(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記販売制御部は、前記残金を用いて前記自動販売機本体の商品販売を行った場合、前記充電販売単位の充電販売と前記自動販売機本体の商品販売との合計課金に対して割り引いた課金を成立させて精算処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の充電課金機能付き自動販売機。
充電プラグを介した充電が可能な充電装置に接続され、自動販売機本体の商品課金と前記充電装置による充電課金とが可能な充電課金機能付き自動販売機の制御方法であって、
充電選択ボタンの操作によって前記充電装置による充電販売単位量及び前記充電販売単位量に対する課金金額を表示するとともに、前記充電販売単位量を選択し、
前記充電選択ボタンによって選択された前記充電販売単位量に対する課金金額以上の金額が投入された場合、選択された前記充電販売単位量の充電開始許可を前記充電装置に通知して充電を開始させた後に充電課金を成立させ、
前記充電課金の後に残金があり、かつ、前記自動販売機本体の商品販売が可能な場合、前記残金を用いて前記自動販売機本体の商品販売を可能にするとともに、選択された前記充電販売単位量の充電実行を継続して行い、かつ、該充電の完了まで次の充電販売を禁止する
ことを特徴とする充電課金機能付き自動販売機の制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1,3に記載されたものでは、充電販売単位がすべて満充電であり、充電利用者に対する利便性が低い。特に、電気自動車の満充電時間は、急速充電であっても1時間以上はかかり、移動体で移動中の充電利用者であって時間に余裕のない充電利用者は、所望の充電時間内の充電を行うことができない。
【0007】
なお、特許文献2では、自動販売機のユーザインターフェース機能を用いて充電量を選択できるものが記載されているが、単に充電量の選択ができるのみであり、充電時間を予測することが難しく、充電利用者にとっては利便性の低いものとなる。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、充電利用者にとって利便性の高い充電課金機能付き自動販売機及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる充電課金機能付き自動販売機は、充電プラグを介した充電が可能な充電装置に接続され、自動販売機本体の商品課金と前記充電装置による充電課金とが可能な充電課金機能付き自動販売機であって、前記充電装置による充電販売単位量を操作によって選択できる充電選択ボタンと、前記充電販売単位量及び前記充電販売単位量に対する課金金額を表示する表示部と、前記充電選択ボタンによって選択された前記充電販売単位量に対する課金金額以上の金額が投入された場合、選択された前記充電販売単位量の充電開始許可を前記充電装置に通知して充電を開始させる制御を行う販売制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる充電課金機能付き自動販売機は、上記の発明において、前記充電販売単位量は、充電時間、充電金額、充電率を含む充電課金カテゴリに対する販売単位量であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる充電課金機能付き自動販売機は、上記の発明において、前記販売制御部は、前記充電選択ボタンによって選択された充電販売単位量の充電開始許可を通知した場合に充電課金の成立及び精算処理を行うことを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる充電課金機能付き自動販売機は、上記の発明において、前記販売制御部は、充電課金の成立及び精算処理を行った場合、前記自動販売機本体の商品販売を可能にするとともに、選択された前記充電販売単位量の充電実行を継続して行い、かつ、該充電の完了まで次の充電販売を禁止することを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる充電課金機能付き自動販売機は、上記の発明において、前記販売制御部は、前記充電選択ボタンによって選択された充電販売単位量の充電開始許可を通知した場合に充電課金を成立させ、該充電課金の後に残金があり、かつ、前記自動販売機本体の商品販売が可能な場合、前記残金を用いて前記自動販売機本体の商品販売を可能にするとともに、選択された前記充電販売単位量の充電実行を継続して行い、かつ、該充電の完了まで次の充電販売を禁止することを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる充電課金機能付き自動販売機は、上記の発明において、前記販売制御部は、前記残金を用いて前記自動販売機本体の商品販売を行った場合、前記充電販売単位の充電販売と前記自動販売機本体の商品販売との合計課金に対して割り引いた課金を成立させて精算処理を行うことを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかる充電課金機能付き自動販売機は、上記の発明において、前記合計課金に対する割引を行うか否かの設定を行う割引設定部を備え、前記販売制御部は、前記割引設定部が割引を行う設定としている場合に、前記合計課金に対する割引を行うことを特徴とする。
【0016】
また、本発明にかかる充電課金機能付き自動販売機の制御方法は、充電プラグを介した充電が可能な充電装置に接続され、自動販売機本体の商品課金と前記充電装置による充電課金とが可能な充電課金機能付き自動販売機の制御方法であって、充電選択ボタンの操作によって前記充電装置による充電販売単位量及び前記充電販売単位量に対する課金金額を表示するとともに、前記充電販売単位量を選択し、前記充電選択ボタンによって選択された前記充電販売単位量に対する課金金額以上の金額が投入された場合、選択された前記充電販売単位量の充電開始許可を前記充電装置に通知して充電を開始させる制御を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、充電選択ボタンの操作によって前記充電装置による充電販売単位量及び充電販売単位量に対する課金金額を表示するとともに、前記充電販売単位量を選択し、前記充電選択ボタンによって選択された充電販売単位量に対する課金金額以上の金額が投入された場合、選択された充電販売単位量の充電開始許可を前記充電装置に通知して充電を開始させる制御を行うようにしている。この結果、充電利用者にとって利便性の高いものとなる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照してこの発明を実施するための形態について説明する。
【0020】
(実施の形態1)
[全体構成]
図1は、本発明の実施の形態1である充電課金機能付き自動販売機(以下、自動販売機という)及びこの自動販売機1に接続される充電装置2の全体構成を示す模式図である。また、
図2は、
図1に示した自動販売機1の外扉1bを開けた状態を示す斜視図である。
【0021】
図1に示すように、自動販売機1は、缶入り飲料やペットボトル入り飲料などの商品を冷やした状態または温めた状態で販売するもので、
図2に示すように、本体キャビネット1aと外扉1bとを備えている。本体キャビネット1aは、複数の鋼板を組み合わせることにより構成したもので、前面が開口した断熱構造の箱状に構成してある。外扉1bは、本体キャビネット1aの前面開口を閉塞するためのもので、開閉可能となる態様で、本体キャビネット1aの一側縁部(左側縁部)に支承してある。
【0022】
一方、充電装置2は、自動販売機1に隣接配置される。充電装置2は、自動販売機1と通信線Nを介して接続される。また、充電装置2は、先端に充電プラグ4を有した電源線3を有する。充電装置2の前面パネルには、操作開始スイッチ5が設けられる。操作開始スイッチ5が押下されると、充電取引開始信号SG1が自動販売機1側に送信され、自動販売機1側による充電販売処理が実行される。
【0023】
自動販売機1は、
図1に示すように、外扉1bの前面右側中程には、ポップアップハンドル11が設けてある。ポップアップハンドル11は、外扉1bを閉塞した状態で施錠するためのものである。自動販売機1は、外扉1bを閉塞した状態でポップアップハンドル11を押し込むことにより施錠され、解錠操作するとポップアップハンドル11がポップアップ(突出)することにより、外扉1bの開放操作が可能となる。
【0024】
また、外扉1bの前面上部域には、展示室12が設けてある。展示室12は、自動販売機1が販売する商品の商品見本Dを展示するためのものである。展示室12は、外扉1bの後方側に開閉可能に取り付けられた中扉13と外扉1bの前面側に嵌め込んだ透明な電照板14とにより画成され、利用者が自動販売機1の前面側から展示室12の内部を視認可能である。
【0025】
展示室12の内部には、商品を展示するためのステージ15が上下方向に三つ並べて設置してあり、それぞれのステージ15において商品見本Dが横並びに展示される。また、外扉1bの前面側に嵌め込んだ透明な電照板14には、ステージ15と対応するように、商品選択ボタン群16が上下方向に三つ、左右方向に二つ並べて設置してある。
【0026】
商品選択ボタン群16は、商品を選択するためのもので、商品見本Dと対応するように、複数の商品選択ボタン17を備えている。なお、各商品選択ボタン17は、LED表示が可能であり、投入金額に対して商品購入が可能な商品に対応する場合、点灯表示される。
【0027】
また、展示室12の下方となる外扉1bの中程には、硬貨投入口21、紙幣挿入口22、表示部24、充電選択ボタン26、返却レバー28が設けてある。
【0028】
硬貨投入口21は、硬貨を受け付けるための開口である。硬貨投入口21から投入された硬貨は、外扉1bの内側に搭載したコインメカニズム(硬貨処理装置)31に収容される。コインメカニズム31は、各種硬貨の投入枚数を整理し、後述するメインコントローラ50に送信する一方、このメインコントローラ50からの指令に従い、各種硬貨を払い出すものである。
【0029】
紙幣挿入口22は、紙幣を受け付けるための開口である。紙幣挿入口22から挿入された紙幣は、外扉1bの内側に搭載したビルバリデータ(紙幣処理装置)32に収容される。ビルバリデータ32は、紙幣の投入枚数を整理し、メインコントローラ50に送信する一方、このメインコントローラ50からの指令に従い、紙幣を払い出すものである。
【0030】
表示部24は、販売中、釣り切れ、準備中、お札中止のほか、投入金額、各種設定時の情報等の各種情報を表示するためのものである。特に、表示部24は、充電課金を行う場合、充電選択ボタン26の操作によって、充電販売単位量である充電時間を順次切り替え、切り替えた状態での充電時間と、この充電時間に対する課金金額とを交番表示する。
【0031】
充電選択ボタン26は、満充電を含む充電時間を操作によって順次、表示部24における充電時間と、この充電時間に対する課金金額との交番表示を切り替える。充電選択ボタン26についての詳細については、後述するが、充電選択ボタン26は、LED表示が可能であり、充電時間の選択中には点滅表示され、選択中の充電時間に対する課金金額以上の金額が投入されると、この選択中の充電時間が最終的に選択され、点灯表示に変わる。また、この点灯表示状態で、充電選択ボタン26を押下すると、選択された充電時間での充電が開始される。
【0032】
返却レバー28は、取引の中断を指示するためのもので、返却レバー28が操作されると、取引が中断され、コインメカニズム31から硬貨返却口41に釣銭等が放出され、ビルバリデータ32から紙幣挿入口22に紙幣が返却される。
【0033】
また、外扉1bの下方となる位置には、取出口42が設けてある。取出口42は、商品収納ラックから搬出された商品を取り出すための開口である。
【0034】
また、外扉1bの内側には、リモコン33が配設してある。リモコン33は、各種設定操作、各種売上データの確認操作を行うためのもので、書込みキーや終了キーなどの操作キーのほか、各種設定データや確認データが表示される液晶表示器を備えている。リモコン33から設定入力された設定データは、メインコントローラ50に送信される。そして、リモコン33は、このメインコントローラ50から送信された確認データを受信する。
【0035】
さらに、外扉1bの内側には、ドアスイッチ34が設けてある。ドアスイッチ34は、外扉1bの開閉状態を検出するためのもので、外扉1bを開放した場合にオンとなり、閉塞した場合にオフとなる。
【0036】
なお、本体キャビネット1aの内部は、機械室103と商品収容室104とに画成されている。また、商品収容室104は、断熱仕切板によってさらに三つの商品収納庫104a,104b,104cに仕切られている。これら三つの商品収納庫104a,104b,104cのうち、正面向かって左側の商品収納庫(以下、「左庫」という)104aと中央の商品収納庫(以下「中庫」という)104bとは、冷温切り替えが可能である。そして、商品収納庫104a(104b)を冷却に設定した場合には、商品収納庫104a(104b)の内部を冷却し、商品収納庫104a(104b)に収納した商品を冷却する。一方、商品収納庫104a(104b)を加温に設定した場合には、商品収納庫104a(104b)の内部を加温し、商品収納庫104a(104b)に収納した商品を加温する。また、正面向かって右側の商品収納庫(以下、「右庫」という)104cは、冷却専用庫であり、商品収納庫104cの内部を冷却し、商品収納庫104cに収納した商品を冷却する。
【0037】
商品収納庫104a,104b,104cには、それぞれ商品収納ラック105が搭載してある。自動販売機1は、左庫104aと右庫104cの幅方向に二列の商品収納ラック105が搭載してあり、中庫104bの幅方向に一列の商品収納ラック105が搭載してある。また、商品収納ラック105には、商品収納庫104a,104b,104cの奥行き方向に五つの通路(以下、この通路を便宜上、「ラック」と称する)が設けてあり、各通路には商品が収納可能となっている。
【0038】
[自動販売機の制御系]
図3は、自動販売機1及び充電装置2の制御系の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、自動販売機1のメインコントローラ50には、自動販売機1内のコインメカニズム31、ビルバリデータ32、表示操作部20、リモコン33、本体制御部44が接続されるとともに、通信線Nを介して充電装置2内の充電制御部6に接続される。
【0039】
本体制御部44には、ドアスイッチ34のほか、冷熱装置45、搬出装置46が接続される。本体制御部44は、メインコントローラ50の制御のもと、冷熱装置45、搬出装置46を制御する。
【0040】
冷熱装置45は、上述した商品収納庫104a,104b,104cを設定された状態に管理するためのものである。冷熱装置45は、冷却設定された商品収納庫の内部を冷却する一方、加温設定された商品収納庫の内部を加温する。
【0041】
搬出装置46は、ラックごとに設けられたベンドソレノイド、売切スイッチを管理するためのものである。本体制御部44は、メインコントローラ50から送信された搬出命令に従ってラックから商品を搬出する。また、搬出装置46は、ラックに収納された商品のすべてを搬出した場合に売切信号を本体制御部44に出力する。
【0042】
表示操作部20は、上述した充電選択ボタン26、商品選択ボタン17、表示部24を有する。
【0043】
メインコントローラ50は、制御部51、販売制御部52、表示制御部53を有する。制御部51は、コインメカニズム31、ビルバリデータ32、表示操作部20、リモコン33、本体制御部44等を集中管理するものある。制御部51は、図示しない記憶部に記憶された各種設定データに基づいて制御する。
【0044】
販売制御部52は、自動販売機1本体内の商品の販売に対する商品販売制御及び充電装置2による充電販売制御を行う。表示制御部53は、販売制御部52の指示のもとに、表示操作部20内の充電選択ボタン26、商品選択ボタン17、表示部24に対する表示制御を行う。
【0045】
一方、充電装置2は、上述した操作開始スイッチ5のほかに、充電制御部6及び充電部7を有する。充電制御部6は、自動販売機1のメインコントローラ50との通信を行いつつ、自動販売機1側の指示のもとに、充電プラグ4が接続された充電対象に対する充電制御を行う。充電部7は、充電制御部6の制御のもとに、交流電源を直流電源に変換し、所定電圧の電流を充電対象に供給する。
【0046】
[充電販売制御]
ここで、
図4に示したシーケンス図をもとに、販売制御部52による充電販売制御処理について説明する。まず、充電利用者が充電を行うとする場合、充電装置2の操作開始スイッチ5を押下する(ステップS201)。この押下によって、充電装置2の充電制御部6は、自動販売機1に対して充電取引開始信号SG1を送信する。
【0047】
これに対して、自動販売機1側の販売制御部52は、充電販売選択処理S1を行う。すなわち、充電選択ボタン26の操作に伴う充電時間と、充電時間に対する課金金額とを順次、表示部24に表示する(ステップS101)。その後、表示部24に表示された現表示状態で、表示された課金金額以上の金額の投入によって、現在表示されている充電時間を決定する(ステップS102)。その後、充電選択ボタン26が押下される(ステップS103)と、充電装置2側に充電開始許可信号SG2を送信する。
【0048】
具体的に、ステップS101では、
図5に示すように、充電取引開始信号SG1を受信していない状態では、充電選択ボタン26は消灯状態であり、表示部24は無表示状態である。なお、この例では、充電販売単位量を充電時間としている。ここで、操作開始スイッチ5の押下によって充電取引開始信号SG1を受信すると、充電選択ボタン26は、初期状態として、点滅状態となり、表示部24は、初期状態として、満充電を示す「FULL」の表示と、満充電のときの課金金額である「500円」の表示とを交番して表示する。なお、満充電は、充電時間ではないが、充電利用者は満充電のときの充電時間を知っているのが普通であり、この満充電も充電時間として取り扱うことができる。また、表示部24は、充電時間と課金金額とを交番表示しているが、表示部24の表示領域に余裕がある場合には、充電時間と課金金額とを同時に並列表示してもよい。なお、充電選択ボタン26の点滅状態は、充電時間の選択途中であり、充電時間の選択が決定されていない状態を示している。
【0049】
さらに、充電選択ボタン26を押下する操作を行うと、充電選択ボタン26は点滅状態を継続し、表示部24は、次の充電時間を示す「10分」と、この充電時間に対する課金金額である「50円」とを交番表示する。さらに、充電選択ボタン26を押下する操作を行うと、充電選択ボタン26は点滅状態を継続し、表示部24は、次の充電時間を示す「20分」と、この充電時間に対する課金金額である「100円」とを交番表示する。さらに、充電選択ボタン26を押下する操作を行うと、充電選択ボタン26は点滅状態を継続し、表示部24は、次の充電時間を示す「30分」と、この充電時間に対する課金金額である「150円」とを交番表示する。このように、充電選択ボタン26を押下する操作を行うことによって、順次、充電時間が10分単位で増加し、この充電時間に対する課金金額が表示される。そして、満充電以外の最大の充電時間と、この充電時間に対する課金金額との交番表示状態で、さらに充電選択ボタン26を押下すると、初期状態である、満充電のときの表示状態に移行し、さらに充電選択ボタン26を押下することによって、上述した表示状態が循環される。
【0050】
ステップS102では、ある表示状態のとき、例えば、
図6に示した、充電時間が「20分」で、この充電時間に対する課金金額が「100円」を表示しているときに、この課金金額「100円」以上の金額、ここでは、100円硬貨が硬貨投入口21から投入されると、この充電時間「20分」に対する選択が決定される。この決定状態を充電利用者に示すため、充電選択ボタン26は、点滅状態から点灯状態に変わり、表示部24は、交番表示から、投入金額「100円」が表示される。
【0051】
ステップS103では、この点灯状態の充電選択ボタン26が押下されることによって、販売制御部52は、充電開始の指示があったことを認識する。そして、販売制御部52は、充電開始許可信号SG2を充電装置2側に送信することになる。なお、後述するが、販売制御部52は、充電装置2側から充電完了信号SG7を受信すると、充電が完了したものとして充電販売許可処理(ステップS107)を行うが、この1つの処理として、充電選択ボタン26を消灯し、表示部24を無表示状態にする。すなわち、販売制御部52は、充電販売が可能な状態である表示状態に移行させる。
【0052】
ここで、充電装置2が自動販売機1側から充電開始許可信号SG2を受信すると、充電プラグ4が充電対象に装着された状態で、充電制御部6は、絶縁試験を行う(ステップS202)。充電制御部6は、この絶縁試験の結果に問題がないと、充電部7による充電実行処理(ステップS203)を行うが、この充電実行処理の開始を自動販売機1側に通知するため、充電開始信号SG3を送信する。さらに、充電制御部6は、充電販売不可信号SG4を自動販売機1側に送信する。なお、充電開始許可信号SG2には、充電時間が満充電である場合には、満充電である旨の情報が付加される。そして、充電制御部6は、充電実行処理(ステップS203)において、満充電が指示されている場合、充電が完了すると満充電完了信号SG5を自動販売機1側に送信する。
【0053】
これに対し、販売制御部52は、充電販売不可信号SG4を受信すると、充電装置2が充電実行中であるため、他の充電販売を禁止する充電販売禁止処理を行う(ステップS104)。
【0054】
さらに、販売制御部52は、充電開始信号SG3の受信から、選択決定した充電時間を経過したか、または、満充電完了信号SG5を受信したか否かを判断する(ステップS105)。販売制御部52は、選択決定した充電時間も経過せず、かつ、満充電完了信号SG5を受信していない場合(ステップS105,No)には、この判断処理を繰り返す。一方、販売制御部52は、選択決定した充電時間を経過し、または、満充電完了信号SG5を受信した場合(ステップS105,Yes)には、充電完了信号SG6を充電装置2側に送信する。
【0055】
この充電完了信号SG6を受信した充電制御部6は、満充電以外の場合に、選択決定した充電時間が経過したものとして、充電を停止する充電完了処理を行う(ステップS204)。そして、充電制御部6は、充電完了処理が終了した後、充電完了信号SG7を自動販売機1側に送信する。
【0056】
この充電完了信号SG7を受信した販売制御部52は、選択決定した充電時間の充電が完了したものとして、充電課金成立による充電販売精算処理を行う(ステップS106)。すなわち、販売制御部52は、充電課金の成立(決済)を行うとともに、残金がある場合にはその残金を釣銭として払い出す精算処理を行う。その後、販売制御部52は、充電販売許可信号SG8を充電装置2側に送信し、操作開始スイッチ5の押下を許容させる。また、販売制御部52は、自動販売機1による次の充電販売を許容する充電販売許可処理を行う(ステップS107)。
【0057】
なお、上述した実施の形態1では、充電販売単位量を充電時間として説明したが、この充電時間に替えて、充電金額、充電率とする充電課金カテゴリとしてもよい。また、これらすべて、あるいは1以上の組み合わせの充電課金カテゴリを、充電選択ボタン26の操作によって順次、巡回する選択処理が行えるようにしてもよい。例えば、充電時間の選択状態→充電金額の選択状態→充電率の選択状態→充電時間の選択状態…のように、操作によって巡回する。いずれにしても、充電課金カテゴリごとの充電販売単位量をこまめに選択可能としているので、充電利用者にとって利便性の高い充電購入を行うことができる。例えば、充電金額を充電課金カテゴリとする場合、ガソリン補給の場合と同様な充電購入を行うことができる。なお、充電利用者は、充電対象に対する必要な充電時間や現在の充電率などの情報は、充電対象内の装置によって予め知っているのが通常である。
【0058】
(実施の形態2)
ところで、上述した実施の形態1では、販売制御部52は、充電完了信号SG7を受信した後に充電課金の成立を行うようにしているため、充電開始許可信号SG2の送信(より詳細には、ステップS102の金額投入による充電時間の選択決定時点)から充電完了信号SG7の受信までの間は、充電課金が成立しておらず、自動販売機1本来の商品販売処理を行うことができない。
【0059】
そこで、本実施の形態2では、
図7に示すように、
図4のステップS106の処理(充電課金成立による充電販売精算処理)を充電開始信号SG3を受信した後に行うようにしている(ステップS301)。
【0060】
この結果、
図7に示すように、充電課金成立による充電販売精算処理を行った(ステップS301)の後、並列して他の自動販売機利用者が、充電実行中であるにもかかわらず、商品を購入することができる商品販売処理を行うことができる(ステップS302)。
【0061】
特に、充電時間は急速充電でも1時間以上かかるのが通常であり、長い。このため、充電実行中は、自動販売機1は、充電販売に独占され、商品販売を行うことができない。しかし、本実施の形態2を適用することによって、充電販売中であっても、他の自動販売機利用者は、自動販売機1の商品を購入することができるため、商品販売機会を失うことを低減することができる。なお、上述したように、充電販売中は、他の充電販売を行うことはできない。なお、充電が完了したか否かは、充電選択ボタン26が消灯状態であることによって確認することができる。
【0062】
(実施の形態3)
ところで、充電利用者は、充電購入及び商品購入を1つの課金で連続して行いたい場合がある。例えば、実施の形態2では、充電購入を行って充電課金が成立して精算処理を行うため、充電課金後に釣銭が払い出されてしまうため、さらに連続して商品購入を行う場合、さらに商品の金額投入を行わなくてはならない。
【0063】
そこで、
図8に示すように、本実施の形態3では、
図7におけるステップS301の処理の充電課金成立において商品販売できる残金がある場合、残金払い出しの精算処理を行わず、単に充電課金成立のみを行う(ステップS401)。その後、販売制御部52は、残金による商品販売処理である残金利用商品販売処理を行う(ステップS402)ようにしている。すなわち、同一の自動販売機利用者に対して充電販売と商品販売との課金を同時に行うようにしている。
【0064】
ここで、
図9に示したフローチャートを参照して、ステップS402による残金利用商品販売処理手順について説明する。
図9に示すように、まず、販売制御部52は、返却レバー28が操作されたか否かを判断する(ステップS501)。返却レバー28が操作されていない場合(ステップS501,No)には、さらに、残金で販売できる商品があるか否かを判断する(ステップS502)。そして、残金で販売できる商品がある場合(ステップS502,Yes)には、その商品に対応する商品選択ボタン17を消灯状態から点灯状態にする(ステップS503)。
【0065】
その後、商品選択ボタン17が押下されたか否かを判断する(ステップS504)。商品選択ボタン17が押下された場合(ステップS504,Yes)には、その商品の払い出しを行い(ステップS505)、ステップS506に移行する。一方、商品選択ボタン17が押下されない場合(ステップS504,No)には、そのままステップS506に移行する。ステップS506では、返却レバー28が操作されたか否かを判断する。返却レバー28が操作されない場合(ステップS506,No)には、ステップS502に移行する。一方、返却レバー28が操作された場合(ステップS506,Yes)には、ステップS507に移行する。
【0066】
その後、販売制御部52は、
図10に示したメインコントローラ50内の割引設定部54によって割引設定がされているか否かを判断する(ステップS507)。割引設定がされている場合(ステップS507,Yes)には、商品販売の課金を成立し、充電購入及び商品購入に対する割引精算処理を行って(ステップS508)、ステップS402にリターンする。この割引精算処理は、投入金額から、充電課金金額と商品課金金額との合計額を減算し、割引額を加算して残金を払い出す処理である。なお、割引設定部54に対する割引設定は、リモコン33を用いて行うことができる。
【0067】
一方、返却レバー28が操作された場合(ステップS501,Yes)、残金で販売できる商品がない場合(ステップS502,No)、割引設定がされていない場合(ステップS507,No)には、投入金額に対する課金を成立させ、割引を行わない通常の精算処理を行って(ステップS509)、ステップS402にリターンする。なお、通常の精算処理は、投入金額から、充電課金金額と商品課金金額との合計額を減算した額の残金を払い出す処理である。
【0068】
なお、上述した実施の形態3では、充電販売の後に残金を用いて商品販売する例を示したが、これに限らず、商品販売の後に残金を用いて充電販売することもできる。商品販売を充電販売の先に行う場合、金額投入と同時に、購入可能な商品選択ボタン17を点灯させるとともに、充電選択ボタン26を点滅させ、課金ごとの残金に対して課金を成立させればよい。なお、割引設定は、充電購入をした場合に限るように設定することが好ましい。また、満充電のみが選択可能である場合、充電選択ボタン26は、商品選択ボタン17と同様に、金額投入によって充電販売が可能な場合、商品選択ボタン17とともに点灯させ、商品選択ボタン17の選択決定と同じ処理を行えばよい。