特許第6357870号(P6357870)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6357870
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】永久磁石式電動機
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/27 20060101AFI20180709BHJP
   H02K 21/14 20060101ALI20180709BHJP
   H02K 1/22 20060101ALI20180709BHJP
【FI】
   H02K1/27 501A
   H02K1/27 501K
   H02K1/27 501M
   H02K21/14 M
   H02K1/22 A
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-105852(P2014-105852)
(22)【出願日】2014年5月22日
(65)【公開番号】特開2015-223015(P2015-223015A)
(43)【公開日】2015年12月10日
【審査請求日】2017年2月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】今盛 聡
【審査官】 マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−226830(JP,A)
【文献】 特開2002−354729(JP,A)
【文献】 特開2009−081909(JP,A)
【文献】 特開2002−272073(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/27
H02K 1/22
H02K 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
励磁コイルを巻装した固定子と、
この固定子の内周面に外周がギャップを設けて対向している回転子と、を備え、
前記回転子は、回転子コアと、この回転子コアの軸方向に貫通し、周方向に間隔をあけて形成した複数のスロットと、これらスロットのそれぞれに磁極面を前記回転子コアの径方向に向けて埋設された複数の永久磁石と、を備え、
前記回転子コアの回転中心を通過して前記永久磁石の磁極方向に延在する軸をd軸とし、このd軸に電気角で直交する軸をq軸とすると、
前記回転子コアの軸方向両端部以外の外周形状は、前記d軸上の第1外径寸法が最も大きく、前記q軸上の第2外径寸法が最も小さい円弧形状の外周面を有する形状とされているとともに、
前記回転子コアの軸方向両端部は、全周の外径寸法が前記第2外径寸法より大きい外周形状とされていることを特徴とする永久磁石式電動機。
【請求項2】
前記回転子コアの軸方向両端部の外周形状は、前記q軸上の第3外径寸法が、前記第2外径寸法より大きく、且つ前記第1外径寸法以下の値である円弧形状の外周面を有する形状とされていることを特徴とする請求項1記載の永久磁石式電動機。
【請求項3】
前記回転子コアの軸方向両端部の外周形状は、前記第1外径寸法以上の真円形状であることを特徴とする請求項1記載の永久磁石式電動機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、永久磁石式電動機に関する。
【背景技術】
【0002】
永久磁石式電動機は、コギングトルクと呼ばれる一種のトルク脈動が発生する。永久磁石式電動機においてコギングトルクが大きい場合には、電動機の制御性能の悪化や騒音が発生するなどの問題が生じる。
コギングトルクは、回転子コアの回転によって磁気抵抗が変化することが原因である。よって、機械角による磁気抵抗の変化が少なくなるようにすれば、コギングトルクを低減できる。
コギングトルクを低減する方法として、例えば特許文献1のように回転子コアにスキューを施す技術がある。特許文献1は、回転子コアを軸方向に複数分割し、これら分割した物を所定の角度ずらして回転子を構成する。軸方向に分割した回転子コアのある1片において磁気抵抗の大きい機械角で、別の1片において磁気抵抗が小さくなるようにずらす角度を調整すれば、電動機全体での磁気抵抗の機械角による変化を小さくできる。
【0003】
また、コギングトルクを低減する他の方法として、特許文献2のように回転子コアの外周をいわゆる花弁形状とすることが知られている。永久磁石式電動機は、略直方体などの単純な形状の永久磁石が用いられるため、磁石からの磁束の波形は正弦波というよりもむしろ矩形波に近く、多くの高調波を含んでいる。こうした高調波はトルクに寄与せず、しかも、極数とスロット数から決まる特定の次数の高調波は、電動機全体での磁気抵抗の機械角による変化となって、コギングトルク発生の原因となる。
このような高調波を低減するために、特許文献2は、回転子コアの外周を花弁形状とし、q軸方向付近において、回転子コアの外周面と固定子の内周面との間のギャップを広げ、磁束の波形を正弦波に近づけるという技術である。なお、回転子コアの回転中心を通過して永久磁石の磁極方向に延在する軸をq軸とし、d軸に電気角で直交する軸をq軸とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−80079号公報
【特許文献2】特開2000−197292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1は、スキューを施すことによりコギングトルクが大きく低下するものの、トルクに直接寄与する基本波成分も位相をずらして重ね合わされるため、トルク自体も若干低下してしまう。また、特許文献1は、スキューを施すために軸方向に分割した箇所の付近では、磁束が軸方向にも流れ、鉄損が増加してしまうという問題がある。
また、特許文献2の回転子コアは、同一形状の花弁が軸方向の一端から他端まで形成されているので、軸方向の端部に回転子コアの外周面と固定子の内周面との間のギャップが広くなり、磁束が大量に漏れて磁束の回転軸方向成分が発生してしまうため、鉄損の増加に繋がってしまうおそれがある。
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、電動機特性を大きく低下させることなく、コギングトルクを低減させることができる永久磁石式電動機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る永久磁石式電動機は、励磁コイルを巻装した固定子と、この固定子の内周面に外周がギャップを設けて対向している回転子と、を備えている。上記回転子は、回転子コアと、この回転子コアの軸方向に貫通し、周方向に間隔をあけて形成した複数のスロットと、これらスロットのそれぞれに磁極面を上記回転子コアの径方向に向けて埋設された複数の永久磁石と、を備えている。そして、上記回転子コアの回転中心を通過して前記永久磁石の磁極方向に延在する軸をd軸とし、このd軸に電気角で直交する軸をq軸とすると、上記回転子コアの軸方向両端部以外の外周形状は、上記d軸上の第1外径寸法が最も大きく、上記q軸上の第2外径寸法が最も小さい円弧形状の外周面を有する形状とされているとともに、上記回転子コアの軸方向両端部は、全周の外径寸法が上記第2外径寸法より大きい外周形状とされている。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る永久磁石式電動機によれば、q軸付近における固定子の内周面と、回転子コアの軸方向両端部以外の外周との間のギャップを大きくすることができるので、磁束の波形を正弦波に近づけてコギンクトルクを低減することができるとともに、q軸付近における軸方向の他端部の回転子コアが漏れ磁束を吸収することで、鉄損の増加を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る第1実施形態の永久磁石式電動機を示す正面図である。
図2】本発明に係る第1実施形態の永久磁石式電動機を示す平面図である。
図3】本発明に係る第1実施形態の回転子コアの軸方向両端部以外の断面を示す図である。
図4】本発明に係る第1実施形態の回転子コアの軸方向の一端部の断面を示す図である。
図5】本発明に係る第1実施形態の永久磁石式電動機の作用を説明した図である。
図6】本発明に係る第2実施形態の永久磁石式電動機を示す平面図である。
図7】本発明に係る第2実施形態の回転子コアの軸方向両端部以外の断面を示す図である。
図8】本発明に係る第2実施形態の回転子コアの軸方向の一端部の断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1から図4は、本発明に係る第1実施形態の永久磁石式電動機1を示すものであり、図1は永久磁石式電動機1の正面図、図2は永久磁石式電動機1の平面図、図3図2のIII−III矢視断面図、図4図2のIV−IV矢視断面図である。
図1に示すように、第1実施形態の永久磁石式電動機1は、円筒状フレーム2と、この円筒状フレーム2の内周側に配置した固定子3と、この固定子3の内周面3aとの間にギャップを設けて対向する4極用の回転子4とを有している。回転子4は、円筒状フレーム2に配設した一対の軸受(不図示)によって回転自在に支持された回転軸5の外周に装着されている。
【0010】
固定子3は、複数枚の固定子用鋼板を積層し、これら複数の固定子用鋼板の内周面側に、円周方向に等間隔に複数のスロット6が形成され、これらスロット6の間に複数のティース7が設けられている。そして、各ティース7に励磁コイル8が巻装されている。
回転子4は、回転軸5が貫通している回転子コア9と、この回転子コア9の周方向に等間隔に設けられた4箇所の回転子スロット10a〜10dと、これら回転子スロット10a〜10d内に挿入された4個の永久磁石11a〜11dとを有している。
【0011】
4個の永久磁石11a〜11dは、周方向に隣り合う永久磁石の外周側の極と内周側(回転軸5側)の極とが異極となるように構成されている。すなわち、永久磁石11aの外周側がN極、内周側がS極であり、この永久磁石11aに隣接して配置された永久磁石11bの外周側がS極、内周側がN極である。
回転子コア9は、軟磁性材からなる板状部材、例えば無方向性電磁鋼板を複数枚積層してなるものである。
【0012】
図2の符号9aで示す部分を軸方向中央部の回転子コアと称し、図2の符号9bで示す部分を軸方向一端部の回転子コアと称し、図2の符号9cで示す部分を軸方向他端部の回転子コアと称する。そして、軸方向一端部の回転子コア9b及び軸方向他端部の回転子コア9cの間の全ての回転子コアを、軸方向中央部の回転子コア9aとしている。
ここで、本発明の回転子コアの軸方向両端部以外の外周形状が、第1実施形態の軸方向中央部の回転子コア9aに対応している。
【0013】
図3は、軸方向中央部の回転子コア9aを示すものである(図2のIII−III矢視断面図)。この軸方向中央部の回転子コア9aの外周形状は、回転子コア9の回転中心Caを通過して永久磁石11aの磁極方向に延在する軸をd軸とし、このd軸に電気角で直交する軸をq軸とすると、d軸上の回転中心Caから外周までの第1外径寸法Daが最も大きく、q軸上の回転中心Caから外周までの第2外径寸法Dbが最も小さくなるような円弧形状の外周面を有し、永久磁石11aの外周側に花弁9a1を形成している(Db<Da)。
また、他の永久磁石11b〜11dの外周側にも、各々のd軸及q軸に対応して同一形状の花弁9a1が形成されており、軸方向中央部の回転子コア9aの外周形状は、極数と同じ4個の花弁形状とされている。
【0014】
図4は、軸方向一端部の回転子コア9bを示すものである。この軸方向一端部の回転子コア9bの外周形状は、図4に示すように、d軸上の回転中心Caから外周までが第1外径寸法Daであり、q軸上の回転中心Caから外周までの寸法が第3外径寸法Dcに設定されている。この第3外径寸法Dcは、第2外径寸法Dbより大きく、第1外径寸法Da以下の値である(Db<Dc≦Da)。
【0015】
これにより、軸方向一端部の回転子コア9bは、永久磁石11aの外周側に花弁9b1が形成されているとともに、他の永久磁石11b〜11dの外周側にも、各々のd軸及q軸に対応して同一形状の花弁9b1が形成されており、軸方向一端部の回転子コア9bの外周形状も、極数と同じ4個の花弁形状とされている。
また、軸方向の他端部の回転子コア9cの外周形状も、軸方向の一端部の回転子コア9bと同一形状の極数と同じ4個の花弁形状とされている。
【0016】
次に、第1実施形態の作用効果について説明する。
この第1実施形態の永久磁石式電動機1は、軸方向中央部の回転子コア9aの外周形状を花弁形状とすると、q軸付近における固定子3の内周面と軸方向中央部の回転子コア9aの外周との間のギャップを大きくすることができるので、磁束の波形を正弦波に近づけてコギンクトルクを低減することができる。
【0017】
ここで、図5(a)は、第1実施形態の回転子コア9及び固定子3をq軸に直交する方向から示したものであり、図5(b)は、特許文献2で示した軸方向の一端から他端まで同一形状の花弁形状とした回転子コア20及び固定子3をq軸に直交する方向から示したものである。
図5(b)で示した特許文献2の回転子コア20は、同一形状の花弁が軸方向の一端から他端まで形成されているので、軸方向の端部に回転子コア20の外周面と固定子3の内周面3aとの間のギャップが広くなり、磁束が大量に漏れて磁束の回転軸方向成分が発生してしまうため(図5(b)の符号21の領域)、鉄損が増加する。
【0018】
これに対して、図5(a)で示す第1実施形態は、軸方向の他端部の回転子コア9cの外周形状が、q軸上の第3外径寸法Dcを第2外径寸法Dbより大きい値に設定することで、軸方向中央部の回転子コア9aと比較して固定子3の内周面3aとのギャップを小さくした花弁形状に形成されているので、q軸付近における軸方向の他端部の回転子コア9cが漏れ磁束を吸収し、鉄損の増加を抑制することができる。なお、図示していないが、軸方向の一端部の回転子コア9bの外周形状も、そのq軸上の第3外径寸法Dcが軸方向中央部の回転子コア9aの第2外径寸法Dbより大きい値に設定され、軸方向中央部の回転子コア9aと比較して、固定子3の内周面3aとのギャップを小さくして花弁形状に形成されているので、q軸付近における軸方向の他端部の回転子コア9cが漏れ磁束を吸収し、鉄損の増加を抑制することができる。
【0019】
[第2実施形態]
次に、図6から図8は、本発明に係る第2実施形態の永久磁石式電動機22を示すものであり、図6は永久磁石式電動機22の平面図であり、図7図6のVII−VII矢視断面図であり、図4図2のVIII−VIII矢視断面図である。これらの図において、第1実施形態と同一構成のものは、同一符号を付してその説明を省略する。
第2実施形態の永久磁石式電動機22は、固定子3の内周面3aとの間にギャップを設けて対向する4極用の回転子23を有している。
【0020】
この回転子23は、回転軸5が貫通している回転子コア24と、この回転子コア24の周方向に等間隔に設けられた4箇所の回転子スロット10a〜10dと、これら回転子スロット10a〜10d内に固定された4個の永久磁石11a〜11dとを有している。
回転子コア24は、軟磁性材からなる板状部材、例えば無方向性電磁鋼板を複数枚積層してなるものである。
【0021】
図6の符号24aで示す部分を軸方向中央部の回転子コアと称し、図6の符号24bで示す部分を軸方向一端部の回転子コアと称し、図6の符号24cで示す部分を軸方向他端部の回転子コアと称する。そして、軸方向一端部の回転子コア24b及び軸方向他端部の回転子コア24cの間の全ての回転子コアを、軸方向中央部の回転子コア24aとしている。
ここで、本発明の回転子コアの軸方向両端部以外の外周形状が、第2実施形態の軸方向中央部の回転子コア24aに対応している。
【0022】
図7は、軸方向中央部の回転子コア24aを示すものである。この軸方向中央部の回転子コア24aの外周形状は、d軸上の回転中心Caから外周までの第1外径寸法Daが最も大きく、q軸上の回転中心Caから外周までの第2外径寸法Dbが最も小さくなるような円弧形状の外周面を有し、永久磁石11aの外周側に花弁24a1が形成されている(Db<Da)。
また、他の永久磁石11b〜11dの外周側にも、各々のd軸及q軸に対応して同一形状の花弁24a1が形成されており、軸方向中央部の回転子コア24aの外周形状は、極数と同じ4個の花弁形状とされている。このように、第2実施形態の軸方向中央部の回転子コア24aは、第1実施形態の軸方向中央部の回転子コア9aと同一形状の花弁形状である。
【0023】
図8は、軸方向一端部の回転子コア24bを示すものである。この軸方向一端部の回転子コア24bの外周形状は、回転中心Caから外周までが第1外径寸法Daの真円形状である。
また、軸方向の他端部の回転子コア24cの外周形状も、回転中心Caから外周までが第1外径寸法Daの真円形状である。
この第2実施形態の永久磁石式電動機22によると、軸方向中央部の回転子コア24aの外周形状を花弁形状とすると、q軸付近における固定子3の内周面と軸方向中央部の回転子コア24aの外周との間のギャップを大きくすることができるので、磁束の波形を正弦波に近づけてコギンクトルクを低減することができる。
また、第2実施形態の軸方向の両端部の回転子コア24b,24cの外周形状が、回転中心Caから外周までの距離を第1外径寸法Daとした真円形状に形成されたことで、固定子3の内周面3aとのギャップがさらに小さくなり、q軸付近における軸方向の両端部の回転子コア24b,24cが漏れ磁束をさらに吸収し、鉄損の増加を大幅に抑制することができる。
【0024】
なお、第2実施形態の回転子コア24b,24cを第1外径寸法Daの真円形状としたが、第1外径寸法Daよりさらに大きな値に設定して固定子3の内周面3aとのギャップをさらに小さくしてもよい。ただし、固定子コア24b,24cの第1外径寸法Daは固定子3の内径寸法よりも小さくする。
また、第1実施形態の回転子コア9及び第2実施形態の回転子コアは、軸方向一端部の回転子コア9b,24b及び軸方向他端部の回転子コア9c,24cと、軸方向中央部の回転子コア9a,24aと、を構成する軟磁性材の種類が異なっていてもよい。
【0025】
また、回転子コア9,24の軸方向の長さのうち、軸方向一端部の回転子コア9b,24b及び軸方向他端部の回転子コア9c,24cが占める割合は、漏れ磁束を十分吸収できるものであれば、あまり大きくする必要はない。例えば板厚0.5mmや0.35mmの無方向性電磁鋼板を複数枚積層して回転子コア9,24を形成する場合には、全積層枚数のうち、1〜3枚程度をそれぞれ軸方向一端部の回転子コア9b,24b及び軸方向他端部の回転子コア9c,24cとすればよい。
また、第1及び第2実施形態では4個の永久磁石11a〜11dを有する4極12スロットの永久磁石式電動機1,22について説明したが、例えば6極36スロットや8極12スロット等のように他の極数やスロット数の永久磁石式電動機であっても、同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0026】
1…永久磁石式電動機、2…円筒状フレーム、3…固定子、3a…内周面、4…回転子、5…回転軸、6…スロット、7…ティース、8…励磁コイル、9…回転子コア、9a…軸方向中央部の回転子コア、9b…軸方向一端部の回転子コア、9c…軸方向他端部の回転子コア、9a1…軸方向中央部の回転子コアの花弁、9b1…軸方向一端部の回転子コアの花弁、9c1…軸方向他端部の回転子コアの花弁、10a〜10d…回転子スロット、11a〜11d…永久磁石、22…永久磁石式電動機、23…回転子、24…回転子コア、24a…軸方向中央部の回転子コア、24a1…軸方向中央部の回転子コアの花弁、24b…軸方向一端部の回転子コア、24c…軸方向他端部の回転子コア、Da…第1外径寸法、Db…第2外径寸法、Dc…第3外径寸法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8