(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
低沸点成分と、該低沸点成分より沸点が高い高沸点成分とを含んで構成される原料液を、該原料液より該低沸点成分が高濃度の留出流体と、該原料液より該高沸点成分が高濃度の缶出液とに分離する分離装置であって、
前記留出流体を排出する留出流体排出口が一端側に設けられ、前記缶出液を排出する缶出液排出口が他端側に設けられた気液接触流路と、
前記気液接触流路のうち前記留出流体排出口と前記缶出液排出口との間に設けられた原料液導入口を通じて、該気液接触流路に前記原料液を導入する原料液導入部と、
前記原料液導入口から前記缶出液排出口までの間に設けられ、前記気液接触流路中の液体を前記低沸点成分の沸点以上に加熱するリボイラと、
前記原料液導入口から前記留出流体排出口までの間に設けられ、前記気液接触流路中の気体を、前記低沸点成分の沸点未満に冷却するコンデンサと、
を備え、
前記気液接触流路の底面は、前記留出流体排出口から前記缶出液排出口に向かって鉛直下方に傾斜しており、
前記気液接触流路内では、前記留出流体排出口側から前記缶出液排出口へ液体が流れる液体層と、該液体層の上方において該缶出液排出口側から該留出流体排出口側へ気体が流れる気体層とが形成されることを特徴とする分離装置。
前記缶出液排出口と前記原料液導入口側との間には、前記気体層を封止して、該缶出液排出口への前記気体の移動を規制する邪魔板が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の分離装置。
前記気液接触流路のうち、前記原料液導入口から前記留出流体排出口までを流れる気体と、該原料液導入口に導入される前の原料液とを熱交換することで、該気体を冷却するとともに該原料液を予熱する熱交換器をさらに備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の分離装置。
前記気液接触流路の底面を構成する外壁は、前記原料液導入口から前記缶出液排出口までの底面を構成する外壁の内面が、前記原料液導入口から前記留出流体排出口までの底面を構成する外壁の内面よりも濡れ性が大きいことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の分離装置。
前記リボイラは、通電により発熱する材料で構成され、少なくとも前記原料液導入口から前記缶出液排出口までの底面を構成する外壁を含んで構成されることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の分離装置。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0023】
(第1の実施形態:分離装置100)
図1は、第1の実施形態にかかる分離装置100の概略的な構成を説明するための図である。本実施形態の
図1では、垂直に交わるX軸(水平方向)、Y軸(水平方向)、Z軸(鉛直方向)を図示の通り定義している。また、
図1中、液体の流れを実線の矢印で、信号の流れを破線の矢印で示す。
【0024】
分離装置100は、低沸点成分(例えば、メタノール)と、低沸点成分より沸点が高い高沸点成分(例えば、水)とを含んで構成される原料液を、原料液より低沸点成分が高濃度の留出流体(留出液、または、留出ガス)と、原料液より高沸点成分が高濃度の缶出液とに分離する装置である。ここでは、原料液を、留出液と缶出液とに分離する構成について説明する。
【0025】
図1に示すように、本実施形態の分離装置100は、分離ユニット110と、原料液導入部120と、リボイラ130と、コンデンサ140と、留出流体回収部150と、缶出液回収部160と、温度測定部170と、制御部180とを含んで構成される。
【0026】
分離ユニット110は、底壁210と、上壁212と、側壁214で外壁が構成されており、底壁210、上壁212、側壁214で区画された空間が気液接触流路Rとなる。すなわち、底壁210の内面が気液接触流路Rの底面210aとなり、上壁212の内面が気液接触流路Rの上面212aとなり、側壁214の内面が気液接触流路Rの側面214aとなる。ここで、底壁210、上壁212、側壁214は、例えば、ステンレス鋼等の金属材料で構成されている。
【0027】
気液接触流路Rの底面210a(底壁210)の一端側には、留出液を排出する留出流体排出口220が設けられており、他端側には、缶出液を排出する缶出液排出口222が設けられている。また、気液接触流路Rのうち、底面210aにおける留出流体排出口220と缶出液排出口222との間には、原料液導入口224が設けられている。
【0028】
本実施形態において、分離ユニット110は、一端側から他端側(
図1中、左側から右側)に向かって鉛直下方に、例えば、2.5度程度傾斜している。つまり、気液接触流路Rの底面210aおよび上面212aは、留出流体排出口220から缶出液排出口222に向かって鉛直下方(
図1中、Z方向)に傾斜している。したがって、分離ユニット110の原料液導入口224から気液接触流路Rに導入された原料液は、一端側から他端側に向かって、すなわち、缶出液排出口222に向かって流れることとなる。
【0029】
図2は、第1の実施形態にかかる分離ユニット110の分解斜視図であり、
図3は、第1の実施形態にかかる分離ユニット110の断面図である。なお、
図3(a)は、
図2において上壁212、側壁214を閉じたときのIIIa−IIIa線断面図を示し、
図3(b)は、
図2において上壁212、側壁214を閉じたときのIIIb−IIIb線断面図を示す。
【0030】
図2、
図3に示すように、分離ユニット110は、気液接触流路Rの底面210aを構成する外壁(底壁210)から気液接触流路R内に立設するとともに、留出流体排出口220側から缶出液排出口222側に延在したリブ230を複数備えている(ここでは、幅方向に6本並列させている)。したがって、原料液導入口224から気液接触流路Rに導入された原料液等の液体(
図3(a)中、クロスハッチングで示す)は、
図3(a)に示すように、リブ230によって区画された流路である区画流路DRを流れることとなる。つまり、区画流路DRにおいて、液体の層である液体層が形成されることとなる。また、気液接触流路R内の気体は、液体層の上方を流れる。以下、液体層の上方に形成される気体の層を気体層と称する。液体層および気体層の具体的な構成については、後に詳述する。
【0031】
ここで、気液接触流路Rの寸法関係について説明すると、区画流路DRの底面の幅drb(リブ230同士の基端間の距離)は、例えば、1mm程度であり、区画流路DRの上面の幅drt(リブ230同士の先端間の距離)は、例えば、2mm程度であり、区画流路DRの高さdrh(リブ230の高さ)は、例えば、3mm程度である。また、リブ230の先端と上面212aとの距離shは、例えば、100μm〜10mm程度(ここでは、1mm)である。さらに、気液接触流路Rの流通方向の長さL(留出流体排出口220から缶出液排出口222までの長さ、
図2参照)は、例えば、300mmである。
【0032】
また、
図2、
図3(b)に示すように、分離ユニット110は、缶出液排出口222と原料液導入口224との間に、気体層を封止して缶出液排出口222への気体の移動を規制する邪魔板240が設けられている。本実施形態において、邪魔板240は、気液接触流路Rの上面212aを構成する外壁(上壁212)のうち、缶出液排出口222より原料液導入口224側からの上壁212から気液接触流路R内に立設するとともに、先端240aが液体層(
図3(b)中、クロスハッチングで示す)に浸漬されることで、気体層を封止する。
【0033】
図1に戻って説明すると、原料液導入部120は、例えば、ポンプで構成され、原料液導入口224を通じて、原料液供給源122から気液接触流路Rに原料液を導入する。
【0034】
リボイラ130は、例えば、電気ヒータで構成され、気液接触流路Rを構成する外壁(底壁210、上壁212、側壁214)の外方であって、原料液導入口224から缶出液排出口222までの間に設けられる。リボイラ130は、後述する制御部180による制御指令に応じて、気液接触流路R中の気体および液体を低沸点成分の沸点以上に加熱する。
【0035】
コンデンサ140は、例えば、ファンで構成され、気液接触流路Rを構成する外壁の外方であって、原料液導入口224から留出流体排出口220までの間に設けられる。コンデンサ140は、気液接触流路R中の気体および液体を、低沸点成分の沸点未満に冷却する。
【0036】
留出流体回収部150は、例えば、ポンプで構成され、留出流体排出口220を通じて、分離ユニット110(気液接触流路R)から留出液貯留部152へ留出液を送出する。
【0037】
缶出液回収部160は、例えば、ポンプで構成され、缶出液排出口222を通じて、分離ユニット110(気液接触流路R)から缶出液貯留部162へ缶出液を送出する。
【0038】
温度測定部170は、気液接触流路Rにおける、原料液導入口224から缶出液排出口222までの間の温度と、留出流体排出口220から原料液導入口224までの間の温度をそれぞれ測定する。
【0039】
制御部180は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成され、ROMからCPU自体を動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出し、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して分離装置100全体を管理および制御する。本実施形態において、制御部180は、温度測定部170が測定した温度に基づいて、原料液導入口224から缶出液排出口222までの間の気液接触流路Rの温度が、低沸点成分の沸点以上となるようにリボイラ130を制御する。また、制御部180は、温度測定部170が測定した温度に基づいて、留出流体排出口220から原料液導入口224までの間の気液接触流路Rの温度が、低沸点成分の沸点未満になるようにコンデンサ140を制御する。さらに、制御部180は、原料液導入部120、留出流体回収部150、缶出液回収部160を駆動制御する。
【0040】
(気液接触流路Rにおける液体および気体の流れ)
図4は、気液接触流路Rにおける液体および気体の流れについて説明する図である。
図4中、液体の流れを白抜き矢印で示し、気体の流れを黒い塗りつぶしの矢印で示す。なお、ここでは、理解を容易にするために、リブ230(区画流路DR)および邪魔板240の記載を省略する。
【0041】
上述したように、気液接触流路Rの底面210aは、留出流体排出口220から缶出液排出口222に向かって鉛直下方に傾斜しているため、
図4(a)に示すように、原料液導入口224から導入された原料液は、自重で缶出液排出口222に向かって気液接触流路R(区画流路DR)を流れることとなる。
【0042】
原料液導入口224から缶出液排出口222の間にはリボイラ130が設けられているため、缶出液排出口222へ向かって流れる間に、原料液は、気液接触流路Rのうちリボイラ130で加熱される流路(以下、単に「加熱流路HR」と称する)を通過することとなる。そうすると、
図4(b)に示すように、原料液は、加熱流路HRを通過する際に、低沸点成分の沸点以上に加熱されることとなり、原料液から、低沸点成分を多く含む気体が生成されることとなる。
【0043】
図5は、気液接触流路Rにおける液体層および気体層について説明する図である。なお、
図5では、理解を容易にするために、気液接触流路Rを傾斜させず、かつ、液体の層(液体層)と、気体の層(気体層)との高さ方向の距離を等しく示す。
【0044】
上述したように、加熱流路HRにおいて原料液が加熱されると、原料液から気体が生成されることとなる。加熱流路HRは、全域に亘ってリボイラ130によって加熱されているため、加熱流路HRにおいては、缶出液排出口222に向かうに従って気体の生成量が増加する。このため、加熱流路HRにおいて、原料液導入口224側と、缶出液排出口222側とで圧力差が生じる。つまり、加熱流路HRにおいては、缶出液排出口222側の方が、原料液導入口224側よりも圧力が高くなる。これにより、加熱流路HRにおいて生成された気体は、液体の流れと逆方向、すなわち、原料液導入口224(留出流体排出口220)に向かって流れることとなる。
【0045】
そして、加熱流路HRから留出流体排出口220に向かって流れる気体について、
図4に戻って説明すると、原料液導入口224から留出流体排出口220の間にはコンデンサ140が設けられているため、加熱流路HRから留出流体排出口220に向かって流れる気体は、気液接触流路Rのうちコンデンサ140で冷却される流路(以下、単に「冷却流路CR」と称する)を通過することとなる。そうすると、
図4(c)に示すように、気体は、冷却流路CRを通過する際に、低沸点成分の沸点未満に冷却されることとなり、低沸点成分および高沸点成分が凝縮して液体となる。そして、冷却流路CRで生成された液体は、加熱流路HRに向かって流れることとなる。つまり、本実施形態にかかる分離装置100では、コンデンサ140によって凝縮された低沸点成分および高沸点成分が、加熱流路HRに戻ることとなるため、還流が遂行されることになり、低沸点成分と高沸点成分の分離性能を向上することが可能となる。
【0046】
そして、冷却流路CRのうち、留出流体排出口220が配される領域において凝縮された液体が留出液として留出流体排出口220を通じて外部に排出されることとなる。また、加熱流路HRにおいて蒸発しなかった液体が缶出液として缶出液排出口222を通じて外部に排出されることとなる。
【0047】
このように、気液接触流路R内では、留出流体排出口220側から缶出液排出口222へ液体が流れる液体層LLと、液体層LLの上方において缶出液排出口222側から留出流体排出口220側へ気体が流れる気体層GLとが形成されることとなる(
図5(a)参照)。そして、液体層LLと気体層GLとの境界において気液接触が生じ、気液接触流路Rは気液平衡状態となる。
【0048】
なお、上述したように、本実施形態において、気液接触流路Rの高さは、4mm程度と短いため、液体層LLおよび気体層GLの高さも4mm以下と短い。ここで、気体層GLの高さと、気液平衡に到達する速度との関係について
図5(b)を用いて説明すると、低沸点成分は、液体層LLから蒸発するため、気体層GLにおいては、液体層LLとの液面近傍の境界層σgにおいて、低沸点成分の濃度が高く、液体層LLから離隔する従って低沸点成分の濃度が低くなる。したがって、気体層GLにおいて、低沸点成分は、液体層LLから離隔する方向に拡散する。ここで、気体層GLの高さが短いほど拡散に要する時間は短くなる。同様に、
図5(c)に示すように、低沸点成分は、高沸点成分と比較して蒸発し易いため、液体層LLにおいては、気体層GLとの液面近傍の境界層σlにおいて、低沸点成分の濃度が高く、気体層GLから離隔する従って低沸点成分の濃度が低くなる。したがって、液体層LLにおいて、低沸点成分は、気体層GLから離隔する方向に拡散する。ここでも、液体層LLの高さが短いほど拡散に要する時間は短くなる。
【0049】
つまり、気体層GLおよび液体層LLの高さが短いほど、拡散に要する時間が短くなるため、気液平衡に到達する時間も短くなる。つまり、気液平衡に到達する速度は、気体層GLおよび液体層LLの高さが短いほど大きくなるため、気体層GLおよび液体層LLの高さを短く(例えば、10mm以下)とすることで、気液平衡に到達するまでの時間を、従来の棚段塔と比較して、極めて短縮することが可能となる。したがって、従来の棚段塔と比較して、装置を小型化しつつ、低沸点成分と高沸点成分の分離性能を維持、または、向上させることが可能となる。
【0050】
また、従来の棚段塔では、1の空間(段)において、液体層および気体層における、低沸点成分と高沸点成分との濃度比が一定となるため、1の空間における分離性能は、所定値に制限されていた。しかし、本実施形態にかかる分離装置100では、気液接触流路R内で、低沸点成分と高沸点成分との濃度比が流体の流れ方向に連続的に変化する液体層LLと気体層GLとを連続的に接触させて、気液平衡状態とすることで、1の空間であっても、棚段塔と比較して、低沸点成分と高沸点成分との分離性能を向上させることが可能となる。
【0051】
以上説明したように、本実施形態にかかる分離装置100によれば、留出流体排出口220から缶出液排出口222へ向かうに従って、気液接触流路Rの底面210aを鉛直下方に傾斜させるだけといった簡易な構成で、原料液や冷却流路CRで凝縮した液体をスムーズに加熱流路HRに導くことが可能となる。これにより、従来の多孔質シートを用いた分離装置と比較して、処理速度を向上させることが可能となる。
【0052】
また、本実施形態では、気液接触流路Rの上面212aについても、留出流体排出口220から缶出液排出口222へ向かうに従って鉛直下方に傾斜している。すなわち、缶出液排出口222から留出流体排出口220へ向かうに従って鉛直上方に傾斜している。気体は上昇する性質を有するため、気液接触流路Rの上面212aを缶出液排出口222から留出流体排出口220へ向かうに従って鉛直上方に傾斜させることにより、加熱流路HRで生成された気体をスムーズに冷却流路CRに導くことが可能となる。
【0053】
また、上述したように、本実施形態では、原料液や冷却流路CRで凝縮した液体が、区画流路DRを流れるように構成している。気液接触流路Rにおいて液体が流れる流路幅が大きいと、液体の表面張力によって、気液接触流路Rの側面側を流れる液体の流速と、気液接触流路Rの中央側を流れる液体の流速との差が大きくなってしまう。そこで、リブ230を設け、気液接触流路Rを複数に分割して流路幅を短くした区画流路DRを形成することで、区画流路DRの側面側を流れる液体の流速と、区画流路DRの中央側を流れる液体の流速との差を小さくすることができ、流路内における流速の均一化を図ることが可能となる。
【0054】
また、気液接触流路Rに邪魔板240を設けることにより、気体層GLから缶出液排出口222への気体の移動を規制することができる。これにより、加熱流路HRで生成された気体を、ほぼ全て冷却流路CRに導くことが可能となる。
【0055】
(第2の実施形態:分離装置300)
上述した第1の実施形態において、分離ユニット110自体(気液接触流路Rの底面210a)が、留出流体排出口220側から缶出液排出口222側に向かって鉛直下方に傾斜している分離装置100について説明した。しかし、気液接触流路Rの底面を傾斜させずとも、気液接触流路Rにおいて、原料液導入口224から缶出液排出口222までの間の底面が、原料液導入口224から留出流体排出口220までの間の底面よりも下方に位置すれば構成に限定はない。本実施形態では、気液接触流路Rの他の構成について説明する。
【0056】
図6は、第2の実施形態にかかる分離装置300を説明するための図である。本実施形態の
図6では、垂直に交わるX軸(水平方向)、Y軸(水平方向)、Z軸(鉛直方向)を図示の通り定義している。また、
図6中、液体の流れを実線の矢印で、信号の流れを破線の矢印で示す。
【0057】
図6に示すように、分離装置300は、分離ユニット310と、原料液導入部120と、リボイラ130と、コンデンサ140と、留出流体回収部150と、缶出液回収部160と、温度測定部170と、制御部180とを含んで構成され、分離ユニット310は、底壁320と、上壁212と、側壁214と、留出流体排出口220と、缶出液排出口222と、原料液導入口224と、リブ230と、邪魔板240と、堰止板340とを含んで構成される。なお、上述した第1の実施形態と実質的に等しい構成については、同一の符号を付して説明を省略し、ここでは、構成の異なる底壁320、堰止板340について説明する。
【0058】
本実施形態において、底壁320の内面、すなわち、気液接触流路Rの底面320a、320bは、水平方向(
図6中、Y方向)に延在している。そして、原料液導入口224から缶出液排出口222までの底面320aすなわち加熱流路HRの底面320aは、原料液導入口224から留出流体排出口220までの間の底面320bすなわち冷却流路CRの底面320bよりも下方(
図6中、Z方向)に配される。
【0059】
したがって、加熱流路HRの底面320aと、冷却流路CRの底面320bとの間に段差SDが設けられることとなる。
【0060】
このように、気液接触流路Rの底面320a、320bが水平方向に延在していたとしても、加熱流路HRの底面320aを、冷却流路CRの底面320bよりも下方に配して段差SDを設けることにより、原料液導入口224を通じて導入された原料液を、スムーズに加熱流路HRに導くことができる。
【0061】
なお、段差SDの高さ(加熱流路HRの底面320aと、冷却流路CRの底面320bとの鉛直方向の差)は、例えば、1mm程度であり、原料液導入口224から導入される原料液が冷却流路CRに流入困難または流入不可能であって、加熱流路HRに流入可能な寸法となっている。
【0062】
また、原料液導入口224から留出流体排出口220までの間の底面320b(冷却流路CRの底面320b)のうち、留出流体排出口220側の底面320b(底壁320の上面)を構成する底壁320から気液接触流路R内に立設するとともに、先端が気体層まで突出する堰止板340が設けられている。コンデンサ140によって冷却され、冷却流路CRで生成された液体は、冷却流路CRの底面320bに落下して流れることとなるが、本実施形態の底面320bは水平方向に延在しているため、留出流体排出口220に流れてしまうおそれがある。
【0063】
そこで、堰止板340を設けることで、冷却流路CRを構成する底壁320の内面(底面320b)に落下した液体が留出流体排出口220から排出されてしまう事態を回避し、凝縮した液体を確実に加熱流路HRに還流させることが可能となる。これにより、留出流体における低沸点成分の濃度低下を抑制することができる、すなわち、低沸点成分の分離性能の低下を抑制することが可能となる。
【0064】
(第3の実施形態:分離装置400)
上述した第1、第2の実施形態では、気液接触流路Rにおいて、原料液導入口224から缶出液排出口222までの間の底面(加熱流路HRの底面)が、原料液導入口224から留出流体排出口220までの間の底面(冷却流路CRの底面)よりも下方に位置する構成について説明した。しかし、原料液導入口224を通じて導入された原料液が、冷却流路CRに流入困難または流入不可能であり加熱流路HRに流入可能であれば、加熱流路HRの底面と、冷却流路CRの底面とが実質的に等しい高さであってもよい。
【0065】
図7は、第3の実施形態にかかる分離装置400を説明するための図である。本実施形態の
図7では、垂直に交わるX軸(水平方向)、Y軸(水平方向)、Z軸(鉛直方向)を図示の通り定義している。また、
図7中、液体の流れを実線の矢印で、信号の流れを破線の矢印で示す。
【0066】
図7に示すように、分離装置400は、分離ユニット410と、原料液導入部120と、リボイラ130と、コンデンサ140と、留出流体回収部150と、缶出液回収部160と、温度測定部170と、制御部180とを含んで構成され、分離ユニット410は、底壁420と、上壁212と、側壁214と、留出流体排出口220と、缶出液排出口222と、原料液導入口224と、リブ230と、邪魔板240と、堰止板340とを含んで構成される。なお、上述した第1、第2の実施形態と実質的に等しい構成については、同一の符号を付して説明を省略し、ここでは、構成の異なる底壁420について説明する。
【0067】
本実施形態において、底壁420は、原料液導入口224から缶出液排出口222までの底面420aすなわち加熱流路HRの底面420aを構成する底壁420の内面が、原料液導入口224から留出流体排出口220までの間の底面420bすなわち冷却流路CRの底面420bを構成する底壁420の内面よりも、濡れ性が大きい。
【0068】
したがって、
図7に示すように、気液接触流路Rの底面420a、420bを、水平方向(
図7中、Y方向)に延在させ、加熱流路HRの底面420aと、冷却流路CRの底面420bとの鉛直方向(
図7中、Z方向)の高さを、実質的に等しくしたとしても、原料液導入口224を通じて導入された原料液を、スムーズに加熱流路HRに導くことができる。
【0069】
加熱流路HRの底面420aを構成する底壁420の内面の濡れ性を、冷却流路CRの底面420bを構成する底壁420の内面の濡れ性より大きくする具体的な手段は、例えば、加熱流路HRの底面420aを構成する底壁420の内面を、冷却流路CRの底面420bを構成する底壁420の内面よりも濡れ性が大きい材質で構成することで為される。例えば、加熱流路HRの底面420aを構成する底壁420の内面を金属で構成し、冷却流路CRの底面420bを構成する底壁420の内面をポリテトラフルオロエチレンで構成してもよい。
【0070】
また、プラズマ表面加工を施すことで、加熱流路HRの底面420aを構成する底壁420の内面の濡れ性を、冷却流路CRの底面420bを構成する底壁420の内面の濡れ性より大きくしてもよいし、濡れ性の異なる金属を溶射してコーティングすることにより、加熱流路HRの底面420aを構成する底壁420の内面の濡れ性を、冷却流路CRの底面420bを構成する底壁420の内面の濡れ性より大きくしてもよい。
【0071】
(第1の変形例:分離装置500)
図8は、第1の変形例にかかる分離装置500を説明するための図である。
図8では、垂直に交わるX軸(水平方向)、Y軸(水平方向)、Z軸(鉛直方向)を図示の通り定義している。また、
図8中、液体の流れを実線の矢印で、信号の流れを破線の矢印で、熱交換器510の接続関係を一点鎖線で示す。
【0072】
図8に示すように、分離装置500は、分離ユニット110と、原料液導入部120と、リボイラ130と、コンデンサ140と、留出流体回収部150と、缶出液回収部160と、温度測定部170と、制御部180と、熱交換器510とを含んで構成される。なお、上述した第1の実施形態と実質的に等しい構成については、同一の符号を付して説明を省略し、ここでは、構成の異なる熱交換器510について説明する。
【0073】
熱交換器510は、気液接触流路Rのうち、原料液導入口224から留出流体排出口220までを流れる気体、すなわち、冷却流路CRを流れる気体(気体層GL)と、原料液導入口224に導入される前の原料液とを熱交換することで、冷却流路CRを流れる気体を冷却するとともに原料液を予熱する。
【0074】
熱交換器510を備える構成により、リボイラ130およびコンデンサ140に要する消費エネルギーを低減することができ、ランニングコストを削減することが可能となる。
【0075】
(第2の変形例:分離ユニット610)
図9は、第2の変形例にかかる分離ユニット610の分解斜視図であり、
図10は、第2の変形例にかかる分離ユニット610の断面図である。なお、
図10(a)は、
図9において上壁212、側壁214を閉じたときのXa−Xa線断面図を示し、
図10(b)、(c)は、第2の変形例の他の例を説明する図を示す。
【0076】
図9に示すように、第2の変形例にかかる分離ユニット610は、底壁210、上壁212、側壁214、留出流体排出口220、缶出液排出口222、原料液導入口224、リブ230、邪魔板240に加えて、気体層突出部622、624を含んで構成される。
【0077】
気体層突出部622は、気液接触流路Rの気体層GLに接触する外壁の内面、すなわち、上壁212の内面から気液接触流路R内に突出するとともに、留出流体排出口220側から缶出液排出口222側に延在している。また、気体層突出部624は、側壁214の内面のうち、気体層GLに接触する部分から気液接触流路R内に突出するとともに、留出流体排出口220側から缶出液排出口222側に延在している。
【0078】
このように、気体層突出部622、624を備える構成により、気体層GLと接触する外壁(上壁212、側壁214)の内面の表面積を大きくすることができる。上述したように、リボイラ130は、気液接触流路Rを構成する外壁(底壁210、上壁212、側壁214)の外方から、すなわち、外壁を通じて、気液接触流路R内を加熱し、コンデンサ140は、気液接触流路Rを構成する外壁を通じて、気液接触流路R内を冷却する。したがって、気体層突出部622、624を設け、気体層GLと接触する外壁の内面の表面積を大きくすることで、リボイラ130から気液接触流路Rへの熱伝達効率を向上させることができ、リボイラ130による加熱効率を向上させることが可能となる。また、冷却流路CRにおいても外壁を通じた放熱性能を向上させることができるため、コンデンサ140による冷却効率を向上させることが可能となる。
【0079】
また、ここでは、分離ユニット610が、気体層突出部622、624を備える構成について説明したが、外壁の表面積を大きくすることができれば、他の構成を採用することもできる。例えば、
図10(b)に示すように、気体層突出部622、624のみならず、気液接触流路Rの液体層LLに接触する外壁、すなわち、底壁210の内面およびリブ230から気液接触流路R内に突出するとともに、留出流体排出口220側から缶出液排出口222側に延在した液体層突出部652をさらに設けるとしてもよいし、
図10(c)に示すように、気体層突出部622、624を設けず、液体層突出部652のみを設けるとしてもよい。
【0080】
液体層突出部652を備える構成により、液体層LLと接触する外壁(底壁210、リブ230)の内面の表面積を大きくすることができる。したがって、液体層突出部652を設け、液体層LLと接触する外壁の内面の表面積を大きくすることで、リボイラ130から気液接触流路Rへの熱伝達効率を向上させることができ、リボイラ130による加熱効率を向上させることが可能となる。
【0081】
(第3の変形例:リボイラ730)
図11は、第3の変形例にかかるリボイラ730を説明するための図である。
図11に示すように、第3の変形例のリボイラ730は、気液接触流路Rのうち、原料液導入口224から缶出液排出口222までの気液接触流路Rを構成する外壁740と、電極750a、750bと、電力供給部760と、絶縁体770とを含んで構成される。
【0082】
ここでは、原料液導入口224から留出流体排出口220(
図11においては図示を省略する)までの外壁(底壁210、上壁212、側壁214)をステンレス鋼で構成する場合を例に挙げて説明する。
【0083】
リボイラ730を構成する外壁740は、通電により発熱する材料(例えば、NiCr合金、カンタル、SiC)で構成され、気液接触流路Rの底面を構成する底壁742と、気液接触流路Rの上面を構成する上壁744と、気液接触流路Rの側面を構成する側壁746とを含んで構成される。ここでは、外壁740をNiCr合金で構成する場合を例に挙げて説明する。
【0084】
電極750a、750bは、外壁740の両端に配される。具体的に説明すると、電極750aは、板形状であり、外壁740における缶出液排出口222側の端部に設けられる。また、電極750aは、底壁210、上壁212、側壁214、外壁740で区画された空間(気液接触流路R)を封止する機能も担う。電極750bは、環形状であり、外壁740における原料液導入口224側の端部に設けられる。
【0085】
電力供給部760は、電極750a、750bに接続され、外壁740に電力を供給する。上述したように外壁740は、通電により発熱する材料(NiCr合金)で構成されているため、電力供給部760によって、外壁740が通電されると、外壁740が発熱して、気液接触流路R中の気体および液体を低沸点成分の沸点以上に加熱することができる。
【0086】
このように、原料液導入口224から缶出液排出口222までの外壁740自体を加熱源として利用する構成により、原料液導入口224から缶出液排出口222までの気液接触流路Rにおいて、効率よく気体および液体を加熱することができる。また、分離装置自体をさらに小型化することが可能となる。
【0087】
絶縁体770は、環形状であり、電極750bと、原料液導入口224から留出流体排出口220までの外壁(底壁210、上壁212、側壁214)との間に配される。絶縁体770を設ける構成により、ステンレス鋼で構成された、原料液導入口224から留出流体排出口220までの外壁(底壁210、上壁212、側壁214)への漏電を防止することが可能となる。
【0088】
(実施例)
上記分離装置100を用いて、メタノールおよび水(混合比1:1)の混合液を原料液として蒸留を行った。原料液導入部120による原料液の導入流量を、2g/分とし、原料液を60℃に予熱してから分離ユニット110に導入した。また、加熱流路HRが95℃となるようにリボイラ130を設定し、冷却流路CRを室温(ここでは、20℃)の大気で空冷した。
【0089】
その結果、留出液中のメタノール濃度が90%以上となり、缶出液中のメタノール濃度が25%以下(水濃度が75%以上)となった。分離装置100を用いて得られた留出液中のメタノール濃度は、単蒸留操作におけるメタノール濃度(80%)よりも高いことから、1の空間であっても連続的に蒸留が遂行されていることが確認できた。
【0090】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0091】
例えば、上記第1の実施形態において、気液接触流路Rの底面210aが留出流体排出口220から缶出液排出口222に向かって鉛直下方に傾斜している構成について説明した。しかし、原料液導入口224から缶出液排出口222までの間の底面210aが、原料液導入口224から留出流体排出口220までの間の底面210aよりも下方に位置していればよい。例えば、原料液導入口224から缶出液排出口222までの間の底面210aが、原料液導入口224から缶出液排出口222に向かって鉛直方向に傾斜し、原料液導入口224から留出流体排出口220までの間の底面210aが水平方向に延在するとしてもよい。
【0092】
また、上記第1の実施形態において、気液接触流路Rの上面212aが、缶出液排出口222から留出流体排出口220へ向かうに従って鉛直上方に傾斜している構成について説明した。しかし、気液接触流路Rの上面は、必ずしも傾斜する必要はなく、水平方向に延在していてもよい。気液接触流路Rの上面が水平方向に延在していたとしても、加熱流路HRにおいて、原料液導入口224側と、缶出液排出口222側とで圧力差が生じるため、加熱流路HRにおいて生成された気体は、液体の流れと逆方向、すなわち、原料液導入口224(留出流体排出口220)に向かって流れることとなる。
【0093】
また、上記第1の実施形態において、リブ230が底壁210(底面210a)と一体形成されている構成について説明したが、底壁210とリブ230とは別体であってもよい。同様に、上壁212と邪魔板240とは、一体形成されてもよいし、別体であってもよい。また、底壁320と堰止板340とは、一体形成されてもよいし、別体であってもよい。
【0094】
また、上記第1の実施形態において、邪魔板240が上壁212から立設している構成について説明した。しかし、邪魔板240は、気体層GLを封止することができればよく、形状に限定はない。例えば、底壁210やリブ230から気液接触流路R内に向かって邪魔板を突出させ、液体層LLに浸漬される箇所に貫通孔を設けてもよい。
【0095】
また、上記第2の実施形態において、気液接触流路Rの上面212aが面一であり、水平方向に延在する構成について説明した。このため、気液接触流路Rの高さが、加熱流路HRと冷却流路CRとで異なることとなる。しかし、加熱流路HRと冷却流路CRとの高さを実質的に等しくするように、上面212aを構成してもよい。具体的に説明すると、加熱流路HRの上面を、冷却流路CRの上面より、段差SD分だけ低く配することで、加熱流路HRと冷却流路CRとの高さを実質的に等しくすることができる。また、気液接触流路Rの上面212aが、缶出液排出口222から留出流体排出口220へ向かうに従って鉛直上方に傾斜しているとしてもよい。
【0096】
また、上記第3の実施形態において、加熱流路HRの底面420aを構成する底壁420の濡れ性が実質的に均一であり、また、冷却流路CRの底面420bを構成する底壁420の濡れ性が実質的に均一である場合を例に挙げて説明した。しかし、加熱流路HRの底面420aを構成する底壁420の濡れ性が、缶出液排出口222に向かうに従って段階的に大きくなるように構成してもよい。また、冷却流路CRの底面420bを構成する底壁420の濡れ性が、留出流体排出口220に向かうに従って段階的に小さくなるように構成してもよい。この場合、堰止板340を設けずとも、冷却流路CRの底壁420に落下した液体が留出流体排出口220から排出されてしまう事態を回避し、凝縮した液体を確実に加熱流路HRに還流させることが可能となる。
【0097】
また、分離装置100における原料液導入口224から缶出液排出口222までの底面210a(加熱流路HRの底面210a)を構成する底壁210の濡れ性を、原料液導入口224から留出流体排出口220までの間の底面210a(冷却流路CRの底面210a)を構成する底壁210の濡れ性よりも大きくしてもよい。同様に、分離装置300における加熱流路HRの底面320aを構成する底壁320の濡れ性を、冷却流路CRの底面320bを構成する底壁320の濡れ性よりも大きくしてもよい。
【0098】
また、上記第1の変形例においては、第1の実施形態で説明した分離装置100の構成に熱交換器510を追加した例について説明したが、分離装置300、400の構成に熱交換器510を追加してもよい。
【0099】
また、上記第2の変形例においては、気体層突出部622、624、液体層突出部652が複数設けられる構成を例に挙げて説明したが、1のみ設けられる構成であってもよい。また、気体層突出部622、624、液体層突出部652が、留出流体排出口220側から缶出液排出口222側に延在している構成、すなわち、板形状である構成について説明した。しかし、気体層突出部622、624、液体層突出部652の形状に限定はなく、例えば、柱形状であってもよい。また、気体層突出部622、624、液体層突出部652が外壁から突出する構成について説明したが、外壁を切削して、溝を形成することで、溝間を気体層突出部622、624、液体層突出部652とすることも可能である。
【0100】
また、上記第3の変形例において、原料液導入口224から缶出液排出口222までの外壁740を、通電により発熱する材料で構成する場合を例に挙げて説明した。しかし、少なくとも、液体が接触する底面を構成する底壁742を通電により発熱する材料で構成すればよい。
【0101】
また、上記実施形態において、気液接触流路Rの寸法関係や傾斜角について説明したが、原料液における低沸点成分と高沸点成分との割合、目的とする分離性能、原料液導入部120による原料液の導入流速(処理速度)に基づいて、適宜設定すればよい。
【0102】
また、上記実施形態において、低沸点成分および高沸点成分が、常温常圧で液体である場合を例に挙げて説明した。しかし、低沸点成分は、常温常圧で気体であってもよく、留出流体が気体(留出ガス)であってもよい。例えば、低沸点成分として、アンモニアや、二酸化炭素を含む原料液を分離する場合にも、上記実施形態および変形例の分離装置100、300、400、500を利用することができる。