特許第6358118号(P6358118)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6358118表示制御装置、表示制御方法、表示制御プログラム、送信制御装置、送信制御方法、送信制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6358118
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】表示制御装置、表示制御方法、表示制御プログラム、送信制御装置、送信制御方法、送信制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 29/00 20060101AFI20180709BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20180709BHJP
【FI】
   G09B29/00 A
   G01C21/26 B
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-21967(P2015-21967)
(22)【出願日】2015年2月6日
(65)【公開番号】特開2016-145863(P2016-145863A)
(43)【公開日】2016年8月12日
【審査請求日】2017年3月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(72)【発明者】
【氏名】柚木▲崎▼ さゆり
【審査官】 吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−041244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 29/00
G01C 21/26
H04M 1/00
G06F 3/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表示部に、第1の地図情報を表示させる地図表示制御部と、
前記第1の表示部とは異なる表示体に表示されている第2の地図情報の領域を特定する位置情報を受信する受信部と
記第1の地図情報上に、前記位置情報で示された位置に対応させて前記第2の地図情報の領域を示す領域画像を表示させる領域表示制御部と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記受信部は、前記位置情報に加えて、前記表示体に対する前記第2の地図情報の方向を特定する補助データを受信し、
前記領域表示制御部は、前記第1の地図情報上に、前記領域画像の方向を識別する方向識別画像を表示させる
ことを特徴とする請求項1記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示体は携帯情報端末が有する第2の表示部であり、
前記受信部は、前記携帯情報端末より、前記位置情報に加えて、前記携帯情報端末に対する前記第2の地図情報の方向を特定する補助データを受信し、
前記領域表示制御部は、前記第1の地図情報上に、前記領域画像として、前記携帯情報端末を示す端末画像を、前記位置情報で示された位置に、前記補助データに基づいて特定される方向に表示させる
ことを特徴とする請求項1記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示体は印刷物であり、前記第2の地図情報は前記印刷物に印刷されており、
前記位置情報は、前記印刷物に印刷されている前記第2の地図情報の領域を特定している
ことを特徴とする請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項5】
コンピュータに、
第1の表示部に第1の地図情報を表示させる表示ステップと、
前記第1の表示部とは異なる表示体に表示されている第2の地図情報の領域を特定する位置情報に対応させて、前記第1の地図情報上に、前記第2の地図情報の領域を示す領域画像を表示させる表示ステップと、
を実行させることを特徴とする表示制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図情報を表示部に表示させる表示制御装置、表示制御方法、表示制御プログラム、地図情報を表示させる表示制御装置に所定の画像情報を表示させるための情報を表示制御装置に送信する送信制御装置、送信制御方法、送信制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地図情報を表示部に表示させる表示制御装置の一例として、ナビゲーション装置がある。ナビゲーション装置は主として車両に搭載される。一方、携帯電話等の携帯情報端末は、地図表示アプリケーションを搭載して、地図情報を表示させるのが一般的となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−61343号公報
【特許文献2】特開2009−300734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ナビゲーション装置の表示部に表示されている地図情報と、携帯情報端末の表示部に表示されている地図情報とは、地図の縮尺、地図の向き、色使い等が異なるので、仮に同じ場所を表示していたとしても、2つの地図情報の対応関係を把握することが難しい。
【0005】
例えば、携帯情報端末で所定の場所を検索して、携帯情報端末の表示部に検索した場所を含む地図情報を表示させているとする。携帯情報端末の表示部に表示されている地図情報が、ナビゲーション装置の表示部に表示されている地図情報のどこに相当するのかを知りたい場合がある。
【0006】
上記のように、2つの地図情報の対応関係を把握することが難しいため、携帯情報端末の表示部に表示されている地図情報が、ナビゲーション装置の表示部に表示されている地図情報のどこに相当するのかを認識できなかったり、認識するのに長時間かかったりすることがある。携帯情報端末の表示部は、ナビゲーション装置の表示部とは異なる表示体の一例である。
【0007】
本発明は、表示制御装置が有する第1の表示部に表示されている第1の地図情報と、前記第1の表示部とは異なる表示体に表示されている第2の地図情報との対応関係を容易に把握することができる表示制御装置、表示制御方法、表示制御プログラム、送信制御装置、送信制御方法、送信制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1の表示部に、第1の地図情報を表示させる地図表示制御部と、前記第1の表示部とは異なる表示体に表示されている第2の地図情報の領域を特定する領域データを受信する受信部と、前記領域データに基づいて、前記第1の地図情報上に、前記第2の地図情報の領域を示す領域画像を表示させる領域表示制御部とを備えることを特徴とする表示制御装置を提供する。
【0009】
本発明は、第1の表示部に第1の地図情報を表示させ、前記第1の表示部とは異なる表示体に表示されている第2の地図情報の領域を特定する領域データを受信し、前記領域データに基づいて、前記第1の地図情報上に、前記第2の地図情報の領域を示す領域画像を表示させることを特徴とする表示制御方法を提供する。
【0010】
本発明は、コンピュータに、第1の表示部に第1の地図情報を表示させる表示ステップと、前記第1の表示部とは異なる表示体に表示されている第2の地図情報の領域を特定する領域データに基づいて、前記第1の地図情報上に、前記第2の地図情報の領域を示す領域画像を表示させる表示ステップとを実行させることを特徴とする表示制御プログラムを提供する。
【0011】
本発明は、第1の表示部に第1の地図情報を表示させるよう構成されている表示制御装置に、前記第1の表示部とは異なる表示体に表示されている第2の地図情報の領域を示す領域画像を表示させるために、前記第2の地図情報の領域を特定するための領域データを記憶する記憶部と、前記表示制御装置に前記領域データを送信する通信部とを備えることを特徴とする送信制御装置を提供する。
【0012】
本発明は、第2の表示部に表示されている第2の地図情報の領域を特定する領域データを取得し、前記領域データを、前記第2の表示部とは異なる第1の表示部を備える表示制御装置に送信することを特徴とする送信制御方法を提供する。
【0013】
本発明は、コンピュータに、第2の表示部に表示されている第2の地図情報の領域を特定する領域データを取得するステップと、前記領域データを、前記第2の表示部とは異なる第1の表示部を備える表示制御装置に送信するステップとを実行させることを特徴とする送信制御プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の表示制御装置、表示制御方法、表示制御プログラム、送信制御装置、送信制御方法、送信制御プログラムによれば、表示制御装置が第1の表示部に表示させている第1の地図情報と、第1の表示部とは異なる表示体に表示されている第2の地図情報との対応関係を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】携帯情報端末と表示制御装置の一例であるナビゲーション装置との組み合わせである第1の構成例を示すブロック図である。
図2図1における携帯情報端末の表示部に地図情報が表示されている状態を示す平面図である。
図3図1におけるナビゲーション装置の表示部に地図情報が表示されている状態を示す平面図である。
図4】携帯情報端末の動作を説明するためのフローチャートである。
図5】領域データの一例を示す概念図である。
図6】ナビゲーション装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図7】ナビゲーション装置の表示部に表示されている地図情報に領域画像を重畳した状態を示す平面図である。
図8】領域データと補助データの一例とを示す概念図である。
図9】領域データと補助データの他の例とを示す概念図である。
図10】ナビゲーション装置の表示部に表示されている地図情報に領域画像及び方向識別画像を重畳した状態を示す平面図である。
図11】携帯情報端末の機種を識別するための識別情報と、領域データと、補助データとを示す概念図である。
図12】第1実施形態の表示制御装置の変形例であり、表示部に表示されている地図情報に端末画像を重畳させるように構成されているナビゲーション装置を示すブロック図である。
図13】ナビゲーション装置の表示部に表示されている地図情報に端末画像を重畳した状態を示す平面図である。
図14】携帯情報端末よりナビゲーション装置に端末画像データを送信する場合の領域画像表示指示信号の概略的な構成例を示す図である。
図15】電子ペンと表示制御装置の一例であるナビゲーション装置との組み合わせである第2の構成例を示すブロック図である。
図16】地図情報が印刷された印刷物の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、一実施形態の表示制御装置、表示制御方法、表示制御プログラム、送信制御装置、送信制御方法、送信制御プログラムについて、添付図面を参照して説明する。
【0017】
<第1の構成例>
図1は、携帯情報端末1と表示制御装置の一例であるナビゲーション装置2との組み合わせである第1の構成例を示している。後述するように、携帯情報端末1とナビゲーション装置2とは互いに通信するように構成されている。
【0018】
図1において、携帯情報端末1は、制御部10と、通信部11,16と、GNSS受信部12と、記憶部13と、表示部14と、操作入力部15とを備える。
【0019】
通信部11は、通信網50を介して図示していないサーバより、地図データを受信する。通信網50は、電話回線であってもよいし、無線LANを介して接続されたインターネット回線であってもよい。通信部11が受信した地図データは、制御部10を介して記憶部13に記憶される。
【0020】
GNSS受信部12は、全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite System: GNSS)用の衛星からの電波を受信する。GNSSは、一例としてGPS(Global Positioning System)である。制御部10は、GNSS受信部12が電波を受信することによって生成した受信信号に基づいて、携帯情報端末1の位置情報を検出する。
【0021】
通信部11は、例えば、制御部10が検出した位置情報に基づいて、携帯情報端末1の現在位置を含む所定の領域の地図データを受信することができる。
【0022】
制御部10は、例えばCPUやプロセッサである。制御部10は、記憶部13に記憶された地図データに基づき、表示部14に地図情報を表示させる。なお、記憶部13は、例えばメモリ、HDD、フラッシュメモリである。図2に示すように、携帯情報端末1の表示部14には地図情報が表示されている。表示部14には、表示部14の四隅である4つの地点P1〜P4で囲まれた矩形の領域が表示されている。
【0023】
図2において、図2の上方が携帯情報端末1の上部、図2の下方が携帯情報端末1の下部である。携帯情報端末1の筐体の下端部には、操作ボタン151が配置されている。操作ボタン151は、操作入力部15の一例である。
【0024】
表示部14は、例えば液晶パネルである。表示部14の表面には、タッチパネルが設けられている。タッチパネルは、操作入力部15の他の例である。ユーザは、タッチパネルを操作して、表示部14に表示されている地図情報の範囲を移動させたり、縮尺を変更したりすることができる。
【0025】
さらに図1において、通信部16は、ナビゲーション装置2の通信部26と、例えばWi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信などの所定の近距離通信規格に従って、データを送受信することができる。通信部16は、例えばWi-Fi、Bluetooth、赤外線通信などのインターフェイスである。
【0026】
後述するように、通信部16は、通信部26に対して、表示部14に表示されている地図情報の地図表示領域を特定するための領域データを含む領域画像表示指示信号を送信する。通信部16は、領域画像表示指示信号を送信する送信部である。
【0027】
携帯情報端末1は、ジャイロ等の各種のセンサを備えていてもよい。携帯情報端末1の構成は、図1に示す構成に限定されるものではない。
【0028】
携帯情報端末1の表示部14は、ナビゲーション装置2の表示部24とは異なる表示体の第1の例である。表示部24を第1の表示部とすると、表示部14は第2の表示部である。
【0029】
ナビゲーション装置2は、制御部20と、GNSS受信部22と、記憶部23と、表示部24と、操作入力部25と、通信部26と、センサ27とを備える。制御部20は、機能的な構成として、地図表示制御部201と、領域表示制御部202とを有する。
【0030】
記憶部23は、例えばメモリ、HDD、フラッシュメモリである。記憶部23は、ナビゲーションプログラム231と、地図データ232と、POI(Point Of Interest)情報とを記憶している。POI情報とは、記憶部23に予め登録されているか、ユーザが登録した施設や場所等の位置を示す地点情報である。
【0031】
GNSS受信部22は、GNSS用の衛星からの電波を受信する。制御部20は、GNSS受信部22が電波を受信することによって生成した受信信号に基づいて、ナビゲーション装置2の位置情報を検出する。
【0032】
センサ27は例えばジャイロセンサである。制御部20は、センサ27による検出信号に基づいてナビゲーション装置2の位置情報を検出してもよく、GNSS受信部22の受信信号とセンサ27による検出信号との双方に基づいてナビゲーション装置2の位置情報を検出してもよい。センサ27を省略した構成としてもよい。
【0033】
地図表示制御部201は、地図データ232に基づく地図情報を表示部24に表示させる。なお、表示部24は例えば液晶パネルである。図3に示すように、ナビゲーション装置2の表示部24には地図データ232に基づく地図情報が表示されている。表示部24に表示されている地図情報を第1の地図情報とすると、表示部14に表示されている地図情報は第2の地図情報である。
【0034】
図3では、地図情報は、ナビゲーション装置2を搭載する車両の進行方向を上にした状態で表示されている。マークM1は、車両の現在位置を示す。
【0035】
制御部20は、ナビゲーションプログラム231を実行させて、所定の目的地までの経路を地図情報に表示させることができる。制御部20は、POI情報233の地点を地図情報に表示させることができ、POI情報233の地点を経路案内の目的地として設定することもできる。
【0036】
図3に示すように、ナビゲーション装置2の筐体の下端部には、複数の操作ボタン251が配置されている。操作ボタン251は、操作入力部25の一例である。表示部24の表面には、操作入力部25の他の例としてのタッチパネルが設けられていてもよい。
【0037】
通信部26は、例えばWi-Fi、Bluetooth、赤外線通信などのインターフェイスである。通信部26は、通信部16から送信された領域画像表示指示信号を受信する。通信部26は、領域画像表示指示信号を受信する受信部である。
【0038】
通信部26が領域画像表示指示信号を受信したら、領域表示制御部202は、領域データに基づいて、携帯情報端末1の表示部14に表示されている地図情報の領域画像を生成し、表示部24に表示されている地図情報に領域画像を重畳して表示させる。
【0039】
なお、地図情報に領域画像を重畳して表示させることは表示方法の一例であり、表示部24に表示されている地図情報に対して、領域画像が把握できるように表示させればよい。
【0040】
ナビゲーション装置2の構成は、図1に示す構成に限定されるものではない。ナビゲーション装置2は、表示制御装置の一例である。表示制御装置は、地図情報を表示部に表示する表示装置であればよい。
【0041】
図4に示すフローチャートを用いて、携帯情報端末1の動作をさらに説明する。図4において、制御部10は、ステップS11にて、操作入力部15によって地図表示を指示する操作入力がなされたか否かを判定する。
【0042】
地図表示を指示する操作入力がなされたら(YES)、制御部10は、ステップS12にて、表示部14に地図情報を表示させる。地図表示の操作入力がなされなかったら(NO)、制御部10は、ステップS11の処理を繰り返す。
【0043】
制御部10は、ステップS13にて、操作入力部15によってナビゲーション装置2に領域画像を表示させる操作入力がなされたか否かを判定する。領域画像を表示させる操作入力がなされたら(YES)、制御部10は、処理をステップS14に移行させ、領域画像を表示させる操作入力がなされなかったら(NO)、制御部10は、処理をステップS18に移行させる。
【0044】
また、携帯情報端末1とナビゲーション装置2とが接続されたら、自動的に領域画像を表示させる操作入力がなされたものと判定してもよい。
【0045】
制御部10は、ステップS14にて、表示部14に表示されている地図表示領域を特定する領域データを取得する。即ち、制御部10は、ステップS14にて、図2に示す地点P1〜P4を示す位置情報を取得する。表示部14に表示されている地図情報の四隅の位置情報は容易に取得することができる。
【0046】
図5は、地点P1〜P4の位置情報よりなる領域データの一例である。図5は、領域データを概念的に示している。地点P1〜P4の位置情報は、緯度と経度との組み合わせよりなる。なお、図5で示した緯度と経度は正の数字であるので北緯と東経を表しているが、負の数字だった場合にはそれぞれ南緯と西経を表す。また、北緯、南緯、東経、西経としてデータを保持してもよい。
【0047】
制御部10は、ステップS15にて、ナビゲーション装置2に領域データを含む領域画像表示指示信号を送信するよう通信部16を制御する。領域画像表示指示信号は、例えば、ナビゲーション装置2の表示部24に、表示部14に表示されている地図情報の領域を示す領域画像を表示させることを指示するフラグと、領域データとを含むデータ列として構成することができる。
【0048】
制御部10は、ステップS16にて、操作入力部15によって領域画像の表示を終了することを指示する領域画像表示解除の操作入力がなされたか否かを判定する。領域画像表示解除の操作入力がなされなかったら(NO)、制御部10は、処理をステップS14に戻して、ステップS14〜S16の処理を繰り返す。
【0049】
領域画像表示解除の操作入力がなされたら(YES)、制御部10は、ステップS17にて、ナビゲーション装置2への領域画像表示指示信号の送信を停止するよう通信部16を制御する。
【0050】
制御部10は、ステップS18にて、操作入力部15によって地図情報の表示を終了することを指示する地図表示解除の操作入力がなされたか否かを判定する。地図表示解除の操作入力がなされなかったら(NO)、制御部10は、処理をステップS12に戻して、ステップS12以降の処理を繰り返す。
【0051】
地図表示解除の操作入力がなされたら(YES)、制御部10は、ステップS19にて、地図表示を解除して処理をステップS11に戻す。
【0052】
図6に示すフローチャートを用いて、ナビゲーション装置2の動作をさらに説明する。ナビゲーション装置2は、表示部24にナビゲーション装置2の現在位置周辺の地図情報を表示しているとする。
【0053】
図6において、制御部20は、ステップS21にて、携帯情報端末1より領域画像表示指示信号を受信したか否かを判定する。制御部20は、領域画像表示指示信号を受信したら(YES)、処理をステップS22に移行させ、領域画像表示指示信号を受信しなかったら(NO)、ステップS21の処理を繰り返す。
【0054】
制御部20は、ステップS22にて、領域画像表示指示信号に含まれる領域データを解析し、ステップS23にて、表示部24に表示している地図情報における、表示部14に表示されている地図情報の地図表示領域を示す地点P1〜P4の位置を探索する。
【0055】
制御部20は、ステップS24にて、表示部14の地図表示領域は、表示部24に表示している地図情報の範囲内にあるか否かを判定する。範囲内にあれば(YES)、制御部20(領域表示制御部202)は、ステップS25にて、図7に示すように、表示している地図情報に領域画像141を表示させる。
【0056】
図7に示す領域画像141は、表示部24に表示させる領域画像の一例である。領域画像141の四隅は、図2における地点P1〜P4の位置に対応する。
【0057】
ユーザは、領域画像141によって、携帯情報端末1の表示部14に表示されている地図情報が、表示部24に表示されている地図情報のどこであるのかを瞬時に認識することができる。ユーザは、表示部14に表示されている地図情報と表示部24に表示されている地図情報との対応関係を容易に把握することができる。
【0058】
図6に戻り、ステップS24にて、表示部14の地図表示領域が表示部24に表示している地図情報の範囲内でなければ(NO)、制御部20(領域表示制御部202)は、ステップS26にて、表示部24に、領域画像141を表示できないことを示す例えば文章を表示させる。文章の代わりにマーク等の画像であってもよい。視覚情報に代えて、または、視覚情報に加えて、聴覚情報を用いてもよい。
【0059】
なお、表示部14の地図表示領域が表示部24に表示している地図情報とは異なる場所である場合には、表示部14の地図表示領域が表示部24に表示している地図情報の範囲外となり、領域画像141を表示することができない。
【0060】
また、表示部14に地図情報を小さくして広範囲の領域を表示している場合には、表示部14の地図表示領域が表示部24に表示している地図情報よりも広範囲となって、領域画像141を表示することができないことがある。
【0061】
ステップS26は必ずしも設けなくてもよく、省略可能である。表示部24に領域画像141を表示できないことを通信部26から通信部16へと通知して、表示部14に領域画像141を表示できないことを示す文章等を表示させるようにしてもよい。同様に、視覚情報に代えて、または、視覚情報に加えて、聴覚情報を用いてもよい。
【0062】
制御部20は、ステップS25,S26に続けて、ステップS27にて、携帯情報端末1からの領域画像表示指示信号が停止したか否かを判定する。領域画像表示指示信号が停止しなかったら(NO)、制御部20は、ステップS22に戻して、ステップS22〜S27の処理を繰り返す。
【0063】
なお、ステップS25において、既に領域画像141を表示できないことを示す文章等が表示されている場合には、領域表示制御部202は、文章等を消去して領域画像31を表示させればよい。ステップS26において、既に領域画像141が表示されている場合には、領域表示制御部202は、領域画像141を消去して領域画像141を表示できないことを示す文章等を表示させればよい。
【0064】
ステップS27にて領域画像表示指示信号が停止したら(YES)、制御部20は、ステップS28にて、領域画像141または領域画像141を表示できないことを示す文章等を消去して、ステップS21に戻し、ステップS21以降の処理を繰り返す。
【0065】
ところで、図7に示す領域画像141では、携帯情報端末1の上下方向と図7の左右に位置する短辺との関係を認識しにくい。そこで、領域画像141には、携帯情報端末1の上下方向と左右の短辺との関係を認識するための補助的なマークを追加することが好ましい。
【0066】
図8は、補助的なマークを追加する場合に、地点P1〜P4の位置情報よりなる領域データに追加すべき補助データの一例を示している。地点P5は、地点P1,P2を結ぶ線の中央の位置を示す位置情報である。即ち、地点P5は、表示部14に表示されている地図情報の上方を示す。
【0067】
図9は、補助データの他の例を示している。図9に示す補助データは、北を基準の方向として地図情報を時計回りに回転させたときの回転角度を示している。ここでは回転角度は302度であり、表示部14に表示されている地図情報は、北を基準として時計回りに302度で回転させた状態であることを示している。地図情報の回転角度も容易に取得することができる。
【0068】
通信部16は、図8または図9に示す領域データ及び補助データを含む領域画像表示指示信号を通信部26へと送信する。通信部26は、領域データ及び補助データを含む領域画像表示指示信号を受信する。
【0069】
領域画像表示指示信号が補助データを含む場合には、制御部20(領域表示制御部202)は、ステップS25にて、図10に示すように、表示している地図情報に領域画像141と、補助データに基づいて例えば上方向を示すマークM2を表示させる。マークM2は、方向識別画像の一例である。
【0070】
図10では、マークM2を矢印としているが、マークの種類は特に限定されない。地点P5は表示部14に表示されている地図情報の上方を示すが、計算によって下方の位置を求めて、領域画像141に、下方向を示すマークを付加してもよい。領域画像141内の下方に操作ボタン151に相当するマークを付加してもよい。
【0071】
図9に示す回転角度を用いて、領域画像141内の下方にマークを付加する場合には、302度−180度より122度の方向で、領域画像141と交差する位置付近にマークを付加すればよい。また、領域画像141は、地図情報に対して異なる色彩や明るさで表示させてもよい。
【0072】
他の例として、領域表示制御部202は、領域画像141の代わりに、表示部24に表示されている地図情報に上下方向を特定することができる領域画像を表示してもよい。上下方向を特定することができる領域画像は、一例として、携帯情報端末1の平面的な外観形状を示す端末画像である。
【0073】
地図情報に端末画像を表示するには、次のようにすればよい。通信部16は、図11に示すように、携帯情報端末1の機種を識別するための識別情報と、領域データと、補助データとを含む領域画像表示指示信号を通信部26へと送信する。図11では、補助データを回転角度としているが、図8に示す地点P5を示す位置情報であってもよい。
【0074】
端末画像を表示するナビゲーション装置2は、例えば図12に示すように構成される。図12では、図1と異なる点のみを説明する。記憶部23は、携帯情報端末1及びその他の複数の携帯情報端末の平面的な外観形状を示す端末画像データ234を記憶している。
【0075】
記憶部23は、予め、市販されている各種の携帯情報端末の端末画像を示す端末画像データ234を記憶している。または、通信部28が通信網60を介して図示していないサーバより各種の携帯情報端末の端末画像データを受信し、制御部20が記憶部23に端末画像データ234として記憶させてもよい。
【0076】
さらには、予め記憶部23が端末画像データ234を記憶し、新たな機種の携帯情報端末が市販された場合に、通信部28が新たな機種の携帯情報端末の端末画像データを受信して、制御部20が端末画像データ234に新たな端末画像データを追加するように構成してもよい。
【0077】
通信網60は、図1に示す通信網50と同じ通信網であってもよいし、異なる通信網であってもよい。通信網60は、電話回線であってもよいし、無線LANを介して接続されたインターネット回線であってもよい。
【0078】
通信部26が携帯情報端末1の機種を識別するための識別情報を含む領域画像表示指示信号を受信したら、制御部20は、記憶部23の端末画像データ234より該当する端末画像データを読み出す。
【0079】
領域表示制御部202は、図13に示すように、表示部24に表示されている地図情報に、端末画像データに基づく端末画像142を表示させる。このとき、領域表示制御部202は、端末画像142を、地図情報における領域データが示す位置に、補助データに基づいて特定される方向に表示させる。
【0080】
端末画像142は、端末画像142と重なっている部分の地図情報を見やすくするため、半透明の画像としたり、輪郭線のみの画像としたりするのがよい。端末画像142がマークM1と重なる場合は、マークM1が隠れないようにマークM1が端末画像142の上側の状態で表示させるのがよい。
【0081】
端末画像142は、携帯情報端末1の平面的な外観形状を忠実に再現する必要はなく、携帯情報端末1の正面画像を概略的に示す画像であればよい。
【0082】
ナビゲーション装置2の記憶部23が端末画像データ234を保持する代わりに、携帯情報端末1が端末画像データをナビゲーション装置2に送信してもよい。この場合、通信部16は、図14に示すように、領域画像表示指示信号であることを示すフラグと、領域データと、補助データと、端末画像データとを含む領域画像表示指示信号を通信部26へと送信すればよい。
【0083】
携帯情報端末1は、記憶部13に自身の端末画像データを予め記憶しておいてもよいし、通信部11が通信網50を介してサーバより自身の端末画像データを受信して、制御部10が記憶部13に記憶させてもよい。
【0084】
以上により、第1の構成例によれば、ナビゲーション装置2が有する表示部24に表示されている地図情報と、携帯情報端末1が有する表示部14に表示されている地図情報との対応関係を容易に把握することができる。
【0085】
<第2の構成例>
図15は、電子ペン3とナビゲーション装置2との組み合わせである第2の構成例を示している。電子ペン3と後述する印刷物は、ナビゲーション装置2と近距離に位置している。
【0086】
第2の構成例は、ナビゲーション装置2の表示部24とは異なる表示体が雑誌等の印刷物であり、印刷物に印刷された地図情報が示す領域を表示部24に表示させるように構成したものである。
【0087】
図15において、ナビゲーション装置2の構成及び動作は図1に示すナビゲーション装置2のそれと同じである。図15に示すように、電子ペン3は、制御部30と、通信部36と、記憶部33と、表示部14と、赤外線照射部37と、読取部38とを備える。
【0088】
記憶部33は、図16に示す印刷物4に印刷された地図情報固有の識別番号と、地図情報の領域データとを対応させたデータベース330を記憶している。電子ペン3が携帯情報端末1の通信部11と同様の通信部を備え、データベース330と同様のデータベースを記憶しているサーバと通信するように構成されていてもよい。
【0089】
図16に示すように、印刷物4には、印刷情報として地図情報41を有する。印刷物4の紙面には、赤外線を吸収するインクを用いて細かい複数のドットよりなるドットパターンが印刷されている。ドットパターンは、それぞれの地図情報に固有の識別番号を表す。ドットパターンの詳細な構成は、特許文献2に記載されている。
【0090】
ドットパターンはユーザが視認できない状態であるか、視認できたとしても、ユーザが地図情報41や文章情報を読むのに支障がない状態とされている。
【0091】
ユーザが電子ペン3の先端を地図情報41に当てると、赤外線照射部37より発せられた赤外線が地図情報41に照射される。ユーザが図示していない操作ボタンを操作したときに、赤外線が照射されるように構成するのがよい。
【0092】
赤外線はドットパターンで吸収され、ドットパターン以外の紙面で反射する。読取部38は、反射した赤外線に基づいてドットパターンを読み取る。
【0093】
制御部30は、データベース330を参照して、読み取ったドットパターンが示す識別番号に対応する領域データを読み出す。領域データは、図2に示す地点P1〜P4の位置情報と同様に、地図情報41の四隅の地点を示す位置情報である。
【0094】
データベース330に、地図情報の識別番号と、地図情報の領域データ及び地図情報の上方向または下方向を示すための補助データとを対応させて記憶させてもよい。
【0095】
通信部36は、制御部30による制御に基づき、第1の構成例と同様に、通信部26に対して、印刷物4の地図情報41の地図表示領域を特定するための領域データを含む領域画像表示指示信号を送信する。ナビゲーション装置2は、第1の構成例と同様に、領域データに基づいて、表示部24に表示されている地図情報に領域画像を表示させる。
【0096】
地図情報41は四角形であるが、印刷物4に印刷されている地図情報の形状は五角形以上の多角形や円形、星形等、種々の形状である場合がある。四角形以外の形状の場合には、それぞれの形状に対応した領域データとすればよい。
【0097】
以上により、第2の構成例によれば、ナビゲーション装置2が有する表示部24に表示されている地図情報と、印刷物4に印刷されている地図情報との対応関係を容易に把握することができる。
【0098】
図1図15に示すナビゲーション装置2において、制御部20をマイクロコンピュータによって構成し、ナビゲーション装置2の動作をコンピュータプログラム(表示制御プログラム)によって実行させてもよい。
【0099】
具体的には、表示部24と通信部26(受信部)とを備えるナビゲーション装置2(表示制御装置)に搭載されているコンピュータに、以下のステップを実行させればよい。
【0100】
コンピュータは、表示ステップとして、表示部24に第1の地図情報を表示させる。通信部26が、表示部24とは異なる表示体に表示されている第2の地図情報の領域を特定するための領域データを受信したら、コンピュータは、判別ステップとして、領域データによって特定される第2の地図情報の領域が、第1の地図情報のどの位置に対応するかを判別させる。図6のステップS23は、判別ステップに相当する。
【0101】
コンピュータは、表示ステップとして、判別ステップにて判別された第1の地図情報の位置に、第2の地図情報の領域を示す領域画像を表示させる。図6のステップS25は、表示ステップに相当する。
【0102】
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【符号の説明】
【0103】
1 携帯情報端末
2 ナビゲーション装置(表示制御装置)
4 印刷物(表示体)
14 表示部(表示体,第2の表示部)
16 通信部(送信部)
24 表示部(第1の表示部)
26 通信部(受信部)
201 地図表示制御部
202 領域表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16