(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、チューブカラー121と伝熱チューブ111を接続している溶接部Wには、伝熱チューブ111の自重による一次応力、及び熱伸びによる二次応力がかかる。即ち、溶接部Wに集中的に負荷がかかり、強度低下が生じるという課題がある。
【0007】
この発明は、チューブカラーと伝熱チューブとを接続する溶接部にかかる応力を低減して、溶接部の強度低下を抑制することができる熱交換器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一の態様によれば、熱交換器は、高温流体が流れる一次空間と低温流体が流れる二次空間とを区画し、前記一次空間と前記二次空間とを連通させる貫通孔が形成された管板と、前記管板の前記一次空間側の面に、前記貫通孔と同心となるように設けられた管状のチューブカラーと、前記チューブカラーを介して前記管板に支持された伝熱チューブと、を有し、前記伝熱チューブは、前記一次空間内に配置されて前記チューブカラーの内径よりも大きい外径
の、下面が前記チューブカラーの上面に当接して前記チューブカラーに支持される大径部と、前記貫通孔を貫通
し、前記チューブカラー及び前記貫通孔との間に隙間を有する小径部と、を有する接続管と、前記二次空間内に配置されて前記小径部に連結された伝熱チューブ本体と、を有することを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、伝熱チューブが接続管の大径部とチューブカラーの当接面を介して管板によって支持される。これにより、伝熱チューブとチューブカラーとを接合する溶接部に、伝熱チューブの自重による応力がかかることがなくなるため、溶接部の強度低下を抑制することができる。
また、チューブカラーを貫通孔に挿入することなく、管板の面に接合する構成としたことによって、貫通孔の穴径をより小さくすることができ、管板の強度を向上させることができる。
【0010】
上記熱交換器において、前記接続管の材料の熱膨張率と、前記伝熱チューブ本体の材料の熱膨張率は同一又は同等であってよい。
【0011】
このような構成によれば、熱膨張率の違いによって発生する熱応力を抑制することができる。
【0012】
上記熱交換器において、前記接続管の材質と、前記伝熱チューブ本体の材質とは、同一又は同等であってよい。
【0013】
このような構成によれば、材質の違いにより発生する熱応力を抑制することができる。
【0014】
上記熱交換器において、前記伝熱チューブ本体の材料の熱膨張率と、前記接続管の材料の熱膨張率と、前記管板の材料の熱膨張率と、前記チューブカラーの材料の熱膨張率は、同一または同等であってよい。
【0015】
このような構成によれば、熱膨張率の違いによって発生する熱応力を抑制することができる。
【0016】
上記熱交換器において、前記伝熱チューブ本体の材質と、前記接続管の材質と、前記管板の材質と、前記チューブカラーの材質は、同一または同等であってよい。
【0017】
このような構成によれば、材質の違いにより発生する熱応力を抑制することができる。
【0018】
上記熱交換器において、前記伝熱チューブ本体の材料と、前記接続管の材料と、前記管板の材料と、前記チューブカラーの材料は、NCF 800H又はSUS310Sであってよい。
【0019】
このような構成によれば、材料が異なることにより発生する熱応力を無くすことができる。
【0020】
上記熱交換器において、前記接続管と前記伝熱チューブ本体とは、端面同士が突合せ溶接部を介して接続されてよい。
【0021】
このような構成によれば、接続管と伝熱チューブ本体との間の強度を高くすることができる。
【0022】
上記熱交換器において、前記一次空間としての内部空間を有するケーシングと、前記ケーシングと前記管板との間に介在する接続板と、前記ケーシングの外面に設けられた断熱材と、を有してよい。
【0023】
このような構成によれば、断熱材によりケーシングからの放熱が抑えられて接続板の温度が上昇することによって、管板から接続板にかけての温度勾配を小さくすることができる。これにより、管板に生じる熱応力を低減することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、伝熱チューブが接続管の大径部とチューブカラーの当接面を介し管板によって支持される。これにより、伝熱チューブとチューブカラーとを接合する溶接部に、伝熱チューブの自重による応力がかかることがなくなるため、溶接部の強度低下を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施形態の熱交換器について図面を参照して詳細に説明する。本実施形態の熱交換器を備える焼却設備は、下水汚泥などの廃棄物を焼却処理する汚泥焼却設備である。
なお、ここでは、熱交換器を備える焼却設備は汚泥焼却設備として説明するが、当該熱交換器を他の種類の焼却設備に適用することや、焼却設備以外の設備に適用してもよい。
【0027】
図1に示すように、焼却設備は、汚泥を焼却して排ガスEGを排出する焼却炉1と、焼却炉1に供給される燃焼用空気Aを加熱(予熱)する熱交換器2と、排ガスEGが導入される排ガスダクト3と、燃焼用空気Aを焼却炉1に供給する空気ダクト4とを有している。熱交換器2は、高温流体である排ガスEGと、排ガスEGよりも低温の低温流体である燃焼用空気Aとの間で熱交換を行う。
【0028】
排ガスダクト3は、焼却炉1から排出される排ガスEGを熱交換器2に供給するように焼却炉1と熱交換器2とを接続する第一排ガスダクト3Aと、熱交換により温度が低下した排ガスEGを後段機器に送る第二排ガスダクト3Bと、を有する。
空気ダクト4は、燃焼用空気Aを熱交換器2に導入する第一空気ダクト4Aと、熱交換により温度が上昇した燃焼用空気Aを焼却炉1に供給するように焼却炉1と熱交換器2とを接続する第二空気ダクト4Bと、を有する。
【0029】
焼却炉1に供給されるべき燃焼用空気Aが熱交換器2によって暖められるため、焼却炉1は下水汚泥のような燃えにくい焼却対象物の焼却が容易となる。即ち、本実施形態の熱交換器2は、汚泥焼却用の焼却炉1に供給される燃焼用空気Aを予熱するための空気予熱器として好ましく機能する。
【0030】
図2に示すように、熱交換器2は、ケーシングである上部ヘッダ6及び下部ヘッダ7と、上側管板8と、下側管板9と、内筒10と、複数の伝熱チューブ11と、を有している。伝熱チューブ11は、内筒10の内部に内筒10と平行に配置されている。
上側管板8及び下側管板9には、伝熱チューブ11を挿通させるための複数の貫通孔18(
図3参照)が形成されている。伝熱チューブ11は、この貫通孔18に挿通されることによって所定の位置に位置決めされる。
【0031】
内筒10は、内筒上部13と、内筒下部14と、内筒下部14を内筒上部13に接続するエキスパンジョンジョイント(不図示)を有している。
上側管板8は、上部ヘッダ6内の上部ヘッダ内空間6a(一次空間)と内筒10に囲まれた内筒内空間10a(二次空間)との間に設けられている。下側管板9は、内筒内空間10a(二次空間)と下部ヘッダ7内の下部ヘッダ内空間7a(一次空間)との間に設けられている。換言すれば、管板8,9は、排ガスEGが流れるヘッダ内空間6a,7aと、燃焼用空気Aが流れる内筒内空間10aとを区画する板状部材である。上側管板8の貫通孔18は、上部ヘッダ内空間6aと内筒内空間10aとを連通させる孔である。
【0032】
上部ヘッダ6の内周面と上側管板8とは、斜板15によって接続されている。同様に、下部ヘッダ7の内周面と下側管板9とは、斜板15によって接続されている。斜板15は、管板8,9とヘッダ6,7との間に介在する接続板であり、内筒10の軸線方向に向かって徐々に拡径する円錐形状をなしている。斜板15の板厚は、管板8,9よりも薄くなるように形成されている。上側管板8及び下側管板9は、耐熱耐腐食性を有する金属材料、例えば、SUS310S、NCF 800H(インコロイ800H(登録商標)とも呼ばれる)等のステンレス鋼によって形成されていることが好ましいが、これに限ることはない。
【0033】
複数の伝熱チューブ11は、内筒内空間10aを上下に延びて上部ヘッダ内空間6aと下部ヘッダ内空間7aとを接続する。
第一排ガスダクト3Aは上部ヘッダ6に接続され、第二排ガスダクト3Bは下部ヘッダ7に接続されている。
排ガスEGは、焼却炉1から第一排ガスダクト3Aを通って上部ヘッダ内空間6aに導入される。排ガスEGは、上部ヘッダ内空間6aから複数の伝熱チューブ11内を通って下部ヘッダ内空間7aに流れる。排ガスEGは、下部ヘッダ内空間7aから第二排ガスダクト3Bを通って後段機器に送られ、最終的に大気に放出される。
上部ヘッダ内空間6aに導入される排ガスEGの温度は例えば850℃であり、上側管板8の温度は、例えば700℃に達する。
【0034】
第一空気ダクト4Aは、内筒上部13に設けられた空気入口13aに接続されている。第二空気ダクト4Bは、内筒下部14に設けられた空気出口14aに接続されている。
第一空気ダクト4Aを流れてきた燃焼用空気Aは、空気入口13aから内筒内空間10aに流入し、内筒内空間10aを流れた後、空気出口14a及び第二空気ダクト4Bを通って焼却炉1に供給される。伝熱チューブ11内を流れる排ガスEGと内筒内空間10aを流れる燃焼用空気Aとが伝熱チューブ11の壁面を介して熱交換される。
内筒内空間10aには、内筒内空間10aの空気の流れが伝熱チューブ11にできるだけ等しく当たるように、バッフルプレート17が設けられている。
【0035】
また、ケーシングである上部ヘッダ6の外面には、例えば、ロックウール、グラスウール、ウレタンフォーム等の第一断熱材16が設けられている。即ち、斜板15、上部ヘッダ6を介して上側管板8の熱が放熱されることを抑制する構造となっている。
【0036】
次に、上側管板8と、伝熱チューブ11との接続部の詳細について説明する。
図3に示すように、本実施形態の熱交換器2の伝熱チューブ11は、内筒内空間10aに配置されている伝熱チューブ本体12と、伝熱チューブ本体12の端部(上端)に接続されている接続管20と、を有している。伝熱チューブ11は、チューブカラー19を介して上側管板8に支持されている。以下、伝熱チューブ11の中心軸に沿う方向を単に軸方向と呼ぶ。
【0037】
上側管板8には、伝熱チューブ11を挿通するための貫通孔18が形成されている。具体的には、伝熱チューブ11の接続管20が貫通孔18を貫通している。貫通孔18の内径は例えば90mmである。伝熱チューブ11は、軸方向の下方に向かって下側管板9(
図2参照)まで延在している。伝熱チューブ11を構成する伝熱チューブ本体12は、複数に分割してよい。
【0038】
チューブカラー19は、円筒形状をなす部材であり、上側管板8の上部ヘッダ内空間6aを向く面8aに貫通孔18と同心となるように接合されている。チューブカラー19の径方向の厚さは、例えば8mmである。チューブカラー19の内径は、貫通孔18の内径と略同一である。即ち、チューブカラー19の内周面と貫通孔18の内周面とは、略同一周面上に配置される。
【0039】
チューブカラー19と上側管板8とは、貫通孔18の内周面の上端とチューブカラー19の内周面の下端とに開先を設け、V形突合わせ溶接(溶接部をW1で示す)を行うことにより接合されている。
溶接部W1においては、溶接した表面が平面となるように追加工がなされている。開先の形状はV形に限ることはなく、例えばU形としてもよい。また、開先は、チューブカラー19と上側管板8の両方に設ける必要はなく、例えば、チューブカラー19のみに開先を設ける構成としてもよい。
チューブカラー19は、管板8,9と同様の金属材料によって形成することができる。
【0040】
また、チューブカラー19の外周面と上側管板8とは、例えば隅肉溶接により接合されている(溶接部をW2で示す)。
伝熱チューブ本体12は、管状の部材である。伝熱チューブ本体12の径方向の厚さ(肉厚)は、例えば3mmである。伝熱チューブ本体12の外径は、例えば89mmである。伝熱チューブ本体12の外径は、後述する接続管と略同一であり、貫通孔18の内周面との間に、僅かな隙間Gを生じる程度の外径であることが好ましい。
【0041】
接続管20は、円筒形状をなす部材であり、伝熱チューブ本体12を延長するように伝熱チューブ本体12に接続されている。接続管20は、上部ヘッダ内空間6aに配置されている大径部21と、伝熱チューブ本体12と略同一の外径及び厚さを有する小径部22と、を有している。大径部21と小径部22とは一体に形成されている。
【0042】
接続管20の大径部21は、チューブカラー19と接合される部分である。大径部21の内径は、伝熱チューブ本体12の内径と略同一である。大径部21の外径は、チューブカラー19の内径より大きく、チューブカラー19の外径より小さい。大径部21の外径は、チューブカラー19の内径よりも、例えば10mm程度大きくすることが好ましい。即ち、軸方向から見て、大径部21とチューブカラー19とが径方向に5mm程度オーバーラップしていることが好ましい。大径部21の外径は、チューブカラー19と接合可能な範囲で大きくしてもよい。
【0043】
接続管20の小径部22は、伝熱チューブ本体12と連結される部分である。小径部22の内径及び外径は、伝熱チューブ本体12の内径及び外径と略同一である。小径部22の外径は、小径部22の外周面と貫通孔18の内周面との間に、僅かな隙間G(例えば、0.5mm程度)が形成される寸法である。
小径部22の軸方向の長さは、チューブカラー19の軸方向の長さと上側管板8の厚さとの和よりも長い。即ち、小径部22の長さは、接続管20をチューブカラー19が接合された貫通孔18に挿入した際に、小径部22の端部が反対側に十分に突出する長さである。小径部22の軸方向の長さは、長い程、伝熱チューブ本体12との溶接部が、高温となる上側管板8より離れるため好ましい。
【0044】
伝熱チューブ本体12及び接続管20は、NCF 800H(インコロイ800H(登録商標))によって形成されている。上側管板8、下側管板9、チューブカラー19もNCF 800H(インコロイ800H(登録商標))によって形成されている。即ち、伝熱チューブ本体12の材質と、接続管20の材質と、上側管板8と、下側管板9と、チューブカラー19の材料は、同一の金属である。当該金属は、NCF 800Hに限らず、SUS310S等のステンレス鋼の採用も可能である。
【0045】
また、伝熱チューブ本体12及び接続管20を形成する材料は、熱膨張率が同一又は同等であれば、異なる材料であってもよい。例えば、NCF 800Hの熱膨張率は、17.3×10
−6/℃〜18.6×10
−6/℃(600℃〜1000℃)であり、SUS310Sの熱膨張率は、17.5×10
−6/℃〜19.1×10
−6/℃(600℃〜1000℃)であるため、伝熱チューブ本体12をSUS310Sで形成するとともに、接続管20をNCF 800Hで形成してもよい。即ち、伝熱チューブ本体12と接続管20の材料の選定は、熱膨張によって生じる歪が、伝熱チューブ本体12と接続管20とで同等になるように行えばよい。
同様に、伝熱チューブ本体12、接続管20、上側管板8、下側管板9、チューブカラー19を形成する材料は、同一の材料(熱膨張率が同一)であってもよいし、熱膨張率が同等の材料を使用することができる。
【0046】
伝熱チューブ本体12と接続管20とは、伝熱チューブ本体12の外周面の上端と接続管20の小径部22の外周面の下端とに開先角度90°の開先を設け、V形突合わせ溶接(溶接部をW3で示す)を行うことにより接合されている。溶接部W3においては、溶接した表面が平面となるように追加工がなされている。開先の形状はV形に限ることはなく、例えばU形としてもよい。また、開先は、伝熱チューブ本体12と小径部22の両方に設ける必要はない。
【0047】
接続管20の大径部21とチューブカラー19とは、大径部21の外周面とチューブカラー19の上面との間に例えば隅肉溶接を形成することにより接合されている(溶接部をW4で示す)。
【0048】
接続管20の上側の端部には、ダミー管24が接合されている。ダミー管24は、伝熱チューブ11を延長するように、接続管20に接続されている。ダミー管24の肉厚及び直径は、伝熱チューブ11の肉厚及び直径と同一である。ダミー管24の接続管20と接続されている側とは反対側の端部は、端部に向かうに従って徐々に拡径する、ファンネル形状(漏斗形状)である。
また、上側管板8の上部ヘッダ内空間6aを向く面8aには、第二断熱材26が設けられている。第二断熱材26は、例えば、耐火キャスタブルによって形成することができる。
【0049】
次に、本実施形態の熱交換器2の組み立てにおいて、特に、伝熱チューブ11を上側管板8に取り付ける方法について説明する。
まず、所定の方法で、上側管板8及び斜板15を固定する。次いで、複数のチューブカラー19を、貫通孔18とチューブカラー19とが同軸となるように、上側管板8に接合する。一方、接続管20と伝熱チューブ本体12とを、接続管20と伝熱チューブ本体12とが同軸となるように、接合する。
【0050】
次いで、伝熱チューブ11を、上側管板8の上方より貫通孔18に挿入する。接続管20の大径部21の外径がチューブカラー19の内径より大きいことによって、大径部21の下面21aがチューブカラー19の上面19aに当接する。即ち、伝熱チューブ11の大径部21がチューブカラー19によって支持される。
次いで、接続管20の小径部22の外周面と貫通孔18の内周面との間に、周方向に均一な隙間Gが形成されるように、接続管20とチューブカラー19とを接合する。
【0051】
上記実施形態によれば、伝熱チューブ11が接続管20の大径部21とチューブカラー19との当接面を介して管板8によって支持される。これにより、伝熱チューブ11とチューブカラー19とを接合する溶接部W4に、伝熱チューブ11の自重による応力がかかることがなくなるため、溶接部W4の強度低下を抑制することができる。
【0052】
また、チューブカラー19を貫通孔18に挿入することなく、上側管板8の面に接合する構成としたことによって、貫通孔18の穴径をより小さくすることができ、上側管板8の強度を向上させることができる。
【0053】
また、接続管20の材質と、伝熱チューブ本体12の材質とを同一又は同等にしたことによって、材質の違いにより発生する熱応力を抑制することができる。
また、接続管20の材料の熱膨張率と、伝熱チューブ本体12の材料の熱膨張率とを、同一又は同等とする場合においては、熱膨張率の違いによって発生する熱応力を抑制することができる。
【0054】
また、接続管20の材料と、伝熱チューブ本体12の材料とを同じにしたことによって、材料が異なることにより発生する熱応力を無くすことができる。
また、前記伝熱チューブ本体の材質と、前記接続管の材質と、前記管板の材質と、前記チューブカラーの材質を同一又は同等とする場合においては、より好適に材質の違いによって発生する熱応力を抑制することができる。
また、前記伝熱チューブ本体の材料の熱膨張率と、前記接続管の材料の熱膨張率と、前記管板の材料の熱膨張率と、前記チューブカラーの材料の熱膨張率を、同一又は同等とする場合においては、より好適に熱膨張率の違いによって発生する熱応力を抑制することができる。
【0055】
また、接続管20が伝熱チューブ本体12に突合せ溶接されていることによって、接続管20と伝熱チューブ本体12との間の強度を高くすることができる。
【0056】
また、上部ヘッダ6の外面に第一断熱材16を設けたことによって、第一断熱材16により上部ヘッダ6からの放熱が抑えられて斜板15の温度が上昇することによって、上側管板8から斜板15にかけての温度勾配を小さくすることができる。これにより、上側管板8に生じる熱応力を低減することができる。
【0057】
また、チューブカラー19及び接続管20を介して上側管板8に伝熱チューブ11を固定する構造としたことによって、伝熱チューブ11の補修を容易とすることができる。即ち、伝熱チューブ11の表面が脆化した場合においても、チューブカラー19と接続管20の少なくとも一方を削るなどして脆化した箇所を取り除いて補修(溶接)を行うことができる。
また、チューブカラー19及び接続管20を介して上側管板8に伝熱チューブ11を固定する構造としたことによって、伝熱チューブ11を上側管板8(チューブカラー19)に溶接する際の熱を上側管板8に伝達しにくくすることができる。
【0058】
また、チューブカラー19の内径を貫通孔18の内径と略同一としたことにより、チューブカラー19の内周面と貫通孔18の内周面とが連続し、チューブカラー19と伝熱チューブ11との間隔、及び貫通孔18と伝熱チューブ11との間隔をより小さくすることができ、貫通孔18の穴径をより小さくすることができる。
また、ダミー管24の上端が、ファンネル形状とされていることによって、排ガスEGの流入効率を向上させることができる。
【0059】
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、接続管20を構成する大径部21と小径部22とは、一体に形成されているが、別々に形成して接合してもよい。