特許第6357736号(P6357736)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6357736情報処理装置、通信方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6357736
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】情報処理装置、通信方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20180709BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20180709BHJP
【FI】
   G06F13/00 610C
   H04M1/00 V
   H04M1/00 K
【請求項の数】12
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-140575(P2013-140575)
(22)【出願日】2013年7月4日
(65)【公開番号】特開2015-14870(P2015-14870A)
(43)【公開日】2015年1月22日
【審査請求日】2016年6月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】南 剛
【審査官】 寺谷 大亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−192404(JP,A)
【文献】 特開2002−369260(JP,A)
【文献】 特開2012−212958(JP,A)
【文献】 特開2010−245668(JP,A)
【文献】 特開2000−332814(JP,A)
【文献】 特開2003−110746(JP,A)
【文献】 特開平3−002920(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
H04M 1/00
1/24−1/82
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のデバイスと通信する機能を有する他の情報処理装置の第1ユーザに対する通知内容を含む第1情報を生成する第1生成手段と、
前記1以上のデバイス及び前記他の情報処理装置を含むデバイス群のうち、前記他の情報処理装置での前記第1情報の受信を前記第1ユーザに通知する通知設定デバイスを示す第2情報を、前記第1情報に対して付加した送信情報を生成する第2生成手段と、
前記第2生成手段により生成された前記送信情報を、前記他の情報処理装置に送信する通信手段と、
前記他の情報処理装置での前記第1情報の受信を前記第1ユーザに通知可能なデバイスの情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記デバイスの情報に基づいて、複数の通知可能なデバイスを候補として、その候補から1のデバイスを前記通知設定デバイスとして選択する選択手段と、
を備え
前記取得手段は、前記第1情報に含まれる通知内容の重要度に応じて種類が異なるデバイスの情報を取得することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記選択手段は、前記第2情報で示される通知設定デバイスを、前記情報処理装置の第2ユーザに設定させる請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2生成手段は更に、前記通知設定デバイスにおける通知方法を示す第3情報を前記第1情報に対して付加して前記送信情報を生成し、
前記通信手段は更に、前記第3情報が付加された前記送信情報を前記他の情報処理装置に送信する
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記選択手段は、前記第3情報で示される通知方法を前記情報処理装置の第2ユーザに設定させる請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記通信手段は、前記第1情報を前記第1ユーザに通知した通知設定デバイスに関する通知済情報を取得し、
前記選択手段は、前記通知済情報に基づいて特定された複数の通知済みデバイスを候補として、その候補の中から1のデバイスを前記通知設定デバイスとして選択することを特徴とする請求項1乃至の何れか一方に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記通知済情報は、前記他の情報処理装置から、前記通知内容が前記第1ユーザに通知された後、通知が行われたデバイス及び当該デバイスでの通知手段を示す情報が付加されており、
前記情報処理装置は、前記通知手段に受信された前記通知済情報から、通知が行われたデバイスを、ログ情報として取得するログ取得手段をさらに備えることを特徴とする、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記選択手段は、前記候補をユーザに提示して、前記候補のなから1のデバイスを第2のユーザに選択させることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
1以上のデバイスと通信する機能を有する情報処理装置であって、
他の情報処理装置から送られてきた情報に、当該情報を通知する通知設定デバイスを示すデバイス情報が付加されているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により付加されていると判断された場合に、前記デバイス情報に示された前記通知設定デバイスで前記情報を通知するように制御する制御手段と、
前記他の情報処理装置において前記情報を通知可能であって、前記情報に含まれる通知内容の重要度に応じて種類が変更される複数のデバイス候補から1のデバイスを前記通知設定デバイスとして選択させるための所定情報を前記他の情報処理装置に転送する転送手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項9】
1以上のデバイスと通信する機能を有する他の情報処理装置との間で通信する通信手段を有する情報処理装置が実行する通信方法であって、
前記他の情報処理装置の第1ユーザに対する通知内容を含む第1情報を生成する第1生成ステップと、
前記1以上のデバイス及び前記他の情報処理装置を含むデバイス群のうち、前記他の情報処理装置での前記第1情報の受信を前記第1ユーザに通知する通知設定デバイスを示す第2情報を前記第1情報に対して付加した送信情報、を生成する第2生成ステップと、
前記第2生成ステップにより生成された前記送信情報を、前記他の情報処理装置に送信する通信ステップと、
前記他の情報処理装置での前記第1情報の受信を前記第1ユーザに通知可能なデバイスの情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得された前記デバイスの情報に基づいて、複数の通知可能なデバイスを候補として、その候補から1のデバイスを前記通知設定デバイスとして選択する選択ステップと
を含み、
前記取得ステップは、前記第1情報に含まれる通知内容の重要度に応じて種類が異なるデバイスの情報を取得することを特徴とする通信方法。
【請求項10】
1以上のデバイスと通信する機能を有する他の情報処理装置との間で通信する通信手段を有する情報処理装置を制御するコンピュータを、
前記他の情報処理装置の第1ユーザに対する通知内容を含む第1情報を生成する第1生成手段、
前記1以上のデバイス及び前記他の情報処理装置を含むデバイス群のうち、前記他の情報処理装置での前記第1情報の受信を前記第1ユーザに通知する通知設定デバイスを示す第2情報を前記第1情報に対して付加した送信情報、を生成する第2生成手段、
前記第2生成手段により生成された前記送信情報を、前記他の情報処理装置に送信する通信手段、
前記他の情報処理装置での前記第1情報の受信を前記第1ユーザに通知可能なデバイスの情報を取得する取得手段、
前記取得手段により取得された前記デバイスの情報に基づいて、複数の通知可能なデバイスを候補として、その候補から1のデバイスを前記通知設定デバイスとして選択する選択手段、
として機能させ
前記取得手段は、前記第1情報に含まれる通知内容の重要度に応じて種類が異なるデバイスの情報を取得することを特徴とするプログラム。
【請求項11】
1以上のデバイスと通信する機能を有する情報処理装置が実行する通信方法であって、
他の情報処理装置から送られてきた情報に、当該情報を通知する通知設定デバイスを示すデバイス情報が付加されているか否かを判断する判断ステップと、
付加されていると判断された場合に、前記デバイス情報に示された前記通知設定デバイスで前記情報を通知するように制御する制御ステップと、
前記他の情報処理装置において、前記情報を通知可能であって、前記情報に含まれる通知内容の重要度に応じて種類が変更される複数のデバイス候補から1のデバイスを前記通知設定デバイスとして選択させるための所定情報を前記他の情報処理装置に転送する転送ステップと、
を含む通信方法。
【請求項12】
1以上のデバイスと通信する機能を有する情報処理装置を制御するコンピュータを、
他の情報処理装置から送られてきた情報に、当該情報を通知する通知設定デバイスを示すデバイス情報が付加されているか否かを判断する判断手段、
前記判断手段により付加されていると判断された場合に、前記デバイス情報に示された前記通知設定デバイスで前記情報を通知するように制御する制御手段、
前記他の情報処理装置において前記情報を通知可能であって、前記情報に含まれる通知内容の重要度に応じて種類が変更される複数のデバイス候補から1のデバイスを前記通知設定デバイスとして選択させるための所定情報を前記他の情報処理装置に転送する転送手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、通信方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、単に時刻を表示するだけでなく、通信機能を含め様々な機能を有する腕時計型の小型端末(以下、「リスト端末」と呼ぶ)の需要が高まりつつある。
このようなリスト端末は、携帯電話機やスマートフォン(smartphone)等の携帯型の端末(以下、「携帯端末」という)と相互に無線接続することにより、携帯端末でメールを受信したり、着信があった旨の情報を受信して、その旨をユーザに通知することができる(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−61176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、携帯端末やリスト端末、さらにはヘッドセット等も含めて複数のデバイスを同時に所持するユーザが増えてきており、送信側で重要な内容のメール等を送信しても、受信側のユーザに適切なタイミングで確認してもらうことが困難になってきた。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、送信側で重要な内容のメール等が送信された場合、受信側のユーザが適切なタイミングで確実に確認することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
1以上のデバイスと通信する機能を有する他の情報処理装置の第1ユーザに対する通知内容を含む第1情報を生成する第1生成手段と、
前記1以上のデバイス及び前記他の情報処理装置を含むデバイス群のうち、前記他の情報処理装置での前記第1情報の受信を前記第1ユーザに通知する通知設定デバイスを示す第2情報を、前記第1情報に対して付加した送信情報を生成する第2生成手段と、
前記第2生成手段により生成された前記送信情報を、前記他の情報処理装置に送信する通信手段と、
前記他の情報処理装置での前記第1情報の受信を前記第1ユーザに通知可能なデバイスの情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記デバイスの情報に基づいて、複数の通知可能なデバイスを候補として、その候補から1のデバイスを前記通知設定デバイスとして選択する選択手段と、
を備え
前記取得手段は、前記第1情報に含まれる通知内容の重要度に応じて種類が異なるデバイスの情報を取得することを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の別態様の情報処理装置は、
1以上のデバイスと通信する機能を有する情報処理装置であって、
他の情報処理装置から送られてきた情報に、当該情報を通知する通知設定デバイスを示すデバイス情報が付加されているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により付加されていると判断された場合に、前記デバイス情報に示された前記通知設定デバイスで前記情報を通知するように制御する制御手段と、
前記他の情報処理装置において、前記情報を通知可能であって、前記情報に含まれる通知内容の重要度に応じて種類が変更される複数のデバイスの候補から1のデバイスを前記通知設定デバイスとして選択させるための所定情報を前記他の情報処理装置に転送する転送手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、送信側で重要な内容のメール等が送信された場合、受信側のユーザが適切なタイミングで確実に確認することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係るメール送受信システムの構成を示している。
図2図1のメール送受信システムのうち、本発明の情報処理装置の一実施形態に係る携帯端末11のハードウェアの構成を示すブロック図である。
図3図1のメール送受信システムの機能的構成のうち、メール送受信処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
図4】緊急指定や通知指定を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)画像の一例を示す図である。
図5図3の機能構成を有する図2の送信側の携帯端末が実行する、送信側メール送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6図3の機能構成を有する図2の受信側の携帯端末が実行する、受信側メール受信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7図6の受信側メール受信処理のうち、通知実行処理の詳細な流れを説明するフローチャートである。
図8図2の受信側の携帯端末が、図6の受信側メール受信処理に併せて実行する、メール開封処理の流れを説明するフローチャートである。
図9図8のメール開封処理の実行後に、図2の送信側の携帯端末が実行する開封確認メール受信処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係るメール送受信システムの構成を示している。
図1に示すメール送受信システムにおいては、携帯端末11−1と、携帯端末11−2と、ヘッドセット12と、リスト端末13とが備えられている。
【0012】
携帯端末11−1は、電子メール(以下、「メール」と略記する)を送信する側のユーザU1に所持される、スマートフォン、携帯電話機、パーソナルコンピュータ等の携帯端末で構成される。
携帯端末11−2は、メールを受信する側のユーザU2に所持される、スマートフォン、携帯電話機、パーソナルコンピュータ等の携帯端末で構成される。
携帯端末11−1と携帯端末11−2は、インターネット等の所定のネットワーク21を介して相互に接続されている。なお、携帯端末11−1と携帯端末11−2のネットワーク21を介在する通信の手法は、特に限定されないが、本実施形態ではWi−Fi(Wiresless Fidelity)によるアクセスポイントとの無線通信を介在して通信する手法が採用されている。
なお、以下、携帯端末11−1,11−2の各々を個々に区別する必要が無い場合、これらをまとめて、「携帯端末11」と呼ぶ。
【0013】
ヘッドセット12は、ユーザU2の頭部に取り付けられ、ヘッドフォンとマイクロフォンとを備え、少なくとも、携帯端末11−2と無線通信をする機能を有する。
リスト端末13は、ユーザU2の腕に嵌められるリスト型の携帯端末であり、少なくとも、携帯端末11−2と無線通信する機能を有している。
なお、携帯端末11−2とヘッドセット12又はリスト端末13との間の無線通信の手法は、特に限定されないが、本実施形態ではBluetooth(登録商標)を用いる手法が採用されている。
【0014】
図2は、図1のメール送受信システムのうち、本発明の情報処理装置の一実施形態に係る携帯端末のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【0015】
携帯端末11は、CPU(Central Processing Unit)51と、ROM(Read Only Memory)52と、RAM(Random Access Memory)53と、バス54と、入出力インターフェース55と、入力部56と、表示部57と、記憶部58と、通信部59と、ドライブ60とを備えている。
【0016】
CPU51は、ROM52に記録されているプログラム、又は、記憶部58からRAM53にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM53には、CPU51が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0017】
CPU51、ROM52及びRAM53は、バス54を介して相互に接続されている。このバス54にはまた、入出力インターフェース55も接続されている。入出力インターフェース55には、入力部56、表示部57、記憶部58、通信部59、及びドライブ60が接続されている。
【0018】
入力部56は、例えば表示部57の表示画面に積層される静電容量式又は抵抗膜式の位置入力センサにより構成され、タッチ操作がなされた位置の座標を検出する。ここで、タッチ操作とは、入力部56に対する物体(ユーザの指やタッチペン等)の接触又は近接の操作をいう。
表示部57は、ディスプレイにより構成され画像を表示する。
即ち、本実施形態では、入力部56と表示部57とにより、タッチパネルが構成されている。
記憶部58は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部59は、Bluetooth(登録商標)によりヘッドセット12やリスト端末13と無線通信したり、Wi−Fiによりインターネットを含むネットワーク21を介して、他の携帯端末11と通信する制御を実行する。
【0019】
ドライブ60には、必要に応じて、リムーバブルメディア61が適宜装着される。ドライブ60によってリムーバブルメディア61から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部58にインストールされる。また、リムーバブルメディア61は、記憶部58に記憶されている各種データも、記憶部58と同様に記憶することができる。
【0020】
図3は、このようなメール送受信システムの機能的構成のうち、メール送受信処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
【0021】
メール送受信処理は、送信側メール送信処理と、受信側メール受信処理とに大別される。
【0022】
送信側メール送信処理とは、ユーザU1により入力された文章(ユーザU2に通知したい主内容)をデータ化して、メールとして送信するまでの一連の処理をいう。特に本実施形態では、緊急指定と通知指定とを受け付け、受け付けた内容をメールの文章(本文)のデータに含める処理が、送信側メール送信処理の一部として実行される。なお、メールの文章(本文)の他、緊急指定や通知指定等の指定内容が含まれたデータであって、送信対象のデータを、以下、「送信データ」と呼ぶ。
緊急指定とは、送信側のユーザU1が、メールが緊急の内容なのでユーザU2に即座に開封してもらいたいのか否かの度合い(以下、「緊急度」と呼ぶ)を、入力部56を操作して指定することをいう。この緊急度は、一定範囲で連続的に変化するものであってもよいし、多段階的に離散的に変化するものであってもよい。ここでは、説明の便宜上、緊急と、普通(緊急でない)との2段階の緊急度が設定可能であるとする。
通知指定とは、送信側のユーザU1が、受信側のユーザU2が所持する通知デバイス(本実施形態では、携帯端末11−2、ヘッドセット12、及びリスト端末13の3種類)のうち、メール受信の通知を行うデバイス(以下、「通知デバイス」と呼ぶ)を指定するとともに、当該通知デバイスでの通知手段を指定することをいう。
【0023】
また、受信側メール受信処理とは、送信側の携帯端末11−1からの送信データを受信し、送信データから指定内容を検出し、受信側のユーザU2が所持する通知デバイス(本実施形態では、携帯端末11−2、ヘッドセット12、及びリスト端末13の3種類)のうち、指定内容に従って決定される通知デバイスに対して、当該指定内容に従って決定される通信手段で、メールの受信をユーザU2に通知するまでの一連の処理をいう。
【0024】
送信側メール処理が実行される場合、送信側の携帯端末11−1のCPU51においては、図3に示すように、メール文章生成部71と、緊急指定受付部72と、通知指定受付部73と、表示制御部74と、送信データ生成部75とが機能する。なお、ログ取得部76については後述する。
受信側メール処理が実行される場合、受信側の携帯端末11−2のCPU51においては、図3に示すように、Wifi制御部81と、送信データ取得部82と、指定内容検出部83と、ブルートゥース制御部84と、リンク確認部85と、通知手段決定部86と、通知制御部87とが機能する。
【0025】
メール文章生成部71は、ユーザU1の入力部56に対する操作に基づいて、メールの文章(表題や本文)のデータを生成する。
緊急指定受付部72は、ユーザU1の入力部56に対する操作に基づいて、上述の緊急指定を受け付ける。
通知指定受付部73は、ユーザU1の入力部56に対する操作に基づいて、上述の通知指定を受け付ける。
表示制御部74は、緊急指定や通知指定をユーザU1から受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)画像等を、表示部57に表示させる制御を実行する。
送信データ生成部75は、メール文章に対して、緊急指定や通知指定の内容を付加したデータを、送信データとして生成する。通信データは、通信部59を介して、携帯端末11−2に送信される。
【0026】
図4は、緊急指定や通知指定を受け付けるためのGUI画像の一例を示している。
初めに、表示制御部74は、緊急指定を行うためのウインドウG1、即ち、緊急度として普通又は緊急の選択が行えるウインドウG1を表示させる。
例えば、ユーザU1が、入力部56を操作して、ウインドウG1における「緊急」を選択すると、具体的にはウインドウG1における「緊急」の表示位置における入力部56に対してタッチ操作をすると、緊急指定受付部72は、緊急が指定されたことを受け付ける。
この場合、表示制御部74は、通知指定(通知デバイスの指定)を行うためのウインドウG2、即ち、通知デバイスとして、ディフォルト、ヘッドセット12、又はリスト端末13の選択が行えるウインドウG2を表示させる。ディフォルトとは、予め設定されている1以上のデバイスを意味しており、ここではヘッドセット12とリスト端末13との両方が設定されているものとする。なお、図4の例は例示に過ぎず、ユーザU2が所持し得るデバイスであれば任意のものが選択可能である。例えば、携帯端末11−2とは独立してユーザU2が自在に持ち運び可能な、通信手段としてバイブレータの機能を有している携帯型のデバイス等を、ウインドウG2で選択可能にすることができる。
例えば、ユーザU1が、入力部56を操作して、ウインドウG2における「リスト端末」を選択すると、具体的にはウインドウG2における「リスト端末」の表示位置における入力部56に対してタッチ操作をすると、通知指定受付部73は、通知デバイスとしてリスト端末13が指定されたことを受け付ける。
この場合、表示制御部74は、通知手段を設定するためのウインドウG3、即ち、ウインドウG2で設定された通知デバイスによるメール受信の通知手段として、表示、着信音、又はバイブレータの選択が行えるウインドウG3を表示させる。
例えば、ユーザU1が、入力部56を操作して、ウインドウG3における「バイブレータ」を選択すると、具体的にはウインドウG3における「バイブレータ」の表示位置における入力部56に対してタッチ操作をすると、通知指定受付部73は、リスト端末13の通信手段としてバイブレータが指定されたことを受け付ける。
この場合、送信データ生成部75は、メール文章に対して、緊急度が「緊急」であり、通知デバイスが「リスト端末」であり、通知手段が「バイブレータ」であることを示す情報を付加したデータを、送信データとして生成する。通信データは、通信部59を介して、携帯端末11−2に送信される。
【0027】
図3に戻り、このようにして携帯端末11−1から送信データが送信されると、受信側の携帯端末11−2は、受信側メール受信処理を実行する。
この場合、Wifi制御部81は、Wi−Fiによる、通信部59やネットワーク21を介する、携帯端末11−1との通信を制御する。例えば、Wifi制御部81は、携帯端末11−1からの送信データを、Wi−Fiにより、通信部59やネットワーク21を介して受信させる制御を実行する。
送信データ取得部82は、Wifi制御部81の制御により受信された送信データを取得する。
指定内容検出部83は、送信データ取得部82により取得された送信データから、緊急指定や通知指定の内容を示すデータを検出する。送信データのうち、メールの文章(表題や本文等)のデータは通知制御部87に供給される。
ブルートゥース制御部84は、Bluetooth(登録商標)により、通信部59を介するヘッドセット12やリスト端末13との間の無線通信を制御する。
リンク確認部85は、ブルートゥース制御部84の制御によるBluetooth(登録商標)の無線リンクの状態を、通知デバイス毎に(本実施形態ではヘッドセット12及びリスト端末13毎に)確認する。
通知手段決定部86は、指定内容検出部83の検出結果、及び、リンク確認部85の確認結果に基づいて、メール受信をユーザU2に通知するための通知デバイス、及び、その通知デバイスでの通知手段を決定する。
通知制御部87は、携帯端末11−2、ヘッドセット12、及び、リスト端末13のうち、通知手段決定部86により決定された通知デバイスから、通知手段決定部86により決定された通信手段を用いて、ユーザU2に対してメール受信の通知を行う制御を実行する。その際、通知手段決定部86により決定された通知デバイスが、ヘッドセット12又はリスト端末13の場合には、通知制御部87は、ブルートゥース制御部84を介する、Bluetooth(登録商標)の無線通信を用いた遠隔制御を実行する。
【0028】
次に、かかる機能的構成を有するメール送受信システムが実行する、メール送受信処理について説明する。具体的には、メール送受信処理のうち、先ず、送信側メール送信処理について説明し、その後、受信側メール受信処理について説明する。
【0029】
図5は、図3の機能構成を有する図2の送信側の携帯端末が実行する、送信側メール送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
送信側の携帯端末11−1の電源が投入されて所定の条件が満たされると、送信側メール送信処理が開始されて、次のようなステップS1以降の処理が実行される。
【0030】
ステップS1において、メール文章生成部71は、ユーザU1の入力部56に対する操作に基づいて、宛先を入力する。
ステップS2において、メール文章生成部71は、ユーザU1の入力部56に対する操作に基づいて、表題を入力する。
ステップS3において、メール文章生成部71は、ユーザU1の入力部56に対する操作に基づいて、本文を入力する。
【0031】
ステップS4において、緊急指定受付部72は、ユーザU1の入力部56に対する操作に基づいて、緊急指定があったか否かを判定する。
【0032】
緊急指定がなかった場合、例えば上述の図4の例では緊急度として「普通」が設定された場合、ステップS4においてNOであると判定されて、処理はステップS5に進む。
この場合、ステップS5において、送信データ生成部75は、ステップS1乃至S3の処理で入力されたメール文章(宛先、表題、及び本文)のデータを、送信データとして生成して、通信部59を介して携帯端末11−2に送信する。
これにより、送信側メール送信処理は終了となる。
【0033】
これに対して、緊急指定があった場合、例えば上述の図4の例では緊急度として「緊急」が設定された場合、ステップS4においてYESであると判定されて、処理はステップS6に進む。
ステップS6において、通知指定受付部73は、ユーザU1の入力部56に対する操作に基づいて、通知デバイスを選択する旨の指定(操作)があったか否かを判定する。
【0034】
通知デバイスを選択する旨の指定(操作)がなかった場合、ステップS6においてNOであると判定されて、処理はステップS5に進む。
この場合、ステップS5において、送信データ生成部75は、ステップS1乃至S3の処理で入力されたメール文章(宛先、表題、及び本文)のデータを、送信データとして生成して、通信部59を介して携帯端末11−2に送信する。
これにより、送信側メール送信処理は終了となる。
【0035】
通知デバイスを選択する旨の指定(操作)があった場合、ステップS6においてYESであると判定されて、処理はステップS7に進む。
ステップS7において、表示制御部74は、通知デバイスの候補を、表示部57に表示させる。具体的には例えば、表示制御部74は、図4のウインドウG2を表示部57に表示させる。
ステップS8において、通知指定受付部73は、通知デバイスの候補のうち、ユーザU1の入力部56に対する操作により指定されたものを、通知デバイスとして選択する。具体的には例えば図4の例では、ウインドウG2における「リスト端末」が指定されているので、リスト端末13が通知デバイスとして選択される。
ステップS9において、表示制御部74は、通信手段の候補を、表示部57に表示させる。具体的には例えば、表示制御部74は、図4のウインドウG3を表示部57に表示させる。
ステップS10において、通知指定受付部73は、通信手段の候補のうち、ユーザU1の入力部56に対する操作により指定されたものを、通知手段として選択する。具体的には例えば図4の例では、ウインドウG3における「バイブレータ」が指定されているので、バイブレータが通信手段として選択される。
ステップS5において、送信データ生成部75は、ステップS1乃至S3の処理で入力されたメール文章(宛先、表題、及び本文)のデータに対して、ステップS4の処理で指定された緊急度(この例では「緊急」)、ステップS8の処理で選択された通知デバイス(図4の例ではリスト端末13)、及びステップS10の処理で選択された通知手段(図4の例ではバイブレータ)を示す情報を付加したデータを、送信データとして生成する。そして、送信データ生成部75は、送信データを、通信部59を介して携帯端末11−2に送信する。
これにより、送信側メール送信処理は終了となる。
【0036】
以上、メール送受信処理のうち送信側メール送信処理について、図5のフローチャートを参照して説明した。次に、メール送受信処理のうち受信側メール受信処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0037】
図6は、図3の機能構成を有する図2の受信側の携帯端末が実行する、受信側メール受信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
上述の図5の送信側メール送信処理が実行されて、メールの送信データが携帯端末11−1からネットワーク21を介して携帯端末11−2に受信されると、即ち図3のWifi制御部81を介して送信データ取得部82により送信データが取得されると、受信側メール受信処理が開始されて、次のようなステップS21以降の処理が実行される。
【0038】
ステップS21において、指定内容検出部83は、送信データから指定内容を検出し、その検出結果に基づいて緊急度指定があるか否かを判定する。
【0039】
緊急度指定がない場合、例えば上述の図4の例では緊急度として「普通」が設定されていた場合、ステップS21においてNOであると判定されて、処理はステップS24に進む。
この場合、ステップS24において、通知手段決定部86は、通常通りメール受信デバイス(ここでは携帯端末11−2自身)にてメール受信の通知を行うことを決定し、通知制御部87は、図2の表示部57等からメール受信の通知を行う。
なお、このように、メール受信の通知デバイスやその通知手段を決定し、メール受信の通知を行うまでの一連の処理を、以下、「通知実行処理」と呼ぶ。通知実行処理の詳細については、図7のフローチャートを参照して後述する。
このようなステップS24の通知実行処理が終了すると、受信側メール受信処理全体も終了となる。
【0040】
これに対して、緊急度指定があるという指定内容であった場合、例えば上述の図4の例では緊急度として「緊急」が設定されていた場合、ステップS21においてYESであると判定されて、処理はステップS22に進む。
ステップS22において、リンク確認部85は、ブルートゥース制御部84の制御によるBluetooth(登録商標)の無線リンクの状態を、通知デバイス毎に(本実施形態ではヘッドセット12及びリスト端末13毎に)確認する。
ステップS23において、通知手段決定部86は、リンク確認部85の確認結果に基づいて、Bluetooth(登録商標)により接続している通知デバイスがあるか否かを判定する。
【0041】
Bluetooth(登録商標)により接続している通知デバイスが1つも無い場合、ステップS23においてNOであると判定されて、処理はステップS24に進む。
この場合、ステップS24において、通知実行処理として次のような処理が実行される。即ち、通知手段決定部86は、通常通りメール受信デバイス(ここでは携帯端末11−2自身)にてメール受信の通知を行うことを決定し、通知制御部87は、図2の表示部57等からメール受信の通知を行う。なお、通知実行処理の詳細については、図7のフローチャートを参照して後述する。
これにより、受信側メール受信処理は終了となる。
【0042】
これに対して、Bluetooth(登録商標)により接続している通知デバイスが1以上存在する場合、ステップS23においてYESであると判定されて、処理はステップS25に進む。
ステップS25において、通知手段決定部86は、ヘッドセット12が接続されているか否かを判定する。
【0043】
ここで、ヘッドセット12が接続されているとは、単に、ヘッドセット12がBluetooth(登録商標)により接続されているだけでは足りず、さらに、送信データの指定内容に、通知デバイスとして「ヘッドセット」が含まれていることも要求される。
即ち、ヘッドセット12がBluetooth(登録商標)により接続され、かつ、送信データの指定内容に、通知デバイスとして「ヘッドセット」が含まれている場合、ステップS25においてYESであると判定されて、処理はステップS26に進む。
ステップS26において、通知手段決定部86は、指定内容検出部83の検出結果に基づいて、ヘッドセット12での通知手段を選択する。
この場合、ステップS24において、通知実行処理として次のような処理が実行される。即ち、通知制御部87は、ヘッドセット12から、ステップS26の処理で決定された通信手段を用いて、ユーザU2に対してメール受信の通知を行う制御を実行する。その際、通知制御部87は、ブルートゥース制御部84を介する、Bluetooth(登録商標)の無線通信を用いた遠隔制御を実行する。
なお、通知実行処理の詳細については、図7のフローチャートを参照して後述する。
これにより、受信側メール受信処理は終了となる。
【0044】
これに対して、ヘッドセット12がBluetooth(登録商標)により接続されていない場合の他、(たとえヘッドセット12がBluetooth(登録商標)により接続されていたとしても)送信データの指定内容に、通知デバイスとして「ヘッドセット」が含まれていない場合、ステップS25においてNOであると判定されて、処理はステップS27に進む。
ステップS27において、通知手段決定部86は、リスト端末13が接続されているか否かを判定する。
【0045】
ここで、リスト端末13が接続されているとは、単に、リスト端末13がBluetooth(登録商標)により接続されているだけでは足りず、さらに、送信データの指定内容に、通知デバイスとして「リスト端末」が含まれていることも要求される。
即ち、リスト端末13がBluetooth(登録商標)により接続され、かつ、送信データの指定内容に、通知デバイスとして「リスト端末」が含まれている場合、ステップS27においてYESであると判定されて、処理はステップS28に進む。
ステップS28において、通知手段決定部86は、指定内容検出部83の検出結果に基づいて、リスト端末23での通知手段を選択する。
この場合、ステップS24において、通知実行処理として次のような処理が実行される。即ち、通知制御部87は、リスト端末13から、ステップS28の処理で決定された通信手段を用いて、ユーザU2に対してメール受信の通知を行う制御を実行する。その際、通知制御部87は、ブルートゥース制御部84を介する、Bluetooth(登録商標)の無線通信を用いた遠隔制御を実行する。
なお、通知実行処理の詳細については、図7のフローチャートを参照して後述する。
これにより、受信側メール受信処理は終了となる。
【0046】
これに対して、リスト端末13がBluetooth(登録商標)により接続されていない場合の他、(たとえリスト端末13がBluetooth(登録商標)により接続されていたとしても)送信データの指定内容に、通知デバイスとして「リスト端末」が含まれていない場合、ステップS27においてNOであると判定されて、処理はステップS24に進む。
この場合、ステップS24において、通知実行処理として次のような処理が実行される。即ち、通知手段決定部86は、通常通りメール受信デバイス(ここでは携帯端末11−2自身)にてメール受信の通知を行うことを決定し、通知制御部87は、図2の表示部57等からメール受信の通知を行う。
なお、通知実行処理の詳細については、図7のフローチャートを参照して後述する。
これにより、受信側メール受信処理は終了となる。
【0047】
次に、受信側メール受信処理のうち、ステップS24の通知実行処理の詳細について、図7のフローチャートを参照して説明する。
図7は、図6の受信側メール受信処理のうち、ステップS24の通知実行処理の詳細な流れを説明するフローチャートである。
【0048】
ステップS41において、通知制御部87は、通知デバイス情報を呼び出す。
ここで、通知デバイス情報とは、通知手段決定部86により決定された通知デバイスを特定可能な情報をいい、本実施形態では通知手段決定部86により生成されて通知制御部87に供給されるものとする。
【0049】
ステップS42において、通知制御部87は、通知手段情報を呼び出す。
ここで、通知手段情報とは、通知手段決定部86により決定された通知手段を特定可能な情報をいい、本実施形態では通知手段決定部86により生成されて通知制御部87に供給されるものとする。
【0050】
ステップS43において、通知制御部87は、ステップS41の処理で呼び出された通知デバイス情報で特定される通知デバイスに対して、ステップS42の処理で呼び出された通知手段情報で特定される通知手段を送信する。
ここで、「送信する」とは、通知デバイスが携帯端末11−1自身である場合、当該携帯端末11−1内で信号を伝送することを意味し、通知デバイスがヘッドセット12又はリスト端末13の場合、Bluetooth(登録商標)による無線通信を意味する。
【0051】
ステップS44において、通知制御部87は、通知実行確認がなされた否かを判定する。
即ち、本実施形態では、通知手段が送信された通知デバイスは、当該通信手段を用いてメール受信の通知を実行し、実行後、通知実行確認を通知制御部87に通知する。
このような通知が未だなされていない場合には、ステップS44においてNOであると判定されて、処理はステップS44に戻される。即ち、通知実行確認が通知されるまでの間、ステップS44の判定処理が繰り返し実行されて、通知実行処理は待機状態となる。
通知実行確認が通知されると、ステップS44においてYESであると判定されて、通知実行処理は終了となる。即ち、図6のステップS24の処理が終了し、受信側メール受信処理の全体が終了となる。
【0052】
ところで、本実施形態では、このような図6の受信側メール受信処理後に、メール受信の通知を受けた受信側のユーザU2がメールの開封操作をすると、開封確認メールが受信側の携帯端末11−1から送信側の携帯端末11−1に送信される。ここで、本実施形態では、当該開封確認メールに対して、通知デバイス情報と通知手段情報が付加されて送信される。このような開封確認メールが送信されるまでの一連の処理を、以下、「メール開封処理」と呼ぶ。
図8は、図2の受信側の携帯端末が、図6の受信側メール受信処理に併せて実行する、メール開封処理の流れを説明するフローチャートである。
【0053】
ステップS61において、携帯端末11−2は、開封確認メールのデータを作成する。
【0054】
ステップS62において、携帯端末11−2は、図6の受信側メール受信処理のステップS24の通知実行処理、より具体的には図7のステップS41の処理で呼び出された通知デバイス情報を取得する。
【0055】
ステップS63において、携帯端末11−2は、ステップS61の処理で作成した開封確認メールに対して、ステップS62の処理で取得した通知デバイス情報を付加する。
【0056】
ステップS64において、携帯端末11−2は、図6の受信側メール受信処理のステップS24の通知実行処理、より具体的には図7のステップS42の処理で呼び出された通知手段情報を取得する。
【0057】
ステップS65において、携帯端末11−2は、ステップS61の処理で作成した開封確認メールに対して、ステップS64の処理で取得した通知手段情報を付加する。
【0058】
ステップS66において、携帯端末11−2は、送信側の携帯端末11−1に対して、開封確認メールを送信する。
これにより、メール開封処理は終了となる。
【0059】
このような通知デバイス情報と通知手段情報が付加された開封確認メールが、受信側の携帯端末11−2に受信されると、当該開封確認メールから通知デバイス情報(無線リンク情報)と通知手段情報とがアドレス帳に登録される。以下、このような一連の処理を「開封確認メール受信処理」と呼ぶ。
図9は、図8のメール開封処理の実行後に、図2の送信側の携帯端末が実行する開封確認メール受信処理の流れを説明するフローチャートである。
開封確認メール受信処理が実行される場合、図3のログ取得部76が機能する。
【0060】
開封確認メールが受信されると、当該開封確認メールに対する添付ファイルが表示される。そこで、ユーザU1は、入力部56に対する操作(タッチパネルに対するタッチ操作)により、その添付ファイルを実行する。
すると、ステップS81において、ログ取得部76は、通知デバイス情報(無線リンク情報)と通知手段情報の添付スクリプトを実行する。
すると、添付スクリプト(換言すると、ログ取得部76は、実行された添付スクリプトを含むと把握することができる)により、以下のステップS82以降の処理が実行される。
【0061】
ステップS82において、ログ取得部76(添付スクリプト)は、開封確認メールの差出人のメールアドレスを取得する。
ステップS83において、ログ取得部76(添付スクリプト)は、アドレス帳からメールアドレスを検索する。
ステップS84において、ログ取得部76(添付スクリプト)は、個人アドレスの情報を取得する。
ステップS84において、ログ取得部76(添付スクリプト)は、通知デバイス情報を個人アドレスへ追加する。
ステップS85において、ログ取得部76(添付スクリプト)は、通知手段情報を個人アドレスへ保存する。
これにより、開封確認メール受信処理が終了する。
【0062】
このようにして、開封確認メールの情報から、ヘッドセット12やリスト端末13等の受信側の携帯端末11−2における無線リンク情報(通知デバイス情報)と、着信音やバイブレータ等の通知手段情報が、当該携帯端末11−2の所持者(ここではユーザU2)のアドレス帳に登録されるので、次回のデバイス候補として表示可能になる(図5のステップS7参照)。
【0063】
以上説明したように、本発明の情報処理装置の一実施形態の送信側の携帯端末11−1は、メール文章生成部71と、送信データ生成部75と、通信部59とを備える。
メール文章生成部71は、1以上のデバイス(本実施形態ではヘッドセット12及びリスト端末13)と通信する機能を有する受信側の携帯端末11−2のユーザU2に対する通知内容、即ちメールの本文を含むメール文章のデータ(第1情報)を生成する。
送信データ生成部75は、1以上のデバイス及び携帯端末11−2からなるデバイス群のうち、第1情報を携帯端末11−2で受信した旨をユーザU2に通知する通知デバイスを示す第2情報を第1情報に付加した情報を、送信情報として生成する。
通信部59は、送信データ生成部75により生成された送信情報を、受信側の携帯端末11−2に送信する。
これにより、送信側のユーザU1にとって重要な内容のメール等(第1情報)が送信された場合、受信側のユーザU2が適切なタイミングで確実に確認することができるようになる。
例えば、ユーザU1は、スマートフォンとしての携帯端末11−2にリンクしているヘッドセット12を指定してメール着信の通知させることができるので、ヘッドセット12を装着しているユーザU2は、メールが着信すると即座に(適切なタイミングで)、ヘッドフォンからの音声出力(そのような通信手段)により、確実にメールを確認することができる。
また、ユーザU1は、スマートフォンとしての携帯端末11−2にリンクしているリスト端末13を指定してメール着信の通知させることができるので、リスト端末13を装着しているユーザU2は、メールが着信すると即座に(適切なタイミングで)、リスト端末13により、確実にメールを確認することができる。ここで、リスト端末13の通知手段としては、画像表示と、バイブレータ等複数種類が選択可能である。従って、送信側のユーザU1は、リスト端末13については、ユーザU2に対して、画像表示で通知するよりもバイブレータで通知した方が確実であると判断した場合、通知手段としてバイブレータを選択操作するといった簡便な操作をするだけで済む。
【0064】
さらに、送信側の携帯端末11−1は、上述の第2情報で示される通知デバイスを、ユーザU1に設定させるためのGUI画像を、当該ユーザU1に提供する制御を実行する表示制御部74、換言すると第1設定部が設けられている。
これにより、ユーザU1は、簡単で手間のかからない操作をするだけで、通知デバイスを自在に設定することができる。
【0065】
さらに、送信データ生成部75は、通知デバイスにおけるユーザU2への通知手段(通知方法)を示す第3情報を第1情報に付加した情報を、送信情報として生成することができる。
これにより、送信側のユーザU1にとって重要な内容のメール等(第1情報)が送信された場合、受信側のユーザU2がより一段と適切なタイミングで確実に確認することができるようになる。
【0066】
さらに、表示制御部74は、上述の第3情報で示される通知手段(通知方法)を、ユーザU1に設定させるためのGUI画像を、当該ユーザU1に提供する制御を実行することによって、第3情報で示される通知方法をユーザU1に設定させる第2設定手段として機能することができる。
これにより、ユーザU1は、簡単で手間のかからない操作をするだけで、通知手段(通知方法)を自在に設定することができる。
【0067】
さらに、上述の第1情報に含まれる通知内容(メールの本文等)の重要度に応じて、設定可能な通知デバイスや通知手段(通知方法)の種類が異なっており、表示制御部74は、重要度を設定させるGUI(例えば図4のウィンドウG1)をさらに提供し、設定された重要度に応じて、通知デバイスや通知手段(通知方法)を設定させるためのGUI(例えば図4のウィンドウG2及びG3)を可変して提供することができる。
これにより、ユーザU1は、先ず重要度を設定するだけで、当該重要度にとって適切な通知デバイスを自在に設定できるようになる。
【0068】
さらに、受信側の携帯端末11−2から、通知内容が受信側のユーザU2に通知された後、通知が行われたデバイス及び当該デバイスでの通知手段を示す情報が付加された、当該ユーザU2に通知済みであることを示す通知済情報(例えば本実施形態では開封確認メール)が送信されてきた場合、通信部59は、さらに、当該通知済情報を受信し、送信側の携帯端末11−1は、通信部59に受信された通知情報から、通知が行われたデバイス及び当該デバイスでの通知手段を、ログ情報として取得することができる。
このログ情報を活用することにより、送信相手(ここではユーザU2)がどのようなデバイスと通知手段を有しているのかをアドレス帳等へ登録して次回の送信時の候補に使用できので、次回送信時においてユーザU2はより一段と確実にメール通知を確認することができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0069】
上述の実施形態では、送信側の携帯端末11−1から受信側の携帯端末11−2に対して、メールが送信されたが、特にこれに限定されない。先ず、送信相手は、1以上のデバイスと通信する機能を有する他の情報処理装置であれば足りる。そして、送信対象は、ユーザに対する通知内容を含む任意の情報でよい。
【0070】
また、上述の実施形態では、本発明が適用される情報処理装置は、スマートフォン等の携帯端末11−1を例として説明したが、特にこれに限定されない。
例えば、本発明は、1以上のデバイスと通信する機能を有する他の情報処理装置との間で通信する機能を有する電子機器一般に適用することができる。具体的には、例えば、本発明は、ノート型のパーソナルコンピュータ、プリンタ、テレビジョン受像機、ビデオカメラ、携帯型ナビゲーション装置、携帯電話機、ポータブルゲーム機等に適用可能である。
【0071】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図3の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が携帯端末11−1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図3の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0072】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0073】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図2のリムーバブルメディア31により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア61は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図2のROM52や、図2の記憶部58等で構成される。
【0074】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0075】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0076】
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
1以上のデバイスと通信する機能を有する他の情報処理装置の第1ユーザに対する通知内容を含む第1情報を生成する第1生成手段と、
前記1以上のデバイス及び前記他の情報処理装置からなるデバイス群のうち、前記第1情報を前記他の情報処理装置で受信した旨を当該第1ユーザに通知する通知デバイスを示す第2情報を、前記第1情報に付加した情報を、送信情報として生成する第2生成手段と、
前記第2生成手段により生成された前記送信情報を、前記他の情報処理装置に送信する通信手段と、
を備える情報処理装置。
[付記2]
前記第2情報で示される通知デバイスを、前記情報処理装置の第2ユーザに設定させる第1設定手段、
をさらに備える付記1に記載の情報処理装置。
[付記3]
前記第1設定手段は、前記第1情報に含まれる通知内容の重要度に応じて、設定可能な通知デバイスの種類が異なっている
付記2に記載の情報処理装置。
[付記4]
前記第2生成手段は更に、前記通知デバイスにおける通知方法を示す第3情報を前記第1情報に付加した情報を、送信情報として生成する
付記2又は3に記載の情報処理装置。
[付記5]
前記第3情報で示される通知方法を前記情報処理装置の第2ユーザに設定させる第2設定手段
をさらに備える付記4に記載の情報処理装置。
[付記6]
前記第1設定手段は、前記第1情報に含まれる通知内容の重要度に応じて、設定可能な通知デバイスの種類が異なっている
付記5に記載の情報処理装置。
[付記7]
前記他の情報処理装置から、前記通知内容が前記第1ユーザに通知された後、通知が行われたデバイス及び当該デバイスでの通知手段を示す情報が付加された、当該第1ユーザに通知済みであることを示す通知済情報が送信されてきた場合、前記通信手段は、さらに、当該通知済情報を受信し、
前記情報処理装置は、前記通知手段に受信された前記通知済情報から、通知が行われたデバイスを、ログ情報として取得するログ取得手段をさらに備える、
付記1乃至6のうちの何れか1つに記載の情報処理装置。
[付記8]
1以上のデバイスと通信する機能を有する情報処理装置であって、
他の情報処理装置から送られてきた情報に、当該情報を通知するデバイスを示すデバイス情報が付加されているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により付加されていると判断された場合に、前記デバイス情報に示されたデバイスで前記情報を通知するように制御する制御手段と、
を備える情報処理装置。
[付記9]
1以上のデバイスと通信する機能を有する他の情報処理装置との間で通信する通信手段を有する情報処理装置が実行する通信方法であって、
前記他の情報処理装置の第1ユーザに対する通知内容を含む第1情報を生成する第1生成ステップと、
前記1以上のデバイス及び前記他の情報処理装置からなるデバイス群のうち、前記第1情報を前記他の情報処理装置で受信した旨を当該第1ユーザに通知する通知デバイスを示す第2情報を、前記第1情報に付加した情報を、送信情報として生成する第2生成ステップと、
を含む通信方法。
[付記10]
1以上のデバイスと通信する機能を有する他の情報処理装置との間で通信する通信手段を有する情報処理装置を制御するコンピュータを、
前記他の情報処理装置の第1ユーザに対する通知内容を含む第1情報を生成する第1生成手段、
前記1以上のデバイス及び前記他の情報処理装置からなるデバイス群のうち、前記第1情報を前記他の情報処理装置で受信した旨を当該第1ユーザに通知する通知デバイスを示す第2情報を、前記第1情報に付加した情報を、送信情報として生成する第2生成手段、
として機能させるプログラム。
[付記11]
1以上のデバイスと通信する機能を有する情報処理装置が実行する通信方法であって、
他の情報処理装置から送られてきた情報に、当該情報を通知するデバイスを示すデバイス情報が付加されているか否かを判断する判断ステップと、
付加されていると判断された場合に、前記デバイス情報に示されたデバイスで前記情報を通知するように制御する制御ステップと、
を含む通信方法。
[付記12]
1以上のデバイスと通信する機能を有する情報処理装置を制御するコンピュータを、
他の情報処理装置から送られてきた情報に、当該情報を通知するデバイスを示すデバイス情報が付加されているか否かを判断する判断手段、
前記判断手段により付加されていると判断された場合に、前記デバイス情報に示されたデバイスで前記情報を通知するように制御する制御手段、
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0077】
11、11−1、11−2 携帯端末、12 ヘッドセット1、13 リスト端末、51 CPU、56 入力部、57 表示部、59 通信部、71 メール文章生成部、72 緊急指定受付部、73 通知指定受付部、74 表示制御部、75 送信データ生成部、76 ログ取得部、81 Wifi制御部、82 送信データ取得部、83 指定内容検出部、84 ブルートゥース制御部、85 リンク確認部、86 通知手段決定部、87 通知制御部87
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9