(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6357858
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】収納装置
(51)【国際特許分類】
B65B 5/04 20060101AFI20180709BHJP
B65B 35/26 20060101ALI20180709BHJP
B65G 11/20 20060101ALI20180709BHJP
B65G 21/20 20060101ALI20180709BHJP
【FI】
B65B5/04
B65B35/26
B65G11/20 Z
B65G21/20 A
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-98502(P2014-98502)
(22)【出願日】2014年5月12日
(65)【公開番号】特開2015-214357(P2015-214357A)
(43)【公開日】2015年12月3日
【審査請求日】2017年4月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】澤木 考世
(72)【発明者】
【氏名】青木 剛
【審査官】
小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】
特開平06−191516(JP,A)
【文献】
特開2005−119723(JP,A)
【文献】
特開平03−124614(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 5/04
B65B 35/26
B65G 11/20
B65G 21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルバッグを剛性または半剛性の外装容器の開放された上面から収納する収納装置であって、
前記フレキシブルバッグを落とし込むシューターに、前記フレキシブルバッグが滑り落ちる傾斜面が設けられており、且つ、シューターの傾斜面の下部に、前記フレキシブルバッグの幅より上部が広く下部が狭くなるように、逆ハの字型に一対のベルト式コンベアを、前記フレキシブルバッグを左右から挟みこめるように設け、前記一対のベルト式コンベアは、シューターに落とされたフレキシブルバッグの姿勢をシューター上部から画像で捕らえ、その傾きに基づき送り速度がそれぞれ調整され、フレキシブルバッグの姿勢を制御するものであることを特徴とする収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納装置に関するものである。特に、フレキシブルバッグを剛性または半剛性の外装容器に開放された上部から収納する収納装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
業務用の液体食品や飲料や酒類が充填されたフレキシブルバッグが、外装容器の段ボール箱に収納された包装があり、バックインボックスと呼ばれている。また、最近では、業務用だけでなく、2〜3リットルの小容量のバックインボックスも家庭消費用に使われるようになってきた。
【0003】
また、外装容器が、半剛性の段ボール箱でなく、剛性のドラム缶や被せ蓋つきの一斗缶などにフレキシブルバッグが、収納されている包装もある。そして、このような包装のために剛性や半剛性の外装容器にフレキシブルバッグを収納させる装置がある。
【0004】
例えば、フレキシブルバッグの箱詰め装置200として、内容物が充填されたフレキシブルバッグを移動降下する傾斜ローラーコンベヤと、
図3のように、シユーター23の下方に位置して上下方向に昇降するテーブル24と、テーブル24を上下方向に昇降するリフター25を有して、テーブル上に位置した箱体22を、シユーター23の下端が箱体22内に入るように移動し、フレキシブルバッグを、シューター23を介して箱体22へ詰めるようにした装置がある(特許文献1)。
【0005】
このような装置では、液体内容物が充填されたフレキシブルバッグが搬送されるときに、中の液体内容物が揺動し、シューターに落とすときにフレキシブルバッグの姿勢が変化して、傾いて収納されることがある。また、このときに、箱の端にフレキシブルバッグを引掛けて、ピンホールを発生してしまうことがあった。
【0006】
このようなピンホールの発生を防止し、また姿勢の不揃いがなく一定位置に収納することが可能なフレキシブルバッグの段ボール収納装置が開発されている。
【0007】
この収納装置は、搬送されてきたフレキシブルバッグを上下のコンベアで挟み込んで保持し、この上下のコンベアをフレキシブルバッグ収納位置まで移動して傾斜させ、段ボール箱をフレキシブルバッグ収納位置まで搬送させて傾斜させ、フレキシブルバッグを保持した上下のコンベアを、傾斜した段ボール箱に挿入して、フレキシブルバッグを段ボール箱に収納するようにした収納装置である(特許文献2)。
【0008】
この収納装置は、ピンホールの発生がなく、また姿勢の不揃いがなく一定位置に収納することが可能で、信頼性が高くはあるが、動作部が多く、装置が大掛かりになり、設置スペースも広くなり、設備費用も高いものとなってしまっている。また、口栓が流れ方向に対する左右中間部に取り付けられていると、口栓がバッグに押し付けられ、バッグに傷が付くことがあり、この傷からピンホールになってしまうこともある。
【0009】
公知文献を以下に示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】実開昭63−68425号公報
【特許文献2】特開2012−86882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、フレキシブルバッグにピンホールの発生がなく、また姿勢の不揃いがなく、一定位置に収納することが可能で、コンパクトな収納装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は係る課題に鑑みなされたものであり、請求項1の発明は、フレキシブルバッグを剛性または半剛性の外装容器の開放された上面から収納する収納装置であって、
前記フレキシブルバッグを落とし込むシューターに、
前記フレキシブルバッグが滑り落ちる傾斜面が設けられており、且つ、シューターの傾斜面の下部に、前記フレキシブルバッグの幅より上部が広く下部が狭くなるように、逆ハの字型に一対の
ベルト式コンベアを、前記フレキシブルバッグを左右から挟みこめるように設け、前記一対の
ベルト式コンベアは、シューターに落とされたフレキシブルバッグの
姿勢をシューター上部から画像で捕らえ、その傾きに基づき送り速度がそれぞれ調整され、フレキシブルバッグの姿勢を制御するものであることを特徴とする収納装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の収納装置は、フレキシブルバッグにピンホールを発生することがなく、また、フレキシブルバッグの姿勢の不揃いがなく一定位置に収納することが可能で、且つ、コンパクトであるので、広い設置スペースを必要とせず、設備コストも低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】(A)(B)本発明の収納装置の一例でフレキシブルバッグを外装容器に収納する方法を説明する概略図である。
【
図2】本発明の収納装置の一例で収納するフレキシブルバッグを模式的に側面で示した説明図である。
【
図3】従来の収納装置の一例を模式的に側面で示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態につき説明する。
図1は、(A)(B)本発明の収納装置の一例でフレキシブルバッグを外装容器に収納する方法を説明する概略図である。
図2は、本発明の収納装置の一例で収納するフレキシブルバッグを模式的に側面で示した説明図である。
【0016】
本例の収納装置100は、
図1(A)に示すように、フレキシブルバッグ1を半剛性の外装容器の段ボール箱2の開放された上面から収納する収納装置である。フレキシブルバッグ1は、
図2のように、表裏2組の柔軟なフィルム11、12から形成され、重ね合わされたフィルムの周縁部がシールされ、周縁シール部13が形成され、口栓14が一方のフィルムに取り付けられた包装袋である。
【0017】
このフレキシブルバッグ1は、図示しないが、前工程で液体内容物が充填され搬送されて来る。収納装置100には、フレキシブルバッグ1を段ボール箱2に落とし込むためのシューター3が設けられている。シューター3には、フレキシブルバッグ1が滑って落ちる傾斜面が設けられている。
【0018】
また、シューター3の傾斜面の下部には、液体内容物が充填されたフレキシブルバッグ1の幅より、上部が広く、下部が狭くなるように、逆ハの字型に一対のコンベア4a、4bが、フレキシブルバッグを左右から挟みこむように設けられている。
【0019】
コンベア4a、4bは、ベルト式やローラー式のコンベアを使用することができるが、ローラー式では、ローラーとローラーの間にフレキシブルバッグ1の角が入り込む恐れが
あるので、ベルト式コンベアを用いることが好ましい。
【0020】
フレキシブルバッグ1は、
図1(A)のように、搬送中に左右がずれて、傾いてシューター3に落とされることがある。本例の収納装置100は、左右一対のコンベア4a、4bのそれぞれの速度が調整可能になっていて、この速度の調整により、左右がずれて、傾いたフレキシブルバッグ1a、または、フレキシブルバッグ1bがシューター3に落とされても、左右一対のコンベア4a、4bのそれぞれの速度を調整することによって、姿勢を制御することができるようになっている。
【0021】
左右一対のコンベア4a、4bのそれぞれの速度の調整は、シューター3に落とされたフレキシブルバッグ1の姿勢を、シューター3の上部でとらえた画像データにより、コンピュータ処理し、コンベア4a、4bのそれぞれの速度を調整する。
【0022】
本例の収納装置100でフレキシブルバッグ1を半剛性の外装容器の段ボール箱2に収納するには、搬送されてきたフレキシブルバッグ1が、シューター3の傾斜面に落とされると、傾斜面の上端部分で、フレキシブルバッグ1の姿勢を画像データで捕らえ、その傾きから、一対のコンベア4a、4bの速度をそれぞれ調整して、フレキシブルバッグ1の姿勢を制御して、段ボール箱2に落とし込む。
【0023】
これにより、フレキシブルバッグ1は、姿勢の不揃いがなく一定位置に収納することができる。また、そのため、フレキシブルバッグ1にピンホールが発生することがない。
【0024】
本例の収納装置100では、外装容器に半剛性の段ボール箱を用いたが、剛性の一斗缶や、ドラム缶などに、フレキシブルバッグを収納させる時にも同様に用いることができる。
【0025】
本例の収納装置100で、シューター3の下端に段ボール箱2の開放された上面を位置させる方法としては、
図3に示された、特許文献1のように、リフターにより昇降するテーブルで段ボール箱2を、段ボール箱2を搬送してきた外装容器の搬送ロールコンベアから持ち上げて、シューター3の下端に位置させることができる。
【0026】
このように、特許文献1に記載された収納装置を改良して、設置スペースを広げることなく、フレキシブルバッグ1のピンホールの発生を防止し、また姿勢を揃えて、一定位置に収納することができるようにすることができる。
【0027】
また、フレキシブルバッグ1の口栓14が左右にずれた位置にあっても、口栓がシューターや、コンベアに触れることがないので、特許文献2に記載された収納装置のように、口栓14を取り付けた位置によって、口栓14がフレキシブルバッグ1に押し付けられ、フレキシブルバッグ1に傷が付くことがない。また、複雑な動作部を設けることがなく、装置が単純であり、コスト的にも有利であり、設置スペースが小さくて済む。
【符号の説明】
【0028】
100・・・収納装置
1・・・フレキシブルバッグ
11、12・・・フィルム
13・・・周縁シール部
14・・・口栓
2・・・段ボール箱
3・・・シューター
4a、4b・・・コンベア
1a、1b・・・フレキシブルバッグ
200・・・箱詰め装置
22・・・箱体
23・・・シユーター
24・・・テーブル
25・・・リフター