特許第6357692号(P6357692)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ車体株式会社の特許一覧 ▶ トヨタ自動車株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6357692-車両のバンパカバー取付け構造 図000002
  • 特許6357692-車両のバンパカバー取付け構造 図000003
  • 特許6357692-車両のバンパカバー取付け構造 図000004
  • 特許6357692-車両のバンパカバー取付け構造 図000005
  • 特許6357692-車両のバンパカバー取付け構造 図000006
  • 特許6357692-車両のバンパカバー取付け構造 図000007
  • 特許6357692-車両のバンパカバー取付け構造 図000008
  • 特許6357692-車両のバンパカバー取付け構造 図000009
  • 特許6357692-車両のバンパカバー取付け構造 図000010
  • 特許6357692-車両のバンパカバー取付け構造 図000011
  • 特許6357692-車両のバンパカバー取付け構造 図000012
  • 特許6357692-車両のバンパカバー取付け構造 図000013
  • 特許6357692-車両のバンパカバー取付け構造 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6357692
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】車両のバンパカバー取付け構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 19/24 20060101AFI20180709BHJP
【FI】
   B60R19/24 K
   B60R19/24 R
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-100310(P2014-100310)
(22)【出願日】2014年5月14日
(65)【公開番号】特開2015-217699(P2015-217699A)
(43)【公開日】2015年12月7日
【審査請求日】2016年10月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 祐治
(72)【発明者】
【氏名】花木 武彦
【審査官】 畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−348693(JP,A)
【文献】 特開2008−179243(JP,A)
【文献】 特開2009−166622(JP,A)
【文献】 特開2005−067537(JP,A)
【文献】 実開平05−067555(JP,U)
【文献】 特開2003−011751(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 19/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バンパカバー本体部と、そのバンパカバー本体部の車幅方向における両端部に配置される左右のバンパカバー付属部とから構成されるバンパカバーを車両のボディの後部に取付ける車両のバンパカバー取付け構造であって、
前記左右のバンパカバー付属部は、前記バンパカバー本体部の上側で、そのバンパカバー本体部と共に前記バンパカバーの意匠面を構成しており、
前記左右のバンパカバー付属部には、前記バンパカバー本体部の左右両側に設けられた係合部がそれぞれ掛けられる被係合部が設けられており、
前記左右のバンパカバー付属部が前記ボディに取付けられた状態で前記被係合部に前記係合部が掛けられることで、前記バンパカバー本体部が前記ボディに対する取付け位置から後側に離れた位置で前記左右のバンパカバー付属部に吊り支持され、前記バンパカバー本体部を前記ボディからさらに離れるように後側に引いて傾けることができる構成であることを特徴とする車両のバンパカバー取付け構造。
【請求項2】
請求項1に記載された車両のバンパカバー取付け構造であって、
前記バンパカバー付属部と前記バンパカバー本体部とが前記ボディに取付けられた状態で、前記バンパカバー付属部の意匠面と前記バンパカバー本体部の意匠面とが連続した状態に保持されることを特徴とする車両のバンパカバー取付け構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2のいずれかに記載された車両のバンパカバー取付け構造であって、
前記バンパカバー付属部には、そのバンパカバー付属部の被係合部に前記バンパカバー本体部の係合部が掛けられた状態から前記バンパカバー本体部を前記ボディに取付けられる位置までガイド可能なガイド部が設けられていることを特徴とする車両のバンパカバー取付け構造。
【請求項4】
請求項3に記載された車両のバンパカバー取付け構造であって、
前記ガイド部は、前記バンパカバー本体部の係合部が通される開口と、その開口に通される前記係合部を下から支えてガイドする傾斜面とを備えていることを特徴とする車両のバンパカバー取付け構造。
【請求項5】
請求項4に記載された車両のバンパカバー取付け構造であって、
前記ガイド部の傾斜面は、前記バンパカバー付属部の被係合部に形成されていることを特徴とする車両のバンパカバー取付け構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンパカバー本体部と、そのバンパカバー本体部の車幅方向における両端部に配置される左右のバンパカバー付属部とから構成されるバンパカバーを車両のボディに取付ける車両のバンパカバー取付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のバンパカバー取付け構造に関する技術が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載のバンパカバー取付け構造は、図13に示すように、リヤバンパカバー120を車両100のボディ110の後部に取付けるための構造である。リヤバンパカバー120の左右両端部には、上方に突出するカバー突出部122が形成されており、左右のカバー突出部122の内壁面に被支持片125が形成されている。また、ボディ110の後部開口112の左右両側には、リヤバンパカバー120(左右のカバー突出部122)の被支持片125がそれぞれ上方から掛けられる支持突起114が設けられている。そして、リヤバンパカバー120の左右の被支持片125をそれぞれボディ110の左右の支持突起114に掛けた状態で、リヤバンパカバー120をボディ110の後部に仮支持できるようになる。この状態で、リヤバンパカバー120の内側のコネクタ接続等を行えるようになる。次に、リヤバンパカバー120をボディ110に対して接近移動させることで、リヤバンパカバー120はボディ110の左右の支持突起114等により取付け位置までガイドされる。そして、取付け位置でリヤバンパカバー120は複数のボルトによりボディ110に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−166622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、リヤバンパカバー120は、意匠的な観点からカバー突出部122の上方突出寸法を大きくする傾向がある。このため、リヤバンパカバー120が大型化する。さらに、リヤバンパカバー120が大型化すると、成形型上の制約から全体を一度に成形するのが難しくなり、カバー突出部122とリヤバンパカバー120の本体部分とを分割して成形することが行われる。分割成形されたリヤバンパカバー120に対して上記したバンパカバー取付け構造を利用するには、個別に成形されたカバー突出部122とリヤバンパカバー120の本体部分とを接合させてリヤバンパカバー120を製作することから始める必要がある。さらに、大型化したリヤバンパカバー120をボディ110の後部に仮支持し、さらにボディ110に取付ける方法では作業者の負担が増加する。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、バンパカバーを車両のボディに取付ける際の作業者の負担軽減を図るとともに、バンパカバーの取付け効率を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。請求項1の発明は、バンパカバー本体部と、そのバンパカバー本体部の車幅方向における両端部に配置される左右のバンパカバー付属部とから構成されるバンパカバーを車両のボディの後部に取付ける車両のバンパカバー取付け構造であって、前記左右のバンパカバー付属部は、前記バンパカバー本体部の上側で、そのバンパカバー本体部と共に前記バンパカバーの意匠面を構成しており、前記左右のバンパカバー付属部には、前記バンパカバー本体部の左右両側に設けられた係合部がそれぞれ掛けられる被係合部が設けられており、前記左右のバンパカバー付属部が前記ボディに取付けられた状態で前記被係合部に前記係合部が掛けられることで、前記バンパカバー本体部が前記ボディに対する取付け位置から後側に離れた位置で前記左右のバンパカバー付属部に吊り支持され、前記バンパカバー本体部を前記ボディからさらに離れるように後側に引いて傾けることができる構成であることを特徴とする。

【0007】
本発明によると、左右のバンパカバー付属部がボディに取付けられた後、それらのバンパカバー付属部によってバンパカバー本体部が吊り支持される。これにより、バンパカバー本体部の内側に部品等を取付けることが可能になる。即ち、作業者はバンパカバー付属部を単独でボディに取付けた後、バンパカバー本体部を仮支持し、さらにボディ110に取付ける方法のため、従来のように、バンパカバー本体部とバンパカバー付属部とを一体で取り扱う場合と比較して作業者の負担軽減を図ることができる。さらに、バンパカバーをボディに取付ける前にバンパカバー本体部とバンパカバー付属部とを一体化する工程が不要になるため、バンパカバーの取付け効率が向上する。
【0008】
請求項2の発明によると、バンパカバー付属部とバンパカバー本体部とがボディに取付けられた状態で、前記バンパカバー付属部の意匠面と前記バンパカバー本体部の意匠面とが連続した状態に保持されることを特徴とする。
請求項3の発明によると、バンパカバー付属部には、そのバンパカバー付属部の被係合部にバンパカバー本体部の係合部が掛けられた状態から前記バンパカバー本体部を前記ボディに取付けられる位置までガイド可能なガイド部が設けられていることを特徴とする。このため、バンパカバー付属部に吊り支持されたバンパカバー本体部をボディに対する取付け位置までスムーズに移動させることができる。
【0009】
請求項4の発明によると、ガイド部は、バンパカバー本体部の係合部が通される開口と、その開口に通される前記係合部を下から支えてガイドする傾斜面とを備えていることを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明によると、ガイド部の傾斜面は、バンパカバー付属部の被係合部に形成されていることを特徴とする。即ち、被係合部がガイド部の一部を兼ねているため、被係合部とガイド部とが個別に設けられている場合と比較してバンパカバー付属部の形状を単純化できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、バンパカバーを車両のボディに取付ける際の作業者の負担を軽減できる。また、バンパカバーの取付け効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態1に係るバンパカバー取付け構造を備える車両の後方斜視図である。
図2】車両のボディに取付けられたバンパカバー付属部に対してバンパカバー本体部が吊り支持された状態を表す全体斜視図である。
図3】車両のボディに取付けられたバンパカバー付属部に対してバンパカバー本体部が吊り支持された状態を表す全体斜視図である。
図4図2のIV矢視拡大図である。
図5】バンパカバー本体部の平板状凸部に設けられた係合部等を表す平面図である。
図6】バンパカバー付属部の凹部に設けられた被係合部にバンパカバー本体部の係合部が掛けられた状態を表す斜視図Iである。
図7】バンパカバー付属部の凹部に設けられた被係合部にバンパカバー本体部の係合部が掛けられた状態を表す斜視図IIである。
図8】バンパカバー付属部の凹部を表す正面図である。
図9】バンパカバー付属部の凹部に対してバンパカバー本体部の平板状凸部が嵌め合わされた状態を表す縦断面図(図8のIX-IX部分の断面図)である。
図10】バンパカバー付属部の凹部に対してバンパカバー本体部の平板状凸部が嵌め合わされた状態を表す縦断面図(図8のX-X部分の断面図)である。
図11】バンパカバー付属部の凹部に対してバンパカバー本体部の平板状凸部が嵌め込まれた状態を表す縦断面図(図8のXI-XI部分の断面図)である。
図12】バンパカバー付属部の凹部に対してバンパカバー本体部の平板状凸部が嵌め込まれた状態を表す縦断面図(図8のXII-XII部分の断面図)である。
図13】従来の車両のバンパカバー取付け構造を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施形態1]
以下、図1から図12に基づいて本発明の実施形態1に係る車両のバンパカバー取付け構造について説明する。本実施形態に係る車両のバンパカバー取付け構造は、図1に示すように、ワンボックス車両10のボディ12の後部にリヤバンパカバー20を取付けるための構造である。ここで、図中における前後左右、及び上下は前記ワンボックス車両10の前後左右、及び上下に対応している。
【0014】
<ワンボックス車両10のボディ12の概要について>
リヤバンパカバー20の取付け構造について説明する前に、図1に基づいて、ワンボックス車両10のボディ12の概要について簡単に説明する。ワンボックス車両10のボディ12の後部には荷物の積み下ろし等に使用されるドア開口部12hが形成されており、そのドア開口部12hがバックドア(図示省略)により開閉可能に構成されている。ボディ12のドア開口部12hの下辺部分には左右方向に延びる横梁部12y(図示省略)が設けられており、その横梁部12yの左右両側にドア開口部12hを構成する左右の後端支柱部12zが立設されている。また、ボディ12の後部の左右側面にはリヤホイールハウス12aを備えるリヤフェンダパネル12f等が設けられている。そして、ボディ12の横梁部12yと、左右の後端支柱部12zの下部と、リヤフェンダパネル12fの下部とがリヤバンパカバー20により覆われている。
【0015】
<リヤバンパカバー20について>
リヤバンパカバー20は、図1図2に示すように、ボディ12の横梁部12yからリヤフェンダパネル12fの下部までを覆うバンパカバー本体部22と、そのバンパカバー本体部22の左右両側で起立して左右の後端支柱部12zの下部をそれぞれ覆うバンパカバー付属部30とから構成されている。バンパカバー本体部22は、リヤフェンダパネル12fの下部を覆う左右の側板部22f,22rと、ボディ12の横梁部12yを覆う後端板部22bとにより平面略コ字形に形成されている。そして、バンパカバー本体部22の後端板部22bと左右の側板部22f,22rとの境界位置上部に、図4等に示すように、バンパカバー付属部30との連結に使用される平板状凸部25が設けられている。また、バンパカバー付属部30の下端部には、バンパカバー本体部22の平板状凸部25が嵌め込まれる凹部35が設けられている。そして、バンパカバー付属部30の凹部35にバンパカバー本体部22の平板状凸部25が嵌め込まれた状態で、図1に示すように、バンパカバー付属部30の意匠面30eとバンパカバー本体部22の意匠面22eとが連続するようになる。
【0016】
<バンパカバー付属部30の凹部35について>
バンパカバー付属部30は、意匠面30eを備える主要装飾部32と、その主要装飾部32の下側に設けられた前記凹部35から構成されている。そして、バンパカバー付属部30の主要装飾部32における意匠面30e以外の部分がボディ12の後端支柱部12zに対して複数個所でボルト止めされる。これにより、バンパカバー付属部30はボディ12の後端支柱部12zの所定位置に固定される。ここで、左右のバンパカバー付属部30は左右対称に形成されているため、代表して右側のバンパカバー付属部30の凹部35について説明する。
【0017】
バンパカバー付属部30の凹部35は、バンパカバー本体部22をボディ12の後部で吊り支持する部分である。また、前記凹部35は、吊り支持されているバンパカバー本体部22の平板状凸部25がその凹部35に嵌め込まれる過程で前記バンパカバー本体部22をボディ12に対する取付け位置までガイドできるように構成されている。バンパカバー本体部22は、ボディ12に対する取付け位置まで移動した段階でボディ12に対して複数個所でボルト止めされる。これにより、バンパカバー本体部22は、バンパカバー付属部30と意匠面22e,30eが連続した状態でボディ12の所定位置に固定されるようになる。
【0018】
バンパカバー付属部30の凹部35は、図7図9に示すように、主要装飾部32の下端面を構成する天井壁部350と、その天井壁部350の下方で天井壁部350に対向するように設けられた支持壁部355と、両壁部350,355の前端側(凹部底側)とをつなぐ縦壁部353(図9等参照)とから構成されている。そして、凹部35の縦壁部353の中央部分に、図8に示すように、バンパカバー本体部22の平板状凸部25の係合部250(後記する)が通される中央開口353cが形成されている。さらに、中央開口353cの左側には、バンパカバー本体部22(平板状凸部25)の左爪部253(後記する)が通される左開口353fが形成されており、中央開口353cの右側には、平板状凸部25の右爪部255(後記する)が通される右開口353rが形成されている。
【0019】
また、凹部35の支持壁部355には、図7図8に示すように、左開口353fの左側と、中央開口353cの左右両側と、右開口353rの右側とにそれぞれガイド突条354が形成されている。ガイド突条354は、図7に示すように、支持壁部355の後端位置(手前側位置)から縦壁部353の位置まで前方(凹部奥方向)に延びる突条であり、後端傾斜面354kと平らな支持面354fとを備えている。これにより、ガイド突条354は、バンパカバー本体部22の内フランジ部25f(後記する)を上方の所定位置までガイドできるようになる。
【0020】
また、凹部35の支持壁部355上には、中央開口353cの中央位置にバンパカバー本体部22(平板状凸部25)の係合部250が掛けられるように構成された鉤状の被係合部357が設けられている。被係合部357は、図9等に示すように、前側に掛かり部を備える鉤状に形成されており、背面側(後面側)にバンパカバー本体部22の係合部250を下方から押し上げる方向にガイド可能な傾斜面357kが設けられている。また、凹部35の支持壁部355上には、図7等に示すように、左開口353fと右開口353rとの下側位置にバンパカバー本体部22の左爪部253と右爪部255とをそれぞれの開口353f,353rまで導くための傾斜平面355kが形成されている。さらに、凹部35の天井壁部350には、図8に示すように、左開口353fと右開口353rとの中央位置に、バンパカバー本体部22の左爪部253と右爪部255とにそれぞれ係合可能に構成された突起部358が形成されている。
【0021】
<バンパカバー本体部22の平板状凸部25について>
バンパカバー本体部22の平板状凸部25は、上記したバンパカバー付属部30の凹部35に嵌め込まれる部分である。バンパカバー本体部22の平板状凸部25は、図5に示すように、バンパカバー本体部22の上端位置で内側に一定幅で突出するように形成された内フランジ部25fを備えている。そして、内フランジ部25fの左右方向における略中央位置には、前方に突出するように形成された係合部250が設けられている。さらに、内フランジ部25fには、係合部250の左側と右側とに左爪部253と右爪部255とが設けられている。平板状凸部25の係合部250は、上記したように、バンパカバー付属部30の凹部35の中央開口353cに通される部分であり、図5に示すように、先細の帯板状に形成されている。そして、係合部250の幅寸法が中央開口353cの幅寸法とほぼ等しい値に設定されている。また、係合部250の先端部分には、バンパカバー付属部30の凹部35に形成された被係合部357に掛けられる角形開口251が形成されている。
【0022】
平板状凸部25の左爪部253と右爪部255とは、バンパカバー付属部30の凹部35の左開口353fと右開口353rとにそれぞれ対応する位置に配置されており、上記したように、左開口353fと右開口353rとに通されるように形成されている。左爪部253と右爪部255との幅寸法は、それぞれ左開口353fと右開口353rとの幅寸法とほぼ等しい値に設定されている。そして、図5等に示すように、左爪部253と右爪部255との基端部の上面位置にスリット状の溝部253m,255mがそれぞれ形成されている。左爪部253の溝部253mと右爪部255の溝部255mとには、図11に示すように、左爪部253と右爪部255とがそれぞれバンパカバー付属部30の凹部35の左開口353fと右開口353rとに通された状態で突起部358が係合するように構成されている。
【0023】
<リヤバンパカバー20の取付け手順について>
次に、リヤバンパカバー20の取付け手順について説明する。リヤバンパカバー20の取付けでは、先ず、左右のバンパカバー付属部30をボディ12の左右の後端支柱部12zの所定位置にそれぞれボルト止めする。次に、図4図6図7に示すように、バンパカバー本体部22の左右の平板状凸部25に設けられた係合部250の角形開口251を左右のバンパカバー付属部30(凹部35)の被係合部357にそれぞれ掛けるようにする。この状態で、バンパカバー本体部22は、ボディ12の後部において左右のバンパカバー付属部30に吊り支持される。これにより、作業者はバンパカバー本体部22を手前側(後側)に引いて、図3、及び図9の二点鎖線に示すように、バンパカバー本体部22を傾け、ボディ12の横梁部12yから離せるようになる。これにより、バンパカバー本体部22の裏側で電線のコネクタ接続、及び部品の取付け等を行えるようになる。
【0024】
次に、作業者がバンパカバー本体部22をボディ12側(前側)に押圧することで、バンパカバー本体部22(平板状凸部25)の係合部250がバンパカバー付属部30(凹部35)の被係合部357から外れ、凹部35の中央開口353cに挿入される。このとき、バンパカバー本体部22の係合部250はバンパカバー付属部30の被係合部357の傾斜面357k上を摺動して前方に移動するため、被係合部357の傾斜面357kによって上方に押し上げられる。また、バンパカバー本体部22(平板状凸部25)の左爪部253と右爪部255とがバンパカバー付属部30(凹部35)の傾斜平面355kによって上方にガイドされ、凹部35の左開口353fと右開口353rとにそれぞれ挿入される。このように、バンパカバー本体部22の係合部250、左爪部253、及び右爪部255がバンパカバー付属部30の中央開口353c、左開口353f、及び右開口353rにそれぞれ挿入されることで、バンパカバー本体部22がバンパカバー付属部30及びボディ12に対して車幅方向に位置決めされる。
【0025】
さらに、バンパカバー本体部22(平板状凸部25)の内フランジ部25fがバンパカバー付属部30(凹部35)のガイド突条354の後端傾斜面354k上を摺動して前方に移動することで、上方に押し上げられる。そして、バンパカバー本体部22の内フランジ部25fが、図10図12に示すように、バンパカバー付属部30のガイド突条354の支持面354fと天井壁部350とに挟まれた状態で、バンパカバー本体部22は高さ方向に位置決めされる。さらに、図10図12に示すように、バンパカバー本体部22の内フランジ部25fの先端がバンパカバー付属部30(凹部35)の縦壁部353に当接することで、バンパカバー本体部22は前後方向で位置決めされる。
【0026】
そして、図11に示すように、バンパカバー本体部22(平板状凸部25)の左爪部253、右爪部255の溝部253m,255mに対してバンパカバー付属部30(凹部35)の突起部358が係合することで、バンパカバー本体部22の平板状凸部25はバンパカバー付属部30の凹部35に嵌め込まれた状態に保持される。この状態で、バンパカバー本体部22はボディ12に対する取付け位置に保持される。そして、バンパカバー本体部22がボディ12に対して複数個所でボルト止めされることにより、リヤバンパカバー20の取付けが終了する。この状態で、リヤバンパカバー20のバンパカバー本体部22とバンパカバー付属部30との意匠面22e,30eが連続した状態に保持される。即ち、バンパカバー付属部30の凹部35が本発明におけるガイド部に相当する。
【0027】
<本実施形態に係るリヤバンパカバー取付け構造の長所について>
本実施形態に係るリヤバンパカバー取付け構造によると、左右のバンパカバー付属部30がボディ12に取付けられた後、それらのバンパカバー付属部30によってバンパカバー本体部22が吊り支持される。これにより、バンパカバー本体部22の内側に部品等を取付けることが可能になる。即ち、作業者はバンパカバー付属部30を単独でボディ12に取付けた後、バンパカバー本体部22を仮支持し、さらにボディ12に取付ける構成のため、従来のように、バンパカバー本体部22とバンパカバー付属部30とを一体で取り扱う場合と比較して作業者の負担軽減を図ることができる。さらに、リヤバンパカバー20をボディ12に取付ける前にバンパカバー本体部22とバンパカバー付属部30とを一体化する工程が不要になるため、リヤバンパカバー20の取付け効率が向上する。
【0028】
また、バンパカバー付属部30には、そのバンパカバー付属部30の被係合部357にバンパカバー本体部22の係合部250が掛けられた状態からバンパカバー本体部22をボディ12に取付けられる位置までガイド可能な凹部35(ガイド部)が設けられている。このため、バンパカバー付属部30に吊り支持されたバンパカバー本体部22をボディ12に対する取付け位置までスムーズに移動させられるようになる。さらに、バンパカバー付属部30の被係合部357がガイド機能を持つ傾斜面357kを備えているため、被係合部357と傾斜面357kとが個別に設けられている場合と比較してバンパカバー付属部30の形状を単純化できる。
【0029】
<変更例>
ここで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、バンパカバー本体部22(平板状凸部25)の係合部250を先細の帯板状に形成し、先端部分の角形開口251をバンパカバー付属部30(凹部35)の被係合部357に掛ける例を示した。さらに、バンパカバー本体部22をボディ12に取付ける際に、係合部250をバンパカバー付属部30(凹部35)の中央開口353cに通す例を示した。しかし、例えば、バンパカバー本体部22(平板状凸部25)の係合部250を変形自在な紐状に形成してバンパカバー付属部30(凹部35)の被係合部357に掛けるようにし、バンパカバー付属部30(凹部35)の中央開口353cを省略することも可能である。
【0030】
また、本実施形態では、バンパカバーとしてワンボックス車両10のリヤバンパカバー20を例示したが、乗用車等のリヤバンパカバーやフロントバンパーに本発明を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0031】
10・・・・ワンボックス車両
12・・・・ボディ
20・・・・リヤバンパカバー
22・・・・バンパカバー本体部
250・・・係合部
251・・・角形開口
30・・・・バンパカバー付属部
35・・・・凹部(ガイド部)
357・・・被係合部
353c・・中央開口(開口)
357k・・傾斜面(ガイド部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13