特許第6358100号(P6358100)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6358100
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】電気掃除機
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20180709BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20180709BHJP
   A47L 9/28 20060101ALI20180709BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20180709BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20180709BHJP
【FI】
   H02J7/00 B
   H02J7/00 301A
   H02J7/02 U
   A47L9/28 P
   A47L9/28 U
   H01M10/44 Q
   H01M10/48 P
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-2544(P2015-2544)
(22)【出願日】2015年1月8日
(65)【公開番号】特開2016-127783(P2016-127783A)
(43)【公開日】2016年7月11日
【審査請求日】2017年7月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148057
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 淑己
(72)【発明者】
【氏名】古山 拓也
(72)【発明者】
【氏名】頼田 昌美
(72)【発明者】
【氏名】関根 加津典
【審査官】 辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−151301(JP,A)
【文献】 特開平10−042483(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/061465(WO,A1)
【文献】 特開2006−122463(JP,A)
【文献】 特開2008−278996(JP,A)
【文献】 特開2014−236518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00−7/12
7/34−7/36
H01M 10/42−10/48
A47L 9/22−9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動送風機と、前記電動送風機に電力を供給する二次電池とを有する掃除機本体と、
前記二次電池に充電電流を供給する充電台と、
前記掃除機本体が前記充電台に電気的に接続されると、前記二次電池に通常充電電流値で前記充電電流を供給する充電制御回路と、
前記充電電流の電流値を前記通常充電電流値から前記通常充電電流値より大きい急速充電電流値に切り替えることができる充電電流切替回路と、
前記二次電池の電圧を検出する二次電池電圧検出回路と、
前記急速充電電流値で充電を行っている際に、前記二次電池電圧検出回路で検出した前記二次電池の電圧が第1の充電終了電圧値を超過すると充電終了を報知する充電報知部とを備え
前記掃除機本体は直立して前記充電台に載置され、
前記充電台に載置された状態における前記掃除機本体の上側の位置に、前記通常充電電流値から前記急速充電電流値への切替を前記充電電流切替回路に指示するスイッチが設けられ、
前記スイッチは、前記掃除機本体が前記充電台に電気的に接続されている場合に前記充電電流の電流値を切り替える第1の機能と、前記掃除機本体が前記充電台に電気的に接続されていない場合に前記電動送風機への入力電力を切り替える第2の機能とを有し、前記掃除機本体と前記充電台との電気的な接続状態に応じて前記第1の機能と前記第2の機能を切り替えることを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
前記二次電池の充電電流値を検出する充電電流検出回路を更に備え、
前記充電制御回路は、前記二次電池の電圧が前記第1の充電終了電圧値を超過すると前記二次電池の充電を定電圧充電に切り替え、前記充電電流検出回路で検出した前記充電電流値が充電終了電流値を下回るまで充電を継続することを特徴とする請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記充電制御回路は、前記二次電池の電圧が前記第1の充電終了電圧値を超過すると前記二次電池の充電を定電圧充電に切り替え、前記二次電池電圧検出回路で検出した前記二次電池の電圧が前記第1の充電終了電圧値より高い第2の充電終了電圧値を超過するまで充電を継続することを特徴とする請求項1に記載の電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除機本体の二次電池を充電する充電式の電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
充電式の電気掃除機において通常充電と急速充電を切り替え可能なものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭62−68427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、90%の充電から100%の満充電まで二次電池を充電するには定電圧充電を行う必要があり、非常に時間がかかる。このため、急速充電であってもユーザが早く掃除機本体を使用することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的はユーザがほぼ満充電の状態で早く使用することができる電気掃除機を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電気掃除機は、電動送風機と、前記電動送風機に電力を供給する二次電池とを有する掃除機本体と、前記二次電池に充電電流を供給する充電台と、前記掃除機本体が前記充電台に電気的に接続されると、前記二次電池に通常充電電流値で前記充電電流を供給する充電制御回路と、前記充電電流の電流値を前記通常充電電流値から前記通常充電電流値より大きい急速充電電流値に切り替えることができる充電電流切替回路と、前記二次電池の電圧を検出する二次電池電圧検出回路と、前記急速充電電流値で充電を行っている際に、前記二次電池電圧検出回路で検出した前記二次電池の電圧が第1の充電終了電圧値を超過すると充電終了を報知する充電報知部とを備え、前記掃除機本体は直立して前記充電台に載置され、前記充電台に載置された状態における前記掃除機本体の上側の位置に、前記通常充電電流値から前記急速充電電流値への切替を前記充電電流切替回路に指示するスイッチが設けられ、前記スイッチは、前記掃除機本体が前記充電台に電気的に接続されている場合に前記充電電流の電流値を切り替える第1の機能と、前記掃除機本体が前記充電台に電気的に接続されていない場合に前記電動送風機への入力電力を切り替える第2の機能とを有し、前記掃除機本体と前記充電台との電気的な接続状態に応じて前記第1の機能と前記第2の機能を切り替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、急速充電を行っている際に二次電池の電圧値が所定値を超過すると充電完了を報告する。これにより、二次電池が満充電されていなくてもユーザがほぼ満充電の状態で早く掃除機本体を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態に係る電気掃除機を示す斜視図である。
図2】本発明の実施の形態に係る掃除機本体を示す側面図である。
図3】本発明の実施の形態に係る充電台を示す斜視図である。
図4】本発明の実施の形態に係る電気掃除機を示すブロック図である。
図5】本発明の実施の形態に係る二次電池の充電特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は本発明の実施の形態に係る電気掃除機を示す斜視図である。電気掃除機1は掃除機本体2と充電台3を備える。掃除機本体2は直立した状態で充電台3に載置される。
【0010】
図2は本発明の実施の形態に係る掃除機本体を示す側面図である。掃除機本体2は、電動送風機4と、電動送風機4に電力を供給する二次電池5とを有するコードレスタイプのスティック型(縦型)電気掃除機である。
【0011】
掃除機本体2の本体部6は外観円柱形状に構成され、その内部に電動送風機4、二次電池5、制御回路基板7などが設けられている。把持部8は、使用者が清掃時に把持するための取っ手であって本体部6の前側面に設けられている。使用者が電動送風機4の入力切替や充電モードの切り替えを行うための手元スイッチ9が把持部8に設けられている。
【0012】
塵埃分離部10は、本体部6の下面側に着脱自在に装着され、本体部6と同径の外観円柱形状に構成されている。接続管11は本体部6の下面部から下方に向かって延びた通風管である。接続管11の下端に吸入具12が設けられている。
【0013】
電動送風機4は、吸入具12から接続管11を通して空気と共に塵埃を吸引する。塵埃分離部10は旋回室を備えたサイクロン式であり、旋回室により塵埃を分離して捕集する。なお、塵埃分離部10はサイクロン式に限らず紙パック式でもよい。
【0014】
図3は本発明の実施の形態に係る充電台を示す斜視図である。充電台3は電源ケーブル13によって外部電源に接続される。掃除機本体2が充電台3に載置されると、両者の電気的接続部14,15が電気的に接続され、充電台3は掃除機本体2の二次電池5に充電電流を供給する。
【0015】
図4は本発明の実施の形態に係る電気掃除機を示すブロック図である。図5は本発明の実施の形態に係る二次電池5の充電特性を示す図である。使用者が掃除機本体2に設けられた手元スイッチ9の電動送風機入力電力切替部16を操作すると、制御回路17が電動送風機駆動回路18を制御して二次電池5から電動送風機4への入力電力を切り替える。
【0016】
充電台3は電源回路19を有する。電源回路19は電源ケーブル13を介して外部電源から入力した交流を直流に変換するAC−DCコンバータである。充電台接続検出回路20は、掃除機本体2と充電台3の電気的接続部14,15が電気的に接続されたかどうかを検出する。充電制御回路21は、掃除機本体2が充電台3に電気的に接続されると、二次電池5に通常充電電流値で充電電流を供給する。充電電流検出回路22は、二次電池5の充電電流値を検出する。二次電池電圧検出回路23は二次電池5の電圧を検出する。
【0017】
充電電流切替回路24は、充電電流の電流値を通常充電電流値から通常充電電流値より大きい急速充電電流値に切り替えることができる。使用者は、手元スイッチ9の充電電流切替部25を操作して充電電流切替回路24に通常充電電流値から急速充電電流値への切替を指示する。
【0018】
急速充電電流値で充電を行っている際に二次電池電圧検出回路23で検出した二次電池5の電圧が第1の充電終了電圧値を超過すると、制御回路17は充電報知部26に充電終了を報知させる。具体的には、充電報知部26はLEDランプであり、充電中は点灯または点滅し、消灯することで充電終了を報知する。
【0019】
充電制御回路21は、二次電池5の電圧が第1の充電終了電圧値を超過すると二次電池5の充電を定電圧充電に切り替える。そして、充電電流検出回路22で検出した充電電流値が充電終了電流値を下回るまで充電を継続する。または、二次電池電圧検出回路23で検出した二次電池5の電圧が第1の充電終了電圧値より高い第2の充電終了電圧値を超過するまで充電を継続してもよい。ただし、第1の充電終了電圧値と第2の充電終了電圧値の電圧差は小さいため、充電電流値を検知する方が好ましい。このように、二次電池5の電圧が第1の充電終了電圧値を超過すると二次電池5の充電を定電圧充電に切り替え、充電電流検出回路22で検出した充電電流値が充電終了電流値を下回るまで充電を継続し、または、二次電池電圧検出回路23で検出した二次電池5の電圧が第1の充電終了電圧値より高い第2の充電終了電圧値を超過するまで充電を継続するので、二次電池5の充電状態を正確に検出しながら二次電池5が適切に満充電される。
【0020】
ここで、二次電池5の電圧が第1の充電終了電圧値を超過することは、二次電池5は満充電の例えば80%以上充電されていることを意味する。そして、充電電流値が充電終了電流値を下回る、又は、二次電池5の電圧が第2の充電終了電圧値を超過することは二次電池5が満充電されていることを意味する。
【0021】
以上説明したように、本実施の形態では、急速充電を行っている際に二次電池5の電圧値が所定値を超過すると充電完了を報告する。これにより二次電池5が満充電されていなくてもユーザがほぼ満充電の状態で早く掃除機本体2を使用することができる。
【0022】
また、充電電流値又は二次電池5の電圧を検出することにより、充電容量判定専用のICを用いることなく二次電池5の満充電を判断することができる。
【0023】
また、従来は通常充電から急速充電に切り替える操作部は床に設置された充電台3に設けられていたため、使用者は腰を屈めて操作を行う必要があった。これに対して、本実施の形態では、通常充電から急速充電に切り替える手元スイッチ9の充電電流切替部25は、充電台3に載置された状態における掃除機本体2の上側の位置、具体的には床面から80cm程度の高さに設けられている。このため、使用者は腰を屈めずに操作を行うことができる。
【0024】
また、手元スイッチ9は、掃除機本体2が充電台3に電気的に接続されている場合は充電電流切替部25として充電電流の電流値を切り替え、掃除機本体2が充電台3に電気的に接続されていない場合は電動送風機入力電力切替部16として電動送風機4への入力電力を切り替えるように構成されていることが好ましい。これにより、1つの手元スイッチ9を2つの用途に共用することができる。
【0025】
なお、制御回路17及び充電制御回路21は、メモリに記憶されたプログラムを実行するCPU、システムLSI等の処理回路により実現される。また、複数の処理回路が連携して上記機能を実行してもよい。
【符号の説明】
【0026】
1 電気掃除機、2 掃除機本体、4 電動送風機、3 充電台、9 手元スイッチ、16 電動送風機入力電力切替部、21 充電制御回路、22 充電電流検出回路、23 二次電池電圧検出回路、24 充電電流切替回路、26 充電報知部、25 充電電流切替部
図1
図2
図3
図4
図5