(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6358273
(24)【登録日】2018年6月29日
(45)【発行日】2018年7月18日
(54)【発明の名称】棒状小物類収納ケース
(51)【国際特許分類】
A45C 11/34 20060101AFI20180709BHJP
B43K 23/00 20060101ALI20180709BHJP
【FI】
A45C11/34 101C
A45C11/34 B
A45C11/34 G
A45C11/34 103
B43K23/00 200E
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-21530(P2016-21530)
(22)【出願日】2016年2月8日
(65)【公開番号】特開2017-140067(P2017-140067A)
(43)【公開日】2017年8月17日
【審査請求日】2018年2月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】水谷 裕子
(72)【発明者】
【氏名】花川 陽一
【審査官】
大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−320513(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3072870(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 11/34
B43K 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対をなす壁体の内面間に収納空間を有し前記両壁体の縁部間に前記収納空間を外部に開放するための開口部が形成されたケース本体と、このケース本体の前記開口部を開き状態又は閉じ状態にするための線ファスナとを具備してなり、
前記ケース本体が、前記対をなす壁体と、これら壁体の縁部間に張設され開き状態の前記開口部の一部を塞いで前記収納空間に収納された棒状小物類が外部に落下するのを抑止する落下防止用のマチと、このマチの内面側に設けられ前記マチが緊張しても弛緩状態を維持し得る寸法のポケット形成用シートとを備えたものであり、
前記線ファスナが、前記マチの外側に位置させて前記壁体の縁部に設けられたものである棒状小物類収納ケース。
【請求項2】
前記ケース本体が、前縁部間及び上縁部間に前記開口部を形成する前記対をなす壁体と、これら壁体における前縁部の下側部分間に張設された前記落下防止用のマチと、このマチの内面側に配された前記ポケット形成用シートとを備えたものである請求項1記載の棒状小物類収納ケース。
【請求項3】
前記ケース本体が、対をなす前記壁体の後縁部同士を背壁体により接続してなる周壁を有したものであり、この周壁を構成する芯材の弾性反発力により前記両壁体が開く方向に弾性付勢されている請求項2記載の棒状小物類収納ケース。
【請求項4】
前記周壁が、前記開き状態において自立できる程度の剛性を有した下半領域と、この下半領域の上縁に連続させて設けられた柔軟性を有する上半領域とを備え、前記上半領域を前記下半領域の外面側に折り返すことができるように構成されたものであり、
前記落下防止用のマチ及び前記ポケット形成用シートが、前記下半領域に配されたものである請求項3記載の棒状小物類収納ケース。
【請求項5】
前記周壁が、前記下半領域に前記芯材を内設したものであり、その芯材が、前記開き状態において前記落下防止用のマチを緊張させ得る程度の弾性反発力を発揮し得るものである請求項4記載の棒状小物類収納ケース。
【請求項6】
前記ケース本体が、前記対をなす壁体の下縁部間に底マチを有したものであり、
前記落下防止用のマチが、下縁を前記底マチの前縁に連続させたものであり、
前記ポケット形成用シートが、上縁及び下縁を自由端としたものである請求項2、3、4又は5記載の棒状小物類収納ケース。
【請求項7】
前記ポケット形成用シートの上縁を前記落下防止用のマチの上縁よりも上に位置させている請求項1、2、3、4、5又は6記載の棒状小物類収納ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筆記具等の棒状小物類を収納するための棒状小物類収納ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の棒状小物類収納ケースとして、対をなす壁体の内面間に収納空間を有し前記両壁体の縁部間に前記収納空間を外部に開放するための開口部が形成されたケース本体と、このケース本体の前記開口部を開き状態又は閉じ状態にするための線ファスナとを具備してなり、前記ケース本体が、前記対をなす壁体と、これら壁体の縁部間に張設され開き状態の前記開口部の一部を塞いで前記収納空間に収納された棒状小物類が外部に落下するのを抑止する落下防止用のマチとを備えた筆記具ケースが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
ところで、この筆記具ケースにおいては、従来、落下防止用のマチの前面側に、ポケット形成用シートが添接されており、このポケット形成用シートと前記落下防止用のマチとの間に形成されたポケットに消しゴム等の小物類を収納可能にしている。ところが、このような構成のものでは、小物類及び前記ポケット形成用のシートが前記マチよりも前方に突出することになる。そのため、前記線ファスナのスライダを上から下へスライドさせて前記開口部を閉じる際に前記スライダが前方に突出した小物類やポケット形成用のシートに干渉して円滑な操作が阻害されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4617597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上のような事情に着目してなされたもので、開口部を閉じる際に円滑な操作を行うことができる構成の棒状小物類収納ケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は次の構成をなしている。
【0007】
請求項1に記載の棒状小物類収納ケースは、対をなす壁体の内面間に収納空間を有し前記両壁体の縁部間に前記収納空間を外部に開放するための開口部が形成されたケース本体と、このケース本体の前記開口部を開き状態又は閉じ状態にするための線ファスナとを具備してなり、前記ケース本体が、前記対をなす壁体と、これら壁体の縁部間に張設され開き状態の前記開口部の一部を塞いで前記収納空間に収納された棒状小物類が外部に落下するのを抑止する落下防止用のマチと、このマチの内面側に設けられ前記マチが緊張しても弛緩状態を維持し得る寸法のポケット形成用シートとを備えたものであり、前記線ファスナが、前記マチの外側に位置させて前記壁体の縁部に設けられたものであるである。
【0008】
請求項2に記載の棒状小物類収納ケースは、請求項1に係る構成において、前記ケース本体が、前縁部間及び上縁部間に前記開口部を形成する前記対をなす壁体と、これら壁体における前縁部の下側部分間に張設された前記落下防止用のマチと、このマチの内面側に配された前記ポケット形成用シートとを備えたものである。
【0009】
請求項3に記載の棒状小物類収納ケースは、請求項2に係る構成において、前記ケース本体が、対をなす前記壁体の後縁部同士を背壁体により接続してなる周壁を有したものであり、この周壁を構成する芯材の弾性反発力により前記両壁体が開く方向に弾性付勢されているものである。
【0010】
請求項4に記載の棒状小物類収納ケースは、請求項3に係る構成において、前記周壁が、前記開き状態において自立できる程度の剛性を有した下半領域と、この下半領域の上縁に連続させて設けられた柔軟性を有する上半領域とを備え、前記上半領域を前記下半領域の外面側に折り返すことができるように構成されたものであり、前記落下防止用のマチ及び前記ポケット形成用シートが、前記下半領域に配されたものである。
【0011】
請求項5に記載の棒状小物類収納ケースは、請求項4に係る構成において、前記周壁が、前記下半領域に前記芯材を内設したものであり、その芯材が、前記開き状態において前記落下防止用のマチを緊張させ得る程度の弾性反発力を発揮し得るものである。
【0012】
請求項6に記載の棒状小物類収納ケースは、請求項2、3、4又は5に係る構成において、前記ケース本体が、前記対をなす壁体の下縁部間に底マチを有したものであり、前記落下防止用のマチが、下縁を前記底マチの前縁に連続させたものであり、前記ポケット形成用シートが、上縁及び下縁を自由端としたものである。
【0013】
請求項7に記載の棒状小物類収納ケースは、請求項1、2、3、4、5又は6に係る構成において、前記ポケット形成
用シートの上縁を前記落下防止用のマチの上縁よりも上に位置させているものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、開口部を閉じる際に円滑な操作を行うことができる構成の棒状小物類収納ケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態における棒状小物類収納ケースの開き状態を示す斜視図。
【
図2】同実施形態における棒状小物類収納ケースの開き状態を示す正面図。
【
図3】同実施形態における棒状小物類収納ケースの閉じ状態を示す正面図。
【
図4】同実施形態における棒状小物類収納ケースの閉じ状態を示す側面図。
【
図5】同実施形態における棒状小物類収納ケースの閉じ状態を示す底面図。
【
図6】同実施形態における棒状小物類収納ケースの閉じ状態を示す平面図。
【
図7】同実施形態における棒状小物類収納ケースの動作を説明するための図。
【
図9】同実施形態における棒状小物類収納ケースの動作を説明するための図。
【
図10】同実施形態における棒状小物類収納ケースの他の使用態様を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を、
図1〜
図11を参照して説明する。
【0017】
本実施形態は、本発明を、主に筆記具を収納するための棒状小物類収納ケース(以下、収納ケースAと称する)に適用したものである。
【0018】
この収納ケースAは、
図1〜
図6に示すように、対をなす壁体31の内面間に収納空間Sを有し前記両壁体31の縁部間、より具体的には前縁部31a間及び上縁部31b間に前記収納空間Sを外部に開放するための開口部1sが形成されたケース本体1と、このケース本体1の前記開口部1sを
図1、
図2及び
図7に示すような開き状態(O)又は
図3〜
図6及び
図9に示すような閉じ状態(C)にするための線ファスナ2とを具備してなる。
【0019】
前記ケース本体1は、
図1〜
図6に示すように、前記対をなす壁体31、及び前記対をなす壁体31の後縁部31c同士を接続する背壁体32を有する周壁3と、前記対をなす壁体31の縁部間、より詳細には前縁部31a間に張設され開き状態(O)の前記開口部1sの一部を塞いで前記収納空間Sに収納されたペンP等の棒状小物類が外部に落下するのを抑止する落下防止用のマチ4と、前記対をなす壁体31の下縁部31d間に配された底マチ5と、前記落下防止用のマチ4の内面側に設けられ前記落下防止用のマチ4が緊張しても弛緩状態を維持し得る寸法のポケット形成用シート6とを備えたものである。
【0020】
前記周壁3は、前記開き状態(O)において自立できる程度の剛性を有した下半領域3bと、この下半領域3bの上縁に連続させて設けられた柔軟性を有する上半領域3aとを備えている。前記上半領域3aは、
図10及び
図11に示すように、折り返し縁の位置で前記下半領域3bの外面側に折り返すことができるように構成されている。さらに詳述すると、この周壁3の下半領域3bは、外方に表出する合成繊維素材を主体とした布製の外装材33と、ペンP等の収容物に直接接し得る合成繊維素材を主体とした布製の内装材34と、これら外装材33と内装材34との間に配されるスポンジシート状の発泡部材35と、前記外装材33と発泡部材35との間に配されポリプロピレン製の板状をなす芯材36とを備えており、その上で、前記外装材33、内装材34、発泡部材35及び芯材36の周縁部を縫い合わせている。本実施形態では、前記外装材33の側縁部を内方に折り返して芯材36の側縁部を包持するようにしている。また、前記内装材34の側縁部を外方に折り返して発泡部材35の側縁部を包持するようにしている。すなわち、前記下半領域3bには前記芯材36が内設されており、この芯材36の弾性反発力により前記両壁体31が開く方向に弾性付勢されている。前記弾性反発力は、前記開き状態(O)において前記落下防止用のマチ4を緊張させ得る程度のものである。一方、前記周壁3の上半領域3aは、図示は省略するが、外方に表出する合成繊維素材を主体とした布製の外装材33と、収容物に直接接し得る合成繊維素材を主体とした布製の内装材34と、これら外装材33と内装材34との間に配されるスポンジシート状の発泡部材35とを備えており。その上で、前記外装材33、内装材34及び発泡部材35の周縁部を縫い合わせている。
【0021】
前記落下防止用のマチ4は、前記壁体31における前縁部31aの下側部分間に張設されたものである。換言すれば、この落下防止用のマチ4は、前記周壁3の下半領域3bに配されたものである。また、前記落下防止用のマチ4の両側縁部4aの内方には補強テープTが配されており、これら落下防止用のマチ4及び補強テープTは、
図7及び
図8に示すように、前記外装材33、内装材34、発泡部材35及び芯材36に縫い合わされている。そして、この落下防止用のマチ4は、その下縁4bが前記底マチ5の前縁5aに連続している。
【0022】
前記底マチ5は、前記収納空間Sの底面を形成するものであり、両側縁5b及び後縁5cを前記周壁3の下縁、すなわち前記対をなす壁体31の下縁部31d及び背壁体32の下縁部32dに接続している。
【0023】
前記ポケット形成用シート6は、前記対をなす壁体31の前縁部31aに両側縁部6aを接続しており、このポケット形成用シート6の前面6xと前記落下防止用のマチ4の後面4xとの間に消しゴム等の小物類を収納可能なポケットPPを形成している。また、このポケット形成用シート6は、その上縁6b及び図示しない下縁を自由端としており、
図7及び
図8に示すように、両側縁部が前記外装材33、内装材34、発泡部材35及び芯材36に縫い合わされている。このポケット形成
用シート
6の上縁6bは、前記落下防止用のマチ4の上縁4cよりも上に位置させてある。そして、このポケット形成用シート6は、前述したように、前記落下防止用のマチ4が緊張しても弛緩状態を維持し得る寸法を有する。
【0024】
前記線ファスナ2は、前記落下防止用のマチ4の外側に位置させて前記壁体31の縁部に設けられたものである。より具体的には、この線ファスナ2は、壁体31の前縁部31a並びに上縁部31bの全域に亘って配されている。この線ファスナ2は、壁体31に基端側が直接縫合されているテープ2aと、このテープ2aの先端側に設けられ互いに接離し得る務歯2bと、スライド動作によりこれら務歯2bの接離を操作するための第1のスライダ2c並びに第2のスライダ2dとを有するものである。本実施形態ではテープ2a及び務歯2bの下端を壁体31側に折り込むように縫合することにより第1並びに第2のスライダ2c、2dの下側の動作端としている。一方、テープ2a及び務歯2bの上端は、帯状のファスナエンド2eの一端部に縫合し、第1並びに第2のスライダ2c、2dの上側の動作端としている。前記ファスナエンド2eの他端部にはホックの雌部材2fを設けており、この雌部材2fを前記背壁体32に設けた図示しないホックの雄部材と係り合わせるようにしている。勿論、当該第1並びに第2のスライダ2c、2dの動作を規制するためのストッパ等の別異の部材を務歯2bの両端に固定しても良い。なお当該線ファスナ2の構成は本実施形態の他、既存の適宜のものを使用し得るために詳細な説明を省略する。また、本実施形態では、この線ファスナ2の基端部は、
図8に示すように、前記外装材33及び内装材34の折り返された部分の間に配されており、前記補強テープT、前記落下防止用のマチ4、前記ポケット形成用シート6、前記外装材33、前記内装材34、発泡部材35及び芯材36とともに縫い合わされている。なお、
図5において、この線ファスナ2の上端部及び前記ファスナエンド2eは省略して示している。
【0025】
しかして、本実施形態に係る収納ケースAでは、前記開口部1sを開き状態(O)から閉じ状態(C)にすると、落下防止用のマチ4は、
図9に示すように収納空間Sの内側に向けて折り畳まれる可能性が高い。このとき、ポケット形成用シート6は、前記落下防止用のマチ4の内面側すなわち後方に設けられており、前記落下防止用のマチ4よりも長い寸法を有するので、前記落下防止用のマチ4と前記内装材34との間に配された状態を保ちつつ、
図9に示すように収納空間Sの内側に向けて折り畳まれる。
【0026】
従って、本実施形態に係る収納ケースAの構成によれば、前記ポケット形成用のシート6及び前記ポケットPP内に収納されるペンP等の収納物が前記落下防止用のマチ4よりも後方に配されているので、前記線ファスナ2のスライダ2c、2dをスライドさせて前記開口部1sを閉じる際に、ポケットPP内の収納物やポケット形成用のシート6が前記線ファスナ2よりも前方に移動することにより前記スライダ2c、2dと干渉する可能性が低く、開口部1sを閉じる際に円滑な操作を行うことができる。
【0027】
また、周壁3を構成する芯材36の弾性反発力により両壁体31が開く方向に弾性付勢されているので、前記開口部1sを開き状態(O)とした状態で収納ケースAを自立させておくようにすることができる。
【0028】
さらに、前記上半領域3aを前前記下半領域3bの外面側に折り返すことにより、収納空間S内部のペンP等の視認性を高めることもできる。
【0029】
加えて、前記周壁3が、前記下半領域3bに前記芯材36を内設したものであり、その芯材36が、前記開き状態(O)において前記落下防止用のマチ4を緊張させ得る程度の弾性反発力を発揮し得るので、収納空間S内の物品が前記落下防止用のマチ4を越えて落下することを有効に防止ないし抑制することができる。
【0030】
落下防止用のマチ4の下縁4bを前記底マチ5の前縁5aに連続させることにより部品点数や組み立て工数の削減を図りつつ、前記ポケット形成用シート6の上縁6b及び下縁を自由端としているので、前記開口部1sを開き状態(O)から閉じ状態(C)とする際に落下防止用のマチ4及びポケット形成用シート6が互いに干渉することなく円滑に折り畳まれる。
【0031】
そして、前記ポケット形成用シート6の上縁6bを前記落下防止用のマチ4の上縁4cよりも上に位置させているので、ポケットPP内部の物品がポケット形成用シート6を越えて収納空間S内に混入する不具合の発生を抑制することができる。
【0032】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0033】
例えば、上述した実施形態では、収納空間への棒状小物類の出し入れの便を図るべく、ケース本体を、前縁部間及び上縁部間に開口部を形成する前記対をなす壁体と、これら壁体における前縁部の下側部分間に張設された前記落下防止用のマチと、このマチの内面側に配された前記ポケット形成用シートとを備えるものとしているが、例えば、壁体の前縁部間のみに開口部が形成される構成の棒状小物類収納ケースに本発明を適用してももちろんよい。
【0034】
また、上述した実施形態では、前述したように、開口部を開き状態とした状態で収納ケースを自立させておくことができるようにすべく、周壁を構成する芯材の弾性反発力により両壁体が開く方向に弾性付勢されるようにしているが、芯材とは別個に設けた弾性付与部材や外装材又は内装材自体の弾性反発力を利用して両壁体を開く方向に弾性付勢する構成を採用してもよい。
【0035】
さらに、上述した実施形態では、収納空間内部のペン等の視認性を高めるべく、開き状態において自立できる程度の剛性を有した下半領域と、この下半領域の上縁に連続させて設けられた柔軟性を有する上半領域とを備え、前記上半領域を前記下半領域の外面側に折り返すことができるように構成しているが、上半領域を下半領域の外面側に折り返すことが不可能な棒状小物類収納ケースに本発明を適用してももちろんよい。
【0036】
加えて、上述した実施形態では、ケース本体が、対をなす壁体の下縁部間に底マチを有し、落下防止用のマチの下縁が前記底マチの前縁に連続し、前記ポケット形成用シートの上縁及び下縁が自由端であるが、落下防止用のマチと底マチとを別個の部材により形成した棒状小物類収納ケースや、ポケット形成用シートの下縁を底マチに固定した棒状小物類収納ケース等に、本発明の主な構成、すなわちポケット形成用シートを落下防止用のマチの内面側に設け前記落下防止用のマチが緊張してもポケット形成用シートが弛緩状態を維持し得る構成を採用してももちろんよい。
【0037】
そして、上述した実施形態では、ポケット内部の物品がポケット形成用シートを越えて収納空間内に混入する不具合の発生を抑制すべく、前記ポケット形成
用シートの上縁を前記落下防止用のマチの上縁よりも上に位置させているが、もちろん前記ポケット形成
用シートの上縁の高さ位置を前記落下防止用のマチの上縁と同じ、またはより下方に設定した棒状小物類収納ケースに、本発明の主な構成、すなわちポケット形成用シートを落下防止用のマチの内面側に設け前記落下防止用のマチが緊張してもポケット形成用シートが弛緩状態を維持し得る構成を採用してももちろんよい。
【0038】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。すなわち、開口部を閉じる際に円滑な操作を行うことができるようにすべく、本発明の最も主要な構成である、ポケット形成用シートを落下防止用のマチの内面側に設け前記落下防止用のマチが緊張してもポケット形成用シートが弛緩状態を維持し得る構成を採用したものであれば、その他の部位についてはどのような構成を採用してももちろんよい。
【符号の説明】
【0039】
A…棒状小物類収納ケース
S…収納空間
1…ケース本体
1s…開口部
2…線ファスナ
3…周壁
31…壁体
31a…壁体の(前)縁部
31b…壁体の(上)縁部
4…落下防止用のマチ
6…ポケット形成用のシート