特許第6357619号(P6357619)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6357619
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】感知センサー及び感知装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 5/02 20060101AFI20180709BHJP
【FI】
   G01N5/02 A
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-74440(P2014-74440)
(22)【出願日】2014年3月31日
(65)【公開番号】特開2015-197330(P2015-197330A)
(43)【公開日】2015年11月9日
【審査請求日】2016年12月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232483
【氏名又は名称】日本電波工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002756
【氏名又は名称】特許業務法人弥生特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100091513
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133776
【弁理士】
【氏名又は名称】三井田 友昭
(72)【発明者】
【氏名】茎田 啓行
(72)【発明者】
【氏名】忍 和歌子
【審査官】 北川 創
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−145566(JP,A)
【文献】 特開2011−137639(JP,A)
【文献】 特開2012−008029(JP,A)
【文献】 特開2011−145195(JP,A)
【文献】 国際公開第02/061396(WO,A1)
【文献】 特開2015−068747(JP,A)
【文献】 特開平09−145583(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発振周波数を測定するための測定器に接続される接続端子を備えると共に一面側に凹部が形成された配線基板と、
圧電片に励振電極を設けて構成され、前記凹部を塞ぎかつ振動領域が前記凹部と対向するように前記配線基板に固定されると共に、励振電極が前記接続端子に電気的に接続され、一面側に試料液中の感知対象物を吸着する吸着膜が形成された圧電振動子と、
前記圧電振動子を含む配線基板の一面側の領域を覆うように設けられ、試料液の注入口を備えた流路形成部材と、
前記配線基板の一面側を上面側とすると、前記流路形成部材よりも下方側に位置する部材と係合することにより、前記流路形成部材を前記配線基板に押圧した状態により固定する押圧部材と、
前記押圧部材による押圧により前記配線基板と前記流路形成部材との間に形成され、前記注入口に供給された試料液を、圧電振動子の一面側において一端側から他端側に向けて流通させる流路と、
前記流路形成部材と前記押圧部材との間、または前記配線基板の他面側に設けられ、前記押圧部材からの過大な圧力分を吸収する緩衝部材と、を備え
前記流路形成部材は、前記緩衝部材が存在しない状態においても、前記押圧部材により押圧されて固定された状態にあることを特徴とする感知センサー。
【請求項2】
前記緩衝部材の前記配線基板側とは他面側に、深さが前記緩衝部材の厚みよりも小さい凹部を有し、当該凹部に前記緩衝部材が嵌合される格納部材が設けられ、
前記押圧部材と前記格納部材とを嵌合させることにより前記流路を形成することを特徴とする請求項1記載の感知センサー。
【請求項3】
前記流路の高さが300μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の感知センサー。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の感知センサーと前記測定器とを含むことを特徴とする感知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水晶振動子等の圧電振動子の発振周波数に基づいて、試料液に含有される感知対象物を感知するための感知センサー及び当該感知センサーを含む感知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
臨床分野において、例えば血糖値の自己モニタリングやインフルエンザウイルス検査等に代表されるPOCT(Point of core TEST)と呼ばれる簡便な検査方法が普及しており、このような検査において、QCM(Quartz Crystal Microbalance)を利用した感知センサーを用いることが検討されている。QCMについて簡単に説明すると、感知装置に設けられた水晶振動子の表面に感知対象物が含まれる試料液を供給する。そして水晶振動子の表面に試料液中の感知対象物が吸着され、質量負荷効果により感知対象物の吸着量に応じて水晶振動子の発振周波数が変化する。当該発振周波数の変化に基づいて、試料液中の感知対象物の検出または定量が行われる。
【0003】
特許文献1には、その一面側に感知対象物を吸着する吸着膜を備えた水晶振動子に対して試料液を供給し、当該水晶振動子の発振周波数の変化量に基づいて感知対象物を感知するバッチ式の感知センサーが開示されている。当該感知センサーの一例について図12に示すと、配線基板9に形成された貫通孔90を塞ぐように水晶振動子91が設けられており、下部に凹部92が形成されたシート98を水晶振動子91の上面に配置し、外側からカバー93を配線基板9の一端側に嵌合し、カバー93の圧力によってシート98を配線基板9に押圧することにより試料液の流路92が形成されている。なおシート98の凹部及び試料液の流路は同一であるため同符号92を附している。そしてカバー93に形成された供給口931から供給された試料液は、入口側毛細管部材94から前記流路92へと流入し、出口側毛細管部材95を介して排液領域96へと毛細管現象により流出するように構成されている。97は前記貫通孔90を塞ぐように配線基板9の他面側に設けられたフィルムである。
【0004】
当該構造を有したバッチ式センサーは、シート98を介在させることにより、各部品の寸法のばらつきに起因する部品間の隙間などの発生を防ぐという点で効果がある。しかし当該構造は同時に、カバー93がシート98を押圧しているため、流路92の天井部が加圧されることから流路92の高さが不均一に低下してしまうことがある。
【0005】
当該バッチ式センサーにおいては、感知対象物と水晶振動子91表面との接触率を向上させるために流路92の高さを狭小化することへの要請がある。しかし嵌合するカバー93からの圧力を高めることにより流路92の高さを低くすると、流路92が完全に潰れてしまう部分が発生したり、あるいは水晶振動子91が欠損したりする懸念がある。またシート98の凹部92を狭小に形成した上で嵌合するカバー93からの圧力を低下させる手法も考えられるが、試料液がセンサー外に漏れ出すおそれがある。
【0006】
特許文献2には、開口部及び開口部を取り巻く溝が形成された下部ケース上に圧電振動子を配置し、上部ケースに試料液注入口及び前記溝に対応する突起を形成し、下部ケースの溝と上部ケースの突起とを嵌合させて圧電センサーを構成する手法が開示されている。しかし当該文献には圧電振動子上における試料液の流路の高さに関する言及はなく、解決する課題が本発明とは異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2012−145566号公報
【特許文献2】特開平9−145583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、感知対象物に対する測定感度を向上させた感知センサー及び感知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の感知センサーは、
発振周波数を測定するための測定器に接続される接続端子を備えると共に一面側に凹部が形成された配線基板と、
圧電片に励振電極を設けて構成され、前記凹部を塞ぎかつ振動領域が前記凹部と対向するように前記配線基板に固定されると共に、励振電極が前記接続端子に電気的に接続され、一面側に試料液中の感知対象物を吸着する吸着膜が形成された圧電振動子と、
前記圧電振動子を含む配線基板の一面側の領域を覆うように設けられ、試料液の注入口を備えた流路形成部材と、
前記配線基板の一面側を上面側とすると、前記流路形成部材よりも下方側に位置する部材と係合することにより、前記流路形成部材を前記配線基板に押圧した状態により固定する押圧部材と、
前記押圧部材による押圧により前記配線基板と前記流路形成部材との間に形成され、前記注入口に供給された試料液を、圧電振動子の一面側において一端側から他端側に向けて流通させる流路と、
前記流路形成部材と前記押圧部材との間、または前記配線基板の他面側に設けられ、前記押圧部材からの過大な圧力分を吸収する緩衝部材と、を備え
前記流路形成部材は、前記緩衝部材が存在しない状態においても、前記押圧部材により押圧されて固定された状態にあることを特徴とする。
【0010】
また本発明の感知装置は、
前記感知センサーと前記測定器を含んだ感知装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の感知センサーによれば、試料液が注入口から圧電振動子の一面側の流路を介して排液流路へ向かい、この際に試料液中に含まれる感知対象物が圧電振動子に設けられた吸着膜に吸着される。当該圧電振動子の一面側の流路は、押圧部材により、流路が形成された流路形成部材を圧電振動子が固定された配線基板に対して押圧することにより構成される。ここで、配線基板の流路形成部材と接する側とは他面側に、流路形成部材よりも硬度の低い緩衝部材を配することにより、押圧部材からの圧力のうち過大な圧力分が当該緩衝部材により吸収されることから、当該流路が過大な圧力分により潰れることを防止することができる。よって当該流路の高さを狭小に設定することが可能となることから、前記感知対象物と圧電振動子に設けられた吸着膜との間の接触率を向上させることができ、結果として感知センサー全体としての感度を高感度化できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る感知装置の斜視図である。
図2】感知装置を構成する感知センサーの分解斜視図である。
図3】感知センサーの各部の上面側を示した分解斜視図である。
図4】感知センサーの一部の下面側を示した分解斜視図である。
図5】感知センサーの分解縦断面図である。
図6】感知センサーの縦断面図である。
図7】感知装置の構成を示すブロック図である。
図8】感知センサーにて液体が流通する様子を示す縦断面図である。
図9】感知センサーの他の例を示す縦断面図である。
図10】感知センサーの他の例を示す縦断面図である。
図11】本発明の感知センサーによる測定結果を示すグラフである。
図12】感知センサーの従来例を示す縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の感知装置1について説明する。この感知装置1は、例えば人間の鼻腔のぬぐい液から得られた試料液中のインフルエンザウイルスの有無を検出するように構成されている。図1の外観構成図に示すように、感知装置1は発振回路ユニット12と、この発振回路ユニット12に例えば同軸ケーブル14を介して接続された演算装置13とを備えており、これら発振回路ユニット12と演算装置13とにより測定器11が構成されている。前記演算装置13の筐体15前面には表示部16が設けられており、この表示部16は、例えば周波数あるいは周波数の変化分等の測定結果を表示する役割を果たしている。発振回路ユニット12には感知センサー2が着脱自在に接続されるようになっている。
【0014】
続いて感知センサー2について、図2図7を参照して詳説する。図2は感知センサー2における押圧部材である蓋体(上側カバー体21)を外した状態を示す斜視図、図3は感知センサー2の各部材の表側(上面側)を示した分解斜視図、図4は感知センサー2の一部の部材の裏側(下面側)を示した斜視図、図5は感知センサー2を長さ方向(図中X軸方向)に沿って切断した分解縦断面図、図6は感知センサー2を組み立てた状態の縦断面図、図7は感知装置1の構成を示すブロック図である。
【0015】
図中3は配線基板であり、この配線基板3は長さ方向(X軸方向)に延伸された形状を有し、長さ方向の他端側は、上記の発振回路ユニット12の差し込み口17に差し込まれる差し込み部31を形成している。また配線基板3には貫通孔32が形成されており、この貫通孔32は格納部材である後述する下側ケース体22の底面221により塞がれている。この貫通孔32及び下側ケース体22の底面221によって配線基板3の一面側(表面側)に開口した凹部が形成される。
配線基板3の表面には、貫通孔32の外縁近傍から差し込み部31側に伸びるように、3本の配線34、35、36が設けられており、これら配線34〜36の両端部は、夫々端子部341、351、361、接続端子342、352、362を形成している。また配線基板3には貫通孔33が形成されている。
【0016】
この配線基板3には前記貫通孔32を一面側から塞ぐように圧電振動子をなす水晶振動子4が設けられている。水晶振動子4の水晶片41は例えば円形に構成され、水晶振動子4の表面側及び裏面側には夫々励振電極42、43が形成されている。表面側の励振電極42は図3に示すように例えば略コ字状に形成され、裏面側の励振電極43は互いに平行に設けられた2つの励振電極431、432を備えている。表面側の励振電極42と励振電極431、432とは、水晶片41を介して互いに対向するように形成され、表面側の励振電極42には共通の引き出し電極44が設けられており、当該引き出し電極44の先端側は図4に示すように水晶片41の裏面に引き回されている。また図4に示すように裏面側の励振電極431、432には夫々引き出し電極441、442が接続されている。
【0017】
さらに表面側の励振電極42において、便宜上励振電極431、432に対向している各領域を励振電極421、422とすると、図7に示すように、励振電極421の表面には、感知対象物であるインフルエンザウイルスと選択的に結合する抗体により構成された吸着膜451が設けられている。一方励振電極422の表面にはインフルエンザウイルスと励振電極422との結合を阻害する阻害膜452が設けられている。こうして水晶片41と励振電極421、431とにより第1の水晶振動子4Aが構成され、水晶片41と励振電極422、432とにより第2の水晶振動子4Bが構成される。これら水晶振動子4A、4Bは、引き出し電極44が配線基板3の配線351、引き出し電極441、442が配線基板3の配線361、341の夫々に重なるように設けられる。このように設けると、水晶振動子4の各電極及び配線基板3の各配線の厚さは極めて小さいため、水晶振動子4の周縁部は配線基板3に接し、水晶振動子4は配線基板3に略水平な状態で設けられる。
【0018】
図3に戻って、前記配線基板3の一面側には、水晶振動子4を挟み込むように流路形成部材5が設けられている。この流路形成部材5は板状部材であり、配線基板3の差し込み部31を構成する他端側部を露出させ、水晶振動子4が設けられる一端部側を覆うように形成されている。この流路形成部材5は例えば自己吸着性が高い合成樹脂例えばPDMS(ポリジメチルシロキサン)により構成されている。流路形成部材5は例えばプラズマ洗浄されて、その表面が活性化されると共に表面の有機物が除去された状態で、図6に示すように配線基板3に吸着される。
【0019】
流路形成部材5の裏面側には、図4に示すように、水晶振動子4及び配線34〜36が収まるようにこれらの外形に沿って凹部51が設けられている。この凹部51には、水晶振動子4に夫々重なる位置に、流路形成部材5の厚さ方向に貫通する貫通孔52、53が形成されている。またこれら貫通孔52、53を囲む枠部54が下側に突出して設けられている。この枠部54は、励振電極42を囲むように設けられ、励振電極42の長さ方向における一端側及び他端側近傍には夫々貫通孔52、53が配置される。前記枠部54に囲まれる領域は流路57を形成し、この流路57は水平な天井面を備え、流路57の下面は水晶振動子4により構成される。
【0020】
流路57は、図6において示すように上側カバー体21を下側ケース体22に対して嵌合したときに、高さH(流路高さ寸法)が例えば300μmとなるように構成される。また前記励振電極421(431)、422(432)は、図3に示すように貫通孔52と貫通孔53とを結ぶ線に対して、互いに対称に設けられている。流路形成部材5には配線基板3の貫通孔33に対応する位置に貫通孔58が形成されている。なお、流路形成部材5はPDMSの他に例えばアクリル樹脂等の合成樹脂や水晶等の、硬度が20〜60以下でありかつ後述する緩衝部材6と比して硬度が高い材質により構成することができる。
【0021】
図3に戻って、前記貫通孔52、53には夫々多孔質の毛細管部材により構成された入口側毛細管部材55及び出口側毛細管部材56が着脱自在に設けられている。前記入口側毛細管部材55は例えば円柱状、出口側毛細管部材56は例えば円柱を略L字状に屈曲させた形状に夫々形成され、例えばポリビニルアルコール(PVA)の化学繊維束により構成されている。これら入口側毛細管部材55や出口側毛細管部材56は多孔質体であるセルロースや親水化した多孔質樹脂により構成してもよい。入口側毛細管部材55は流路形成部材5の貫通孔52を塞ぎ、その上端側が後述する上側カバー体21の液受け部23に露出し、その下端側が流路形成部材5の流路57内に進入するように設けられている。
【0022】
出口側毛細管部材56は水平部561とこの水平部561から下方側に伸びる垂直部562とを備えた略L字状に形成されている。前記垂直部562は流路形成部材5の貫通孔53を塞ぎ、その下端側が流路形成部材5の流路57内に進入すると共に、水平部561は後述する廃液通路59に接続されている。さらに図5及び図6に示すように出口側毛細管部材56の下端面563は、例えば水平面において上側に傾斜するように形成されている。入口側毛細管部材55の繊維間の孔(多孔質の毛細管部材の孔)は、試料液の注入口に相当する。
【0023】
前記廃液流路59は例えば親水性のガラスにより管状に構成され、流路形成部材5の上方部に感知センサー2の長さ方向(図中X方向)に沿って伸びるように設けられている。前記出口側毛細管部材56の水平部561の下端側は、廃液流路59の内部に突入するように設けられる。
【0024】
図3図5及び図6に示すように、廃液流路59の下流側には、試料液を吸収して貯留するための廃液吸収部7が設けられている。この廃液吸収部7は毛細管部材をなす毛細管シート71と、当該毛細管シート71と接触するように設けられ、毛細管シート71を流通する試料液を吸収するための吸収部材72と、を備えている。前記毛細管部材は毛細管現象を生じさせる材質よりなるものであり、例えば不織布や紙、セルロースや綿、多孔質の化学繊維束、親水化した多孔質樹脂等により構成される。また毛細管シート71は、毛細管部材をシート状に構成したものであり、例えば平面で見たときに一端側が他端側よりも狭まった形状に構成され、頂点711が廃液流路59の下流端から廃液流路59の内部に入り込むように設けられる。従って廃液流路59の下流端は開口している。
【0025】
この毛細管シート71の下面は、吸収部材72の上面と接触するように設けられている。この吸収部材72は、毛細管シート71により吸収可能な液量よりも多い液量を吸収できるものであり、例えばPVAや親水性材料よりなるスポンジ等の多孔質体や、綿状体により構成されている。
【0026】
この廃液吸収部7は図5及び図6に示すように、液体の漏れを防ぐためにケース体73に収納されており、このケース体73の廃液流路59側の側壁には、図3に示すように例えば廃液流路59の設置領域を確保するための切り欠き部74が形成されている。また廃液流路59は支持部材75により、高さ及び左右方向の位置を位置決めされた状態で支持されている。
【0027】
前述した配線基板3の他面側(水晶振動子4側と反対側)には、緩衝部材6が設けられている。緩衝部材6は前述した流路形成部材5と比して硬度が低い(柔らかい)材質にて形成される。当該緩衝部材6の材質としてはシリコンゴム等の、硬度が5〜20であり流路形成部材5と比して硬度が低い材質が選択される。当該緩衝部材6は、下側ケース体22の内側かつ長さ方向の他端側に設けられた凹部24に嵌合される寸法に設計されており、各寸法の例としては、図3に示す長さR1が16mm、幅R2が11mmに、全体としての厚みR3が上述の流路形成部材5により形成される流路57の流路高さ寸法Hよりも小さい厚みである1mmに、また図5に示す下側ケース体22よりも突出する部分の厚みR4が200μmに、夫々形成される。
【0028】
前記流路形成部材5の一面側には上側カバー体21が設けられている。この上側カバー体21は、例えばプラスチック等の樹脂により構成されており、流路形成部材5や廃液流路59、廃液吸収部7等を覆うように形成されている。一方配線基板の他面側には下側ケース体22が設けられており、上側カバー体21を下側ケース体22に嵌合して押圧することにより、水晶振動子4が前記貫通孔32を塞ぐように配線基板3に固定すると共に、貫通孔32は緩衝部材6により塞がれ、さらに緩衝部材6は下側ケース体22に対して押圧され、凹部24に嵌合される。また図示しない突起が、図3にて示した配線基板3の貫通孔33及び流路形成部材5の貫通孔58に進入し、これにより流路形成部材5の横方向への位置ずれが抑えられるように構成されている。さらに上側カバー体21内部の下部には爪26が例えば長さ方向の側面下部に夫々2箇所ずつ、合計4箇所設けられ、図2及び図3にて図示している下側ケース体22下部の凹部25と嵌合するように構成されている。図6は上側カバー体21を下側ケース体22に対して嵌合し、感知センサー2を形成した状態の縦断面図である。
【0029】
上側カバー体21の上面側には、液受け部23として構成される開口部が形成されており、この開口部内に前記貫通孔52が開口し、液受け部23から供給された液体は入口側毛細管部材55の繊維間の孔(多孔質の毛細管部材の孔)を介して、液体の流路57に供給される。また上側カバー体21には、図示しない通気口が形成されており、この感知センサー2内を液体が流通するときに、各流路の気体は廃液流路59の下端側の開口部からこの通気口を介して感知センサー2の外部へと押し出される。
このように構成された感知センサー2は、配線基板3の差し込み部31を発振回路ユニット12の差し込み口17に差し込んだときに、水晶振動子4の各電極が発振回路811、812に電気的に接続されるようになっている。
【0030】
続いて、感知装置1を構成する演算装置13に設けられる各部について図7を用いて説明する。前記発振回路811、812の後段にはスイッチ部82が設けられており、当該スイッチ部82によって2つの発振回路811、812からの周波数信号を時分割して後段に取り込み、各振動領域の発振周波数を並行して求めることができる。第1の発振回路811からの出力をチャンネル1、第2の発振回路812からの出力をチャンネル2とすると、例えば1秒間をn分割(nは偶数)し、各チャンネルの発振周波数を1/n秒の処理で順次求めることにより、1秒間に少なくとも1回以上周波数を取得しているため、実質同時に各チャンネルの周波数を取得することができる。
【0031】
スイッチ部82の後段には測定回路部83が設けられている。測定回路部83は入力信号である周波数信号をディジタル処理し、各チャンネルの発振周波数を測定する。以下、チャンネル1、2の出力を夫々F1、F2と表す。また演算装置13はデータバス80を備えており、データバス80にはCPU84,データ処理プログラム85を格納している記憶手段、メモリ86及び既述の測定回路部83が接続されている。さらにデータバス80には既述の表示部16やキーボード等の入力手段87が接続されている。
【0032】
データ処理プログラム85は、測定回路部83から出力される信号に基づいて発振周波数F1の時系列データ及び発振周波数F2の時系列データを取得し、メモリ86に格納する。またこのデータ取得動作と同時に、同一の時間帯におけるチャンネル1から取得した発振周波数F1、チャンネル2から取得した発振周波数F2の各時系列データの差分「F1−F2」の差分を演算し、当該差分データの時系列データを取得してメモリ86に格納すると共に、当該「F1−F2」のグラフを表示部16に表示する。
【0033】
続いて、感知センサー2を構成する工程について説明する。図2及び図3に図示したように各部品を下側ケース体22内部に配置した上で、上側カバー体21を下側ケース体22に対して被せ、上側カバー体21内部の爪26が下側ケース体22側面の凹部25に嵌合するまで上側カバー体21を下側ケース体22に対して押圧する。この過程において下側ケース体22内部の流路形成部材5は配線基板3を押圧し、当該配線基板3からの圧力により緩衝部材6は高さ方向に縮んでいく。このとき緩衝部材6は下側ケース体22内部において凹部24に嵌合されているため、緩衝部材6の下側ケース体22内部からの飛び出しは抑止できる。
【0034】
そして緩衝部材6の厚さR3は、上側カバー体21の爪26が下側ケース体22の凹部25に嵌合したときに、緩衝部材6の下側ケース体22から突出する厚みR4が0にならないように予め設計されている。このため、上側カバー体21と下側ケース体22とを嵌合した後にも、緩衝部材6は嵌合による圧力のうち過大な圧力分を吸収することができる。
【0035】
続いて感知センサー2を用い、試料液中のインフルエンザウイルスの有無を判定する工程について図8を参照して説明する。但しこれら図8は、感知センサー2内を通流する液体(試料液、緩衝液)のイメージを示すものであり、実際の様子よりも誇張して描画している。先ず感知センサー2を発振ユニット12に接続し、図示しないインジェクタを用いて、図8(a)に示すように液受け部23に例えば生理食塩水からなりインフルエンザウイルスを含まない緩衝液を滴下する。ここで感知センサー2に液体を供給したときの、感知センサー2内の液体の流れについて説明する。液体は毛細管現象により入口側毛細管部材55に吸収され、当該毛細管部材55内を流通し、流路57に流れ込んで水晶振動子4の一端部側の表面に供給される。
【0036】
水晶振動子4を構成する水晶片41の表面は親水性であるため、流路57内を濡れ広がり、流路57に広がった液体に続いて入口側毛細管部材55の液体は、表面張力により水晶片41の表面へと引き出され、液受け部23から流路57へ連続して液体が流れていく。そして水晶振動子4表面の液体が出口側毛細管部材56に到達すると、液体は毛細管現象により出口側毛細管部材56に吸収され、当該毛細管部材56内を流れて廃液流路59へ滲み出る。ここで毛細管現象に加えてサイホンの原理が働き、引き続き自動的に液受け部23の液体が水晶振動子4表面を通過して廃液流路59へと排出される。
【0037】
廃液流路59内の液体は当該廃液流路59内を下流側に通流していき、毛細管シート71に到達する。廃液流路59内の液体が毛細管シート71に到達すると、廃液流路59を通流する液体の移動速度よりも大きい速度にて毛細管シート71側に液体が移動する。毛細管シート71に液体が接触すると、毛細管シート71側に液体が速やかに吸収され、毛細管シート71内を毛細管現象により広がるように通流していき、図8(b)に示すように、廃液流路59内にて液体が途切れる状態が形成される。
【0038】
こうして廃液流路59内にて液体が分断されると、毛細管シート71側の液体は、毛細管シート71に接触する吸収部材72に吸収されて貯留される。一方液受け部23に残存する液体は、毛細管現象とサイホンの原理とにより、廃液流路59に向けて流れようとするため、この液体の流れにより廃液流路59内に残存した液体は下流側に移動していき、図8(c)に示すように、再び毛細管シート71と接触する。このようにして廃液流路59内の液体の分断と、廃液流路59内の液体の通流とが繰り返され、液受け部23内の液体が全て通流したところで、図8(d)に示すように、廃液流路59内では液体が分断された状態で停止する。
【0039】
説を緩衝液の供給に戻すと、液受け部23に滴下された緩衝液は、既述のように感知センサー2内を通流していく。そして流路57を流れる緩衝液が、励振電極421、422表面に供給されると、これら励振電極421、422は流路57の入口側から出口側へ向かって見て対称に形成されているため、等しく水圧の影響を受ける。これによって第1の水晶振動子4A、第2の水晶振動子4Bの発振周波数F1、F2が共に等しく低下する。
【0040】
続いて緩衝液と同量の試料液を液受け部23へ供給する。これにより入口側毛細管部材55に吸収されている緩衝液に加わる圧力が高くなり、図8と同様に当該緩衝液は再び廃液流路59内を下流側に向かって流れ、試料液が入口側毛細管部材55に吸収される。吸収された試料液は、緩衝液と同様に入口側毛細管部材55から流路57に流入し、流路57内が緩衝液から試料液に置換される。
【0041】
このときにも、励振電極421、422が流路57の入口側から出口側に見て対称に形成されているため、これらの電極421、422は流路57内の液の切り替わりによる圧力変化を均等に受け、当該圧力変化による第1の水晶振動子4A、第2の水晶振動子4Bの発振周波数が互いに揃って変化する。試料液中に測定対象物であるインフルエンザウイルスが含まれる場合には、励振電極421上の吸着膜451に当該インフルエンザウイルスが吸着され、一方励振電極422上の阻害膜452にはインフルエンザウイルスは吸着されない。このため吸着膜451へのインフルエンザウイルスの吸着量に応じて周波数F1が下降し、F1−F2が変化する。このようにF1−F2の変化に基づいてインフルエンザウイルスの有無を判定することができる。また、発振周波数の差分F1−F2の変化量と試料液中の感知対象物の濃度との関係式を予め取得しておき、当該関係式と測定により得られた発振周波数の差分の変化量とから、試料液中の感知対象物の濃度を求めてもよい。
【0042】
上述の実施形態の感知センサー2においては、配線基板3の他面側に緩衝部材6を設けている。この緩衝部材6は前述の通り、流路形成部材5よりも柔らかい(硬度が低い)材料によって形成されている。このため、上側カバー体21と下側ケース体22とを嵌合させて、その圧力により流路57を形成する際に、当該嵌合による圧力のうち過大な圧力分が当該緩衝部材6により吸収されることから、流路57が過大な圧力分により潰れたり、水晶振動子4が欠損したりすることを防止できる。よって流路57の高さH(流路高さ寸法)を均一な状態に保ったまま流路高さ寸法Hを予め狭小に、例えば300μm以下に設定することが可能となる。このように流路高さ寸法Hを狭小に設定すると、感知対象物であるインフルエンザウイルスと水晶振動子4上に設けられた吸着膜451との接触率を向上させることができる。その結果として、感知センサー2全体として、感知対象物に対する感度を高めることができる。
【0043】
さらにこの感知センサー2においては、試料液が毛細管現象により注入口から水晶振動子4の一面側の流路57を介して励振電極42の一端側から他端側へと流れ、試料液中に含まれる感知対象物が水晶振動子4に設けられた吸着膜451に吸着される。従って試料液を流通させるためにポンプ等の機器を設ける必要がないため、装置の大型化や複雑化を防ぎ、簡便に測定を行うことができる。
【0044】
また試料液は流路57の下流側に設けられた廃液流路59、毛細管部材を介して吸収部材72に貯留される。毛細管部材は、廃液流路59内の試料液と接触するように設けられ、廃液流路59内の試料液は毛細管部材に到達すると、当該毛細管部材により試料液の移動速度よりも大きい速度にて引っ張られるようにして移動する。従って毛細管部材と廃液流路59内の試料液との間に隙間が発生する状態が形成される。これにより廃液吸収部7の毛細管部材と、試料液が貯留する流路57とが切り離された状態となり、流路57内の試料液が緩衝液によって希釈される現象の発生が抑制される。従って、常に測定感度が高い状態にて、試料液中の感知対象物の検出または定量を行うことができる。
【0045】
さらに既述のように、最終的に廃液流路59にて試料液が分断され、廃液吸収部7と流路57とが切り離されるので、流路57においては水晶振動子4上の試料液が確実に静止した状態となる。このため試料液と吸着膜451との抗原抗体反応が飽和するまで計測を継続することができ、より精度の高い測定を行うことができる。
【0046】
本実施形態の感知センサー2は、図9(a)に示すように、廃液流路59の下流端を毛細管シート74により塞ぐように、前記毛細管シート74を設ける構成であってもよい。この構成であっても、毛細管シート74と廃液流路59内の試料液との間に隙間を形成することができる。さらに吸収部材72としてスポンジ等の多孔質体や綿状体を設けているので、吸収部材72を設けない場合に比して、材料や大きさを変更することによって液体の貯留量を変更しやすく、感知センサー2の設計が容易となる。
【0047】
また、毛細管部材は、毛細管部材と廃液流路59内の試料液との間に隙間が形成されるものであれば、必ずしもシート状に形成する必要はない。さらにまた図2図6に示す感知センサー2において、毛細管シート71の形状は、平面的に見て一端側が他端側よりも狭まった形状に構成され、前記一端側が廃液流路59内に突入されることが好ましい。毛細管シート71は、必ずしも一端側が尖った形状である必要はない。また廃液流路59内に突入される毛細管部材の容量も適宜選択される。
【0048】
さらに毛細管部材と吸収部材72は、毛細管部材が吸収できる液量よりも吸収部材72が吸収できる液量が多ければよい。さらにまた、図9(b)に示すように、吸収部材721の下方側に廃液領域76を形成し、吸収部材721から自重により落下した液体を当該廃液領域76に貯留する構成としてもよい。図9(b)中、50は廃液流路、564は出口側毛細管部材、77はケース体である。
このように廃液流路59(50)は毛細管現象により液体を流通させる構成であればよく、ガラス管に限らず、流路形成部材により形成された流路であってもよい。
【0049】
さらに本発明の感知センサー2を用いた感知対象物の検出においては、試料液を感知センサー2に供給した後に、吸着膜451に吸着された感知対象物と結合する増感材を含んだ供給液(増感液)を供給することができ、さらにそのように感知対象物に結合された増感材に重畳して結合する増感材を含んだ増感液を供給して、増感を行うことができる。このような増感液を用いる場合にも、当該増感液を流路57に供給したときに、先に供給した液との混合が防止されるので、増感液の希釈を防ぐことができる。従って増感材の結合が速やかに発生するので、測定の感度を高くできると共に測定時間を短縮することが可能となる。
【0050】
さらにまた、水晶振動子4A、4Bを分割した水晶片にて構成し、各水晶片を互いにごく近くに配置してもよい。さらにまた必ずしも第1の水晶振動子4A及び第2の水晶振動子4Bを設ける必要はなく、吸着膜を備えた水晶振動子を一つ設ける構成であってもよい。この場合には、吸着膜に感知対象物が吸着されると発振周波数が変化するため、例えば予め閾値を設定しておき、発振周波数が閾値を超えたか否かによって感知対象物の検知の有無を判定する。
【0051】
さらにまた、緩衝部材6を配線基板3の他面側に配する代わりに、緩衝部材6を流路形成部材5と上側カバー体21との間に配してもよく、この場合も上側カバー体21と下側ケース体22との嵌合による圧力のうち過大な圧力分を緩衝部材6によって吸収することが可能である。よって上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0052】
また、本発明における緩衝部材6を図12の従来の感知センサーに適用した感知センサー20を図10に示し、簡単に説明する。なお、前述した感知センサー2と同様の部位には同符号を附し説明を省略する。当該感知センサー20は、感知センサー2から廃液吸収部7を省いた構成となっている。この感知センサー20においては、液受け部23から供給された液体は毛細管部材550から毛細管現象によって感知センサー2と同様に流路57内へと流入し、毛細管部材560を介し廃液流路590内へと排出される。
【0053】
当該感知センサー20においても、上側カバー体21を下側ケース体22に嵌合し、流路形成部材5を配線基板3に押圧することによって流路57が形成されている。その際に緩衝部材6を配線基板3の他面側に配することにより、上側カバー体21と下側ケース体22との嵌合による圧力のうち過大な圧力分を緩衝部材6全体に吸収させることができ、結果として流路57を均一に形成できることから、流路57の流路高さ寸法Hを狭小に設計することが可能となる。
【0054】
以上において、感知センサー2は、既述したように緩衝部材6を介在させることにより、流路57を狭小に設定することが可能となることから、感知対象物と吸着膜451との間の接触率を向上させ、結果として感知センサー2としての感度を高感度化させることができる。さらに流路57が上側カバー体21からの押圧により潰れることを抑止することができることから、特に流路高さ寸法Hが300μm以下の感知センサーを形成する際に、顕著な効果を得ることができる。
【0055】
(評価試験)
上記の実施形態に従って、感知センサー2を用いてF1とF2との差分が変化する様子を調べた。この評価試験では試料液としてC反応性蛋白(CRP)を夫々異なる濃度に調製した溶液を注入し、感知センサー2の吸着膜451としてはCRP抗体を用いた。流路57の流路高さ寸法について300μmに形成したセンサーと50μmに形成したセンサーとを用意し、夫々のセンサーについて試験を行った。
【0056】
評価試験の結果を図12にグラフにて示す。縦軸はF1とF2との差分、横軸は試料液中のCRPの濃度であり、夫々対数である。また実線のグラフは流路高さ寸法50μmのセンサーにおける反応量、点線のグラフは流路高さ寸法300μmのセンサーにおける反応量を示したものである。当該グラフより、流路高さ寸法300μmのセンサーと比して、流路高さ寸法50μmのセンサーは感度が顕著に高いことが認められる。この結果は流路高さ寸法を小さくすることによって吸着膜と感知対象物との接触率が上昇したことによるものと推測される。
【符号の説明】
【0057】
1 感知装置
2 感知センサー
3 配線基板
4 水晶振動子
5 流路形成部材
6 緩衝部材
7 廃液吸収部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12