電装置の内部側壁に接続部位を装置内部に向けて配設されるものであり、前記の延長コンセント「CL」の一端が前記電線ダクト型の電源ラインの接続部位に接続され、該延長コンセント「CL」の他端にあるコンセントが概ね水平に引き出される、および/または、前記の延長プラグ「PL」の一端が前記電線ダクト型の電源ラインの接続部位に接続され、該延長プラグの他端にあるプラグが概ね水平に引き出される実施態様である。
【0073】
ここで、電源ライン「EL」が、電線ダクト型の電源ラインとして具体化しているが、電線ダクト型の電源ラインの例として、さらに具体的に「ファクトライン(登録商標)」を用いて説明する。すなわち電源ライン「EL」が、電線ダクト型のファクトライン(登録商標)「EX」である。この「ファクトライン(登録商標)」はパナソニック社の電線ダクト型の電源ラインの商品名である。類似商品として、東芝ライテック「ライティングレール(非特許文献7)」、朝日電器「ELPA ライティングバー(非特許文献8)」があり、当該実施態様として、これら類似商品をもちいてもよい。以下、「ファクトライン(登録商標)」をこれらの代表例として説明する。
【0074】
図10は、延長コンセント「CL」を電線ダクト型の「ファクトライン(登録商標)「EX」」に接続した実施態様の図である。低圧100‐200Vの商品系列名は「ファクトライン20」であるが、ここでは「ファクトライン(登録商標)」と記載する。
【0075】
「ファクトライン(登録商標)」に接続する専用接続コネクタを一端にもち、他端にコンセントを具備した「延長コンセント」が「リーラコンセント「CX」」という商品である。このリーラコンセント「CX」の一端にはコンセント、他端にはファクトライン(登録商標)「EX」に接続する接続コネクタ「Q」が配設されている。
【0076】
「接続コネクタ「Q」」の実物の写真を
図21の右側に示す。「Q」は、CXまたは後述するPXをEXの電源ラインまたは後述するFXの給電ラインに接続する専用コネクタである。
【0077】
図22、
図23に、CXまたは後述するPXをEXの電源ラインまたは後述するFXの給電ラインに接続している態様が図示されている。(
図22、
図23の説明は後述)
【0078】
さて、従来の「ファクトライン(登録商標)」は天井に配設され、天井にて「リーラコンセント「CX」」を「接続コネクタ「Q」」で接続し、「リーラコンセント「CX」」を天井から下部に落とし込むように上下動させて用いるのが一般的であった。これに対して、第一発明の実施態様は、給電装置の内部側壁に接続部位を装置内部に向けて配設され(横向けに配設)、コンセントまたはプラグを概ね水平に引き出すことが特徴である。
【0079】
このような横向け配設が一般的でない理由は、使用者が「ファクトライン(登録商標)」の荷電部分に接触する恐れがあるためである。(天井下向け配設なら、使用者の手が届かない)
【0080】
これに対して、第一発明の実施態様でも、「ファクトライン(登録商標)」を給電装置の「内部の」側壁に配設するので、外部の使用者の手が「ファクトライン(登録商標)」荷電部分に触れることはなく安全上問題はない。これは、「ファクトライン(登録商標)」の適切な利用であると考える。
【0081】
また、従来の「ファクトライン(登録商標)」は天井から下方の任意位置にコンセントを到達させ、かかる下方位置で負荷プラグに接続して負荷に給電する、という利用法であった。これに対して、第一発明の実施態様にては、コンセントまたはプラグを概ね水平に引き出し、水平位置の大きく異なる離隔した位置において、給電対象負荷のプラグまたはコンセントに接続して該負荷に給電する、という利用法である。
【0082】
<第一発明:「電源ライン」に関する補足>
ここで、複数の負荷が直流負荷であるか、交流負荷であるか、ないしは、それらの混在であるか、という場合に応じて「直流電源ライン」と「交流電源ライン」を選択的に配設するのが好ましい。どの場合にも対応できるように、電源ラインは、「直流電源ライン」と「交流電源ライン」の、少なくとも2つのラインを独立して具備するのが好ましい。いうまでもなく、直流負荷に対しては直流電源ラインに接続された延長コンセントが延伸してこれに接続し、交流負荷に対しては交流電源ラインに接続された延長コンセントが延伸してこれに接続する。
【0083】
また、直流も交流も、負荷を駆動する適切な電圧レベル(AC100V/110V/200V/220V、および、DC100V/110V/200V/220V、等)に応じて選択的に電源ラインの電圧を設定して固定的に配設する、あるいは、複数の電圧レベルの電源ラインをあらかじめ用意し、これらを負荷によって使い分けられるように電源ラインを構成しておくのが好ましい。
【0084】
<第一発明:「係止手段」を用いた態様>
第一発明のさらなる実施態様として(請求項7)、負荷群への給電装置において、前記のコンセントの周縁、または、前記のプラグの周縁に、漸次収容力が増強される緊張状態となったとき、伸縮手段の縮み力に抗してプラグまたはコンセントを固定したい部位に係止する、または、巻取り回転力の付与手段の巻取り回転力に抗してプラグまたはコンセントを固定したい位置に係止する係止手段を具備しているのが好適である。
【0085】
この「係止手段」、すなわちC0の周縁に具備された爪状ないしは熊手状の係止部材「D」を
図13と
図14に示す。
図14中の「DX」はDと同様の係止手段を自らが設置される面に具備した「6」の置台(イス型)である。
図13(a)(b)は係止手段がない比較例である。コンセントまたはプラグを引っ張ることによって、伸縮手段が伸び状態となり、縮小力が徐々に増されつつ延長される、または、コンセントまたはプラグを引っ張ることによって、巻取りボビンが繰り出し回転して巻取り回転力が徐々に増されつつ延長される漸次収容力増強の緊張状態となるものであるので、引っ張る距離が遠ければ遠いほど、大きな縮小力または巻取り回転力が生じ、これによって、給電装置のほうに引き戻される(
図13(b))。
【0086】
これに対して、
図13(c)(d)は係止手段である爪状ないしは熊手状の係止部材「D」がある場合であり、該係止手段で給電装置のほうに引き戻される力に抗して、コンセントまたはプラグを所望の位置に固定できるので好適である。かかる固定は、たとえば
図14中の「DX」のような「6」の置台(イス型)を配設して、図示するように「DX」の一部に爪状ないしは熊手状の係止部材「D」で固定すれば、コンセントまたはプラグを「6」と接続しやすくなり好適である。
【0087】
<参考:単独負荷への給電装置>
図16(a)(b)(c)は単独負荷への給電装置である。これは公知の
図1(d)に属するものであって参考図である。すなわち、ひとつの、一端が前記電源ラインに接続されたコードであって、該コードの他端にコンセントをもち、かつ、該コードに伸縮手段が当接されている、または、ひとつの、一端が前記電源ラインに接続されたコードであって、該コードの他端にコンセントをもち、かつ、該コードが巻取り回転力の付与手段をもつ巻取りボビンに巻き取られている単独の延長コンセントを具備し、該延長コンセントは、前記伸縮手段の縮小力による縮み状態、または、前記巻取りボビンの巻取り回転力による巻取り状態で該給電装置内に収容される収容状態となる一方、他端のコンセントを引っ張ることによって、前記伸縮手段が伸び状態となり、縮小力が徐々に増されつつ延長される、または、他端のコンセントを引っ張ることによって、前記巻取りボビンが繰り出し回転して巻取り回転力が徐々に増されつつ延長される漸次収容力増強の緊張状態となる単独負荷への給電装置であり、この態様ではコード同士が絡み合うことはないので、分離手段は不要である。
【0088】
一方、
図16(d)(e)(f)は参考装置「3’」を示す。これは第二発明の集約装置「3」の特別の場合、すなわち、延長プラグが単数のものであり、公知の掃除機と同一の構成となっている。
【0089】
<<第二発明>>
第二発明は(請求項4)、複数の電源群を集約する電源群の集約装置であって、該集約装置が、複数の電源を集約した給電ラインと、複数の、一端が前記給電ラインに接続されたコードであって、該コードの他端にプラグをもち、かつ、該コードに伸縮手段が当接されている、または、 複数の、一端が前記給電ラインに接続されたコードであって、該コードの他端にプラグをもち、かつ、該コードが巻取り回転力の付与手段をもつ巻取りボビンに巻き取られている延長プラグ群を具備し、該延長プラグ群は、前記伸縮手段の縮小力による縮み状態、または、前記巻取りボビンの巻取り回転力による巻取り状態で該
集約装置内に収容される収容状態となる一方、他端のプラグを引っ張ることによって、前記伸縮手段が伸び状態となり、縮小力が徐々に増されつつ延長される、または、他端のプラグを引っ張ることによって、前記巻取りボビンが繰り出し回転して巻取り回転力が徐々に増されつつ延長される漸次収容力増強の緊張状態となるものであり、前記複数の延長プラグ群を隣接させ、該隣接部位にそれぞれのコードの延長部位が絡み合わないように分離する分離手段が配設されている、ことを特徴とした、電源群の集約装置である。
【0090】
<第一と第二発明の差異>
第二発明は、第一発明の「複数負荷へ給電」という機能を、「複数電源を集約する」という機能に置き換えたもので、電流方向が逆転しているものの、装置構成はほとんど同一である。ゆえに逐次的に第二発明を説明するよりも、両者の差異に注目して説明する。
まず。第一発明との大きな差異は、第一発明の「コンセント」が「プラグ」に置換されていることである。これは、第二発明が電源群に向けて延長プラグを延伸し、電源群のコンセントに該プラグをもって接続するためである。
【0091】
<第二発明:「給電ライン」の補足>
第一発明の「電源ライン」に相当するものが、「給電ライン」となっている。この「給電ライン」に複数電源が集約される。ここで、<第一発明の電源ラインの補足>の項の記述は:『複数の負荷が直流負荷か交流負荷か、それらの混在か、さらに、負荷を駆動する電圧レベルにもとづいて「電源ライン」を適切に構成する必要がある』であった。
【0092】
同様に、第二発明の「給電ライン」においても、第二発明で集約する電源が、直流電源であるか、交流電源であるか、ないしは、それらの混在であるか、かつまた、電源電圧レベル(AC100V/110V/200V/220V、および、DC100V/110V/200V/220V、等)にもとづいて「給電ライン」に付随する回路を適切に構成する必要がある。
【0093】
特に、集約する電源が、たとえば外部ノイズ等外乱の影響で時間的に不安定で、電圧変動する場合があるので、適切なキャパシタンス等を含んだ安定化回路を有する付随回路を構成して電圧を安定化することが望ましい。
【0094】
また、集約すべき電源が直流電源と交流電源が混在している場合、付随回路としてコンバータ、および、コンバータ出力の直流化電圧レベルを他の直流電源と整合させる直流電圧調整回路を兼備するのが望ましい。これら「コンバータ」「直流電圧調整回路」を有する付随回路を構成することで、直流電源と交流電源が混在していても、直流の整合化された電圧レベルに集約された給電ラインとなしうる。(「コンバータ(CONV)」「直流電圧調整回路(DCVR)」については
図18、
図19をもちいて後述する)
【0095】
第二発明の主たる要素は、「給電ライン」「延長プラグ群」「延長プラグの自在引出/収納手段」「プラグ群のコード同士の分離手段」である。
【0096】
<第二発明の「延長プラグ群」>
(本項は基本的に第一発明と同様である) 「延長プラグ群」は、プラグ「P0」を延長させる仕組みであり、装置はそれを複数もっている。すなわち、プラグ「P0」は、延長プラグ「PL」として延長できる。より具体的にはリーラプラグ型の延長プラグ「PX」として、電源のコンセントまで延長でき、普段は収納されている。
【0097】
この延長と収納の仕組みは第一発明と同様である。すなわち、コードに伸縮手段が当接されている、または、複数の、一端が前記給電ラインに接続されたコードであって、該コードの他端にプラグをもち、かつ、該コードが巻取り回転力の付与手段をもつ巻取りボビンに巻き取られている。これが、「延長プラグの自在引出/収納手段」である。
【0098】
「延長プラグ群」は、前記伸縮手段の縮小力による縮み状態、または、前記巻取りボビンの巻取り回転力による巻取り状態で
集約装置内に収容される収容状態となる一方、他端のプラグを引っ張ることによって、前記伸縮手段が伸び状態となり、縮小力が徐々に増されつつ延長される、または、他端のプラグを引っ張ることによって、前記巻取りボビンが繰り出し回転して巻取り回転力が徐々に増されつつ延長される漸次収容力増強の緊張状態となる。
【0099】
<第二発明の「分離手段」>
(本項は基本的に第一発明と同様である) 「プラグ群のコード同士の分離手段」は、第一発明と同様に、コードが隣接する部位の境界に板状のもの、とくに材質は絶縁性が高く軽量なプラスチック材を用いて成形したものを配設するのが望ましい。このコードの延長部位が絡み合わないように分離する分離手段「SP」は、
図22(b)、
図23(a)、
図24、および、
図27(a)(b)にも示されている。
【0100】
分離手段「SP」の機能である、「隣接した複数の延長プラグ群(または延長コンセント群)の該隣接部位にて延長プラグ群(または延長コンセント群)のコード同士が絡み合わないように分離する手段であることは、これらの
図22(b)、
図23(a)、
図24、および、
図27(a)(b)で示されている態様すべてにおいて同様である。
【0101】
<第二発明の「伸縮手段」「巻取り回転力による巻取り」>
(本項は基本的に第一発明と同様である) 第一発明にて
図21(a)(b)を用いて説明したのと同様、リーラプラグ型の延長プラグ「PX」のA0の延長部位「AL」に当接された伸縮手段「B1」が、プラグ収納とプラグ延長で機能する。ここで「AL」は「A0」の一部であって、引き出され離隔部位へ給電する、または、離隔部位にて受電する部位である。
【0102】
延長プラグ「PX」は、収納状態では、「B1」の縮小力による縮み状態である一方、プラグが引っ張られることによって、伸縮手段「B1」が伸び状態となり、縮小力が徐々に増されつつ延長される。
このとき、伸縮手段「B1」は伸び状態となり、縮小力が徐々に増されつつ延長される漸次収容力増強の緊張状態である。
【0103】
また、第一発明と同様、巻取りボビン(ドラム)型の延長プラグ(図示せず)の巻取りボビンと巻取り回転力を付与する手段が、プラグ収納とプラグ延長で機能する。すなわち、収納状態では、巻取りボビンの巻取り回転力による巻取り状態で
集約装置内に収容される収容状態となる一方、プラグを引っ張ることによって、巻取りボビンが繰り出し回転して巻取り回転力が巻取り回転力を付与する手段によって徐々に増されつつ、A0の延長部位「AL(図示せず)」が延長され、かつ、漸次収容力増強の緊張状態となる。
【0104】
ここで、第一発明と同様、延長コンセントのAL (A0の延長部位であって、引き出され離隔部位へ給電する、または、離隔部位にて受電する部位)、すなわちコードを、「カールコード」(あるいは「コイルドケーブル」)としてもよい(非特許文献5参照)。
【0105】
この場合、第一発明と同様、カールコードの製法時に高温状態でコードを被覆するプラスチック材/ゴム材に与えられた巻取り(カールもしくはコイルド)テンションが冷却後にも残留して、前記の伸縮手段「B1」あるいは前記の巻取り回転力を付与する手段「B3」と同様に、プラグを引っ張ることによって、巻取り(カールもしくはコイルド)テンションが増し、漸次収容力増強の緊張状態となる。
このことは「コードに伸縮手段が当接されている」ということと同義であって、この場合コード被覆材のプラスチック材/ゴム材自体が伸縮手段となっている。
【0106】
<第二発明の「防水機能付き自在開閉手段」>
(本項は基本的に第一発明と同様である) 次に、集約装置の防水機能付き自在開閉手段を説明する。
図6、
図9(b)(c)、
図11、
図12はコンセント「C0」が描かれているが、これらの「C0」がプラグ「P0」に置換されたものとしてこれらの図群を引用する。
図6は第一発明の給電装置「1」に防水機能付き自在開閉手段(フタ)「Y」が配設されている例である。
図6にては、4本の延長コンセントが引き出された状態で開閉手段(フタ)は、やや半開きの開状態「YO」を示している。
【0107】
図9(b)(c)は防水機能付き自在開閉手段(フタ)の説明図で、
図9(b)に「4つすべてが開状態「YO」」を示す。そして
図9(c)に、「4つのうち2つが閉状態「YC」」を示す。このように、延長プラグを引き出す際には、開状態としてプラグ「P0」を引き出して所望の位置にプラグ「P0」を移動すれば良い。
【0108】
図11が、防滴防水機能付き自在開閉手段(フタ)のコード引出部を示したものである。コード引出部には、「yc」「yo」で示される「Y」にてA0を通線する部位をカバーする大きさの、さらに小さな「コード引出部自在開閉手段(子ブタ)」が配設されている。「yc」はその閉状態、「yo」はその開状態である(
図11(a)(b)参照)
【0109】
コード引出部自在開閉手段(子ブタ)には、
図11(a)(b)の図中に「yx」で示す、A0を弾力と可塑性ある材料で覆い密着し防滴防水効果を得るための帽子ツバ状構造が配設されるのが好ましい。この帽子ツバ状構造が弾力と可塑性でA0を覆うので、顕著な防滴防水効果が得られる。
すなわち、
図12(b)(c)のように、「子ブタ」を開けた状態でコード「A0」を出し入れし、
図12(a)のように「子ブタ」を閉じて密閉する。なお、このとき、自在開閉手段(フタ)「Y」は閉状態でもコードA0を出し入れできるので作業しやすく便利である。
【0110】
図9(b)(c)、および、
図11・
図12で説明した「Y」「yc」「yo」「yx」によって、延長プラグが避難所などの屋外で展開されるときに良好な防水防滴効果が得られる。このような効果は、従来のマルチコネクタや電工ドラムでは得られないもので、しばしば発生する屋外でのタコ足配線のための短絡事故やコード発火による火災発生を未然に防ぐ効果が得られる。
【0111】
<第二発明の効果>
第二発明によれば、電源集約ができることで以下のような効果がある。すなわち、小規模で地域的に分散している再生可能エネルギー発電電力をひとつに集約して大電力とし、有効利用できる。
【0112】
また、激甚災害時において、普段は利用勝手のない小規模で地域的に分散している電源を、緊急に集約するという短期的な電力ニーズも対応できる。たとえば、普段は利用勝手のない小規模ソーラ(太陽光)、小規模風力、小規模水力などの再生可能エネルギー発電機が点在する地域が激甚災害に見舞われた場合、これらを短期的に集約して被災地に給電できる。
【0113】
また、電気自動車(EV)のもつ二次電池を非常電源として利用する際に活用できる。すなわち、たとえば、津波によって走行不能になった複数の電気自動車が走行不能となったそれぞれの位置に第二発明の集約装置の延長プラグ群を延伸し、それぞれの電気自動車(EV)のコンセントに接続して二次電池に残留している電気エネルギーを集約することができる。
【0114】
従来は、こういった小規模分散電源を集約する簡便な装置がなかったため、一般的なニーズ対応も、災害向け短期的ニーズ対応もできなかった。第二発明は、とりわけ非常時緊急電源として有効である。
【0115】
<第二発明:二次電池に対する態様>
(本項は基本的に第一発明と同様である) 第二発明の態様として、次のようなものがある。すなわち(請求項5)、第二発明の電源群の集約装置が、前記の延長プラグ群とともに、ひとつ以上の、一端が前記電源ラインに接続されたコードであって、該コードの他端にコンセントをもち、かつ、該コードに伸縮手段が当接されている、または、ひとつ以上の、一端が前記給電ラインに接続されたコードであって、該コードの他端にコンセントをもち、かつ、該コードが巻取り回転力の付与手段をもつ巻取りボビンに巻き取られている延長コンセントまたは延長コンセント群を兼備し、該延長コンセントまたは延長コンセント群は、前記伸縮手段の縮小力による縮み状態、または、前記巻取りボビンの巻取り回転力による巻取り状態で収容箱に収容される収容状態となる一方、他端のコンセントを引っ張ることによって、前記伸縮手段が伸び状態となり、縮小力が徐々に増されつつ延長される、または、他端のコンセントを引っ張ることによって、前記巻取りボビンが繰り出し回転して巻取り回転力が徐々に増されつつ延長される漸次収容力が増強される緊張状態となるものであり、該延長コンセントまたは該延長コンセント群は、電源として放電される二次電池に接続されている態様である。
【0116】
この態様は、前述の二次電池が負荷でもあり電源でもあるために、第二発明の集約装置が二次電池を電源として集約する際に、二次電池側の端末が「プラグ」である場合に対応した態様である。充電対象の二次電池の端末が「コンセント」であれば、この態様は必要ない。
【0117】
ここで、電源として集約する二次電池側の端末が「コンセント」である二次電池が1台の場合もあるので、「ひとつ以上の」とするとともに、1台または複数台の二次電池と接続するので「延長プラグまたは延長プラグ群」としている。
【0118】
その他の態様は第一発明の「コンセント」を「プラグ」に置換したもので、基本的に同様ある。すなわち、プラグを引っ張ることによって伸縮手段で漸次収容力が増強される緊張状態となりながら延長させ、その伸縮手段が伸び状態となり、縮小力が徐々に増されつつ延長される。これは
図21(a)の「コンセント」を「プラグ」に置換したものである。
【0119】
または、他端のプラグを引っ張ることによって、前記巻取りボビンが繰り出し回転して巻取り回転力が徐々に増されつつ延長される。これは
図21(b)の「コンセント」を「プラグ」に置換したものである。「伸縮手段」も「巻取りボビンの繰り出し回転」も、ともに、そのことで漸次収容力が増強される緊張状態となるものである。
【0120】
<第二発明:「電線ダクト型の電源ライン」による態様>
第二発明の具体的な実施態様としては(請求項6)、給電ライン「FL」が、電線ダクト型の給電ラインであって、該電線ダクトが、集約装置の内部側壁に接続部位を装置内部に向けて配設されるものであり、前記の延長プラグ「PL」の一端が前記電線ダクト型の給電ラインの接続部位に接続され、該延長プラグ「PL」の他端にあるプラグが概ね水平に引き出される、および/または、前記の延長コンセント「CL」の一端が前記電線ダクト型の給電ラインの接続部位に接続され、該延長コンセントの他端にあるコンセントが概ね水平に引き出される実施態様である。
【0121】
ここで、第一発明同様、給電ライン「FL」が、電線ダクト型の電源ラインとしており、電線ダクト型の電源ラインの例として、さらに具体的に「ファクトライン(登録商標) 「FX」」を用いて説明する。この「ファクトライン(登録商標)」はパナソニック社の電線ダクト型の電源ラインの商品名である。類似商品として、東芝ライテック「ライティングレール(非特許文献7)」、朝日電器「ELPA ライティングバー(非特許文献8)」があり、当該実施態様として、これら類似商品をもちいてもよい。以下、「ファクトライン(登録商標)」をこれらの代表例として説明する。
【0122】
図10は、延長プラグ「PL」を電線ダクト型の「ファクトライン(登録商標) 「FX」」に接続した実施態様の図である。低圧100‐200Vの商品系列名は「ファクトライン20」であるが、ここでは「ファクトライン(登録商標)」と記載する。
【0123】
「ファクトライン(登録商標)」に接続する専用接続コネクタを一端にもち、他端にプラグを具備したものを「延長プラグ」と呼ぶことにする。これを「PX」とする。(これに対して、リーラコンセント「CX」の一端にはコンセント、他端にはファクトライン(登録商標)「EX」に接続する接続コネクタが配設されている。「接続コネクタ「Q」」の実物の写真を
図21の右側に示す)
【0124】
前述のように、従来の「ファクトライン(登録商標)」は天井に配設され、天井にて「リーラコンセント「CX」」を「接続コネクタ「Q」」で接続し、「リーラコンセント「CX」」を天井から下部に落とし込むように上下動させて用いるのが一般的であった。これに対して、第一発明の実施態様は、給電装置の内部側壁に接続部位を装置内部に向けて配設され(横向けに配設)、コンセントまたはプラグを概ね水平に引き出すことが特徴である。
【0125】
このような横向け配設が一般的でない理由は、使用者が「ファクトライン(登録商標)」の荷電部分に接触する恐れがあるためである。(天井下向け配設なら、使用者の手が届かない)
【0126】
これに対して、第二発明の実施態様でも、「ファクトライン(登録商標)」を
集約装置の「内部の」側壁に配設するので、外部の使用者の手が「ファクトライン(登録商標)」荷電部分に触れることはなく安全上問題はない。これは、「ファクトライン(登録商標)」の適切な利用であると考える。
【0127】
また、従来の「ファクトライン(登録商標)」は天井から下方の任意位置にコンセントを到達させ、かかる下方位置で負荷プラグに接続して負荷に給電する、という利用法であった。これに対して、第二発明の実施態様にては、コンセントまたはプラグを概ね水平に引き出し、水平位置の大きく異なる離隔した位置において、給電対象負荷のプラグまたはコンセントに接続して該負荷に給電する、という利用法である。
【0128】
<第二発明:「電源ライン」に関する補足>
ここで、複数の負荷が直流負荷であるか、交流負荷であるか、ないしは、それらの混在であるか、という場合に応じて「直流電源ライン」と「交流電源ライン」を選択的に配設するのが好ましい。どの場合にも対応できるように、電源ラインは、「直流電源ライン」と「交流電源ライン」の、少なくとも2つのラインを独立して具備するのが好ましい。いうまでもなく、直流負荷に対しては直流電源ラインに接続された延長コンセントが延伸してこれに接続し、交流負荷に対しては交流電源ラインに接続された延長コンセントが延伸してこれに接続する。
【0129】
また、直流も交流も、負荷を駆動する適切な電圧レベル(AC100V/110V/200V/220V、および、DC100V/110V/200V/220V、等)に応じて選択的に電源ラインの電圧を設定して固定的に配設する、あるいは、複数の電圧レベルの電源ラインをあらかじめ用意し、これらを負荷によって使い分けられるように電源ラインを構成しておくのが好ましい。
【0130】
<第二発明:「係止手段」を用いた態様>
(本項は基本的に第一発明と同様である) 第二発明のさらなる実施態様として(請求項7)、電源群の集約装置において、前記のコンセントの周縁、または、前記のプラグの周縁に、漸次収容力が増強される緊張状態となったとき、伸縮手段の縮み力に抗してプラグまたはコンセントを固定したい部位に係止する、または、巻取り回転力の付与手段の巻取り回転力に抗してプラグまたはコンセントを固定したい位置に係止する係止手段を具備しているのが好適である。
【0131】
この「係止手段」、すなわちC0の周縁に具備された爪状ないしは熊手状の係止部材「D」を
図13と
図14、および、
図15に示す。
図14、および、
図15中の「DX」はDと同様の係止手段を自らが設置される面に具備した「6」の置台(イス型)である。
図13(a)(b)は係止手段がない比較例である。コンセントまたはプラグを引っ張ることによって、伸縮手段が伸び状態となり、縮小力が徐々に増されつつ延長される、または、コンセントまたはプラグを引っ張ることによって、巻取りボビンが繰り出し回転して巻取り回転力が徐々に増されつつ延長される漸次収容力増強の緊張状態となるものであるので、引っ張る距離が遠ければ遠いほど、大きな縮小力または巻取り回転力が生じ、これによって、
集約装置のほうに引き戻される(
図13(b))。
【0132】
これに対して、
図13(c)(d)は係止手段である爪状ないしは熊手状の係止部材「D」がある場合であり、該係止手段で
集約装置のほうに引き戻される力に抗して、コンセントまたはプラグを所望の位置に固定できるので好適である。かかる固定は、たとえば
図15中の「DX」のような「6」の置台(イス型)を配設して、図示するように「DX」の一部に延長プラグの周縁に配設された爪状ないしは熊手状の係止部材「D」で固定すれば、プラグを「6」と接続しやすくなり好適である。
【0133】
<第二発明の実施例>
図17、
図18、
図19に第二発明の集約装置「3」の実施例を示す。
図17は、さまざまな電源E1からE5を集約してDC直流出力またはAC交流出力として外部負荷に給電する集約装置[3]の利用例、
図18は、
図17にて集約装置[3]の負荷が直流(DC)負荷の場合の内部の回路ブロック説明図、
図19は、
図17にて集約装置[3]の負荷が交流(AC)負荷の場合の内部の回路ブロック説明図である。
【0134】
図17にて、E1は太陽光発電による電源(直流)、E2はマイクロ水力発電による電源(交流)、E3が風力発電による電源(交流)、E4とE5は「EV」、すなわち、二次電池を有する車両(電気自動車、プラグインハイブリッド車など)の二次電池である。
【0135】
直流電源と交流電源の混在は後述するとして、E4とE5は二次電池であるので、前述のようにコンセント接続かプラグ接続かが不確定であるので、第二発明の集約装置は延長プラグのみならず、延長コンセントも具備していて、「E5」においてリーラコンセント型の延長コンセント「CX」によってE5の二次電池と接続している。
【0136】
一方、コンセント接続かプラグ接続かが不確定である問題に対し、
図25に示す電気品で対処することもできる。すなわち、
図25は、「コンセントコンセント「CC」とプラグプラグ「PP」とそれぞれ仮称する電気品の説明図であって、これらを用いて延長コンセントと延長プラグの末端を簡単に交換することができる。
【0137】
コンセントコンセント「CC」は、コンセントとコンセント、プラグプラグ「PP」はプラグとプラグを電気的に接続した電気品である。プラグをコンセントコンセント「CC」に接続すれば、末端はコンセントになるし、コンセントをプラグプラグ「PP」に接続すれば、末端はプラグになる。
【0138】
たとえば
図17の「E4」にて、集約装置「3」から「E4」に向かって延伸されたプラグにコンセントコンセント「CC」を接続している。これでプラグはコンセントに変換され、二次電池「E4」の充電用プラグに接続している。
【0139】
そして、
図17において集約装置「3」の電源を集約した給電ライン「FL」が外部に延長され、DC直流出力またはAC交流出力として外部負荷に給電している。前者のDC直流出力例が
図18、後者のAC交流出力例が
図19である。
【0140】
図18および
図19ともに集約装置[3]の内部に、付随回路である「CONV コンバータ(整流器)」および「DCVR 直流電圧調整器」のブロックを有している。直流電源である太陽光発電の電源「E1」、EVの二次電池である電源「E4」「E5」は、直流電源であるので「DCVR」に接続され、直流電圧を安定化調整されている。
一方、交流電源であるマイクロ水力発電の電源「E2」と風力発電による電源「E3」は「CONV」に接続され直流に整流されてから「DCVR」に接続され、直流電圧を安定化調整されている。
【0141】
直流電源(たとえば、太陽光発電の電源「E1」、EVの二次電池である電源「E4」「E5」)と、これに対して、交流電源(マイクロ水力発電の電源「E2」と風力発電「E3」)という異種電源を延長プラグで接続するときに取り違える事故が起こりかねない。とくに本集約装置にては、装置から延長され離隔した位置での接続であるので作業監視の眼が届かない確率も高いだろう。
【0142】
取り違えミス確率を減らすための好ましい態様としての工夫を
図26に示す。これには、延長プラグのプラグ部分に図示される「ON‐OFF」スイッチである「p3」が配設されている。(「p3:充電回路オンオフ(接続/遮断)スイッチ」
図26(a)参照)
「p3」が「OFF」の状態で電源とプラグは電気的に絶縁されている。その一方、「OFF」状態において、延長プラグが物理的に電源との接続を果たしていれば(検知手段が「FL」に接触していれば)内部の直流交流検知手段が動作する。
【0143】
該直流交流検知手段は、「p1:直流ポテンシャルありを検知して発光するLED」「p2:交流ポテンシャルありを検知して発光するLED」「p4:高インピーダンス化のための回路ブロック」「p5:コンバータ(整流器)」等からなる。
「p3」が「OFF」の状態で、「p4:高インピーダンス化のための回路ブロック」の作用で極微電流を検知回路に流し、公知の方法で直流か交流かの判定、および、その電圧レベルが延長プラグで集約装置本体に接続されても健全であろうことを判定する。
【0144】
図26(b)は電源が交流である場合に対応している検知手段で、
図26(a)は電源が直流である場合に対応している検知手段であって、両者の差異は、電源が交流である場合には「p5:コンバータ(整流器)」が兼備 (
図26(b)参照) されていることである、「p5」によって交流を整流して直流化し、その後段は直流同様の検知手段で直流交流を検知するものである。
【0145】
図26(a)(b)の検知手段が、LED(発光ダイオード)の点灯消灯によって接続作業作業者に対し電源が直流電源なのか交流電源なのかを接続前、すなわち「p3」がオフ(遮断)状態で案内する。それで前記の取り違えミス確率は減る。つまり、接続作業作業者はLED(発光ダイオード)の点灯と、あらかじめ期待していた直流交流のどちらかという情報とが不一致であれば、「p3」を「OFF」状態に維持したままで安全を確認したり、直流交流の間違いを修正したりできるので、取り違えミス確率は確実に減るので好適である。
【0146】
<<第三発明>>
第三発明は(請求項8)、複数の電源群を集約する電源群の集約手段、および、複数の負荷群に電源から給電する負荷群への給電手段を具備した、複数電源から複数負荷に電力供給する装置であって、「第二発明の電源群の集約装置」が、複数の電源群を集約する電源群の集約手段で、「第一発明の負荷群への給電装置」が、複数の負荷群に電源から給電する負荷群への給電手段であり、第二発明を構成する(前記電源群の集約手段の電線ダクト型の)給電ライン「FL」と、第一発明を構成する(前記負荷群への給電手段の電線ダクト型の)電源ライン「EL」が電気的に接続された、電源から負荷に電力供給する装置である。
【0147】
第三発明の装置の例を
図20に示す。
図20では、第一発明の負荷群への給電装置へ電源を給電する電源ライン「EL」の先端プラグが第二発明の集約装置[3]から引き出された電源を集約した給電ライン「FL」の先端コンセントに差し込まれ電気的に接続されている。
【0148】
このように第三発明の装置[4]は、電源群の集約手段としての装置[3]と負荷群への給電手段としての装置[1]を電気的に接続したもので、
図20の例では、E1〜E5の電源を集約装置[3]で集約し、直流負荷(スマホ群やタブレット群)と接続した複数(図では2台)のクレードル[6]に対し給電装置[1]で直流給電(充電)している。
【0149】
<第三発明の電源ライン、給電ラインの態様>
第三発明は、第二発明の集約電源を第一発明マルチ負荷供給の電源として電気的に接続合体した単純な発明ではある。しかしながら、合体の主体である「電源ライン「EL」」「給電ライン「FL」」の態様にて以下の工夫を凝らしている。
【0150】
すなわち(請求項9)、前記電源群の集約手段の給電ラインが電線ダクト型の給電ラインで、かつ、前記負荷群への給電手段の電源ラインが電線ダクト型の電源ラインであって、該給電ライン、および、該電源ラインの配設状態が、以下に記載された「甲」「乙」「丙」のいずれかの態様である、または、該給電ライン、または、該電源ラインが、以下に記載された「丁」の態様である、電源から負荷に電力供給する装置。
【0151】
ここで、「甲」は、給電ラインと電源ラインの位置関係が背面を合わせたものであって、給電ラインの接続部位を持たない全背面と電源ラインの接続部位を持たない全背面とが接している位置関係を示すものである。「乙」は、給電ラインと電源ラインの位置関係が上下であって、給電ラインの接続部位を持たない側面と電源ラインの接続部位を持たない側面を、一方が上で他方が下となるように接している位置関係を示すものである。「丙」は、給電ラインと電源ラインの位置関係が左右であって、給電ラインの接続部位を持たない側面と電源ラインの接続部位を持たない側面を、一方が上で他方が下となるように接している位置関係である。「丁」は、給電ラインまたは/および電源ラインが屈曲部を有する、という態様であって、「甲」「乙」「丙」「丁」のすべてにおいて、電源ライン「EL」または給電ライン「FL」は、電線ダクト型を採用している。
【0152】
「甲」の態様は、電線ダクト型の給電ライン「FL」と電線ダクト型の電源ライン「EL」の位置関係が背中合わせであって、この位置関係が背中合わせとは、電線ダクト型給電ラインの接続部位を持たない背面と電線ダクト型の電源ラインの接続部位を持たない背面とが接している位置関係を示すものである。(
図22(a)(b)参照)
【0153】
「乙」の態様は、電線ダクト型の給電ライン「FL」と電線ダクト型の電源ライン「EL」の位置関係が上下であって、この位置関係が上下とは、電線ダクト型給電ライン「FL」と電線ダクト型の電源ライン「EL」とが接続部位を持たない側面を、一方が上で他方が下となるように接している位置関係を示すものである。(
図23(a)参照)
【0154】
「丙」の態様は、電線ダクト型の給電ライン「FL」と電線ダクト型の電源ライン「EL」の位置関係が左右であって、この位置関係が左右とは、電線ダクト型給電ライン「FL」と電線ダクト型の電源ライン「EL」とが接続部位を持たない側面を、一方が左で他方が右となるように接している位置関係を示すものである。(
図27(a)参照)
【0155】
「丁」の態様は、電線ダクト型の給電ラインが屈曲部「W」を有する、または、電線ダクト型の電源ライン「W」が屈曲部を有する態様である。(
図24参照)
【0156】
前記「甲」、すなわち電線ダクトを背中合わせ配置にした態様では、給電ライン「FL」に接続し延長されるコンセントまたはプラグが概ね水平に引き出される方向「FX」と、電源ライン「EL」に接続し延長されるコンセントまたはプラグが概ね水平に引き出される方向「EX」が、逆方向になるのが特徴である。(
図22)
【0157】
図22(a)に対し、
図22(b)は裏側を図示していて、
図22(c)は逆方向の説明図である。すなわち、
図22(c)にて、「EZ」がコンセントまたはプラグが概ね水平に引き出される方向「EX」の方向、「FZ」がコンセントまたはプラグが概ね水平に引き出される方向「FX」の方向で逆方向となっている。
【0158】
この特徴は、ある程度集中している電源群集合とその集合と離隔した位置の給電対象負荷群集合のほぼ中間位置に第三発明の装置を配置して、電源を集約し、その方向と逆方向にある給電対象負荷群集合に給電するときに有効である。
【0159】
前記「乙」、すなわち電線ダクトを上下配置した態様では、給電ライン「FL」に接続し延長されるコンセントまたはプラグが概ね水平に引き出される方向「FX」と、電源ライン「EL」に接続し延長されるコンセントまたはプラグが概ね水平に引き出される方向「EX」が同じ方向になっているのが特徴である。(
図23)
【0160】
図23(a)は「乙」の態様を図示していて、
図23(b)は「同じ方向」の説明図である。すなわち、
図23(b)にて、「EZ」がコンセントまたはプラグが概ね水平に引き出される方向「EX」の方向、「FZ」がコンセントまたはプラグが概ね水平に引き出される方向「FX」の方向で同じ方向(並行方向)となっている。
【0161】
この特徴は、集約される電源群の集合と給電対象負荷群の集合が同じ地域に集合混在しており、その混在集合から離隔した位置に第三発明の装置を配置して、ある方向に離隔した場所に集合している電源を集約し、その同じ方向に集合している給電対象負荷に給電するときに有効である。
【0162】
前記「丁」、すなわち電線ダクトを屈曲させた態様では、電線ダクト型の給電ラインが、または、電線ダクト型の電源ラインが必然的に屈曲部を有する。かかる屈曲部は、電線ダクト型の給電ライン、または、電線ダクト型の電源ラインの製造時にベンディングマシン(機械的に屈曲を与える手段、ベンダーとも呼称される)で形成してもよいし、製造した後にベンディングマシンで屈曲加工して屈折部を形成してもよい。
【0163】
図24にて、「W」が電源ラインの屈曲部、または、給電ラインの屈曲部であり、「W1」が「W」の位置近傍の一方のEZまたはFZの位置で、「W2」が「W」の位置近傍の他方のEZまたはFZを示す方向である。
【0164】
屈曲部の屈曲角度は自由であって、製造前に現地の電源位置や負荷位置を実態調査する等々であらかじめ決定し、製造時にベンディングマシン(機械的に屈曲を与える手段、ベンダーとも呼称される)で該決定角度を屈曲目標値として屈曲させて形成する、としてもよい。あるいは、屈曲角度として、たとえば、製造時にあらかじめ10度、20度、30度・・・45度・・70度、80度、90度・・等の代表的角度で、前記ベンディングマシンにて形成しておき、利用者がそれらを選択的に採用する、としてもよい。
【0165】
また、製造時にベンディングマシンにて、屈曲部を移動させながら屈曲して湾曲した電線ダクト型の給電ライン、または、湾曲した電線ダクト型の電源ラインを形成してもよい。この湾曲給電ラインや湾曲電源ラインの場合、コンセントまたはプラグが概ね水平に引き出される方向が放射状、および/または、コンセントまたはプラグが概ね水平に引き出される方向が多様な水平角で放射状となすこともでき、用途によっては好適である。
【0166】
さらにまた、
図24の「W」(電源ラインの屈曲部、または、給電ラインの屈曲部)に屈曲角度を変える手段、すなわち、たとえば、扉のヒンジ(蝶番(ちょうつがい、英: hinge))状の構造をもった屈曲角度の変化手段を配設し、実施先ごとに最適な屈曲角度に調整できるようにするのも好適である。
【0167】
「丁」の特徴は、電源群または給電対象負荷群がある程度集中している場合、それら集中した集合と離隔した位置に第三発明の装置を配設し、該装置から電源群・負荷群へ延長プラグまたは延長コンセントを延伸しやすく好適である。
【0168】
また前述の、湾曲した電線ダクト型の給電ラインまたは電源ラインを採用した場合、散在する電源群・負荷群のほぼ中央の位置に第三発明の装置を配設し、該装置から多様な水平角で放射状に、電源群・負荷群へ延長プラグまたは延長コンセントを延伸できるので好適である。
【0169】
図28は、
図23の上下、
図24の屈曲部を組み合わせた六角柱型の第三発明の装置の実施例図である。この例では、前述の、湾曲した電線ダクト型の給電ラインまたは電源ラインを採用した場合と同様、六つの水平角で放射状に電源群・負荷群へ延長プラグまたは延長コンセントを延伸できる特徴をもっている。すなわち、
図28(b)に示すように、たとえば、東西、南西北東、南東北西の六つの方向に延伸できる。
【0170】
<第三発明:単一電源から単一負荷に給電>。
単一電源から単一負荷に給電する装置を第三発明の特別の場合として構成できる。
すなわち(請求項10)、ひとつの電源から受電する受電手段、と、ひとつの負荷に電源から給電する給電手段を具備した、電源から負荷に電力供給する装置であって、前記受電手段が、電源から受電する給電ライン、前記給電手段が、電源から受電してなる電源ラインを有するとともに、 前記受電手段および前記給電手段が、一端は前記給電ラインに接続され他端にはプラグをもつコードで、該コードに伸縮手段が当接されている、または、一端は前記給電ラインに接続され他端にはプラグをもつコードで、該コードが巻取り回転力の付与手段をもつ巻取りボビンに巻き取られているひとつの延長プラグ、または、一端は前記電源ラインに接続され他端にはコンセントをもつコードで、該コードに伸縮手段が当接されている、または、一端は前記電源ラインに接続され他端にはコンセントをもつコードで、該コードが巻取り回転力の付与手段をもつ巻取りボビンに巻き取られているひとつの延長コンセントのいずれかを具備している装置である。(
図27参照)
【0171】
この装置ではさらに(請求項10)、前記延長プラグまたは延長コンセントは、前記伸縮手段の縮小力による縮み状態、または、前記巻取りボビンの巻取り回転力による巻取り状態で装置内に収容される収容状態となる一方、他端のプラグまたはコンセントを引っ張ることによって、前記伸縮手段が伸び状態となり、縮小力が徐々に増されつつ延長される、または、他端のプラグまたはコンセントを引っ張ることによって、前記巻取りボビンが繰り出し回転して巻取り回転力が徐々に増されつつ延長される漸次収容力増強の緊張状態となるものであり、前記延長プラグ同士、または、前記延長コンセント同士、または、延長プラグと延長コンセントを隣接させ、該隣接部位にて前記延長プラグ同士、または、前記延長コンセント同士、または、延長プラグと延長コンセントのコード同士が絡み合わないように分離する分離手段が配設され、かつ、前記給電ラインと前記電源ラインが電気的に接続されていている、装置である。
【0172】
前記給電ラインと前記電源ラインは、ともに電線ダクト型であり、かつ、次のような態様である(請求項11)、前記給電ラインと前記電源ラインの配設状態が、以下に記載された「甲」「乙」「丙」のいずれかの態様で、「甲」が、給電ラインと電源ラインの位置関係が背面を合わせたものであって、給電ラインの接続部位を持たない全背面と電源ラインの接続部位を持たない全背面とが接している位置関係を示すものであり、「乙」が、給電ラインと電源ラインの位置関係が上下であって、給電ラインの接続部位を持たない上下側面と電源ラインの接続部位を持たない上下側面を、一方が上で他方が下となるように接している位置関係を示すものであり、「丙」が、給電ラインと電源ラインの位置関係が左右であって、給電ラインの接続部位を持たない左右側面と電源ラインの接続部位を持たない左右側面を、一方が左で他方が右となるように接している位置関係を示すものである。
【0173】
図27(a)が「乙」の態様の例であって、第三発明の特別な場合:単独電源から単独負荷に給電する装置「7」を例示している。図示されるように下方の延長プラグ「P0」がコンセントコンセント「CC」を介してEVの二次電池に接続している。この電力は「7」の「FX」とそれに接続された「EX」を経由して延長コンセントに送られて負荷に給電される。この図から「乙」の態様が、給電ラインと電源ラインの位置関係が上下であるのがわかる。
【0174】
一方、
図27(b)が「丙」の態様の例であり、電力供給の流れは前記「乙」の例と同様である。ともに「INV」や「CONV」や「DCVR」などの付随回路の格納場所である「J」スペースが確保されている。また、このから「丙」の態様が、給電ラインと電源ラインの位置関係が左右であるのがわかる。